JP2001211004A - 超伝導フィルタ - Google Patents

超伝導フィルタ

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JP2001211004A
JP2001211004A JP2000021829A JP2000021829A JP2001211004A JP 2001211004 A JP2001211004 A JP 2001211004A JP 2000021829 A JP2000021829 A JP 2000021829A JP 2000021829 A JP2000021829 A JP 2000021829A JP 2001211004 A JP2001211004 A JP 2001211004A
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JP
Japan
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superconducting
dielectric substrate
superconducting filter
filter
main body
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JP2000021829A
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Kyohei Murayama
恭平 村山
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Qを低下させることなく超伝導フィルタのチ
ューニングを実現する。 【解決手段】 金属ケース7の内底部に、第1誘電体基
板2の底面に設置面3を形成するとともに、上面に超伝
導共振器パターン1を形成してなる超伝導フィルタ本体
を固定している。そして、超伝導フィルタ本体の上方
に、上面に超伝導薄膜からなるシールド面6を有する第
2誘電体基板5を昇降自在に設けているとともに、金属
ケース7の上部を貫通し、かつ回転自在なボルト部材1
3を設け、ボルト部材13と係合する雌ネジ部材14を
シールド面6の上面に設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はチューニング可能
な超伝導フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来からフィルタをチューニングするた
めの構成として、金属製のスクリューを進退させる構成
が一般的に採用されている。そして、超伝導フィルタを
チューニングする構成としても、金属製のスクリューを
進退させる構成が提案されている。
【0003】この構成を採用すれば、金属製のスクリュ
ーを進退させる程度に応じて超伝導フィルタのバンドパ
ス特性(バンドパスフィルタ特性の中心周波数)をチュ
ーニングすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、金属製のスク
リューを進退させて超伝導フィルタをチューニングする
構成を採用した場合には、超伝導フィルタ自体が著しく
高いQ(Qは損失の目安であり、高いほど損失が少ない
ことを示す。この損失は、ネジ等の金属製のスクリュー
を使うことによる損失である)を有しているにも拘わら
ず、金属製のスクリューを採用することによってQの低
下を招いてしまうという不都合がある。
【0005】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、Qを低下させることなく超伝導フィルタ
のチューニングを実現することができる超伝導フィルタ
を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の超伝導フィル
タは、所定のフィルタパターンを第1誘電体基板上に形
成してなる超伝導フィルタ本体の上方に超伝導薄膜を有
する第2誘電体基板を配置し、超伝導フィルタ本体との
距離を変化させるべく第2誘電体基板を移動させる距離
可変手段を設けたものである。
【0007】請求項2の超伝導フィルタは、超伝導フィ
ルタ本体および第2誘電体基板を収容する金属ケースを
さらに含むものである。
【0008】請求項3の超伝導フィルタは、前記距離可
変手段として、金属ケースと第2誘電体基板との間に配
置された圧電素子を採用するものである。
【0009】請求項4の超伝導フィルタは、前記第2誘
電体基板として、第1誘電体基板と対向する面に超伝導
薄膜を有するものを採用するものである。
【0010】
【作用】請求項1の超伝導フィルタであれば、所定のフ
ィルタパターンを第1誘電体基板上に形成してなる超伝
導フィルタ本体の上方に超伝導薄膜を有する第2誘電体
基板を配置しておき、距離可変手段によって第2誘電体
基板を移動させることにより、超伝導フィルタ本体との
距離を変化させて超伝導フィルタのチューニングを達成
することができる。
【0011】したがって、Qを著しく高く維持したまま
で超伝導フィルタのチューニングを実現することができ
る。
【0012】請求項2の超伝導フィルタであれば、超伝
導フィルタ本体および第2誘電体基板を収容する金属ケ
ースをさらに含むのであるから、超伝導フィルタ本体と
第2誘電体基板とがこれらに平行な方向に位置ずれする
ことを防止することができるとともに、寒冷の伝達を容
易かつ確実に達成することができるほか、請求項1と同
様の作用を達成することができる。
【0013】請求項3の超伝導フィルタであれば、前記
距離可変手段として、金属ケースと第2誘電体基板との
間に配置された圧電素子を採用するのであるから、超伝
導フィルタ本体を収容する真空容器の外部から簡単にチ
ューニングを行うことができるほか、請求項2と同様の
作用を達成することができる。
【0014】請求項4の超伝導フィルタであれば、前記
第2誘電体基板として、第1誘電体基板と対向する面に
超伝導薄膜を有するものを採用するのであるから、距離
可変手段による超伝導薄膜への悪影響を未然に防止する
ことができるほか、請求項1から請求項3の何れかと同
様の作用を達成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明の超伝導フィルタの実施の態様を詳細に説明する。
【0016】図1はこの発明の超伝導フィルタの一実施
態様を示す概略縦断面図である。
【0017】この超伝導フィルタは、金属ケース7の内
底部に、第1誘電体基板2の底面に設置面3を形成する
とともに、上面に超伝導共振器パターン1を形成してな
る超伝導フィルタ本体を固定している。そして、超伝導
フィルタ本体の上方に、上面に超伝導薄膜からなるシー
ルド面6を有する第2誘電体基板5を昇降自在に設けて
いるとともに、金属ケース7の上内面と第2誘電体基板
5との間に圧電素子10を設け、制御ケーブル11を介
して圧電素子10と接続されるコントローラ12を設け
ている。
【0018】なお、金属ケース7を包囲する真空容器9
を設けているとともに、真空容器9を貫通して金属ケー
ス7と熱的に接続されるコールドヘッド(極低温冷凍機
からの寒冷を伝達するためのもの)8を設けている。
【0019】図2は超伝導フィルタ本体を示す平面図で
あり、第1誘電体基板2の上面に所定間隔毎に5本の超
伝導共振器パターン1を互いに平行に形成している。
【0020】この実施態様を採用した場合には、真空容
器9の内部において超伝導フィルタ本体を臨界温度以下
の極低温にまで冷却した状態において、コントローラ1
2により圧電素子10に印加する電圧を制御することに
より、印加電圧に応じて超伝導フィルタ本体と第2誘電
体基板5との間隔を迅速に増減させることができ、ひい
ては、超伝導フィルタの周波数特性をチューニングする
ことができる。
【0021】なお、圧電素子10単体では調節可能な間
隔が小さい場合には、複数個の圧電素子10を直列接続
させることにより、調節可能な間隔を大きくすることが
できる。
【0022】さらに説明する。
【0023】第1誘電体基板2の厚みをh1、第2誘電
体基板5の厚みをh3、第1誘電体基板2と第2誘電体
基板5との距離をh2、第1誘電体基板2の誘電率をε
1、第1誘電体基板2と第2誘電体基板5との間におけ
る誘電率(空気層もしくは真空層4の誘電率)をε2、
第2誘電体基板5の誘電率をε3、超伝導共振器パター
ン1の幅をWで表せば、超伝導共振器の単位長さ容量C
は、 C=(W/2)[[1/{(h2/ε2)+(h3/ε
3)}]+(1/ε1)] となり、位相速度vは、 v=k(1/C)1/2 となり、共振周波数fは、 f=v/2C となる。なお、kは超伝導共振器パターン1の形状など
に依存して定まる定数である。
【0024】したがって、第1誘電体基板2と第2誘電
体基板5との距離h2を変化させることにより超伝導共
振器の単位長さ容量Cを変化させることができ、ひいて
は共振周波数fを変化させることができる。
【0025】また、上記の実施態様においては、共振器
間結合の変化をできるだけ小さくして共振周波数を変化
させることができるので、図3に示すように、帯域幅を
殆ど変化させることなく、中心周波数のみを変化させる
ことができる。
【0026】図1に示す超伝導フィルタにおいては、第
2誘電体基板5の上面にシールド面6を形成している
が、第2誘電体基板5の下面にシールド面を形成するこ
とが可能である。この場合には、超伝導共振器の単位長
さ容量Cが、 C=(W/2)[{1/(h2/ε2)}+(1/ε
1)] となる。
【0027】したがって、第1誘電体基板2と第2誘電
体基板5との距離h2を変化させることにより超伝導共
振器の単位長さ容量Cを変化させることができ、ひいて
は共振周波数fを変化させることができる。
【0028】また、圧電素子10をシールド面6の上面
に連結するのではなく、第2誘電体基板5の上面に連結
するのであるから、圧電素子10を連結することにより
シールド面6に影響を及ぼすことを未然に防止すること
ができる。
【0029】図4はこの発明の超伝導フィルタの他の実
施態様を示す概略縦断面図、図5は超伝導フィルタ本体
の平面図である。
【0030】この超伝導フィルタが上記チューナブル超
伝導フィルタと異なる点は、超伝導共振器パターン1の
数を1に設定した点のみである。
【0031】したがって、この実施態様を採用した場合
にも、ボルト部材を回転させることにより超伝導フィル
タ本体と第2誘電体基板5との間隔を増減させることが
でき、ひいては、超伝導フィルタの周波数特性をチュー
ニングすることができる。
【0032】図6はこの発明の超伝導フィルタのさらに
他の実施態様を示す概略縦断面図である。
【0033】この超伝導フィルタが図1の超伝導フィル
タと異なる点は、圧電素子10、制御ケーブル11およ
びコントローラ12に代えて、金属ケース7の上壁を貫
通し、かつ第2誘電体基板5の上面(もしくはシールド
面6の上面)と連結されるガスピストン13、高圧ガス
を発生させるコンプレッサー14、およびガスピストン
13とコンプレッサー14とを連通するガスチューブ1
5を設けた点のみである。なお、ガスとしては、沸点の
低いガス、例えばヘリウムガスを採用する。
【0034】この実施態様を採用した場合には、真空容
器9の内部において超伝導フィルタ本体を臨界温度以下
の極低温にまで冷却した状態において、コンプレッサー
14により高圧ガスの供給を制御することにより、高圧
ガス供給状態に応じて超伝導フィルタ本体と第2誘電体
基板5との間隔を増減させることができ、ひいては、超
伝導フィルタの周波数特性をチューニングすることがで
きる。
【0035】図7はこの発明の超伝導フィルタのさらに
他の実施態様を示す概略縦断面図である。
【0036】この超伝導フィルタが図1のチューナブル
超伝導フィルタと異なる点は、圧電素子10、制御ケー
ブル11およびコントローラ12に代えて、第2誘電体
基板5の上面(もしくはシールド面6の上面)に固定し
た永久磁石16、永久磁石16よりも上方に位置し、か
つ金属ケース7の内部に位置するように固定したコイル
17、コイル17に電流を供給するとともに、供給電流
を制御する電流源18、および第2誘電体基板5の上面
(もしくはシールド面6の上面)と金属ケース7の上内
面との間に設けたばね部材19を設けた点のみである。
【0037】この実施態様を採用した場合には、真空容
器9の内部において超伝導フィルタ本体を臨界温度以下
の極低温にまで冷却した状態において、電流源18によ
りコイル17に対する供給電流を制御することによって
永久磁石16との間の吸引力もしくは反発力を制御し、
ばね部材19の押圧力もしくは引っ張り力とバランスす
る位置まで第2誘電体基板5を移動させて、超伝導フィ
ルタ本体と第2誘電体基板5との間隔を増減させること
ができ、ひいては、超伝導フィルタの周波数特性をチュ
ーニングすることができる。
【0038】なお、上記の各実施態様において、チュー
ニングが行われた状態に第2誘電体基板5を保持する場
合には、図8に示すように、金属ケース7の側壁にテー
パ20を形成して、上部空間が広く、かつ下部空間が狭
くなるようにし、または図9に示すように、水平方向に
対向するように板ばね21を設けて第2誘電体基板5を
挟持するように構成すればよい。
【0039】
【発明の効果】請求項1の発明は、Qを著しく高く維持
したままで超伝導フィルタのチューニングを実現するこ
とができるという特有の効果を奏する。
【0040】請求項2の発明は、超伝導フィルタ本体と
第2誘電体基板とがこれらに平行な方向に位置ずれする
ことを防止することができるとともに、寒冷の伝達を容
易かつ確実に達成することができるほか、請求項1と同
様の効果を奏する。
【0041】請求項3の発明は、超伝導フィルタ本体を
収容する真空容器の外部から簡単にチューニングを行う
ことができるほか、請求項2と同様の効果を奏する。
【0042】請求項4の発明は、距離可変手段による超
伝導薄膜への悪影響を未然に防止することができるほ
か、請求項1から請求項3の何れかと同様の効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の超伝導フィルタの一実施態様を示す
概略縦断面図である。
【図2】超伝導フィルタ本体を示す平面図である。
【図3】超伝導フィルタの周波数特性を説明する図であ
る。
【図4】この発明の超伝導フィルタの他の実施態様を示
す概略縦断面図である。
【図5】超伝導フィルタ本体を示す平面図である。
【図6】この発明の超伝導フィルタのさらに他の実施態
様を示す概略縦断面図である。
【図7】この発明の超伝導フィルタのさらに他の実施態
様を示す概略縦断面図である。
【図8】第2誘電体基板保持機構の一例を示す概略縦断
面図である。
【図9】第2誘電体基板保持機構の他の例を示す概略縦
断面図である。
【符号の説明】
1 超伝導共振器パターン 2 第1誘電体基板 5 第2誘電体基板 6 シールド面 7 金属ケース 10 圧電素子 13 ガスピストン 14 コンプレッサー 15 ガスチューブ 16 永久磁石 17 コイル 18 電流源 19 ばね部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のフィルタパターン(1)を第1誘
    電体基板(2)上に形成してなる超伝導フィルタ本体の
    上方に超伝導薄膜(6)を有する第2誘電体基板(5)
    を配置し、超伝導フィルタ本体との距離を変化させるべ
    く第2誘電体基板(5)を移動させる距離可変手段(1
    0)(13)(14)(15)(16)(17)(1
    8)(19)を設けたことを特徴とする超伝導フィル
    タ。
  2. 【請求項2】 超伝導フィルタ本体および第2誘電体基
    板(5)を収容する金属ケース(7)をさらに含む請求
    項1に記載の超伝導フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記距離可変手段(10)は、金属ケー
    ス(7)と第2誘電体基板(5)との間に配置された圧
    電素子(10)である請求項2に記載の超伝導フィル
    タ。
  4. 【請求項4】 前記第2誘電体基板(5)は、第1誘電
    体基板(2)と対向する面に超伝導薄膜(6)を有して
    いる請求項1から請求項3の何れかに記載の超伝導フィ
    ルタ。
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