JP6428648B2 - 非水電解質二次電池用正極活物質及びこれを用いた非水電解質二次電池、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極活物質及びこれを用いた非水電解質二次電池、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解質二次電池用正極活物質及びこれを用いた非水電解質二次電池、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法に関する。
近年、携帯電話、ノートパソコン、スマートフォン等の移動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しており、その駆動電源としての電池にはさらなる高容量化が要求されている。充放電に伴い、リチウムイオンが正、負極間を移動することにより充放電を行う非水電解質二次電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であるので、上記のような移動情報端末の駆動電源として広く利用されている。
更に最近では、非水電解質二次電池は電気自動車等の動力用電源としても注目されており、さらなる用途拡大が見込まれている。このような用途では、電池を長時間使用可能にする高容量化、充電と放電を繰り返したときの電池の長寿命化、電池の低コスト化などについて、さらなる改善が望まれている。
上記非水電解質二次電池用の正極活物質として、例えば、ニッケル酸リチウム(LiNiO)を用いることが検討されている。LiNiOは、正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO)を用いた場合に比べて、高容量化と低コスト化が期待できる。さらに、熱安定性を向上させるために、LiNiOのニッケルを少量のコバルト、アルミニウム等で置換することが提案されている。
例えば、下記特許文献1には、一般式Li(Ni1−yCo1−z(0.98≦x≦1.10、0.05≦y≦0.4、0.01≦z≦0.2、MはAl、Zn、TiおよびMgからなる群から選ばれる1種以上)で表されるリチウム二次電池用正極活物質が開示されており、正極活物質の二次粒子表面を覆っているLiCOの量を抑えることで、高容量で出力特性に優れたリチウム二次電池用正極活物質が提案されている。特許文献1では、正極活物質を製造する際のリチウム原料として水酸化リチウムが用いられている。
下記特許文献2には、放電容量及び安全性を向上するために、組成式Li1.1+xNi (式中、MはMo及びWのうち少なくともいずれかを含み、MはMnである。−0.07≦x≦0.1、0.90≦a≦0.98、0.02≦b≦0.06、0.00≦c≦0.06である。)で表される正極活物質を用いることが開示されている。また、下記特許文献3には、高容量かつ高安全を達成するために、組成式Li1.1+xNiM1M2(M1は、Coを表すか、またはCoとMnを表し、M2は、Mo、WまたはNbを表し、−0.07≦x≦0.1、0.6≦a≦0.9、0.05≦b≦0.38、0.02≦c≦0.06とする。)で表される正極活物質を用いることが開示されている。
下記特許文献4には、正極活物質として、LiNiCo(ただし、0≦a≦1.1、0.7≦b≦0.9、0.1≦c≦0.3、0≦d≦0.1、b+c+d=1、M=Al、Mg、Ti、Mo、B、W、Nbからなる群から選択される少なくとも1種の元素)で表される複合酸化物が開示されており、例えば、炭酸リチウムと、水酸化ニッケルと、水酸化コバルトと、硫酸アルミニウムとを混合し、この混合物を空気中750℃で15時間焼成することにより、LiNi0.8Co0.15Al0.05を得ることが開示されている。
特開2004−327246号公報 特開2012−178312号公報 特開2012−174614号公報 特開2003−308880号公報
しかしながら、上記特許文献1〜4に開示された技術では、高容量化と長寿命化を両立させることができないという問題があった。
上記課題を解決すべく、本発明の一形態の非水電解質二次電池用正極活物質は、一般式Li1+aNi(式中、MはCo、Mn及びAlから選択される少なくとも1種の元素であり、−0.01≦a<0.1、0.7≦x≦1.0、0≦y≦0.3、x+y=1)で表されるリチウム含有遷移金属酸化物を含み、上記リチウム含有遷移金属酸化物には、周期律表のVIA族元素から選択される少なくとも1種の元素が、上記Ni及びMの総量に対して0mol%より多く1.0mol%以下含有されており、上記リチウム含有遷移金属酸化物のLi席占有率が99%以上で、且つ、結晶歪が0.15%以下である。
また、本発明の一形態の非水電解質二次電池は、上記正極活物質を用いた正極と、リチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質を用いた負極と、上記正負極間に配置されたセパレータと、非水電解質と、を備える。
上記した構成によれば、高容量化と長寿命化を両立した非水電解質二次電池用正極活物質及びこれを用いた非水電解質二次電池を提供できる。
本発明の一実施形態に係る三電極式試験セルの概略構造を示す模式図である。
本発明の発明者が検討したところ、正極活物質として従来のリチウム含有遷移金属酸化物を用いた場合には、以下の課題があることを見出した。
リチウム含有遷移金属酸化物は、例えば、遷移金属化合物と、リチウム化合物とを、所定の割合で混合し、得られた混合物を焼成して遷移金属化合物とリチウム化合物とを反応させることにより得られる。遷移金属化合物としては、例えば、水酸化物や酸化物を用いることができる。リチウム化合物としては、例えば、炭酸リチウムや水酸化リチウム等を用いることができる。
炭酸リチウムや水酸化リチウムを用いた場合は、上記遷移金属化合物とリチウム化合物との反応時に、下記式(1)や(2)に示す分解反応が進行する。そして、遷移金属化合物としてNi含有遷移金属酸化物を用いた場合には、上記分解反応とともに下記式(3)に示す反応も進行する。この反応により、Ni含有遷移金属酸化物においては2価の状態で存在したNiイオンが、上記分解反応により生成したLiやO2−と反応することにより、反応生成物であるリチウム含有遷移金属酸化物においては3価のNiイオンとして存在するようになる。ただし、下記式(1)〜(3)に示す反応はいずれも可逆反応であるため、一度3価になったNiイオンの一部が2価のNiイオンへ還元されることもある。これらのことから、反応生成物であるリチウム含有遷移金属酸化物には、3価のNiイオンと少量の2価のNiイオンが存在していると考えられる。
LiOH ⇔ Li + 1/2O2− + 1/2HO ・・・(1)
LiCO ⇔ 2Li + O2− + CO ・・・(2)
Ni(II)O + Li+ O2− ⇔ LiNi(III)O ・・・(3)
ここで、上記Ni含有遷移金属化合物として、Ni比率の高い遷移金属化合物を用いた場合には、高い容量密度が得られるので高容量の電池が得られる。しかし、Ni比率が高くなるほど、リチウム含有遷移金属酸化物に含まれる2価のNiイオンの比率も高くなりやすいために、反応時に結晶構造R-3mにおける3aサイトに存在するLiイオンと3bサイトに存在する2価のNiイオンが入れ替わるカチオンミキシングが起こりやすいことがわかった。このカチオンミキシングは、Liイオンのイオン半径と2価のNiイオンのイオン半径とが近い値を有するために起こると考えられる。カチオンミキシングが起こると、リチウム含有遷移金属酸化物においてLi席占有率(3aサイトに占めるLiイオンの割合)が低下するため、充放電時に吸蔵放出されるLi量が減少する結果、容量密度が低下してしまう。即ち、遷移金属化合物に占めるNi比率が高くなるほど、カチオンミキシングが起こりやすくなり、Li席占有率が低下することがわかった。尚、本実施形態において、Ni比率とは、リチウム含有遷移金属化合物中に含まれる遷移金属の総モル量に対するNiモル量の割合のことである。
また、水酸化リチウムは炭酸リチウムに比べて高価であるため、製造コストの観点からは、炭酸リチウムを用いる方が水酸化リチウムを用いるよりもメリットがある。しかし、炭酸リチウムは水酸化リチウムよりも融点が高いために、炭酸リチウムと遷移金属化合物との反応開始温度は、水酸化リチウムと遷移金属化合物との反応開始温度に比べて高い。このため、同じ温度で反応させた場合は、炭酸リチウムは水酸化リチウムに比べて上記分解反応が進行しづらいために、上記式(1)や(2)に示す酸素イオン濃度(O2−濃度)は、水酸化リチウムよりも炭酸リチウムの方が低くなる。酸素イオン濃度が低くなると、上記式(3)において一度3価になったNiイオンの一部が2価のNiイオンへ還元されやすくなるため、リチウム含有遷移金属化合物に含まれる2価のNiイオンの比率が高くなり、上記したカチオンミキシングが起こりやすくなることがわかった。即ち、リチウム化合物として炭酸リチウムを用いた場合は、水酸化リチウムを用いた場合に比べてカチオンミキシングが起こりやすく、これによりLi席占有率が低下することがわかった。
炭酸リチウムを用いた場合に酸素イオン濃度を高くする方法としては、炭酸リチウムと遷移金属化合物を反応させる際の焼成温度を高くすることにより分解反応を促進させる方法が考えられるが、焼成温度が高くなるほどエネルギーも大きくなるため、上記カチオンミキシングが活発になる。よって、焼成温度を高くしても容量密度の向上はあまり期待できないことがわかった。
以上より、リチウム化合物として炭酸リチウムを用いた場合には、原料価格が安くなるといった低コスト化のメリットが期待できるものの、上記したカチオンミキシングによる容量密度低下のデメリットがあることがわかった。このため、容量密度が低下しにくいという観点からは、炭酸リチウムよりも高価な水酸化リチウムを用いることが好ましいと考えられる。
しかし、発明者がさらに検討した結果、リチウム化合物として水酸化リチウムを用いた場合、リチウム含有遷移金属酸化物のLi席占有率が高くなるように焼成温度を設定すると、結晶歪が大きくなってしまうことがわかった。結晶歪が大きいと、リチウムの吸蔵放出で結晶に応力が加わった際に、結晶に割れが生じやすくなるために、充放電サイクルに伴い電池容量が低下し、電池寿命が短くなることがある。結晶歪は、焼成温度を高くすることで小さくすることができるが、上述のとおり、焼成温度を高くするとカチオンミキシングが起こりやすくなるためにLi席占有率が低下してしまい、充放電に寄与するLiイオン量が減る結果、容量密度が低下してしまう。即ち、リチウム化合物として水酸化リチウムを用いた場合のLi席占有率と結晶歪とはトレードオフの関係にあり、これら両方を改善し、高容量化と長寿命化を両立することは困難であることがわかった。
本発明は、正極活物質の構成を後述する構成とすることで、高容量化と長寿命化を両立できることを見出したものである。
本発明の実施形態について以下に説明する。本実施形態は、本発明を実施する一例であって、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
本発明の実施形態の一例である正極活物質を用いた非水電解質二次電池は、正極と、負極と、非水電解質と、を備える。正極と負極との間には、セパレータを設けることが好適である。非水電解質二次電池の一例としては、例えば、正極及び負極がセパレータを介して巻回もしくは積層された電極体と、液状の非水電解質である非水電解液とが電池外装缶に収納された構造が挙げられるが、これに限定されるものではない。以下、非水電解質二次電池の各構成部材の一例について、例を挙げて説明する。
[正極活物質]
本実施形態の一例である正極活物質は、一般式Li1+aNi(式中、MはCo、Mn及びAlから選択される少なくとも1種の元素であり、−0.01≦a<0.1、0.7≦x≦1.0、0≦y≦0.3、x+y=1)で表されるリチウム含有遷移金属酸化物を含み、上記リチウム含有遷移金属酸化物には、周期律表のVIA族元素から選択される少なくとも1種の元素が、上記Ni及びMの総量に対して0mol%より多く1.0mol%以下含有されており、上記リチウム含有遷移金属酸化物のLi席占有率が99%以上で、且つ、結晶歪が0.15%以下のものであることが好ましい。
本実施形態の一例である正極活物質は、特定の組成を有するNiを含むリチウム含有遷移金属酸化物に、周期律表のVIA族元素から選択される少なくとも1種の元素を所定量含有させることにより、リチウム含有遷移金属酸化物のLi席占有率を99%以上にすることができ、結晶歪も0.15%以下にすることができる。これにより、高容量でありながら、サイクル特性に優れた非水電解質二次電池用正極活物質を提供するものである。このような正極活物質が得られる理由としては、以下に説明する理由によるものと考えられる。
上記正極活物質の構成であれば、3価のNiイオンが2価のNiイオンに還元されやすい環境であっても、3価のNiイオンよりも先に6価の周期律表VIA族元素のイオンが優先的に還元されることにより、2価のNiイオンの生成を抑制できる。これにより、上述したカチオンミキシングが起こりにくくなるため、Ni比率が高い遷移金属化合物と炭酸リチウムとを用いてリチウム含有遷移金属酸化物を製造した場合でも、Li席占有率を99%以上とすることができると考えられる。
また、発明者が検討したところ、リチウム化合物として水酸化リチウムを用いた場合には、周期律表のVIA族元素を含有(固溶)したリチウム含有遷移金属酸化物は、何も含有しなかったリチウム含有遷移金属酸化物に比べて結晶歪が大きく増加することがわかった。これは、リチウム含有遷移金属酸化物の結晶子に、イオン半径の異なる周期律表のVIA族元素が含有したことに起因するものと考えられる。これに対し、理由は不明であるが、リチウム化合物として炭酸リチウムを用いた場合には、リチウム含有遷移金属酸化物に周期律表のVIA族元素が含有(固溶)しても、水酸化リチウムを用いた場合と比較して結晶歪が大きくなるのを抑制できることがわかった。これにより、結晶歪を0.15%以下とすることができると考えられる。
以上より、上記正極活物質の構成であれば、Ni比率が高い遷移金属化合物を用いた場合や水酸化リチウムに代えて炭酸リチウムを用いた場合に低下しがちなLi席占有率を、リチウム含有遷移金属酸化物に周期律表のVIA族元素を含有させることにより向上させることができ、さらに、リチウム含有遷移金属酸化物に周期律表のVIA族元素を含有させた場合でも結晶歪を小さく維持することができるために、高容量化と長寿命の両立が可能になると考えられる。さらに、炭酸リチウムは水酸化リチウムより安価な材料であるため、低コスト化ができるという効果も期待できる。
リチウム含有遷移金属酸化物としては、例えば、遷移金属として、コバルト、ニッケル、マンガンまたはアルミニウムなどを含むリチウム含有遷移金属酸化物が挙げられる。リチウム含有遷移金属酸化物としては、例えば、LiNiO、Li(NiCo)O、Li(NiMn)O、Li(NiCoAl)O、Li(NiCoMn)O等が挙げられる。ただし、上記リチウム含有遷移金属酸化物におけるNi比率(リチウム含有遷移金属酸化物における遷移金属の総モル量に対するNiモル量の割合)は、70mol%以上であることが好ましく、80mol%以上であることがより好ましい。これは、2価のNiイオンとLiイオンが入れ替わるカチオンミキシングは、Ni比率が高くなるほど起こりやすくなるためであり、Ni比率が70%以上である場合には、本発明の効果が一層発揮されるからである。
リチウム含有遷移金属酸化物に、周期律表のVIA族元素から選択される少なくとも1種の元素を含有させる方法としては、例えば、遷移金属化合物と、炭酸リチウムと、周期律表VIA族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物とを混合し、得られた混合物を焼成する方法が好ましく用いられる。また、他の方法としては、遷移金属化合物を共沈法などにより合成する際に、VIA族元素から選ばれる少なくとも1種類の元素を含む化合物を予め添加して得られるVIA族含有遷移金属化合物と、炭酸リチウムとを混合し、得られた混合物を焼成する方法等を用いてもよい。
遷移金属化合物としては、例えば、遷移金属として、コバルト、ニッケル、マンガンまたはアルミニウム等を含む遷移金属の酸化物や水酸化物等を用いることができる。ただし、水酸化物を用いた場合は焼成時に水蒸気が発生するため、酸化物を用いる方がより好ましい。
周期律表のVIA族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物は、酸化物、炭化物、窒化物等を、単独で或いは2種以上の混合物として用いることができる。周期律表のVIA族元素としては、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)等がある。クロムは、タングステンやモリブデンと同様の効果を持つが、6価クロムは有毒であるため、タングステンやモリブデンを用いることが特に好ましい。
周期律表のVIA族元素から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物として、具体的には、WO、MoO、WO及びMoOの混合物等が好ましく用いられる。尚、本実施形態で用いられる周期律表のVIA族元素の表記は、旧IUPAC方式に従っている。
尚、周期律表のVIA族元素から選ばれる少なくとも1種の元素は、リチウム含有遷移金属酸化物の遷移金属サイトに取り込まれていることが好ましいが、一部がリチウム含有遷移金属酸化物の表面に化合物として存在していてもよい。
周期律表のVIA族元素から選ばれる少なくとも1種の元素の含有量は、リチウム含有遷移金属酸化物中における遷移金属の総量に対して、0mol%より多く1.0mol%以下であることが好ましく、0.15mol%以上0.75mol%以下であることが特に好ましい。含有量が多すぎても少なすぎてもLi席占有率が小さくなるからである。特に、リチウム含有遷移金属酸化物の遷移金属サイトに取り込まれているVIA族元素の量が、リチウム含有遷移金属酸化物中における遷移金属の総量に対して、0mol%より多く1.0mol%以下であることが好ましい。
焼成温度としては、750℃以上950℃以下とするのが好ましい。750℃より低いと、炭酸リチウムの分解や結晶歪の緩和が十分でなく、950℃を超えると、カチオンミキシングが活発になってLi席占有率が低下する。
焼成する際に流すガスとしては、純度60%以上の酸素ガスであることが好ましく、純度は95%以上の酸素ガスであることがより好ましい。高純度の酸素ガスで焼成した場合には、3価のNiイオンが2価のNiイオンに還元されるのが抑制されるため、Li席占有率の低下を抑制できる。これに対して、空気気流中で焼成した場合には、高純度の酸素ガス焼成した場合に比べて酸素濃度が低くなるため、Li席占有率が低くなってしまう。
(その他の事項)
[正極]
正極は、例えば、正極集電体と、正極集電体上に形成された正極合剤層とを含む。正極合剤層は、正極活物質の他に、結着剤、導電剤などを含むことができる。正極は、例えば、正極活物質と、結着剤と、導電剤などを混合して正極合剤スラリーを調整し、得られた正極合剤スラリーを正極集電体に塗布し、乾燥させることにより作製することができる。
[負極]
負極も上記正極と同様に、負極活物質と、結着剤と、導電剤などを混合して負極合剤スラリーを調整し、得られた負極合剤スラリーを負極集電体に塗布し、乾燥させることにより作製することができる。
負極活物質としては、リチウムを可逆的に吸蔵、放出できるものでれば特に限定されず、例えば、炭素材料や、リチウムと合金化する金属或いは合金材料や、金属酸化物等を用いることができる。なお、材料コストの観点からは、負極活物質に炭素材料を用いることが好ましく、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、メソフェーズピッチ系炭素繊維(MCF)、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、コークス、ハードカーボン等を用いることがきる。特に、高率充放電特性を向上させる観点からは、負極活物質として、黒鉛材料を低結晶性炭素で被覆した炭素材料を用いることが好ましい。
[非水電解質]
非水電解質の溶媒は特に限定するものではなく、非水電解質二次電池に従来から用いられてきた溶媒を使用することができる。例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状カーボネートや、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネートや、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステルを含む化合物や、プロパンスルトン等のスルホン基を含む化合物や、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,2−ジオキサン、1,4−ジオキサン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテルを含む化合物や、ブチロニトリル、バレロニトリル、n−ヘプタンニトリル、スクシノニトリル、グルタルニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル、1,2,3−プロパントリカルボニトリル、1,3,5−ペンタントリカルボニトリル等のニトリルを含む化合物や、ジメチルホルムアミド等のアミドを含む化合物等を用いることができる。特に、これらのHの一部がFにより置換されている溶媒が好ましく用いられる。また、これらを単独又は複数組み合わせて使用することができ、特に環状カーボネートと鎖状カーボネートとを組み合わせた溶媒や、さらにこれらに少量のニトリルを含む化合物やエーテルを含む化合物が組み合わされた溶媒が好ましい。
また、非水電解質の非水系溶媒としてイオン性液体を用いることもでき、この場合、カチオン種、アニオン種については特に限定されるものではないが、低粘度、電気化学的安定性、疎水性の観点から、カチオンとしては、ピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、4級アンモニウムカチオンを、アニオンとしては、フッ素含有イミド系アニオンを用いた組合せが特に好ましい。
更に、上記の非水電解質に用いる溶質としても、従来から非水電解質二次電池において一般に使用されている公知のリチウム塩を用いることができる。そして、このようなリチウム塩としては、P、B、F、O、S、N、Clの中の一種類以上の元素を含むリチウム塩を用いることができ、具体的には、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(FSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CSO、LiAsF、LiClO等のリチウム塩及びこれらの混合物を用いることができる。特に、非水電解質二次電池における高率充放電特性を高めるためには、LiPFを用いることが好ましい。
また、溶質としては、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩を用いることもできる。このオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩としては、LiBOB〔リチウムビスオキサラトボレート〕の他、中心原子にC 2−が配位したアニオンを有するリチウム塩、例えば、Li[M(C](式中、Mは遷移金属,周期律表のIIIb族,IVb族,Vb族から選択される元素、Rはハロゲン、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基から選択される基、xは正の整数、yは0又は正の整数である。)で表わされるものを用いることができる。具体的には、Li[P(C]等がある。但し、高温環境下においても負極の表面に安定な被膜を形成するためには、LiBOBを用いることが最も好ましい。尚、上記溶質は、単独で用いるのみならず、2種以上を混合して用いても良い。また、溶質の濃度は特に限定されないが、非水電解液1リットル当り0.8〜1.7モルであることが望ましい。更に、大電電流での放電を必要とする用途では、上記溶質の濃度が非水電解液1リットル当たり1.0〜1.6モルであることが望ましい。
[セパレータ]
セパレータとしては、従来から用いられてきたセパレータを用いることができる。具体的には、ポリエチレンからなるセパレータのみならず、ポリエチレンの表面にポリプロピレンからなる層が形成されたものや、ポリエチレンのセパレータの表面にアラミド系の樹脂等が塗布されたものを用いても良い。
また、正極とセパレータとの界面、又は、負極とセパレータとの界面には、従来から用いられてきた無機物のフィラーを含む層を形成することができる。該フィラーとしても、従来から用いられてきたチタン、アルミニウム、ケイ素、マグネシウム等を単独もしくは複数用いた酸化物やリン酸化合物、またその表面が水酸化物等で処理されているものを用いることができる。また、上記フィラー層の形成は、正極、負極、或いはセパレータに、フィラー含有スラリーを直接塗布して形成する方法や、フィラーで形成したシートを、正極、負極、或いはセパレータに貼り付ける方法等を用いることができる。
以下、本発明の一形態について、具体的な実験例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明の一形態は以下の実験例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
〔第1実験例〕
(実験例1)
[正極活物質の合成]
Ni0.82Co0.15Al0.03Oで表されるニッケルコバルトアルミニウム酸化物と、炭酸リチウムLiCOと、酸化タングステンWOとを、Ni0.82Co0.15Al0.03とLiとWのモル比が1.000:1.035:0.005となるように乳鉢で混合し、得られた混合物を純度95%の酸素気流中850℃で20時間焼成した。これにより、Ni、Co、Alの総量に対しWを0.5mol%含むリチウム含有遷移金属酸化物が得られた。このようにして合成したリチウム含有遷移金属酸化物を、以下、正極活物質A1と称す。
(実験例2)
Ni0.82Co0.15Al0.03Oで表されるニッケルコバルトアルミニウム酸化物と、水酸化リチウムLiOH・HOとを、Ni0.82Co0.15Al0.03とLiのモル比が1.000:1.035となるように乳鉢で混合し、得られた混合物を純度95%の酸素気流中760℃で20時間焼成した。このようにして合成したリチウム含有遷移金属酸化物を、以下、正極活物質Z1と称す。
(実験例3)
焼成温度を760℃に代えて800℃としたこと以外は、上記実験例2と同様にしてリチウム含有遷移金属酸化物を合成した。このようにして合成したリチウム含有遷移金属酸化物を、以下、正極活物質Z2と称す。
(実験例4)
焼成温度を760℃に代えて850℃としたこと以外は、上記実験例2と同様にしてリチウム含有遷移金属酸化物を合成した。このようにして合成したリチウム含有遷移金属酸化物を、以下、正極活物質Z3と称す。
(実験例5)
Ni0.82Co0.15Al0.03Oで表されるニッケルコバルトアルミニウム酸化物と、LiOH・HOと、WOとを、Ni0.82Co0.15Al0.03とLiとWのモル比が1.000:1.035:0.005となるように乳鉢で混合し、得られた混合物を純度95%の酸素気流中850℃で20時間焼成した。これにより、Ni、Co、Alの総量に対しWを0.5mol%含むリチウム含有遷移金属酸化物が得られた。このようにして合成したリチウム含有遷移金属酸化物を、以下、正極活物質Z4と称す。
(実験例6)
Ni0.82Co0.15Al0.03Oで表されるニッケルコバルトアルミニウム酸化物と、LiCOとを、Ni0.82Co0.15Al0.03とLiのモル比が1.000:1.035となるように乳鉢で混合し、得られた混合物を純度95%の酸素気流中850℃で20時間焼成した。このようにして合成したリチウム含有遷移金属酸化物を、以下、正極活物質Z5と称す。
<正極活物質の評価>
正極活物質の評価には、XRD(X線回折装置:ブルカー・エイエックスエス製 New D8 ADVANCE)を用いた。上記実験例1〜6で得られた正極活物質A1及びZ1〜Z5をそれぞれXRD測定し、XRD測定によって得られたデータをリートベルト解析により精密化した。その際、3bサイトにおけるNi組成は可変、Co、Al組成は不変とした。その後、精密化したデータを用い、下記の算出方法により、正極活物質A1及びZ1〜Z5のそれぞれのLi席占有率及び結晶歪を求め、結果を表1に示した。
〔Li席占有率の算出〕
3aサイトの占有率100%から3aサイトに存在するNi量を減算することにより、3aサイトに存在するLi量、即ちLi席占有率を算出した。
〔結晶歪の算出〕
結晶歪は、Williamson−Hallの式(下記式(4))を用いて算出した。ここで、βは回折ピークの積分幅であり、下記式(5)から算出される。また、θは回折角、λはX線の波長、εは結晶歪、Kはシェラー定数、Dは結晶子サイズである。各回折ピークの(βcosθ)/λと(2sinθ)/λをプロットし、最小二乗法により傾きε、即ち結晶歪を算出した。
(βcosθ)/λ=ε・(2sinθ)/λ+K/D ・・・(4)
β=I/I (I:回折ピークの積分値、I:回折ピーク強度)・・・(5)
Figure 0006428648
表1に示した結果から、リチウム化合物として炭酸リチウムを用い、リチウム含有遷移金属酸化物にWを含有した正極活物質A1は、リチウム化合物として水酸化リチウムを用いた正極活物質Z1〜Z4や、リチウム化合物として炭酸リチウムを用いているが、リチウム含有遷移金属酸化物にWを含有していない正極活物質Z5と比較して、Li席占有率及び結晶歪の両方が優れた値を示しており、高容量と長寿命の両立ができていることがわかる。高容量化と長寿命化を両立できるのは、以下に説明する理由によるもの考えられる。
リチウム含有遷移金属酸化物に周期律表のVIA族元素であるWが含有(固溶)することによって、3価のNiイオンが2価のNiイオンに還元されやすい環境であっても、3価のNiイオンよりも先に6価のWイオンが優先的に還元されることで、2価のNiイオンの生成を抑制することができる。これにより、2価NiイオンとLiイオンとが入れ替わるカチオンミキシングが抑制されたことで、Li席占有率を向上できたと推測される。
また、正極活物質Z3〜Z5、A1を比較した場合、リチウム化合物として水酸化リチウムを用いた正極活物質Z3、Z4では、Wを含有(固溶)させることによって結晶歪が0.134%も大きくなったのに対し、正極活物質Z5、A1では、Wを含有(固溶)させても結晶歪は0.035%しか大きくなっておらず、結晶歪の増加が抑制されていることがわかる。理由は不明であるが、水酸化リチウムを用いた場合には、リチウム含有遷移金属酸化物の結晶子にイオン半径の異なるWが入ることにより大きく増加した結晶歪が、炭酸リチウムを用いた場合には抑制できたためと推察される。
正極活物質Z1は、正極活物質A1と同様に高いLi席占有率を示しているが、焼成温度が760℃と低いために結晶歪が大きくなったと考えられる。正極活物質Z2、Z3は、正極活物質Z1よりも焼成温度を高くしたことで結晶歪は小さくなったが、焼成温度を高くしたことでエネルギーも大きくなり、2価のNiイオンとLiイオンが入れ替わるカチオンミキシングが活発化したことによりLi席占有率が低下したと考えられる。正極活物質Z4は、リチウム含有遷移金属酸化物にWを含有したことにより、正極活物質Z2やZ3に比べてLi席占有率は向上したものの、上述のとおり、リチウム含有遷移金属酸化物の結晶格子内にイオン半径の異なるWが入ることにより結晶歪が大きく増加した。
正極活物質Z5では、リチウム含有遷移金属酸化物にWを含有させていないので、上述の2価のNiイオンの生成を抑制する効果が発揮されないために、正極活物質A1に比べて低いLi席占有率を示したと考えられる。
以上より、リチウム化合物として水酸化リチウムを用いた場合には、焼成温度を高くしても、リチウム含有遷移金属酸化物にWを含有させても、高いLi席占有率(高い容量密度)と小さな結晶歪(優れたサイクル特性)を両立することは困難であることがわかった。また、リチウム化合物として炭酸リチウムを用いた場合でも、リチウム含有遷移金属酸化物にWを含有させなかった場合には、高いLi席占有率と小さな結晶歪を両立することは困難であることがわかった。
〔第2実験例〕
(実験例7)
原料を混合する際に、Ni0.82Co0.15Al0.03OとLiとWのモル比を、1.000:1.035:0.005に代えて、1.000:1.035:0.010としたこと以外は、上記実験例1と同様にして正極活物質を合成した。これにより、Ni、Co、Alの総量に対しWを1.0mol%含むリチウム含有遷移金属酸化物が得られた。このようにして合成したリチウム含有遷移金属酸化物を、以下、正極活物質A2と称す。
(実験例8)
原料を混合する際に、Ni0.82Co0.15Al0.03OとLiとWのモル比を、1.000:1.035:0.005に代えて、1.000:1.035:0.020としたこと以外は、上記実験例1と同様にして正極活物質を合成した。これにより、Ni、Co、Alの総量に対しWを2.0mol%含むリチウム含有遷移金属酸化物が得られた。このようにして合成したリチウム含有遷移金属酸化物を、以下、正極活物質Z6と称す。
上記と同様の方法で、正極活物質A2及びZ6のそれぞれのLi席占有率及び結晶歪を算出し、正極活物質A1及びZ5の結果と纏めて結果を表1に示した。
Figure 0006428648
表2に示した結果から、WOの添加量が多くなるのに比例して、リチウム含有遷移金属酸化物の格子定数(c軸長)も大きくなっていることがわかる。c軸長の変化は、リチウム含有遷移金属酸化物内に固溶されるW量により変化していると考えられるため、WOの添加量が多くなるほど、リチウム含有遷移金属酸化物に固溶されるW量も多くなっていると考えられる。ただし、添加されたWOの一部は、リチウム含有遷移金属酸化物の遷移金属サイトに取り込まれずに、リチウム含有遷移金属酸化物の表面にWO等の化合物の状態で存在していることもある。
また、表2に示した結果から、WOがリチウム含有遷移金属酸化物中における遷移金属の総量に対して0mol%より多く1.0mol%以下添加された正極活物質A1及びA2は、WOが添加されていない正極活物質Z5や、WOが1.0mol%より多く添加された正極活物質Z6に比べて、Li席占有率が高い値を示していることがわかる。よって、リチウム含有遷移金属酸化物に添加する周期律表のVIA族元素から選択される少なくとも1種の元素の量としては、リチウム含有遷移金属酸化物中における遷移金属の総量に対して、0mol%より多く1.0mol%以下にするのが好ましいことがわかる。
〔第3実験例〕
(実験例9)
原料を混合する際に、WOに代えて酸化モリブデンMoOを用いたこと以外は、上記実験例1と同様にして正極活物質を合成した。このようにして得られた正極活物質を、以下、正極活物質A3と称す。
(実験例10)
リチウム含有遷移金属酸化物の原料を混合する際に、WOに代えて酸化ニオブNbを用いたこと以外は、上記実験例1と同様にして正極活物質を合成した。このようにして得られた正極活物質を、以下、正極活物質Z7と称す。
(実験例11)
リチウム含有遷移金属酸化物の原料を混合する際に、WOに代えて酸化ジルコニウムZrOを用いたこと以外は、上記実験例1と同様にして正極活物質を合成した。このようにして得られた正極活物質を、以下、正極活物質Z8と称す。
(実験例12)
リチウム含有遷移金属酸化物の原料を混合する際に、WOに代えて酸化チタンTiOを用いたこと以外は、上記実験例1と同様にして正極活物質を合成した。このようにして得られた正極活物質を、以下、正極活物質Z9と称す。
上記と同様の方法で、正極活物質A3及びZ7〜9のそれぞれのLi席占有率を算出し、正極活物質A1の結果と纏めて結果を表3に示した。
Figure 0006428648
表3に示した結果から、WOに代えて、MoOをリチウム含有遷移金属酸化物に添加した正極活物質A3は、WOを添加した正極活物質A1と同等のLi席占有率が得られていることがわかる。これに対して、WOに代えて、Nb、ZrO、TiOをリチウム含有遷移金属酸化物に添加した正極活物質Z7〜Z9は、WOを添加した正極活物質A1やMoOを添加したA3に比べて低いLi席占有率を示した。
以上より、MoOであっても、WOと同様の効果が得られることがわかる。WとMoは、いずれも周期律表のVIA族元素であり、6価の価数を有するものである。これに対し、Nbは5価の価数を有するものであり、Zr及びTiは4価の価数を有するものである。即ち、6価の価数を有する場合には、3価Niイオンよりも先に6価イオンが優先的に還元されることで、2価Niイオンの生成を抑制でき、これにより、カチオンミキシングが抑制されて、高いLi席占有率を得ることができると推測される。
〔第4実験例〕
(実験例13)
得られた混合物を、純度95%の酸素気流中850℃で20時間焼成する代わりに、空気気流中850℃で20時間焼成したこと以外は、上記実験例1と同様にして正極活物質を合成した。このようにして得られた正極活物質を、以下、正極活物質Z10と称す。
上記と同様の方法で、正極活物質Z10のLi席占有率及び結晶歪を算出し、正極活物質A1の結果と纏めて下記表4に示した。
Figure 0006428648
表4に示した結果から、得られた混合物を空気気流中で焼成することにより得た正極活物質Z10は、得られた混合物を酸素気流中で焼成することにより得た正極活物質A1に比べて、Li席占有率が低下しており、結晶歪は大きくなっていることがわかる。即ち、正極活物質Z10のように、空気気流中で焼成した場合には、リチウム化合物として炭酸リチウムを用い、リチウム含有遷移金属酸化物に周期律表のVIA族元素を含有させても、高容量化と長寿命化のどちらも達成することができないことがわかる。
〔第5実験例〕
(実験例14)
上記実験例1と同様にして正極活物質を合成した後、得られた正極活物質を純水7ml中に粉砕し、スターラーで10分間撹拌し、水洗を行った。その後、溶液を吸引ろ過により、ろ過液を除去した。
ろ紙上に残った残留物を、真空中180℃で2時間乾燥した。このようにして得られた正極活物質を、以下、正極活物質A4と称す。
[残留アルカリ量の測定]
正極活物質に含まれる残留アルカリ量を、滴定法により測定した。
上記で得られた正極活物質A1及びA4の残留アルカリ量を算出し、下記表5に示した。
Figure 0006428648
表5に示した結果から、水洗をしなかった正極活物質A1の残留アルカリ量に比べて、水洗を行った正極活物質A4は、残留アルカリ量が0.11wt%と少なかった。このことから、水洗により、正極活物質に含まれる残留アルカリ量を大幅に減少させることができる。
〔第6実験例〕
(実験例15)
[正極の作製]
実験例1で作製した正極活物質100質量部に、導電剤としてのアセチレンブラックを1質量部、結着剤としてのポリビニリデンフルオライド(PVdF)を0.9質量部混合し、さらに溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量加えることにより、正極合剤スラリーを調整した。次に、正極合剤スラリーをアルミニウムからなる正極集電体に塗布、乾燥した。最後に、所定の電極サイズに切り取り、ローラーを用いて圧延し、正極リードを取り付けることにより正極を作製した。
[三電極式試験セルの作製]
図1に示すような三電極式試験セル10を作製した。この際、上記正極を作用極11として用いる一方、負極となる対極12及び参照極13にそれぞれ金属リチウムを用いた。また、非水電解液14として、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジメチルカーボネートとを30:30:40の体積比で混合させた混合溶媒に、LiPFを1.0モル/リットルの濃度になるように溶解させ、さらにビニレンカーボネートを1質量%溶解させたものを用いた。このようにして作製した正極を、以下、三電極式試験セルBと称す。
(実験例16)
上記実験例1で作製した正極活物質に代えて、上記実験例14で作製した正極活物質を用いたこと以外は、上記と同様にして三電極式試験セルを作製した。このようにして作製した正極を、以下、三電極式試験セルCと称す。
(実験例17)
上記実験例1で作製した正極活物質に代えて、上記実験例6で作製した正極活物質を用いたこと以外は、上記と同様にして三電極式試験セルを作製した。このようにして作製した正極を、以下、三電極式試験セルYと称す。
<サイクル試験>
上記で作製した三電極式試験セルB、C及びYを、下記の充放電条件で充放電を行い、初回放電容量密度を求めた。その結果を表6に示す。
25℃の温度条件下において、0.2mA/cmの電流密度で4.3V(vs.Li/Li)まで定電流充電を行い、4.3V(vs.Li/Li)の定電圧で電流密度が0.04mA/cmになるまで定電圧充電を行った後、0.2mA/cmの電流密度で2.5V(vs.Li/Li)まで定電流放電を行った。
Figure 0006428648
表6から分かるように、セルYよりも高いLi席占有率を有するセルB及びCは、初回放電容量密度も高い値を示した。このことから、Li席占有率が大きくなるほど、電池の高容量化が期待できることがわかる。
さらに、水洗を行った正極活物質A4を用いたセルCは、同様の条件で水洗しなかった正極活物質A1を用いたセルBと比較し、高い初回放電容量密度を示した。これは、正極活物質表面の残留アルカリを水洗により除去することによって、正極活物質表面からLiイオンがスムーズに放出、吸蔵されようになったため、水洗後の初回放電容量密度が高くなったと推察される。
以上のことから、本発明に係る正極活物質としては、焼成後に水洗を行うことが更に好ましく、この場合活物質中の残留アルカリ量としては、0.5wt%以下であることが更に好ましい。
本発明の一実施形態は、例えば携帯電話、ノートパソコン、スマートフォン等の移動情報端末の駆動電源や、電気自動車、HEVや電動工具といった高出力向けの駆動電源や、蓄電関連の電源に展開が期待できる。
10 三電極式試験セル
11 作用極(正極)
12 対極(負極)
13 参照極
14 非水電解液

Claims (7)

  1. 一般式Li1+aNi(式中、MはCo、Mn及びAlから選択される少なくとも1種の元素であり、−0.01≦a<0.1、0.82≦x≦1.0、0≦y≦0.3、x+y=1)で表されるリチウム含有遷移金属酸化物を含み、
    前記リチウム含有遷移金属酸化物には、周期律表のVIA族元素から選択される少なくとも1種の元素が、前記Ni及びMの総モル量に対して0mol%より多く1.0mol%以下含有されており、
    前記リチウム含有遷移金属酸化物のLi席占有率が99%以上で、且つ、結晶歪が0.15%以下である、非水電解質二次電池用正極活物質。
  2. 前記周期律表のVIA族元素が、W及びMoから選択される少なくとも1種の元素である、請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質。
  3. 請求項1又は2に記載の正極活物質を用いた正極と、
    リチウムを吸蔵、放出可能な負極活物質を用いた負極と、
    前記正負極間に配置されたセパレータと、
    非水電解質と、を備える非水電解質二次電池。
  4. 一般式(Ni)O(式中、MはCo、Mn及びAlから選択される少なくとも1種の元素であり、0.82≦x≦1.0、0≦y≦0.3、x+y=1)で表される遷移金属酸化物と、LiCOと、周期律表のVIA族元素を含む化合物とを混合し、得られた混合物を焼成する、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法であって、
    前記Ni及びMの総量に対する前記周期律表のVIA族元素が、0mol%より多く1.0mol%以下である、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  5. 前記焼成温度が、750℃以上950℃以下である、請求項に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  6. 前記周期律表のVIA族元素が、W及びMoから選択される少なくとも1種の元素である、請求項4又は5に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  7. 前記焼成後に得られる焼成物を水洗する請求項4〜6の何れか1項に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法
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