JP6424757B2 - ポリペプチドの質量分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、臨床医学分野、分析化学分野、及び生物学研究分野に属し、ポリペプチドを質量分析により測定する方法に関する。より詳しくは、本発明は、夾雑物の多い生体試料中の標的微量ポリペプチドを、連続アフィニティ精製によって高い選択性で質量分析により測定する方法に関する。
試料中の微量ポリペプチド(ペプチドおよびタンパク質)を質量分析で計測するための前処理として免疫沈降などのアフィニティ精製が使用されることが多い。非特許文献1,2では、培養細胞の上清中や脳脊髄液中のアミロイドβタンパク質(Aβ)を質量分析で計測するために、抗Aβ抗体をProtein Gビーズや抗マウスIgG抗体ビーズへ固定化させて抗体固定化ビーズを作製し、抗体固定化ビーズを用いて免疫沈降を行っている。しかし、この方法では、比較的夾雑物質の少ない培養細胞の上清中や脳脊髄液中のAβは質量分析で計測できても、夾雑物質が多く含まれる血漿や血清では、非特異的吸着により夾雑物質が抗体固定化ビーズ上に多く残ってしまうため計測することが困難である。夾雑物質が多く含まれていると、質量分析では測定対象となるポリペプチドのイオン化を抑制してしまうからである。
非特許文献3では、夾雑物質を取り除くために、アフィニティ精製の前に血漿をProtein Gビーズと1時間接触させる工程を2回繰り返すことにより夾雑物質を減少させて、質量分析の感度を向上させている。しかし、それでも夾雑ピークがまだ検出されている。さらに、この方法で使用する血漿は5mLと大量に必要であるため、研究用や疾患検査などで使用するには汎用性が低い。少量でも検出できるように、さらに感度を上げる必要がある。
非特異的に吸着される夾雑物質を軽減させるためにTandem Affinity Purification (TAP)が用いられることがある。非特許文献4では、TIN2というタンパク質に遺伝子工学的手法を使ってFLAGとHEの2種類のタグを融合させたHA-FLAG-TIN2を培養細胞に発現させて、その細胞の溶解液に対してTAPを使用している。この手法では、抗FLAG抗体固定化担体と抗HA抗体固定化担体の2種類の抗体固定化担体を用いて連続でアフィニティ精製することにより夾雑物質の混入を低減させている。この手法では、2種類の抗体により非特異的吸着物質を減少させる効果があるが、遺伝子工学的にFLAGやHEを目的タンパク質に融合させる必要があるため、遺伝子工学的操作が行えない血漿や血清などの生体試料には適用できない。また、抗FLAG抗体固定化担体を用いた免疫沈降における溶出工程では、FLAGペプチドでHA-FLAG-TIN2を溶出させているため溶出効率が弱く、捕捉した目的タンパク質の回収が十分に行えない。
Wang R, Sweeney D, Gandy SE, Sisodia SS. : The profile of soluble amyloid beta protein in cultured cell media. Detection and quantification of amyloid beta protein and variants by immunoprecipitation-mass spectrometry. J Biol Chem. 1996;271(50):31894-902 Portelius E, Tran AJ, Andreasson U, Persson R, Brinkmalm G, Zetterberg H, Blennow K, Westman-Brinkmalm A. : Characterization of amyloid beta peptides in cerebrospinal fluid by an automated immunoprecipitation procedure followed by mass spectrometry. J Proteome Res. 2007;6(11):4433-9 Pannee J, Tornqvist U, Westerlund A, Ingelsson M, Lannfelt L, Brinkmalm G, Persson R, Gobom J, Svensson J, Johansson P, Zetterberg H, Blennow K, Portelius E. : The amyloid-β degradation pattern in plasma--a possible tool for clinical trials in Alzheimer's disease. Neurosci Lett. 2014;573:7-12 Nittis T, Guittat L, LeDuc RD, Dao B, Duxin JP, Rohrs H, Townsend RR, Stewart SA. : Revealing novel telomere proteins using in vivo cross-linking, tandem affinity purification, and label-free quantitative LC-FTICR-MS. Mol Cell Proteomics. 2010;9(6):1144-56
夾雑物質を多量に含む血漿や血清などの生体試料中に存在する微量なポリペプチドに対してアフィニティ精製を1回実施しただけでは、ポリペプチドの精製度は低い。そのため、夾雑物質が測定対象となるポリペプチドのイオン化を抑制させてしまい、質量分析の機能が十分に発揮できずにポリペプチドの計測が困難となる(非特許文献3)。測定対象となるポリペプチドが微量であればあるほど、ポリペプチドの計測が困難となる。
非特異的吸着物質を減少させる方法として遺伝子工学的に2種類のタグを融合させたタンパク質に対して、2回連続でアフィニティ精製する方法が報告されている(非特許文献4)が、この方法は、タグを付けられない血漿や血清などの生体試料には適用できない。
そこで、本発明の目的は、夾雑物の多い生体試料中の標的微量ポリペプチドを、質量分析により測定する方法を提供することにある。とりわけ、本発明の目的は、夾雑物の多い血漿や血清試料中の標的微量ポリペプチドを、質量分析により測定する方法を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討の結果、血漿や血清などの生体試料中の微量ポリペプチドに対し、そのポリペプチド内の配列に対するエピトープを持つ抗体を用いて2回連続でアフィニティ精製を行い、その後に、質量分析で計測することによって、本発明に到達した。アフィニティ精製には、抗体を用いた種々の精製法が含まれ、免疫沈降法に限らず、抗体を用いた他の精製法(カラム、ピペットチップ、マイクロ流路、スピンカラムなどのアフィニティークロマトグラフィー)も含まれる。
本発明は、以下の発明を含む。
(1) 生体試料中の標的ポリペプチドを測定する方法であって、
担体と、前記担体に結合した、標的ポリペプチドを認識可能な抗原結合部位を持つ抗体とを含む第1抗体固定化担体に、生体試料の含有液を接触させて、前記生体試料中の標的ポリペプチドを前記第1抗体固定化担体に結合させる第1反応工程と、
前記標的ポリペプチドが結合した前記第1抗体固定化担体を洗浄する第1洗浄工程と、
酸性溶液を用いて前記第1抗体固定化担体から前記標的ポリペプチドを解離させ溶出させ、第1溶出液を得る第1溶出工程と、
前記第1溶出液に中性緩衝液を加えることにより前記溶出液のpHを中性にして、pHが中性とされた第1精製溶液を得る中性化工程と、
担体と、前記担体に結合した、前記標的ポリペプチドを認識可能な抗原結合部位を持つ抗体とを含む第2抗体固定化担体に、前記第1精製溶液を接触させて、前記第1精製溶液中の前記標的ポリペプチドを前記第2抗体固定化担体に結合させる第2反応工程と、
前記標的ポリペプチドが結合した前記第2抗体固定化担体を洗浄する第2洗浄工程と、
酸性溶液を用いて前記第2抗体固定化担体から前記標的ポリペプチドを解離させ溶出させ、第2精製溶液を得る第2溶出工程と、
前記第2精製溶液中の前記標的ポリペプチドを質量分析で検出する工程と、
を含む生体試料中の標的ポリペプチドを測定する方法。
本明細書において、測定対象となる「ポリペプチド」には、「ペプチド」、「タンパク質」も含まれる。
第1抗体固定化担体及び第2抗体固定化担体において、前記抗体は、標的ポリペプチドを認識可能な抗原結合部位を持つ抗体であればよい。前記抗体は、例えば、標的ポリペプチドを認識可能な抗原結合部位を持つ免疫グロブリン及び標的ポリペプチドを認識可能な抗原結合部位を含む免疫グロブリン断片からなる群から選ばれるとよい。また、第1抗体固定化担体及び第2抗体固定化担体における前記抗体は同一のものであっても良いし、あるいは、異なったものであってもよい。
(2) 前記第2反応工程に付される前記第1精製溶液の液量が、前記第1反応工程に付される前記生体試料の含有液の液量よりも小さい、(1)に記載の方法。
(3) 前記第2反応工程における前記第2抗体固定化担体の量が、前記第1反応工程における前記第1抗体固定化担体の量よりも少ない、(1)又は(2)に記載の方法。
(4) 前記第1溶出工程において、前記酸性溶液は、界面活性剤を含む酸性溶液である、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 前記第2溶出工程において、前記酸性溶液は、有機溶媒を含む酸性溶液である、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6) 前記生体試料が、全血、血漿又は血清である、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7) 前記標的ポリペプチドがペプチドである、(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8) 前記標的ポリペプチドが、Aβ関連ペプチドである、(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(9) 前記質量分析において、マトリックス支援レーザー脱離イオン化型質量分析装置を用いる、(1)〜(8)のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、2回連続でアフィニティ精製を行うことにより、1回のアフィニティ精製だけでは排除しきれなかった夾雑物質を、2回目のアフィニティ精製によりさらに減少させることができる。このため、夾雑物質によるポリペプチドのイオン化抑制を防ぐことができ、生体試料中の微量なポリペプチドでも質量分析で計測することが可能となる。この方法は、遺伝子工学的にタグを融合させることができない生体試料中のポリペプチドに対して適用することができる。
本発明において、前記第2反応工程に付される前記第1精製溶液の液量が、前記第1反応工程に付される前記生体試料の含有液(通常は、生体試料と結合溶液とを含む)の液量よりも小さいと、第2反応工程における標的ポリペプチドに対する抗体との結合効率が高くなり、標的ポリペプチドのロスをより少なくすることができる。すなわち、多くの場合、アフィニティ精製において標的となるポリペプチドに対する抗体との結合率は100%ではないため、アフィニティ精製を行う度に大なり小なり標的ポリペプチドのロスが生じる。1回だけアフィニティ精製をするよりも、2回連続でアフィニティ精製する方が夾雑物質は減少するが、同時に標的ポリペプチドも減少してしまう。このため、2回目の標的ポリペプチドに対する抗体との結合効率を高くして標的ポリペプチドのロスを少なくするために、2回目のアフィニティ精製では反応溶液量(すなわち、第1精製溶液の液量)を小さくした方が好ましい。
本発明において、前記第2反応工程における前記第2抗体固定化担体の量が、前記第1反応工程における前記第1抗体固定化担体の量よりも少ないと、質量分析で計測する時の試料溶液となる溶出液(第2精製溶液)の液量を小さくでき、結果として、標的ポリペプチドがより濃縮されて高感度に検出できる。すなわち、質量分析で計測する時の試料溶液量は小さい方が標的ポリペプチドが濃縮されて高感度に検出できる。質量分析で計測する時の試料溶液となる溶出液量を小さくするためには、2回目のアフィニティ精製で使用する抗体固定化担体量は少なくした方が好ましい。また、非特異的吸着物質や抗体固定化担体由来の夾雑物質の混入を低減させることにも効果がある。
実験例5において、血漿試料中のAβを標的として、抗Aβ F(ab')固定化ビーズを4通りのビーズ量で用いて、従来のIP 操作後にMALDI-MSで測定した結果であり、(A)は、ビーズ量:約10×107 個、(B)は、ビーズ量:約4×107 個、(C)は、ビーズ量:約2×107 個、(D)は、ビーズ量:約1×107 個の結果を示す。横軸はm/z、縦軸はイオンの相対強度である。 実験例6において、血漿試料中のAβを標的として、抗Aβ F(ab')固定化ビーズを用いて、免疫沈降操作後にMALDI-MSで測定した結果であり、(A)は、従来のIP 操作後にMALDI-MSで測定した結果を示し、(B)は、本発明のcIP操作後にMALDI-MSで測定した結果を示す。 実験例6において、血漿試料中のAβを標的として、抗Aβ IgG固定化ビーズを用いて、免疫沈降操作後にMALDI-MSで測定した結果であり、(A)は、従来のIP 操作後にMALDI-MSで測定した結果を示し、(B)は、本発明のcIP操作後にMALDI-MSで測定した結果を示す。 実験例6の抗Aβ IgG固定化ビーズを用いた場合の、従来のIPの操作後の溶出液サンプル、及び本発明のcIP の操作後の第2精製溶液サンプルを、それぞれをSDS-PAGEに流し、銀染色でタンパク質を比較した結果を示す。 実験例8において、血漿試料中のAβ関連ペプチドを標的として、抗Aβ IgG固定化ビーズを用いて、連続免疫沈降(Consecutive Immunoprecipitation; cIP)操作後にMALDI-MSで測定した結果であり、(A)は、第1IP溶出液量45 μLで溶出した後、第2IPの反応溶液量を100 μLにした時のMALDI-MSで測定した結果を示し、(B)は、第1IP溶出液量15 μLで溶出した後、第2IPの反応溶液量を30 μLにした時のMALDI-MSで測定した結果を示す。 実験例9において、血漿試料中のAβ関連ペプチドを標的として、抗Aβ IgG固定化ビーズを用いて、連続免疫沈降cIP操作後にMALDI-MSで測定した結果であり、(A)は、第1IPの抗Aβ IgG固定化ビーズ量:約8×107 個、(B)は、第1IPの抗Aβ IgG固定化ビーズ量:約4×107 個、(C)は、第1IPの抗Aβ IgG固定化ビーズ量:約2×107 個、(D)は、第1IPの抗Aβ IgG固定化ビーズ量:約1×107 個の結果を示す。(A)〜(D)における第2IPの抗Aβ IgG固定化ビーズ量は約1×107 個で使用した。 実験例10において、血漿試料中のAβ関連ペプチドを標的として、抗Aβ IgG固定化ビーズを用いて、連続免疫沈降cIP操作後にMALDI-MSで測定した結果であり、(A)は、第2IPの抗Aβ IgG固定化ビーズ量:約4×107 個、(B)は、第2IPの抗Aβ IgG固定化ビーズ量:約2×107 個、(C)は、第2IPの抗Aβ IgG固定化ビーズ量:約1×107 個、(D)は、第2IPの抗Aβ IgG固定化ビーズ量:約0.5×107 個の結果を示す。(A)〜(D)における第1IPの抗Aβ IgG固定化ビーズ量は約4×10 7 で使用した。
本発明の方法は、生体試料中の標的ポリペプチドを測定する方法であって、
担体と、前記担体に結合した、標的ポリペプチドを認識可能な抗原結合部位を持つ抗体とを含む第1抗体固定化担体に、生体試料の含有液を接触させて、前記生体試料中の標的ポリペプチドを前記第1抗体固定化担体に結合させる第1反応工程と、
前記標的ポリペプチドが結合した前記第1抗体固定化担体を洗浄する第1洗浄工程と、
酸性溶液を用いて前記第1抗体固定化担体から前記標的ポリペプチドを解離させ溶出させ、第1溶出液を得る第1溶出工程と、
前記第1溶出液に中性緩衝液を加えることにより前記溶出液のpHを中性にして、pHが中性とされた第1精製溶液を得る中性化工程と、
担体と、前記担体に結合した、前記標的ポリペプチドを認識可能な抗原結合部位を持つ抗体とを含む第2抗体固定化担体に、前記第1精製溶液を接触させて、前記第1精製溶液中の前記標的ポリペプチドを前記第2抗体固定化担体に結合させる第2反応工程と、
前記標的ポリペプチドが結合した前記第2抗体固定化担体を洗浄する第2洗浄工程と、
酸性溶液を用いて前記第2抗体固定化担体から前記標的ポリペプチドを解離させ溶出させ、第2精製溶液を得る第2溶出工程と、
前記第2精製溶液中の前記標的ポリペプチドを質量分析で検出する工程と、
を含む。
測定対象となる「ポリペプチド」には、「ペプチド」、「タンパク質」も含まれる。ポリペプチド、ペプチドやタンパク質には種々のものが含まれる。より具体的には、Aβ関連ペプチドであってもよい。「Aβ関連ペプチド」には、アミロイド前駆タンパク質(Amyloid precursor protein;APP)が切断されることにより生じるAβ及びAβの配列を一部でも含むペプチドが含まれる。実施例においては、Aβ関連ペプチドを用いた例が示されている。
[1.抗体固定化担体]
本発明において用いる抗体固定化担体は、担体に、標的ポリペプチドを認識可能な抗原結合部位を持つ抗体が結合しているものであればよい。前記抗体は、例えば、標的ポリペプチドを認識可能な抗原結合部位を持つ免疫グロブリン及び標的ポリペプチドを認識可能な抗原結合部位を含む免疫グロブリン断片からなる群から選ばれるとよい。また、第1抗体固定化担体及び第2抗体固定化担体における前記抗体は同一のものであっても良いし、あるいは、異なったものであってもよい。
免疫グロブリンとしては、IgG、IgM、IgA、IgY、IgD、及びIgEが挙げられる。IgG としては、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4等が挙げられる。Aβ関連ペプチドを認識可能な抗原結合部位を持つ免疫グロブリン(以下、「Aβ関連ペプチド抗体」とも言う)としては、例えば、6E10, 4G8, 1E11, 11A50-B10, 12F4, 9C4, 82E1, 12B2, 1A10等が挙げられる。なお、これらの抗体は、抗アミロイド・ベータ抗体として公知のものである。Aβ関連ペプチドを認識可能な抗原結合部位を含む免疫グロブリン断片としては、例えば、F(ab’)、F(ab’)、F(ab)、Fd、Fv、L鎖、及びH鎖からなる群から選ばれることができる。担体に固定化する抗Aβ関連ペプチド抗体としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体のいずれでもよい。本発明において用いる抗体固定化担体は、以上の抗Aβ関連ペプチド抗体及び/又は抗Aβ関連ペプチド抗体断片が、任意の方法により担体に固定化されたものを使用することができる。
用いる担体の素材としては、公知のものを使用することができ、例えば、アガロース、セファロース、デキストラン、シリカゲル、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸系ポリマー、フッ素樹脂、金属錯体樹脂、ガラス、金属、及び磁性体からなる群から選ばれてよい。
担体の形状は、平面状、球状及びその他の形状を問わない。例えば、担体は、目的物質の分離及び/又は濃縮に用いられるチップ、ビーズ又はマイクロデバイス内の流路壁を構成するものであってよい。担体表面には、結合性官能基を有する。
前記抗体は、スペーサを介して前記担体に結合していてもよい。スペーサとしては、公知のものを使用することができ、例えば高分子重合体が挙げられる。高分子重合体の例としては、アルキレン基、及びオキシアルキレン基が挙げられる。
また例えば、スペーサは、ポリオキシアルキル化ポリオール、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルキルエーテル、ポリサッカライド、生分解性高分子、及び脂質重合体からなる群から選ばれる有機高分子重合体であってよい。ポリオキシアルキル化ポリオール及びポリビニルアルキルエーテルにおけるアルキル基は、例えば炭素数1〜6、好ましくは1〜3でありうる。ポリサッカライドの例としては、デキストラン、ムコ多糖、及びキチン類が挙げられる。ムコ多糖の例としては、ヒアルロン酸が挙げられる。生分解性高分子の例としては、PLA(ポリ乳酸;poly(lactic acid))及びPLGA(ポリ乳酸−グリコール酸;poly(lactic-glycolic acid))が挙げられる。
本発明におけるスペーサは、上述の例示の1種を含むものであってもよいし、上述の例示から任意に選択される2種以上を含むものであってもよい。また、スペーサは直鎖であってもよいし、分岐していてもよい。
本発明において用いる抗体固定化担体は、担体、及び抗体、及び用いる場合にはスペーサ物質のそれぞれの要素が有する、共有結合性官能基、イオン結合性官能基及び水素結合性官能基などの結合性官能基を介し、各々を、官能基の種類に応じて公知の方法により結合させることで調製することができる。本発明において、第1抗体固定化担体及び第2抗体固定化担体が同じものであってもよいし、異なっていてもよい。
[2.第1結合反応工程]
まず、前記第1抗体固定化担体に、生体試料の含有液(通常は、生体試料と結合溶液とを含む)を接触させて、前記第1抗体固定化担体と前記生体試料中に含まれる標的ポリペプチドとを結合させる。
生体試料には、血液、脳脊髄液(CSF)、尿、体分泌液、唾液、及び痰などの体液; 及び糞便が含まれる。血液試料には、全血、血漿及び血清などが含まれる。血液試料は、個体から採取された全血を、適宜処理することによって調製することができる。採取された全血から血液試料の調製を行う場合に行われる処理としては特に限定されず、臨床学的に許容されるいかなる処理が行われてよい。例えば遠心分離などが行われうる。また、結合工程に供される血液試料は、その調製工程の中途段階又は調製工程の後段階において、適宜冷凍など低温下での保存が行われたものであってよい。なお、本発明において生体試料は、由来元の個体に戻すことなく破棄される。血液試料を対象試料とすることは、試料採取が固体や脳脊髄液である場合に対して低侵襲であること、また、一般の健康診断や人間ドック等における種々の疾患のスクリーニングのための対象試料であることからも好ましい。
結合溶液としては、通常の免疫沈降法(IP)で用いられる結合溶液を用いることができる。結合溶液組成は、非特異的吸着を抑制するために界面活性剤を含んでいることが好ましい。前記界面活性剤としては、抗体等のタンパク質の変性を起こしにくく、洗浄工程で容易に除去でき、たとえ後段の質量分析において混入していたとしても標的ポリペプチドのシグナルを抑制しない中性の界面活性剤が好ましい。具体的には、マルトースを親水性部分に持つ中性界面活性剤、トレハロースを親水性部分に持つ中性界面活性剤、及びグルコースを親水性部分に持つ中性界面活性剤等が挙げられる。これらの中性界面活性剤の疎水性部については、特に限定しないが、炭素数が7〜14程度のアルキル基が好ましい。結合溶液は、これらから選ばれる界面活性剤を含む中性緩衝液が好ましい。
マルトースを親水性部分に持つ中性界面活性剤としては、
n-Decyl-β-D-maltoside (DM) [cmc: 0.087%]
n-Dodecyl-β-D-maltoside (DDM) [cmc: 0.009%]
n-Nonyl-β-D-thiomaltoside (NTM) [cmc: 0.116%]
等が挙げられる。CMCは、臨界ミセル濃度である。
トレハロースを親水性部分に持つ中性界面活性剤としては、
α-D-Glucopyranosyl-α -Dglucopyranoside monooctanoate (Trehalose C8) [cmc: 0.262%]
α-D-Glucopyranosyl-α -Dglucopyranoside monododecanoate (Trehalose C12) [cmc: 0.008%]
α-D-Glucopyranosyl-α -Dglucopyranoside monomyristate (Trehalose C14) [cmc: 0.0007%]
等が挙げられる。
グルコースを親水性部分に持つ中性界面活性剤としては、
n-Octyl-β-D-thioglucoside (OTG) [cmc: 0.278%]
n-Octyl-β-D-glucoside (OG) [cmc: 0.731%]
n-Heptyl-β -D-thioglucoside (HTG) [cmc: 0.883%]
等が挙げられる。
上記の中性界面活性剤を1種又は複数を組み合わせて用いることができる。用いる担体や、抗体、及び標的ポリペプチドに合わせて適宜、用いる中性界面活性剤が選ばれる。
結合溶液としての中性緩衝液における界面活性剤濃度は、特に限定されないが、例えば、0.001〜10%(v/v)であり、0.01〜5%(v/v)が好ましく、0.05〜2%(v/v)がより好ましい。このような界面活性剤濃度とすることにより、抗体と、結合されるべき対象ポリペプチドとの結合反応が良好に得られやすい。中性緩衝液の中性とは、pH6.5〜8.5程度を意味する。また、緩衝液組成としては、Tris緩衝液、リン酸緩衝液、HEPES緩衝液などが挙げられる。
さらに、第1結合工程前に血液試料の前処理を実施しても良い。この前処理は、例えば、血液試料に含まれるIgGやIgMなどの抗体の除去が行われる。血液試料中には、結合工程で用いる担体に固定化された抗体に結合する試料由来抗体が含まれている。よって、この試料由来抗体を結合工程前に除去することにより、当該試料由来抗体が結合工程で用いる抗体に結合することを防ぐことができる。試料由来の抗体の除去は、血液試料を、Protein G, Protein A, Protein L, 抗IgG抗体、抗IgM抗体、抗IgA抗体、抗IgY抗体、抗IgD抗体、抗IgE抗体などが結合している担体に接触させることにより行うことができる。本発明においては、2回連続でアフィニティ精製を行うので、第1結合工程前に血液試料の前処理を実施しなくても良い。
[3.第1洗浄工程]
次に、第1結合工程により得られた前記第1抗体固定化担体と前記標的ポリペプチドとの結合体を、洗浄溶液を用いて洗浄する。
洗浄工程において、まず、前記洗浄溶液として界面活性剤を含む中性緩衝液を用いて洗浄を行い、その後、前記洗浄溶液として界面活性剤を含まない中性緩衝液を用いて洗浄を行うことが好ましい。
前記洗浄溶液としての界面活性剤を含む中性緩衝液は、上述した結合溶液としての界面活性剤を含む中性緩衝液と同様のものを用いることができる。まず、前記界面活性剤を含む中性緩衝液を用いて洗浄を行うことにより、不要成分、例えば疎水性の高い血中タンパク質、脂質、糖脂質などの通常の除去を行う。中性緩衝液の中性は、体液に近いpHが好ましく、例えば、pH6.5〜8.5が好ましく、pH7.0〜8.0がより好ましい。このような中性緩衝液での洗浄を行うことにより、この洗浄工程での抗原抗体結合体における標的ポリペプチドの担体からの解離を防止できる。
その後、界面活性剤を含まない中性緩衝液を用いて洗浄を行うことが好ましい。界面活性剤を含まない中性緩衝液を用いて洗浄を行うことにより、以降の操作における泡立ち等の不都合を防ぎやすい。
洗浄工程においては、担体表面を洗浄溶液の0.01〜500MPa、好ましくは0.05〜300MPa、さらに好ましくは0.1〜200MPaの流体圧に供することによって、不要な成分を除去することができる。上記範囲を下回ると、所望の洗浄効果が得られない傾向にある。上記範囲を上回ると、抗体と結合された対象ポリペプチドとの結合が切断されるおそれがある。洗浄条件をより高圧で行うことにより、抗体固定化担体への非特異吸着物質の除去効率を向上させ、その結果、結合された対象ポリペプチドの分析の感度向上(S/N比の向上)に資することとなる。
なお、洗浄の具体的手法は特に限定されるものではない。例えば球状担体の場合は、洗浄液内で撹拌することによって洗浄することができる。平面担体の場合は、洗浄ノズルから高圧洗浄液を噴射することによって洗浄することができる。より具体的には、平面担体上における特定の領域を高圧洗浄するために、当該領域の面積に応じた内径を有する洗浄ノズルを用いることができる。このノズルは、例えば二重管で構成され、内管は担体表面へ洗浄液を噴射する注水専用として、外管は担体表面へ噴射した洗浄液を吸引する排水専用として機能させることができる。
[4.第1解離溶出工程]
次に、洗浄後の前記第1抗体固定化担体と前記標的ポリペプチドとの結合体について、前記抗体固定化担体から前記標的ポリペプチドを、酸性水溶液を溶出液として用いて解離させる。
抗原が結合している抗体(抗原抗体複合体)から抗原を解離させるために、酸性水溶液を抗原抗体複合体に接触させる。本発明においては、酸性水溶液を用いて、前記標的ポリペプチドが結合している抗体固定化担体から前記標的ポリペプチドを解離させ、溶出させる。
酸性水溶液は、界面活性剤を含むことが好ましい。酸性水溶液中に界面活性剤を含んでいると、前記担体から前記標的ポリペプチドの解離が効率よく起こる。その結果、結合された標的ポリペプチドの回収率の向上に資することとなる。上記界面活性剤の濃度がCMC濃度未満であると、界面活性剤の効果が得られず、前記標的ポリペプチドの解離の効率はよくない。例えば、50 mM Glycine緩衝液(pH2.8)に0.1% DDMを含ませた水溶液を用いると、より高い溶出効率が得られやすい。酸性水溶液の酸性とは、pH1〜3.5程度を意味する。
また、酸性水溶液中に界面活性剤を含めることにより、溶出された標的ポリペプチドがチューブや試験管、マイクロプレート等へ吸着することを防ぎ、その吸着による標的ポリペプチドのロスを抑える効果がある。
通常、解離に用いた界面活性剤を含む酸性水溶液を溶出液としても用いて、担体から解離された前記標的ポリペプチドを溶出させることができる。あるいは、当業者が溶出液を適宜選択するとよい。第1解離溶出工程において、前記酸性水溶液は、次の第2反応工程の反応効率を低下させないために、有機溶媒を含まないことが好ましい。
解離工程においては、担体表面を溶出液に接触させることにより前記標的ポリペプチドを解離させて、溶出させることができる。必要に応じて、溶出液内で担体を攪拌してもよい。このようにして、第1溶出液を得る。
[5.中性化工程]
得られた第1溶出液に中性緩衝液を加えることにより前記溶出液のpHを中性にして、pHが中性とされた第1精製溶液を得る。中性化工程において、前記中性緩衝液は、上述した結合溶液としての中性緩衝液と同様のものを用いることができる。前記中性緩衝液は、界面活性剤を含んでいることが好ましい。中性緩衝液の中性は、体液に近いpHが好ましく、例えば、pH6.5〜8.5が好ましく、pH7.0〜8.0がより好ましい。第1精製溶液のpHとしては、例えば、pH6.5〜8.5が好ましく、pH7.0〜8.0がより好ましい。このようなpH範囲とすることにより、次の第2反応工程の高い反応効率が得られやすい。また、中性化工程において、前記中性緩衝液は、次の第2反応工程の反応効率を低下させないために、有機溶媒を含まないことが好ましい。
[6.第2結合反応工程]
次に、前記第2抗体固定化担体に、前記第1精製溶液を接触させて、前記第2抗体固定化担体と前記第1精製溶液に含まれる標的ポリペプチドとを結合させる。
前記第1精製溶液は、上記の操作により、既に結合溶液を含んでいる。しかしながら、この段階で、第1結合反応工程と同様な、通常の免疫沈降法(IP)で用いられる結合溶液をさらに追加してもよい。
前記第2反応工程に付される前記第1精製溶液の液量が、前記第1反応工程に付される前記生体試料の含有液(前記生体試料及び結合溶液を含む生体試料液)の液量よりも小さいことが好ましい。本発明において、前記第2反応工程に付される前記第1精製溶液の液量が、前記第1反応工程に付された前記生体試料液の液量(すなわち、前記生体試料及び結合溶液の合計の液量)よりも小さいと、第2反応工程における標的ポリペプチドに対する抗体との結合効率が高くなり、標的ポリペプチドのロスをより少なくすることができる。すなわち、多くの場合、アフィニティ精製において標的となるポリペプチドに対する抗体との結合率は100%ではないため、アフィニティ精製を行う度に大なり小なり標的ポリペプチドのロスが生じる。1回だけアフィニティ精製をするよりも、2回連続でアフィニティ精製する方が夾雑物質は減少するが、同時に標的ポリペプチドも減少してしまう。このため、2回目の標的ポリペプチドに対する抗体との結合効率を高くして標的ポリペプチドのロスを少なくするために、2回目のアフィニティ精製では反応溶液量(すなわち、第1精製溶液の液量)を小さくした方が好ましい。
前記第1反応工程に付された前記生体試料液の液量(すなわち、前記生体試料及び結合溶液の合計の液量)に比べて、前記第2反応工程に付される前記第1精製溶液の液量を、少なくすることが好ましい。前記第1反応工程に付された前記生体試料液の液量を基準として、前記第2反応工程に付される前記第1精製溶液の液量を、体積で表して、例えば、0.1〜50%程度、好ましくは0.5〜20%程度、さらに好ましくは1〜10%程度とするとよい。このことは、第1溶出工程に用いる酸性溶液の量を少なくして第1溶出液の量を少なくする、中性化工程に用いる中性緩衝液の量を少なくする等して、第1精製溶液の液量を少なくすることによって行い得る。
また、前記第2反応工程における前記第2抗体固定化担体の量が、前記第1反応工程における前記第1抗体固定化担体の量よりも少ないことが好ましい。本発明において、前記第2反応工程における前記第2抗体固定化担体の量が、前記第1反応工程における前記第1抗体固定化担体の量よりも少ないと、質量分析で計測する時の試料溶液となる溶出液(第2精製溶液)の液量を小さくでき、結果として、標的ポリペプチドがより濃縮されて高感度に検出できる。すなわち、質量分析で計測する時の試料溶液量は小さい方が標的ポリペプチドが濃縮されて高感度に検出できる。質量分析で計測する時の試料溶液となる溶出液量を小さくするためには、2回目のアフィニティ精製で使用する抗体固定化担体量は少なくした方が好ましい。また、非特異的吸着物質や抗体固定化担体由来の夾雑物質の混入を低減させることにも効果がある。
前記第1反応工程における前記第1抗体固定化担体の量を基準として、前記第2反応工程における前記第2抗体固定化担体の量を、担体の表面積で表して、例えば、1〜50%程度、好ましくは5〜25%程度とするとよい。第1抗体固定化担体と、前記第2抗体固定化担体とが同じものであれば、担体の表面積は、担体の重量、担体の個数と同じことを意味する。
[7.第2洗浄工程]
第2結合工程により得られた前記第2抗体固定化担体と前記標的ポリペプチドとの結合体を、洗浄溶液を用いて洗浄する。
洗浄工程において、まず、前記洗浄溶液として界面活性剤を含む中性緩衝液を用いて洗浄を行い、その後、前記洗浄溶液として界面活性剤を含まない中性緩衝液を用いて洗浄を行うことが好ましい。
前記洗浄溶液としての界面活性剤を含む中性緩衝液は、上述した結合溶液としての界面活性剤を含む中性緩衝液と同様のものを用いることができる。まず、前記界面活性剤を含む中性緩衝液を用いて洗浄を行うことにより、不要成分、例えば疎水性の高い血中タンパク質、脂質、糖脂質などの通常の除去を行う。中性緩衝液の中性は、体液に近いpHが好ましく、例えば、pH6.5〜8.5が好ましく、pH7.0〜8.0がより好ましい。このような中性緩衝液での洗浄を行うことにより、この洗浄工程での抗原抗体結合体における標的ポリペプチドの担体からの解離を防止できる。
その後、界面活性剤を含まない中性緩衝液を用いて洗浄を行うことが好ましい。界面活性剤を含まない中性緩衝液を用いて洗浄を行うことにより、以降の操作における泡立ち等の不都合を防ぎやすい。さらに、検出工程において界面活性剤の混入によるイオン化抑制(イオンサプレッション)を低減ざせることもできる。
洗浄工程においては、担体表面を洗浄溶液の0.01〜500MPa、好ましくは0.05〜300MPa、さらに好ましくは0.1〜200MPaの流体圧に供することによって、不要な成分を除去することができる。上記範囲を下回ると、所望の洗浄効果が得られない傾向にある。上記範囲を上回ると、抗体と結合された対象ポリペプチドとの結合が切断されるおそれがある。洗浄条件をより高圧で行うことにより、抗体固定化担体への非特異吸着物質の除去効率を向上させ、その結果、結合された対象ポリペプチドの分析の感度向上(S/N比の向上)に資することとなる。
なお、洗浄の具体的手法は、第1洗浄工程において説明したものと同様であり、特に限定されるものではない。
[8.第2解離溶出工程]
次に、洗浄後の前記第2抗体固定化担体と前記標的ポリペプチドとの結合体について、前記抗体固定化担体から前記標的ポリペプチドを、酸性水溶液を溶出液として用いて解離させる。
抗原が結合している抗体(抗原抗体複合体)から抗原を解離させるために、酸性水溶液を抗原抗体複合体に接触させる。本発明においては、酸性水溶液を用いて、前記標的ポリペプチドが結合している抗体固定化担体から前記標的ポリペプチドを解離させ、溶出させる。酸性水溶液は、有機溶媒を含むことが好ましい。酸性水溶液中に有機溶媒を含んでいると、前記担体から前記標的ポリペプチドの解離が効率よく起こる。その結果、結合された標的ポリペプチドの回収率の向上に資することとなる。この際の有機溶媒としては、水と任意の割合で混和する有機溶媒、例えば、アセトニトリル、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、クロロホルム等が挙げられる。また、酸性水溶液中の有機溶媒の濃度は、特に限定されないが、例えば、10〜90%(v/v)程度とするとよく、20〜80%(v/v)程度とすることが好ましく、25〜70%(v/v)程度とすることがより好ましい。上記範囲の酸性水溶液中の有機溶媒の濃度とすると、前記担体から前記標的ポリペプチドの解離が効率よく起こる。その結果、結合された標的ポリペプチドの分析の感度向上(S/N比の向上)に資することとなる。上記有機溶媒の濃度が10%(v/v)未満であると、有機溶媒の効果が得られず、前記標的ポリペプチドの解離の効率はよくない。例えば、5mM酢酸に70%(v/v)アセトニトリルを含んだ水溶液を用いることと、より高い溶出効率が得られやすい。酸性水溶液の酸性とは、pH1〜3.5程度を意味する。
通常、解離に用いた有機溶媒を含む酸性水溶液を溶出液としても用いて、担体から解離された前記標的ポリペプチドを溶出させることができる。あるいは、当業者が溶出液を適宜選択するとよい。
解離工程においては、担体表面を溶出液に接触させることにより前記標的ポリペプチドを解離させて、溶出させることができる。必要に応じて、溶出液内で担体を攪拌してもよい。このようにして、第2精製溶液を得る。
[9.検出工程]
次に、得られた第2精製溶液に含まれる標的ペプチドを、質量分析によって検出する。質量分析法は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)質量分析法、エレクトロスプレーイオン化(ESI)質量分析法などによる質量分析法であることが好ましい。例えば、MALDI-TOF(マトリックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間)型質量分析装置、MALDI-IT(マトリックス支援レーザー脱離イオン化−イオントラップ)型質量分析装置、MALDI-IT-TOF(マトリックス支援レーザー脱離イオン化−イオントラップ−飛行時間)型質量分析装置、MALDI-FTICR(マトリックス支援レーザー脱離イオン化−フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴)型質量分析装置、ESI-QqQ(エレクトロスプレーイオン化−三連四重極)型質量分析装置、ESI-Qq-TOF(エレクトロスプレーイオン化−タンデム四重極−飛行時間)型質量分析装置、ESI -FTICR(エレクトロスプレーイオン化−フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴)型質量分析装置等を用いることができる。
マトリックス及びマトリックス溶媒は、分析対象(ポリペプチド)に応じて当業者が適宜決定することができる。
マトリックスとしては、例えば、α−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸(CHCA)、2,5-ジヒドロキシ安息香酸(2,5−DHB)、シナピン酸、3−アミノキノリン(3−AQ)等を用いることができる。
マトリックス溶媒としては、例えば、アセトニトリル(ACN)、トリフルオロ酢酸(TFA)、メタノール、エタノール及び水からなる群から選択して用いることができる。より具体的には、ACN−TFA水溶液、ACN水溶液、メタノール−TFA水溶液、メタノール水溶液、エタノール−TFA水溶液、エタノール溶液などを用いることができる。ACN−TFA水溶液におけるACNの濃度は例えば10〜90体積%であり、TFAの濃度は例えば0.05〜1体積%、好ましくは0.05〜0.1体積%でありうる。
マトリックス濃度は、例えば0.1〜50mg/mL、好ましくは0.1〜20mg/mL、あるいは0.3〜20mg/mL、さらに好ましくは0.5〜10mg/mLでありうる。
MALDI質量分析による検出系を用いる場合、マトリックス添加剤(コマトリックス)が併用されることが好ましい。マトリックス添加剤は、分析対象(ポリペプチド)及び/又はマトリックスに応じて当業者が適宜選択することができる。例えば、マトリックス添加剤として、ホスホン酸基含有化合物を用いることができる。具体的には、ホスホン酸基を1個含む化合物として、ホスホン酸(Phosphonic acid)、メチルホスホン酸(Methylphosphonic acid)、フェニルホスホン酸(Phenylphosphonic acid)、及び1-ナフチルメチルホスホン酸(1-Naphthylmethylphosphonic acid)等が挙げられる。また、ホスホン酸基を2個以上含む化合物として、メチレンジホスホン酸(Methylenediphosphonic acid;MDPNA)、エチレンジホスホン酸(Ethylenediphosphonic acid)、エタン-1-ヒドロキシ-1,1-ジホスホン酸(Ethane-1-hydroxy-1,1-diphosphonic acid)、ニトリロトリホスホン酸(Nitrilotriphosphonic acid)、及びエチレンジアミノテトラホスホン酸(Ethylenediaminetetraphosphonic acid)等が挙げられる。上記のホスホン酸基含有化合物の中でも、1分子中に2以上、好ましくは2〜4個のホスホン酸基を有する化合物が好ましい。
ホスホン酸基含有化合物の使用は、例えば抗体固定化担体表面に残存した洗浄溶液の金属イオンが解離工程後の溶出液に混入した場合に有用である。この金属イオンは質量分析においてバックグラウンドへ悪影響を与える。ホスホン酸基含有化合物の使用には、このような悪影響を抑制する効果がある。
なお、上記マトリックス添加剤以外にも、より一般的な添加剤、例えばアンモニウム塩及び有機塩基からなる群から選ばれる物質が使用されても良い。
マトリックス添加剤は、水中又はマトリックス溶媒中0.1〜10w/v%、好ましくは0.2〜4w/v%の溶液に調製することができる。マトリックス添加剤溶液及びマトリックス溶液は、例えば、1:100〜100:1、好ましくは1:10〜10:1の体積比で混合することができる。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。以下において%で示される物の量は、特に断りがない場合は、その物が固体である場合は重量基準、液体である場合は体積基準で示されている。
[実験例1:抗Aβ抗体固定化ビーズ、及び抗Aβ F(ab’)固定化ビーズの作製]
アミロイドβタンパク質(Aβ)の3−8残基をエピトープとする抗Aβ抗体(IgG)のクローン6E10(Covance社)を用意した。必要に応じてそのF(ab’)断片も調製した。
IgG 100 μg、もしくはF(ab’) 26.4 μgに対して、磁性ビーズ(Dynabeads(登録商標)M-270 Epoxy)約3.3×108 個を、固定化緩衝液(1M 硫酸アンモニウムを含有する0.1M リン酸緩衝液(pH7.4))中で37℃、16〜24時間反応させることにより、抗AβIgG固定化ビーズ、または抗Aβ F(ab’)固定化ビーズを作製した。
[実験例2:従来の免疫沈降法 (IP)の操作手順]
ヒト血漿(コージンバイオ社)250 μLに等量(250 μL)の反応緩衝液(0.2%(w/v) DDM, 0.2%(w/v) NTM, 800mM GlcNAc, 100mM Tris-HCl, 300mM NaCl, pH7.4)を混合させた後、氷上で5分間静置させた。その血漿を抗Aβ抗体固定化ビーズと混ぜて、氷上で1時間振盪させた。その後、抗Aβ抗体固定化ビーズを洗浄緩衝液(0.1% DDM, 0.1% NTM、50mM Tris-HCl(pH7.4)、150mM NaCl)100 μLで5回洗浄、50 mM 酢酸アンモニウム緩衝液50 μLで2回洗浄、さらにH2O 30 μLで1回洗浄した後、溶出液(5 mM 塩酸を含有する70%(v/v) アセトニトリル) 5 μLで抗Aβ抗体固定化ビーズに結合している物質を溶出させた。この溶出液を質量分析に供した。
[実験例3:連続免疫沈降法(Consecutive Immunoprecipitation; cIP) の操作手順]
(第1反応工程)
ヒト血漿(コージンバイオ社)250 μLに等量(250 μL)の第1IP反応緩衝液(0.2%(w/v) DDM, 0.2%(w/v) NTM, 800mM GlcNAc, 100mM Tris-HCl, 300mM NaCl, pH7.4)を混合させた後、氷上で5分間静置させた。その血漿を抗Aβ抗体固定化ビーズと混ぜて、氷上で1時間振盪させた。
(第1洗浄工程、第1溶出工程)
その後、抗Aβ抗体固定化ビーズを第1IP洗浄緩衝液(0.1% DDM, 0.1% NTM、50mM Tris-HCl(pH7.4)、150mM NaCl)100 μLで3回洗浄、50 mM 酢酸アンモニウム緩衝液50 μLで2回洗浄した後、第1IP溶出液(0.1% DDMを含有する50 mM Glycine buffer (pH2.8))で抗Aβ抗体固定化ビーズに結合している物質を溶出させた。第1溶出液を得た。
(中性化工程)
得られた第1溶出液を第2IP反応緩衝液(0.2%(w/v) DDM, 800mM GlcNAc, 300mMTris-HCl, 300mM NaCl, pH7.4)と混合させて、第1精製溶液を得た。
(第2反応工程)
得られた第1精製溶液を抗Aβ抗体固定化ビーズと混ぜて、氷上で1時間振盪させた。
(第2洗浄工程、第2溶出工程)
その後、抗Aβ抗体固定化ビーズを第2洗浄緩衝液(0.1% DDM, 50mM Tris-HCl(pH7.4)、150mM NaCl)50 μLで5回洗浄、50 mM 酢酸アンモニウム緩衝液50 μLで2回洗浄、さらにH2O 30 μLで1回洗浄した後、第2IP溶出液(5 mM 塩酸を含有する70%(v/v) アセトニトリル) 5 μLで抗Aβ抗体固定化ビーズに結合している物質を溶出させた。このようにして、第2精製溶液を得た。第2精製溶液を質量分析に供した。
[実験例4:MALDI-TOF MSによるペプチドの検出]
Linear TOF用のマトリックスとして、α-cyano-4-hydroxycinnamic acid (CHCA)を用いた。マトリックス溶液はCHCA 1 mgを70%(v/v) アセトニトリル 1 mLで溶解することによって調製した。マトリックス添加剤として、0.4%(w/v) methanediphosphonic acid (MDPNA)を用いた。1 mg/mL CHCA溶液と0.4%(w/v) MDPNA を等量混合した後、その0.5 μLをμFocus MALDI plateTM 900 μm (Hudson Surface Technology, Inc., Fort Lee, NJ)上へ滴下し、乾固させた。
実験例2、又は実験例3の手順に従って免疫沈降で得られた各溶出液を1 μL取り、μFocus MALDI plateTM 900 μm上のマトリックスへ滴下した。
マススペクトルデータはAXIMA Performance (Shimadzu/KRATOS, Manchester, UK)を用いて、ポジティブイオンモードのLinear TOFで取得した。1 wellに対して400スポット、16,000ショットずつ積算した。ピークの検出限界の基準はS/N比3以上とした。Linear TOFのm/z値はピークのアベレージマスで表示した。m/z値は外部標準としてhuman angiotensin IIとhuman ACTH fragment 18-39、bovine insulin oxidized beta-chain、bovine insulinを用いてキャリブレーションした。
[評価]
以下の実験例5〜10において、種々の評価を行った例を示す。
[実験例5:従来の免疫沈降法の問題点]
抗体抗原反応においては、抗体量を増やすことにより結合する抗原も増える。そのため、対象物質を免疫沈降して十分な量を回収できなかった場合、抗体固定化ビーズ量を増やせば解決することがある。しかし、夾雑物が混在している試料に対しては、抗体固定化ビーズ量の増加に伴って抗体固定化ビーズへ非特異的に吸着する夾雑物質も増える。特に、夾雑物質の多い生体試料である血漿は非特異的に吸着する夾雑物質も多くなってしまい、MALDI-MSでは対象物質のイオン化抑制(イオンサプレッション)を引き起こして、感度が落ちる結果となる。
実験例2の従来の免疫沈降法 (IP)の操作手順に従って、血漿試料中のAβを標的として、抗Aβ F(ab’)固定化ビーズを4通りのビーズ量(約1×107 個,2×107 個,4×107 個,10×107 個)で用いて、溶出液を得て、溶出液をMALDI-MSで測定した。これらの結果を図1に示す。
すなわち、図1は、実験例5において、血漿試料中のAβを標的として、抗Aβ F(ab’)固定化ビーズを4通りのビーズ量で用いて、従来のIP 操作後にMALDI-MSで測定した結果であり、(A)は、ビーズ量:約10×107 個、(B)は、ビーズ量:約4×107 個、(C)は、ビーズ量:約2×107 個、(D)は、ビーズ量:約1×107 個の結果を示す。
図1から、ビーズ量が多いほどAβ1-40ピークのS/Nが低くなると共に、血漿由来夾雑物質のピークが高くなっている。図1中の「P」は、血漿由来夾雑物質のピークを示している。
[実験例6:従来の免疫沈降法と本発明の2回連続免疫沈降法の比較1]
血漿中のAβの様な微量物質に対しては、従来のIPでは夾雑物質の排除が十分でないため、MALDI-MSで感度良く検出することは難しい。そこで、2回連続免疫沈降(cIP)することで効果的に夾雑物を排除してAβの感度を向上させることを試みた。
コージンバイオ社から購入したヒト血漿250 μLに対して、実験例2の従来の免疫沈降法 (IP)の操作手順に従って溶出液を得て、溶出液をMALDI-MSで測定した。また、コージンバイオ社から購入したヒト血漿250 μLに対して、実験例3の連続免疫沈降法(cIP) の操作手順に従って第2精製溶液を得て、第2精製溶液をMALDI-MSで測定した。抗Aβ抗体固定化ビーズとしては、抗Aβ F(ab’)固定化ビーズと、抗Aβ IgG固定化ビーズの2種類についてそれぞれ評価した。これらの結果を図2,図3に示す。
すなわち、図2は、実験例6において、血漿試料中のAβを標的として、抗Aβ F(ab’)固定化ビーズを用いて、免疫沈降操作後にMALDI-MSで測定した結果であり、(A)は、従来のIP 操作(抗Aβ F(ab’)固定化ビーズ:約4×107 個)後に、MALDI-MSで測定した結果を示し、(B)は、本発明のcIP操作(第1抗Aβ F(ab’)固定化ビーズ:約4×107 個,第2抗Aβ F(ab’)固定化ビーズ:約1×107 個、第1IP溶出液量:30 μL、第1精製溶液:100 μL)後に、MALDI-MSで測定した結果を示す。
図3は、実験例6において、血漿試料中のAβを標的として、抗Aβ IgG固定化ビーズを用いて、免疫沈降操作後にMALDI-MSで測定した結果であり、(A)は、従来のIP 操作(抗Aβ IgG固定化ビーズ:約1×107 個)後に、MALDI-MSで測定した結果を示し、(B)は、本発明のcIP操作(第1抗Aβ IgG固定化ビーズ:約1×107 個,第2抗Aβ IgG固定化ビーズ:約1×107 個、第1IP溶出液量:15 μL、第1精製溶液:30 μL)後に、MALDI-MSで測定した結果を示す。図3中の「P」は血漿由来夾雑物質のピーク、「B」は抗体ビーズ由来夾雑物質のピークを示している。
図2及び図3から、抗Aβ F(ab’)固定化ビーズ、及び抗Aβ IgG固定化ビーズのいずれを用いた場合についても、従来のIPよりもcIP の方がAβ1-40ピークのS/Nが向上していた。抗Aβ IgG固定化ビーズに関しては、cIPの方が血漿由来夾雑物質のピークは減少していた(図3)。
[実験例7:従来の免疫沈降法と本発明の2回連続免疫沈降法の比較2]
cIPで効果的に夾雑物質が排除できているか否かを調べるために、上記実験例6の抗Aβ IgG固定化ビーズを用いた場合の、従来のIPの操作後の溶出液サンプル、及び本発明のcIP の操作後の第2精製溶液サンプルを、それぞれをSDS-PAGEに流し、銀染色でタンパク質を比較した。
次のように、各処理1〜4を行った。
1:抗体を固定化させていないDynabeads M-270 Epoxyを用いて血漿を対象に従来のIP操作を1回行った。
2:抗Aβ IgG固定化ビーズを溶出液(5 mM 塩酸を含有する70%(v/v) アセトニトリル)に曝した。
3:抗Aβ IgG固定化ビーズを用いて血漿を対象にIPを1回行った。
4:抗Aβ IgG固定化ビーズを用いて血漿を対象に2回連続IP(cIP)を行った。
上記1〜4の各処理を行った後でSDS-PAGEに流し、銀染色でタンパク質バンドを検出した。この結果を図4に示す。すなわち、図4は、実験例6の抗Aβ IgG固定化ビーズを用いた場合の、従来のIPの操作後の溶出液サンプル、及び本発明のcIP の操作後の第2精製溶液サンプルを、それぞれをSDS-PAGEに流し、銀染色でタンパク質を比較した結果を示す。
図4の結果、従来の1回IP(レーン:3)よりもcIP(レーン:4)の方がタンパク質が減少していることが確認された。血漿に対し、抗体を共有結合させていないDynabeads M-270 Epoxyを用いてIP操作を行ったサンプル(レーン:1)のタンパク質バンドが、1回IP後のサンプル(レーン:3)にもあるため、非特異的に吸着する血漿由来タンパク質はビーズ自体に吸着していることが判明した。また、抗Aβ IgG固定化ビーズを溶出液(5 mM 塩酸を含有する70%(v/v) アセトニトリル)に曝すと若干タンパク質が溶出した(レーン:2)。このタンパク質バンドが、cIP後のサンプル(レーン:4)にもあることから、cIPで検出されたタンパク質は抗Aβ IgG固定化ビーズ由来のタンパク質であることが判明した。cIP後のサンプルには抗Aβ IgG固定化ビーズ由来のタンパク質が混入するももの、血漿由来タンパク質は限りなく排除されていることが確認された。
[実験例8:MALDI-MSの高感度測定に有効なcIPの反応条件:第2IP反応溶液量]
抗体抗原反応では、抗原や抗体の濃度が高いほど結合効率が高くなる。cIPの第1IP反応では元々の試料濃度をコントロールすることはできないが、第1IP反応における溶出液(第1精製溶液)を少量にすることにより、第2IP反応に供すべき対象物質濃度を高くして、結合効率を高くすることができる。
そこで、実験例3の連続免疫沈降cIPに従って、抗Aβ IgG固定化ビーズ(第1IPの抗Aβ IgG固定化ビーズ量:約4×107 個、第2IPの抗Aβ IgG固定化ビーズ量:約1×107 個)を用いて、第1反応工程に付される生体試料の含有液(血漿:250μL +反応緩衝液:250μL)において、
(A)第1IP溶出液量45 μLで溶出した後、第2IPの反応溶液量(第1精製溶液の液量)を100 μLにした時と、
(B)第1IP溶出液量15 μLで溶出した後、第2IPの反応溶液量(第1精製溶液の液量)を30 μLにした時のMALDI-MSにおける感度を比較した。これらの結果を図5に示す。
すなわち、図5は、実験例8において、血漿試料中のAβ関連ペプチドを標的として、抗Aβ IgG固定化ビーズを用いて、連続免疫沈降cIP操作後にMALDI-MSで測定した結果であり、(A)は、第1IP溶出液量45 μLで溶出した後、第2IPの反応溶液量を100 μLにした時のMALDI-MSで測定した結果を示し、(B)は、第1IP溶出液量15 μLで溶出した後、第2IPの反応溶液量を30 μLにした時のMALDI-MSで測定した結果を示す。図5中の「P」は血漿由来夾雑物質のピーク、「B」は抗体ビーズ由来夾雑物質のピークを示している。
図5より、第2IPの反応溶液量を30 μLにした方が、検出された全てのペプチド(Aβ1-38、Aβ3-40、Aβ1-40、Aβ1-42、APP669-711)のS/Nが増加していた。このことから、第2IPの反応溶液量を少なくした方が感度良くMALDI-MSで検出できることが示された。
[実験例9:MALDI-MSの高感度測定に有効なcIPの反応条件:第1IPの抗体ビーズ量]
従来の免疫沈降(IP)では抗体固定化ビーズ量の増加に伴って結合する抗原量は増えるが、抗体固定化ビーズへ非特異的に吸着する夾雑物質も増えてしまうため、MALDI-MSでの感度向上の効果は見込めない。しかし、cIPであれば第1IPの抗体固定化ビーズ量を増やして夾雑物質が増えても第2IPでその夾雑物を除去できるため、抗体固定化ビーズ量を増やすことによるMALDI-MSの感度向上の効果が期待できる。
そこで、実験例3の連続免疫沈降cIPに従って、抗Aβ IgG固定化ビーズを用いて、第1IPで用いる抗Aβ IgG固定化ビーズを4通りのビーズ量(約1×107 個,2×107 個,4×107 個,8×107 個)で用いて、第2IPの抗Aβ IgG固定化ビーズ量:約1×107 個で用いて、第1IP溶出液量を15 μL、第1精製溶液の液量を30 μLとして、cIPを行い、第2精製溶液を得て、第2精製溶液をMALDI-MSで測定した。これらの結果を図6に示す。
すなわち、図6は、実験例9において、血漿試料中のAβ関連ペプチドを標的として、抗Aβ IgG固定化ビーズを用いて、連続免疫沈降cIP操作後にMALDI-MSで測定した結果であり、(A)は、第1IPの抗Aβ IgG固定化ビーズ量:約8×107 個、(B)は、第1IPの抗Aβ IgG固定化ビーズ量:約4×107 個、(C)は、第1IPの抗Aβ IgG固定化ビーズ量:約2×107 個、(D)は、第1IPの抗Aβ IgG固定化ビーズ量:約1×107 個の結果を示す。図6中の「P」は血漿由来夾雑物質のピーク、「B」は抗体ビーズ由来夾雑物質のピークを示している。
図6から、約1×107 個から約4×107 個まで第1IPの抗Aβ IgG固定化ビーズ量を増やすにつれて、検出された全てのペプチド(Aβ1-38、Aβ3-40、Aβ1-40、APP669-711)のS/Nが増加していた。約8×107 個のビーズ量では、S/Nが若干低下していた。これは、ビーズ量が増えたため溶出効率が不十分であった、第2IPでも除去しきれなかった夾雑物質がイオンサプレッションを引き起こした、のどちらか、もしくは両方が原因と考えられる。このことから、cIPは従来のIPでは効果が得られなかった抗体ビーズ量増加による感度向上効果を得ることができる。
[実験例10:MALDI-MSの高感度測定に有効なcIPの反応条件:第2IPの抗体ビーズ量]
実験例3の連続免疫沈降cIPに従って、抗Aβ IgG固定化ビーズを用いて、第2IPの抗体ビーズ量の最適量を検討した。第1IPで用いる抗Aβ IgG固定化ビーズを約4×107 個)で用いて、第2IPで用いる抗Aβ IgG固定化ビーズを4通りのビーズ量(約0.5×107 個,1×107 個,2×107 個,4×107 個)で用いて、第1IP溶出液量を15 μL、第1精製溶液の液量を30 μLとして、cIPを行い、第2精製溶液を得て、第2精製溶液をMALDI-MSで測定した。これらの結果を図7に示す。
すなわち、図7は、実験例10において、血漿試料中のAβ関連ペプチドを標的として、抗Aβ IgG固定化ビーズを用いて、連続免疫沈降cIP操作後にMALDI-MSで測定した結果であり、(A)は、第2IPの抗Aβ IgG固定化ビーズ量:約4×107 個、(B)は、第2IPの抗Aβ IgG固定化ビーズ量:約2×107 個、(C)は、第2IPの抗Aβ IgG固定化ビーズ量:約1×107 個、(D)は、第2IPの抗Aβ IgG固定化ビーズ量:約0.5×107 個の結果を示す。図7中の「B」は抗体ビーズ由来夾雑物質のピークを示している。
図7から、第2IPの抗Aβ IgG固定化ビーズ量が少ないほど検出された全てのAβ関連ペプチド(Aβ1-38、Aβ3-40、Aβ1-40、APP669-711)でS/Nが高いことを示していた。第2IPの抗体ビーズ量が少ないほど抗体ビーズから溶出される抗体ビーズ由来夾雑物質量が減少するため、イオンサプレッションによる影響が減少してSNが高くなったと考えられる。
本発明によれば、2回連続でアフィニティ精製を行うことにより、1回のアフィニティ精製だけでは排除しきれなかった夾雑物質を、2回目のアフィニティ精製によりさらに減少させることができる。このため、夾雑物質によるポリペプチドのイオン化抑制を防ぐことができ、生体試料中の微量なポリペプチドでも質量分析で計測することが可能となる。さらに、3回目又はそれ以上回数のアフィニティ精製を行い、夾雑物質をさらに減少させることも可能である。しかしながら、本明細書で示しているように、2回のアフィニティ精製を行うことにより、質量分析上の効果が認められており、3回又はそれ以上回数のアフィニティ精製を行うと、標的ポリペプチドも減少してしまうデメリットが生じる。
Aβ1-38(配列番号1):DAEFRHDSGYEVHHQKLVFFAEDVGSNKGAIIGLMVGG
Aβ3-40(配列番号2):EFRHDSGYEVHHQKLVFFAEDVGSNKGAIIGLMVGGVV
Aβ1-40(配列番号3):DAEFRHDSGYEVHHQKLVFFAEDVGSNKGAIIGLMVGGVV
Aβ1-42(配列番号4):DAEFRHDSGYEVHHQKLVFFAEDVGSNKGAIIGLMVGGVVIA
APP669-711(配列番号5):VKMDAEFRHDSGYEVHHQKLVFFAEDVGSNKGAIIGLMVGGVV

Claims (8)

  1. 生体試料中の標的ポリペプチドを測定する方法であって、
    担体と、前記担体に結合した、標的ポリペプチドを認識可能な抗原結合部位を持つ抗体とを含む第1抗体固定化担体に、生体試料の含有液を接触させて、前記生体試料中の標的ポリペプチドを前記第1抗体固定化担体に結合させる第1反応工程と、
    前記標的ポリペプチドが結合した前記第1抗体固定化担体を洗浄する第1洗浄工程と、
    酸性溶液を用いて前記第1抗体固定化担体から前記標的ポリペプチドを解離させ溶出させ、第1溶出液を得る第1溶出工程と、
    前記第1溶出液に中性緩衝液を加えることにより前記溶出液のpHを中性にして、pHが中性とされた第1精製溶液を得る中性化工程と、
    担体と、前記担体に結合した、前記標的ポリペプチドを認識可能な抗原結合部位を持つ抗体とを含む第2抗体固定化担体に、前記第1精製溶液を接触させて、前記第1精製溶液中の前記標的ポリペプチドを前記第2抗体固定化担体に結合させる第2反応工程と、
    前記標的ポリペプチドが結合した前記第2抗体固定化担体を洗浄する第2洗浄工程と、
    酸性溶液を用いて前記第2抗体固定化担体から前記標的ポリペプチドを解離させ溶出させ、第2精製溶液を得る第2溶出工程と、
    前記第2精製溶液中の前記標的ポリペプチドを質量分析で検出する工程と、
    を含み、
    前記第2反応工程に付される前記第1精製溶液の液量が、前記第1反応工程に付される前記生体試料の含有液の液量よりも小さい、生体試料中の標的ポリペプチドを測定する方法。
  2. 前記第2反応工程における前記第2抗体固定化担体の量が、前記第1反応工程における前記第1抗体固定化担体の量よりも少ない、請求項に記載の方法。
  3. 前記第1溶出工程において、前記酸性溶液は、界面活性剤を含む酸性溶液である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第2溶出工程において、前記酸性溶液は、有機溶媒を含む酸性溶液である、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  5. 前記生体試料が、全血、血漿又は血清である、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  6. 前記標的ポリペプチドがペプチドである、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  7. 前記標的ポリペプチドが、Aβ関連ペプチドである、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  8. 前記質量分析において、マトリックス支援レーザー脱離イオン化型質量分析装置を用いる、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
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