JP6426506B2 - フィルタ特性調整装置、チューナブルフィルタ装置およびチューナブルフィルタ装置の制御方法 - Google Patents

フィルタ特性調整装置、チューナブルフィルタ装置およびチューナブルフィルタ装置の制御方法 Download PDF

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Description

実施形態は、フィルタ特性の調整に関する。
無線または有線で情報通信を行う通信装置は、例えば、増幅器、ミキサ、フィルタなどの種々の信号処理デバイスを備えている。フィルタの一種であるバンドパスフィルタは、通過帯域内の周波数を持つ信号を通過させる一方で当該通過帯域外(阻止帯域内)の周波数を持つ信号を遮断する(減衰させる)。例えば、通過帯域の中心周波数、通過帯域幅などのバンドパスフィルタの特性は、当該バンドパスフィルタが適用される通信システムの仕様に従って設計されることになる。
例えば、バンドパスフィルタのスカート特性(すなわち、通過帯域と阻止帯域との間の境界近傍における遮断特性)が急峻であるほど、必要なガードバンド幅は狭くなるので、周波数の利用効率を高めることができる。バンドパスフィルタは、例えば、マイクロストリップライン型フィルタなどの平面回路フィルタによって実装可能である。平面回路フィルタは、共振器をカスケード接続することで、急峻なスカート特性を達成することができる。
但し、通常の導体材料を用いて共振器を形成する場合には、共振器をカスケード接続することによる伝送ロスの増加が問題となる。たとえ、銅(Cu)、銀(Ag)などの電気的良導体材料を用いて共振器を形成したとしても、カスケード接続可能な共振器の段数には限界がある。多数の共振器をカスケード接続するためには、超伝導材料を用いて共振器を形成することが有効である。超伝導材料は、電気的良導体材料と比べても、高周波領域において表面抵抗が非常に小さくカスケード接続による伝送ロスの増加を抑制することができる。すなわち、超伝導材料を用いた共振器をカスケード接続することによって、急峻なスカート特性を持つバンドパスフィルタを実現することができる。
また、例えば使用帯域の変更などに適応できるようにするために、フィルタ特性(すなわち、周波数特性)が可変であるチューナブルフィルタが必要とされることもある。ある種のチューナブルフィルタは通過帯域の中心周波数が可変であり、当該中心周波数の変化に追従して通過帯域および阻止帯域も変化する。通過帯域の中心周波数を変化させた場合に、フィルタ特性の形状が理想的な形状と乖離することは好ましくない。従って、チューナブルフィルタには、通過帯域の中心周波数の変化時におけるフィルタ特性の形状の乱れを抑制することも求められる。
チューナブルフィルタの一般的な要求仕様として、帯域の可変範囲が広いこと、帯域変化が連続的であること、挿入損失が小さいこと、遮断特性が急峻である(すなわち、Q値が高いこと)こと、調整機構を含むフィルタ全体が小型軽量であること、動作の信頼性および再現性に優れていることなどが挙げられる。
バンドパスフィルタの通過帯域の中心周波数、通過帯域幅、遮断特性、帯域外抑圧特性などのフィルタ特性は、各共振器の共振周波数、共振器間の結合係数、外部Q値などによって決まる。従って、各共振器の共振周波数および共振器間の結合係数を変化させることができれば、チューナブルフィルタを実現することができる。すなわち、材料物性学によってチューナブルフィルタの原理を説明するとすれば、チューナブルフィルタは、実効比誘電率および実効比透磁率の少なくとも一方を何らかの手段で変化させることでフィルタ特性を変化させる。他方、回路学によってチューナブルフィルタの原理を説明するとすれば、チューナブルフィルタは、キャパシタンスおよびインダクタンスの少なくとも一方を何らかの手段で変化させることでフィルタ特性を変化させる。
現在、チューナブルフィルタを実現するための方式は、電界制御、磁界制御および機械的制御の3種類に大別される。高いQ値を維持するためには、損失の小さい調整機構が好ましい。機械的制御型のチューナブルフィルタは、帯域の可変範囲が最大であって損失が小さいという特徴がある。機械的制御型のチューナブルフィルタは、(超伝導)フィルタ基板と特性調整用部材(典型的には、誘電体または磁性体)との間のギャップ長を変化させることで、フィルタ特性を変化させる。
機械的制御型のチューナブルフィルタは、例えば製造ばらつきによるフィルタ特性のずれを微修正するために、動作開始前に初期ギャップ長を調整されることがある。初期ギャップ長を手動で調整することも可能であるが、速度および精度の観点から好ましくない。特に、超伝導フィルタの場合には、初期ギャップ長の調整作業/フィルタ特性の確認作業の度に真空低温環境を解除/設定する必要があるため、作業が完了するまでに長時間を要することになる。
特開2002−141705号公報
実施形態は、機械的制御型のチューナブルフィルタにおいてフィルタ基板と特性調整用部材との間の初期ギャップ長を高速かつ高精度に調整することを目的とする。
実施形態によれば、フィルタ特性調整装置は、特性調整用部材と、弾性部材と、第1の駆動機構と、第1の可動部材と、第2の可動部材と、第2の駆動機構とを含む。特性調整用部材は、チューナブルフィルタ装置における基板の第1の面上の共振器と対向している。弾性部材は、変形することで特性調整用部材に接触し、復元力によって当該特性調整用部材から非接触となる。第1の駆動機構は、弾性部材を回転駆動する。第1の可動部材は、閉動作により弾性部材の外側から当該弾性部材に接触して変形させ、開動作により当該弾性部材に復元力を生じさせる。第2の可動部材は、第1の可動部材を開閉させる突起を有する。第2の駆動機構は、突起が第1の可動部材を開閉させるように第2の可動部材を変位させる。弾性部材は、特性調整用部材に接触することで第1の駆動機構の回転駆動力を伝達する。特性調整用部材は、伝達された回転駆動力を変換した直動力により共振器とのギャップを変化させる。
実施形態によれば、チューナブルフィルタ装置は、基板と、1つ以上の共振器と、1つ以上の特性調整用部材と、支持部材と、1つ以上の弾性部材と、第1の駆動機構と、1つ以上の切替用部材と、溝部材と、第2の駆動機構とを含む。共振器は、基板の第1の面に導体材料を用いてパターン形成される。特性調整用部材は、誘電体材料、磁性体材料または導体材料をそれぞれ含みそれぞれの少なくとも一部分がネジ部に相当する。支持部材は、特性調整用部材を、共振器とそれぞれ対向した状態で支持する。弾性部材は、第1の外力に応じて変形することで特性調整用部材の各々の側壁に接触し、当該第1の外力の非作用時に復元力によって当該特性調整用部材の側壁から分離する。第1の駆動機構は、弾性部材を回転駆動する。切替用部材は、第2の外力に応じて変位することで弾性部材の1つの外壁に接触して当該弾性部材に第1の外力を作用させる1つ以上の可動部材と、第2の外力の非作用時に復元力によって当該可動部材を変位させることで当該弾性部材の外壁から分離する弾性体とをそれぞれ含む。溝部材は、特性調整用部材、弾性部材および切替用部材を少なくとも1組それぞれ収容する1つ以上の溝が形成され、当該溝の各々の第1の内壁に突起を持つ。第2の駆動機構は、溝の少なくとも1つに収容された切替用部材の少なくとも1つの外壁を当該溝の突起と第1の内壁に対向する第2の内壁とで挟み込むことにより第2の外力が当該切替用部材に作用するように溝部材を変位させる。弾性部材の各々は、特性調整用部材の各々の側壁に接触している間に、第1の駆動機構から受ける回転駆動力を摩擦力を介して当該特性調整用部材に伝達する。特性調整用部材の各々は、弾性部材の各々から伝達された回転駆動力をネジ部によって変換した直動力に応じて変位して当該特性調整用部材と共振器の各々との間のギャップ長を変化させる。
実施形態によれば、チューナブルフィルタ装置の制御方法が提供される。チューナブルフィルタ装置は、基板と、1つ以上の共振器と、1つ以上の特性調整用部材と、支持部材と、1つ以上の弾性部材と、第1の駆動機構と、1つ以上の切替用部材と、溝部材と、第2の駆動機構とを含む。共振器は、基板の第1の面に導体材料を用いてパターン形成される。特性調整用部材は、誘電体材料、磁性体材料または導体材料をそれぞれ含みそれぞれの少なくとも一部分がネジ部に相当する。支持部材は、特性調整用部材を、共振器とそれぞれ対向した状態で支持する。弾性部材は、第1の外力に応じて変形することで特性調整用部材の各々の側壁に接触し、当該第1の外力の非作用時に復元力によって当該特性調整用部材の側壁から分離する。第1の駆動機構は、弾性部材に連結される。切替用部材は、第2の外力に応じて変位することで弾性部材の1つの外壁に接触して当該弾性部材に第1の外力を作用させる1つ以上の可動部材と、第2の外力の非作用時に復元力によって当該可動部材を変位させることで当該弾性部材の外壁から分離する弾性体とをそれぞれ含む。溝部材は、特性調整用部材、弾性部材および切替用部材を少なくとも1組それぞれ収容する1つ以上の溝が形成され、当該溝の各々の第1の内壁に突起を持つ。第2の駆動機構は、溝部材に連結される。制御方法は、第1の駆動機構に、弾性部材を回転駆動させることを含む。方法は、第2の駆動機構に、溝の少なくとも1つに収容された切替用部材の少なくとも1つの外壁を当該溝の突起と第1の内壁に対向する第2の内壁とで挟み込むことにより第2の外力が当該切替用部材に作用するように溝部材を変位させることとを含む。弾性部材の各々は、特性調整用部材の各々の側壁に接触している間に、第1の駆動機構から受ける回転駆動力を摩擦力を介して当該特性調整用部材に伝達する。特性調整用部材の各々は、弾性部材の各々から伝達された回転駆動力をネジ部によって変換した直動力に応じて変位して当該特性調整用部材と共振器の各々との間のギャップ長を変化させる。
第1の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置の一例を部分的に示す斜視図。 図1の誘電体基板の第1の面上にパターン形成される共振器を例示する平面図。 図1のチューナブルフィルタ装置の周波数特性を例示する図。 図1の変形例を示す斜視図。 図1中に示される特性調整用部材の一例を示す斜視図。 図1中に示される特性調整用部材の一例を示す斜視図。 第1の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置の一例を部分的に示す断面図。 図6中に示される特性調整用部材、支持部材、回転駆動機構および弾性部材の運動方向を例示する図。 図6中に示される弾性部材を例示する斜視図。 第1の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置に含まれる切替用部材を例示する斜視図。 図6中に示される可動溝機構を例示する斜視図。 図6中に示される特性調整用部材、回転駆動機構および弾性部材と図9中に示される切替用部材との組み合わせ構造を例示する斜視図。 図11中に示される特性調整用部材、弾性部材および切替用部材と、図10中に示される可動溝機構との組み合わせ構造を例示する平面図。 図12に示される組み合わせ構造の動作例を示す図。 図12に示される組み合わせ構造の動作例を示す図。 第1の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置の一例を部分的に示す斜視図。 図12の変形例を示す平面図。 第2の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置の一例を部分的に示す断面図。 第3の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置を例示するブロック図。 第4の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置を例示するブロック図。 図12の変形例を示す平面図。 図20に示される組み合わせ構造の動作例を示す図。
以下、図面を参照しながら実施形態の説明が述べられる。尚、以降、説明済みの要素と同一または類似の要素には同一または類似の符号が付され、重複する説明は基本的に省略される。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置は、図1に例示されるマイクロストリップライン型バンドパスフィルタであってもよい。図1のチューナブルフィルタ装置100は、誘電体基板101と、共振器102と、信号入力線路103と、信号出力線路104と、特性調整用部材105と、金属パッケージ106と、接続電極107と、同軸コネクタ108と、接続電極109とを含む。なお、誘電体基板101の第1の面上の回路要素(共振器102、信号入力線路103および信号出力線路104を含む)、特性調整用部材105および金属パッケージ106をまとめてフィルタ装置と称することもできる。
誘電体基板101は、例えば、Al2O3(サファイア)、MgO、LaAlO3などの誘電正接の小さな低損失材料を用いて略板状に形成される。誘電体基板101の第1の面には共振器102が超伝導材料を用いてパターン形成されている。誘電体基板101の第1の面には、さらに、信号入力線路103および信号出力線路104が超伝導材料を用いてパターン形成されている。共振器102は、信号入力線路103および信号出力線路104と電気的に接続される。
具体的には、誘電体基板101の第1の面上に配置される回路要素(共振器102、信号入力線路103および信号出力線路104を含む)は、例えばY−Ba−Cu−O系超伝導材料(以下、YBCOと称される)を用いて当該第1の面上に超伝導体膜を形成し、フォトリソグラフィ技術を用いて当該超伝導体膜を加工することでパターン形成することができる。
なお、超伝導材料として、YBCOに代えて、例えば、R−Ba−Cu−O系材料(Rは、Nb、Ym、SmまたはHoである)、Bi−Sr−Ca−Cu−O系材料、Pb−Bi−Sr−Ca−Cu−O系材料、CuBapCaqCurOx系材料(1.5<p<2.5、2.5<q<3.5、かつ、3.5<r<4.5)などの他の酸化物超伝導材料を採用することが可能であるし、例えばニオブ、ニオブスズなどの金属超伝導材料などを採用することも可能である。また、回路要素の材料としては、必ずしも超伝導材料を採用する必要はなく、他の導体材料を採用することもできる。
共振器102は、図1に例示されるヘアピン型共振器であってもよいし、例えば、スパイラル型共振器、S字型共振器などであってもよい。なお、図1の例では、共振器102の総数は1つであるが、図4に例示されるチューナブルフィルタ装置400のように、複数の共振器102がカスケード接続されてもよい。複数の共振器102を結合させることで、チューナブルフィルタ装置400は急峻なスカート特性を得ることができる。
また、誘電体基板101の第2の面には、グランド膜が超伝導材料を用いて形成されている。第2の面は、上記第1の面の裏面である。このグランド膜は、グランド電極として使用することができる。或いは、グランド膜に例えばAg膜を蒸着することによってグランド電極を形成することもできる。
金属パッケージ106は、前述の誘電体基板101、共振器102、信号入力線路103、信号出力線路104などを収容する。金属パッケージ106は、収容物を高周波から遮蔽する。金属パッケージ106は、例えば、熱伝導性に優れる無酸素銅を用いて略箱状に形成されてよい。なお、金属パッケージ106の材料は、純アルミニウム、アルミニウム合金、銅合金などに代えられてもよいし、誘電体基板101に近い熱収縮率を持つ材料(具体的には、コバール、インバー、42アロイ)などに代えられてもよい。
略箱状の金属パッケージ106は頂部、底部および側壁部によって閉じた内部空間を形成する。なお、図1では、金属パッケージ106の底部および側壁部の一部が示されているものの、残部は示されていない。図1において、金属パッケージ106の底部内面は、誘電体基板101の第2の面に形成されたグランド電極に接触している。他方、金属パッケージ106の頂部内面は、誘電体基板101の第1の面に対向している。
金属パッケージ106は、当該金属パッケージ106の底部および側壁部に相当し当該底部の反対側に開口面を有するパッケージ本体と、当該金属パッケージ106の頂部に相当する蓋とに分離可能であってもよい。この場合には、パッケージ本体の開口面を蓋で閉塞することにより内部空間を形成することができる。
図1において、金属パッケージ106の側壁部には出力コネクタとしての同軸コネクタ108が取り付けられている。前述の信号出力線路104は、接続電極109を介して同軸コネクタ108の中心導線に電気的に接続されている。同様に、図1には示されていないが、金属パッケージ106の側壁部には入力コネクタとしての同軸コネクタが取り付けられているものとする。前述の信号入力線路103は、接続電極107を介して図示されない同軸コネクタの中心導線に電気的に接続されている。電気的な接続は、例えば、超音波熱圧着によるワイヤボンディング、または、テープボンディング若しくははんだ接合などの種々の技法を用いて実現可能である。
接続電極107および接続電極109は、例えば、接触抵抗を低減させる観点から、金(Au)、銀(Ag)などの金属材料を用いて、蒸着法、スパッタリングなどによって形成されてよい。具体的には、接続電極107および接続電極109は、金および銀の少なくとも一方を含む積層膜であってよい。
特性調整用部材105は、典型的には、アルミナなどの誘電体材料、若しくは磁性体材料を含む。或いは、特性調整用部材105は、金属などの導体材料を含んでもよい。さらに、特性調整用部材105は、その少なくとも一部分がネジ部に相当する。
特性調整用部材105は、前述の誘電体基板101、共振器102、信号入力線路103、信号出力線路104と同様に金属パッケージ106に収容される。特性調整用部材105は、そのネジ部によって図1には示されない支持部材に固定され、誘電体基板101の第1の面にギャップを隔てて対向するように当該支持部材によって支持されている。
具体的には、特性調整用部材105は共振器102に対向した状態で配置されており、当該特性調整用部材105を誘電体基板101の第1の面に略垂直な方向に投影することで図1および図2に例示される投影110が得られる。この投影110において共振器102を覆う面積が大きくなるように、特性調整用部材105の水平位置(誘電体基板101の第1の面に略平行な平面上の位置)を定めることが好ましい。
特性調整用部材105は、典型的には、円柱、角柱などの柱状に形成される。特性調整用部材105は、その底面が誘電体基板101の第1の面に対して略平行となるように支持されてもよい。共振器102の短手方向の寸法に応じて、特性調整用部材105の底面の寸法が設計されてもよい。ここで、共振器102の短手方向および長手方向は、いずれも誘電体基板101の第1の面に略平行であるとする。
ここで、特性調整用部材105の底面(すなわち、誘電体基板101との対向面)と投影110との間に規定される空間の体積(以降、空間体積と称される)は、当該投影110の面積を底面積とし、誘電体基板101と特性調整用部材105の底面との間のギャップ長を高さとすれば、底面積×高さで計算できる。
特性調整用部材105が誘電体基板101の第1の面に対して例えば垂直に変位すれば、投影110と当該特性調整用部材105の底面との間のギャップ長は変化する。故に、特性調整用部材105の変位に伴うギャップ長の増減に応じて空間体積も増減する。なお、特性調整用部材105は、誘電体基板101の第1の面に対して厳密に垂直に変位する必要はなく、例えば回転運動を通じてギャップ長を変化させることもできる。
空間体積が増減すると、共振器102の共振周波数は変化する。この結果、特性調整用部材105を僅かに変位させることで、図3に例示されるように、チューナブルフィルタ装置100のフィルタ特性(例えば、透過特性および反射特性)は急激に変化することになる。具体的には、空間体積が増加する(すなわち、ギャップ長が増加する)と、チューナブルフィルタ装置100の通過帯域の中心周波数は高くなる。他方、空間体積が減少する(すなわち、ギャップ長が減少する)と、チューナブルフィルタ装置100の通過帯域の中心周波数は低くなる。図3の例では、通過帯域の中心周波数の高低に関わらず通過帯域幅は略不変であり、フィルタ特性の形状は殆ど乱れていない。
特性調整用部材105は、初期ギャップ長の調整時には後述される回転駆動機構からの回転駆動力を利用して高精度に変位し、ギャップ長の通常調整時には当該特性調整用部材105を支持する支持部材の運動に連動して高速かつ広範囲に変位する。なお、特性調整用部材105を無制限に変位できるようにすると、当該特性調整用部材105が誘電体基板101に接触して当該誘電体基板101を損傷させるおそれがある。故に、好ましくは、特性調整用部材105の可動範囲は、誘電体基板101の損傷が生じない程度に制限される。
初期ギャップ長の調整は、チューナブルフィルタ装置100の動作開始前に、初期フィルタ特性が所望特性に近づくように各共振器の共振周波数を微修正するために行われてよい。具体的には、誘電体基板101の厚さまたは材料特性のばらつき、共振器102のパターニング寸法のずれなどの種々の要因により、共振器102の初期共振周波数が設計値に対してずれることがある。この結果、チューナブルフィルタ装置100の初期フィルタ特性は所望特性から乖離する。さらに、チューナブルフィルタ装置100を小型化するために、誘電体基板101が高い誘電率を持つように設計することがある。この場合に、所望の配線インピーダンスを得るために複雑な配線パターンを採用すると、上記種々の要因による初期フィルタ特性への影響はより大きくなる。
なお、図4に例示されるチューナブルフィルタ装置400のように複数の共振器102が誘電体基板101の第1の面上に配置されている場合には、当該共振器102と同数の特性調整用部材105が用意されてもよい。複数の特性調整用部材105の各々は、対応する共振器102に対向するように支持部材によって支持される。各特性調整用部材105と対応する共振器102との間のギャップ長は、個別に調整可能であってもよいし、一括して調整可能であってもよい。
図5Aおよび図5Bは、特性調整用部材105の具体例を示している。図5Aおよび図5Bに示される特性調整用部材105は、略円柱状であって、その頂部側に位置するネジ部501は雄ネジに相当し、その底部側に位置する誘電体部502は誘電体材料を用いて形成されている。ネジ部501は、回転駆動力を与えられると、当該回転駆動力を直動力へと変換し、当該直動力によって直線運動する。誘電体部502は、ネジ部501に連動して直線運動する。なお、特性調整用部材105は、それぞれ別個の材料を用いて形成されたネジ部501および誘電体部502を連動して変位するように連結したものであってもよいし、略柱状の誘電体材料の側壁の少なくとも一部をネジ部501として加工することで一体成形したものであってもよい。
第1の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置は、図6に例示されるように、誘電体基板101と、特性調整用部材105と、リニアアクチュエータ601と、支持部材602と、回転駆動機構603と、弾性部材604と、可動溝機構605と、支持部材606と、断熱支持部材607と、コールドプレート608とを含む。なお、リニアアクチュエータ601、支持部材602、回転駆動機構603、弾性部材604、可動溝機構605および後述される切替用部材をまとめてフィルタ特性調整装置と称することもできる。
図6の例では、誘電体基板101は、その第1の面に回路要素が超伝導材料を用いて形成されており、コールドプレート608の上に配置されている。コールドプレート608は、図6には示されない冷凍機によって冷却され、これらの回路要素が超伝導特性を示すように誘電体基板101を低温状態に維持する。
断熱支持部材607は、コールドプレート608への熱の伝導を抑制するために、当該コールドプレート608を図6のチューナブルフィルタ装置の種々の構成要素から離間した状態で支持する。また、断熱支持部材607は、当該断熱支持部材607を介したコールドプレート608への熱の伝導を抑制するために、高い断熱性を持つことが好ましい。
リニアアクチュエータ601は、支持部材602の第1の端部に連結され、ギャップ長の通常調整時に当該支持部材602の第1の端部に直動力を与える。リニアアクチュエータ601は、例えば圧電素子、磁歪素子、電動モータなどを用いて実現されてよい。具体的には、リニアアクチュエータ601には、制御電圧を印加するために図示されないリード線が接続される。リニアアクチュエータ601は、制御電圧に応じて伸長または収縮することで誘電体基板101の第1の面に対して略垂直な直動力を生み出す。
支持部材602は、略柱状または略板状に形成され、第1の端部に連結されたリニアアクチュエータ601から直動力を受ける。支持部材602の第1の端部とは反対側の第2の端部には、特性調整用部材105を固定するためのネジ部(雌ねじに相当する)が形成されている。支持部材602は、その第1の端部で直動力を受けると、当該第1の端部とその第2の端部との間に設けられた支点を中心に回転運動する。例えば、直動力の減少により支持部材602の第1の端部が垂れ下がると、当該支持部材602の第2の端部に固定された特性調整用部材105は持ち上がり、ギャップ長が増加する。他方、直動力の増加により支持部材602の第2の端部が持ち上がると、当該支持部材602の第2の端部に固定された特性調整用部材105は垂れ下がり、ギャップ長が減少する。
回転駆動機構603は、支持部材606によって支持され、弾性部材604に連結される。回転駆動機構603は、初期ギャップ長の調整時に、弾性部材604に回転駆動力を与える。回転駆動機構603は、後述されるように、弾性部材604と同数のロータリーアクチュエータであってもよいし、弾性部材604よりも少数のロータリーアクチュエータと当該ロータリーアクチュエータの生み出す回転駆動力を各弾性部材604に伝達する伝達機構(例えば、複数の歯車)との組み合わせであってもよい。
弾性部材604は、略筒状であって、その空洞部に特性調整用部材105を収容する。弾性部材604は、回転駆動機構603に連結され、当該回転駆動機構603から受ける回転駆動力によって回転運動する。なお、弾性部材604は、1つの特性調整用部材105につき1つ用意される。
さらに、弾性部材604は、図6に示されない切替用部材から外力を受けると当該外力に応じて変形し、その内壁が特性調整用部材105の側壁に接触する。弾性部材604の内壁が特性調整用部材105の側壁に十分に接触しているときに、両者の間に生じる摩擦力を介して回転駆動機構603からの回転駆動力は特性調整用部材105へと伝達する。特性調整用部材105は、図7に例示されるように、そのネジ部によってこの回転駆動力を直動力へと変換し、当該直動力に応じて誘電体基板101の第1の面に対して略垂直に変位する。
他方、切替用部材から十分な大きさの外力を受けなければ、弾性部材604の内壁は自己の復元力によりその特性調整用部材105の側壁から分離する。弾性部材604の内壁が特性調整用部材105の側壁に十分に接触していなければ、回転駆動機構603からの回転駆動力は特性調整用部材105へと伝達しない。すなわち、弾性部材604は回転運動するもの、特性調整用部材105は静止し続ける。
弾性部材604は、その内壁と特性調整用部材105の側壁との間の摩擦力を利用して当該特性調整用部材105に力を伝達するので、摩擦係数の高い内壁を持つように設計されることが好ましい。例えば、弾性部材604の内壁の材料は、ゴム素材であってもよいし、高摩擦テープを貼付したアルミ材であってもよい。
弾性部材604の形状は、図8に例示されるように、側壁部に切れ目のある円筒状であってもよい。図8の弾性部材604は、外力の作用時に当該弾性部材604の軸へと向かって収縮することで特性調整用部材105の側壁を包み込み、回転駆動力を効率的に伝達できる。
弾性部材604に外力を与える切替用部材は、略筒状であって、その空洞部に弾性部材604を収容する。なお、切替用部材は、1つの弾性部材604につき1つ用意される。より具体的には、切替用部材は、1つ以上の可動部材と、当該可動部材に連結された弾性体とを含む。可動部材は、可動溝機構605から外力を受けることがある。可動部材は、外力に応じて変位し、弾性部材604の外壁に接触して当該弾性部材604に当該外力を伝達する。この結果、弾性部材604は変形して特性調整用部材105の側壁に接触することができる。他方、可動部材は、可動溝機構605から十分な大きさの外力を受けなければ、弾性体の復元力によって変位し、弾性部材604の外壁から分離する。この結果、弾性部材604は、自己の復元力によって特性調整用部材105の側壁から分離することができる。
なお、1つ以上の可動部材は、例えば、外力の作用時に当該外力を弾性部材604へと効率的に伝達するために、当該弾性部材604の外壁との接触面積が大きく確保することが望まれる。具体的には、1つ以上の可動部材は、弾性部材604の外壁に沿って(例えば円弧状に)湾曲した形状の側壁を持っていてもよい。さらに、この可動部材の側壁が第1の端部と第2の端部との間で湾曲させた形状を持っているとすると、当該第1の端部は上記弾性体に連結され、当該第2の端部は回転軸に固定される。この可動部材は、可動溝機構605から受ける外力または弾性体の復元力に応じて回転軸を中心に回転運動することができる。
より具体的には、図9に例示される切替用部材900が本実施形態において採用可能である。切替用部材900は、回転軸901と、可動部材902−1と、可動部材902−2と、弾性体903とを含む。
可動部材902−1および可動部材902−2は、それぞれ、(略円筒状の)弾性部材604の外壁に沿って略半円状に湾曲した側壁を持つ。可動部材902−1および可動部材902−2は、その側壁の第1の端部同士ならびに第2の端部同士がそれぞれ対向した状態で配置される。可動部材902−1および可動部材902−2の各々の側壁の第1の端部は、共通の弾性体903に連結される。他方、可動部材902−1および可動部材902−2の各々の側壁の第2の端部は共通の回転軸901に固定される。
図11に例示されるように、回転軸901、可動部材902−1の側壁、可動部材902−2の側壁および弾性体903によって形成される略円柱状の空洞に弾性部材604(および特性調整用部材105)が収容される。
可動溝機構605から外力を受けると、弾性体903は収縮し、可動部材902−1および可動部材902−2の各々の側壁の第1の端部は当該弾性体903に引っ張られる。この結果、可動部材902−1および可動部材902−2は、それぞれ、回転軸901を中心に受動的に回転運動して弾性部材604を挟み込む。他方、可動溝機構605から十分な大きさの外力を受けなければ、可動部材902−1および可動部材902−2の各々の側壁の第1の端部は当該弾性体903の復元力によって押し戻される。この結果、可動部材902−1および可動部材902−2は、それぞれ、回転軸901を中心に受動的に回転運動して弾性部材604を解放する。
可動溝機構605は、1つ以上の溝が形成された溝部材と、当該溝部材を所定の運動方向に沿って駆動する駆動機構と、当該駆動機構を固定する固定部とを含む。駆動機構は、溝部材を直動してもよいし、回転駆動させてもよい。誘電体基板101を断熱真空容器に収容する場合には、当該真空断熱容器を低背化する観点から、当該誘電体基板101の第1の面と略平行に溝部材を運動させることが好ましい。
溝部材に形成される溝の各々は、その第1の内壁に突起を持つように形成されており、特性調整用部材105、弾性部材604および切替用部材900を少なくとも1組収容する。溝部材は、駆動機構によって所定の位置まで移動させられると、上記突起と第1の内壁に対向する第2の内壁とによって切替用部材の外壁を挟み込むことで当該切替用部材に外力(垂直抗力)を作用させる。この結果、弾性部材604が特性調整用部材105に一時的に連結する。他方、この切替用部材に作用する外力は、溝部材が上記所定の位置から離れることで消滅または十分に(弾性部材604と特性調整用部材105との間の連結が解消する程度に)減少する。
さらに、第2の内壁のうち上記突起と対向する箇所にも突起が設けられてもよい。また、複数の切替用部材に同時に外力を作用させることができるように、第1の内壁に複数の突起が設けられてもよい。
より具体的には、図10に例示される可動溝機構605が本実施形態において採用可能である。図10の可動溝機構605は、直動機構固定部1001と、直動機構1002と、溝部材1003とを含む。
直動機構固定部1001は、直動機構1002の第1の端部を固定する。直動機構固定部1001として、例えば支持部材606の一部が利用されてもよい。直動機構1002は、その第1の端部が直動機構固定部1001に固定され、その第1の端部とは反対側の第2の端部が溝部材1003に連結される。直動機構1002は、当該溝部材1003に直動力を与え、任意の位置まで直動させて停止させることができる。直動機構1002は、例えば、リニアアクチュエータであってもよいし、電動回転モータおよび送りねじの組み合わせであってもよい。
溝部材1003は、第1の内壁と当該第1の内壁に対向する第2の内壁とを持つ1つの溝が形成されている。第1の内壁および第2の内壁は、互いに対向する突起をそれぞれ持つ。そして、第1の内壁および第2の内壁の壁面は、突起を除き溝部材1003の運動方向によって規定される柱面に略平行である。
図10の可動溝機構605は、図12に例示されるように、特性調整用部材105、弾性部材604および切替用部材900を溝部材1003に形成された溝に収容することができる。図12の例では、切替用部材900は溝の内壁に接触していないので、当該内壁から外力を受けない。故に、特性調整用部材105は、弾性部材604とは連結されていない。
特性調整用部材105に関する初期ギャップ長の調整を開始する場合には、直動機構1002は、溝部材1003を図13Aに例示されるように駆動すればよい。図13Aの例では、切替用部材900は、溝部材1003の第1の内壁の突起と第2の内壁の突起との間に挟み込まれ、これらの突起から外力を受ける。この外力によって弾性体903が収縮し、切替用部材900は弾性部材604を挟み込む。弾性部材604は、切替用部材900からの外力に応じて変形し、特性調整用部材105と連結する。故に、特性調整用部材105は、回転駆動機構603からの回転駆動力を弾性部材604を介して受けて、回転運動しながら誘電体基板101の第1の面に略垂直に直動できる。この結果、特性調整用部材105と共振器102との間の初期ギャップ長を変化させることができる。
他方、特性調整用部材105に関する初期ギャップ長の調整を終了する場合には、直動機構1002は、溝部材1003を図13Bに例示されるように駆動すればよい。図13Bの例では、切替用部材900は、溝部材1003の第1の内壁の突起および第2の内壁の突起から離れており、溝の内壁に接触していない。切替用部材900は溝の内壁から外力を受けないので、弾性体903は図13Aの例に比べて伸長し、弾性部材604は切替用部材900から解放される。弾性部材604は、自己の復元力によって特性調整用部材105の側壁から分離し、当該特性調整用部材105との連結を解除する。故に、特性調整用部材105は弾性部材604の回転運動中であっても静止することになる。
溝部材1003の溝には、図14に例示されるように、複数組の特性調整用部材105、弾性部材604および切替用部材900が収容されていてもよい。図14の直動機構1002は、所望の特性調整用部材105に対応する切替用部材900が溝の第1の内壁の突起および第2の内壁の突起に挟み込まれるように溝部材1003を移動させる。溝部材1003が適切な位置に移動すれば、回転駆動機構603からの回転駆動力は、所望の特性調整用部材105に伝達するものの残余の特性調整用部材105には伝達しない。故に、残余の特性調整用部材105を静止させたまま、所望の特性調整用部材105と対応する共振器102との間の初期ギャップ長を調整することができる。
図14の回転駆動機構603は、ロータリーアクチュエータ1401と、伝達機構1402とを含む。伝達機構1402は、複数の歯車を含み、各歯車は1つ以上の他の歯車と噛み合うように配置されている。複数の歯車のうち1つは、ロータリーアクチュエータ1401に連結されており、当該ロータリーアクチュエータ1401からの回転駆動力を受けて回転し、当該回転駆動力は他の歯車へと伝達する。複数の弾性部材604の各々は、上記複数の歯車のいずれかに連結され、回転駆動力を受ける。
図14に例示されるように、弾性部材604よりも少数のロータリーアクチュエータ1401によって回転駆動力を生み出し、伝達機構1402を介して当該回転駆動力を各弾性部材604へと伝達することで、回転駆動機構603を簡略化することができる。
具体的には、回転駆動機構603を少数のロータリーアクチュエータを用いて実現すれば、コストおよび質量を削減することができる。さらに、(断熱)真空容器内部に収められているロータリーアクチュエータ1401の個数が減ることにより、配線数が低減し、それに伴い真空容器の配線外部取り出し用の接続ポート数が減少するので、チューナブルフィルタ装置全体の小型化につながる。
なお、複数組の特性調整用部材105、弾性部材604および切替用部材900が散らばって配置されている場合には、これらを収容するために複数の溝が利用されてもよい。複数の溝は、図15に例示されるように1つの溝部材1503に形成されてもよいし、複数の溝部材に分散して形成されてもよい。
溝部材1503は、第1の内壁と当該第1の内壁に対向する第2の内壁とをそれぞれ持つ複数の溝が形成されている。第1の内壁および第2の内壁は、互いに対向する突起をそれぞれ持つ。そして、第1の内壁および第2の内壁の壁面は、突起を除き溝部材1503の運動方向によって規定される柱面に略平行である。
図15の直動機構1002は、所望の特性調整用部材105に対応する切替用部材900が当該特性調整用部材105を収容する溝の第1の内壁の突起および第2の内壁の突起に挟み込まれるように溝部材1503を移動させる。溝部材1503が適切な位置に移動すれば、回転駆動機構603からの回転駆動力は、所望の特性調整用部材105に伝達するものの残余の特性調整用部材105には伝達しない。故に、残余の特性調整用部材105を静止させたまま、所望の特性調整用部材105と対応する共振器102との間の初期ギャップ長を調整することができる。
なお、溝部材に形成される溝の本数および形状(突起の位置を含む)は、例えば特性調整用部材105の配置に基づいて設計することができる。また、特性調整用部材105の配置は、共振器102の配置に依存する。
或いは、図19に例示される可動溝機構605が本実施形態において採用されてもよい。図19の可動溝機構605は、回転駆動機構1902と、溝部材1903とを含む。
回転駆動機構1902は、溝部材1903に連結される。回転駆動機構1902は、当該溝部材1903に回転駆動力を与え、図20に例示されるように、任意の位置まで回転駆動して停止させることができる。回転駆動機構1902は、例えばロータリーアクチュエータであってもよい。
溝部材1903は、第1の内壁と当該第1の内壁に対向する第2の内壁とをそれぞれ持つ2つの溝が形成されている。第1の内壁および第2の内壁は、互いに対向する突起をそれぞれ持つ。そして、第1の内壁および第2の内壁の壁面は、突起を除き溝部材1903の運動方向によって規定される柱面に略平行である。
回転駆動機構1902は、所望の特性調整用部材105に対応する切替用部材900が当該特性調整用部材105を収容する溝の第1の内壁の突起および第2の内壁の突起に挟み込まれるように溝部材1903を移動させる。溝部材1903が適切な位置に移動すれば、回転駆動機構603からの回転駆動力は、所望の特性調整用部材105に伝達するものの残余の特性調整用部材105には伝達しない。故に、残余の特性調整用部材105を静止させたまま、所望の特性調整用部材105と対応する共振器102との間の初期ギャップ長を調整することができる。
以上説明したように、第1の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置は、少なくとも一部分がネジ部に相当する特性調整用部材に回転駆動機構から回転駆動力を与え、当該回転駆動力を利用して当該特性調整用部材を直線方向に変位させることで、当該特性調整用部材と対応する共振器との間の初期ギャップ長を調整する。故に、このチューナブルフィルタ装置によれば、手動調整に比べて、高速かつ高精度に初期ギャップ長を調整することができる。特に、チューナブルフィルタ装置が超伝導フィルタに相当する場合には、真空低温環境を維持した状態で、所望の初期フィルタ特性が得られるまで初期ギャップ長を繰り返し調整することができる。
さらに、回転駆動機構からの回転駆動力は、外力/復元力によって当該特性調整用部材の側壁に一時的に接触/分離可能な弾性部材に与えられる。弾性部材が特性調整用部材の側壁に接触していれば回転駆動力は当該特性調整用部材へもさらに伝達し、弾性部材が特性調整用部材の側壁から分離していれば回転駆動力は当該特性調整用部材へは伝達しない。故に、このフィルタ装置によれば、複数の弾性部材に回転駆動力を一斉に与えたとしても、非所望の特性調整用部材を静止させたまま、所望の特性調整用部に関する初期ギャップ長を調整することができる。すなわち、多数の特性調整用部材が配置される場合であっても、少数のアクチュエータを時分割で共有することで、当該特性調整用部材に関する初期ギャップ長を個別に調整することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置は、支持部材602の駆動原理において、第1の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置(図6)とは異なる。
具体的には、図16に例示されるように、本実施形態に係るチューナブルフィルタ装置に含まれる支持部材602は、第1の端部に連結されたリニアアクチュエータ1601−1と、当該第1の端部とは反対側の第2の端部に連結されたリニアアクチュエータ1601−2から直動力を受ける。支持部材602は、両端部で受ける直動力によって、誘電体基板101の第1の面に対する傾きを維持したまま当該第1の面に対して略垂直に変位できる。
リニアアクチュエータ1601−1およびリニアアクチュエータ1601−2は、それぞれ圧電アクチュエータであってもよい。この場合には、圧電アクチュエータに予圧を与えるために、バネ1602−1およびバネ1602−2が、それぞれ支持部材602と土台との間に連結される。圧電アクチュエータには制御電圧を印加するために図示されないリード線が接続される。圧電アクチュエータは、制御電圧に応じて誘電体基板101の第1の面に対して略垂直に伸縮する。支持部材602に支持された特性調整用部材105は、圧電アクチュエータの伸縮に連動して変位する。
以上説明したように、第2の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置において、特性調整用部材を支持する支持部材は、その両端部に連結されたリニアアクチュエータからの直動力によって、誘電体基板の回路配置面に対する傾きを維持したまま当該回路配置面に略垂直に変位する。故に、このチューナブルフィルタ装置によれば、特性調整用部材は、その底面が誘電体基板の回路配置面に対して略平行な状態を維持したまま変位するので、ギャップ長を高精度に調整することが可能である。
(第3の実施形態)
前述の第1の実施形態または第2の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置は、図6および図16には示されていないものの、種々の駆動機構を制御するためのドライバ、ならびに、調整後のフィルタ特性を確認するための測定器を必要とする。さらに、チューナブルフィルタ装置が超伝導フィルタに相当する場合には、当該チューナブルフィルタ装置は真空低温環境を設定するための種々の周辺装置も必要とする。
図17に例示されるように、第3の実施形態に係るチューナブルフィルタシステムは、断熱真空容器1701と、真空ポンプ1702と、冷凍機1703と、コールドヘッド1704と、コールドプレート1705と、チューナブルフィルタ装置1706と、コネクタ1707と、コネクタ1708と、コネクタ1709と、入力コネクタ1710と、同軸ケーブル1711と、同軸ケーブル1712と、出力コネクタ1713と、同軸ケーブル1714と、同軸ケーブル1715と、配線ケーブル1716と、配線ケーブル1717と、周波数特性測定器1718と、ドライバ1719とを含む。
チューナブルフィルタ装置1706は、前述の第1の実施形態または第2の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置に相当する。但し、チューナブルフィルタ装置1706の回路要素(例えば、共振器、信号入力線路、信号出力線路など)の少なくとも一部は超伝導材料を用いて形成されている。
断熱真空容器1701は、略箱状であって、チューナブルフィルタ装置1706を収容する。後述される真空ポンプ1702および冷凍機1703の作用により、チューナブルフィルタ装置1706の周囲に真空低温環境が設定される。断熱真空容器1701は、設定された真空低温環境を維持するために、外界からの熱および空気の侵入を防止する。
例えば、断熱真空容器1701は、当該断熱真空容器1701の底部および側壁部に相当し当該底部の反対側に開口面を有する下側容器と、当該断熱真空容器1701の頂部および側壁部に相当し当該頂部の反対側に開口面を有する上側容器とに分離可能であってもよい。この場合には、上側容器および下側容器を両者の開口面を対向させた状態で結合することにより内部空間を形成することができる。例えばOリングを介して上側容器および下側容器を結合することで断熱真空容器1701の内部空間の真空度を維持することができる。
真空ポンプ1702は、断熱真空容器1701の内部空間を真空排気する。冷凍機1703はコールドヘッド1704を備えており、断熱真空容器1701の内部空間が略真空状態になった後に当該コールドヘッド1704を冷却する。
コールドヘッド1704は、コールドプレート1705を支持する。さらに、コールドプレート1705は、チューナブルフィルタ装置1706を支持する。冷凍機1703がコールドヘッド1704を冷却してその温度が低下すると、コールドプレート1705からコールドヘッド1704への熱伝導が生じるので当該コールドプレート1705も冷却される。さらに、コールドプレート1705の温度が低下すると、チューナブルフィルタ装置1706からコールドプレート1705への熱伝導が生じるので当該チューナブルフィルタ装置1706も冷却される。
冷凍機1703は、チューナブルフィルタ装置1706に含まれる超伝導材料が超伝導特性を示す温度までチューナブルフィルタ装置1706を冷却する必要がある。なお、環境温度が低いほど超伝導特性の向上が期待できるので、チューナブルフィルタ装置1706はより低い温度に設定されることが好ましい。冷凍機1703は、チューナブルフィルタ装置1706を十分に冷却する機能があればよく、例えば、パルスチューブ冷凍機、スターリング冷凍機、または、GM(Gifford−McMahon)冷凍機などの種々の冷凍機であってよい。
冷凍機1703は、冷却運転時に振動を伴う。この振動は、コールドヘッド1704およびコールドプレート1705を介してチューナブルフィルタ装置1706にも伝わる。この振動により、チューナブルフィルタ装置1706に含まれる特性調整用部材の固定が緩んで位置がずれるかもしれない。
図17の例では、チューナブルフィルタ装置1706は重力方向に振動し、コールドプレート1705は誘電体基板の回路配置面が重力方向に対して略水平になるようにチューナブルフィルタ装置1706を支持しているので、振動方向は特性調整用部材の可動方向と一致する。故に、特性調整用部材に関する初期ギャップ長を事前に最適化したとしても、真空低温環境の設定中に特性調整用部材の位置がずれるかもしれない。前述の第1の実施形態または第2の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置は、真空低温環境の設定後に初期ギャップ長を調整することで当該環境を解除することなく特性調整用部材の位置のずれを解消することができる。
断熱真空容器1701の側壁、頂部または底部には、チューナブルフィルタ装置1706と周辺装置(具体的には、周波数特性測定器1718およびドライバ1719)との間のインターフェースとして、コネクタ1707、コネクタ1708およびコネクタ1709が取り付けられている。
周波数特性測定器1718は、例えば、ネットワークアナライザであって、チューナブルフィルタ装置1706に様々な周波数を持つテスト信号を与え、その応答を測定する。チューナブルフィルタ装置1706の入力コネクタ1710は、同軸ケーブル1711、コネクタ1707および同軸ケーブル1712を介して周波数特性測定器1718の出力端子に接続される。チューナブルフィルタ装置1706の出力コネクタ1713は、同軸ケーブル1714、コネクタ1708および同軸ケーブル1715を介して周波数特性測定器1718の入力端子に接続される。
ドライバ1719は、チューナブルフィルタ装置1706に含まれる種々の駆動機構(例えば、前述のリニアアクチュエータ601、回転駆動機構603、可動溝機構605、直動機構1002、ロータリーアクチュエータ1401、リニアアクチュエータ1601−1、リニアアクチュエータ1601−2、回転駆動機構1902など)に制御信号(制御電圧)を与え、当該駆動機構の動作(すなわち、駆動力の大きさおよび方向)を制御する。チューナブルフィルタ装置1706の図示されない制御端子は、配線ケーブル1716、コネクタ1709および配線ケーブル1717を介してドライバ1719の出力端子に接続される。
以上説明したように、第3の実施形態に係るチューナブルフィルタシステムは、超伝導特性のための真空低温環境の設定中に冷凍機からの振動によって生じる特性調整用部材の位置のずれを、当該環境の設定後に初期ギャップ長の調整を通じて解消する。従って、このチューナブルフィルタシステムは、振動の比較的大きな冷凍機を利用することが可能である。
(第4の実施形態)
前述の第1の実施形態または第2の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置のフィルタ特性は、自動調整することも可能である。具体的には、図18に例示されるように、第4の実施形態に係るチューナブルフィルタシステムは、制御装置1800と、フィルタ回路1810と、入力コネクタ1811と、出力コネクタ1812と、駆動機構1820とを含む。
制御装置1800は、フィルタ回路1810のフィルタ特性を解析し、このフィルタ特性と所望フィルタ特性とを比較し、両者の差分を示す差分信号を生成し、当該差分信号に応じて駆動機構1820を負帰還制御することで、上記フィルタ特性を自動的に改善する。具体的には、制御装置1800は、周波数特性測定器1801と、演算回路1802と、ドライバ1803とを含む。
周波数特性測定器1801は、出力コネクタ1812を介してフィルタ回路1810の出力信号(sig.2)を受け取る。周波数特性測定器1801は、フィルタ回路1810の出力信号のスペクトル波形(例えば、中心周波数、通過特性および反射特性)を測定する。周波数特性測定器1801は、このスペクトル波形を示す測定信号を演算回路1802へと出力する。
演算回路1802は、測定信号を周波数特性測定器1801から受け取る。演算回路1802は、測定信号の示すスペクトル波形を所望スペクトル波形と比較し、両者の差分を示す差分信号を生成する。演算回路1802は、差分信号をドライバ1803へと出力する。
ドライバ1803は、演算回路1802から差分信号を受け取り、差分信号に応じて駆動機構1820の動作(すなわち、駆動力の大きさおよび方向)を制御するための制御信号(制御電圧)を生成する。ドライバ1803は、制御信号を駆動機構1820へと出力する。
フィルタ回路1810、入力コネクタ1811、出力コネクタ1812および駆動機構1820は、前述の第1の実施形態または第2の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置に相当する。
フィルタ回路1810は、例えば、前述の誘電体基板101、共振器102、信号入力線路103、信号出力線路104および特性調整用部材105の一部または全部を含むことができる。フィルタ回路1810は、入力コネクタ1811を介して入力信号(sig.1)を受け取る。フィルタ回路1810は、入力信号にフィルタ処理を行うことで出力信号を得る。フィルタ回路1810は、出力信号を出力コネクタ1812を介して制御装置1800および図示されない外部装置に供給する。
駆動機構1820は、例えば、前述のリニアアクチュエータ601、回転駆動機構603、可動溝機構605、直動機構1002、ロータリーアクチュエータ1401、リニアアクチュエータ1601−1、リニアアクチュエータ1601−2、回転駆動機構1902の一部または全部を含むことができる。駆動機構1820は、制御装置1800から制御信号を受け取り、当該制御信号に従って動作する。
以上説明したように、第4の実施形態に係るチューナブルフィルタシステムは、測定したフィルタ特性の所望フィルタ特性に対する差分に応じて種々の駆動機構を負帰還制御する。従って、このチューナブルフィルタシステムによれば、フィルタ特性を自動的に改善することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100,400・・・チューナブルフィルタ装置
101・・・誘電体基板
102・・・共振器
103・・・信号入力線路
104・・・信号出力線路
105・・・特性調整用部材
106・・・金属パッケージ
107,109・・・接続電極
108・・・同軸コネクタ
501・・・ネジ部
502・・・誘電体部
601,1601・・・リニアアクチュエータ
602,606・・・支持部材
603,1902・・・回転駆動機構
604・・・弾性部材
605・・・可動溝機構
607・・・断熱支持部材
900・・・切替用部材
901・・・回転軸
902・・・可動部材
903・・・弾性体
1001・・・直動機構固定部
1002・・・直動機構
1003,1503,1903・・・溝部材
1401・・・ロータリーアクチュエータ
1402・・・伝達機構
1602・・・バネ
1701・・・断熱真空容器
1702・・・真空ポンプ
1703・・・冷凍機
1704・・・コールドヘッド
1705・・・コールドプレート
1706・・・チューナブルフィルタ装置
1707,1708,1709・・・コネクタ
1710,1811・・・入力コネクタ
1711,1712,1714,1715・・・同軸ケーブル
1713,1812・・・出力コネクタ
1716,1717・・・配線ケーブル
1718,1801・・・周波数特性測定器
1719,1803・・・ドライバ
1800・・・制御装置
1802・・・演算回路
1810・・・フィルタ回路
1820・・・駆動機構

Claims (11)

  1. チューナブルフィルタ装置における基板の第1の面上の共振器と対向した特性調整用部材と、
    変形することで前記特性調整用部材に接触し、復元力によって当該特性調整用部材から非接触となる弾性部材と、
    前記弾性部材を回転駆動する第1の駆動機構と、
    閉動作により前記弾性部材の外側から当該弾性部材に接触して変形させ、開動作により当該弾性部材に復元力を生じさせる第1の可動部材と、
    前記第1の可動部材を開閉させる突起を有する第2の可動部材と、
    前記突起が前記第1の可動部材を開閉させるように前記第2の可動部材を変位させる第2の駆動機構と
    を具備し、
    前記弾性部材は、前記特性調整用部材に接触することで前記第1の駆動機構の回転駆動力を伝達し、
    前記特性調整用部材は、伝達された回転駆動力を変換した直動力により前記共振器とのギャップを変化させる、
    フィルタ特性調整装置。
  2. 前記弾性部材の総数および前記第1の可動部材の総数が、それぞれ2以上であって、
    前記第1の駆動機構は、ロータリーアクチュエータと、当該ロータリーアクチュエータによって生み出された回転駆動力を前記弾性部材の各々に伝達する伝達機構とを含む、
    請求項1記載のフィルタ特性調整装置。
  3. 前記伝達機構は、複数の歯車を含み、
    前記歯車の各々は、1つ以上の他の歯車と噛み合うように配置され、
    前記歯車のいずれかは、前記ロータリーアクチュエータに連結され、当該ロータリーアクチュエータの回転駆動力を1つ以上の他の歯車に伝達し、
    前記弾性部材の各々は、前記歯車のいずれかに連結され、当該歯車を介して前記回転駆動力を受ける、
    請求項2記載のフィルタ特性調整装置。
  4. 前記第1の可動部材は、外力に応じて変位することで前記弾性部材の外壁に接触して当該弾性部材を変形させる1つ以上の第3の可動部材と、復元力によって当該第3の可動部材を変位させることで当該弾性部材の外壁から分離する弾性体とを含み、
    前記第3の可動部材の各々は、前記弾性体に連結された第1の端部および回転軸に固定された第2の端部を含む側壁を持ち、当該弾性体の復元力または前記外力に応じて当該回転軸を中心に回転運動し、
    前記第3の可動部材の各々の側壁は、前記第1の端部と前記第2の端部との間を前記弾性部材の外壁に沿って湾曲させた形状を持つ、
    請求項1記載のフィルタ特性調整装置。
  5. 前記第2の駆動機構は、前記第2の可動部材を前記基板の第1の面に対して略平行に直線運動または回転駆動する、請求項1記載のフィルタ特性調整装置。
  6. 前記第2の駆動機構は、前記第2の可動部材を直動し、
    前記第2の可動部材は、前記特性調整用部材、前記弾性部材および前記第1の可動部材を収容する溝が形成され、当該溝の第1の内壁に前記突起を持ち、
    前記溝の前記第1の内壁の壁面は、前記突起を除き前記第2の可動部材の運動方向によって規定される柱面に略平行である、
    請求項1記載のフィルタ特性調整装置。
  7. 前記第2の駆動機構は、前記第2の可動部材を回転駆動し、
    前記第2の可動部材は、前記特性調整用部材、前記弾性部材および前記第1の可動部材を収容する溝が形成され、当該溝の第1の内壁に前記突起を持ち、
    前記溝の前記第1の内壁の壁面は、前記突起を除き前記第2の可動部材の運動方向によって規定される柱面に略平行である、
    請求項1記載のフィルタ特性調整装置。
  8. 前記特性調整用部材を、前記共振器と対向した状態で支持する支持部材と、
    前記支持部材を変位させることにより、前記特性調整用部材と前記共振器との間のギャップを変化させる第3の駆動機構をさらに具備する、請求項1記載のフィルタ特性調整装置。
  9. 前記共振器は、前記基板の第1の面に超伝導材料を用いてパターン形成されている、請求項1記載のフィルタ特性調整装置。
  10. 基板と、
    前記基板の第1の面に導体材料を用いてパターン形成された1つ以上の共振器と、
    誘電体材料、磁性体材料または導体材料をそれぞれ含みそれぞれの少なくとも一部分がネジ部に相当する1つ以上の特性調整用部材と、
    前記特性調整用部材を、前記共振器とそれぞれ対向した状態で支持する支持部材と、
    第1の外力に応じて変形することで前記特性調整用部材の各々の側壁に接触し、当該第1の外力の非作用時に復元力によって当該特性調整用部材の側壁から分離する1つ以上の弾性部材と、
    前記弾性部材を回転駆動する第1の駆動機構と、
    第2の外力に応じて変位することで前記弾性部材の1つの外壁に接触して当該弾性部材に前記第1の外力を作用させる1つ以上の可動部材と、前記第2の外力の非作用時に復元力によって当該可動部材を変位させることで当該弾性部材の外壁から分離する弾性体とをそれぞれ含む1つ以上の切替用部材と、
    前記特性調整用部材、前記弾性部材および前記切替用部材を少なくとも1組それぞれ収容する1つ以上の溝が形成され、当該溝の各々の第1の内壁に突起を持つ溝部材と、
    前記溝の少なくとも1つに収容された前記切替用部材の少なくとも1つの外壁を当該溝の前記突起と前記第1の内壁に対向する第2の内壁とで挟み込むことにより前記第2の外力が当該切替用部材に作用するように前記溝部材を変位させる第2の駆動機構と
    を具備し、
    前記弾性部材の各々は、前記特性調整用部材の各々の側壁に接触している間に、前記第1の駆動機構から受ける回転駆動力を摩擦力を介して当該特性調整用部材に伝達し、
    前記特性調整用部材の各々は、前記弾性部材の各々から伝達された回転駆動力を前記ネジ部によって変換した直動力に応じて変位して当該特性調整用部材と前記共振器の各々との間のギャップ長を変化させる、
    チューナブルフィルタ装置。
  11. チューナブルフィルタ装置の制御方法であって、
    前記チューナブルフィルタ装置は、
    基板と、
    前記基板の第1の面に導体材料を用いてパターン形成された1つ以上の共振器と、
    誘電体材料、磁性体材料または導体材料をそれぞれ含みそれぞれの少なくとも一部分がネジ部に相当する1つ以上の特性調整用部材と、
    前記特性調整用部材を、前記共振器とそれぞれ対向した状態で支持する支持部材と、
    第1の外力に応じて変形することで前記特性調整用部材の各々の側壁に接触し、当該第1の外力の非作用時に復元力によって当該特性調整用部材の側壁から分離する1つ以上の弾性部材と、
    前記弾性部材に連結された第1の駆動機構と、
    第2の外力に応じて変位することで前記弾性部材の1つの外壁に接触して当該弾性部材に前記第1の外力を作用させる1つ以上の可動部材と、前記第2の外力の非作用時に復元力によって当該可動部材を変位させることで当該弾性部材の外壁から分離する弾性体とをそれぞれ含む1つ以上の切替用部材と、
    前記特性調整用部材、前記弾性部材および前記切替用部材を少なくとも1組それぞれ収容する1つ以上の溝が形成され、当該溝の各々の第1の内壁に突起を持つ溝部材と、
    前記溝部材に連結された第2の駆動機構と
    を具備し、
    前記制御方法は、
    前記第1の駆動機構に、前記弾性部材を回転駆動させることと、
    前記第2の駆動機構に、前記溝の少なくとも1つに収容された前記切替用部材の少なくとも1つの外壁を当該溝の前記突起と前記第1の内壁に対向する第2の内壁とで挟み込むことにより前記第2の外力が当該切替用部材に作用するように前記溝部材を変位させることと
    を具備し、
    前記弾性部材の各々は、前記特性調整用部材の各々の側壁に接触している間に、前記第1の駆動機構から受ける回転駆動力を摩擦力を介して当該特性調整用部材に伝達し、
    前記特性調整用部材の各々は、前記弾性部材の各々から伝達された回転駆動力を前記ネジ部によって変換した直動力に応じて変位して当該特性調整用部材と前記共振器の各々との間のギャップ長を変化させる、
    制御方法。
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