JP6419727B2 - バルブリフタ - Google Patents

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Description

本発明は、直打式動弁機構に用いられるバルブリフタに関し、特にバルブリフタのスカート部の表面構造に関する。
エネルギー、環境問題に対応して燃費を向上させるため、内燃機関の摩擦損失の低減は重要な課題となっている。内燃機関の主要な摺動部としては、動弁系、ピストン系、クランクシャフト系が挙げられる。摩擦損失はこれらの主要摺動部で75〜90%を占めており、中高速回転域ではピストンリング、ピストン、コンロッドの割合が高く、低速回転域では動弁系のフリクションの占める割合が高い。これらの摩擦損失を低減する技術は、基本的に摺動面の表面粗さを低減して摩擦抵抗を低くすること、潤滑の観点から保油性を向上した表面構造とすることを基本に様々な改良が成されている。
内燃機関の典型的な動弁系の1つにバルブリフタがある。バルブリフタは、カムとバルブとの間に配置され、カムの回転運動をバルブの開閉運動に変換する部材である(特許文献1、2等)。バルブリフタは、冠部およびスカート部を含むバルブリフタ本体を有し、カムの回転運動に応じてバルブリフタ本体がシリンダヘッドに形成されたボア内を摺動する。このため、バルブリフタ本体のスカート部の外周面とシリンダヘッドのボア内周面と間の摩擦抵抗を低減することが望ましい。特許文献3のバルブリフタは、バルブリフタのスカート部の外周面の全域またはバルブリフタが挿入されるボア(バルブリフタ収容部)の内周面の全域に、ショットブラスト加工やサンドブラスト加工により凹部を形成することで、スカート部とボア内周面との間に潤滑油を保持させ、摩擦を低減させている。特許文献4のバルブリフタは、バルブリフタのスカート部の外周面の縦方向にテクスチャー溝と非テクスチャー溝とを交互に形成することで、縦方向の摺動抵抗を低減させている。
特開2008−240601号 特開2008−215172号 特開2008−75591号 特開2011−256715号
図1(A)は、バルブリフタの動弁系の概略断面図、図1(B)は、バルブリフタが上昇しバルブが閉じたときの断面図、図1(C)は、バルブリフタが降下しバルブが開いたときの断面図である。シリンダヘッド10に形成されたボア12内に適度なクリアランスで上下動可能にバルブリフタ14が配置される。バルブリフタ14の冠面と摺動するカム16は、カムシャフト18に取付けられ、カムシャフト18はチェーン等の駆動系20によって回転される。カムシャフト18内の空間18Aに供給された潤滑油は、孔22を介してカムジャーナル部24、カムジャーナルキャップ26に供給され、さらにカムジャーナル部24を潤滑した潤滑油は、間接的にその外周部に散布され、一部がバルブリフタ14の潤滑に利用される。
図2(A)は、バルブリフタが下降するときの概略断面図、図2(B)は、バルブリフタが上昇するときの概略断面図である。シリンダヘッド10のボア12の外周部(開口端部)には、カムシャフト等から散布された潤滑油30を溜めるような湾曲した上面32が形成される。この上面32には、カム先端部と接触しないような逃げが形成される必要があり、その結果、上面32とボア12の内壁との間に鋭いエッジ34が形成される。上面32に溜められた潤滑油30は、バルブリフタ14のスカート部14Aの外周面とボア12の内周面との間の摺動にも利用される。
カム16は、バルブリフタ冠面上を一定方向に摺動するが、カム幅の中心は、バルブリフタ14の中心から幾分オフセットされているため、カム16が冠面上を摺動するときバルブリフタ14に回転モーメントが与えられ、バルブリフタ14は、リフト動作とともにボア12内で回転される。バルブリフタ14とボア12との間にはクリアランスが設定されているため、バルブリフタ14は、図2(A)、(B)に示すように上下動するときに、ボア12内で微妙に傾いた姿勢で往復運動を繰り返すことになる。
図3は、バルブリフタのボア内での傾斜角(コッキング量)の計算例である。図3に示すように、リフト動作の開始直後と最大リフトの間際、並びに最大リフト経過直後とリフト終了間際において、いずれも矩形的に傾きの動作Yが行われる。カム16が右回転の場合、リフト開始直後ではバルブリフタ14に右回転モーメントが発生し、図2(A)に示すようにバルブリフタ14が右側に傾き、スカート部14Aの右側上端部S1と左側下端部S2がボア内壁に接触し、モーメントの反力F1、F2を受ける。このモーメントの方向は、最大リフト直前まで変わらないため、バルブリフタ14は常に右側に傾いた状態で下降動作を行う。このとき特に、下端部S2への潤滑油の供給が少なくなり、下端部S2によりボア内壁が削り取られてしまう。
また、バルブリフタ14が最大リフト直後から開閉間際までの折り返す工程においては、上昇時とは逆に常に左回転のモーメントにより、図2(B)に示すようにバルブリフタが左側に傾き、スカート部の反対側の上下端部S1、S2でモーメントの反力F1、F2を受ける。このモーメントの方向は、リフト終了間際まで変わらないため、バルブリフタ14は常に左側に傾いた状態で上昇動作を行う。このとき特に、上端部S1への潤滑油の供給が少なくなり、ボア内壁が削ら取られてしまう。さらに、バルブリフタ冠面は、エッジ34を超えてリフト0の地点まで上昇するため、上端部S1がエッジ34と摺動し、潤滑状態が不十分であれば、そこでの摩擦抵抗が大きくなり、エッジ34が摩耗してしまう。
このように、バルブリフタは上下動中に姿勢が傾斜され、それ故、バルブリフタ14とボアとの主要な接触部は、スカート部14Aの上下端部S1、S2に限定される。両者の構造上、互いのエッジで当接・摺動していることから、この部分では油膜が切れ易く、摩擦損失の増大や局所摩耗の懸念がある。特に、エッジ34が摩耗すると、ボアの上端部の径が大きくなり、バルブリフタのコッキンング時(図3の動作Yのとき)に異音を生じさせてしまう。さらにボアの上端部の径が大きくなると、バルブリフタの傾斜角も大きくなり、徐々にバルブリフタとボア間の最適なクリアランスが失われ、局所的な当接により摺動性能も低下してしまう。
本発明は、このような従来技術の課題を解決し、バルブリフタの上下端部とシリンダヘッドのボアとの摩擦抵抗を低減することが可能なバルブリフタを提供することを目的とする。
本発明に係るバルブリフタは、バルブとカムとの間に配置され、カムの回転動作をバルブのリフト動作に変換するものであって、バルブリフタは、カムが摺動する冠面と、当該冠面から下方に延在するスカート部とを有し、前記スカート部の前記冠面から軸方向に第1の距離で規定される上端部領域には、潤滑油を保持するための第1のテクスチャー溝が周方向に形成され、前記上端部領域に隣接する中間領域を隔てて軸方向に第2の距離で規定される下端部領域には、潤滑油を保持するための第2のテクスチャー溝が周方向に形成される。
好ましくは第1および第2のテクスチャー溝は、レーザー加工により形成される。好ましくは前記上端部領域の軸方向の距離は、前記下端部領域の軸方向の距離よりも大きい。好ましくは前記スカート部の外周面には非晶質硬質炭素被膜が形成され、第1および第2のテクスチャー溝は、前記非晶質硬質炭素被膜に形成される。好ましくは前記スカート部の外周面の表面粗さを、Ra0.3μm以下に研磨した後に、第1および第2のテクスチャー溝をレーザー加工により形成する。好ましくは前記上端部領域は、面取りされたエッジ領域を含み、当該エッジ領域に第1のテクスチャー溝が形成される。好ましくは前記下端部領域は、面取りされたエッジ領域を含み、当該エッジ領域に第2のテクスチャー溝が形成される。好ましくは第1および第2のテクスチャー溝は、ヘリングボーンの模様である。好ましくは前記中間領域に、軸方向と直交する円周方向に延在する複数の溝が形成される。本発明に係る内燃機関エンジンは、上記特徴を備えたバルブリフタと、当該バルブリフタを摺動自在に挿入するためのボアが形成されたシリンダヘッドとを有する。
本発明によれば、バルブリフタの上端部領域および下端部領域にそれぞれ第1および第2のテクスチャー溝を形成したことにより、バルブリフタの上端部および下端部のエッジがシリンダヘッドのボア内周面と摺動するときのフリクションを低減させることができる。これにより、ボア内周面の摩耗することによるバルブリフタとボア間のクリアランスの拡大が抑制され、また、バルブリフタの動作時の異音の発生を抑制することができる。
図1(A)は、バルブリフタの動弁系の概略を示す断面図、図1(B)は、バルブリフタが上昇しバルブが閉じたときの断面図、図1(C)は、バルブリフタが降下しバルブが開いたときの断面図である。 図2(A)は、バルブリフタの下降時の動作を説明する概略断面図、図2(B)は、バルブリフタの上昇時の動作を説明する概略断面図である。 カムの回転角度とバルブリフタの傾斜角の計算例を示すグラフである。 図4(A)は、本発明の実施例に係るバルブリフタの正面図、図4(B)は、図4(A)の縦断面図である。 本発明の実施例に係るスカート部の他の構成例を示す断面図であり、図5(A)は、スカート部の上端部および下端部のエッジの面取りにテクスチャー溝が形成された例を示し、図5(B)は、スカート部に非晶質硬質炭素被膜が形成された例を示す。 本実施例のバルブリフタのスカート部に形成されるテクスチャー溝の一例を示す図である。 本実施例のバルブリフタのスカート部に形成されるテクスチャー溝の一例を示す図である。 図8は、本発明の第2の実施例に係るバルブリフタのスカート部の構成を示す図である。
以下に、本発明に係るバルブリフタについて図面を参照して説明する。なお、図面のスケールは、発明の特徴を分かり易くするために強調しており、必ずしも実際の装置や部品のスケールと同一ではないことに留意すべきである。
本実施例に係るバルブリフタは、内燃機関の直打式動弁機構において、バルブステムとカムとの間に配置されカムのリフト動作をバルブに伝達する機能を有する。さらにバルブリフタは、その内部に油圧のON−OFFの制御によりバルブステムのリフト動作を休止させあるいは動作させる休止機構を備えるものであってもよい。例えば、内燃機関が低速運転されるとき、カムのリフト動作がバルブに伝達されないように休止させ、中高速運転されるとき、カムのリフト動作がバルブに伝達されるようにする。
図4(A)は、本実施例に係るバルブリフタの正面図、図4(B)は、図4(A)のバルブリフタの縦断面図である。本実施例に係るバルブリフタ100は、概して倒立カップ形状のバルブリフタ本体を有し、バルブリフタ本体は、円形状の冠部110と、冠部110から垂直方向に延びる円筒状のスカート部120とを有する。バルブリフタ冠部110の裏面にはバルブステム等に当接されるボス122が形成される。ここには詳細に示さないが、スカート部120の内側の空間にバルブ休止機構を配置させることができる。
本実施例のバルブリフタ100は、スカート部120の外周面の上端部領域130に第1のテクスチャー溝132が形成され、上端部領域130に隣接する中間領域140を隔てて下端部領域150に第2のテクスチャー溝152が形成される。すなわち、スカート部120の上端面または冠面を基準に、そこから軸方向に距離L1で規定される上端部領域130に第1のテクスチャー溝132が形成される。さらに距離L1、L2で規定される中間領域140を隔てて、距離L3から下端面で規定される下端部領域150に第2のテクスチャー溝152が形成される。
テクスチャー溝は、規則性または周期性のある微細な凹凸の溝である。凹凸の周期構造により、テクスチャー溝は、潤滑油を溝内に効果的に保持し、潤滑油の保油性を向上させる機能を有する。好ましい態様では、上端部領域130の軸方向の距離L1は、下端部領域150の軸方向の距離(L3−L2)よりも大きく設定される(L1>(L3−L2))。この理由は、図2(A)に示すように、バルブリフタがリフト0のとき(最上位置にあるとき)、上端部領域130のエッジがエッジ34より上方に位置し、上端部領域130のエッジとエッジ34のいずれか一方のエッジによる摺動距離が事実上大きくなるため、それに応じて距離L1が大きくなる。これに対し、下端部領域150では、下端部領域150のエッジとボア内周面との摺動であり、少なくとも下端部領域のエッジに潤滑油が供給できれば良いので、テクスチャー溝の形成される範囲(L3−L2)は小さくてもよい。
好ましい態様では、スカート部120の外周面の表面粗さを、Ra0.3μm以下に研磨した後に、第1および第2のテクスチャー溝132、152がレーザー加工により形成される。レーザー加工は、レーザー光を光学的に走査することにより、スカート部の外周面に微細かつ複雑な模様のテクスチャー溝を形成することを可能にする。溝の深さは、レーザー光の出力によって任意に調整することができる。テクスチャー溝は、例えば、300nm程度の深さを有し、例えば、0.1〜0.2mmのピッチに形成される。また、第1および第2のテクスチャー溝132、152は、同一構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。テクスチャー溝の構成は、例えば、パターン、深さ、ピッチ、サイズ、面積率、断面形状等から特定される。
図2(A)、(B)で説明したように、バルブリフタは、回転モーメントの作用により傾斜した姿勢で上下動する。このとき、バルブリフタの上端部S1と下端部S2のエッジがボア内周面と接触し、上端部S1と下端部S2との間の中間領域は実質的にボア内周面と接触されない。このため、バルブリフタの上端部S1、下端部S2のエッジには大きな面圧が発生し、上端部S1、下端部S2の保油性が弱まり、摩擦抵抗が大きくなり摩耗が進行する。
本実施例では、このような不具合を解消すべく、スカート部120の上端部領域130に第1のテクスチャー溝132が形成され、下端部領域150に第2のテクスチャー溝152が形成される。第1のテクスチャー溝132を形成することで、冠部110とボアとの間隙から供給された潤滑油が第1のテクスチャー溝132によって保持され、上端部領域130とボア内周面との間のフリクションが低減される。また、第2のテクスチャー溝152を形成することで、スカート部120の下端部領域150の保油性が向上され、下端部領域150とボア内周面との間のフリクションが低減される。上端部領域130および下端部領域150の保油性が向上されるため、上端部領域130および下端部領域150の各エッジによるボア内周面の摩耗が抑制される。特に、図2(A)に示すシリンダヘッドの上面32とボアとを接続するエッジ34の摩耗が抑制され、ボア上端部の径の広がりが抑制される。これにより、バルブリフタとボア間のクリアランスが増加するのが抑制され、バルブリフタの動作時の異音の発生も抑制される。
また、レーザー加工により形成されるテクスチャー溝は、ショットブラストやサンドブラスト等によって形成される溝とは性能が異なる。ショットブラストやサンドブラストは、ランダムな溝を形成するものであり、レーザー加工のように周期性、規則性のある複雑な模様、パターンを形成することができない。さらに、レーザー加工の場合、図4(B)に示すように溝の凹凸の面積率を正確に定めることができる。凸面Pは、ボアの内周面と摺動する領域であり、凸面Pの面積によって面圧が決定されるから、テクスチャー溝の面積率は非常に重要なファクターである。
さらに本実施例では、中間領域140は、バルブリフタの上下動中に、実質的にボア内周面と接触されないので、ここにテクスチャー溝を形成する必要はない。言い換えれば、スカート部120の必要な領域にのみレーザー加工によりテクスチャー溝を形成することで、レーザー加工のサイクルタイムが速くなり、生産性が向上し、コストを低減させることができる。
次に、本実施例のバルブリフタの他の好ましい態様について説明する。図5(A)は、スカート部の上端部領域130と下端部領域150の各エッジにR面取りが形成された例を示している。上記したようにバルブリフタの上下動中、バルブリフタが傾斜され、上端部領域130のエッジと下端部領域150のエッジがボア内周面に当接する。このため、上端部領域130のエッジE1と下端部領域150のエッジE2にR面取り加工を行い、エッジE1、E2の面圧を低減し、摩擦抵抗をさらに抑制することが望ましい。R面取りは、例えば、レース加工によるほか、ショットブラストやサンドブラスト加工により行うことができる。さらに好ましい態様では、R面取りされたエッジE1、E2に、テクスチャー溝132、152を形成する。これにより、エッジE1、E2による潤滑がさらに向上され、摩擦抵抗および摩耗をさらに低減させることができる。また、ここにはR面取りの例を図示するが、R面取りに代えて、エッジE1、E2にC面取りを形成するようにしてもよい。あるいは、R面取りとC面取りとの組み合わせであってもよい。C面取りを形成することで、R面取りのときと同様の効果を期待することができる。
図5(B)は、本実施例のさらなる好ましい態様のスカート部の構成例を示している。スカート部120の表面には、非晶質硬質炭素被膜(以下、DLC(Diamond like carbon)被膜という)160が形成される。DLC被膜160は、基材表面に直接形成してもよいが、密着性を向上させるために、Cr等の金属又はその金属窒化物の中間層を介して形成してもよい。DLC被膜160を形成する基材には、JIS規格によるSCM415材などの鋼材や鉄系合金或いは前記鋼材や鉄系合金に浸炭処理や焼入処理等の硬化熱処理を施し、表面硬度をHRC53以上としたものを用いることが好ましい。また、DLC被膜160は、PVD法、CVD法、PACVD法などによって形成することができる。例えばPVD法、特にアークイオンプレーティング法により形成された水素含有量が0.5原子%以下であるものが硬度及び耐摩耗性の観点で好ましい。DLC被膜160の膜厚は、例えば、PVD法であれば、0.3〜1.5μmであり、好ましくは1.0μm以下である。CVD法であれば、20μm程度の膜厚を有することができる。
このようなDLC被膜160上に、第1および第2のテクスチャー溝132、152が形成される。これにより、第1および第2のテクスチャー溝132、152の凸面P(図4(B)を参照)がDLC被膜となるので、潤滑油の保油性向上と相まってさらなる摺動性能が向上される。
次に、本実施例のテクスチャー溝の好ましいパターン例について説明する。図6(A)ないし(D)は、上端部領域130および下端部領域150の第1および第2のテクスチャー溝132、152の一部を示している。図6(A)のテクスチャー溝132、152は、バルブリフタの摺動方向と直交する水平方向に矩形状の溝を形成したものである。摺動方向と直交する方向に溝を形成することで潤滑油がより保持され易くなる。
図6(B)のテクスチャー132、152は、山成の矩形状のへリングボーン溝を形成したものである。1つ1つの溝は、概略V字型であり、V字型が冠面側に向けられ、これが周方向にかつ半径方向に複数組配列されている。へリングボーンは、バルブリフタの摺動方向に対して一定の角度で交差する溝を有し、これが周方向で連続するため、溝内に潤滑油が保持され易くなる。また、V字型の方向により、スカート部の下端部領域に潤滑油が供給され易くなる。図6(C)は、図6(B)の変形であり、V字型の溝が周方向に連続したへリングボーン溝である。周方向に溝が連続することで周方向の保油性がさらに向上される。図6(D)のテクスチャー溝132、152は、ひし形のクロスハッチ溝を周方向に連続的に形成したものである。周方向および軸方向において潤滑油が流動し易くなる。
図7(E)は、45°と135°の斜線溝を交互に設定し半径方向で連続V字溝を構成したものである。溝は、スカート部の軸方向に連続的に繋がるように構成される。図7(F)は、図7(E)の各々の斜線溝の半径方向の連続を遮断したものである。図7(G)は、図6(C)の周方向で連続のへリングボーンを上下に形成し、上下の溝でピッチを変えたものである。図7(H)は、上端部領域および下端部領域の面取り部にヘリングボーンを形成したものである。
好ましくは、第1および第2のテクスチャー溝132、152のパターン、深さ、ピッチ、サイズ、面積率、断面形状等は、シリンダヘッド側の材料との相性に応じて最適化される。
次に、本発明の第2の実施例について説明する。第2の実施例は、中間領域140にテクスチャー溝を形成するものである。中間領域140は、バルブリフタの上下動中にボア内周面にほぼ非接触であるが、中間領域140にテクスチャー溝を形成する。好ましくは、潤滑油が保持され易いようなパターンが形成される。図8の仕様8に中間領域140に形成されるテクスチャー溝142の一例を示す。同図に示すテクスチャー溝142は、図6(A)に示すテクスチャー溝132、152のパターンにおいて、円周方向に直線状の連続する溝を複数形成したものである。これにより、中間領域140において保油性が向上され、結果的に保油された潤滑油が上端部領域130および下端部領域150へ流動される。なお、中間領域140に形成されるテクスチャー溝は、図6(B)ないし図7(H)との組合せであってもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
100:バルブリフタ
110:冠部
120:スカート部
122:ボス
130:上端部領域
132:第1のテクスチャー溝
140:中間領域
142:テクスチャー溝
150:下端部領域
152:第2のテクスチャー溝

Claims (8)

  1. バルブとカムとの間に配置され、カムの回転動作をバルブのリフト動作に変換するバルブリフタであって、
    バルブリフタは、カムが摺動する冠面と、当該冠面から下方に延在するスカート部とを有し、
    前記スカート部の前記冠面から軸方向に第1の距離で規定される上端部領域には、潤滑油を保持するための第1のテクスチャー溝が周方向に形成され、前記上端部領域に隣接する中間領域を隔てて軸方向に第2の距離で規定される下端部領域には、潤滑油を保持するための第2のテクスチャー溝が周方向に形成され、
    前記上端部領域のエッジが面取りされ、前記下端部領域のエッジが面取りされ、
    前記上端部領域のエッジには第1のテクスチャー溝が形成され、前記下端部領域のエッジには第2のテクスチャー溝が形成される、バルブリフタ。
  2. 前記上端部領域の軸方向の距離は、前記下端部領域の軸方向の距離よりも大きい、請求項に記載のバルブリフタ。
  3. 前記上端部領域のエッジおよび前記下端部領域のエッジを含む前記スカート部の外周面には非晶質硬質炭素被膜が形成され、第1および第2のテクスチャー溝は、前記非晶質硬質炭素被膜に形成され、第1のテクスチャー溝の凸面および第2のテクスチャー溝の凸面は、前記非晶質硬質炭素被膜である、請求項1または2に記載のバルブリフタ。
  4. 第1および第2のテクスチャー溝は、ヘリングボーンの模様である、請求項1ないしいずれか1つに記載のバルブリフタ。
  5. 前記中間領域に、軸方向と直交する円周方向に延在する複数の溝が形成される、請求項1ないしいずれか1つに記載のバルブリフタ。
  6. 請求項1ないしいずれか1つに記載のバルブリフタと、当該バルブリフタを摺動自在に挿入するためのボアが形成されたシリンダヘッドとを有する内燃機関エンジン。
  7. 請求項1ないし5いずれか1つに記載のバルブリフタの製造方法であって、第1および第2のテクスチャー溝は、レーザー加工により形成される、バルブリフタの製造方法
  8. 前記スカート部の外周面の表面粗さを、Ra0.3μm以下に研磨した後に、第1および第2のテクスチャー溝をレーザー加工により形成する、請求項7に記載のバルブリフタの製造方法。
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