JP6430115B2 - チューナブルフィルタ装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、チューナブルフィルタ装置に関する。
無線又は有線で情報通信を行う通信機器は、アンプ、ミキサ、フィルタ(例えばバンドパスフィルタ)などの各種デバイスを備えている。バンドパスフィルタは、特定範囲内の周波数を通過させ、その範囲外の周波数を遮断する(減衰させる)特性を持つ。通過帯域幅及び通過帯域の中心周波数などのバンドパスフィルタの特性は、通信システムの仕様に応じて設計される。通信システムでは、周波数の有効利用の観点から、急峻なスカート特性(通過帯域とそれ以外の領域を分ける周波数遮断特性)を有するバンドパスフィルタが求められる。
バンドパスフィルタとして、例えばマイクストリップライン型フィルタなどの平面回路型フィルタがある。平面回路型フィルタでは、共振素子を多段化することでスカート特性を急峻にすることが可能である。共振素子の配線材料に通常の導体材料を使用する場合、共振素子を多段化すると伝送ロスが増大するため、共振素子の多段化は困難である。共振素子の配線材料に銅(Cu)や銀(Ag)などの電気的良導体を使用したとしても、共振素子を多数設けることは困難である。これに対し、超伝導体は高周波領域においても通常の電気的良導体と比べて表面抵抗が非常に小さいので、超伝導体で形成した共振素子を多段化しても伝送ロスが小さい。従って、共振素子を超伝導体で形成することで、急峻なスカート特性を有するバンドパスフィルタを実現することができる。
また、システムの変更に柔軟に対応できる通信インフラの構築には、特性(例えば、通過帯域の中心周波数)が可変であるバンドパスフィルタが必要とされる。しかしながら、通過帯域の中心周波数を変化させると、フィルタ特性の波形が理想的な形状からずれることがある。
フィルタ装置においては、フィルタ特性の波形の乱れを抑制しながら、広範囲で安定して通過帯域の中心周波数を調整できることが求められている。
特開2002−057506号公報 特開2007−208893号公報
三上宏、外4名、「誘電体ロッドトリミングによる超伝導フィルタの特性改善」、信学技報SCE2003−6、MW2003−6(2003−4)、p29〜35
本発明が解決しようとする課題は、フィルタ特性の波形の乱れを抑制しながら、広範囲で安定して通過帯域の中心周波数を調整することができるチューナブルフィルタ装置を提供することである。
一実施形態に係るチューナブルフィルタ装置は、誘電体基板、共振器パターン、特性調整部材、及び駆動機構を備える。誘電体基板は、第1の領域及び第2の領域に仮想的に分割された表面を有する。共振器パターンは、前記表面の前記第1の領域に導体材料で形成される。特性調整部材は、前記表面に対向する対向面を有し、誘電体又は磁性体又は導体材料で形成される。駆動機構は、前記特性調整部材を前記表面に投影して得られる投影面と前記対向面とで挟まれる空間の体積を空間体積とし、前記第1の領域の空間体積と前記第2の領域の空間体積との間の空間体積比を調整するように、前記特性調整部材を駆動する。
第1の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置の一例を概略的に示す斜視図。 誘電体基板上に1つの共振器パターンが設けられている場合における領域分けの一例を示す平面図。 実施形態に係るフィルタの周波数特性を説明する図。 第1の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置の他の例を概略的に示す斜視図。 第1の実施形態に係る駆動機構の一例を含む図4のチューナブルフィルタ装置の断面図。 実施形態に係る誘電体基板上に複数の共振器パターンが設けられている場合における領域分けの一例を示す平面図。 第2の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置の一例を概略的に示す斜視図。 第2の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置の他の例を概略的に示す斜視図。 第2の実施形態に係る駆動機構の一例を含む図8のチューナブルフィルタ装置の断面図。 第2の実施形態に係る駆動機構の他の例を含む図8のチューナブルフィルタ装置の断面図。 (a)及び(b)は図10に示した回転ユニットの動作を説明する図。 第3の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置の一例を概略的に示す斜視図。 図12に示した特性調整部材の投影が誘電体基板上の第1の領域と第2の領域に跨がる様子を示す平面図。 第3の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置の他の例を概略的に示す斜視図。 第3の実施形態に係る駆動機構の一例を含む図14のチューナブルフィルタ装置の断面図。 一実施形態に係るチューナブルフィルタ装置を概略的に示す斜視図。 実施形態に係る誘電体基板上に1つの共振器パターンが設けられている場合における領域分けの他の例を示す平面図。 第4の実施形態に係る冷却システムを概略的に示すブロック図。 第5の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置の一例を示すブロック図。 第5の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置の他の例を示すブロック図。
以下、図面を参照しながら実施形態を説明する。以下の実施形態では、同一の構成要素に同一の参照符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置の一例を概略的に示している。図1に示されるチューナブルフィルタ装置100は、マイクロストリップライン型バンドパスフィルタを備える。具体的には、チューナブルフィルタ装置100は、誘電体基板101を備え、この誘電体基板101の表面には、共振素子としての共振器パターン102、信号入力線路103、及び信号出力線路104が超伝導材料で形成されている。誘電体基板101の裏面全体にはグランド膜が超伝導材料で形成されている。グランド膜はグランド電極として使用することができる。或いは、グランド膜に例えばAg膜を蒸着することでグランド電極を形成してもよい。
図1に示される例では、共振器パターン102はヘアピン型の共振器パターンである。なお、共振器パターン102は、図1に示されるようなヘアピン型共振器パターンに限らず、例えば、スパイラル型共振器パターン、S字型共振器パターンなどであってもよい。さらに、図1には1つの共振器パターン102が示されているが、後述する例(例えば図4に示される例)のように、共振器パターン102の数は2以上であってもよい。
誘電体基板101は、高周波を遮蔽する金属パッケージ106内に収容されている。図1では、金属パッケージ106の一部(具体的には底部及び側壁の一部)が示され、その他の部分は省略されている。金属パッケージ106は、内部に閉じた空間を備える箱形に形成されている。一例では、金属パッケージ106は、上方が開口された直方体状のパッケージ本体及びこの開口を塞ぐ蓋を含み、パッケージ本体と蓋とにより内部空間が形成される。誘電体基板101の裏面に設けられたグランド電極が金属パッケージ106の内底面に接触し、誘電体基板101の表面は金属パッケージ106の内部空間に向けられる。
金属パッケージ106には同軸コネクタ(出力コネクタ)108が設けられている。信号出力線路104は、接続電極を介して同軸コネクタ108の中心導線に接続されている。信号入力線路103は、接続電極107を介して図示しない同軸コネクタ(入力コネクタ)の中心導線に接続されている。接合方法としては、超音波熱圧着によるワイヤボンディング、テープボンディング、はんだ接合などを利用することができる。接続電極は、例えば、接触抵抗を低減するために、金(Au)や銀(Ag)などの金属で蒸着法やスパッタリングを用いて形成することができる。一例では、接続電極は金(Au)及び銀(Ag)の少なくとも一方を含む積層膜であり得る。
金属パッケージ106内において、特性調整部材105が誘電体基板101の表面に間隙を介して対向して配置されている。より具体的には、特性調整部材105は共振器パターン102の厚さ方向に共振器パターン102に対向して且つ共振器パターン102から空間を隔てて配置されている。特性調整部材105は、誘電体基板101近傍の空間上の磁界分布や電界分布を変化させる部材であればよく、誘電体(例えばアルミナ、サファイア)又は磁性体(例えばフェライト)で形成される。或いは、特性調整部材105は金属(例えば銅)などの導体材料で形成されてもよい。
図1の例では、特性調整部材105の形状は直方体状であり、誘電体基板101に対向する特性調整部材105の面(以下、基板対向面と称する。)は誘電体基板101の表面に平行である。特性調整部材105の幅は、共振器パターン102の幅に合わせてもよい。ここで、幅は共振器パターン102の短手方向の寸法を表す。本実施形態では、共振器パターン102の長手方向及び短手方向は誘電体基板101の厚さ方向に垂直である。なお、特性調整部材105の形状は、図1に示されるような直方体である例に限らず、他の形状であってもよい。
平面回路型フィルタでは、誘電体基板101の厚さや材料特性のばらつき、共振器パターン102のパターニング寸法のずれなどに起因して、共振器パターン102の共振周波数が所望の値からずれることがある。その結果、所望するフィルタ特性が得られないことがある。さらに、フィルタを小型化するために、誘電体基板101の誘電率を大きくすると、所定の配線インピーダンスを実現するには、配線パターンが複雑になる。この場合、誘電体基板101の厚さやパターニング寸法のずれがフィルタ特性により大きく影響するようになる。本実施形態では、共振器パターン102に対向して設けられた特性調整部材105を用いることにより共振器パターン102の共振周波数を調整することができ、所望のフィルタ特性を得ることができる。
特性調整部材105は駆動機構(図1には示されていない。)によって支持され、駆動機構は誘電体基板101の表面に対して平行に特性調整部材105を移動させる。この場合、特性調整部材105の基板対向面と誘電体基板101の表面との距離は一定に保たれる。誘電体基板101に対して平行に特性調整部材105を移動させる場合、特性調整部材105が共振器パターン102に接触して共振器パターン102を損傷するおそれがない。より具体的には、駆動機構は、図1の両方向矢印に示されるように、共振器パターン102の長手方向に特性調整部材105を移動させる。特性調整部材105を共振器パターン102の長手方向に移動させることにより、共振器パターン102の共振周波数を広範囲で安定して調整することができる。
誘電体基板の厚さ方向に誘電体部材を移動させることで共振器の共振周波数を調整する従来手法では、フィルタ特性(透過特性及び反射特性)の波形が急激に崩れてしまう場合がある。これに対し、誘電体基板101に対して平行に特性調整部材105を移動させる本実施形態では、フィルタ特性の波形を維持し、緩やかに変化させることができる。このように、本実施形態では、フィルタ特性の波形の乱れを抑制しながら、広範囲で安定して通過帯域の中心周波数を調整することができる。
誘電体基板101は、例えばAl(サファイア)、MgO、LaAlOなどの誘電正接が小さい低損失材料で形成される。
回路パターン(具体的には、共振器パターン102並びに信号入力線路103及び信号出力線路104のパターン)は、例えば、Y−Ba−Cu−O系超伝導材料(以下、YBCOと記載する。)で表面全体に形成された超伝導体膜を、フォトリソグラフィ技術を用いて加工することで得ることができる。なお、回路パターンの材料は、YBCOに限らず、他の酸化物超伝導材料、例えば、R−Ba−Cu−O系材料(Rは、Nb、Ym、Sm、又はHoである。)、Bi−Sr−Ca−Cu−O系材料、Pb−Bi−Sr−Ca−Cu−O系材料、CuBaCaCu系材料(1.5<p<2.5、2.5<q<3.5、3.5<r<4.5)、或いは、金属超伝導材料、例えば、ニオブ、ニオブすずなどであってもよい。なお、回路パターンの材料は、超伝導材料に限らず、通常の導体材料であってもよい。
金属パッケージ106は、例えば、熱伝導性に優れる無酸素銅で形成される。或いは、金属パッケージ106は、純アルミニウム、アルミニウム合金、銅合金などで形成されてもよい。また、金属パッケージ106は、熱収縮率が誘電体基板101の熱収縮率に近い材料、例えば、コバール、インバー、42アロイなどで形成されてもよい。
以下では、誘電体基板101、誘電体基板101上の回路パターン(共振器パターン102、信号入力線路103、及び信号出力線路104を含む。)、特性調整部材105、及び金属パッケージ106を含む部分をフィルタデバイスと称する。
図2は、図1に示される誘電体基板101を概略的に示す平面図である。誘電体基板101の表面は、例えば図2に示されるように、2つの領域、すなわち、第1の領域201及び第2の領域202に仮想的に分割される。第1の領域201は共振器パターン102を含む領域である。第2の領域202は、共振器パターン102を含まない領域、すなわち、第1の領域201以外の領域である。特性調整部材105を誘電体基板101へ投影(例えば垂直投影)することで得られる投影面110は、第1の領域201及び第2の領域202に跨がる。なお、第1の領域201に共振器パターン102が含まれ、第2の領域202に共振器パターン102が含まれないようにすれば、第1の領域201及び第2の領域202は任意に設定することができる。
特性調整部材105が誘電体基板101の表面に平行に移動すると、第1の領域201の空間定積と第2の領域202の空間体積との間の空間体積比が変化する(空間体積差も同様に変化する)。ここで、空間体積は、投影面110と性調整部材105の基板対向面とで挟まれる空間の体積、すなわち、投影面110を底面とし特性調整部材105の基板対向面を上面とする柱状の空間の体積を指す。具体的には、柱状の空間は、投影面110と特性調整部材105の基板対向面とを直線的に結ぶ空間である。図1の例では、空間は直方体状であり、空間体積は、誘電体基板101と特性調整部材105との間の距離に投影面110の面積を乗算することで求められる。
第1の領域201の空間体積は、第1の領域201に位置する投影面110の部分と第1の領域201に対向する基板対向面の部分との間に規定される(挟まれる)空間の体積であり、第2の領域202の空間体積は、第2の領域202に位置する投影面110の部分と第2の領域202に対向する基板対向面の部分との間に規定される(挟まれる)空間の体積である。特性調整部材105の平行移動は、第1の領域201の空間体積と第2の領域202の空間体積との間の空間体積比が変化するように特性調整部材105を駆動する方法の一例である。
図3は、特性調整部材105を駆動した場合に通過帯域の中心周波数が変わる様子を概略的に示している。図3では、特性調整部材105が基準位置にあるときのフィルタの周波数特性300が実線で示されている。本実施形態及び後述する実施形態では、特性調整部材105を駆動する(例えば共振器パターン102の長手方向に移動させる)と、図3に示されるように、通過帯域幅を殆ど変化させることなく、通過帯域の中心周波数を変更することができる。中心周波数は、特性301のように、第1の領域201の空間体積を増大させることにより、高周波数側へシフトする。また、中心周波数は、特性302のように、第1の領域201における空間体積を減少させることにより低周波数側へシフトする。
図4及び図5は、本実施形態に係るチューナブルフィルタ装置の他の例を概略的に示す斜視図及び断面図である。図4では、図1と同様に、金属パッケージ106が部分的に省略されている。
図4に示されるチューナブルフィルタ装置400では、複数の共振器パターン102が誘電体基板101の表面に形成されている。これら複数の共振器パターン102を結合させることでフィルタ特性を得る。チューナブルフィルタ装置400では、共振器パターン102を複数設けることにより、フィルタとして急峻なスカート特性が得られる。誘電体基板101の裏面には、図5に示されるように、グランド膜503が形成されている。誘電体基板101は、誘電体基板101の裏面に設けられたグランド電極が金属パッケージ106の内底面に接触し且つ誘電体基板101の表面が金属パッケージ106の内部空間504に向けられるように、金属パッケージ106内に収容されている。金属パッケージ106は、パッケージ本体501及び蓋502を含む。パッケージ本体501の開口を蓋502で塞ぐことにより内部空間504が形成される。
図4に示されるように、誘電体基板101の表面に間隙を介して対向して複数の特性調整部材105が配置されている。特性調整部材105は、共振器パターン102の各々につき1つ設けられ、誘電体基板101の厚さ方向に一定の距離を空けて、対応する共振器パターン102に対向している。
金属パッケージ106(具体的にはパッケージ本体501)の側壁には貫通孔が設けられている。特性調整部材105は、貫通孔を通って金属パッケージ106の外部まで延び、対応する共振器パターン102の開口側において駆動機構510によって支持されている。駆動機構510は特性調整部材105ごとに設けられている。駆動機構510は、共振器パターン102を含む第1の領域の空間体積と共振器パターン102を含まない第2の領域の空間体積との間の空間体積比が変わるように、特性調整部材105を駆動する。具体的には、駆動機構510は、共振器パターン102の長手方向に特性調整部材105を移動させる。
一例では、駆動機構510は、バネ部材511、押付け板部材512、及び圧電素子513を備える。圧電素子513は、特性調整部材105を駆動する駆動源(アクチュエータ)の一例である。駆動機構510は磁歪素子を駆動源として使用してもよい。押付け板部材512は、金属パッケージ106の壁面に対向して配置され、特性調整部材105の基部が固定されている。バネ部材511は金属パッケージ106と押付け板部材512との間に配置されている。押付け板部材512は、バネ部材511の押圧力を圧電素子513に伝え、圧電素子513に予圧を与える。
圧電素子513は金属パッケージ106と押付け板部材512との間に配置されている。具体的には、圧電素子513の一端が金属パッケージ106に固定され、他端が押付け板部材512に固定されている。圧電素子513には電圧を印加するためのリード線(図示せず)が接続されている。圧電素子513は電圧を印加することにより伸縮する。圧電素子513の伸長及び収縮は印加する電圧により制御される。圧電素子513の伸縮方向は共振器パターン102の長手方向に実質的に一致する。特性調整部材105は圧電素子513の伸縮により移動する。特性調整部材105それぞれの移動量を調整することにより、共振器パターン102の共振周波数を一様に変化させることが可能になる。その結果、フィルタ特性(例えば通過特性及び反射特性)の波形を乱すことなく、通過帯域の中心周波数を調整することができる。
図6は、誘電体基板101上に複数の共振器パターン102が設けられる場合における領域分けの一例を示している。図6に示されるように、共振器パターン102の位置に基づいて、複数の第1の領域201と複数の第2の領域202が設定されている。各特性調整部材105は、第1の領域201及び第2の領域202に跨がるように、誘電体基板101に仮想的に投影される。なお、第1の領域201に共振器パターン102が含まれ、第2の領域202に共振器パターン102が含まれないようにすれば、第1の領域201及び第2の領域202は任意に設定することができる。
図5に示される例では、特性調整部材105の基板対向面は、一様な平面ではなく、誘電体基板101の表面に対して傾斜した面を有する。具体的には、特性調整部材105の基部側における基板対向面は誘電体基板101の表面と平行であるが、先端側における基板対向面は誘電体基板101の表面に対して傾斜している。先端部では、特性調整部材105と誘電体基板101との間の距離が先端側に向かうほど増大する。これにより、特性調整部材105の基板対向面は一様な平面である場合と比べて、特性調整部材105の移動量に対する第1の領域201の空間体積の変化量が増大する。この結果、特性調整部材105のより少ない移動量で所望の中心周波数変化量を得ることができる。さらに、第1の領域201における空間体積を変更可能な範囲が大きくなるので、通過帯域の中心周波数をより広範囲で調整することができる。なお、特性調整部材105の基板対向面の少なくとも一部が曲面であってもよい。
以上のように、本実施形態に係るチューナブルフィルタ装置では、個々の共振器パターンに関して特性調整部材を共振器パターンの長手方向に移動させることにより、共振器パターンの共振周波数を正確に且つ容易に調整することができる。その結果、フィルタ特性の波形の乱れを防ぎながら、通過帯域の中心周波数を調整することができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、誘電体基板の表面に対して平行に(具体的には共振器パターンの長手方向に)特性調整部材を移動させている。第2の実施形態では、共振器パターン102の短手方向に平行な軸の周りに特性調整部材を回動させる。
図7は、第2の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置の一例を概略的に示している。図7では、図1と同様に、金属パッケージ106が部分的に省略されている。図7に示されるチューナブルフィルタ装置700では、特性調整部材105は、共振器パターン102の短手方向に実質的に平行な軸の周りに回動可能に支持されている。チューナブルフィルタ装置700においても、図2に示される例と同様にして、誘電体基板101の表面に第1の領域201及び第2の領域202を設定することができる。駆動機構(図7には示されていない。)は、第1の領域201の空間体積と第2の領域202の空間体積との間の空間体積比が変化するように、前記軸の周りに特性調整部材105を回動させる。本実施形態では、特性調整部材105の回転量を調整することにより、共振器パターン102の共振周波数を調整する。それにより、フィルタ特性の波形の乱れを防ぎながら、通過帯域の中心周波数を調整することができる。
図8及び図9は、第2の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置の他の例を概略的に示す斜視図及び断面図である。図8では、図1と同様に、金属パッケージ106が部分的に省略されている。
図8に示されるチューナブルフィルタ装置800では、複数の共振器パターン102が誘電体基板101の表面に設けられている。誘電体基板101の表面に間隙を介して対向して複数の特性調整部材105が配置されている。特性調整部材105は、共振器パターン102の各々につき1つ設けられ、誘電体基板101の厚さ方向に、対応する共振器パターン102に対向している。特性調整部材105の幅は、共振器パターン102の幅に合わせてもよい。チューナブルフィルタ装置800では、図4に示される例と同様にして、誘電体基板101の表面に第1の領域201及び第2の領域202を設定することができる。
図9に示されるように、金属パッケージ106の側壁には貫通孔が設けられている。特性調整部材105は、貫通孔を通って金属パッケージ106の外部まで延び、対応する共振器パターン102の開口側において駆動機構910によって支持されている。駆動機構910は特性調整部材105ごとに設けられている。駆動機構910は、第1の領域201の空間体積と第2の領域202の空間体積との間の空間体積比が変わるように、特性調整部材105を駆動する。具体的には、駆動機構910は、特性調整部材105に設けられた支軸913の周りに特性調整部材105を回動させる。
一例では、駆動機構910は、バネ部材911及び圧電素子912を備える。図9に示される例では、パッケージ本体501は共振器パターン102の長手方向に突き出した突出部901を備え、蓋502は共振器パターン102の長手方向に突き出した突出部902を備える。バネ部材911は金属パッケージ106の突出部902と特性調整部材105との間に配置されている。バネ部材911の押圧力は特性調整部材105を介して圧電素子912に予圧として与えられる。
圧電素子912は金属パッケージ106の突出部901と特性調整部材105との間に配置されている。具体的には、圧電素子912の一端が金属パッケージ106の突出部901に固定され、他端が特性調整部材105に固定されている。圧電素子912には電圧を印加するためのリード線(図示せず)が接続されている。圧電素子912は、電圧を印加することにより、誘電体基板101の厚さ方向に伸縮する。圧電素子912の伸縮は支軸913によって回転に変換される。特性調整部材105は圧電素子912の伸縮によって支軸913の周りに回動し、特性調整部材105の姿勢が変化する。圧電素子912が伸長すると、特性調整部材105は共振器パターン102に近づく。この場合、第1の領域201における空間体積は小さくなる。また、圧電素子912が収縮すると、特性調整部材105は共振器パターン102から遠ざかる。この場合、第1の領域201における空間体積は大きくなる。特性調整部材105それぞれの回転量を調整することにより、共振器パターン102の共振周波数を一様に変化させることができる。その結果、フィルタ特性の波形を乱すことなく、通過帯域の中心周波数を調整することができる。
図10は、第2の実施形態に係る駆動機構の他の例を概略的に示している。図10に示される例では、駆動機構は、特性調整部材105に設けられた回転軸1001を回転駆動する回転ユニット1002である。複数の特性調整部材105が1つの回転軸1001に連結されていてもよい。この場合、これらの特性調整部材105が回転ユニット1002によって同時に回動される。
図11(a)及び(b)は、回転ユニット1002の構造例を概略的に示している。図11(a)に示されるように、回転ユニット1002は、圧電素子1101、バネ部材1102、及び回転部材1103を備える。回転部材1103は、回転軸1001に取り付けられ、回転軸1001を中心として回動するように圧電素子1101及びバネ部材1102によって支持されている。回転部材1103はバネ部材1102の押圧力を圧電素子1101に伝え、圧電素子1101に予圧を与える。圧電素子1101には電圧を印加するためのリード線(図示せず)が接続されている。圧電素子1101は電圧を印加することにより伸縮する。図11(b)に示されるように、圧電素子1101の伸長によって回転部材1103に機械的に連結された特性調整部材105が回動する。圧電素子1101が収縮する場合、特性調整部材105は、圧電素子1101が伸長する場合と反対の方向に回動する。特性調整部材105それぞれの回転量を調整することにより、共振器パターン102の共振周波数を一様に変化させることができる。その結果、フィルタ特性の波形を乱すことなく、通過帯域の中心周波数を調整することができる。
なお、回転ユニット1002は、超音波モータなどの回転駆動力を直接生成することができるアクチュエータであってもよい。
以上のように、本実施形態に係るチューナブルフィルタ装置では、個々の共振器パターンに関して特性調整部材を共振器パターンの短手方向に垂直な軸周りに回動させることにより、共振器パターンの共振周波数を正確かつ容易に調整することができる。その結果、フィルタ特性の波形の乱れを防ぎながら、通過帯域の中心周波数を調整することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、誘電体基板の厚さ方向に平行な軸の周りに特性調整部材を回動させる。
図12は、第3の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置の一例を概略的に示している。図12では、図1と同様に、金属パッケージ106が部分的に省略されている。図12に示されるチューナブルフィルタ装置1200では、金属パッケージ106内において、特性調整部材105が誘電体基板101の表面に間隙を介して対向して配置されている。より具体的には、特性調整部材105は共振器パターン102の厚さ方向に共振器パターン102に対向して且つ共振器パターン102から空間を隔てて配置されている。
特性調整部材105は、誘電体基板101の厚さ方向に実質的に平行な軸の周りに回転可能に支持されている。この軸は特性調整部材105を通る。図12に示される例では、特性調整部材105の基板対向面は誘電体基板101の表面に対して傾斜しており、誘電体基板101側から見た特性調整部材105の平面形状は円形である。
図13は、図12に示される誘電体基板101を概略的に示す平面図である。誘電体基板101の表面は、図13に示されるように、第1の領域201及び第2の領域202に仮想的に分割される。第1の領域201には共振器パターン102が形成されている。第2の領域202は共振器パターン102を含まない領域である。特性調整部材105を誘電体基板101へ投影(例えば垂直投影)することで得られる投影面1210は、第1の領域201及び第2の領域202に跨がる。
駆動機構(図12には示されていない。)は、第1の領域201の空間体積と第2の領域202の空間体積との間の空間体積比が変化するように、特性調整部材105を駆動する。具体的には、駆動機構は、誘電体基板101の厚さ方向に実質的に平行な軸の周りに特性調整部材105を回転させる。この場合、特性調整部材105と誘電体基板101との距離は一定に保たれる。誘電体基板101の厚さ方向に平行な軸周りに特性調整部材105を回転させる場合、特性調整部材105が共振器パターン102に接触して共振器パターン102を損傷するおそれがない。本実施形態では、特性調整部材105の回転量を調整することにより、共振器パターン102の共振周波数を調整する。それにより、フィルタ特性の波形の乱れを防ぎながら、通過帯域の中心周波数を調整することができる。
なお、特性調整部材105は、図12に示される形状に形成される例に限らず、いかなる形状であってよい。ただし、少ない回転量で所望の中心周波数変化量を得ることができるように、図12に示されるような形状を有することが望ましい。
図14及び図15は、第3の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置の他の例を概略的に示す斜視図及び断面図である。図14では、図1と同様に、金属パッケージ106が部分的に省略されている。
図14に示されるチューナブルフィルタ装置1400では、複数の共振器パターン102が誘電体基板101の表面に設けられている。誘電体基板101の表面に間隙を介して対向して複数の特性調整部材105が配置されている。特性調整部材105は、共振器パターン102の各々につき1つ設けられ、誘電体基板101の厚さ方向に一定の距離を空けて、対応する共振器パターン102に対向している。特性調整部材105の幅は、共振器パターン102の幅に合わせてもよい。チューナブルフィルタ装置1400では、図4に示される例と同様にして、誘電体基板101の表面に第1の領域201及び第2の領域202を設定することができる。
図15に示されるように、金属パッケージ106の上部(具体的には蓋502)には貫通孔が設けられている。特性調整部材105は、貫通孔を通って金属パッケージ106の外部まで延び、駆動機構としての回転ユニット1510によって支持されている。回転ユニット1510は特性調整部材105ごとに設けられている。回転ユニット1510は、第1の領域201の空間体積と第2の領域202の空間体積との間の空間体積比が変わるように、特性調整部材105を駆動する。具体的には、回転ユニット1510は、特性調整部材105を通り且つ誘電体基板101の厚さ方向に平行である軸を回転軸1511として、特性調整部材105を回転させる。
回転ユニット1510は、図11に関して説明した回転ユニット1002と同様の構造を有することができる。このため、回転ユニット1510についての具体的な説明は省略する。なお、回転ユニット1510は、超音波モータなどの回転駆動力を直接生成することができるアクチュエータであってもよい。特性調整部材105それぞれの回転量を調整することにより、共振器パターン102の共振周波数を一様に変化させることができる。その結果、フィルタ特性の波形を乱すことなく、通過帯域の中心周波数を調整することができる。
以上のように、本実施形態に係るチューナブルフィルタ装置では、個々の共振器パターンに関して特性調整部材を誘電体基板の厚さ方向に垂直な軸周りに回転させることにより、共振器パターンの共振周波数を正確かつ容易に調整することができる。その結果、フィルタ特性の波形の乱れを防ぎながら、通過帯域の中心周波数を調整することができる。
なお、上述した第1から第3の実施形態に係る特性調整部材の駆動方法のうちの2つ以上を組み合わせて実施することもできる。図16は、第1から第3の実施形態の組み合わせによる一例を概略的に示している。図16に示されるチューナブルフィルタ装置1600では、特性調整部材105は、共振器パターン102の長手方向に移動可能、共振器パターン102の短手方向に平行な軸周りに回動可能、及び誘電体基板101の厚さ方向に平行な軸周りに回転可能である。このように第1から第3の実施形態に係る特性調整部材の駆動方法を組み合わせることで、通過帯域の中心周波数の調整の自由度が高まる。
図17は、誘電体基板上に1つの共振器パターンが設けられている場合における領域分けの他の例を示している。誘電体基板101の表面は、図17に示されるように、共振器パターン102を含む第1の領域1701及び共振器パターン102を含まない第2の領域1702に仮想的に分割することができる。
(第4の実施形態)
フィルタデバイスの導体部分(共振器パターンなど)が既存の超伝導材料で形成される場合、フィルタデバイス全体を冷却することで導体部分が超伝導状態に維持される。第4の実施形態では、フィルタデバイスを冷却するための冷却システムについて説明する。
図18は、第4の実施形態に係る冷却システムを概略的に示している。図18に示される冷却システムにおいて、フィルタデバイス1806が断熱真空容器1801内に封入されている。フィルタデバイス1806は、上述した実施形態に係るフィルタデバイスのいずれであってもよい。真空ポンプ1802は、断熱真空容器1801内を真空排気する。
断熱真空容器1801は、上方に開口部を有する下側容器と下方に開口部を有する上側容器とを備える。開口部同士が対向した状態で下側容器と上側容器とを結合することにより、密閉された空間が画定される。下側容器と上側容器との間にOリングを介在させることにより、断熱真空容器1801内部の真空度が維持される。
フィルタデバイス1806は、断熱真空容器1801内でコールドプレート1805上に保持されている。コールドプレート1805は、冷凍機1803の冷凍機コールドヘッド1804に熱的に結合されている。フィルタデバイス1806は、真空下で、フィルタデバイス1806の導体部分が超伝導状態になる温度まで冷凍機1803によって冷却される。低温になるほど超伝導特性の向上が見込めるので、温度はより低温に設定することが望ましい。冷凍機1803は冷却が得られればよく、冷凍機1803の種類はいかなるものであってもよい。例えば、冷凍機1803は、パルスチューブ冷凍機、スターリング冷凍機、又はGM(Gifford−McMahon)冷凍機であってもよい。
断熱真空容器1801の側壁には、コネクタ1807、1808、1809が取り付けられている。フィルタデバイス1806の入力コネクタ1810は、断熱真空容器1801内の同軸ケーブル1811、コネクタ1807、及び断熱真空容器1801外の同軸ケーブル1812を介して周波数信号検出装置1818に接続されている。周波数信号検出装置1818は、例えばネットワークアナライザであり得る。また、フィルタデバイス1806の出力コネクタ1813は、断熱真空容器1801内の同軸ケーブル1814、コネクタ1808、及び断熱真空容器1801外の同軸ケーブル1815を介して周波数信号検出装置1818に接続されている。駆動機構のアクチュエータ(図示せず)は、断熱真空容器1801内の配線ケーブル1816、コネクタ1809、及び断熱真空容器1801外の配線ケーブル1817を介してドライバ1819に接続されている。ドライバ1819は、アクチュエータを駆動するための駆動信号(電圧信号)を生成する。
図18に示される冷却システムでは、冷凍機1803の振動は主として鉛直方向にフィルタデバイス1806に作用する。典型的には、フィルタデバイス1806は、誘電体基板の厚さ方向が鉛直方向に一致するようにして、コールドプレート1805上に載置される。この場合、誘電体基板の厚さ方向に特性調整部材を移動させる従来手法では、特性調整部材の駆動方向と冷凍機1803の振動方向1820が同一方向となり、特性調整部材の位置決め精度が低下することがある。これに対し、フィルタデバイス1806が第1の実施形態に係るフィルタデバイスである場合、特性調整部材の駆動方向は水平方向になる。特性調整部材の駆動方向と冷凍機1803の振動方向1820が異なるため、特性調整部材の位置決め精度の低下を防ぐことができる。同様に、フィルタデバイス1806が第3の実施形態に係るフィルタデバイスである場合、特性調整部材の駆動方向と振動方向1820が異なるため、特性調整部材の位置決め精度の低下を防ぐことができる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、チューナブルフィルタ装置の制御システムについて説明する。
図19は、第5の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置の一例を概略的に示している。図19に示されるチューナブルフィルタ装置1900では、入力信号(Sig.1)は、入力コネクタ1914を介してフィルタデバイス1913に与えられる。入力信号は周波数信号検出装置1916にも与えられる。フィルタデバイス1913は、上述した実施形態に係るフィルタデバイスのいずれであってもよい。
フィルタデバイス1913は、入力信号をフィルタリングして出力信号(Sig.2)を生成する。フィルタデバイス1913からの出力信号は、出力コネクタ1915を通じて周波数信号検出装置1916に送られる。周波数信号検出装置1916は、出力信号のスペクトル波形(例えば、中心周波数、通過特性及び反射特性)を得る。このスペクトル波形はセンサ信号として制御装置1910に送られる。
アクチュエータ移動量検出センサ1917は、駆動機構に含まれるアクチュエータ(例えば圧電素子)1912の移動量を検出してセンサ信号を生成する。センサ信号は制御装置1910に送られる。
制御装置1910は、スペクトル波形と目標とする基準スペクトル波形との比較及びアクチュエータ移動量検出センサ1917からのセンサ信号と目標とするアクチュエータ移動量との比較により、スペクトル波形が基準スペクトル波形に近づくように、ドライバ1911に制御信号を送信する。ドライバ1911は、制御装置1910からの制御信号に基づいてアクチュエータ1912を駆動する。このフィードバック制御を繰り返すことにより、所望の安定したフィルタ特性を得ることができる。アクチュエータ1912としては、例えば、圧電素子、磁歪素子などを用いることができる。
次に、制御装置1910が作業命令1901に従ってフィルタデバイス1913のフィルタ特性を制御する一連の動作を説明する。
まず、アクチュエータ1912の一連の動作に関する作業命令1901が動作コマンド生成部1902に入力される。作業命令1901はプログラムの形態であってもよい。また、オペレータがパネル表示された作業命令1901を制御装置1910に対して入力してもよい。作業命令1901を入力するための入力装置は、アクチュエータ1912や制御装置1910と一体であってもよく、有線又は無線でアクチュエータ1912や制御装置1910と通信可能なものとしてもよい。
動作コマンド生成部1902は、入力された作業命令1901を各作業プロセスで必要となる動作手順に分解し、該動作手順を、アクチュエータ1912に対する動作コマンドレベルの命令列に展開する。目標指令値生成部1903は、生成された各動作コマンドに応じて、アクチュエータ1912に対する各目標軌道及び目標値を算出し、アクチュエータ1912の駆動に関する目標指令値を出力する。アクチュエータ駆動制御部1904は、目標指令値生成部1903からの目標指令値に従って、アクチュエータ1912が作業に応じた動作を実行するようにドライバ1911を制御する。
制御装置1910において、周波数信号検出装置1916及びアクチュエータ移動量検出センサ1917からのセンサ信号は信号処理回路部1905に与えられる。信号処理回路部1905は、アナログデジタル変換器などを含み、センサ信号に対して各種信号処理を施す。判定部1906は、信号処理回路部1905から信号処理後のセンサ信号を受信する。判定部1906は、スペクトル波形の基準スペクトル波形からのずれ量に応じて各種判定処理を行う。判定部1906は、周波数信号検出装置1916によるスペクトル波形観測及びアクチュエータ1912による空間体積比の調整によって所望のフィルタ特性が得られるように演算処理を行う。信号処理回路部1905及び判定部1906を含む部分を空間体積制御部1909と称する。
動作コマンド生成部1902は、順次に出力され実行される動作コマンドに応じた動作モード情報を、実行作業の情報と共に動作モード情報部1907に送る。動作モード情報部1907には、様々な作業命令に対してそれに含まれる動作モード毎に定義されたフィルタデバイス1913のスペクトル波形補正コマンドが格納されている。また、判定部1906には、各動作モードの指令情報1908ごとに、アクチュエータ駆動制御部1904に対する駆動停止、或いは動作コマンド生成部1902に対する戻り値コマンドなどの判定部出力の内容が設定される。動作モードによっては、アクチュエータ1912の駆動停止又は戻り値コマンド生成など、それぞれの動作モードに従って異なる処理が定義される。
従って、スペクトル波形補正が判定部1906によって行われた場合、定義された動作モードに応じたアクチュエータ1912への対処制御方法に従い、判定部1906からアクチュエータ駆動制御部1904にアクチュエータ駆動停止のコマンドが送出され、場合によっては動作コマンド生成部1902に目標値を修正する戻値コマンドが送られる。これにより、スペクトル波形補正に対する現状の動作に適した対応処理動作を実施し、スペクトル波形可変機能(帯域幅を維持したままの中心周波数可変機能)の信頼性及び確実性を確保するようなアクチュエータ1912の駆動制御を行うことができる。
図20は、第5の実施形態に係るチューナブルフィルタ装置の他の例を概略的に示している。図20に示されるチューナブルフィルタ装置は、テーブルデータ2001に基づくフィードフォワード制御でアクチュエータ1312を駆動制御する。テーブルデータ2001には、共振周波数変化と対比させて予め取得しておいたアクチュエータの駆動情報が格納されている。制御装置2010の目標指令値生成部1903は、テーブルデータ2001を参照してアクチュエータ1912に対する各目標軌道及び目標値を算出し、アクチュエータ1912の駆動に関する目標指令値を出力する。アクチュエータ駆動制御部1904は、目標指令値生成部1903からの目標指令値に従って、アクチュエータ1912が作業に応じた動作を実行するようにドライバ1911を制御する。
なお、特性調整部材を駆動する駆動源として圧電素子を用いる例を説明したが、特性調整部材の駆動方法は説明した例に限定されない。特性調整部材をネジ式のロッド部材として手動駆動により進退量を調整する方式や、電動モータ、エアシリンダや油圧シリンダなどを利用する方式を採用してもよい。ただし、停止位置を任意に変更したい場合には、進退量を調整し得るアクチュエータとする必要がある。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100…チューナブルフィルタ装置、101…誘電体基板、102…共振器パターン、103…信号入力線路、104…信号出力線路、105…特性調整部材、106…金属パッケージ、107…接続電極、108…同軸コネクタ、110…投影面、201…第1の領域、202…第2の領域、400…チューナブルフィルタ装置、501…パッケージ本体、502…蓋、503…グランド膜、504…内部空間、510…駆動機構、511…バネ部材、512…押付け板部材、513…圧電素子、700…チューナブルフィルタ装置、800…チューナブルフィルタ装置、901…突出部、902…突出部、910…駆動機構、911…バネ部材、912…圧電素子、913…支軸、1001…回転軸、1002…回転ユニット、1101…圧電素子、1102…バネ部材、1103…回転部材、1200…チューナブルフィルタ装置、1210…投影面、1312…アクチュエータ、1400…チューナブルフィルタ装置、1510…回転ユニット、1511…回転軸、1600…チューナブルフィルタ装置、1701…第1の領域、1702…第2の領域、1801…断熱真空容器、1802…真空ポンプ、1803…冷凍機、1804…冷凍機コールドヘッド、1805…コールドプレート、1806…フィルタデバイス、1807…コネクタ、1808…コネクタ、1809…コネクタ、1810…入力コネクタ、1811…同軸ケーブル、1812…同軸ケーブル、1813…出力コネクタ、1814…同軸ケーブル、1815…同軸ケーブル、1816…配線ケーブル、1817…配線ケーブル、1818…周波数信号検出装置、1819…ドライバ、1820…振動方向、1900…チューナブルフィルタ装置、1901…作業命令、1902…動作コマンド生成部、1903…目標指令値生成部、1904…アクチュエータ駆動制御部、1905…信号処理回路部、1906…判定部、1907…動作モード情報部、1908…指令情報、1909…空間体積制御部、1910…制御装置、1911…ドライバ、1912…アクチュエータ、1913…フィルタデバイス、1914…フィルタデバイス、1914…入力コネクタ、1915…出力コネクタ、1916…周波数信号検出装置、1917…アクチュエータ移動量検出センサ、2001…テーブルデータ、2010…制御装置。

Claims (5)

  1. 第1の領域及び第2の領域に仮想的に分割された表面を有する誘電体基板と、
    前記表面の前記第1の領域に導体材料で形成された共振器パターンと、
    前記表面に対向する対向面を有し、誘電体又は磁性体又は導体材料で形成された特性調整
    部材と、
    前記特性調整部材を前記表面に投影して得られる投影面と前記対向面とで挟まれる空間の
    体積を空間体積とし、前記第1の領域の空間体積と前記第2の領域の空間体積との間の空
    間体積比を調整するように、前記特性調整部材を前記表面に略平行な方向に駆動させる駆
    動機構と、
    を具備し、
    前記対向面の一部は、前記表面に対して傾斜する、チューナブルフィルタ装置。
  2. 前記導体材料は超伝導材料である、請求項1に記載のチューナブルフィルタ装置。
  3. 前記駆動機構は、駆動源として電圧素子又は磁歪素子を備える、請求項1または請求項
    2に記載のチューナブルフィルタ装置。
  4. 前記共振器パターンは複数設けられ、前記特性調整部材は複数の前記共振器パターンの
    各々に対して1つ設けられる、請求項1乃至のいずれか1項に記載のチューナブルフィ
    ルタ装置。
  5. 前記共振器パターンから出力される信号のスペクトル波形が目標とする基準スペクトル
    波形に近づくように、前記駆動機構を制御する制御部をさらに具備する請求項1乃至
    いずれか1項に記載のチューナブルフィルタ装置。
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