JP6425555B2 - 降圧充電システム及び電源 - Google Patents

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Description

本発明は、高電圧の発電源から得られる電力を受け、自起動しつつ2次電池等へ充電する構造に関するものであり、特にその回路構成に関するものである。
従来から、電子時計や環境発電などの分野で、比較的高い電圧を発生する発電源から、数V程度の2次電池や電気二重層キャパシタなどの蓄電手段に充電可能な充電回路が提案されている。
従来の充電システムの例を図7に示す。これは、発電源が電磁誘導式である発電機の出力電圧を充電する例である。内部抵抗42を有する交流電圧源41としてモデル化できる発電機である発電手段40の出力を整流手段50で半波または全波整流し、定格電圧数Vの電気二重層キャパシタである蓄電手段93を充電する構成となっている。
また蓄電手段93には昇圧回路95が接続し、蓄電手段93の端子電圧を昇圧して電子時計である負荷回路96を駆動する。
蓄電手段93は、一般に自己放電などで放電しきってしまうと端子電圧が極端に小さくなってしまう。そういった状態であっても、負荷回路96が起動できるように、この例では抵抗91を備えている。充電システムの起動時には、抵抗91が蓄電手段93に対して直列に接続するようになっており、発電手段40で発電された電流が抵抗91に流れることで生じる電圧降下が蓄電電圧に加算されることにより、負荷回路96の両端には回路の起動に十分な電圧が印加される。すなわち蓄電手段93が放電してしまっても負荷回路96は起動可能となる。
負荷回路96の起動後は、蓄電手段93の端子電圧が定期的に電圧サンプリングされる。蓄電手段93の充電が進み、負荷回路96を動作させることが可能なレベルまで端子電圧が上昇したときはこれを検知し、抵抗91の両端をスイッチ92で短絡するという動作を行う。スイッチ92が導通状態となった以降は蓄電手段93に蓄えられた電圧をもとに負荷回路96は動作を継続する。
特許2652057号公報(7頁、図1)
従来は、負荷回路96の起動に十分な電圧を発生させるため、抵抗91には比較的高い抵抗値を有する抵抗素子を用いており、固定値の抵抗を単に直列に挿入するだけであった。抵抗91の抵抗値は発電量に関係なく一定であるので、例えば発電量が多いときには発電電流が大きくなるため、抵抗91に生じる電圧は大きくなるが、この抵抗91で消費されて無駄となる電力も大きくなり、発電した電力を効率よく蓄電手段93に蓄えることができなくなる。
電磁誘導方式は、単位時間当たりの発電エネルギが比較的大きいため、発電手段からの電力取り出し効率があまり高くなくても実用になりうる。しかしながら、発電能力があまり高くない発電機を用いる場合は、電力取り出し効率が悪いままでは実用にならない。
例えば、エレクトレットなどの静電誘導発電機の場合、発電電圧は高い電圧が出力されるが、内部インピーダンスが高く得られる電流量が小さいため、効率的な充電システムを構築する必要がある。しかしながら、上述のように蓄電手段の低残量時での起動性を確保しつつ、発電量の変化に対応し効率的に充電することに関しては特に考慮されていなかった。
またこの例では、充電システムの発電手段40として、発電電圧の高い発電機を用いることについては考慮されていない。特に静電誘導発電のように数10Vという高い発電電圧を発生する発電機を用いて、定格電圧が数V程度の小型の電気二重層キャパシタへ高効率で充電するためには、この発電出力を低い電圧レベルに変換して充電する必要があるが、このような降圧機能を備えた充電システムへの応用についての記載はない。
本発明の降圧充電システムでは、以下の構成を採用する。
すなわち、高電圧を出力する発電手段(40)の発電出力を入力し、蓄電手段(20)に降圧充電するための降圧充電出力(102)を有する降圧充電システム(100)であって、前記発電出力を降圧する降圧回路(10)と、
該降圧回路(10)の出力と前記降圧充電出力(102)の間に設けられ、前記降圧回路(10)の出力端子の電圧が、所定のリミット電圧を下回らないようにインピーダンスを連続的に変化させるリミット手段(60)と、を有することを特徴とする。
本願では従来の課題を改善し、蓄電される側(蓄電手段)の電圧でなく、充電しようする側(降圧回路出力端子)の電圧を実質的にモニターし、所定のリミット電圧以上の電圧が降圧出力端子に自動的に発生するよう制御する。この制御は、抵抗値が連続的に可変である回路素子を挿入することに類似するが、この回路素子での電力損失は必要最小となる。よって充電の効率化が図られ、蓄電手段を低残量から充電立ち上げする際の特性が改善できる。
また、降圧する方式の充電システムでは、降圧回路の出力端子の電圧は、降圧回路の入力端子の電圧に影響を及ぼす。このため降圧回路の出力端子の電圧が小さくなり過ぎると、これに引き込まれて降圧回路の入力端子の電圧も小さくなる。
降圧回路の入力端子の電圧は降圧回路の最低動作可能電圧よりも高い必要があるため、降圧回路の入力端子の電圧が小さくなり過ぎると、降圧制御をする回路そのものの動作を維持できない状態となる。本願では、降圧制御をする回路の最低動作可能電圧に対して、上記のリミット電圧に降圧倍率を乗じた電圧のほうが高くなるようにすることでこれを回避し、降圧制御をする回路が動作を継続できるようになっている。
さらに、降圧出力端子よりも電圧の高い降圧回路の入力側(発電機側)に配置し、降圧回路の降圧動作よりも先に動作を開始する参照電圧生成回路を備えており、これによって上記のリミット電圧を決定するための基準電圧を発生するように構成している。従って、発電機出力を受けると、まず初めに降圧制御する回路である参照電圧生成回路が動作開始し、リミット機能が即時に働くことで、蓄電手段の端子電圧が低い場合でも確実に降圧充電システムが動作継続できるようになっている。
従って本願によれば、蓄電手段が低残量の状態であっても正しく起動し降圧動作を行い、かつ蓄電手段の充電初期に低損失で充電することが可能となる。特にエレクトレット素
子のような高電圧を発生する静電誘導発電機を用いたときでも、発電機から高い効率で充電することが可能な降圧充電システムを提供することが可能である。
その他、上記のようなアナログ的なリミット機能を、高電圧下では電力消費などの面で不利な、電圧サンプリング回路のようなものを使用せず、簡素で省スペースな構成で実現できるといった効果も有する。
本発明の降圧充電システムの構成を示した回路図である。 本発明の降圧手段の構成を示した回路図である。 本発明の降圧回路の回路状態を示した回路図である。 降圧回路を駆動するタイミング信号波形を示した波形図である。 本発明の降圧充電システムの別の構成を示した回路図である。 本発明の降圧充電システムの要部電圧波形を示した波形図である。 従来の充電システムの構成を示した回路図である。 第2の実施形態の降圧充電システムの構成を示した回路図である。 第2の実施形態の降圧手段の構成を示した回路図である。 第3の実施形態の降圧充電システムの構成を示した回路図である。 第2の実施形態の降圧充電システムの要部電圧波形を示した波形図である。 第2の実施形態におけるタイミング生成回路の動作電流経路を示した回路図である。
以下、このような降圧充電システムを実現するための形態について図面を参照して詳述する。
まず図1、図2を参照して、本発明の実施形態の全体構成について説明する。
その後に、図3〜図4を参照して降圧回路の構成および動作について説明する。
最後に、図1〜図2、図6を参照して、本発明の実施形態の全体動作について説明する。
[降圧充電システムの全体構成説明:図1]
本発明の降圧充電システムは、降圧手段100として示した回路システムである。この降圧充電システムの前後に発電手段40と整流手段50と蓄電手段20とを接続することで、発電手段40の出力を整流手段50によって全波整流し、その整流出力を降圧手段100によって降圧し、蓄電手段20へ充電するという動作を行うことが可能となる。
発電手段40は、高電圧の交番電圧を出力する交流発電機である。いわゆるダイオードブリッジである整流手段50がこの発電手段40の出力を全波整流し、整流出力を降圧手段100に印加することが可能な構成としている。降圧手段100は、降圧入力端子101から入力した整流出力を電圧変換する降圧回路10を介して、降圧充電出力端子102に接続された2次電池である蓄電手段20へ蓄電することが可能となっている。発電手段40は、発電電圧の振幅(片振幅)V0が30Vの電圧源41と、出力抵抗値がRの内部抵抗42とを直列に接続した単純なモデルとして表現できる交流発電機を仮定する。
降圧手段100は、キャパシタの接続状態を直列と並列とに切り替えることで入力電圧を実質的により低い電圧に変換することが可能な回路ブロックである降圧回路10を内蔵している。降圧手段100の構成については次に詳しく説明する。
[降圧手段の構成説明:図2]
降圧手段100は、降圧回路10とタイミング生成回路13と、リミット手段60と、参照電圧生成回路30とで構成する。なお、降圧手段100は、入力する発電電圧が高電圧であるため、その電圧で破壊しない耐電圧を有するMOS素子で構成する。一般に高耐圧MOS素子のしきい値電圧は高いため、降圧手段100の動作可能電圧は5V以上であるものとする。
参照電圧生成回路30は、PMOS素子31および35とNMOS素子32と34と基準抵抗33とで構成した、いわゆるベータ乗算型の参照電流源である。
PMOS素子31および35はカレントミラー接続であり、NMOS素子32および34に等しい電流を流すように接続している。NMOS素子34のソース端子と接地電位VSSとの間には基準抵抗33を挿入し、NMOS素子32に働くソース・デジェネレーション効果によって参照電圧生成回路30の動作点が決定するように接続している。これにより各MOS素子には、電源電圧に依らないほぼ一定の電流が流れる。
NMOS素子34はダイオード接続しているので、このドレイン−ソース端子間にはNMOS素子のしきい値電圧に近い一定電圧が発生する。この電圧信号を第1の参照電圧Vr1としている。すなわち、PMOS素子35のドレイン端子とNMOS素子34のドレイン端子の接続点から第1の参照電圧Vr1を得る。
第1の参照電圧Vr1の電圧は、NMOS素子のしきい値電圧をもとに得られる所定の電圧値である。ここでは第1の参照電圧Vr1は接地電位VSSからみて0.5Vであるとする。
降圧回路10は、キャパシタの直列接続および並列接続の状態を切り替えることで、入力電圧を降圧出力する回路である。詳細な構成は後述する。
タイミング生成回路13は降圧回路10が切り替え動作するためのクロック源である。タイミング生成回路13は、第1の参照電圧Vr1を接続し、これを基準電圧としてバイアスされ発振動作する発振回路を備え(図示せず)、この発振回路の出力を元に第1のタイミング信号S31と第2のタイミング信号S32とを出力する。タイミング生成回路13は周知の構成で実現できるため、その構成については省略する。タイミング信号の波形については後述する。
蓄電手段20は内部インピーダンスの低い2次電池である。蓄電手段20は降圧回路10の出力電流を、後述のリミット手段60を介して充電するように構成している。蓄電手段20の負極は接地している。
降圧回路10の出力と、蓄電手段20に接続される降圧充電出力端子102との間にはリミット手段60が設けられている。
リミット手段60は、PMOS素子61を備えている。ソース端子が降圧回路10の出力、ゲート端子には参照電圧生成回路30中第1の参照電圧Vr1が接続している。ここでは、リミット手段60のPMOS素子61のしきい値電圧は約0.5Vであるものとする。
リミット手段60はさらに、ショットキバリアダイオードに代表される、順方向電圧が低いダイオード62を備えており、PMOS素子61のドレイン端子から蓄電手段20の
正極への整流方向が順方向となるように接続する。
[降圧回路の構成説明:図3、図4]
図3と図4とを使って降圧回路10の構成について説明する。降圧回路10は第1の降圧ブロック11と第2の降圧ブロック12とで構成する。降圧回路10は単純化のため、6倍固定とし、降圧回路10の出力には、リミット手段60を介さず、蓄電手段20が直接接続しているとして説明する。
第1の降圧ブロック11と第2の降圧ブロック12とは、構成としては同じものであるが互いに逆位相で動作、すなわち一方が蓄電動作をする間、他方は放電動作を行うように構成した降圧回路である。
各降圧ブロックは複数のキャパシタを備えており、各キャパシタ間の接続状態は、MOSトランジスタを組み合わせて構成した、いわゆるアナログスイッチによって切り替える。スイッチは周知の構成なので図示していない。各々の降圧ブロックは、図3に示すように整流手段50の出力を2倍降圧する第1の降圧段110Aと、この第1の降圧段110Aの出力を3倍降圧して蓄電手段20へ出力する第2の降圧段110Bとで構成する。
第1の降圧段110Aは、2倍降圧動作するために、キャパシタ111とキャパシタ112の2つのキャパシタを備えている。第1の降圧段110Aはキャパシタ111とキャパシタ112の全てを直列または全てを並列とに切り替える動作をする。
また、第2の降圧段110Bは3倍降圧動作するために、キャパシタ113とキャパシタ114とキャパシタ115の3つのキャパシタを備えている。第2の降圧段110Bはキャパシタ113とキャパシタ114とキャパシタ115の3つのキャパシタの全てを直列または並列とに切り替える動作をする。
動作クロックは、図4に示すような2相のクロック信号である。図3における状態aと状態bとが、第1のタイミング信号S31と第2のタイミング信号S32に従って交互に切り替わる。図3における状態aと状態bについても同様である。
図4における期間A、すなわち第1のタイミング信号S31がハイレベルの期間においては図3の状態aとなるようにする。また期間B、すなわち第2のタイミング信号S32がハイレベルとなる期間においては、図3の状態bとなるように切り替え制御を行う。期間Aと期間Bとは50ミリ秒とする。
クロックの一方である第1のタイミング信号S31と他方である第2のタイミング信号S32とは互いにほとんど反転信号とみなせる関係であるが、切り替わりの瞬間には各降圧ブロックを構成するスイッチが同時にオンすることで各キャパシタを短絡しないように、切り替わり遅延期間Dを設ける。期間Dは周知の遅延時間生成手法によって、数ナノ〜数10ナノ秒程度と必要最小限の時間幅に設定できる。
[降圧回路の動作説明:図3〜4]
図3と図4を使って、降圧回路10の動作について簡単に説明する。
第1のタイミング信号S31および第2のタイミング信号S32に従って降圧回路10が降圧動作すると、整流手段50の出力から蓄電される状態にあるキャパシタは、電荷を蓄えることで端子電圧が僅かに上昇するが、キャパシタが放電状態となったときに、キャパシタに蓄えられた電荷は蓄電手段20に瞬時に吸いこまれ、蓄電手段20の端子電圧に等しくなる。これは蓄電手段20のインピーダンスが低いためである。
よって、降圧回路10が降圧動作する時は、第2の降圧段110Bの各キャパシタの端子間電圧は蓄電電圧VBTと常にほぼ等しくなり、第1の降圧段110Aの各キャパシタの端子間電圧は蓄電電圧VBTの3倍と常にほぼ等しくなり、結果として降圧回路10の入力側電圧である負荷電圧VLは蓄電電圧VBTのほぼ6倍の電圧となる。
このように、降圧回路10の入力側には蓄電電圧VBTに降圧倍率nを乗じた電圧値が現れることとなる。この降圧回路10の入力側端子は、発電した電流が流れ込んでもほとんど電圧変化が生じないため、降圧回路10の接続状態が切り替わるごく僅かな期間(図4の期間D)を除けば、降圧回路10は常に電圧値がn・VBTの電圧源であるかのように振舞う。この定電圧源のように見える負荷の電圧値が前述した負荷電圧VLに相当し、
VL=n・VBT
が成り立つようになる。
特に、2つの降圧ブロックを相補的に動作させることで、一方の降圧ブロックが放電状態にあって、発電手段40に接続しない間でも、他方の降圧ブロックが発電手段40に接続し充電状態にできるため、発電手段40に常に定電圧負荷が接続したような状態にすることができ、発電手段40が発電しているその時点での電力を常に取り出すことが可能となる。
さらにこの降圧動作では、降圧回路10内の全てのキャパシタは、電荷を受け渡す動作を通じてもその端子電圧には僅かな電圧変化しか生じないため、電荷移動にともなう損失が抑えられ、結果的にこの降圧回路10は、入力電圧よりも端子電圧が低い状態にある蓄電手段20へほとんど損失なしに電荷を移動することが可能となる。
従って、このように降圧回路10を構成することで、発電手段40が無負荷となるような時間なしに、常に定電圧源と見なせる負荷を接続することができ、かつ低損失で発電出力を負荷手段30に送ることが可能となる。
[降圧充電システムの動作説明:図1、図2、図6]
図1と図2と図6とを使って、本発明の実施形態の動作について簡単に説明する。
まず蓄電手段20がほとんど放電してしまい、その端子電圧VBTが0Vの状態から動作を開始すると仮定して説明する。
発電手段40が発電を開始し、整流手段50から整流された電流が流れると、参照電圧生成回路30に電流が流れることで、所定の電圧値が第1の参照電圧Vr1に発生する(図6の時刻t1)。
その後にタイミング生成回路13も動作を開始し、第1のタイミング信号S31および第2のタイミング信号S32を出力する。このタイミング信号により降圧回路10が前述の降圧動作を開始する(図6の時刻t2)。
降圧回路10は整流手段50の整流出力を電圧変換し、蓄電手段20に充電電流を供給する。
蓄電手段20の端子電圧VBTが0Vであるので、リミット手段60のPMOS素子61のドレイン端子は同じく0V近くまで引き込まれる。しかしながら、PMOS素子61のゲート端子には参照電圧Vr1が印加されており、この状態ではPMOS素子61はソースフォロワ回路として動作する。このため、リミット手段60中のPMOS素子61のソース端子は、第1の参照電圧Vr1の電圧値にPMOS素子61のしきい値電圧VTPを加算し
た電圧、この例では約1.0Vにほぼ固定されることになる。
降圧回路10が降圧動作をすることにより、降圧回路10の入力電圧は、前述したとおり降圧回路10の出力端子電圧の6倍の電圧が現れるようになる。この電圧は、6×(Vr1+VTP)≒6V であり、降圧回路10の制御に必要な参照電圧生成回路30や、タイミング生成回路13の最低動作可能電圧である5Vに比べて十分に高い。すなわち、降圧回路10の入力端子電圧は蓄電手段20の端子電圧の影響を受けて下がり過ぎることはないため、降圧回路10は蓄電手段20の端子電圧が極めて低い場合でも安定して動作を継続できるようになる。
この構成において、リミット手段60は、抵抗値が連続的に変化する抵抗素子のように振舞う。蓄電手段20の端子電圧が0Vに近いときはリミット手段60における電力損失は最大になるが、発電手段40から得られる発電電流が小さければこの損失は必要最小となり、また蓄電手段20の端子電圧が徐々に上昇してもこの損失は必要最小となる。すなわち、降圧回路10が動作継続可能な範囲で、リミット手段60における電力損失は最小限となるように自動的に制御されるように動作する。
また特に、第1の参照電圧Vr1が発生すれば、リミット手段60はソースフォロワ回路であるので即座に動作する。これは、一般にソースフォロワ回路は高速に動作するという事実によっている。一方で、タイミング生成回路13は第1の参照電圧Vr1を基準に発振する発振回路を含んでいる。一般に、発振回路の発振起動には数ミリ秒以上を要するため、タイミング信号S31、S32が出力されるのは、リミット手段60が所定の動作を開始するよりも遅くなる。これにより、降圧回路10の動作よりもリミット動作が先になるため、上記の動作が保証される。
次に、蓄電手段20への充電が進み、蓄電手段20の端子電圧が1.0Vを僅かに上回るまで上昇した場合について説明する。
リミット手段60中のPMOS素子61のドレイン端子は約1.0Vを僅かに上回る電圧となるが、PMOS素子61のゲート端子は第1の参照電圧Vr1が印加されたままである。第1の参照電圧Vr1は約0.5Vであるので、リミット手段60の電位関係は |VGS|>|VDS| となる。この電位関係においては、PMOS素子61はソースフォロワ動作を維持せず、単に導通したMOSスイッチとして動作する。このため、降圧回路10の出力端子の電圧は蓄電手段20の端子電圧に引かれ、ほぼ蓄電手段20の端子電圧と等しい電圧となる(図6の時刻t3)。
降圧回路10が降圧動作をすることにより、降圧回路10の入力電圧は、上記と同様に降圧回路10の出力端子電圧の6倍の電圧が現れるようになる。すなわちこのときは、降圧回路10の入力端子には 6×1.0V=6V よりも高い電圧が現れる。この電圧も降圧回路10の制御に必要な参照電圧生成回路30や、タイミング生成回路13の最低動作可能電圧である5Vに比べて十分に高いため、降圧回路10は蓄電手段20の端子電圧が上昇しても安定して動作を継続することができる。さらに蓄電手段20の充電が進んだ場合も同様であり、例えば蓄電手段20の端子電圧が1.5Vとなったときは、降圧回路10の入力端子には 6×1.5V=9V が現れる。
最後に、発電手段40の発電が停止した場合について説明する。
発電手段40の発電が停止すると、降圧回路10は蓄電手段20への電流供給ができなくなり、さらにタイミング生成回路13や参照電圧生成回路30も動作を維持できなくなり、タイミング信号S31、S32は停止する(図6の時刻t4)。しかしながら、リミット手段60中のダイオード62が蓄電手段20からの放電を禁止する方向に接続している
ため、蓄電手段20に蓄えられた電荷が逆流することはなく、一度充電された電力が無駄に外部に放電されることはない。
すなわち、本発明によれば、蓄電手段20の充電状態が空になっても、降圧手段100は正しく起動し、かつ蓄電手段20への充電動作を継続的に行うことが可能となる。
上記の例では、リミット手段60の動作が即座に開始するとしているが、降圧回路10が動作を開始する時間を、リミット手段60が動作を開始するよりもさらに相対的に遅らせる目的で、第1の参照電圧Vr1を適当な時定数を有する遅延回路を介した後にタイミング生成回路13へ接続してもよい。
また上記に示した例では、リミット手段60の逆流防止をダイオード62によって行う構成としたが、MOS素子とOPアンプによる能動型の理想ダイオードに置き換えてもよい。このときの構成の例を図5に示す。
この例はすなわち、ダイオード62の代わりに、OPアンプ64とNMOS素子によるスイッチ63とを用いて整流作用を実現する構成である。スイッチ63は、ソースおよびドレイン端子がそれぞれダイオード62のカソードおよびアノード端子に対応するような結線とする。スイッチ63のゲート端子はOPアンプ64の出力で駆動する。OPアンプ64の非反転入力端子(+)を降圧回路10の出力端子へ接続し、反転入力端子(−)を蓄電手段20の正極へ接続する。
図5に示したリミット手段60の動作について簡単に説明する。OPアンプ64は降圧回路10の出力端子電圧と蓄電手段20の端子電圧VBTとの差電圧をモニターし、差が正であれば降圧回路10から蓄電手段20とが順方向バイアスであると判定し、スイッチ63を導通させる。また、これとは逆に降圧回路10の出力端子電圧と蓄電手段20の端子電圧VBTとの差電圧が負であるときは逆バイアスであると判定し、スイッチ63を非導通とするように動作する。この例では、検流抵抗を別途用いることなく、スイッチ63とPMOS素子61の抵抗成分を検流抵抗として機能させることで、バイアスの順逆判定を実現できるという効果も有している。
図5に示したリミット手段60を用いたときの降圧充電システムの全体的な動作について簡単に説明する。
発電手段40が発電を開始し、整流手段50から整流された電流により参照電圧生成回路30が動作を開始したのちに降圧回路10が前述の降圧動作を開始すると、降圧回路10の出力端子から蓄電手段20へは順方向バイアスとなる。よってリミット手段60は導通状態となり、蓄電手段20への充電がなされる。発電手段40が非発電となった場合は逆バイアスとなるため、リミット手段60は非導通となり、蓄電手段20からの放電が防止される。
特に、PMOS素子61により、上述したような降圧回路10の出力端子電圧を所定値以上に制御するというリミット動作の機能は同様に得られる。
図5に示した理想ダイオードによれば、リミット動作による効果はそのままで、かつダイオードを使った場合に生じる順方向電圧がなくなるため損失が減り、充電効率が向上するといった効果が得られる。
[第2の実施形態の説明:図8、9、図11、12 ]
続いて、図8、9および図11、12を用いて、本発明の第2の実施形態である降圧充
電システムについて説明する。この降圧充電システムの例は、タイミング生成回路など、比較的消費電力の高い制御系回路での消費電力を削減する目的で、降圧回路の中間出力をタイミング生成回路の定常時動作電源として用いる例である。
特にこの例は、タイミング生成回路の動作電源を供給するために2つの電源回路を用い、かつシステムの状態についての能動的な検出を行わずにこの2つの電源回路を切り替える例である。
[第2の実施形態の構成説明:図8、9]
第2の実施形態の全体構成について図8を用いて説明し、続いて電源回路の詳細について図9を用いて説明する。一部の説明で補足的に図3を用いる。
この第2の実施形態である降圧充電システムの構成のうち、前述の第1の実施形態の降圧充電システムと異なる点および追加された構成要素について主に説明する。
この例では、前述の第1の実施形態と同じ構成が含まれるため、それらについて同一の符号を付与している。この例では、タイミング生成回路13については動作可能な最低電圧を1.5Vまで低電圧化したものを使用することとする。また、参照電圧生成回路30'の構成として、複数の参照電圧を出力するものとしている。
さらに、この実施形態の降圧手段100は、第1の電源回路71と、第2の電源回路72の2つの電源回路を備えているのが特徴である。
第1の電源回路71は、少なくとも電流ソース能力のある定電圧回路として機能する回路である。第1の電源回路71には、参照電圧生成回路30'から得られる第2の参照電圧Vr2を接続している。
第2の電源回路72も、少なくとも電流ソース能力のある定電圧回路として機能する。第1の電源回路71には、参照電圧生成回路30'から得られる第3の参照電圧Vr3を接続している。これらの電源回路の構成については後述する。
参照電圧生成回路30'の構成としては、第1の実施形態の参照電圧生成回路30とほぼ同様であるが、参照電圧を複数出力可能となっている。参照電圧生成回路30'は、PMOS素子35からNMOS素子34への間に、ダイオード接続した複数のMOS素子36〜39を直列化することで、そのドレイン端子から異なる電圧を簡易的に出力可能としている。
ここでは、第2の参照電圧Vr2の電圧値は2.0Vであるとする。また、第3の参照電圧Vr3の電圧値は2.5Vであるとする。
なお、降圧回路10の中間出力Vmは、図3における第1の降圧ブロック11の第1の降圧段110Aの出力である。
ここで図9を用いて、電源回路の構成について説明する。この例では、最も簡素なソースフォロワ回路による定電圧回路を用いる。
図9に示したように、第1の電源回路71は1つのNMOS素子71Aで構成し、このドレイン端子を降圧回路10の降圧入力端子101に接続し、ソース端子をタイミング生成回路13の電源端子としている。ゲート端子には第2の参照電圧Vr2を接続している。
この結線によりNMOS素子71Aはソースフォロワ回路として動作する。よって第1の電源回路71の出力電圧は、第2の参照電圧Vr2の電圧値である2.0VからNMOS素子71Aのしきい値電圧である0.5Vを減じた約1.5Vとなる。
第2の電源回路72は、NMOS素子72AとNMOS素子72Bとを直列に接続した回路である。NMOS素子72Aはいわゆるダイオード接続としている。またそのNMOS素子72Aのドレイン端子には降圧回路10の中間出力Vmに接続し、NMOS素子72Bのゲート端子には第3の参照電圧Vr3を接続し、ソース端子をタイミング生成回路13の電源端子としている。
この結線によりNMOS素子72Bもソースフォロワ回路として動作する。よって第2の電源回路72の出力電圧は、第3の参照電圧Vr3の電圧値である2.5VからNMOS素子71Bのしきい値電圧である0.5Vを減じた約2.0Vとなる。
ただし、第2の電源回路72が所望の回路動作を行うようになるためには、中間出力Vm約2.5Vを越える電圧まで上昇する必要がある。これは、NMOS素子72BにはNMOS素子72Aを直列に接続しているため、NMOS素子72Aが導通状態となるためにはしきい値電圧に相当する0.5Vがさらに必要なためである。反対に、降圧回路10の中間出力Vmが2.5Vよりも低い状態では、NMOS素子72Aは逆バイアスとなるため非導通となる。
[第2の実施形態の動作説明:図8、図9、図11、図12]
次に、第2の実施形態の降圧充電システムの動作について説明する。
まず、蓄電手段20の端子電圧が低いときの動作について説明する。
発電手段40が発電を開始すると、参照電圧生成回路30'が起動し、所定の参照電圧が出力される。また、リミット手段60も即座に動作を開始する(図11の時刻t1)。
降圧回路10が動作を開始していない期間は、降圧回路10中のキャパシタは放電した状態であるため、中間出力Vmはほとんど接地電位である。するとNMOS素子72Aは逆バイアスとなるため、第2の電源回路72は非導通となる。
一方、第1の電源回路71には所定値の第2の参照電圧Vr2が印加され、さらに第1の参照電圧Vr1がタイミング生成回路13に印加されるため、タイミング生成回路13は所定の動作を開始し、第1および第2のタイミング信号S31、S32の出力を開始する(図11の時刻t2)。
特に第1の電源回路71の動作により、タイミング生成回路13へ供給される電圧は約1.5Vとなる。
タイミング生成回路13が第1および第2のタイミング信号S31、S32を出力すると、降圧回路10は降圧動作を開始する。このとき、蓄電手段20がほぼ放電してしまっていて蓄電電圧VBTが低いときは、リミット手段60のリミット動作により降圧回路10の出力端子は1.0Vに固定される。また第2の降圧段の降圧倍率は3倍であった。よって降圧回路10の中間出力Vmには、Vm=1.0V×3=3.0V の電圧が現れる(図11の時刻t3)。
降圧回路10の中間出力Vmが3.0Vであれば、第2の電源回路72にはすでに第3の参照電圧Vr3が印加されているため、第2の電源回路72は導通状態になる。
これにより、タイミング生成回路13には、第3の参照電圧Vr3の電圧値からNMOS素子72Bのしきい値電圧分を減じた約2.0Vが電源電圧として印加され、降圧回路10の中間出力Vmから電源供給がなされるようになる。 一方、第1の電源回路71は非導通状態となり、第1の電源回路71には電流が流れなくなる。これは次の理由による。
発電手段40の発電開始直後は、第1の電源回路71はソースフォロワ動作可能な電位関係にあったため、タイミング生成回路13の電源電圧は1.5Vとすることができた。しかしながら、第2の電源回路72によって第1の電源回路71のNMOS素子71Aのソース端子の電位が引き上げられると、第1の電源回路71にはシンク能力がないためこれを引き戻すことはできない。この結果、第1の電源回路71であるNMOS素子71Aのゲート‐ソース間電圧がそのしきい値電圧よりも減少してしまい、結果的に第1の電源回路71は非導通となるためである。
すなわち、タイミング生成回路13が動作するための電力供給源は、発電開始直後は降圧回路10の降圧入力(整流手段50出力)の系統であるが、降圧回路10が動作し定常状態となれば降圧回路10の中間出力Vmの系統に自動的に切り替わる。この制御には電圧計測などの複雑でかつ電力消費を伴う回路を必要としていないことは明らかである。
次に、蓄電手段20の端子電圧が高いときの動作について説明する。
蓄電手段20の充電が進んだ状態であり、仮に蓄電電圧VBTが1.5Vであるようなときに発電手段40が発電を開始すると(図11の時刻t4)、上記と同様の起動動作により参照電圧生成回路30'は動作を開始するが(図11の時刻t3)、このときはリミット手段60のリミット動作は停止するため、降圧回路10が降圧動作を開始すると、出力端子は蓄電電圧VBTがそのまま現れる。このときは中間出力Vmには、Vm=1.5V×3=4.5V の電圧が現れる。
中間出力Vmは十分高い電圧となり、第2の電源回路72にはすでに第3の参照電圧Vr3が印加されているため、第2の電源回路72のうちNMOS素子72Aはソースフォロワ動作となる。
これにより、タイミング生成回路13には、第3の参照電圧Vr3の電圧値からNMOS素子72Aのしきい値電圧を減じた約2.0Vの電圧が印加され、中間出力Vmから電源供給がなされるようになる(図11の時刻t6)。
一方、このときもまた、第1の電源回路71は非導通状態となり、タイミング生成回路13が動作するための電力供給源は、定常時には降圧回路10の中間出力Vmの系統に自動的に切り替わる。
ここで、タイミング生成回路13を動作させるのに必要な電力について注目すると、降圧充電システムとしてみたときは、第1の実施形態と比べて1/2の消費電力となっている。これについて図12を用いて簡単に説明する。
降圧回路10は、高効率での降圧がなされるのは先の実施形態で示したとおりである。例えば、第1の降圧ブロック11に注目すれば、第1の降圧段110Aに入力される電力と出力される電力は等しく損失は無視できるレベルである。
言い換えれば、第1の降圧段110Aの入力側に印加される電圧および流れ込む電流との積と、出力側の電圧および流れ出す電流の積とは等しい。特に第1の降圧段110Aの
降圧倍率は2であるので、第1の降圧段110Aの出力側の電圧は入力側電圧の1/2であるが、流れ出す電流は流れ込む電流の2倍となる。
この流れ出す電流の一部がタイミング生成回路13に供給され消費されることになるが、この電流量は、降圧回路10の入力電流に換算すると1/2に圧縮されてしまう。
タイミング生成回路13は、第1の参照電圧Vr1により定電流バイアスされることで動作電流が一定(Iosc)に制御されているとすれば、図12(b)に示したように、この分の電流を降圧手段10の入力端子101に流れ込む負荷電流に換算するとIosc/2となる。これと負荷電圧VLとの積がタイミング生成回路13を動作させるために実質的に消費する電力に相当するので、この換算電力はVL・Iosc/2となる。
一方、第1の実施形態では、タイミング生成回路13はこの降圧回路10の入力側で直接電源供給していた。このため、図12(a)に示したように、タイミング生成回路13の動作電流Ioscは降圧手段10の入力端子101に流れ込む負荷電流とに換算しても同じである。よって実質的に消費する電力はVL・Ioscとなる。これと前述の換算電力とを比較すれば明らかであるが、この第2の実施形態におけるタイミング生成回路13を動作させるための実質的な消費電力は、第1の実施形態の1/2となる。
すなわち、この第2の実施形態においては、第1の実施形態が持つ機能に加えて、さらにシステム自身の消費電力を抑えることが可能となり、その分だけ蓄電手段20の充電量を増やすことで充電効率を高められる効果があることが分かる。
以上に説明したように、この第2の実施形態では、タイミング生成回路の動作電源の供給系統として2つの電源回路を用い、かつシステムの状態についての能動的な検出を行わずにこの2つの電源回路の切り替えるようにした。システムとしてはやや複雑になるが、システムの状態についての能動的な検出を行ってもよい。そのような例について次に説明する。
[第3の実施形態:図10]
図10を用いて、本発明の第3の実施形態である降圧充電システムについて説明する。この降圧充電システムの例も、タイミング生成回路などの制御系回路での消費電力を削減する目的で、降圧回路の中間出力をタイミング生成回路の動作電源として用いる例である。
特にこの例では、タイミング生成回路の動作電源を供給するために1つの電源回路を用い、かつシステムの状態について能動的に検出を行い、タイミング生成回路への電源供給系統を切り替える例である。
この第3の実施形態の構成および動作について、図10を用いてごく簡単に説明する。
この第3の実施形態である降圧充電システムの構成のうち、前述の第2の実施形態の降圧充電システムと異なる点および追加された構成要素について主に説明する。
この例は、前述の第2の実施形態と同じ構成が含まれるため、それらについては同一の符号を付与している。
[第3の実施形態の構成説明:図10]
参照電圧生成回路30''は第2の実施形態における参照電圧生成回路30'とほぼ同様の構成である。参照電圧生成回路30''からは3つの電圧を出力するが、第1の参照電圧
Vr1と第2の参照電圧Vr2の他に、第4の参照電圧Vr4を出力するものとする。第4の参照電圧Vr4は、前述のリミット手段60のリミット電圧1.0Vの3倍より若干低い約2.5Vとする。この3倍という係数は、第2の降圧段110Bの降圧倍率である。
また、第3の電源回路73と、比較回路74と、スイッチ回路75とを備えているのが特徴である。
第3の電源回路73は、第2の電源回路72と同じ機能を備えた回路であり、ソースフォロワ回路として1.5Vの定電圧出力を行うものである。
比較回路74は低電力のコンパレータであり、比較回路74により第4の参照電圧Vr4と降圧回路10の中間出力Vmとを入力し、これらの電圧値の比較が可能なようにしている。
スイッチ回路75は、降圧回路10の降圧入力端子101と、降圧回路10の中間出力Vmとの2つの系統から1つを選択可能な、周知のアナログスイッチ回路である。スイッチ回路75が選択した電源系統を、第3の電源回路73を介してタイミング生成回路13へ電源供給可能なように構成している。
スイッチ回路の選択動作は比較回路74の比較結果によってなされ、第4の参照電圧Vr4よりも降圧回路10の中間出力Vmが高いときに降圧回路10の中間出力Vmの系統を選択し、そうでない期間は降圧回路10の降圧入力の系統を選択可能な構成としている。
[第3の実施形態の動作説明:図10]
次に、第3の実施形態の降圧充電システムの動作についてごく簡単に説明する。
発電手段40が発電を開始すると、参照電圧生成回路30''およびリミット手段60が動作を開始する。降圧回路10は動作を開始する前は降圧回路10の中間出力Vmはほとんど接地電位であり、比較回路74はこれを検知し、タイミング生成回路13への電源供給系統が降圧回路10の入力側となるようにスイッチ回路75を切り替える。タイミング生成回路13には、第3の電源回路73によって2.0Vが印加される。
その後に、降圧回路10が動作を開始し、蓄電手段20への充電が行われる。リミット手段60のリミット電圧は1.0Vであり、降圧回路10の中間出力Vmの電圧は3.0Vよりも必ず高くなる。この電圧は第4の参照電圧Vr4の電圧値である2.5Vよりも高いため、比較回路74がこれを検知し、タイミング生成回路13への電源供給系統を降圧回路10の中間出力Vm側となるようにスイッチ75を切り替える。
この切り替え動作は、蓄電手段20の端子電圧によらず同様である。この第3の実施形態においても、第2の実施形態が持つのと同様に、システム自身の消費電力を抑えることが可能となり、その分だけ蓄電手段20の充電量を増やすことで効率を高められる効果があることが分かる。
以上に説明したように、この第3の実施形態では、タイミング生成回路の動作電源の供給系統を、システムの状態についての能動的な検出を行うことで切り替えるようにした。電源供給系統の切り替えを受ける回路要素は、タイミング生成回路のみとしたが、この限りではない。システムの起動シーケンスへの影響がない範囲であれば、消費電力が比較的大きい回路要素を含めることで更なる効果が得られる。
10 降圧回路
11 第1の降圧ブロック
12 第2の降圧ブロック
13 タイミング生成回路
14 可変抵抗素子
20 蓄電手段
30,30',30'' 参照電圧生成回路
40 発電手段
50 整流手段
60 リミット手段
61 PMOS素子
62 ダイオード
71 第1の電源回路
72 第2の電源回路
73 第3の電源回路
74 比較回路
75 スイッチ回路
100 降圧手段

Claims (10)

  1. 高電圧を出力する発電手段(40)の発電出力を入力し、蓄電手段(20)に降圧充電するための降圧充電出力(102)を有する降圧充電システム(100)であって、
    前記発電出力を降圧する降圧回路(10)と、
    前記降圧回路(10)が降圧動作するためのタイミング信号を生成するタイミング生成回路(13)と、
    前記 降圧回路(10)の出力と前記降圧充電出力(102)の間に設けられ、
    前記降圧回路(10)の出力端子の電圧が、所定のリミット電圧を下回らないようにインピーダンスを連続的に変化させるリミット手段(60)と、を有することを特徴とする降圧充電システム。
  2. 前記リミット電圧に前記降圧回路(10)の降圧倍率を乗じた電圧値が、前記降圧回路(10)の最低動作可能電圧よりも高い
    ことを特徴とする請求項1に記載の降圧充電システム。
  3. 前記発電出力により所定の参照電圧を生成する参照電圧生成回路(30)を備え、前記リミット手段(60)は、前記参照電圧により前記リミット電圧を決定する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の降圧充電システム。
  4. 前記リミット手段(60)は、前記参照電圧によりゲート端子をバイアスしたMOSトランジスタ(61)によるソースフォロワ回路を備えた
    ことを特徴とする請求項3に記載の降圧充電システム。
  5. 前記タイミング生成回路(13)は、前記参照電圧が印加されることによって前記タイミング信号を生成し、
    前記降圧回路(10)が降圧動作を開始するよりも早く、前記リミット手段(60)が動作を開始する
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の降圧充電システム。
  6. 前記リミット手段(60)は、前記ソースフォロワ回路に直列に接続したスイッチ(63)と、前記蓄電手段(20)と前記降圧回路(10)の出力端子との間の電位差によって前記スイッチ(63)の導通状態を制御する回路(64)と、をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項4に記載の降圧充電システム。
  7. 前記タイミング生成回路(13)へ電源供給する系統として、
    前記降圧回路(10)の入力(VL)を供給源とする第1の系統と、
    前記降圧回路(10)の中間出力(Vm)を供給源とする第2の系統と、
    を有し、
    前記第1の系統と前記第2の系統を切り替えて前記タイミング生成回路(13)の電源とする
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の降圧充電システム。
  8. 前記降圧回路(10)の中間出力の電圧値(Vm)が、
    前記降圧回路(10)の中間出力から前記降圧回路(10)の出力までの降圧倍率に前記リミット電圧を乗じた値と同じかそれ以上であるとき、
    前記第1の系統から前記第2の系統に切り替える
    ことを特徴とする請求項7に記載の降圧充電システム。
  9. 請求項1から8のいずれか1つに記載の降圧充電システムと、
    高電圧を出力する発電手段(40)と、蓄電手段(20)と、を有する
    ことを特徴とする電源。
  10. 前記発電手段(40)が、静電誘導発電機である
    ことを特徴とする請求項9に記載の電源。
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