JP2004066619A - ガスバリア性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のガスバリア性フィルムが基材のプラスチックフィルムの剛性が不十分であったために、結果としてガスバリア性の飛躍的な向上が見られなかった点を解消することを課題とする。
【解決手段】単層もしくは二層以上のプラスチックフィルムが積層された積層フィルムであって、剛性が0.5N〜15Nの範囲である基材2の少なくとも一方の面に、必要に応じてプライマー層を介して金属酸化物の薄膜4を積層し、ガスバリア性フィルム1を構成することにより、課題を解決することができた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、剛性を規定した基材を用い、表面に金属酸化物の薄膜を積層することにより、高いガスバリア性が得られ、しかも、そのガスバリア性を良好に維持することが可能なガスバリア性フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食品や医薬品の包装においては、包装材料の水蒸気透過性および酸素透過性が、内容物の保存性に大きな影響を与えるため、従来からコーティング型のガスバリア性フィルムが使用されてきたが、近年、より高度なガスバリア性が求められるようになってきている。
【0003】
食品や医薬品の包装以外の、例えば電子部品の包装においても、ガスバリア性フィルムを使用して包装することは重要であり、特に、フレキシブルなタイプの有機EL素子(またはOLED素子とも言う。)を作成する場合には、使用される蛍光発光体の酸素ガスもしくは水蒸気、特に後者による劣化を抑えるために、より一層の高度なガスバリア性が求められるようになってきている。
【0004】
ガスバリア性の向上を目的として、従来、ガスバリア性フィルムのガスバリア性層の膜質や膜厚に関して、多くの検討がなされてはいるが、ガスバリア性層のみの改善では、ガスバリア性の飛躍的な向上を得るには至っていない。発明者の検討によれば、ガスバリア性フィルムの基材のプラスチックフィルムの性質、特に加工時のプラスチックフィルムの剛性が、得られるガスバリア性フィルムのガスバリア性に影響を与えることが判明した。というのは、基材のプラスチックフィルムの剛性が低いと、プラスチックフィルムの屈曲に伴ない、ガスバリア性層に微細なクラックが生じることが分かったからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、従来のガスバリア性フィルムが基材のプラスチックフィルムの剛性が不十分であったために、結果としてガスバリア性の飛躍的な向上が見られなかった点を解消することを課題とする。
【0006】
【課題を解決する手段】
発明者の検討によれば、基材のプラスチックフィルムの剛性を適切な範囲とすることにより、ガスバリア性層の改善のみでは不可能であった、ガスバリア性の向上を可能とすることができた。
【0007】
第1の発明は、単層のプラスチックフィルム、もしくは二層以上のプラスチックフィルムが積層された積層フィルムが基材であり、前記基材の剛性が0.5N〜15Nの範囲であり、前記基材の少なくとも一方の面に、金属酸化物の薄膜が積層されていることを特徴とするガスバリア性フィルムに関するものである。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記金属酸化物の薄膜が、真空蒸着法、スパッタリング法、もしくはイオンプレーティング法の物理気相成長法、またはプラズマ化学気相成長法により形成されたものであることを特徴とするガスバリア性フィルムに関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のガスバリア性フィルムの一例を示す概略的断面図である。本発明のガスバリア性フィルム1は、図1(a)に示すように、基材2の一方の面に、必要に応じてプライマー層3を介してガスバリア性の薄膜4が積層されたものである。この場合、基材2は、一枚のプラスチックフィルムからなるものである。
【0010】
本発明のガスバリア性フィルム1は、図1(b)に示すように、二枚のプラスチックフィルム2aおよび2bが積層された積層フィルムを基材2とし、基材2の一方の面に、必要に応じてプライマー層を介してガスバリア性の薄膜4が積層されたものであってもよく、さらには、三枚以上のプラスチックフィルムが積層された積層フィルムを基材2とするものであってもよい。
【0011】
本発明のガスバリア性フィルム1は、図1を引用して説明した二例に限られることなく、種々の積層構造のものであり得る。例えば、ガスバリア性フィルム1は、更に最上層にオーバーコート層を有するものであってもよい。また、以上の説明では、基材2の一方の面にのみガスバリア性の薄膜4が積層されたものを例示したが、ガスバリア性の薄膜4は、基材2の両方(図では上下の両面)に積層されていてもよく、また、基材2の両方の面に積層された薄膜4の一方もしくは両方が、プライマー層3やオーバーコート層を伴なっていてもよく、また薄膜4が二以上の異なる材質の薄膜が積層されてものであってもよい。
【0012】
基材2としては、剛性が0.5N〜15Nの範囲のプラスチックフィルムを用いることが好ましく、より好ましくは1.0〜10Nである。剛性が0.5N未満であると、ガスバリア性層である薄膜4の形成や、薄膜4の形成の前後での取扱いの際に、機械適性が乏しく、また、形成した薄膜4の水蒸気、もしくは酸素ガス等に対するガスバリア性の低下が見られるので好ましくなく、また剛性が15Nを超えると、ガスバリア性層である薄膜4の形成後の取扱い時に、ガラスと同様、耐衝撃性が劣るため、巻き取りにくく、また、巻き取った際に、水蒸気、もしくは酸素ガス等に対するガスバリア性の低下が見られるので、やはり好ましくない。ここで、用語の「フィルム」は、通常ならば、厚みが100μm程度以下のものを指すことが多いが、この明細書では、用語の「フィルム」を、厚みが100μmよりも厚い、通常ならば、「シート」と呼ばれるものも含めて使用するものとする。
【0013】
本発明で規定する基材2のプラスチックフィルムの剛性の測定は、次のようにして行った。まず、図2(a)に示すように、プラスチックフィルムから、幅;25mmで、長さ;12cmの短冊状の試料片Sを切り取り、次に、図2(b)に示すように、試料片の両端の短辺どうしを揃えて重ねて、万能試験機((株)オリエンテック製、品番;「RTC−1310A」)のチャックC内に、重ねた部分を1cmくわえさせ、従って、残りの10cmでループLを形成した。その後、この状態で、図2(c)に示すように、ループL上から、圧縮速度;200mm/min、押しつぶし距離;20mmの条件で、平板Bを下降させてループLをつぶし、ループLの反発力を測定して得られた測定値を剛性(N)とした。
【0014】
基材2のプラスチックフィルムの剛性が上記の範囲内であると、後述する金属酸化物の薄膜の形成の際に、プラスチックフィルムの屈曲によって、ガスバリア性層に微細なクラックが生じることがごく少ないので、本来的にも、ガスバリア性の高いガスバリア性フィルム1を作成することが可能となり、また、金属酸化物の薄膜の形成の直後の取扱いや加工機のローラに沿って走向する際にも、ガスバリア性層に微細なクラックが生じることを防止可能でき、勿論、ガスバリア性フィルムとした後の製品の取り扱いの際にも、ガスバリア性層に微細なクラックが生じることを防止でき、従って、ガスバリア性層である金属酸化物の薄膜の特徴を劣化させることなく、良好に維持することが可能になる。
【0015】
基材2のプラスチックフィルムとしては、具体的には、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)もしくはポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエーテルスルフォン系樹脂、またはその他の各種の樹脂のフィルムを使用することができる。本発明においては、基材2のプラスチックフィルムとして、上記の中でも、特に、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、もしくはポリエーテルスルフォン系樹脂のフィルムを使用することが好ましい。また、耐熱性や機械的特性等の優れたフィルムとして、上記以外にも、結晶性樹脂の範ちゅうでは、熱可塑性樹脂であるポリブチレンテレフタレート、もしくはシンジオタクティック・ポリスチレン等、熱硬化性樹脂であるポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、もしくはポリエーテルニトリル等、非結晶性樹脂の範ちゅうでは、熱可塑性樹脂である変性ポリフェニレンエーテル、もしくは熱可塑性ポリイミド等、熱硬化性樹脂であるポリサルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、もしくはポリエーテルイミド等も使用することができる。
【0016】
基材2のプラスチックフィルムは、上記した各種の樹脂の一種もしくは二種以上を使用し、溶融押し出し法、キャスト法、Tダイ法、切削法、インフレーション法、もしくはその他の成膜法を用いて単層のプラスチックフィルムとして得るか、または、上記した各種の樹脂の二種以上を使用して二層共押出しもしくは多層共押出しする方法を用いて多層のプラスチックフィルムとして得ることができる。
【0017】
基材2のプラスチックフィルムは、上記のようにして、単層もしくは多層のプラスチックフィルムとして得た後に、必要に応じて、テンター方式、あるいはチューブラー方式等を利用して、1軸もしくは2軸方向に延伸することにより延伸プラスチックフィルムとしてもよい。
【0018】
なお、基材2のプラスチックフィルムを多層のプラスチックフィルムとして得るには、上記のようにして得た単層、もしくは多層のプラスチックフィルムを、任意に組み合わせて、貼り合わせることによってもよい。
【0019】
基材2のプラスチックフィルムは、剛性が0.5N〜15Nであることを第一の条件にして選定するので、プラスチックフィルムを構成する素材によって、好ましい厚みの範囲は変わり得るが、概略、60μm〜5000μm程度であることが好ましく、より好ましくは100μm〜1000μm程度である。
【0020】
なお、基材2のプラスチックフィルムを得る際に、プラスチックフィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、もしくはその他の特性を改良する、または改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や、添加剤を添加することができる。種々のプラスチック配合剤もしくは添加剤は、微量から数十%まで、目的に応じて任意に添加でき、一般的な添加剤である滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料、もしくはその他の添加剤を使用することが好ましい。
【0021】
本発明のガスバリア性フィルムにガスバリア性を付与するための薄膜4は、次のような金属酸化物から構成され、基本的には、金属の酸化物をアモルファス化した薄膜であれば使用可能であり、例えばケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の金属の酸化物をアモルファス化した薄膜を使用できる。
【0022】
フレキシブルなタイプの有機EL素子(またはOLED素子)のようなディスプイレイ用材料に適するものとしては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)等の金属の酸化物をアモルファス化した薄膜が好ましく、これらの金属の酸化物をアモルファス化した薄膜は、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物等のように金属酸化物として呼ぶことができ、SiO、AlO等のように表すことができる(xの値は金属元素の種類によってそれぞれ異なる)。また金属酸化物の代りに金属窒化物、及び金属酸化窒化物を用いてもよい。
【0023】
なお、金属酸化物の薄膜4は、一層で構成するのに限られることなく、二層以上の多層を積層してもよく、二層以上の場合の各層の各々は、同種の金属酸化物で構成されていても、もしくは異種の金属酸化物で構成されていてもよい。
【0024】
金属酸化物の薄膜4の厚みとしては、使用する金属酸化膜の種類によって異なるが、例えば、500Å〜5000Å程度であることが好ましく、より好ましくは700Å〜3000Å程度である。好ましい金属酸化物であるアルミニウム酸化物(代表的には酸化アルミニウム)やケイ素酸化物(代表的には酸化ケイ素)の薄膜の場合は、50Å〜2500Å程度であることが好ましく、より好ましくは100Å〜2000Å程度である。薄膜4の厚みが上記の範囲よりも薄いと、水蒸気、もしくは酸素ガス等に対するガスバリア性が不十分であり、また、上記の範囲よりも厚いと、薄膜4の形成後、後加工の工程が進むにつれ、薄膜4のクラックなどにより、水蒸気、もしくは酸素ガス等に対するガスバリア性の低下が見られるので、いずれも好ましくない。
【0025】
金属酸化物の薄膜4を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、もしくはイオンプレーティング法等の物理的気相成長法(Physical Vapor Deposition)、またはプラズマ化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition)を挙げることができる。本発明における金属酸化物の薄膜4の成膜法としては、上記の金属もしくは金属酸化物を原料として用い、加熱して基材上に蒸着させる真空蒸着法、または、金属もしくは金属酸化物を原料として用い、酸素ガスを導入することにより酸化させて基材上に蒸着させる酸化反応蒸着法が好ましく、酸化ケイ素等の蒸着膜を成膜させる場合には、オルガノポリシロキサンを原料とするプラズマ化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition)を用いて成膜することが好ましい。
【0026】
金属酸化物の薄膜4として好ましい酸化ケイ素の薄膜は、有機ケイ素化合物を原料として、低温プラズマ化学気相成長法を用いて形成することができる。有機ケイ素化合物としては、例えば、1,1,3,3,−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、もしくはその他を使用することができ、取扱い性や得られる薄膜の特性等から、テトラメトキシシラン(TMOS)、もしくはヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)等を用いることがより好ましい。
【0027】
本発明のガスバリア性フィルムは、以上のように、基材の剛性を規定したことにより、金属酸化物の薄膜の形成時においても、また、その後の取扱い時にも、金属酸化物の薄膜に微細なクラックが生じることが防止可能であり、ガスバリア性層である金属酸化物の薄膜の特徴を劣化させることなく、良好に維持することができるので、食品や医薬品等の包装以外にも、電子部品の包装にも適し、使用される蛍光発光体が酸素ガスや特に水蒸気によって劣化しやすい有機EL素子(またはOLED素子)の基材用、もしくは有機EL素子の密封用として用いるのに、特に適している。
【0028】
【実施例】
(実施例1)
基材フィルムとしては、30cm×21cmの寸法に裁断した2軸延伸PETフィルム(東洋紡(株)製、厚み;100μm)を、また、薄膜の原料としてはテトラメトキシシラン(TMOS)を用い、プラズマ化学気相蒸着装置により、膜厚が10nmになるまで成膜を行い、ケイ素酸化物の薄膜が積層された透明ガスバリア性フィルムを得た。このときの蒸着条件は、真空度;250×10−3Torr.、TMOSガス流量;4sccm、酸素ガス流量;12sccm、ヘリウムガス流量;30sccm、周波数;90kHz、および電力;150Wである。なお、単位「sccm」は、大気圧(=1atm)、常温(=25℃)で規格化された毎分あたりの流量(Standrd cc/min)を表す。
【0029】
(実施例2)
基材フィルムとしては、30cm×21cmの寸法に裁断した2軸延伸PETフィルム(東洋紡(株)製、厚み;188μm)を用い、その他は、実施例1と同様に行なって、透明ガスバリア性フィルムを得た。
【0030】
(実施例3)
2軸延伸PENフィルム(帝人・デュポンフィルム(株)製、厚み;100μm、幅710mm)と、2軸延伸PETフィルム(東洋紡(株)製、厚み;100μm、幅710mm)とをドライラミネート法により貼り合せたものを基材フィルムとして使用した。なお、ドライラミネート用接着剤としては、2液硬化型のポリエステルウレタン系接着剤(武田薬品工業(株)製、タケラックA−515/タケネートA−3)を用い、グラビアロールコーティングによる塗付量は、4.1g/m(乾燥時)とした。薄膜の形成は実施例1におけるのと同様にして、透明ガスバリア性フィルムを得た。ケイ素酸化物の薄膜の厚みは100nmとした。
【0031】
(実施例4)
2枚の2軸延伸PENフィルム(いずれも帝人・デュポンフィルム(株)製、各々の厚みおよび幅は2枚に共通で、厚み;100μm、幅;710mmである。)を貼り合せたものを基材フィルムとして使用した以外は、実施例3と同様にして、透明ガスバリア性フィルムを得た。
【0032】
(比較例1)
基材フィルムとして、2軸延伸PETフィルム(ユニチカ(株)製、厚み;12μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、透明ガスバリア性フィルムを得た。ケイ素酸化物の薄膜の厚みは10nmとした。
【0033】
(比較例2)
基材フィルムとして、2軸延伸PETフィルム(東洋紡(株)製、厚み;50μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、透明ガスバリア性フィルムを得た。ケイ素酸化物の薄膜の厚みは100nmとした。
【0034】
(評価)
上記の実施例1、実施例2、実施例2、および比較例2で製造した各透明ガスバリア性フィルムに関して、水蒸気透過率、および酸素ガス透過率を、また、それぞれで用いた基材の腰強度を測定した結果を「表1」に示す。表1中、水蒸気透過率は、水蒸気ガス透過率測定装置(モダンコントロール(株)製、PERMATRAN−W3/31)を用い、測定温度;37.8℃、湿度;100%RHの条件下で測定したもので、また、酸素ガス透過率は、酸素ガス透過率測定装置(モダンコントロール(株)製、OXTRAN W2/20)を用い、測定温度;23℃、湿度;90%RHの条件下で測定したものである。
【0035】
また、剛性の測定は、各実施例および各比較例で得られた透明ガスバリア性フィルムから、幅;25mm、長さ;l2cmの短冊状の試料を切り取り、両端1cmずつを除く10cmの部分でループを形成し、万能試験機((株)オリエンテック製、品番;「RTC−1310A」)を用いて、押しつぶし距離を20mm、圧縮速度を200mm/minにて、ループをつぶす際のループの反発力を測定することによって行った。測定値が大きいほど、剛性が大きいことを示す。
【0036】
【表1】
Figure 2004066619
【0037】
上記の「表1」から明らかなように、実施例1〜実施例4のガスバリア性フィルムは、いずれも、比較例1および比較例2のガスバリア性フィルムと比較して水蒸気バリア性、および酸素ガスバリア性が優れていることが分かる。
【0038】
【発明の効果】
請求項1および請求項2の発明によれば、基材のプラスチックフィルムの剛性を規定したことにより、水蒸気透過率および酸素透過率が優れたガスバリア性フィルムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスバリア性フィルムを示す断面図である。
【図2】基材の剛性を測定する方法を説明する図である。
【符号の説明】
1  ガスバリア性フィルム
2  基材
3  プライマー層
4  薄膜

Claims (2)

  1. 単層のプラスチックフィルム、もしくは二層以上のプラスチックフィルムが積層された積層フィルムが基材であり、前記基材の剛性が0.5N〜15Nの範囲であり、前記基材の少なくとも一方の面に、金属酸化物の薄膜が積層されていることを特徴とするガスバリア性フィルム。
  2. 前記金属酸化物の薄膜が、真空蒸着法、スパッタリング法、もしくはイオンプレーティング法の物理気相成長法、またはプラズマ化学気相成長法により形成されたものであることを特徴とする請求項1記載のガスバリア性フィルム。
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