JP5617545B2 - 電源コントローラ、および電子機器 - Google Patents

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Description

本願に開示の技術は、スイッチング電源の出力電圧を制御する電源コントローラ、および該電源を使用する電子機器に関するものである。
スイッチング制御によるDC−DCコンバータ電源について、各種の制御方式が提案されている。こうした制御方式の一例として、差動対と容量素子とを備え、差動対をバイアスするバイアス電流が分流されて出力される差動出力電流により容量素子を充電してスイッチングのタイミングを制御するものがある。差動対により、基準電圧と出力電圧とが比較され基準電圧に対する出力電圧の誤差電圧に応じて分流電流が差動出力電流として出力され、容量素子が充電される。容量素子は、スイッチング周期ごとに初期化のために放電された上で充電が開始される。スイッチングの1周期内で容量素子の端子間電圧が充電により所定の電圧に達することに応じて、スイッチング動作が行なわれる(非特許文献1など)。
Massimiliano Belloni、他2名、"High Efficiency DC-DC Buck Converter with 60/120-MHz Switching Frequency and 1-A Output Current"、Proceedings of ESSCIRC 2009、14-18 Sept, 2009、p.452-455
背景技術に開示される制御方式において、出力電圧が基準電圧に一致する平衡状態に制御されている場合、差動対ではバイアス電流が2つの電流経路の各々に同量に分流される。容量素子はバイアス電流の半分の分流電流で充電される。負荷変動等により過渡的に出力電圧が変動すると、バイアス電流は差動対の何れか一方に局在して分流されることとなる。容量素子を充電する分流電流は最大でバイアス電流とはなるものの、平衡状態からの分流電流の増分は2倍以下に過ぎない。出力電圧の過渡的な変動に対してスイッチング動作におけるデューティ変動に寄与する分流電流の増分が制限されており、十分に高速な過渡応答性能を実現できない場合があり問題である。
また、入力電圧や出力電圧によってスイッチング動作のデューティは変化する。デューティの変化により、差動対のバイアス電流の分流比が2経路で同量となるバランス状態とは異なる分流比になることが考えられる。分流比のずれは差動対に入力される出力電圧の基準電圧からのずれを招来する。背景技術では、差動回路のgmで決まる容量素子を充電する分流電流に比例してデューティが変化する(容量素子の端子間電圧が所定電圧に充電されるまでの間にメインスイッチが導通して電力供給が行なわれる場合)ので、出力電圧のずれに対して、デューティ変化が小さく、十分な出力電圧精度を確保できないおそれがあり問題である。
本願に開示される技術は、上記の課題に鑑み提案されたものであって、差動対と容量素子とを備え、差動対をバイアスするバイアス電流が分流されて出力される分流電流により容量素子を充電してスイッチングのタイミングを制御する制御方式において、分流電流の変化に対するスイッチング動作のデューティ変動のゲインを大きくすることにより、出力電圧変動に伴う過渡応答特性の改善と出力電圧精度の改善を図ることが可能な電源コントローラ、および電子機器を提供することを目的とする。
出力電圧に対応するフィードバック電圧と基準電圧とを比較する差動対と、差動対の一方に分流する分流電流に応じて充電される容量素子と、差動対への供給電流に応じた定電流を生成し、容量素子に並列に接続され、分流電流に応じた充電電流の一部を相殺する電流を流す電流源と、容量素子の端子電圧と所定電圧と比較する比較器と、所定周期をするクロック信号と比較器から出力される出力信号とに応じてトランジスタをスイッチング制御する制御部とを備え、所定周期でスイッチング制御を行なう電源コントローラが提供される。
出力電圧に対応するフィードバック電圧と基準電圧とを比較する差動対と、所定周期ごとに順次選択され、−1)周期(N≧2の自然数)の期間と所定周期の期間のうちのトランジスタがオフ状態の期間とを加えた第1期間に、差動対の一方に分流する分流電流に応じた充電が行なわれるN個の容量素子と、N個の容量素子のうち第1期間が経過し充電が終了した容量素子を選択する選択回路と、選択回路により選択されるN個の容量素子のうちの一の容量素子の端子電圧と所定電圧と比較する比較器と、所定周期をするクロック信号と比較器から出力される出力信号とに応じてトランジスタをスイッチング制御する制御部とを備え、所定周期でスイッチング制御を行なう電源コントローラが提供される。
本願に開示される技術に係る電源コントローラ、および電子機器によれば、出力電圧は、出力電圧の目標値からのズレを小さな電圧値に抑えられ、デューティが異なる条件である時も出力電圧の精度が改善される。また、出力電圧の微少な変動に対してデューティを大きく変化できることより、負荷の急激な変動に伴う出力電圧の過渡的な変動に対する応答特性が改善される。
第一実施形態に係るスイッチング電源1aの回路図である。 第一実施形態に係るスイッチング電源1aの動作波形図である。 第一実施形態の変形例であるスイッチング電源1bの回路図である。 第二実施形態に係るスイッチング電源2aの回路図である。 第二実施形態に係るスイッチング電源2aの動作波形図である。 第二実施形態の変形例であるスイッチング電源2bの回路図である。 第二実施形態の変形例であるスイッチング電源2cの回路図である。 スイッチング電源を搭載した電子機器100を示すブロック図である。
図1は、第一実施形態に係るスイッチング電源1aの回路図である。
スイッチング電源1aは、差動対回路10と、ミラー回路11と、充電回路12と、コンパレータ回路13と、インバータ回路14と、RSフリップフロップ回路15と、クロック生成回路16と、pMOSトランジスタQ7と、整流用ダイオードDと、インダクタLと、キャパシタCoとを備える。
差動対回路10は、電流I1を供給する定電流源CS1と、pMOSトランジスタQ1と、pMOSトランジスタQ2とを備える。pMOSトランジスタQ1とpMOSトランジスタQ2とは同じ電流能力を持つ。定電流源CS1は、pMOSトランジスタQ1のソース端子とpMOSトランジスタQ2のソース端子とに一端が接続される。他端は入力電圧Vinに接続される。pMOSトランジスタQ1は、ゲート端子に基準電圧Vrが入力され、ドレイン端子は接地電圧に接続される。pMOSトランジスタQ2は、ゲート端子に出力電圧Voutが入力され、ドレイン端子は後述するnMOSトランジスタQ3のドレイン端子に接続される。
差動対回路10は、基準電圧Vrと出力電圧Voutとが等しいバランス状態の時、pMOSトランジスタQ1とpMOSトランジスタQ2とに分流される電流は共に等しく、pMOSトランジスタQ1とpMOSトランジスタQ2とが流す分流電流は共に電流I1の1/2である。
pMOSトランジスタQ2に分流電流I(Q2)が流れるものとする。出力電圧Voutが基準電圧Vrと比較し高い場合、分流電流I(Q2)はバランス状態の時と比べ減少する。出力電圧Voutが高いほど分流電流I(Q2)は減少し最小は0Aとなる。つまり、バランス状態から出力電圧Voutが増加するとき、差動対回路10によって分流される分流電流I(Q2)は、出力電圧Voutが増加に応じて電流I1の1/2から0Aまで減少する。
一方、出力電圧Voutが基準電圧Vrと比較し低い場合、分流電流I(Q2)はバランス状態の時と比べ増加する。出力電圧Voutが低いほど分流電流I(Q2)は増加し最大は電流I1となる。つまり、バランス状態から出力電圧Voutが減少するとき、差動対回路10によって分流される分流電流I(Q2)は、出力電圧Voutの減少に応じて電流I1の1/2から電流I1まで増加する。
ミラー回路11は、nMOSトランジスタQ3とnMOSトランジスタQ4とを備える。nMOSトランジスタQ4の電流能力はnMOSトランジスタQ3の電流能力の2倍であるものとする。nMOSトランジスタQ3のドレイン端子とゲート端子とはpMOSトランジスタQ2のドレイン端子に接続される。nMOSトランジスタQ3には分流電流I(Q2)が流れる。nMOSトランジスタQ3のゲート端子とnMOSトランジスタQ4のゲート端子とは接続されている。よって、nMOSトランジスタQ4の流れる電流I(Q4)はpMOSトランジスタQ2およびnMOSトランジスタQ3の流れる電流I(Q2)の2倍となる。
充電回路12は、キャパシタCpと、スイッチS1と、本考案の本体である相殺電流I2を流す定電流源CS2とを備える。キャパシタCpは、入力電圧VinとnMOSトランジスタQ4のドレイン端子との間に接続される。キャパシタCpの端子間には、定電流源CS2とスイッチS1とが接続される。キャパシタCpを充電する電流を充電電流Icpとする。充電電流Icpは、電流I(Q4)から相殺電流I2を減じた電流である(Icp=I(Q4)−I2)。キャパシタCpとnMOSトランジスタQ4のドレイン端子との接続点の電圧を端子電圧Vcpとする。
コンパレータ回路13は、非反転入力端子に端子電圧Vcp、反転入力端子に基準電圧Vcが入力される。出力端子はインバータ回路14の入力端子に接続される。基準電圧Vcは、入力電圧Vinから所定の電圧値を減じた電圧である。インバータ回路14はコンパレータ回路13の出力信号の位相を反転させる。端子電圧Vcpが基準電圧Vcより高電圧である場合にはコンパレータ回路13の出力端子はハイレベルを出力する。このとき、インバータ回路14の出力信号はローレベルである。端子電圧Vcpが基準電圧Vcを下回るとコンパレータ回路13の出力端子はローレベルに反転する。これにより、インバータ回路14の出力信号はローレベルからハイレベルに遷移する。
クロック生成回路16は、スイッチS1とRSフリップフロップ回路15のリセット端子にクロック信号CLKを出力する回路である。ここで、クロック信号CLKはクロックサイクルの開始に伴いハイレベルのパルスを出力するものとする。
RSフリップフロップ回路15は、セット端子にインバータ回路14の出力端子が接続されインバータ回路14の出力信号が入力される。リセット端子にクロック生成回路16の出力端子が接続されクロック信号CLKが入力される。出力端子XQは、pMOSトランジスタQ7のゲート端子に接続される。
セット端子の入力信号がハイレベル遷移するとpMOSトランジスタQ7のゲート端子はローレベルに遷移する。pMOSトランジスタQ7はオン状態になり、入力電圧VinをインダクタLに供給する。
一方、リセット端子の入力信号がハイレベル遷移するとpMOSトランジスタQ7のゲート端子はハイレベルに遷移し、pMOSトランジスタQ7はオフ状態になり、インダクタLへの入力電圧Vinの供給を停止する。
インダクタLは、pMOSトランジスタQ7のドレイン端子とキャパシタCoの一端との間に接続される。キャパシタCoの他端子は接地電圧に接続される。整流用ダイオードDは、カソードがpMOSトランジスタQ7とインダクタLとの接点に接続される。アノードは接地電位に接続される。インダクタLおよびキャパシタCoが接続される端子に発生する電圧が出力電圧Voutである。
第一実施形態に係るスイッチング電源1aは、降圧型のスイッチング電源である。クロック信号CLKによる一定のクロックサイクルでスイッチング動作が行なわれる。オフ期間の制御によりデューティを制御することができる。降圧型のDC−DCコンバータの場合、デューティは出力電圧Vout/入力電圧Vinであることが知られている。
第一実施形態に係るスイッチング電源1aの動作について説明する。クロック生成回路16からクロック信号CLKがハイレベルのパルス信号で出力されるとRSフリップフロップ回路15はリセットされ、pMOSトランジスタQ7のゲート端子にはハイレベルが入力される。pMOSトランジスタQ7はオフ状態になる。このとき、オフ期間が開始し、インダクタLに蓄積されている電磁エネルギーが接地電圧から整流用ダイオードDおよびインダクタLを介しキャパシタCoに向かって放出される。いわゆる回生状態である。クロック信号CLKのハイレベルのパルス信号は、充電回路12が備えるスイッチS1を導通する。これにより、キャパシタCpは放電され端子電圧Vcpは入力電圧Vinとなり、キャパシタCpが初期化される。クロック信号CLKがローレベルになるとスイッチS1は開放状態となり、充電電流IcpによってキャパシタCpは充電される。キャパシタCpの充電に伴い端子電圧Vcpは低下する。
キャパシタCpの充電が継続され端子電圧Vcpが基準電圧Vcを下回るとコンパレータ回路13の出力端子はハイレベルからローレベルに遷移する。これにより、インバータ回路14を介してRSフリップフロップ回路15のセット端子はハイレベルに遷移する。RSフリップフロップ回路15によってpMOSトランジスタQ7のゲート端子はローレベルとされオン状態になる。すなわち、クロック信号CLKがハイレベルのパルス信号で出力されてからキャパシタCpが充電されて端子電圧Vcpが基準電圧Vcを下回るまでの間、pMOSトランジスタQ7がオフ状態を継続する。この期間がオフ期間である。
pMOSトランジスタQ7のオンにより入力電圧VinがインダクタLに供給される。クロックサイクル経過後、再びクロック信号CLKがハイレベルのパルスで出力されると、pMOSトランジスタQ7はオフ状態になりキャパシタCpは初期化される。以下、クロックサイクルごとにスイッチング電源のスイッチング動作が繰り返される。
キャパシタCpの充電について説明をする。キャパシタCpは充電電流Icpによって充電される。充電電流Icpは、電流I(Q4)から相殺電流I2を減じた電流である(Icp=I(Q4)−I2)。相殺電流I2は定電流であり、差動対回路10がバランスしているときの電流I(Q4)より小さく設定され、例えば電流I1の1/2とする。電流I(Q4)はミラー回路11を介し、差動対回路10によって制御される。充電電流Icpは差動対回路10に入力される出力電圧Voutと基準電圧Vrとの電圧差により制御される。
基準電圧Vrと出力電圧Voutとが等しいバランス状態では、分流電流I(Q2)は電流I1の1/2と等しく、電流I(Q4)は分流電流I(Q2)の2倍であるから、電流I(Q4)は電流I1と等しい。このとき、充電電流Icpは電流I1から相殺電流I2を減じた電流である(Icp=I1−I2)。
出力電圧Voutが基準電圧Vrと比較し高い場合、バランス状態と比較し、分流電流I(Q2)の電流値は減少する。出力電圧Voutが高いほど電流I(Q4)は減少し、最小で0Aとなる。充電電流Icpは、バランス状態における電流と比較して出力電圧Voutが高いほど減少し、分流電流I(Q4)がバランス状態の1/2以下となると、相殺電流I2が電流I1の1/2と設定されていることから充電電流Icpはなくなる。充電電流Icpが減少するほどキャパシタCpの充電速度は低下し、端子電圧Vcpの電圧値の時間当たりの低下速度は小さくなる。
一方、出力電圧Voutが基準電圧Vrと比較し低い場合、バランス状態と比較し、分流電流I(Q2)の電流値は増加する。出力電圧Voutが低いほど電流I(Q4)は増加し、最大で電流I1の2倍となる。電流I(Q4)がI1の2倍になるまで、充電電流Icpは、バランス状態における電流と比較して出力電圧Voutが低いほど増加する。充電電流Icpが増加するほどキャパシタCpの充電速度は増大し、端子電圧Vcpの電圧値の時間当たりの低下速度は大きくなる。
充電回路12は、差動対回路10によって制御される電流I(Q4)に従い、充電電流Icpが変化することにより、端子電圧Vcpの電圧値の時間当たりの低下速度を制御する。これにより、pMOSトランジスタQ7のオフ状態の期間であるオフ期間が制御される。クロック生成回路16では一定周期のクロック信号CLKを出力し、クロック信号CLKによりスイッチング動作の周期が決定されるため、オフ期間の制御によりスイッチング動作のデューティが決定される。デューティは、入力電圧Vinと出力電圧Voutとの比(Vout/Vin)で一意に定まるので、入力電圧Vin、基準電圧Vrで設定される出力電圧Vout、およびクロック生成回路16から出力されるクロック信号CLKの発振周期に応じて、オフ期間が決定される。
この場合の充電電流Icpは、差動対回路10による分流電流I(Q2)により調整される。すなわち、入出力電圧や発振周期で決まるオフ期間と、差動対回路10がバランス状態にある場合の分流電流I(Q2)に応じた充電電流IcpとキャパシタCpと基準電圧Vcで決まる時定数を合致させることにより、出力電圧Voutは基準電圧Vrに等しい電圧に制御される。
充電電流Icpは電流I(Q4)から相殺電流I2を減じた電流(Icp=I(Q4)−I2)である。相殺電流I2の電流値を電流I(Q4)の電流値に近づければ充電電流Icpは小さな電流値となり、キャパシタCpの容量値も小さくする必要がある。この時、出力電圧の変化、すなわち差動対回路10への入力信号の変化による電流I(Q4)の変化量は変わらず、充電電流Icpの変化量となるが、充電電流Icpが小さな電流値となっているため、相対的にオフ期間の変化が大きくなる。つまり、デューティ変化に対応するオフ期間の変化を実現するのに必要な出力電圧変動は小さくなる。
したがって、素子バラツキやデューティが異なる設定条件での電流I1や基準電圧Vcの設定精度不足など、バランス状態からズレた状態でデューティが調節される場合において、相殺電流I2がない一般的な技術と比較して出力電圧Voutの基準電圧Vrからのズレは、充電電流Icpが小さくなった比にほぼ比例して減少し、出力電圧Voutの精度が改善される。
入力電圧Vinがバランス状態と比較し1.25倍に設定される場合を検討する。デューティは入力電圧Vinと出力電圧Voutとの比(Vout/Vin)で一意に定まるので、スイッチング電源1aは、標準デューティが例えば40%の場合、40%を1.25で除した32%のデューティで動作する。これにより、オフ期間は、標準時の113%((1−0.32)/(1−0.4))に制御される。
オフ期間は充電電流Icpに反比例するため、充電電流Icpは、0.88倍となる(1/1.13)。
相殺電流I2のない一般的な技術においては、充電電流Icpは電流I(Q4)に等しいため、電流I(Q4)も0.88倍となる。
一方、相殺電流I2のあるスイッチング電源1aにおいては、電流I1を変えない場合、充電電流Icpは相殺電流I2を減じている分、電流I(Q4)より小さな電流であり、相殺電流I2は固定電流であることから、充電電流Icpの変化分を担う電流I(Q4)の変化分は0.88倍より小さな値となる。
例えば、相殺電流I2が電流I1の3/4である場合を例示する。デューティが40%での充電電流Icpは、電流I1の1/4である。デューティが32%の時には、電流I(Q4)は0.97倍となる(ΔI(Q4)=ΔIcp+I2=0.88×1/4+3/4=0.97)。相殺電流I2のある場合は、相殺電流I2のない場合と比較し、電流I(Q4)の減少量、すなわち分流電流I(Q2)の減少量を小さくすることができる。
電流I(Q4)は、分流電流I(Q2)に応じて、ミラー回路11によって制御される電流であり、分流電流I(Q2)は電流I(Q4)に比例する。このため、相殺電流I2のある場合は、相殺電流I2のない場合と比較し、分流電流I(Q2)の減少量を小さくできる。
分流電流I(Q2)の電流値は、pMOSトランジスタQ2のゲート端子に入力される出力電圧Voutに依存するため、出力電圧Voutは、バランス状態と比較し、電圧値が高くなる。相殺電流I2のある場合の出力電圧Voutの増分は、相殺電流I2のない場合の出力電圧Voutの増分と比較して、分流電流I(Q2)の減少量が小さくなり、この場合、差動電流の変動が1/4となるので、出力電圧の誤差も略1/4と低減される。
次に、入力電圧Vinがバランス状態と比較し0.8倍に設定される場合を検討する。この場合は、スイッチング電源1aは、40%を0.8で除した50%のデューティで動作する。導出式は入力電圧Vinが1.25倍に設定された場合と同等である。
40%のデューティから50%のデューティにするため、オフ期間は、0.83倍となる((1−0.5)/(1−0.4)=0.5/0.6)。オフ期間Toffは充電電流Icpに反比例するため、充電電流Icpは、1.2倍となる(1/0.83)。
相殺電流I2のない一般的な技術においては、電流I(Q4)も1.2倍となる。
相殺電流I2のある場合においては、電流I(Q4)の変化分は、1.2より小さな値となる。
相殺電流I2が電流I1の3/4である場合を例示する。デューティが50%では、電流I(Q4)は1.05倍となる(ΔI(Q4)=ΔIcp+I2=1.2×1/4+3/4=1.05)。相殺電流I2のある場合は、相殺電流I2のない場合と比較し、電流I(Q4)の増加量、すなわち分流電流I(Q2)の増加量を略1/4に小さくできる。
分流電流I(Q2)は電流I(Q4)に比例するため、相殺電流I2のある場合は、相殺電流I2のない場合と比較し、分流電流I(Q2)の増加量を小さくできる。
分流電流I(Q2)の電流値は、出力電圧Voutに依存するため、出力電圧Voutは、バランス状態と比較し、電圧値が低くなる。相殺電流I2のある場合の出力電圧Voutの減分は、相殺電流I2のない場合の出力電圧Voutの減分と比較して、分流電流I(Q2)の増加量が小さくなり、この場合、差動電流の変動が1/4となるので、出力電圧の誤差も略1/4と低減される。
つまり、入力電圧Vinが差動対回路10によるバランス状態とは異なる電圧に設定されたとき、出力電圧Voutは基準電圧Vrから電圧値がずれて制御される。相殺電流I2のあるスイッチング電源1aでは、相殺電流I2のない場合と比較し、出力電圧Voutは、出力電圧Voutの目標値である基準電圧Vrからのズレを小さな電圧値に抑えることができる。よって、相殺電流I2のあるスイッチング電源1aでは、デューティの違いに対し出力電圧Voutの精度が改善される。いわゆる静特性が改善される。
尚、上記の例示では、入力電圧Vinの設定値の違いにより制御されるデューティが異なる場合を説明したが、入力電圧Vinに代えてあるいは入力電圧Vinと共に、出力電圧Voutの設定、すなわち、基準電圧Vrの電圧値の違いにより制御されるデューティが異なる場合にも同様に当てはまることは言うまでもない。
また、負荷電流の急激な増大により出力電圧Voutが動的に変動し、出力電圧Voutが過渡的に基準電圧Vrを下回るとき、相殺電流I2のある場合は、相殺電流I2のない場合と比較し、上記静特性での検討と同様に、オフ期間の減少量が例えば4倍と大きく変動するため、スイッチング電源1aの1周期からオフ期間を減じたオン時間を長くできる。したがって、負荷の急増等による出力電圧Voutの低下に対し、相殺電流I2のある場合は、相殺電流I2のない場合と比較し、負荷への電力供給の期間を長くし、過渡的に低下した出力電圧Voutを迅速に増加させることができる。負荷の急激な変動に伴う出力電圧Voutの過渡的な低下といった動的な変動に対して、より大きなデューティ変化で電力供給動作を行なうことができ、応答特性を改善することができる。
さらに、負荷電流が急減して出力電圧Voutが動的に変動し、出力電圧Voutが基準電圧Vrを上回るとき、相殺電流I2のある場合は、相殺電流I2のない場合と比較し、上記静特性での検討と同様に、オフ期間の増加量が例えば4倍と大きく変動するため、より小さい出力電圧Voutの増加量でデューティを0%にできる。したがって、負荷の急減等における出力電圧Voutの過渡的な増大に対し、相殺電流I2のある場合は、相殺電流I2のない場合と比較して、出力電圧Voutの増大幅の小さな段階でデューティを0%とすることができる。これにより、負荷への電力供給を停止して出力電圧Voutの更なる増大を停止することができる。負荷の急激な変動に伴う出力電圧Voutの過渡的な増大といった動的な変動に対する応答特性を改善することができる。
図2は、第一実施形態に係るスイッチング電源1aの動作波形図である。
領域(I)は、定常状態に対応したデューティが40%の動作波形を表す。この状態で差動対回路10はバランス状態にある。領域(II)は、例えば出力電圧が低下した場合に対応するデューティが88%の状態における動作波形を表す。領域(III)は、出力電圧が目標値を大幅に上回った場合に対応するデューティが0%の状態における動作波形を表す。
領域(II)は負荷電流が極端に急増した過渡的な状態であり、出力電圧Voutが過渡的に基準電圧Vrを下回る。領域(I)の場合に比して、キャパシタCpの充電電流Icpは大きく端子電圧Vcpの傾きは急になる。このため、端子電圧Vcpが基準電圧Vcを下回るタイミングは領域(I)の場合に比して早く、オフ期間Toffは短くなる。端子電圧Vcpが基準電圧Vcを下回ってから、クロック信号CLKがハイレベルのパルス信号で出力される次の周期の開始までのオン期間Tonは領域(I)に比して長くなり、大きなデューティで動作する。本案によると、差動対回路10のpMOSトランジスタQ1に電流が流れず、電流I1が全てpMOSトランジスタQ2に流れる場合、電流I(Q4)が領域(I)の時の2倍となり、充電電流Icpは5倍((2−3/4)/(1/4)=5)となり、オフ期間が1/5となるため、デューティが88%となる。一般的な技術では、オフ期間は1/2となり、デューティは最大でも70%に制限されていた。
領域(III)は負荷電流が極端に急減した過渡的な状態であり、出力電圧Voutが過渡的に基準電圧Vrを上回る。領域(I)の場合に比して、キャパシタCpの充電電流Icpは小さく端子電圧Vcpの傾きは緩くなる。領域(III)の波形において、端子電圧Vcpはクロックサイクルの1周期内では基準電圧Vrを下回ることがない。そのため、RSフリップフロップ15がセットされず、pMOSトランジスタQ7は非導通状態のままであり、デューティは0%となる。本案によると、差動対回路10のpMOSトランジスタQ2に電流I1の9/20が流れ(オフ期間が5/3倍であり、Icpが3/5となるとき、I(Q2)は、1/2×((1/4)×(3/5)+(3/4))=9/20)、残りの11/20がpMOSトランジスタQ1に流れる場合、オフ期間が5/3となるため、デューティが0%となる。一般的な技術では、pMOSトランジスタQ2に電流I1の6/20((1/2)×(3/5))と4倍の電流変動が生じる出力電圧変動が、デューティが0%となるために必要であった。
図3は、第一実施形態の変形例であるスイッチング電源1bの回路図である。スイッチング電源1bは、差動対回路10およびRSフリップフロップ回路15への入力端子への接続関係がスイッチング電源1aとは逆転している以外はスイッチング電源1aと同様である。スイッチング電源1aと同様な構成に関しては、説明を省略する。
スイッチング電源1bが備える差動対回路10は、pMOSトランジスタQ1、Q2のゲート端子に入力される信号が、スイッチング電源1aとは逆の関係にある。すなわち、pMOSトランジスタQ1、Q2のゲート端子に、それぞれ出力電圧Vout、基準電圧Vrが入力される。これにより、分流電流I(Q2)の大小関係がスイッチング電源1aとは逆の関係にある。すなわち、出力電圧Voutが基準電圧Vrと比較し高い場合、分流電流I(Q2)は増大し、出力電圧Voutが基準電圧Vrと比較し低い場合、分流電流I(Q2)は減少する。
スイッチング電源1bが備えるRSフリップフロップ回路15は、セット端子、リセット端子への接続関係がスイッチング電源1aとは逆の関係にある。すなわち、セット端子にはクロック生成回路16の出力端子が接続され、リセット端子にはインバータ回路14の出力端子が接続される。
スイッチング電源1bでは、クロック生成回路16から出力されるクロック信号CLKのハイレベルのパルス信号に応じてRSフリップフロップ回路15がセットされ、pMOSトランジスタQ7はオン状態になる。キャパシタCpの充電が継続され端子電圧Vcpが基準電圧Vcを下回るとコンパレータ回路13の出力端子はハイレベルからローレベルに遷移し、RSフリップフロップ回路15はリセットされる。これにより、pMOSトランジスタQ7はオフ状態とされる。すなわち、クロック信号CLKがハイレベルのパルス信号から端子電圧Vcpが基準電圧Vcを下回るまでの間、pMOSトランジスタQ7がオン状態を継続する。
出力電圧Voutが基準電圧Vrと比較して高いほど、充電電流Icpは増加し、デューティは減少する。
一方、出力電圧Voutが基準電圧Vrと比較し低いほど、充電電流Icpは減少し、デューティは増加する。
スイッチング電源1bは、差動対回路10の入力関係の接続、およびRSフリップフロップ回路15への入力端子への接続関係を共に、スイッチング電源1aとは逆転しているため、スイッチング電源1aと同様の作用効果を奏する。
図4は、第二実施形態に係るスイッチング電源2aの回路図である。スイッチング電源2aは、ミラー回路11および充電回路12に代えてミラー回路11bおよび充電回路12bを備え、分周器18およびパルス生成回路19を備える切替制御回路17が追加されている以外は、スイッチング電源1aと同様である。スイッチング電源1aと同様の構成には同様の符号を付し、ここでの説明を省略する。
ミラー回路11bは、nMOSトランジスタQ3と、nMOSトランジスタQ4と、nMOSトランジスタQ8とを備え、それぞれトランジスタの電流能力は等しいとする。nMOSトランジスタQ3のドレイン端子とゲート端子とは、nMOSトランジスタQ4と、nMOSトランジスタQ8とのゲート端子に共有されている。したがって、nMOSトランジスタQ3に流れる分流電流I(Q2)はnMOSトランジスタQ4に流れる充電電流Icp1とnMOSトランジスタQ8に流れる充電電流Icp2と等しい。
充電回路12bは、キャパシタCp1と、キャパシタCp2と、スイッチS1と、スイッチS2とを備える。キャパシタCp1は、入力電圧VinとnMOSトランジスタQ4のドレイン端子との間に接続される。キャパシタCp1の端子間には、スイッチS1が接続される。キャパシタCp1とnMOSトランジスタQ4のドレイン端子との接続点の電圧を端子電圧Vcp1とする。キャパシタCp2は、入力電圧VinとnMOSトランジスタQ8のドレイン端子との間に接続される。キャパシタCp2の端子間には、スイッチS2が接続される。キャパシタCp2とnMOSトランジスタQ8のドレイン端子との接続点の電圧を端子電圧Vcp2とする。
切替制御回路17は、分周器18と、パルス生成回路19とを備える。分周器18は、クロック信号CLKのハイレベルのパルス信号が入力される度に、ハイレベルとローレベルとで交互に切り替る制御信号SC3が出力される。
パルス生成回路19は、クロック信号CLKと制御信号SC3とが入力される。クロック信号CLKのハイレベルのパルスが入力されると、制御信号SC3がハイレベルの時、ハイレベルのパルス信号である制御信号SC2が出力される。また、制御信号SC3がローレベルの時、ハイレベルのパルス信号である制御信号SC1が出力される。制御信号SC1は充電回路12bが備えるスイッチS1の導通を制御し、制御信号SC2は充電回路12bが備えるスイッチS2の導通を制御する。
スイッチS3は、切替制御回路17から出力される制御信号SC3に切替を制御される。制御信号SC3がハイレベルの時、スイッチS3は端子電圧Vcp1をコンパレータ回路13の非反転入力端子に入力し、制御信号SC3がローレベルの時、スイッチS3は端子電圧Vcp2をコンパレータ回路13の非反転入力端子に入力する。スイッチS3は切り替る際、一旦、コンパレータ回路13と、端子電圧Vcp1および端子電圧Vcp2を開放状態とする、ブレイク・ビフォー・メイク動作を行う。スイッチS3による切り替えの際に、端子電圧Vcp1および端子電圧Vcp2のショートにより生じる端子電圧Vcp1および端子電圧Vcp2の電圧の変化を防ぐ。
このように構成されたスイッチング電源2aにおいて、差動対回路10のバランス状態の動作について図5の第二実施形態に係るスイッチング電源2aの動作波形図にある領域(I)にしたがって説明する。領域(I)は、デューティが50%の動作波形を表す。この状態で差動対回路10はバランス状態にある。
クロック信号CLKのハイレベルのパルス信号によりRSフリップフロップ回路15はリセットされ、pMOSトランジスタQ7のゲート端子にはハイレベルが入力される。pMOSトランジスタQ7はオフ状態になる。また、クロック信号CLKのハイレベルのパルス信号は切替制御回路17に入力され、ハイレベルのパルス信号ごとに切替制御回路17の備える分周器18の出力信号である制御信号SC3の論理レベルを切り替える。
制御信号SC3がローレベルの場合において、クロックサイクルの始めにハイレベルのパルス信号である制御信号SC1が切替制御回路17から出力される。制御信号SC1により、充電回路12bの備えるスイッチS1は導通する。これにより、キャパシタCp1は放電され端子電圧Vcp1は入力電圧Vinに初期化される。制御信号SC1がローレベルになるとスイッチS1は開放状態となり、充電電流Icp1によってキャパシタCp1の充電が開始される。キャパシタCp1の充電に伴い端子電圧Vcp1は低下する。このクロックサイクルはキャパシタCp1の充電開始からの初期段階であり、このクロックサイクルをプレサイクルとする。
キャパシタCp1のプレサイクル経過後、クロック信号CLKのハイレベルのパルス信号が出力され次のクロックサイクルが開始すると、制御信号SC3がハイレベルに遷移する。端子電圧Vcp1は、スイッチS3によりコンパレータ回路13に入力される。コンパレータ回路13によって、端子電圧Vcp1と基準電圧Vcとが比較される。キャパシタCp1の端子電圧Vcp1が基準電圧Vcを下回るとコンパレータ回路13の出力端子はハイレベルからローレベルに遷移する。これにより、pMOSトランジスタQ7のゲート端子はローレベルに遷移する。pMOSトランジスタQ7のオフ期間Toffが終了しオン状態になる。オン期間Tonはクロックサイクル終了まで続く。このサイクルは、端子電圧Vcp1と基準電圧Vcとが比較されるクロックサイクルである。
制御信号SC3がハイレベルの場合において、クロックサイクルの始めにハイレベルのパルス信号である制御信号SC2が切替制御回路17から出力される。制御信号SC2により、充電回路12bが備えるスイッチS2は導通する。これにより、キャパシタCp2は放電され端子電圧Vcp2は入力電圧Vinに初期化される。制御信号SC2がローレベルになるとスイッチS2は開放状態となり、充電電流Icp2によってキャパシタCp2の充電が開始される。キャパシタCp2の充電に伴い端子電圧Vcp2は低下する。このクロックサイクルはキャパシタCp2の充電開始からの初期段階であり、このクロックサイクルをプレサイクルとする。
キャパシタCp2のプレサイクル経過後、クロック信号CLKのハイレベルのパルス信号が出力され次のクロックサイクルが開始すると、制御信号SC3がローレベルに遷移する。端子電圧Vcp2は、スイッチS3によりコンパレータ回路13に入力される。コンパレータ回路13によって、端子電圧Vcp2と基準電圧Vcとが比較される。キャパシタCp2の端子電圧Vcp2が基準電圧Vcを下回るとコンパレータ回路13の出力端子はハイレベルからローレベルに遷移する。これにより、pMOSトランジスタQ7のゲート端子はローレベルに遷移する。pMOSトランジスタQ7のオフ期間Toffが終了しオン状態になる。オン期間Tonはクロックサイクル終了まで続く。このサイクルは、端子電圧Vcp2と基準電圧Vcとが比較されるクロックサイクルである。
キャパシタCp1およびキャパシタCp2は、クロック信号CLKのハイレベルパルス信号が出力される度に、一方が初期化され、他方の端子電圧がコンパレータ回路13に接続される。つまり、キャパシタCp1のプレサイクルと、端子電圧Vcp2と基準電圧Vcとが比較されるクロックサイクルとは、同じクロックサイクルの中で行われる。また、キャパシタCp2のプレサイクルと、端子電圧Vcp1と基準電圧Vcとが比較されるクロックサイクルとは、同じクロックサイクルの中で行われる。クロック信号CLKのハイレベルのパルス信号が出力される度に、基準電圧Vcの比較対象が端子電圧Vcp1と端子電圧Vcp2との間で交互になされスイッチング電源2aのスイッチング動作が繰り返される。
キャパシタCp1、Cp2への充電動作は、充電が開始されるプレサイクルを経て、端子電圧Vcp1、Vcp2が基準電圧Vcと比較される次のクロックサイクルまでの連続する2クロックサイクルの間、継続して行なわれる。キャパシタCp1、Cp2への充電動作を2クロックサイクルで行なうことにより、充電に必要となる充電電流Icp1、Icp2は、1クロックサイクルの場合に比して半分程度とすることができる。
キャパシタCp1およびキャパシタCp2の充電について説明する。充電電流Icp1および充電電流Icp2の電流値はミラー回路11bにより分流電流I(Q2)の電流値と等しい。したがって、充電電流Icp1および充電電流Icp2は差動対回路10に入力される出力電圧Voutと基準電圧Vrとの電圧差により制御される。
基準電圧Vrと出力電圧Voutとが等しいバランス状態では、分流電流I(Q2)は電流I1の1/2である。充電電流Icp1および充電電流Icp2も同様に電流I1の1/2である。
出力電圧Voutが基準電圧Vrと比較し高い場合、バランス状態と比較し、分流電流I(Q2)の電流値は減少する。出力電圧Voutが高いほど充電電流Icp1および充電電流Icp2は減少し、最小で0Aとなる。
一方、出力電圧Voutが基準電圧Vrと比較し低い場合、バランス状態と比較し、分流電流I(Q2)の電流値は増加する。出力電圧Voutが低いほど充電電流Icp1および充電電流Icp2は増加し、最大で電流I1となる。
充電回路12bは、差動対回路10によって制御される分流電流I(Q2)に従い、充電電流Icp1および充電電流Icp2が制御され、端子電圧Vcp1および端子電圧Vcp2の電圧値の時間当たりの低下速度が制御される。これにより、pMOSトランジスタQ7のオフ状態の期間であるオフ期間が制御される。第一実施形態の場合と同様に、クロック信号CLKによりスイッチング動作の周期が決定されるため、オフ期間の制御によりスイッチング動作のデューティが決定される。入力電圧Vin、基準電圧Vrで設定される出力電圧Vout、およびクロック生成回路16から出力されるクロック信号CLKの発振周期に応じて、キャパシタCp1およびキャパシタCp2の充電電流Icp1および充電電流Icp2によりオフ期間が決定される。
充電が開始されてから端子電圧Vcp1および端子電圧Vcp2が基準電圧Vcを下回るまでの期間を充電期間Tcpとする。一般的な技術では1クロックサイクルでオフ期間が設定される。このため、充電期間Tcpはオフ期間と等しい。第二実施形態において、充電期間Tcpは、キャパシタCp1およびキャパシタCp2のプレサイクルとオフ期間を加算されたものとなる。第二実施形態では、充電期間Tcpが長くなる。充電電流Icp1、Icp2は充電期間Tcpに反比例する。ここで、標準デューティが50%のとき、一般的な技術ではオフ期間がクロックサイクルの1/2であったのに対し、第二実施形態においては、プレサイクル期間が加算され、3/2サイクルとなるため、充電電流Icp1および充電電流Icp2は、1/3の電流値とすることができる。このため、デューティ変化する際には、第一実施形態と同様に、充電電流Icp1および充電電流Icp2の変化量を小さくすることができる。つまり、デューティ変化に対応するオフ期間の変化を実現するのに必要な充電電流Icp1および充電電流Icp2の変化幅を小さくすることができる。
したがって、第一実施形態と同様に、差動対回路10におけるバランス状態からのズレを小さく抑えることができ、出力電圧Voutの基準電圧Vrからのズレを小さなものとすることができる。出力電圧Voutの精度が改善される。
また、キャパシタCp1、Cp2の充電による端子電圧Vcp1、Vcp2の低下は、2クロックサイクルに渡って行なわれ、端子電圧Vcp1、Vcp2が基準電圧Vcを下回るクロックサイクルに先立ってプレサイクルがある。このため、端子電圧Vcp1、Vcp2の時間変化傾き変化幅は、動作条件の違いに伴うオフ期間の変化に関わらず、相対的小さなものとなる。コンパレータ回路13において、端子電圧Vcp1、Vcp2が基準電圧Vcを下回る際の電圧値の時間変化割合の変化幅が小さいため、コンパレータ回路13における入力電圧の遷移に伴う出力信号の遷移までの遅延時間の変化幅を小さなものとすることができる。動作条件の違いに伴う信号の伝播遅延時間の変化幅を小さなものとすることができ、出力電圧Voutの精度に資することができる。
第二実施形態に係るスイッチング電源2aについて、入力電圧Vinの違いによる出力電圧Voutの精度を、デューティが50%のとき、差動対回路10がバランス状態の場合を基に例示する。
入力電圧Vinがバランス状態と比較し1%高く設定される場合を検討する。この場合において、必要なデューティは、標準の50%より1%小さくなり、すなわち、オフ期間が1%短くなる必要がある。
オフ期間が、1%短くなるためには、キャパシタCp2がなくキャパシタCp1を備える場合においては、充電時間Tcpはオフ期間と等しいため、充電期間Tcpも1%短くなる。
キャパシタCp1に加えてキャパシタCp2のある場合においては、充電期間TcpはキャパシタCp1およびキャパシタCp2のプレサイクルとオフ期間を加算されたものとなる。よって、デューティが1%小さくなる49.5%では、充電期間は0.3%短くなる(ΔTcp=(0.495+1)/(0.5+1)=0.9967)。キャパシタCp1、Cp2を備える場合は、キャパシタCp2のない場合と比較し、充電期間Tcpの増加量を1/3に小さくできる。
充電期間Tcpは充電電流Icpに反比例するため、キャパシタCp2のない場合においては、充電電流Icp1は、1%増加となる。
キャパシタCp1、Cp2を備える場合においては、充電電流Icp1および充電電流Icp2は、0.3%の増加となる。
分流電流I(Q2)は充電電流Icp1および充電電流Icp2に比例するため、キャパシタCp1、Cp2を備える場合は、キャパシタCp2のない場合と比較し、分流電流I(Q2)の減少量を小さくできる。
分流電流I(Q2)の電流値は出力電圧Voutに依存するため、出力電圧Voutは、バランス状態と比較し、電圧値が高くなる。キャパシタCp1、Cp2を備える場合の出力電圧Voutの増分は、キャパシタCp2がなくキャパシタCp1を備える場合の出力電圧Voutの増分と比較して、分流電流I(Q2)の減少量が1/3と小さいため、略1/3に低減される。
次に、入力電圧Vinがバランス状態と比較し低く設定される場合でも同様であることは、言うまでもない。
つまり、入力電圧Vinが差動対回路10によるバランス状態とは異なる電圧に設定されたとき、出力電圧Voutは基準電圧Vrから電圧値がずれて制御される。キャパシタCp1、Cp2を備えるスイッチング電源2aでは、キャパシタCp2がなくキャパシタCp1を備える場合と比較し、出力電圧Voutは、出力電圧Voutの目標値である基準電圧Vrからのズレを小さな電圧値に抑えることができる。第一実施形態と同様に、キャパシタCp1、Cp2を備えるスイッチング電源2aにおいても、デューティの違いに対し出力電圧Voutの精度が改善される。いわゆる静特性が改善される。
尚、上記の例示では、入力電圧Vinの設定値の違いにより制御されるデューティが異なる場合を説明したが、入力電圧Vinに代えてあるいは入力電圧Vinと共に、出力電圧Voutの設定、すなわち、基準電圧Vrの電圧値の違いにより制御されるデューティが異なる場合にも同様に当てはまることは言うまでもない。
次に出力が過渡的に変化した場合の波形変化について述べる。第二実施形態に係るスイッチング電源2aについて、出力電圧Voutの動的変動に対するデューティの過渡的な変動を示すため、図5に例示するように、デューティが50%のとき、差動対回路10がバランス状態にある場合を、領域(I)に例示する。
図5の領域(II)は、過渡的に負荷電流が増加して、出力電圧Voutが低下した場合で、デューティが100%で動作している場合を示している。キャパシタCp1、Cp2の充電時間は、1サイクル(プレサイクル+オフ期間Toff=0)であり、充電電流Icp1および充電電流Icp2は、標準デューティの50%の場合と比較すると、充電時間の逆数となるため、(3/2)/1=1.5倍大きくなれば良い。一般的な技術では、充電電流が最大の2倍となった場合でも、オフ期間Toffが1/2、すなわち、最大デューティは、100%−(100%−50%)/2=75%に制限されており、デューティを100%とすることができなかった。
図5の領域(III)は、過渡的に負荷電流が減少して、出力電圧Voutが上昇した場合で、デューティが0%となった場合を示している。キャパシタCp1、Cp2の充電時間は、2サイクル(プレサイクル+オフ期間Toff)であり、充電電流Icp1および充電電流Icp2は、標準デューティの50%の場合と比較すると、(3/2)/2=0.75倍と小さくなれば良い。一般的な技術では、オフ期間Toffが2倍となるため、充電電流Icpが0.5倍となる必要があった。よって、2倍の電流変化量が必要であり、出力電圧Voutが略2倍変化しなければ同等の補正動作が行われないこととなる。
よって、スイッチング電源2aは、キャパシタCp1、Cp2を備えることにより、負荷電流の急激な増大により出力電圧Voutが動的に変動し、出力電圧Voutが過渡的に基準電圧Vrを下回るとき、デューティの100%が取ることができ、キャパシタCp2がなくキャパシタCp1を備える場合に比してより大きなデューティで動作することができ、1周期のオン期間Tonを長くできる。過渡的に低下した出力電圧Voutを迅速に増加させることができる。また、負荷電流が急減して出力電圧Voutが動的に変動し、出力電圧Voutが基準電圧Vrを上回るとき、キャパシタCp2がなくキャパシタCp1を備える場合と比較し、より小さい出力電圧Voutの増加量でデューティを0%にできる。負荷への電力供給を停止して出力電圧Voutの更なる増大を停止することができる。負荷の急激な変動に伴う出力電圧Voutの過渡的な変動に対する応答特性を改善することができる。
スイッチング電源1bと同様に、スイッチング電源2aについて、差動対回路10の入力関係の接続、およびRSフリップフロップ回路15への入力端子への接続関係を共に、逆転した場合においても、同様の作用効果を奏することはいうまでもない。
図6は、第二実施形態の変形例であるスイッチング電源2bの回路図である。スイッチング電源2bは、充電回路12bに代えて充電回路12cを備える。そのほかの回路はスイッチング電源2aと同様である。スイッチング電源2aと同様な構成に関しては、説明を省略する。
充電回路12cは、充電回路12bに相殺電流I2を流す定電流源CS2と相殺電流I3を定電流源CS3とが追加される。キャパシタCp1の端子間には定電流源CS2とスイッチS1とが接続され、キャパシタCp2の端子間には定電流源CS3とスイッチS2とが接続される。キャパシタCp1を充電する電流を充電電流Icp1は、nMOSトランジスタQ4に流れる電流である電流I(Q4)から相殺電流I2を減じた電流である(Icp1=I(Q4)−I2)。また、キャパシタCp2を充電する電流を充電電流Icp2は、nMOSトランジスタQ8に流れる電流である電流I(Q8)から相殺電流I2を減じた電流である(Icp2=I(Q8)−I3)。
第一実施形態と同様に、相殺電流I2および相殺電流I3により充電電流Icp1および充電電流Icp2が小さな電流値とされる。また、スイッチング電源2aと同様に、充電期間Tcpを長くすることによっても、充電電流Icp1および充電電流Icp2が小さな電流値とされる。これらにより、デューティ変化に対応する充電電流Icp1およびIcp2の変化量を小さくすることができる。出力電圧Voutの基準電圧Vrからのズレを小さなものとして出力電圧Voutの精度を改善することができる。
また、スイッチング電源2aと同様に、充電期間Tcpを長くすることにより、端子電圧Vcp1および端子電圧Vcp2の電圧値の時間当たりの低下速度の変化幅を小さくできる。オフ期間のばらつきを抑えることができ、出力電圧Voutの精度が改善される。
また、スイッチング電源2bは、スイッチング電源2aと同様に、デューティの100%およびデューティの0%で動作させることができるうえ、より小さな出力電圧変動でデューティの大きな変化を生じることができる。これにより、負荷の急激な変動に伴う出力電圧Voutの過渡的な変動に対する応答特性を改善することができる。
図7は、第二実施形態の変形例であるスイッチング電源2cの回路図である。スイッチング電源2cは、差動対回路10およびRSフリップフロップ回路15の入力端子への接続関係が逆転している以外はスイッチング電源2bと同様である。スイッチング電源2bと同様な作用効果を奏する。
また、第二実施形態において、充電回路12bおよび充電回路12cが備えるキャパシタの数が3つ以上であっても良い。
キャパシタを3つ以上備える場合においては、充電期間Tcpは、キャパシタの数から一つ減じた数のスイッチンサイクルによりなるプレサイクルとオフ期間Toffを加算したものとなる。したがって、キャパシタの数が増えるほど、充電期間Tcpが長くでき、充電電流Icpを小さなものとすることができる。また、端子電圧の時間変化割合も、更に緩やかなものとすることができ、動作条件の違いに基づく充電電流Icpの変化幅を小さくすることができる。オフ期間のばらつきを抑えることができる。これにより、バランス状態とは異なる状態でデューティが調節される場合において、出力電圧Voutの精度が改善される。
図8は、スイッチング電源を搭載した電子機器100を示すブロック図である。電子機器100は、例えばポータブル機器システム、パソコン、携帯電話、デジタルカメラが挙げられる。電子機器100は、バッテリ200、スイッチング電源1a、負荷回路300を備える。バッテリ200は、スイッチング電源1aに入力電圧Vinを供給するものである。たとえばリチウムイオン電池であり、もしくは、複数のリチウムイオン電池ユニットを直列接続したものである。スイッチング電源1aは、スイッチング電源1b、2a、2b、または2cであってもかまわない。負荷回路300は、たとえば、アナログ回路、デジタル回路、マイクロプロセッサ、発光素子、表示素子、センサなどである。スイッチング電源装置は、バッテリ200からの出力電圧が入力され、所定の電圧に変換し、負荷回路300に対して電源電圧を供給する。
以上、詳細に説明したように、本発明の第一実施形態によれば、スイッチング電源1aは、差動対回路10に入力される出力電圧Voutと基準電圧Vrとの差に応じて、充電回路12は充電電流Icpを制御する。充電回路12に備える定電流源CS2より供給される相殺電流I2により、充電電流Icpは低い電流値とされる。充電電流Icpは、出力電圧Voutと基準電圧Vrとの差に応じて差動対回路10から出力される電流変化量は同じであるため、充電電流Icpの変化量は同じであり、その絶対値が小さくなっていることから、充電電流Icpの変化率として大きな値が得られる。充電電流Icpによってオフ期間が決定される。
したがって、バランス状態とは異なる状態でデューティが調節される場合において、相殺電流I2がない一般的な技術と比較して出力電圧Voutの基準電圧Vrからのズレは小さなものとなり、デューティの違いに対し出力電圧Voutの精度が改善される。
また、負荷の急激な変動により出力電圧Voutが動的に変動する場合、出力電圧Voutの変化幅の小さくともデューティを大きく変化させることができる。ことのため、負荷の急激な変動に伴う出力電圧Voutの過渡的な変動に対する応答特性を改善することができる。
また、本発明の第二実施形態は、スイッチング電源2aの備える充電回路12bは、キャパシタCp1およびキャパシタCp2を備える。切替制御回路17は、キャパシタCp1およびキャパシタCp2は、クロック信号CLKのハイレベルパルス信号が出力される度に、一方が初期化され、他方の端子電圧がコンパレータ回路13に接続される。つまり、キャパシタCp1、Cp2への充電動作を2クロックサイクルで行なうことにより、充電に必要となる充電電流Icp1、Icp2は、1クロックサイクルの場合に比して半分程度とすることができる。このため、デューティ変化する際には、充電電流Icp1および充電電流Icp2の変化量を小さくすることができる。充電電流Icp1、Icp2の小さな変化で、デューティ変化に対応するオフ期間の変化を実現することができる。
したがって、第一実施形態と同様に、差動対回路10におけるバランス状態からのズレを小さく抑えることができ、出力電圧Voutの基準電圧Vrからのズレを小さなものとすることができる。出力電圧Voutの精度が改善される。
また、第一実施形態と同様に、負荷の急激な変動に伴う出力電圧Voutの過渡的な変動に対する応答特性を改善することができる。
また、端子電圧Vcp1、Vcp2の単位時間当たりの変化量は、充電電流Icp1、Icp2と同様に、小さなものとなる。このため、コンパレータ回路13において出力信号が反転するまでの遅延時間の変化幅を小さなものとすることができる。動作条件の違いに伴う信号の伝播遅延時間の変化幅を小さなものとすることができ、出力電圧Voutの精度に資することができる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。例えば、差動対回路10に出力電圧Voutが直接入力される代わりに、出力電圧Voutの抵抗分圧された電圧が差動対回路10に入力されてもよい。ミラー回路11と充電回路12の間に、カスケード素子を備えることにより充電電流Icpの安定化が行われてもよい。キャパシタCpは放電の代わりに充電により初期化が行われ、充電の代わりに放電されてもよい。整流用ダイオードDは、同期整流トランジスタスイッチが用いられることなどは、当然考えられることである。
スイッチング電源1a、1b、2a、2b、および2cは電源コントローラの一例、出力電圧Voutはフィードバック電圧の一例、キャパシタCp1およびキャパシタCp2は容量素子の一例、基準電圧Vcは所定電圧の一例、スイッチS3は選択回路の一例、コンパレータ回路13は比較器の一例、インバータ回路14と、RSフリップフロップ回路15と、pMOSトランジスタQ7とは制御部の一例である。
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめる。
(付記1)
所定周期でスイッチング制御を行なう電源コントローラであって、
出力電圧に対応するフィードバック電圧と基準電圧とを比較する差動対と、
前記差動対の一方に分流する分流電流に応じて充電が行なわれる容量素子と、
前記容量素子に並列に接続され、前記分流電流に応じた充電電流の一部を相殺する相殺電流を流す前記差動対への供給電流に応じた電流源と、
前記容量素子の端子電圧と所定電圧との比較を行なう比較器と、
前記所定周期を規定するクロック信号と前記比較器から出力される出力信号とに応じてスイッチング状態を反転する制御部とを備えることを特徴とする電源コントローラ。
(付記2)
前記クロック信号に応じて導通することにより前記容量素子を初期化するスイッチ素子を備えることを特徴とする付記1に記載の電源コントローラ。
(付記3)
所定周期でスイッチング制御を行なう電源コントローラであって、
出力電圧に対応するフィードバック電圧と基準電圧とを比較する差動対と、
前記所定周期ごとに順次選択され、N周期(N≧2の自然数)の期間、前記差動対の一方に分流する分流電流に応じた充電が行なわれるN個の容量素子と、
前記N個の容量素子のうち充電の期間が前記N周期に入った容量素子を選択する選択回路と、
前記選択回路により選択される前記N個の容量素子のうちの一の容量素子の端子電圧と所定電圧との比較を行なう比較器と、
前記所定周期を規定するクロック信号と前記比較器から出力される出力信号とに応じてスイッチング状態を反転する制御部とを備えることを特徴とする電源コントローラ。
(付記4)
前記N個の容量素子の各々に対して備えられ、前記N個の容量素子のうち充電の期間が終了する前記N周期が経過した容量素子を、前記クロック信号に応じて導通することにより初期化するN個のスイッチ素子を備えることを特徴とする付記3に記載の電源コントローラ。
(付記5)
前記N個の容量素子の各々に並列に接続され、前記分流電流に応じた充電電流または放電電流の一部を相殺する相殺電流を流す前記差動対への供給電流に応じたN個の電流源を備えることを特徴とする付記3または4に記載の電源コントローラ。
(付記6)
前記分流電流を入力電流とし、出力端が前記容量素子に接続されるカレントミラー回路を備えることを特徴とする付記1乃至5の何れか1項に記載の電源コントローラ。
(付記7)
前記差動対は、前記分流電流が出力される側のトランジスタに前記フィードバック電圧が入力され、
前記制御部は、前記クロック信号による周期の開始に応じて回生状態とされ、前記比較器からの出力信号の反転に応じて給電状態とされることを特徴とする付記1乃至6の何れか1項に記載の電源コントローラ。
(付記8)
前記差動対は、前記分流電流が出力される側のトランジスタに前記基準電圧が入力され、
前記制御部は、前記クロック信号による周期の開始に応じて給電状態とされ、前記比較器からの出力信号の反転に応じて回生状態とされることを特徴とする付記1乃至6の何れか1項に記載の電源コントローラ。
(付記9)
所定周期でスイッチング制御を行なう電源コントローラと、
前記電源コントローラにより給電される負荷回路とを備え、
前記電源コントローラは、
出力電圧に対応するフィードバック電圧と基準電圧とを比較する差動対と、
前記差動対の一方に分流する分流電流に応じて充電が行なわれる容量素子と、
前記容量素子に並列に接続され、前記分流電流に応じた充電電流の一部を相殺する相殺電流を流す前記差動対への供給電流に応じた電流源と、
前記容量素子の端子電圧と所定電圧との比較を行なう比較器と、
前記所定周期を規定するクロック信号と前記比較器から出力される出力信号とに応じてスイッチング状態を反転する制御部とを備えることを特徴とする電子機器。
(付記10)
所定周期でスイッチング制御を行なう電源コントローラと、
前記電源コントローラにより給電される負荷回路とを備え、
前記電源コントローラは、
出力電圧に対応するフィードバック電圧と基準電圧とを比較する差動対と、
前記所定周期ごとに順次選択され、N周期(N≧2の自然数)の期間、前記差動対の一方に分流する分流電流に応じた充電が行なわれるN個の容量素子と、
前記N個の容量素子のうち充電の期間が前記N周期に入った容量素子を選択する選択回路と、
前記選択回路により選択される前記N個の容量素子のうちの一の容量素子の端子電圧と所定電圧との比較を行なう比較器と、
前記所定周期を規定するクロック信号と前記比較器から出力される出力信号とに応じてスイッチング状態を反転する制御部とを備えることを特徴とする電子機器。
(付記11)
所定周期でスイッチング制御を行なう電源の制御方法であって、
出力電圧に対応するフィードバック電圧と基準電圧とを差動対に入力するステップと、
前記入力のステップにより、前記差動対の一方に分流する分流電流に応じて容量素子を充電するステップと、
前記充電または放電のステップにおいて、前記分流電流に応じた充電電流の一部を相殺するステップと、
前記充電のステップにより得られる前記容量素子の端子電圧が所定電圧を越えることを検出するステップと、
前記所定周期を規定するクロック信号と前記検出のステップにより得られる信号とに応じてスイッチング状態を反転するステップとを備えることを特徴とする電源の制御方法。(付記12)
所定周期でスイッチング制御を行なう電源の制御方法であって、
出力電圧に対応するフィードバック電圧と基準電圧とを差動対に入力するステップと、
前記所定周期ごとにN個(N≧2の自然数)の容量素子が順次選択され、N周期の期間、前記入力のステップにより前記差動対の一方に分流する分流電流に応じた充電を行なうステップと、
前記N個の容量素子のうち充電の期間が前記N周期に入った容量素子を選択するステップと、
前記選択のステップにより選択される前記N個の容量素子のうちの一の容量素子の端子電圧が、前記充電のステップにより所定電圧を越えることを検出するステップと、
前記所定周期を規定するクロック信号と前記検出のステップにより得られる信号とに応じてスイッチング状態を反転するステップとを備えることを特徴とする電源の制御方法。
1a、1b、2a、2b、2c スイッチング電源1a
10 差動対回路
11、11b ミラー回路
12、12b、12c 充電回路
13 コンパレータ回路
15 RSフリップフロップ
16 クロック生成回路
100 電子機器
200 バッテリ
300 負荷回路
CS1、CS2、CS3 定電流源
Cp1、Cp2 キャパシタ
S1、S2、S3 スイッチ
Vr、Vc 基準電圧
I(Q2) 分流電流
I2、I3 相殺電流
Icp、Icp1、Icp2 充電電流
Vcp、Vcp1、Vcp2 端子電圧

Claims (7)

  1. 所定周期でトランジスタをスイッチング制御して、出力電圧を制御する電源コントローラであって、
    前記出力電圧に対応するフィードバック電圧と基準電圧とを比較する差動対と、
    前記差動対の一方に分流する分流電流に応じて充電される容量素子と、
    前記差動対への供給電流に応じた定電流を生成し、前記容量素子に並列に接続され、前記分流電流に応じた充電電流の一部を相殺する前記定電流を流す電流源と、
    前記容量素子の端子電圧と所定電圧と比較する比較器と、
    前記所定周期をするクロック信号と前記比較器から出力される出力信号とに応じて前記トランジスタをスイッチング制御する制御部とを備えることを特徴とする電源コントローラ。
  2. 前記クロック信号に応じて導通することにより前記容量素子を初期化するスイッチ素子を備えることを特徴とする請求項1に記載の電源コントローラ。
  3. 所定周期でトランジスタをスイッチング制御して、出力電圧を制御する電源コントローラであって、
    前記出力電圧に対応するフィードバック電圧と基準電圧とを比較する差動対と、
    前記所定周期ごとに順次選択され、−1)周期(N≧2の自然数)の期間と前記所定周期の期間のうちの前記トランジスタがオフ状態の期間とを加えた第1期間に、前記差動対の一方に分流する分流電流に応じた充電が行なわれるN個の容量素子と、
    前記N個の容量素子のうち前記第1期間が経過し前記充電が終了した容量素子を選択する選択回路と、
    前記選択回路により選択される前記N個の容量素子のうちの一の容量素子の端子電圧と所定電圧と比較する比較器と、
    前記所定周期をするクロック信号と前記比較器から出力される出力信号とに応じて前記トランジスタをスイッチング制御する制御部とを備えることを特徴とする電源コントローラ。
  4. 前記N個の容量素子の各々に対して備えられ、前記N個の容量素子のうち前記第1期間が経過し前記電が了した容量素子を、前記クロック信号に応じて導通することにより初期化するN個のスイッチ素子を備えることを特徴とする請求項3に記載の電源コントローラ。
  5. 前記差動対への供給電流に応じた定電流を生成し、前記N個の容量素子の各々に並列に接続され、前記分流電流に応じた充電電流の一部を相殺する前記定電流を流すN個の電流源を備えることを特徴とする請求項3または4に記載の電源コントローラ。
  6. 所定周期でトランジスタをスイッチング制御して、出力電圧を制御する電源コントローラと、
    前記電源コントローラにより給電される負荷回路とを備え、
    前記電源コントローラは、
    前記出力電圧に対応するフィードバック電圧と基準電圧とを比較する差動対と、
    前記差動対の一方に分流する分流電流に応じて充電される容量素子と、
    前記差動対への供給電流に応じた定電流を生成し、前記容量素子に並列に接続され、前記分流電流に応じた充電電流の一部を相殺する前記定電流を流す電流源と、
    前記容量素子の端子電圧と所定電圧と比較する比較器と、
    前記所定周期をするクロック信号と前記比較器から出力される出力信号とに応じて前記トランジスタをスイッチング制御する制御部とを備えることを特徴とする電子機器。
  7. 所定周期でトランジスタをスイッチング制御して、出力電圧を制御する電源コントローラと、
    前記電源コントローラにより給電される負荷回路とを備え、
    前記電源コントローラは、
    前記出力電圧に対応するフィードバック電圧と基準電圧とを比較する差動対と、
    前記所定周期ごとに順次選択され、−1)周期(N≧2の自然数)の期間と前記所定周期の期間のうちの前記トランジスタがオフ状態の期間とを加えた第1期間に、前記差動対の一方に分流する分流電流に応じた充電または放電が行なわれるN個の容量素子と、
    前記N個の容量素子のうち前記第1期間が経過し前記充電または前記放電が終了した容量素子を選択する選択回路と、
    前記選択回路により選択される前記N個の容量素子のうちの一の容量素子の端子電圧と所定電圧と比較する比較器と、
    前記所定周期をするクロック信号と前記比較器から出力される出力信号とに応じて前記トランジスタをスイッチング制御する制御部とを備えることを特徴とする電子機器。
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