JP2009225014A - フィルタ装置およびチューニング方法 - Google Patents

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Teru Nakanishi
輝 中西
Akihiko Akasegawa
章彦 赤瀬川
Kazunori Yamanaka
一典 山中
Kazuaki Kurihara
和明 栗原
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Abstract

【課題】簡単な手法、構成でフィルタ特性を調整することが可能なチューナブルフィルタ装置を提供する。
【解決手段】フィルタ装置は、誘電体基板(11)上に形成される1以上の共振器(12)を含む共振器フィルタパターン(17)と、前記共振器の中の所望の共振器の上に個別に置かれ、厚さの変更が可能なチューニング部材(15)と、を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、フィルタ装置とそのチューニング方法に関する。
近年、無線通信の急速な発展に伴い、高速で大容量の伝送技術が不可欠となってきている。高温超伝導体は、小型で高性能なフィルタを実現できる可能性があり、超伝導材料を配線材料として用いたマイクロストリップライン型のフィルタに対する期待が高まっている。
超伝導体は、マイクロ波など高周波領域においても、通常の電気的良導体に比べて表面抵抗が非常に小さい。このため、マイクロストリップライン型の共振器を誘電体基板上に複数並べて多段化しても、伝送損失を少なく抑えて優れた周波数特性を得ることができ、周波数資源を有効活用することができる。
ただし、超伝導フィルタを機能させるためには、70K程度の極低温にまで冷却する必要があり、この温度環境を実現するための様々な技術が必要になる。極低温の環境を得るためには、液体窒素に直接浸漬したり、冷凍機を用いて冷却したりする方法が考えられるが、近年急速に開発が進んだ小型の冷凍機を使用することにより、容易に極低温環境を得ることが可能になってきている。超伝導フィルタの実装技術も、室温から極低温までの環境温度の変化に耐えられる構成・材料が必要不可欠になっている。
たとえば、超伝導フィルタは、誘電体基板の上に超伝導配線により共振器フィルタパターンを形成するが、誘電体基板と、これを収容する高周波シールド用の金属パッケージの間の熱収縮差が、主に信号入出力を行う電極部にかかり、接合部の破壊を起こすおそれがある。このような環境下でも充分な信頼性が確保できれば、超伝導フィルタを用いた基地局システム等が発展し、品質の良い通信環境が拡がると考えられている。
図1(a)は、通常のマイクロストリップライン型の超伝導フィルタの一例を示す。誘電体基板101の両面に超伝導膜を形成し、信号伝送面(図1(a)の例では上面)の超伝導膜をフォトリソグラフィなどの方法で、ヘアピン形状等の共振器102a〜102iを含む共振器フィルタパターン107と、信号入出力線103a、103bを形成する。信号伝送面と反対側の面(図1(b)の例では裏面)に形成した超伝導膜は、グランド膜104となる。
実際にフィルタ装置として使用するには、図1(b)の断面図に示すように、基板全体を高周波シールド用の金属パッケージ121に収容し、信号入出力線103a、103bの端部電極(不図示)と、ワイヤボンディング等の接続手段122a、122bにより、金属パッケージ121に取り付けられている同軸コネクタ123a、123bの中心導体(不図示)を電気的に接続する。裏面の超伝導膜をグランド膜104として機能させるために、金属パッケージ121の底の部分に板バネ(不図示)などを用いて密着させる。
製品として出荷する前に、金属パッケージ121全体を冷却して伝送特性を測定し、作製した超伝導フィルタ装置が所望の特性になっているか確認する。しかし、フォトリソグラフィのパターニング精度や、共振器フィルタパターン107が形成される誘電体基板101の板厚精度など、様々な条件が積み重なって実際の超伝導フィルタの特性が形成されるため、必ずしも所望のフィルタ特性に合致するとは限らない。所望のフィルタ特性が得られるまで超伝導フィルタの作製プロセスを繰り返すのは、現実的な解決方法とはいえない。
作製した超伝導フィルタの特性を、事後的に調整する方法が提案されている。特に、超伝導フィルタを構成する共振器の共振周波数のずれに関して、超伝導フィルタの特性を見ながら、共振器フィルタパターンそのものに、アルゴン(Ar)イオンビームを照射して特性を調整摺る方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。また、超伝導フィルタを構成する共振器にサファイアロッドを近づけて特性を改善する方法が知られている(たとえば、特許文献2および非特許文献1参照)。サファイアロッドによる調整方法を多段フィルタに適用すると、図1(b)に示すように、金属パッケージ121の天井に誘電体ロッド115a〜115iを貫通させて、共振器フィルタパターン107の各共振器102a〜102iの上方に、垂直移動可能に配置するための構成が必要となる。
特開2004−207504号公報 特開2006−94172号公報 内田貴他、「サファイアロッドトリミングによる超伝導フィルタの特性改善」、低温工学Vol. 39. No. 1 (2004)
しかしながら、前者の方法では、一度パターンを過度に加工してしまった場合は、元に戻すことができない。後者の方法では、特性を調整するための構成が複雑化、大型化し、調整後の製品において大がかりな調整機構がそのまま残るので、超伝導フィルタの小型化を達成することができない。
そこで、簡単な構成でフィルタ特性を調整することのできるチューナブルなフィルタ装置と、チューニング方法の提供を課題とする。
第1の側面では、フィルタ装置は、
誘電体基板上に形成される1以上の共振器を含む共振器フィルタパターンと、
前記共振器の中の所望の共振器の上に個別に置かれ、厚さの変更が可能なチューニング部材と、
を含む。
第2の側面では、フィルタ装置は、
誘電体基板上に形成される1以上の共振器を含む共振器フィルタパターンと、
前記1以上の共振器の各々に固定される受け部と、
前記共振器のうちの所望の共振器に対応する受け部の内部に配置されるチューニング部材と、
を含む。
第3の側面では、チューニング方法が提供される。このチューニング方法は、
誘電体基板上に形成された1以上の共振器を含むフィルタ装置を冷却し、
前記冷却下で、前記フィルタ装置のフィルタ特性を観察しながら、前記1以上の共振器のうちの所望の共振器上に、チューニング部材を個別かつ置き換え可能に配置する、
ことによって前記フィルタ装置の特性を調整する。
簡単な構成でフィルタ特性を調整することができる。その結果、フィルタ装置の小型化に寄与することができる。
以下、図面を参照して、良好な実施形態を説明する。図2に、本発明の一実施形態に係るチューナブルフィルタ装置としての超伝導フィルタ装置10の構成例を示す。図2(a)は、超伝導フィルタ装置10の主要部の構成、図2(b)は、高周波シールドとしての金属パッケージ21内に収容された超伝導フィルタ装置10の概略上面図である。
図2に示すように、超伝導フィルタ装置10は、誘電体基板11と、誘電体基板11の一方の面(パターン形成面)に形成された1以上の共振器12a〜12iを含む共振器フィルタパターン17と、少なくとも1つの共振器12の上に置かれる厚さが可変のチューニング部材15とを含む。超伝導フィルタ装置10はまた、共振器フィルタパターン17の近傍に延びる信号入出力線13a、13bと、誘電体基板11のパターン形成面と反対側の面(裏面)に形成されるグランド膜14とを含む。グランド膜14と、誘電体基板11と、共振器フィルタパターン17及び/又は信号入出力線13a、13bで、マイクロストリップラインを形成する。
チューニング部材15は、チューニングが完了するまでは置き換え自由であり、任意の共振器12上に配置することができる。また、チューニング対象となる共振器12ごとに、チューニング部材15の厚さを異ならせることができる。図2(a)の例では、開口の向きを互い違いに配置したヘアピン形状の共振器12a〜12iのうち、共振器12a、12b、12cの開口側の端部に、厚さ0.1mmの矩形のチューニング部材15が、所望の数だけ置かれている。より具体的には、共振器12a上に1枚、共振器12b上に3枚、共振器12c上に2枚のチューニング部材15が重ねられている。同サイズ(同じ厚さ)のプレート状のチューニング部材15を、所望の枚数だけ積み重ねることで、対応する共振器12a〜12cの共振特性を調整することができる。
同じサイズ、形状のチューニング部材15を所望の枚数だけ積み重ねる代わりに、異なる厚さのチューニング部材を複数種類用意しておき、それらを取り換えて共振特性を調整することも可能である。また、チューニング部材15の形状は、矩形プレートに限らず、円形プレート、楕円プレートなど、任意の形状とすることができる。
共振器12a〜12i上に置かれるチューニング部材15は、誘電体材料で形成され、たとえば、単結晶MgO、LaAlO3などである。共振器フィルタパターン17を構成するストリップ導体(共振器12a〜12i)に高周波信号が流れると、ストリップ導体からグランド膜14に向けて電界が放射状に発生し、電界の周りに電界と直交して磁界が発生する。各共振器12においてそのような電磁界が発生するが、誘電率εのチューニング部材15を目的とする共振器12上に置くことによって、その共振器の電磁気的な結合容量を変化させ、共振特性を調整することができる。後述するように、結合容量の変化は、チューニング部材の厚さによって調整できる。所望の共振器12上に、必要な厚さ及び/又は誘電率のチューニング部材15を置くことによって、共振器12a〜12iの各々を個別に調整して、所望の特性に合わせ込むことができる。換言すると、複数の共振器12a〜12iの間で特性を均一に揃えることができる。
この例では、共振器12a〜12i、信号入出力線13a、13b、グランド膜14は、YBCO(Y−Ba−Cu−O)などの酸化物超伝導材料の薄膜で形成されるが、少なくとも一部を良導体で構成してもよい。YBCOを用いたときの共振器12a〜12iの線幅は0.5mm、ヘアピンの開口端の内側エッジ間の幅は0.5mm、ヘアピンの長さが実効波長の1/2(λ/2)である。
実際の使用では、共振器フィルタパターン17が形成された誘電体基板11は、図2(b)に示すように、チューニング部材の配置に先立って、金属パッケージ21内に収容される。信号入出力線13a、13bの端部には、蒸着等で電極22a、22bが形成されており、電極22a、22bと、同軸コネクタ23a、23bの中心導体25a、25bは、接合部24a、24bで電気的に接続されている。この状態で、信号を伝送させてその特性をみながら、所望の共振器12上にチューニング部材15を配置して、特性を調整する。
図3は、超伝導フィルタの特性をチューニングする手法を示す概略図である。まず、チューニング部材15が配置される前の超伝導フィルタ装置10を、金属パッケージ21ごと真空容器31内の冷却板33上に搭載する。金属パッケージ21の上蓋は、この段階では開放しておく。金属パッケージ21の同軸コネクタ23a、23bを、同軸ケーブル34で真空容器31の同軸コネクタ35a、36bに接続する。真空容器31の同軸コネクタ35a、35bの大気圧側は、伝送特性を測定するためのネットワークアナライザ37に接続されており、超伝導フィルタ装置10を冷却すれば、伝送特性を観察できるようになっている。
超伝導フィルタ装置10を冷却し、ネットワークアナライザ37から、同軸ケーブル34を介して共振器フィルタパターン17に信号を伝送させて、フィルタ波形を観察する。観察しなしながら、共振器12a〜12i(図2(a)参照)上に、必要な量、材質、形状のチューニング部材15を配置して、ずれている共振周波数を調整する。超伝導フィルタ装置10の波形が所望の波形になったところで、金属パッケージ21を室温、大気中へ戻す。調整に使用したチューニング部材15を、低温でも密着力を保持できる接着剤で、対応する共振器12上に固定し、金属パッケージ21の蓋を閉めて使用に供する。
真空容器31の中でチューニング部材15を共振器12上に配置する構成としては、任意の構成を採用することができる。機械的構成を採用してもよいし、手動で調整してもよい。機械的構成にする場合は、真空容器31のたとえば天井に設けた操作窓(不図示)から、伸縮自在のアーム(不図示)を真空容器31内に挿入して、外部から駆動制御できる機構を設けてもよい。
上述の手法によれば、調整用のレーザ加工で共振器フィルタパターン17を加工し過ぎてしまうことはない。また、所望の厚さのチューニング部材を共振器12上に配置するだけなので、超伝導フィルタ装置(パケージ)そのものに複雑なロッド調整機構を取り付けて装置を大型化することもない。
図4〜図11は、実施例の構成によるフィルタ特性を実証するシミュレーションの結果を示す図である。実施にあたっては、種々のモデルを作製して電磁界シミュレーションを行い、それぞれについて伝送特性を計算する。
図4は、チューニング部材を配置する前の特性測定に用いるシミュレーションモデルの図である。このモデルでは、厚さ0.5mm、14.5mm×11.3mmのLaAlO3基板11上に、5GHz帯のヘアピン型共振器12と、信号入出力線13a、13bをYBCO系材料で形成する。配線幅は0.17mm、ヘアピンの両端部の間隔は、配線中心間の距離で1mmである。裏面には、グランド膜14として超伝導膜を全面に形成し、1段のマイクロストリップ型共振器とする。信号入力線13aを信号入力側のポート1とし、信号出力線13bを信号出力側のポート2とする。
このシミュレーションモデルを用いて、特性調整前の基準として、共振器12の基本的な伝送特性をシミュレーションする。ポート1から信号が入って、ポート1に戻ってきた特性をS11(反射特性)、ポート1から信号が入ってポート2に現われる特性をS21(通過特性)とする。
図5(a)はシミュレーション結果である信号反射(S11)特性、図5(b)は信号通過(S21)特性のグラフである。図中、ピークにあたる部分が共振周波数となり、図4のシミュレーションモデルでは、5.2GHz近辺に共振周波数がある。
次に、図6(a)、図6(b)に示すように、ヘアピン共振器12の開口側に、チューニング部材15として、1mm×1mmの単結晶MgO(比誘電率9.7)のプレート15Aを直接置いて、シミュレーションを行う。MgOプレート15Aの厚さtを、0.1mm、0.3mm、0.5mmと変えて、それぞれの場合の特性をシミュレーションする。この場合、たとえば0.1mmの厚さのMgOプレート15Aを1種類だけ用意して、3枚、5枚と積み重ねることによって、トータルの厚さを変えてもよいし、厚さが0.1mm、0.3mm、0.5mmと異なる3種類のMgOプレートを用意しておいてもよい。
図7は、図6のシミュレーションモデルでのシミュレーション結果を示す図であり、図7(a)は信号反射(S11)特性、図7(b)は信号通過(S21)特性のグラフである。MgOプレート15Aの厚さtが増加するにつれて、共振周波数が低周波数側にシフトする。厚さtが0.5mmでは、共振周波数が約4.5GHzとなり、図4の調整前と比較して、0.7GHzの調整量が得られることがわかる。
図8は、図6の変形例である。図8(a)、図8(b)に示すように、このシミュレーションモデルでは、共振器12とMgOプレート15Aの間に、誘電率が空気に近い緩衝部材16を挿入する。緩衝部材16は、たとえば、厚さ0.05mmのフッ素系樹脂(比誘電率が2.08)であるが、比誘電率が5.0以下、好ましくは3.0以下である任意の誘電体で構成することができる。緩衝部材16を挿入したことにより、図9(a)及び図9(b)に示すように、厚さtが0.5mmで、約0.3GHzの調整幅となる。チューニング部材としてのMgOプレート15Aを、直接共振器12に接触させずに済むので、超伝導薄膜のパターンに傷がつくのを防止できる。また、共振周波数を微調整したい場合に有効である。なお、緩衝部材16を樹脂で構成した場合は、調整後の接着剤と共用することも可能である。
図10は、図8の変形例である。図10(a)、図10(b)に示すように、このシミュレーションモデルでは、チューニング部材として、サイズが1mm×1mm、比誘電率23.7の単結晶LaAlO3プレート15Bを用い、LaAlO3プレート15Bと共振器12の間に、フッ素系樹脂16を挿入する。図11(a)、図11(b)に示すように、チューニング部材15の誘電率を上げることによって、共振周波数の変化量を増加させることができ、厚さtが0.5mmで約0.4GHzの調整量が得られる。
このように、共振器12を構成する超伝導薄膜のパターン上に、調整部材として誘電体材料を置くだけで、簡単に共振周波数を調整することができる。この手法は、図2のように複数の共振器12a〜12iを多段に組んで、共振器フィルタパターン17を構成する場合にも適用できる。この場合は、各共振器12を個別に調整することで、全体の超伝導フィルタ特性を所望の特性にすることができる。
図12は、さらに別のチューニング構成例を示す概略図である。図12(a)に示すように、チューナブルフィルタ装置としての超伝導フィルタ装置50において、すべての共振器12上に、空気に近い誘電率の材料、たとえばフッ素系樹脂で形成された受け部51が、あらかじめ固定されている。この例では、受け部51は、カップ状の形状であるが、升状、ボウル状など、任意の形状でよい。受け部(カップ)51の比誘電率は、5.0以下、好ましくは3.0以下である。
受け部(カップ)51の固定は、共振器12等が形成された誘電体基板11を金属パッケージ21に収容する前に、共振器12上に固定しておいてもよい。あるいは、誘電体基板11を金属パッケージ21に収容し、信号入出力線13a、13bをワイヤボンディングなどの接合部24a、24bで接続した後に固定してもよい。
超伝導フィルタ装置50を冷却して、ネットワークアナライザ(図3参照)でフィルタ波形を観察しながら、目的とする共振器12に固定されたカップ51の中に、所望の量のチューニング部材53を入れる。必ずしも、すべてのカップ51内にチューニング部材53を入れる必要はない。チューニング部材53は、図12(b)に示すように、プレート状の誘電体部材55でもよいし、図12(c)に示すように、粉末状の誘電体部材65でもよい。さらに、図示はしないが、受け部51をシリンダ形状にした場合は、チューニング部材53を棒状の誘電体部材としてもよい。この場合は、チューニング部材53の取り扱いや、受け部51の内部への搬送が容易である。
所望の特性が得られたならば、カップ51内のチューニング部材53(プレート状誘電体部材55又は粉末状誘電体部材65)の上から、空気の誘電率に近い、たとえば比誘電率が5.0以下の樹脂材料(フッ素系樹脂など)を流して封止する。その後、金属パッケージ21に蓋をする。
上述の構成により、フィルタ装置の作製プロセスで、パターニング精度や基板の厚さのばらつき等により所望のフィルタ特性からずれてしまった場合でも、実際の伝送特性を確認しながら効率よく調整できる。この調整方法は、冷却を伴う超伝導フィルタを調整する場合に、特に有効である。また、特性調整を終えたフィルタ装置には、複雑な調整機構は残らないので、装置の小型化に寄与できる。
以上、特定の実施形態を説明してきたが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。たとえば、実施形態では超伝導材料としてYBCO薄膜を用いたが、任意の酸化物超伝導材料を用いることができる。たとえば、RBCO(R−Ba−Cu−O)系薄膜、すなわち、R元素としてY(イットリウム)に代えて、Nd、Sm、Gd、Dy、Hoを用いた超伝導材料を用いてもよい。また、BSCCO(Bi−Sr−Ca−Cu−O)系、PBSCCO(Pb−Bi−Sr−Ca−Cu−O)系、CBCCO(Cu−Bap−Caq−Cur−Ox、1.5<p<2.5、2.5<q<3.5、3.5<r<4.5)を超伝導材料に用いてもよい。
共振器12のパターンは、ヘアピン型に限定されず、直線、交指形状、うずまき形状など、適切な形状を選択することができる。誘電体基板11は、MgO単結晶基板、LaAlO3基板、サファイア基板などを用いることができる。
最後に以上の説明に対して、以下の付記を添付する。
(付記1)
誘電体基板上に形成される1以上の共振器を含む共振器フィルタパターンと、
前記共振器の中の所望の共振器の上に個別に置かれ、厚さの変更が可能なチューニング部材と、
を含むフィルタ装置。
(付記2)
前記チューニング部材は、積み重ね可能な誘電体プレートである付記1に記載のフィルタ装置。
(付記3)
前記チューニング部材と、対応する前記共振器の間に挿入される緩衝部材、
をさらに含む付記1又は2に記載のフィルタ装置。
(付記4)
前記緩衝部材の比誘電率は5.0以下である付記3に記載のフィルタ装置。
(付記5)
誘電体基板上に形成される1以上の共振器を含む共振器フィルタパターンと、
前記1以上の共振器の各々に固定される受け部と、
前記共振器のうちの所望の共振器に対応する受け部の内部に配置されるチューニング部材と
を含むフィルタ装置。
(付記6)
前記受け部は、誘電率5.0以下の誘電体材料で作られている付記5に記載のフィルタ装置。
(付記7)
誘電体基板上に形成された1以上の共振器を含むフィルタ装置を冷却し、
前記冷却下で、前記フィルタ装置のフィルタ特性を観察しながら、前記1以上の共振器のうちの所望の共振器上に、チューニング部材を個別かつ置き換え可能に配置する、
ことによって前記フィルタ装置の特性を調整するチューニング方法。
(付記8)
前記所望の共振器上に、所望の枚数の誘電体プレートを積み重ねることによって、前記フィルタ装置の特性を調整する付記7に記載のチューニング方法。
(付記9)
前記1以上の共振器の各々に受け部が固定されており、
前記所望の共振器に固定されている受け部の内部に、所望の量の前記チューニング部材を配置することによって前記フィルタ特性を調整する付記7に記載のチューニング方法。
従来のチューナブルフィルタ装置の構成を示す図である。 実施形態のチューナブルフィルタの構成例を示す図であり、図2(a)はチューナブルフィルタ装置の主要部の概略斜視図、図2(b)は、金属パッケージの上蓋がかぶせられる前の概略上面図である。 実施形態のチューニング方法を説明するための概略構成図である。 実施例に用いたシミュレーションモデルの概略図である。 図4のシミュレーションモデルから得られる伝送特性のグラフである。 図4のモデルにチューニング部材を配置する構成例の概略図である。 図6のシミュレーションモデルから得られる伝送特性のグラフである。 図6の変形例であるシミュレーションモデルの概略図である。 図8のシミュレーションモデルから得られる伝送特性のグラフである。 図6の変形例であるシミュレーションモデルの概略図である。 図10のシミュレーションモデルから得られる伝送特性のグラフである。 実施形態のチューナブルフィルタの別の構成例を示す図である。
符号の説明
10 チューナブルフィルタ装置(超伝導フィルタ装置)
11 誘電体基板
12、12a〜12i 共振器
13a、13b 信号入出力線
14 グランド膜
15、15A、15B、53 チューニング部材
16 緩衝部材(フッ素系樹脂)
17 共振器フィルタパターン
21 金属パッケージ
23 同軸コネクタ
31 真空容器
33 冷却板
37 ネットワークアナライザ
51 受け部(カップ)
55 プレート状チューニング部材
65 粉末状チューニング部材

Claims (7)

  1. 誘電体基板上に形成される1以上の共振器を含む共振器フィルタパターンと、
    前記共振器の中の所望の共振器の上に個別に置かれ、厚さの変更が可能なチューニング部材と、
    を含むフィルタ装置。
  2. 前記チューニング部材は、積み重ね可能な誘電体プレートである請求項1に記載のフィルタ装置。
  3. 前記チューニング部材と、対応する前記共振器の間に挿入される緩衝部材、
    をさらに含む請求項1又は2に記載のフィルタ装置。
  4. 誘電体基板上に形成される1以上の共振器を含む共振器フィルタパターンと、
    前記1以上の共振器の各々に固定される受け部と、
    前記共振器のうちの所望の共振器に対応する受け部の内部に配置されるチューニング部材と
    を含むフィルタ装置。
  5. 前記受け部は、誘電率5.0以下の誘電体材料で作られている請求項4に記載のフィルタ装置。
  6. 誘電体基板上に形成された1以上の共振器を含むフィルタ装置を冷却し、
    前記冷却下で、前記フィルタ装置のフィルタ特性を観察しながら、前記1以上の共振器のうちの所望の共振器上に、チューニング部材を個別かつ置き換え可能に配置する、
    ことによって前記フィルタ装置の特性を調整するチューニング方法。
  7. 前記所望の共振器上に、所望の枚数の誘電体プレートを積み重ねることによって、前記フィルタ装置の特性を調整する請求項6に記載のチューニング方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102403556A (zh) * 2010-09-10 2012-04-04 中国科学院物理研究所 一种可调谐超导滤波器及其制作方法、金属屏蔽盒
JP2016111671A (ja) * 2014-12-09 2016-06-20 国立大学法人山梨大学 改良型チューナブルデュアルバンド帯域通過フィルタ

Cited By (2)

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CN102403556A (zh) * 2010-09-10 2012-04-04 中国科学院物理研究所 一种可调谐超导滤波器及其制作方法、金属屏蔽盒
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