JP6424956B2 - チェーンソー - Google Patents

チェーンソー Download PDF

Info

Publication number
JP6424956B2
JP6424956B2 JP2017515484A JP2017515484A JP6424956B2 JP 6424956 B2 JP6424956 B2 JP 6424956B2 JP 2017515484 A JP2017515484 A JP 2017515484A JP 2017515484 A JP2017515484 A JP 2017515484A JP 6424956 B2 JP6424956 B2 JP 6424956B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
state
dressing
chain
saw
rotational speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017515484A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2016175053A1 (ja
Inventor
賢二 長沼
賢二 長沼
幸治 佐川
幸治 佐川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koki Holdings Co Ltd
Original Assignee
Koki Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koki Holdings Co Ltd filed Critical Koki Holdings Co Ltd
Publication of JPWO2016175053A1 publication Critical patent/JPWO2016175053A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6424956B2 publication Critical patent/JP6424956B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23DPLANING; SLOTTING; SHEARING; BROACHING; SAWING; FILING; SCRAPING; LIKE OPERATIONS FOR WORKING METAL BY REMOVING MATERIAL, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23D63/00Dressing the tools of sawing machines or sawing devices for use in cutting any kind of material, e.g. in the manufacture of sawing tools
    • B23D63/08Sharpening the cutting edges of saw teeth
    • B23D63/16Sharpening the cutting edges of saw teeth of chain saws
    • B23D63/166Sharpening the cutting edges of saw teeth of chain saws without removal of the saw chain from the guide bar
    • B23D63/168Sharpening the cutting edges of saw teeth of chain saws without removal of the saw chain from the guide bar the saw chain moving around the guide bar
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23DPLANING; SLOTTING; SHEARING; BROACHING; SAWING; FILING; SCRAPING; LIKE OPERATIONS FOR WORKING METAL BY REMOVING MATERIAL, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23D57/00Sawing machines or sawing devices not covered by one of the preceding groups B23D45/00 - B23D55/00
    • B23D57/02Sawing machines or sawing devices not covered by one of the preceding groups B23D45/00 - B23D55/00 with chain saws
    • B23D57/023Sawing machines or sawing devices not covered by one of the preceding groups B23D45/00 - B23D55/00 with chain saws hand-held or hand-operated
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23DPLANING; SLOTTING; SHEARING; BROACHING; SAWING; FILING; SCRAPING; LIKE OPERATIONS FOR WORKING METAL BY REMOVING MATERIAL, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23D59/00Accessories specially designed for sawing machines or sawing devices
    • B23D59/001Measuring or control devices, e.g. for automatic control of work feed pressure on band saw blade
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B27WORKING OR PRESERVING WOOD OR SIMILAR MATERIAL; NAILING OR STAPLING MACHINES IN GENERAL
    • B27BSAWS FOR WOOD OR SIMILAR MATERIAL; COMPONENTS OR ACCESSORIES THEREFOR
    • B27B17/00Chain saws; Equipment therefor
    • B27B17/02Chain saws equipped with guide bar
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B27WORKING OR PRESERVING WOOD OR SIMILAR MATERIAL; NAILING OR STAPLING MACHINES IN GENERAL
    • B27BSAWS FOR WOOD OR SIMILAR MATERIAL; COMPONENTS OR ACCESSORIES THEREFOR
    • B27B17/00Chain saws; Equipment therefor
    • B27B17/08Drives or gearings; Devices for swivelling or tilting the chain saw
    • B27B17/10Transmission clutches specially designed for chain saws

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Forests & Forestry (AREA)
  • Sawing (AREA)
  • Portable Power Tools In General (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Description

本発明は、ガイドバーの周縁部に沿って走行するソーチェーンによって切断作業を行うチェーンソーに関する。
樹木の切断等に用いられるチェーンソーにおいては、本体から前方に延伸したガイドバーの周縁部に掛け渡されたソーチェーンが、本体の内部に設けられたエンジンやモータ等の動力源によって駆動される。この際、ソーチェーンは、ソーチェーンが掛け渡される駆動歯車が回転駆動されることによって駆動され、ソーチェーンにおける駆動歯車に掛け渡される側が駆動歯車と噛合するチェーンとされ、駆動歯車及びガイドバーに掛け渡される側と反対側が刃具とされている。このため、ガイドバーの周縁部を高速で走行するソーチェーンによって、切断作業を行うことができる。こうしたチェーンソーの構造は、特許文献1に記載されている。エンジンが動力源として用いられる場合には、駆動歯車の回転軸(駆動軸)とエンジンのクランク軸(動力軸)とは遠心クラッチを介して接続されている。クランク軸の回転速度が低く保たれたアイドリング状態では遠心クラッチは接続されず、駆動歯車、ソーチェーンは駆動されない。
作業者は、本体の後部に設けられたリアハンドルと、本体の前部において上側に突出し、かつガイドバーの後方に設けられたフロントハンドルとを把持し、ガイドバーの前端付近を樹木等に当接させて、切断作業を行うことができる。リアハンドルには、エンジンの出力あるいはクランク軸の回転速度を調整するためのスロットルレバーが設けられている。作業者は、リアハンドルを把持しながらスロットルレバーを操作する(引く)ことにより、クランク軸の回転速度を上昇させることができる。これにより、遠心クラッチが接続され、駆動歯車、ソーチェーンが駆動される。この状態で切断作業を行うことができる。
一般的に、刃具によって切断作業を行う切断機においては、使用を重ねる間に刃先の状態が変化し、その切断性能が低下する。切断性能を復活させるためには、通常、刃具に対して目立て作業が行われる。チェーンソーにおいても同様であり、ソーチェーンに対して目立て作業が行われる。この目立て作業は、例えば特許文献2に示されるように、チェーンソーを停止させた状態で作業者が棒状のヤスリ等を用いてソーチェーンの一つ一つの刃先を研磨することによって行われている。また、砥石を用いて刃先を研磨することによって目立て作業を行うこともできる。この作業は、駆動されたソーチェーンを目立て作業用の砥石に当接させ、通常の切断作業と同様に砥石を切断することによって行われるため、前記の場合と比べて非常に簡便に行うことができる。
特開2013−188947号公報 実開昭60−119504号公報
作業者がヤスリ等を用いて目立て作業を行う場合には、切断性能を充分に回復させることは可能ではあるものの、作業効率が悪く、更に、この作業は作業者の感性によって行われるために、その再現性は良好ではなかった。
一方、砥石を用いた研摩によって目立て作業を行う場合には、作業効率は高く、その再現性も上記の場合よりは良好となる。しかしながら、この場合にも、切断性能を充分に回復させることは実際には困難であった。この原因としては、通常チェーンソーで切断される木材等と比べて砥石の硬度は高いため、通常の切断作業の場合と同様の速度で走行するソーチェーンを砥石と当接させた場合には、この作業の際に刃先が摩耗することや、砥石と刃先との摩擦で発熱が生じ、この熱によってソーチェーンの強度が低下することがあった。このため、この場合には、目立て作業によってソーチェーンの切断性能がむしろ劣化する場合があり、砥石の消耗も激しくなった。
すなわち、目立て作業を行う場合に適切な動作を行うことのできるチェーンソーが望まれた。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上記の問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明のチェーンソーは、本体に設けられた動力源において回転する動力軸と、前記動力軸によって駆動されるソーチェーンと、を具備するチェーンソーであって、前記ソ―チェーンの目立てを行う目立てユニットを有し、当該目立てユニットは、駆動された状態の前記ソーチェーンと当接することによって前記ソーチェーンの目立てを行う目立て用部材を備え、前記目立てユニットが操作された場合に、前記目立てユニットが操作されない場合と異なる制御を行う制御手段を有し、前記目立て用部材の位置が前記ソーチェーンから離間した側となる第1の状態と、前記目立て用部材の位置が前記ソーチェーンと近接する側となる第2の状態と、が設定され、前記目立て用部材が前記第1の状態から前記第2の状態へ遷移したこと、あるいは前記第1の状態から前記第2の状態への遷移が許容されない状態から許容される状態となったこと、を検出する検出手段を具備し、前記制御手段は、前記検出手段により前記検出が行われた場合に、前記目立てユニットが操作されたと判断することを特徴とする。
本発明のチェーンソーにおいて、前記制御手段は、前記検出手段と接続され、前記検出手段の検出結果に基づいて前記動力軸の回転を制御することを特徴とする。
本発明のチェーンソーは、作業者による操作に応じて前記動力軸の回転速度を制御する回転速度調整手段を具備し、前記制御手段は、前記目立て用部材が前記第1の状態から前記第2の状態へ遷移したこと、あるいは前記目立て用部材の前記第1の状態から前記第2の状態への遷移が許容されない状態から許容される状態となったことを前記検出手段が検出した際に、前記動力軸の回転速度を前記回転速度調整手段の操作に関わらず低下させる制御を行うことを特徴とする。
本発明のチェーンソーは、前記動力軸の回転速度を認識する回転速度認識手段を具備し、前記制御手段は、前記目立て用部材が前記第1の状態から前記第2の状態へ遷移したこと、あるいは前記目立て用部材の前記第1の状態から前記第2の状態への遷移が許容されない状態から許容される状態となったことを前記検出手段が検出した際に、前記回転速度認識手段によって認識された前記回転速度をフィードバックして前記動力軸の回転速度を予め設定された範囲内に低下させることを特徴とする。
本発明のチェーンソーにおいて、前記制御手段は、前記目立て用部材が前記第1の状態から前記第2の状態に遷移したと前記検出手段が認識してから予め定められた時間を経過すると、前記ソーチェーンの駆動を停止させることを特徴とする。
本発明のチェーンソーにおいて、前記制御手段は、前記検出手段により前記目立て用部材が前記第2の状態にあることが検出され、かつ前記ソーチェーンが駆動されていない場合に、前記ソーチェーンの駆動を制限することを特徴とする。
本発明のチェーンソーは、前記目立て用部材において、前記第2の状態よりも前記目立て用部材の位置が更に前記ソーチェーンと近接する側となり、かつ前記検出手段によって認識される第3の状態が設定され、前記制御手段は、前記目立て用部材が前記第3の状態にあると前記検出手段が認識した際に、前記ソーチェーンの駆動を停止させることを特徴とする。
本発明のチェーンソーは、前記ソーチェーンを駆動する駆動軸の回転を制動するブレーキを具備し、前記制御手段は、前記目立て用部材が前記第1の状態から前記第2の状態へ遷移したこと、あるいは前記目立て用部材の前記第1の状態から前記第2の状態への遷移が許容されない状態から許容される状態となったことを前記検出手段が検出した際に、前記ブレーキを用いて前記駆動軸の回転を制動することを特徴とする。
本発明のチェーンソーは、前記目立て用部材が前記第2の状態にあること、あるいは前記第1の状態から前記第2の状態への遷移が許容される状態にあることを作業者に対して報知する報知手段が前記制御手段に接続されたことを特徴とする。
本発明のチェーンソーは、前記ソーチェーンの駆動を停止させる、又は制限する制御が行われた際に前記作業者に対して警告を発する異常表示手段が前記制御手段に接続されたことを特徴とする。
本発明のチェーンソーにおいて、前記検出手段は、前記目立て用部材の位置を検出することを特徴とする。
本発明のチェーンソーにおいて、前記検出手段は、前記目立て用部材と前記ソーチェーンの接触状態を検知することを特徴とする。
本発明のチェーンソーにおいて、前記目立てユニットは、前記目立て用部材の前記第1の状態から前記第2の状態への遷移を許容しない状態と当該遷移を許容する状態とが設定されるロックレバーを具備し、前記検出手段は、前記ロックレバーの状態を検出することを特徴とする。
本発明のチェーンソーにおいて、前記目立て用部材は、前記第1の状態となる側に付勢されたことを特徴とする。
本発明のチェーンソーにおいて、前記動力源はエンジン、前記動力軸は前記エンジンのクランク軸であることを特徴とする。
本発明のチェーンソーにおいて、前記動力源はモータ、前記動力軸は前記モータの回転軸であることを特徴とする。
本発明は以上のように構成されているので、目立て作業を行う場合に適切な動作を行うことのできるチェーンソーを得ることができる。
本発明の第1の実施の形態となるチェーンソーの、目立て操作用レバーが第1の状態とされた場合における側面透視図である。 本発明の第1の実施の形態となるチェーンソーの、目立て操作用レバーが第2の状態とされた場合における側面透視図である。 本発明の第1の実施の形態となるチェーンソーにおいて、目立て作業を開始する前後の、クランク軸の回転速度(a)、マイクロスイッチのオン・オフ(b)、エンジンの点火の状況(c)の時間経過を示す図である。 本発明の第1の実施の形態となるチェーンソーにおける、エンジンの制御に関わる構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態となるチェーンソーにおける動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態となるチェーンソーにおける制御に関わる構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態となるチェーンソーにおける目立て操作用レバーの3つの状態を模式的に示す図である。 本発明の第2の実施の形態となるチェーンソーにおける目立て操作用レバーの3つの状態に対応した動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態における目立て操作用レバーの変形例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態となるチェーンソーにおける目立て操作用レバーを示す図である。 本発明の第3の実施の形態となるチェーンソーにおける目立て操作用レバーの変形例を示す図である。 本発明の第4の実施の形態となるチェーンソーにおける目立て操作用レバーの周辺の構造を示す斜視図である。
(第1の実施の形態) 本発明の第1の実施の形態となるチェーンソーの構成について説明する。このチェーンソーにおいても、特許文献1に記載のチェーンソーと同様に、本体の内部に動力源(エンジン)が設けられ、動力源によって駆動される駆動歯車に掛け渡されたソーチェーンによって切断作業が行われる。
このチェーンソーにおいては、ソーチェーンの目立て作業は、本体に装着された目立て操作用レバー(目立て操作部)を操作することによって行われる。目立て作業に用いられる砥石は目立て操作用レバーに固定されているため、目立て作業用に砥石を別途準備することは不要である。この目立て操作用レバーの状態には、通常の切断作業を行うための状態(第1の状態)と、通常の切断作業は行えず目立て作業が行われる状態又は/及び砥石とソーチェーンが当接していなくとも目立て操作用レバーが操作された状態(第2の状態)がある。第2の状態においては、砥石は第1の状態よりもソーチェーン側に移動している。なお、本明細書において、目立て操作用レバーの状態を第1の状態、第2の状態、第3の状態(後述)として説明しているが、各状態においての砥石の状態として、第1の状態、第2の状態、第3の状態と読み替えることが可能である。
図1は、目立て操作用レバーが第1の状態とされた場合における、このチェーンソー1の本体10におけるスプロケットとも呼ばれる駆動歯車21周辺の構成を示す、側面からみた透視図である。図1において、駆動歯車21の近くから前方(図中右方)に向かって細長いガイドバー30が延伸しており、駆動歯車21及びガイドバー30の周縁部(図1における上下辺)に、ソーチェーン31が掛け渡されている。図1において、駆動歯車21は、時計回りに回転することによって、ソーチェーン31を駆動する。ガイドバー30は、本体10に対するその前後方向における取り付け位置の微調整が可能なように本体10に固定されており、これによってソーチェーン31の張り調整を行うことができる。ソーチェーン31における内周側(駆動歯車21、ガイドバー30と当接する側)は、駆動歯車21と噛み合いかつガイドバー30の周縁部に沿って移動可能なチェーン形状とされ、その外周側は刃付け加工が施されている。このため、ソーチェーン31を駆動歯車21で駆動し、かつ高速でガイドバー30の外周に沿って走行するソーチェーン31によって切断作業を行うことができる。
また、図1において、駆動歯車21の周囲上側は、本体10において紙面手前側に突出するように設けられたカバー取り付け部11で囲まれ、チェーンソー1の使用時には、カバー取り付け部11にカバー(図示せず)が装着される。このため、切断作業時には、駆動歯車21周辺はカバーで覆われて露出せず、ガイドバー30及びソーチェーン31の本体10の前方で露出した部分を用いて切断作業を行うことができる。
駆動歯車21の回転軸である駆動軸22は、紙面奥側において、遠心クラッチ(クラッチ)を介して動力源となるエンジンのクランク軸(動力軸)と接続されているが、図1においては、駆動軸22よりもエンジン側の構成は記載されていない。クランク軸には遠心クラッチが固定され、遠心クラッチの外側を覆うように設けられたクラッチドラムに駆動軸22が固定されている。エンジンの運転状況は、駆動軸22、ソーチェーン31を駆動しないアイドリング状態と、駆動軸22、ソーチェーン31を駆動する駆動状態に大別される。アイドリング状態では、クランク軸の回転速度が低く維持され、遠心クラッチとクラッチドラムとが当接しないために、クランク軸が回転しても駆動軸22(駆動歯車21)は駆動されない。一方、駆動状態においては、クランク軸の回転速度が高まり、遠心クラッチとクラッチドラムとが当接し遠心クラッチが接続されるため、駆動軸22はクランク軸によって駆動され、駆動歯車21が駆動される。切断作業、目立て作業は共に駆動状態で行われる。
このチェーンソー1は、作業者によって携帯されて使用される。このため、ガイドバー30の後方において上側から本体10をまたぐ形状とされ、作業者の一方の手で把持される環状のフロントハンドル12が、本体10に設けられる。一方、本体10の後部には、作業者の他方の手で把持される環状のリアハンドル13が設けられる。リアハンドル13の上側の部分における下側には、エンジンの出力あるいはクランク軸の回転速度を制御するためのスロットルレバー14(回転速度調整手段)が設けられている。スロットルレバー14が操作されない場合には、エンジンはアイドリング状態とされ、ソーチェーン31は停止する。この状態からスロットルレバー14が操作される(上側に引かれる)と、エンジンに接続された気化器のスロットル開度が大きくされ、クランク軸の回転速度が高まり、駆動状態とされ、ソーチェーン31が駆動される。スロットルレバー14は、アイドリング状態となる側に付勢されているため、作業者がスロットルレバーに触れない状態では、エンジンは常にアイドリング状態とされる。駆動状態においては、スロットルレバー14の操作量(引き量)に応じて、クランク軸の回転速度は上昇する。ただし、一般的に、スロットルレバー14の引き量は最大とされた(クランク軸の回転速度が設定上の最大とされた)状態で、切断作業は行われる。
上記の構成は、従来より知られるチェーンソーと同様である。ここで、このチェーンソー1においては、本体10において、駆動歯車21の近くに、目立て操作用レバー(目立て操作部)15が装着されている。目立て操作用レバー15は、ソーチェーン31の刃先を研磨する研磨装置として機能する。目立て操作用レバー15は、回動軸15Aの周りで本体10に対して回動可能に装着されており、バネ(図示せず)によって、図1における時計回りに付勢されている。また、図1に示されるように、目立て操作用レバー15の上端部(レバー上部15B)はカバー取り付け部11の外側に突出するため、カバーを装着した場合においても、作業者はレバー上部15Bを操作することによって、バネの弾性力に抗して目立て操作用レバー15を図中の反時計回りに回動させることができる。
目立て操作用レバー15の下部における駆動歯車21と対向する側には、駆動歯車21に掛け渡されたソーチェーン31に沿うように円弧形状とされた表面を具備する目立て作業用の砥石(目立て用部材)40が固定されている。図1は、目立て操作用レバー15が操作されない場合の状態を示し、この場合には、砥石40は、駆動歯車21に掛け渡されたソーチェーン31から離間し、ソーチェーン31とは当接しない。この状態が第1の状態であり、目立て操作用レバー15が動作していない状態である。この状態で、作業者は、スロットルレバー14を操作し、エンジンを駆動状態とすることにより、ソーチェーン31を高速で駆動して切断作業を行うことができる。すなわち、チェーンソー1は切断作業にある。
一方、図2は、目立て操作用レバー15が第2の状態とされた場合における構成を図1と同様に示す。この状態は、図1の状態から、作業者がバネの弾性力に抗してレバー上部15Bを上側に引き、目立て操作用レバー15を図1中の反時計回りに回動させた状態である。これによって、砥石40は、駆動歯車21に掛け渡されたソーチェーン31と当接する。このように、ソーチェーン31が駆動された状態で作業者がレバー上部15Bを上側に引けば、ソーチェーン31の目立て作業が行われる。すなわち、第2の状態は、目立て操作用レバー(研磨装置)15が動作した状態であり、チェーンソー1は目立て作業にある。
このように、上記の構成の目立て操作用レバー15を、第1の状態(図1)から第2の状態(図2)とすることによって、このチェーンソー1における目立て作業を行うことができる。この際、目立て作業は図1、2においてカバー取り付け部11(カバー)で覆われた内部で行われるため、目立て作業時に発生する粉塵等の飛散も低減される。
ここで、このチェーンソー1においては、目立て操作用レバー15の操作に応じて、エンジンの制御、特に目立てに適した駆動歯車21(駆動軸22)の回転速度の制御が行われる。言い換えれば、回転速度の制御において、目立て作業にあると判断した場合と、目立て作業にないと判断した場合とでは異なる制御が行われる。このため、目立て操作用レバー15が第1の状態、第2の状態のどちらにあるかを認識するため、図1、2において、目立て操作用レバー15の左側において、マイクロスイッチ(スイッチ:検出手段)41が本体10に固定されている。第1の状態を示す図1においては、目立て操作用レバー15の一部であるスイッチ操作部15Cがマイクロスイッチ41と当接しこれを押すことによって、マイクロスイッチ41はオンの状態とされる。前記の通り、目立て操作用レバー15はバネによって図1における時計回りに付勢されるため、目立て操作用レバー15に外力が加わらない状態では、マイクロスイッチ41がオンとなった状態が維持される。
一方、目立て操作用レバー15が第2の状態とされた図2では、スイッチ操作部15Cがマイクロスイッチ41から図中右側に離間するため、マイクロスイッチ41はオフの状態となる。すなわち、マイクロスイッチ41がオンからオフの状態とされることによって、第1の状態から第2の状態に移行した(目立て操作用レバー15が操作された)ことを判定することができる。すなわち、本願の実施形態において、目立て操作用レバー15の第1の状態は、通常の切断作業を行うための状態であり、目立て操作用レバー15が操作されていない状態である。そして、目立て操作用レバー15の第2の状態は、通常の切断作業は行えず目立て作業が行われる状態又は/及び砥石40とソーチェーン31が当接していなくとも目立て操作用レバー15が操作された状態である。言い換えれば、第2の状態は、目立て操作用レバー15が操作された状態である。なお、目立て操作用レバー15に作用する圧力等を検出することで、砥石40とソーチェーン31との接触を直接認識することも可能であり、この状態を本願の第2の状態としても良い。しかしながら、本願の実施形態の構成によれば、第1の状態と、実際に砥石40とソーチェーン31が当接する状態との間には、若干の遊びが設けられていることから、後述する制御手段による制御に遅延等が生じた場合であっても確実に作用させることができるため有用である。
前記の通り、エンジンのクランク軸(動力軸)の回転速度は、エンジンの動作時においてはアイドリング状態と駆動状態に大別され、この切替はスロットルレバー(回転速度調整手段)14の操作によって行われる。切断作業、目立て作業は共に駆動状態(ソーチェーン31が駆動された状態)で行われる。このチェーンソー1においては、駆動状態で目立て操作用レバー15が第1の状態から第2の状態とされた場合(マイクロスイッチ41がオンからオフとされた場合)に、スロットルレバー14の操作に関わらずクランク軸の回転速度を制限する制御手段が設けられる。制御手段は、マイクロスイッチ41がオンからオフとなることによって、クランク軸の回転速度Rを目立て作業に適した範囲内、R1<R<R2となるように制御する。
また、目立て作業は、駆動されたソーチェーン31と砥石40とが当接することによって行われる。ここで、上記のチェーンソーに限らず、一般的に、停止状態のソーチェーンと砥石とが当接した状態で、急激にソーチェーンを駆動させた場合には、ソーチェーンの刃先に偏った大きな力が加わり、刃先の変形等が発生するおそれがある。このため、目立て作業を行う際は、まず初めにソーチェーンを駆動させてから、駆動されたソーチェーンと砥石とを当接させるのが適正な手順であり、この手順を逆に実行すると、ソーチェーンを劣化させるおそれがある。上記の制御手段は、こうした誤った手順で目立て作業が行われることも防止する。言い換えれば、駆動の手順においても、目立て作業にあると判断した場合と、目立て作業にないと判断した場合とでは異なる制御が行われる。
以下に、制御手段について説明する。まず、制御手段が行う目立て作業時のクランク軸の回転速度の制御について説明する。目立て作業においてはソーチェーン31が駆動された状態であることが要求されるため、駆動軸22(駆動歯車21)の回転速度の範囲の下限は、0rpmよりも大きく目立て作業が可能な程度に充分に大きな値とされる。一方、前記の通り、クランク軸がアイドリング状態では駆動軸22に動力が伝達されず駆動歯車21の回転速度は零となる。すなわち、遠心クラッチが接続される際のクランク軸の回転速度をR0とすれば、0≦R<R0でソーチェーン31は停止し、クランク軸の回転速度R>R0の場合は遠心クラッチによって動力が伝達され、駆動軸22(駆動歯車21)の回転速度はクランク軸(動力軸)の回転速度Rと等しくなる。このため、上記の下限値R1>R0となる。
また、一般的には、作業者がスロットルレバー14の操作量を最大にして、クランク軸の回転速度Rをその最大値RCとした状態で切断作業は行われる。しかしながら、R=RCの状態で目立て作業が行われた場合には、ソーチェーン31の刃先の摩耗や発熱等が発生するために、目立て作業によってむしろソーチェーン31が劣化するおそれがある。このため、R2<<RCとなり、R0<R1<R<R2<<RCとなるように、Rは制御される。ソーチェーン31の切断性能の回復が充分となるような範囲に対応して、R1、R2は設定される。
適正な手順で目立て作業を行う際のクランク軸の回転速度R、マイクロスイッチ41のオン・オフの状況の時間経過の一例を図3(a)、(b)にそれぞれ示す。ここで、初期状態は、スロットルレバー14、目立て操作用レバー15が共に操作されない状態(エンジンがアイドリング状態かつ目立て操作用レバー15が第1の状態)である。この状態から、作業者がスロットルレバー14を操作し、その操作量を最大にすることにより、駆動状態が開始され、クランク軸の回転速度Rが上昇し、その最大値RCとなる。その後、作業者が、経過時間t0において、スロットルレバー14の操作量を最大にしたままで目立て操作用レバー15を操作し第2の状態としている。これにより、マイクロスイッチ41がオフとなるために、クランク軸の回転速度Rは、R1<R<R2の範囲に制御される。これと同時に、ソーチェーン31が目立て操作用レバー15に固定された砥石40に当接することによって、目立て作業が行われる。
この際、作業者は、スロットルレバー14の操作量を最大にした状態で、目立て操作用レバー15を操作することだけで、ソーチェーン31の目立て作業を行うことができる。これにより、ソーチェーン31の走行速度が適度に調整された状態で目立て作業が行われ、ソーチェーン31の切断性能を良好にすることができ、かつ砥石40の摩耗も抑制される。
図4は、このチェーンソー1において上記の制御を行うに際しての制御の系統を示す。ここで、動力源としては、エンジン50が用いられ、クランク軸(動力軸)51は、シリンダ52中において上下動をするピストン53とコンロッド54を介して連結されることにより、回転する。クランク軸51の回転速度Rあるいは回転出力は、シリンダ52内に連結された気化器55によって供給される混合気の量で定まり、この調整は、気化器55に設けられたスロットル軸551の回動角度によって設定される。スロットル軸551は、図1におけるスロットルレバー14の操作と連動するように、スロットルレバー14とワイヤ等で連結される。
また、クランク軸51には、永久磁石が配されたマグネトホイール56が固定され、クランク軸51の回転に伴ってクランクケース57の外でマグネトホイール56も回転する。一方、シリンダ52には、このエンジン50における点火動作を行わせるための点火ユニット58がマグネトホイール56の外周面と所定の間隙を有して固定されている。マグネトホイール56の回転に伴って、点火ユニット58内に設けられた一次コイルで電力が発生し、この電力は、同じく点火ユニット58内に設けられた二次コイル581で昇圧され、シリンダ52に装着された点火プラグ59に高圧コード60を介して供給される。点火プラグ59は、ピストン53で圧縮された混合気を着火するため、この着火タイミング(点火プラグ59への電力供給タイミング)は、ピストン53の上死点近くに設定され、クランク軸51の1回転につきこのタイミングで1回の着火が行われる。
また、点火ユニット58には、エンジン停止スイッチ61が配線62を介して接続される。エンジン停止スイッチ61がオンとされ接地側に切り替えられると、点火ユニット58(二次コイル281)の出力はエンジン停止スイッチ61を介して接地側に流れるため、点火プラグ59への電力供給は停止し、エンジン50(クランク軸51)は停止する。エンジン停止スイッチ61は、通常はオフ(接地側と反対側に切り替えられた状態)とされ、動作中のエンジン50を作業者が停止させる場合に操作される。
上記の動作は、通常知られるエンジンの動作と同様である。ここで、点火ユニット58には、マイクロスイッチ41のオン・オフに応じて点火プラグ59に供給する電力を制限する制御部(制御手段)582も設けられている。点火ユニット58(制御部582)には、目立て操作用レバー15の状態を認識するためのマイクロスイッチ41が、配線63を介して接続されている。
図3(c)は、この場合における点火ユニット58(二次コイル581)の出力(点火プラグ59への電力供給)の時間経過を、図3(a)(b)に対応させて示す図である。経過時間t0より前においてマイクロスイッチ41がオンである間は、前記の通りの通常の動作が行われ、スロットルレバー14の操作に応じて回転速度Rを最大値であるRCとすることができる。ここで、前記の通り、正確にはこの電力供給はクランク軸51の1回転につき1回のみであるため、この電力供給は実際には離散的であり、この周期は例えばクランク軸51の回転速度が10000rpmの場合には0.1msecと、図3におけるマイクロスイッチ41のオン・オフの期間と比べると極めて短い。このため、図3(c)の経過時間t0より前においては、便宜上この電力供給は連続的に示されている。
経過時間t0でマイクロスイッチ41がオフとされた後には、二次コイル581の出力は、制御部582によって、期間T1の間はオン(着火)、期間T2の間はオフ(失火)となるように、周期T1+T2で周期的に制御される。ここで、期間T1の間には、前記のマイクロスイッチ41がオンの場合と同様、クランク軸51の回転毎に点火プラグ59への電力供給(点火)が行われる。一方、期間T2の間は、この電力供給は行われないため、期間T2の間は、クランク軸51を駆動させるための燃焼が行われない状態となる。マイクロスイッチ41がオフされた場合には、期間T1と期間T2とが繰り返されるため、結果として、エンジン50の出力は抑制された状態となる。このため、マイクロスイッチ41がオンとされた場合とスロットル軸551(スロットルレバー14)の状態が同一であっても、クランク軸51の回転速度Rを低下させることができる。あるいは、マイクロスイッチ41がオフとされた直後にクランク軸51の回転速度Rが即時に低下しない場合でも、クランク軸51の回転出力が低下するために、砥石40がソーチェーン31と当接することにより駆動歯車21(動力軸22)が制動され、クランク軸51も制動され、その回転速度Rは低下する。このため、図3(a)においてクランク軸51の回転速度RがRC(最大値)とされた場合とスロットル軸551(スロットルレバー14)の状態が同一であった場合でも、クランク軸51の回転速度Rを低下させることができる。T2/T1比率が大きな場合には回転速度Rの低下は大きくなる。
ここで、マグネトホイール56の回転に伴って点火ユニット58で発生する電力は、マグネトホイール56(クランク軸51)の回転周期に応じて周期的に変化するため、制御部582は、この電力によって、クランク軸51の回転速度Rを認識することができる。このため、制御部582は、現在の回転速度RをフィードバックしてT2/T1を調整し、回転速度Rを所望の範囲(R1<R<R2)とすることができる。なお、点火プラグ59へ供給する電力を調整することによってクランク軸51の回転速度を低下あるいは調整する手法としては、他の手法を用いることもできる。例えば、期間T2において、点火を全く行わない代わりに、点火タイミングを間引きする、すなわち、連続する複数回の点火タイミングのうちの1回を失火させる構成としてもよい。あるいは、T1、T2の設定を設けず、経過時間t0より後は、一様にこうした点火タイミングの間引き制御を行うことによって、クランク軸51の回転速度Rを低下させる制御を行うこともできる。この場合には、間引き頻度を調整することによって、回転速度Rを調整することができる。
このように、上記のチェーンソー1においては、スロットルレバー(回転速度調整手段)14の操作に関わらずクランク軸51の回転速度Rを低下させる制御を行う制御部(制御手段)582が設けられる。制御部582は、点火プラグ59へ電力を供給するために用いられる二次コイル581又は一次コイルの出力を用いて実際のクランク軸51の回転速度Rを認識することもできる、すなわち、二次コイル581を回転速度認識手段としても用いている。このように、制御手段は、回転速度認識手段を用いて、クランク軸51の回転速度Rを制御することができる。
図3においては、適正な手順で目立て作業が行われた場合の状況が示されていた。一方、誤った手順で目立て作業が行われた場合、すなわち、ソーチェーン31が駆動されず、かつ砥石40とソーチェーン31とが当接した状態又は砥石40とソーチェーン31とが当接していなくとも目立て操作用レバーが操作された状態(第2の状態)で、作業者がソーチェーン31を駆動させようとした場合の制御について説明する。
まず、この場合においても、制御部582は、クランク軸51の回転速度Rを同様に認識することができるため、R0を閾値とし、R≦R0の場合に、ソーチェーン31が駆動されていないと判断することができる。また、制御部582は、マイクロスイッチ41がオフである場合に、目立て操作用レバー15が第2の状態にあると認識することができる。前記の通り、誤った手順で目立て作業が行われることを防止するためには、この状態からソーチェーン31を駆動させることは望ましくない。このため、制御部582は、この状態からは、クランク軸51の回転速度Rの上昇をさせない制御を行う。このため、例えば、前記の目立て時における回転速度の制御と同様の制御を、T2>>T1となるように行い、クランク軸51の回転出力を抑制し、スロットルレバー14が仮に操作されても回転速度Rが上昇しソーチェーン31が駆動されることを抑制することができる。
あるいは、制御部582は、この場合には、スロットルレバー14あるいはスロットル軸551を機械的に固定することにより、クランク軸51の回転速度が上昇することを抑制してもよい。また、上記の制御を行うための判定の閾値として、前記のR0の代わりに、前記の下限値R1を用いてもよい。この場合においても、クランク軸51の回転速度が、適正な範囲を下回った状態から急激に上昇することが抑制されるため、同様の効果を奏する。
このように、上記のチェーンソー1においては、制御部(制御手段)582は、誤った手順で目立て作業が行われることも抑制する。
図5は、上記のチェーンソー1において行われる制御部582の動作を示すフローチャートである。ここでは、切断作業が行われるか、目立て作業が行われるかが判断され、各々の作業に応じてエンジン50(クランク軸51の回転速度R)が適正に制御される。また、目立て作業においては、適正な手順が行われない限り、目立て作業は行われないように制御される。
ここでは、まず初めに、エンジン(動力源)50が始動(起動)される(S1)。前記の通り、エンジン50がアイドリング状態、駆動状態のいずれであるかに関わらず、エンジン50が動作している場合には、上記の回転速度認識手段によってこれを認識することができる。
次に、制御部582は、マイクロスイッチ41がオフ・オンのいずれにあるかを認識することによって、目立て操作用レバー(目立て操作部:研磨装置)15が動作しているか否かを判断する(S2)。目立て操作用レバー15が動作していない(マイクロスイッチ41がオンである:第1の状態)と判定されたら、制御部582は、図3(c)に示されるように、現在のエンジン50の状態に関わらず通常のエンジン制御を行わせる(S3)。これによって、図3(a)に示されるように、作業者がスロットルレバー14の操作量を最大とした場合には、クランク軸Rの回転速度Rは最大値RCとなり、高速でソーチェーン31が駆動される。この状態で、作業者は切断作業を行うことができる。その後、再びマイクロスイッチ41の状態が判断され(S2)、目立て操作用レバー15が動作していない限り、この状態は維持され、作業者は切断作業を行うことができる。
一方、マイクロスイッチ41がオフである(目立て操作用レバー15が第2の状態にある:研磨装置が動作している)と判定されたら(S2:YES)、制御部582は、現在ソーチェーン31が駆動されているか否かを判定する(S4)。前記の通り、これは、クランク軸51の回転速度R(エンジン50の状態)によって認識することができる。あるいは、駆動軸22(駆動歯車21)やソーチェーン31の動作状態を認識する手段を設け、これによってこの判定を行ってもよい。
ソーチェーン31が駆動されていると認識されたら(S4:YES)、目立て作業を行うための手順が適正に行われたために目立て作業を開始すべきと判断される。このため、前記のように、クランク軸51の回転速度RをR1<R<R2とする制御が行われる(S5)。これによって、目立て作業が適正な状態で行われる。
一方、ソーチェーン31が駆動されていないと認識されたら(S4:NO)、前記の通り、この状態からソーチェーン31を駆動することは好ましくない。このため、制御部582は、前記のように、クランク軸51の回転速度Rを上昇させない制御を行う(S6)。この際、前記のように、点火の制限を行うことによりこの制御を行った場合には、スロットルレバー14の操作にも関わらずソーチェーン31が駆動されないことにより、目立て作業のための手順が適正に行われていないことを作業者は認識することができる。
この場合、作業者は、一旦目立て操作用レバー15から手を離してから(S2)、スロットルレバー14を再度操作し、クランク軸51の回転速度Rを上昇させ、ソーチェーン31を駆動することができる(S3)。その後、再度目立て操作用レバー15を操作すれば(S2)、今度はソーチェーン31が駆動されているため(S4)、クランク軸51の回転速度Rが制限された状態で目立て作業が行われる(S5)。
上記のようにクランク軸51の回転速度Rの上昇を抑制する(S6)ためにスロットルレバー14又はスロットル軸551を機械的に固定する制御が行われた場合には、作業者は、スロットルレバー14の操作の手応えにより、この制御が行われたことを認識することができる。この場合、マイクロスイッチ41がオフからオンとされた場合にこの固定が解除される設定とすれば、上記と同様の動作を行うことにより、目立て作業を行うことができる。すなわち、目立て作業を行うための手順が適正に行われなかった場合には、作業者が目立て操作用レバー15から一旦手を離してから目立て作業を行うための手順を再度適正に行うことにより、目立て作業を改めて行うことができる。
このように、上記のチェーンソー1においては、作業者が目立て操作用レバー15とスロットルレバー14を操作することによって、切断作業、目立て作業を共に適正に行うことができる。このため、ソーチェーン31に対して、再現性よく、良好な目立て作業が行われる。
なお、上記の例では、目立て操作用レバー15が第2の状態にある場合において、クランク軸51の回転速度Rが、その最大値RCよりも低い一定の範囲(R1とR2の間)となるように調整された。ここで、R1とR2を近い値とし、第2の状態において回転速度Rが一定となるような制御をしてもよい
ただし、1回の目立て作業に要する時間(砥石40が連続的にソーチェーン31と当接する時間)は、実際に例えば数秒程度とされる場合が多く、1回の切断作業に要する時間よりも大幅に短い。このため、実際には、目立て作業時において上記のような回転速度Rの厳密な制御をせず、この短い期間だけ回転速度Rを低下させるだけでも、充分な効果を奏する。こうした場合においても、回転速度Rを低下させる制御が行われた直後の回転速度Rの値に再現性があれば、目立て作業の再現性も充分に高くすることができる。この場合、例えば、目立て作業は必ずスロットルレバー14の操作量を最大にした状態で行うと定め、この状態で回転速度Rを低下させる制御が行われた直後の回転速度Rが、上記のR1とR2の範囲内にあるように設定すればよい。これによって、再現性よく、良好な目立て作業を行うことができる。
また、上記の例では、スロットルレバー14の操作量に関わらずエンジン50の点火の制御を行うことによって、回転速度Rを低下させる制御が行われた。しかしながら、例えば、スロットルレバーやスロットル軸を機械的に押し戻し、スロットルレバーの操作量(即ち燃料や空気の量)を強制的に変化させることによって、回転速度Rを低下させることもできる。この場合にも、例えば目立て作業は必ずスロットルレバーの操作量を最大にする方向で行うと定めることができる。その後、目立て操作用レバーが操作され(S2)、かつソーチェーンが駆動されていると認識されたら(S4)、スロットルレバーを、その操作量が最大となる位置から、これよりも操作量が小さな目立て作業時の位置にまで機械的に押し戻す制御を行うことにより、回転速度Rを低下させることができる(S5)。この目立て作業時の位置は、操作量が最小(アイドリング状態)と最大の間の位置となる。この操作は、例えば制御部(制御手段)がソレノイドコイルに電流を流す(ソレノイドコイルをオンとする)ことによって行うことができる。作業者が目立て操作用レバーから手を離せばソレノイドコイルがオフとなる設定とすれば、図5の動作を同様に行うことができる。この際、制御部は、スロットルレバーの押し戻し量を調整することによって、回転速度Rを所定の範囲に調整することもできる。
上記の動作を実現するための構成として、図1、2に示された構成以外のものも用いることができる。例えば、マイクロスイッチの位置・構成は、目立て操作用レバー15が第1の状態(図1)から第2の状態(図2)に変わったことを検知できる限りにおいて、任意である。ただし、第2の状態(図2)における目立て操作用レバー15の設定角度は、砥石40とソーチェーン31とが当接することによって制限される。この際、砥石40は使用を重ねるに従って摩耗するため、第2の状態(図2)における目立て操作用レバー18の設定角度は、砥石40の摩耗の状態によって変化し、例えば、図2に示された状態よりも砥石40が摩耗した場合には、この設定角度は、図2の状態よりも反時計回りの側に移動する。こうした場合においても、上記の構成においては、マイクロスイッチ41は、目立て操作用レバー15が操作された直後には確実にオフとなるため、この操作を確実に認識することができる。また、この構成においては、砥石40がソーチェーン31と当接する直前にクランク軸51の回転速度Rの調整(低下)が開始されるため、実際にソーチェーン31と砥石40とが当接する際のソーチェーン31の走行速度は、より最適化される。
また、上記の構成においては、目立て作業時に発生した粉塵がマイクロスイッチ41側に飛散し、これによってマイクロスイッチ41の誤動作が発生したり、その寿命が短くなるおそれがある。これに対して、マイクロスイッチ41と駆動歯車21との間に目立て操作用レバー15を設けることによって、マイクロスイッチ41側への粉塵の飛散は抑制される。このため、マイクロスイッチ41が図1、2のように設けられた構成が特に好ましい。
(第2の実施の形態) 上記のチェーンソー1においては、第1の状態(通常の切断作業が行われる状態)と第2の状態(通常の切断作業が行われず、代わりにソーチェーン31の目立て作業が行われる状態)とが設定され、この切替が目立て操作用レバー(目立て操作部)15によって行われた。実際には、第1の状態(作業者が目立て操作用レバー15に触れない状態)で作業者が切断作業を行い、この際に例えば作業者が切断速度が遅くなったと認識した場合に、この目立て作業を行うことによって切断速度を回復(向上)させることができる。
しかしながら、砥石(目立て用部材)40やソーチェーン31は使用の度に摩耗する消耗品であり、これらの摩耗が進んだ状態、すなわち、これらの使用寿命が近づいた場合には、目立て作業を行うよりも、砥石40やソーチェーン31を交換することが好ましい。このため、こうした場合には、作業者が目立て作業を行おうとした場合においても目立て作業を行わせず、代わりにこれらの使用寿命が来たことを作業者に知らせることが有効である。第2の実施の形態に係るチェーンソー2においては、作業者が目立て作業を行おうとした場合において、砥石40やソーチェーン31の摩耗が進んだと判断されたために、目立て作業を行わせずにソーチェーン31の駆動を停止させる状態(第3の状態)も、前記の第1、第2の状態に加えて設定される。
また、第2の状態において目立て作業を行う際には、過度の目立て作業によって、発熱による砥石40やソーチェーン31の劣化や消耗が発生する。このため、第2の状態における目立て作業は、予め定められた設定時間だけ実行されることが好ましい。このため、このチェーンソー2においては、第2の状態において、この設定時間の経過後にソーチェーン31の駆動が停止する。
また、上記のチェーンソー1においては、動力源としてエンジン50が用いられた。これに対して、第2の実施の形態に係るチェーンソー2においては、モータが動力源として使用される。図6は、このチェーンソー2の制御に関わる構成を示すブロック図である。
ここで動力源として用いられているモータ70は、周知である三相のDCブラシレスモータである。このモータ70は、バッテリ71による直流電圧で駆動され、この直流電圧が3つの相のコイル(U相、V相、W相)にインバータ72によって順次切り替えて供給されることによって、永久磁石が固定されたロータ(回転子:回転軸)70Aが回転する。この際、回転の周方向において120°の位相間隔で設けられた3つの位置センサ73の出力より回転子位置検出回路74が実際のロータの回転位置を認識し、その時間変化より、モータ回転数検出回路(回転速度認識手段)75が実際の回転数(回転速度)を認識することができる。インバータ72は、6つのスイッチング素子(Q1〜Q6)を具備し、Q1〜Q6のゲートのオン・オフは制御信号出力回路76によって、モータ70が適正な回転動作を行うように制御される。ロータ70Aがこのチェーンソー2における動力軸となる。
マイクロプロセッサからなる演算部(制御手段)77は、このチェーンソー2全体の制御を行う。このため、演算部77は、モータ回転数検出回路75によって得られたロータの回転数の情報に応じて制御信号出力回路76を介してモータ70の回転数を制御する。この際、モータ70の駆動のために実際に供給される電流は、電流検出用抵抗78の両端の電圧をモータ電流検出回路79が検出することによって認識することができ、この情報も演算部76に入力する。これによって、演算部77は、モータ70の回転の制御を精密に行うことができる。また、この電流が異常な値(例えば過大な値)となった場合には、モータ70に異常が発生したと判断して、演算部77は、モータ70の駆動(全てのコイルへの電流の供給)の停止をすることもできる。また、エンジン50と駆動軸22との間に遠心クラッチが用いられた前記のチェーンソー1とは異なり、このチェーンソー2においては、遠心クラッチが用いられず、モータ70におけるロータ70Aの回転が駆動軸の回転(ソーチェーン31の駆動)に直結する。このため、ソーチェーン31の駆動のオン・オフはトリガスイッチ(回転速度調整手段)80で制御され、トリガスイッチ80の状態(オン・オフ)はスイッチ操作検出回路81によって検出される。演算部77は、トリガスイッチ80の状態に応じてモータ70のオン・オフを制御する。トリガスイッチ80として、単なるモータ70のオン・オフのスイッチだけではなく、切断作業時におけるモータ70の回転速度を段階的に切り替えることのできる切替スイッチを用いてもよい。この場合、例えばその操作量(引き量)に応じて回転速度が切り替わる設定とすることができる。
ここで、このチェーンソー2においても、前記の目立て操作用レバー(目立て操作部)15、駆動歯車21(駆動軸22)、ソーチェーン31、砥石40(目立て用部材)が同様に用いられる。このため、図1、2に示されたように、駆動歯車21が回転している状態で目立て操作用レバー15を回動軸15Aの周りで回動させることによって、砥石40をソーチェーン31と当接させ、目立て作業を行うことができる。図7は、この際の目立て操作用レバー15の動きについて、模式的に示す図である。前記の通り、目立て操作用レバー15は、図1、2、7において時計回り(砥石40とソーチェーン31とが離間する方向)に付勢され、図7における設定角度がAの範囲にある場合に第1の状態とされ、この場合には、適正に切断作業が行われるように、モータ70の回転数は高く設定される。一方、目立て操作用レバー15をこの状態から反時計回りに回動させ砥石40とソーチェーン31とが当接した場合には、これ以上目立て操作用レバー15を反時計回りに回動させることができない。この場合において、目立て作業を行わせる場合には、前記の第2の状態とされ、モータ70の回転数は、目立て作業に適合するように、低く設定される。
ここで、砥石40とソーチェーン31とが当接した場合における目立て操作用レバー15の角度は、砥石40やソーチェーン31の摩耗の状況によって変化し、これらの摩耗が進行した場合には、図7において目立て操作用レバー15は、より反時計回りに回動する。このため、図7において、砥石40やソーチェーン31の摩耗が進行しておらず目立て作業が適正に行われる場合に対応した目立て操作用レバー15の設定角度の範囲はBとすることができる。これよりも反時計回り側となるCの範囲では、砥石40及び/又はソーチェーン31の摩耗が進行していると推定される。また、砥石40は摩耗してきた場合に交換できるよう着脱可能とされていることから、目立て操作用レバー15に砥石40が装着されていない場合がありうる。また、メンテナンスや運搬時の都合により、ソーチェーン31がスプロケット21から取り外されている場合もありうる。こうした正常でない状態においても目立て操作レバー15の設定角度はCの範囲となる。
このため、このチェーンソー2においては、目立て操作用レバー15の設定角度に応じ、この角度が範囲Aの場合に第1の状態、範囲Bの場合に第2の状態、範囲Cの場合に第3の状態であると認識することができる。目立て操作用レバー15は時計回りに付勢されているため、目立て操作用レバー15が操作されない場合には第1の状態となり、目立て操作用レバー15が操作された場合には、第2の状態、第3の状態のいずれかとなる。第2の状態となった場合には、目立て作業の終了後に第1の状態として通常の切断作業を行うことが可能であるが、第3の状態となった場合には、目立て作業を行わせずに砥石40やソーチェーン31の交換(装着)を行うことが必要となる。
前記第1の実施の形態のチェーンソー1においては、第1の状態と第2の状態との切替の認識が、マイクロスイッチ(検出手段)41によって行われた。本第2の実施の形態においては、目立て操作用レバー15の設定角度(回動角度)を認識する角度センサを図6において演算部77に接続された目立て操作検出回路(検出手段)82に接続することによって、目立て操作検出回路82が上記の範囲A、B、Cの識別をすることができる。この場合、角度センサを回動軸15Aの近傍に設けて、この識別を行うことができる。角度センサとしては、例えば回動軸15Aに設けられたコードを検出するロータリエンコーダ等、公知のものを用いることができる。この際、回動軸15Aの設定角度を正確に検出する必要はなく、上記の範囲の識別だけができればよい。こうした角度センサを用いて図6における目立て操作検出回路(検出手段)82を用いることにより、図6における演算部(回転速度調整手段)77は、目立て操作用レバー15が第1の状態、第2の状態、第3の状態のいずれにあるかを認識することができる。演算部77は、トリガスイッチ80がオンとなっている場合に、これらの状態に応じてモータ70の回転速度を後述のように制御する。
また、図6の構成においては、目立て操作用レバー15が操作され目立て作業が行われている(第2の状態にある)ことを示す報知手段83、目立て操作用レバー15が操作されたが第3の状態にあり目立て作業は行われていないことを示す異常表示手段84が用いられている。ここで、報知手段83、異常表示手段84としては、例えばそれぞれに個別のLED素子を用いることができる。また、後述するように報知手段83、異常表示手段84が同時に作動することはないため、これらとして同一のLED素子を用い、報知手段83、異常表示手段84の作動の際にその点灯方式(例えば消灯、点灯、点滅、又はその組み合わせ)が異なるように設定してもよい。報知手段83、異常表示手段84の動作はモータ70の回転速度と共に演算部77によって制御される。前記のチェーンソー1のように、動力源として動作音の大きなエンジン50が用いられる場合には、第2の状態となり回転速度が低下した、あるいは第3の状態となり更に回転速度が低下したことを、作業者が動作音によって容易に認識することができる、しかしながら、静粛性の高いモータ70が用いられる場合には、動作音によってこれらの状態を認識することが困難となる場合があるために、こうした報知手段83、異常表示手段84は特に有効である。言い換えれば、報知手段の動作においても、目立て状態にあると判断した場合と、作業状態にないと判断した場合とでは異なる制御が行われる。
また、前記の通り、第2の状態において目立て作業が行われる時間を制限するためには、目立て作業開始からの経過時間を認識することが必要である。このため、第2の状態の開始時点からの経過時間を計数するタイマー85も演算部77に接続される。
図8は、演算部77が行う制御を示すフローチャートである。ここでは、トリガスイッチ80がオンとされて以降の制御が示されている。ここで、まず、演算部77は、異常表示手段84をリセット(停止)する(S11)。その後、前記の通り、目立て操作検出回路82を用いて目立て操作用レバー15の状態を検知する(S12)。ここで、目立て操作用レバー15が第1の状態にあると認識されたら(S13:YES)、目立て作業の際に用いられるタイマー85、報知手段83をリセット(停止)し(S14、S15)、モータ70を通常の回転状態(切断作業に適した高い回転速度)に制御する(S16)。なお、前記の通り、この際の回転速度はトリガスイッチ80の状態に応じて定まる場合もある。この状態で、作業者は切断作業を行うことができる。この際、報知手段83、異常表示手段84がいずれも作動していないことを確認することによって、作業者は、通常の切断作業を行うことができる状態であることを認識することができる。
目立て操作用レバー15が第1の状態になく(S13:NO)、第2の状態にあると認識されたら(S17:YES)、タイマー85を短い時間間隔で進行させ(S18)、報知手段83を作動させた(S19)上で、目立て作業用の回転速度制御を行う(S20)。この際の回転速度は、前記の通り第1の状態において設定される回転速度、あるいはトリガスイッチ80の状態により設定される通常の回転速度(S16)よりも低く設定される。報知手段83が作動していることにより、目立て作業が行われていることを作業者は知ることができる。その後、演算部77は、タイマー85で計数された時間を認識し、これが所定時間(目立て作業の設定時間)を超えていない場合には(S21:NO)、再び目立て操作用レバー15の状態を検知する(S12)。その後、第2の状態が維持されている場合(S17:YES)には、タイマー85を進行させた(S18)上で、上記のように目立て作業を継続して行わせる。仮にこの途中で目立て操作用レバー15が第1の状態となった場合(S13:YES)には、目立て作業は中断され、上記のとおり通常の切断作業を行うことができる。また、仮にこの途中で目立て操作用レバー15が第3の状態となった場合(S17:NO)にも、後述するように目立て作業は中断される。
第2の状態が継続的に維持され、上記のタイマー85の進行(S18)が繰り返されることによって、タイマー85で計数された時間が所定時間を超えたと認識されたら(S21:YES)、演算部77は、報知手段83を停止し(S22)、ソーチェーン31の駆動を停止する(S23)。このチェーンソー2においては、ソーチェーン31の駆動を停止するためには、モータ70を停止させる。これによって、所定時間の経過後に自動的に目立て作業は終了する。この状態からソーチェーン31を再び駆動するためには、トリガスイッチ80をオンとし、かつ目立て操作用レバー15を第1の状態とすれば(S13:YES)よく、この際に、次回の目立て作業に備えてタイマー85はリセットされる(S14)。目立て作業中は異常表示手段84は作動せず報知手段83が作動した状態が維持される。
一方、目立て操作用レバー15が第1の状態になく(S13:NO)かつ第2の状態にない、すなわち、第3の状態にあると認識されたら(S17:NO)、演算部77は、異常表示手段84を作動させた後に(S24)、ソーチェーン31の駆動を停止する(S23)。このため、第3の状態にあると認識された場合には、ソーチェーン31は直ちに停止し、目立て作業は全く行われない。この際、作業者が目立て作業を行おうとしたにも関わらず、現在は第3の状態にあり、砥石40やソーチェーン31の摩耗が進行したために目立て作業が行われなかったことを、異常表示手段84によって作業者が知ることができる。異常表示手段84は、モータ70が停止した後も、所定の時間継続して動作し、その後消灯するよう、設定される。この場合、作業者は、トリガスイッチ80をオフにした上で砥石40やソーチェーン31を交換した後に、トリガスイッチ80をオンとして再び作業を行うことができる。
なお、図8のフローチャートにおいては、トリガスイッチ80がオンとされた状態における制御が示されている。ここで、トリガスイッチ80がオフとされてソーチェーン31が停止し、かつソーチェーン31が砥石40と当接した状態(第2又は第3の状態)から、ソーチェーン31を駆動させることは、前記のチェーンソー1と同様に、ソーチェーン31を劣化させるおそれがあるため、好ましくない。このため、このチェーンソー2においても、図5のフローチャートの場合と同様に、トリガスイッチ80のオフ時において、目立て操作検出回路82によって目立て操作用レバー15が第2又は第3の状態にあること、及びモータ回転数検出回路75によってモータ70(ロータ)が停止していることを演算部77が同時に認識した場合には、トリガスイッチ80がオンとされてもモータ70を駆動させないように制御信号出力回路76を制御することができる。また、このような場合には、第3の状態を報知するのに用いられた異常表示手段84を併用して動作させることで、モータ70が駆動しない理由を異常表示手段84の表示によって作業者に報知することができる。なお、この場合においても、報知手段83と同一のLED素子を用いて点灯方式によりこれを表現してもよい。
なお、上記のチェーンソー2においては、三相のDCブラシレスモータが用いられた。ブラシレスモータにおいては、回転速度を細かく制御することができるため、本願の制御に適している。しかしながら、他の形式のモータを用いる場合であっても、別途回路等を加えることで同様の制御が可能である。また、上記のような第3の状態を設定しそれに応じた動力源の制御を行うこと、また、第2の状態において目立て作業が行われる時間を自動的に適切に設定するための制御を行うことは、前記のチェーンソー1のように動力源としてエンジン50を用いた場合でも同様に行うことができる。この場合においては、図8におけるソーチェーンの駆動停止(S23)において、エンジン50を完全に停止させず、アイドリング状態としてもよい。
上記のように目立て操作用レバー15における第1〜第3の状態を検出可能な構成として、角度センサを用いずに、第1の実施の形態に係るチェーンソー1のようにマイクロスイッチを用いることもできる。図9は、こうした構成の一例を示す図7に対応した図である。ここでは、チェーンソー1におけるマイクロスイッチ(第1のマイクロスイッチ)41が同様に用いられている。このため、マイクロスイッチ41がオフとなる場合(押されない場合)が第1の状態、オンとなる場合(押された場合)が第2の状態と認識することができる。一方、ここでは、もう一つのマイクロスイッチ(第2のマイクロスイッチ)が、目立て操作用レバー15を挟んで反対側に設けられている。マイクロスイッチ42は、第1、第2の状態の場合にオフ、第3の状態において目立て操作用レバー15と当接することによりオンとなるような設定とすることができる。このため、マイクロスイッチ41、42が接続された目立て操作検出回路82は、マイクロスイッチ41がオン(マイクロスイッチ42がオフ)の場合に第1の状態、マイクロスイッチ41、42が共にオフの場合が第2の状態、マイクロスイッチ42がオン(マイクロスイッチ41がオフ)の場合に第3の状態と認識することができる。
また、上記のチェーンソー2においては、トリガスイッチ(回転速度調整手段)80が単なる回転のオン・オフのスイッチではなく、その操作によって複数段階の回転速度が設定される切替スイッチである場合には、演算部77は、ソレノイドコイル等を用いてこのトリガスイッチ80を制御することによって、前記の第2、第3の状態におけるモータ70の回転速度を制御(停止)することもできる。また、前記の例では、異常表示手段84は目立て作業ができないようにソーチェーン31の駆動が停止された場合に動作したが、目立て作業ができないようにソーチェーン31の駆動状態に何らかの制限を加えることもできる。この場合には、この制限が加わった場合に異常表示手段84を動作させることができる。
(第3の実施の形態) 上記のチェーンソー1、2、及びその変形例においては、第1、第2(あるいは更に第3)の状態の認識のために、検出手段が目立て操作用レバー15の位置(回転位置)を検出する構成とされた。しかしながら、本願の思想としてはこれに限られない。例えば、検出手段は、目立て操作用レバーの位置を検出する代わりに、実際に砥石40とソーチェーン31が接触したこと(接触状態)を検出してもよい。図10は、こうした構成の一例を示す、図7、9に対応した図である。この構成においては、回動軸115Aの周りで回動する目立て操作用レバー115が前記の目立て操作用レバー15と同様に用いられる。ただし、ここでは、砥石40は圧力センサ(検出手段)43を介して目立て操作用レバー115に装着される。この場合、砥石40とソーチェーン31と当接したことによって圧力センサ43がこの際の圧力を検知し、圧力センサ43が接続された目立て操作検出回路82は、砥石40とソーチェーン31とが当接したことを正確に認識することができる。この構成においては、第3の状態を認識することができないが、逆に、砥石40の摩耗状況等によらずに砥石40とソーチェーン31とが当接したことを特に正確に認識することができる。第3の状態を認識するためには、図9におけるマイクロスイッチ42を同様に設ければよい。
また、上記の構成の変形例の構成を同様に図11に示す。ここで用いられる目立て操作用レバー225は、同様に回動軸225Aの周りで回動する。ただし、この目立て操作用レバー225は、上側(作業者によって操作される側)の目立て操作用レバー上部226と、下側(砥石40が装着される側)の目立て操作用レバー下部227の2ピース構造とされる。目立て操作用レバー上部226、目立て操作用レバー下部227は、共に回動軸225Aで支持される。また、目立て操作用レバー下部227は回動軸225Aの周りで目立て操作用レバー上部226に対して回動可能とされる。ただし、目立て操作用レバー下部227は図11において目立て操作用レバー上部226に対して反時計回りにバネ(図示せず)によって付勢され、かつ図11に示された状態よりも反時計回りには回動しないようにストッパ(図示せず)が設けられている。
このため、作業者が目立て操作用レバー上部226を操作して目立て操作用レバー225を反時計回りに回動させ、砥石40がソーチェーン31とが当接した場合には、この状態よりも目立て操作用レバー下部227を回動させることが不可能となり、目立て操作用レバー上部226のみが反時計回りに回動する。これによって、図11の状態から、目立て操作用レバー下部227の目立て操作用レバー上部226に対する設定角度は変化する。このため、このように目立て操作用レバー下部227と目立て操作用レバー上部226との間の設定角度が変化した際にオン/オフが切り替わるロータリースイッチ(検出手段)44を設定角度回動軸225Aに設けることによって、砥石40とソーチェーン31とが当接したことを、目立て操作用レバー下部227の目立て操作用レバー上部226に対する設定角度の変化として検出することができる。すなわち、この設定角度が図11の状態で変化しない場合を前記の第1の状態、この設定角度に変化があった場合を前記の第2の状態として認識することができる。この場合において、第3の状態も認識するためには、図9と同様のマイクロスイッチ42を、目立て操作用レバー上部226が大きく反時計回りに回動した際に目立て操作用レバー上部226と当接して操作されるように、図9と反対側に設ければよい。
このように、特に第1の状態と第2の状態の識別のためには、各種の検出手段を用いることができる。例えば上記のマイクロスイッチも併用することによって、第3の状態の認識も行うことが可能である。
(第4の実施の形態) 上記のとおり、第1の状態は、通常の切断作業が行われる状態であり、第2の状態、第3の状態は、通常の切断作業が行われない状態である。このため、通常の切断作業中に誤って第1の状態から第2の状態となることは好ましくない。第4の実施の形態に係るチェーンソー3においては、第1の状態から不意に第2の状態となることを抑制するロックレバーが用いられる。図12(a)(b)は、このチェーンソー3の目立て操作用レバー周辺の構成を示す斜視図である。図1と同様に、実際にはこの構造はカバー(図示せず)によって覆われているが、カバーの記載は省略されている。ここでは、図1と同様の目立て操作用レバー15が用いられており、マイクロスイッチ41等の記載は省略されている。
ここでは、第1の状態の際に、目立て操作用レバー15が第2の状態となる側に回動することを抑制するロックレバー300が用いられている。この場合、前記の検出手段は、前記のように目立て操作用レバーの操作(位置)を検出する代わりに、このロックレバー300の操作(位置)を検出し、同様の動作を行わせることができる。ロックレバー300は、上下方向に延伸するピン301の周りで回動可能とされ、ピン301はカバー(図示せず)に固定されている。このため、実際にはロックレバー300はカバー(図示せず)に装着されている。図12におけるロックレバー300の左端を操作することによって、図12(a)の状態と図12(b)の状態に切り替え可能とされる。
図12(a)においては、ロックレバー300の左端が押し込まれ、目立て操作用レバー15がロックされた状態が示されている。ロックレバー300には、この状態においてソーチェーン31と砥石40との間において、砥石40と当接することによって、砥石40のソーチェーン31側への移動(目立て操作用レバー15の回動)を抑制する砥石係止部300Aが設けられている。このため、図12(a)の状態では目立て操作用レバー15を第2の状態とすることができない。
図12(b)においては、ロックレバー300の左端を手前に引いて回動させた状態(ロックが解除された状態)が示されている。この状態においては、砥石係止部300Aが手前に移動するために、砥石40がソーチェーン31側に移動することが可能となり、目立て操作用レバー15を反時計回りに回動させて第2の状態へ遷移させることが可能となる。一方、ロックレバー300の右側においては、上下方向に細長い飛散防御カバー装着部310が、手前側と奥側との間で移動可能とされてピン301と同様にカバー(図示せず)に装着される。ロックレバー300の右側端部は、左右方向に延伸しこの飛散防御カバー装着部310にリンク機構を介して係止され、その移動によって飛散防御カバー装着部310の位置を制御するアーム300Bとなっている。この構成により、砥石係止部300Aとは逆に、図12(a)の状態では飛散防御カバー装着部310は手前側に位置し、図12(b)の状態では、奥側に移動する。
飛散防御カバー装着部310の上下端には、それぞれ、図12(b)の状態においてそれぞれソーチェーン31を上側、下側から覆う飛散防御カバー311A、311Bが固定される。前記の通り、実際には図1、図12の構造は実際にはカバー(図示せず)で覆われるが、このチェーンソー3においては、図12(b)の状態ではソーチェーン31における砥石40近くの部分が更に飛散防御カバー311A、311Bによって覆われる。このため、図12(b)の状態から目立て操作用レバー15を反時計回りに回動させて第2の状態とし、目立て作業を行う場合に、火花や粉塵が飛散することが飛散防御カバー311A、311Bによって抑制される。
この際、図12(b)の状態において飛散防御カバー311Aと上側から当接するリブ312を本体10側に設け、リブ312と飛散防御カバー311Aとが当接したことを検知するマイクロスイッチ(第3のマイクロスイッチ:検出手段)313を設け、このマイクロスイッチ313を前記と同様に目立て操作検出回路82に接続することができる。第1〜第3の実施の形態においては、検出手段は目立て操作用レバー自身の操作(位置)を検出したのに対し、この場合には、その代わりにロックレバー300の操作(位置)を予め検出する。実際にはロックレバー300が図12(b)の状態とされてから目立て操作用レバー15が第2の状態とされるが、それよりも前のロックレバー300のロックが解除されたことを認識することによって、第2の状態における回転速度の制御をより早くから行うことができる。このため、目立て作業時の回転速度の調整をより早くから適正に行うことができる。第3の状態の検出及び第3の状態における回転速度の制御は、第2の実施の形態と同様に行うことができる。なお、下側の飛散防御カバー311Bに対応してリブ312は下側にも設けられており、ロックレバー300のロック解除の場合(図12(b)において、飛散防御カバー311A、311Bとリブ312とを組み合わせることによって、特に火花や粉塵の抑制効果を高くすることができる。この際、第2の実施の形態に係るチェーンソー2においては第2の状態にあることが前記の報知手段83によって報知されたのに対し、ロックレバー300によるロックが解除されたことを報知手段83によって報知させてもよい。
なお、第1の実施の形態に係るチェーンソー1においては、エンジン50のクランク軸51の回転速度Rを低下させる、あるいはエンジン50がアイドリング状態である場合に回転速度Rを上昇させない制御が、エンジン50の点火系を用いて行われた。また、第2の実施の形態に係るチェーンソー2においては、これらに対応するモータ70の制御が、制御信号出力回路76、インバータ72等を介して行われた。これに対して更に、あるいはこれらの制御に代わり、駆動軸を制動するブレーキを用いることもできる。
一般的に、特許文献1に記載されるように、チェーンソーにおいては、非常時、例えば切断作業時にキックバックが発生してチェーンソーが後方(作業者側)に跳ね返った際に、安全のために駆動軸(駆動歯車)を制動するブレーキが設けられている。通常は、図1、2におけるフロントハンドル12の前方に、衝立状のハンドガードが装着されており、このハンドガードが前方に倒れた場合に、このブレーキが作動するように設定されている。このため、キックバックが発生した場合には、フロントハンドル12を把持する作業者の手がハンドガードを前方に倒し、駆動軸が制動され、安全に切断作業を行うことができる。ブレーキとしては、例えば、特許文献1に記載されるように、駆動軸(駆動歯車)側に固定されたクラッチドラムの外周を締め付けるブレーキバンドを利用したものが用いられる。
クランク軸の回転速度Rを低下させる、あるいはこれがアイドリング状態である場合に回転速度を上昇させない制御を行う際に、このブレーキを併用することができる。特に、クランク軸の回転速度Rを低下させる際にこのブレーキを併用すれば、駆動軸、ソーチェーンを素早く減速させることができるため、有効である。更に、前記の通り、実際に目立て作業に要する時間が短い場合には、目立て作業時において、前記のようなエンジンの制御は行わずに、ブレーキのみを用いて駆動軸の減速を行ってもよい。前記のチェーンソー2のように動力源としてモータ70が用いられる場合においても、同様である。
また、上記の構成においては、砥石(目立て用部材)40が固定された目立て操作用レバー(目立て操作部)15が用いられた。しかしながら、砥石が目立て操作部に固定されている必要はなく、目立て操作部の2つの状態(第1の状態、第2の状態、あるいは更に第3の状態)に応じて、砥石とソーチェーンとの間の位置関係が調整できる限りにおいて、目立て操作部の構成、あるいは目立て操作部と砥石の構成は任意である。また、目立て操作部は機械的なレバーによりなされる構成とされたが、電気的なスイッチが設けられ、スイッチの操作により砥石が制御されて目立てが行われる構成であってもよい。この場合、検出手段は必要なく、制御部によりソーチェーンは最適に制御される。また、この場合であっても、目立て作業が適切に動作したことを作業者に報知する報知手段を設けると良い。
1,2,3…チェーンソー、10…本体、11…カバー取り付け部、12…フロントハンドル、13…リアハンドル、14…スロットルレバー(回転速度調整手段)、15,115,225…目立て操作用レバー(目立て操作部)、15A,115A,225A…回動軸、15B…レバー上部、15C…スイッチ操作部、21…駆動歯車、22…駆動軸、30…ガイドバー、31…ソーチェーン、40…砥石(目立て用部材)、41…マイクロスイッチ(第1のマイクロスイッチ(スイッチ):検出手段)、42…マイクロスイッチ(第2のマイクロスイッチ(スイッチ):検出手段)、43…圧力センサ(検出手段)、44…ロータリースイッチ(検出手段)、50…エンジン、51…クランク軸(動力軸)、52…シリンダ、53…ピストン、54…コンロッド、55…気化器、56…マグネトホイール、57…クランクケース、58…点火ユニット、59…点火プラグ、60…高圧コード、61…エンジン停止スイッチ、62,63…配線、70…モータ、70A…ロータ(回転子:回転軸)、71…バッテリ、72…インバータ、73…位置センサ、74…回転子位置検出回路、75…モータ回転数検出回路(回転速度認識手段)、76…制御信号出力回路、77…演算部(制御手段)、78…電流検出用抵抗、79…モータ電流検出回路、80…トリガスイッチ(回転速度調整手段)、81…スイッチ操作検出回路、82…目立て操作検出回路(検出手段)、83…報知手段、84…異常表示手段、85…タイマー、226…目立て操作用レバー上部、227…目立て操作用レバー下部、300…ロックレバー、300A…砥石係止部、300B…ア−ム、301…ピン、310…飛散防御カバー装着部、311A,311B…飛散防御カバー、312…リブ、313…マイクロスイッチ(第3のマイクロスイッチ(スイッチ):検出手段)、551…スロットル軸、581…二次コイル(回転速度認識手段)、582…制御部(制御手段)

Claims (16)

  1. 本体に設けられた動力源において回転する動力軸と、前記動力軸によって駆動されるソーチェーンと、を具備するチェーンソーであって、
    前記ソ―チェーンの目立てを行う目立てユニットを有し、
    当該目立てユニットは、駆動された状態の前記ソーチェーンと当接することによって前記ソーチェーンの目立てを行う目立て用部材を備え、
    前記目立てユニットが操作された場合に、前記目立てユニットが操作されない場合と異なる制御を行う制御手段を有し、
    前記目立て用部材の位置が前記ソーチェーンから離間した側となる第1の状態と、前記目立て用部材の位置が前記ソーチェーンと近接する側となる第2の状態と、が設定され、
    前記目立て用部材が前記第1の状態から前記第2の状態へ遷移したこと、あるいは前記第1の状態から前記第2の状態への遷移が許容されない状態から許容される状態となったこと、を検出する検出手段を具備し、
    前記制御手段は、前記検出手段により前記検出が行われた場合に、前記目立てユニットが操作されたと判断することを特徴とするチェーンソー。
  2. 前記制御手段は、前記検出手段と接続され、前記検出手段の検出結果に基づいて前記動力軸の回転を制御することを特徴とする請求項に記載のチェーンソー。
  3. 作業者による操作に応じて前記動力軸の回転速度を制御する回転速度調整手段を具備し、
    前記制御手段は、前記目立て用部材が前記第1の状態から前記第2の状態へ遷移したこと、あるいは前記目立て用部材の前記第1の状態から前記第2の状態への遷移が許容されない状態から許容される状態となったことを前記検出手段が検出した際に、前記動力軸の回転速度を前記回転速度調整手段の操作に関わらず低下させる制御を行うことを特徴とする請求項に記載のチェーンソー。
  4. 前記動力軸の回転速度を認識する回転速度認識手段を具備し、
    前記制御手段は、前記目立て用部材が前記第1の状態から前記第2の状態へ遷移したこと、あるいは前記目立て用部材の前記第1の状態から前記第2の状態への遷移が許容されない状態から許容される状態となったことを前記検出手段が検出した際に、前記回転速度認識手段によって認識された前記回転速度をフィードバックして前記動力軸の回転速度を予め設定された範囲内に低下させることを特徴とする請求項に記載のチェーンソー。
  5. 前記制御手段は、前記目立て用部材が前記第1の状態から前記第2の状態に遷移したと前記検出手段が認識してから予め定められた時間を経過すると、前記ソーチェーンの駆動を停止させることを特徴とする請求項からまでのいずれか1項に記載のチェーンソー。
  6. 前記制御手段は、前記検出手段により前記目立て用部材が前記第2の状態にあることが検出され、かつ前記ソーチェーンが駆動されていない場合に、前記ソーチェーンの駆動を制限することを特徴とする請求項から請求項までのいずれか一項に記載のチェーンソー。
  7. 前記目立て用部材において、前記第2の状態よりも前記目立て用部材の位置が更に前記ソーチェーンと近接する側となり、かつ前記検出手段によって認識される第3の状態が設定され、
    前記制御手段は、前記目立て用部材が前記第3の状態にあると前記検出手段が認識した際に、前記ソーチェーンの駆動を停止させることを特徴とする請求項から請求項までのいずれか1項に記載のチェーンソー。
  8. 前記ソーチェーンを駆動する駆動軸の回転を制動するブレーキを具備し、
    前記制御手段は、前記目立て用部材が前記第1の状態から前記第2の状態へ遷移したこと、あるいは前記目立て用部材の前記第1の状態から前記第2の状態への遷移が許容されない状態から許容される状態となったことを前記検出手段が検出した際に、前記ブレーキを用いて前記駆動軸の回転を制動することを特徴とする請求項から請求項までのいずれか1項に記載のチェーンソー。
  9. 前記目立て用部材が前記第2の状態にあること、あるいは前記第1の状態から前記第2の状態への遷移が許容される状態にあることを作業者に対して報知する報知手段が前記制御手段に接続されたことを特徴とする請求項から請求項までのいずれか1項に記載のチェーンソー。
  10. 前記ソーチェーンの駆動を停止させる、又は制限する制御が行われた際に前記作業者に対して警告を発する異常表示手段が前記制御手段に接続されたことを特徴とする請求項に記載のチェーンソー。
  11. 前記検出手段は、前記目立て用部材の位置を検出することを特徴とする請求項から請求項10までのいずれか1項に記載のチェーンソー。
  12. 前記検出手段は、前記目立て用部材と前記ソーチェーンの接触状態を検知することを特徴とする請求項から請求項10までのいずれか1項に記載のチェーンソー。
  13. 前記目立てユニットは、前記目立て用部材の前記第1の状態から前記第2の状態への遷移を許容しない状態と当該遷移を許容する状態とが設定されるロックレバーを具備し、
    前記検出手段は、前記ロックレバーの状態を検出することを特徴とする請求項から請求項10までのいずれか1項に記載のチェーンソー。
  14. 前記目立て用部材は、前記第1の状態となる側に付勢されたことを特徴とする請求項から請求項13までのいずれか1項に記載のチェーンソー。
  15. 前記動力源はエンジン、前記動力軸は前記エンジンのクランク軸であることを特徴とする請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載のチェーンソー。
  16. 前記動力源はモータ、前記動力軸は前記モータの回転軸であることを特徴とする請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載のチェーンソー。
JP2017515484A 2015-04-28 2016-04-15 チェーンソー Active JP6424956B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015092209 2015-04-28
JP2015092209 2015-04-28
JP2016072489 2016-03-31
JP2016072489 2016-03-31
PCT/JP2016/062113 WO2016175053A1 (ja) 2015-04-28 2016-04-15 チェーンソー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016175053A1 JPWO2016175053A1 (ja) 2018-01-25
JP6424956B2 true JP6424956B2 (ja) 2018-11-21

Family

ID=57199711

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017515484A Active JP6424956B2 (ja) 2015-04-28 2016-04-15 チェーンソー

Country Status (5)

Country Link
US (1) US10625354B2 (ja)
JP (1) JP6424956B2 (ja)
CN (1) CN107530894B (ja)
DE (1) DE112016001968T5 (ja)
WO (1) WO2016175053A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE539516C2 (en) * 2016-03-31 2017-10-03 Husqvarna Ab Handheld chainsaw comprising at least one orientation sensor, a method of using the chainsaw and a mobile telephone to establish a connection to the chainsaw
DE102018210203A1 (de) * 2017-06-22 2018-12-27 Robert Bosch Gmbh Öltank für eine Handwerkzeugmaschine und Handwerkzeugmaschine damit

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3889556A (en) * 1973-01-15 1975-06-17 Howard C Bair Saw bar mounted sharpener for chain saws
JPH0652325B2 (ja) 1983-12-01 1994-07-06 セイコーエプソン株式会社 カラーフィルターの製造方法
JPS6120301A (ja) 1984-07-09 1986-01-29 Kanebo Ltd 永久磁石材料
JPS6120301U (ja) * 1984-07-10 1986-02-05 株式会社新宮商行 チエ−ンソ−用チエ−ンの刃先目立装置
US4991476A (en) * 1990-02-28 1991-02-12 Ford New Holland, Inc. Automatic knife sharpening method for forage harvesters
JPH05237836A (ja) * 1992-02-26 1993-09-17 Mitsubishi Materials Corp 切断装置
GB9506692D0 (en) * 1995-03-31 1995-05-24 New Holland Belguim Nv Automatic knife sharpening method for forage harvesters
US6058806A (en) * 1997-09-03 2000-05-09 Ford; Stuart N. Automatic chain saw sharpener
US7073421B1 (en) * 2000-04-29 2006-07-11 Itw Food Equipment Group Llc Slicing machine, and method of use and components thereof
JP2008006525A (ja) * 2006-06-28 2008-01-17 Sk:Kk ソーチェンの研磨機
US8746118B2 (en) * 2008-07-08 2014-06-10 Blount, Inc. Chain link sharpening method and apparatus
CN201410591Y (zh) * 2009-06-15 2010-02-24 张敬东 全自动金刚石刀头磨弧机
EP2663433B1 (en) * 2011-03-04 2016-10-26 Blount, INC. Chain link sharpening apparatus
JP5910858B2 (ja) * 2012-01-16 2016-04-27 日立工機株式会社 チェンソー
JP5957897B2 (ja) * 2012-01-18 2016-07-27 日立工機株式会社 チェンソー
JP5962082B2 (ja) 2012-03-14 2016-08-03 日立工機株式会社 チェーンソー
DE102013101183A1 (de) * 2013-02-07 2014-08-07 Claas Selbstfahrende Erntemaschinen Gmbh Landwirtschaftliche Arbeitsmaschine, insbesondere Feldhäcksler
JP6089928B2 (ja) * 2013-04-26 2017-03-08 株式会社ジェイテクト 工作機械

Also Published As

Publication number Publication date
CN107530894B (zh) 2021-02-19
US10625354B2 (en) 2020-04-21
DE112016001968T5 (de) 2018-03-08
CN107530894A (zh) 2018-01-02
WO2016175053A1 (ja) 2016-11-03
US20180133822A1 (en) 2018-05-17
JPWO2016175053A1 (ja) 2018-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5910858B2 (ja) チェンソー
JP5957897B2 (ja) チェンソー
JP5378964B2 (ja) 動力工具
JP6424956B2 (ja) チェーンソー
WO2008074221A1 (en) Power tool
WO2016196984A1 (en) Power tools with user-selectable operational modes
US20180092297A1 (en) Working machine and method for determining abnormal state of working machine
CN101704237A (zh) 具有安全传感器的无线敲钉机
JP6767836B2 (ja) 作業機
US20220063054A1 (en) Power tool
TW202210193A (zh) 用於圓鋸刀片的安全制動器、包含該安全制動器的圓鋸機及操作圓鋸機的方法
US8763259B2 (en) Debris removal system for a power tool
EP3302882A1 (en) Power tools with user-selectable operational modes
WO2018062293A1 (ja) 作業機
JP5739676B2 (ja) 遠心クラッチを備えた携帯作業機のブレーキ装置
JPH0752067A (ja) 電池式刃物工具
JP6722543B2 (ja) 電動工具
KR101107291B1 (ko) 그라인더용 진동 완충장치
JP6519354B2 (ja) 動力工具
JP2011087500A (ja) 刈払機
JPH08281609A (ja) チェーンソーのブレーキ装置
JP5598224B2 (ja) 携帯型作業機
US20220402090A1 (en) Method for operating a machine tool, and machine tool
WO2013091264A1 (zh) 一种砂磨工具防护装置
JP2016101626A (ja) チェーンソー

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170926

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170926

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180710

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180831

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180925

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181008

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6424956

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150