以下に、本願に係る提供装置、提供方法及び提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る提供装置、提供方法及び提供プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位及び処理には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
以下の説明では、利用者U1が訪問した施設が所定の条件を満たす場合に、他の施設に関する情報を提供する提供処理、施設が満席であるか否かを判定する判定処理、利用者U1が複数の施設を比較している場合にのみ、所定のクーポンを提供するクーポン提供処理、および利用者が施設に滞在した時間に応じて特典を提供する特典提供処理(以下、「各処理」と総称する場合がある。)を実行する情報提供装置10について説明する。すなわち、情報提供装置10は、上述した各種処理を実行する提供装置若しくは判定装置の一例である。
また、以下の説明では、施設として、飲食物の提供を行う店舗S1(例えば、レストラン等)について上述した各種処理を実行する例について説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報提供装置10は、イベントが開催されているホール、公民館、図書館、映画館、入浴施設、ホテル等の宿泊施設、アミューズメントパーク、各種のアトラクション等、任意の施設に関して、以下に説明する提供処理、判定処理、クーポン提供処理、および特典提供処理を適用可能である。
〔1.各処理の概要〕
まず、図1を用いて、情報提供装置10が実行する各処理の概念について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理装置が発揮する作用効果の一例を説明するための図である。例えば、情報提供装置10は、サーバ装置やクラウドシステム等、単数または複数の情報処理装置により実現され、移動体通信網や無線LAN(Local Area Network)等のネットワークNを介して、利用者U1が使用する端末装置100と通信可能な情報処理装置である。なお、図1に示す例では、利用者U1が使用する端末装置100を記載したが、情報提供装置10は、任意の数の利用者が使用する任意の数の端末装置100と通信可能であってもよい。また、図1に示す例では、利用者U1以外の利用者を、丸印で示した。
端末装置100は、例えば、スマートフォン、タブレット端末やPDA(Personal Digital Assistant)等の移動端末、ノート型PC(Personal Computer)等の情報処理装置である。ここで、端末装置100は、店舗S1や、他の店舗OS1、OS2(以下、「店舗OS」と総称する場合がある。)に設置されたアクセスポイントやビーコン(Beacon)等から発信される信号(以下、「ビーコン信号」と総称する。)を受信すると、ビーコン信号を受信した旨の通知(以下、「受信通知」と総称する。)を情報提供装置10に送信する機能を有する。
例えば、店舗S1には、ビーコン信号を発信する発信装置B1が設置されている。発信装置B1は、無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)等を介して、店舗S1を識別するための識別情報(例えば、店舗S1の識別子)を示す信号を発信する。一方、端末装置100は、発信装置B1が発信するビーコン信号を受信すると、受信したビーコン信号が示す識別情報(例えば、ビーコンID(Identifier))を示す受信通知を情報提供装置10へと送信する通知機能を有する。なお、通知機能は、端末装置100が有するハードウェアにより実現されてもよく、任意のサーバ装置から端末装置100がダウンロードし、インストールすることにより端末装置100に通知機能を発揮させるアプリケーションにより実現されてもよい。また、各処理の実施に関連する全ての利用者の全ての端末装置100が通知機能を有する必要はなく、一部の端末装置100が通知機能を有していればよい。
このようなビーコン信号を用いて、利用者が店舗に訪問したか否かを検知し、検知結果に応じて様々な処理を実行するサービスが考えられる。例えば、利用者U1に対して店舗S1の情報を提供した後に、利用者U1の端末装置100が店舗S1の識別情報を含むビーコン信号を受信した場合は、「チェックインしますか?」といったメッセージを端末装置100に表示させ、チェックインする旨の操作を行った場合は、利用者U1の端末装置100から店舗S1の識別情報を示す受信通知を情報提供装置10へと送信させる。そして、情報提供装置10は、利用者U1の端末装置100から店舗S1の識別情報を示す受信通知を受付けた場合は、利用者U1を店舗S1に誘導したと判定し、店舗S1から利用者U1の誘導に対する報酬を受付けるとともに、その報酬を原資として利用者U1に対してインセンティブを提供するチェックインサービスが考えられる。
また、各利用者の端末装置100から店舗S1の識別情報を示す受信通知を受付けているか否かに基づいて、各利用者が店舗S1に滞在しているか否かを判定し、判定結果に基づいて、店舗S1に滞在している利用者の数を推定する技術が考えられる。また、このような技術を用いて、店舗S1が満席であるか否か、店舗S1の席の在庫数をリアルタイムに可視化する技術が考えられる。また、このような技術を用いて、各利用者がどれくらいの期間、店舗S1に滞在したかを推定する技術が考えられる。
〔1−1.提供処理の概要〕
ここで、店舗S1に設置された店舗端末等を介して店舗の空席情報を取得し、利用者U1が入力した希望条件を満たす店舗の空席情報を利用者に提供する従来技術が知られている。しかしながら、このような技術では、店舗S1に空席がある旨の情報を提供してから利用者U1がその店舗を訪問するまでの間に他の利用者が入店してしまい、空席が無くなってしまう恐れがある。このように、店舗S1が満席であるにもかかわらず、利用者U1が店舗S1を訪れた場合は、店舗S1から近い他の店舗や、店舗S1と類似するような他の店舗を検索しなければならず、手間がかかる。また、店舗S1から空席がある他の店舗OSに利用者U1を送客した場合は、送客先となる店舗OSの空席を埋めることはできるものの、単純に利用者U1を他の店舗OSに送客しただけでは、送客先の店舗が所望する条件(例えば、顧客単価、人数、滞在時間等)の利用者を送客しているとは言えない。
そこで、情報提供装置10は、以下の提供処理を実行する。まず、情報提供装置10は、第1施設(例えば、店舗S1)の利用状況に関する第1条件が満たされているか否かを判定する。そして、情報提供装置10は、第1条件が満たされている場合は、第1施設との間の関係が所定の第2条件を満たす第2施設(例えば、店舗OSのうち店舗S1から近い店舗)を検索する。そして、情報提供装置10は、検索結果を利用者U1に対して提供する。例えば、情報提供装置10は、利用者U1が店舗S1を訪問した際に、店舗S1が満席である場合は、店舗S1の近傍にある他の店舗OSであって、店舗S1と類似する店舗(例えば、店舗S1と同じイタリアンレストランである店舗OS1)の情報を利用者U1に提供する。
〔1−2.判定処理の概要〕
一方、GPS(Global Positioning System)等によって取得された位置情報やビーコン信号を用いて各利用者の所在地を特定し、特定結果に基づいて店舗S1を訪問している利用者の数を推定し、推定結果に基づいて店舗S1が満席であるか否かを判定する技術が考えられる。しかしながら、このような技術では、店舗S1を訪れた利用者のうち、一部の利用者が使用する端末装置100のみが通知機能を有する場合に、店舗S1を訪れている利用者の数を適切に特定することができない。すなわち、ビーコン信号や位置情報を送信するアプリケーションから店舗S1の満空を推定しようとしても、店舗S1を利用する利用者全員がアプリケーションを実行する端末装置100(すなわち、通知機能を有する端末装置100)を持っているとは限らないため、混雑度を判定することができない。
そこで、情報提供装置10は、以下の判定処理を実行する。まず、情報提供装置10は、各利用者が店舗S1を訪問した際に店舗S1を訪問した旨の受信通知を出力する通知機能を有する端末装置100から、受信通知を受付ける。そして、情報提供装置10は、通知の数の履歴と店舗S1の利用状況の履歴との統計的な関係性に基づいて、所定の期間内に受け付けた通知の数から店舗S1を訪問している利用者の数を推定する。
〔1−3.クーポン提供処理の概要〕
ここで、利用者U1に対し店舗S1や店舗OSで利用可能なクーポンを提供する技術が知られている。このようなクーポンは、利用金額の割引率や割引内容(例えば、「一人分無料」等)、特別なメニューの提供等、店舗側によって任意の内容が設定される。また、このようなクーポンには、適用可能な条件が設定される場合がある。例えば、「3人以上で適用」といった人数に関する条件、「平日のみ適用」や「ランチ不可」といった日時(曜日も含む)に関する条件、「5000円以上で適用」といった利用金額に関する条件等、各種の条件が設定される場合がある。
しかしながら、このようなクーポンを適切に設定するのは難しい。例えば、店舗S1が店舗OSよりも好条件なクーポン(例えば、割引率が高いクーポンや条件が緩いクーポン等)を提供した場合は、より多くの利用者を店舗S1に誘導することができると考えられる。しかしながら、他の店舗OSが対向してより好条件なクーポンを提供した場合、クーポンの内容や条件の過当競争が生じ、値崩れや条件崩れ(無意味化)が生じる恐れがある。
また、利用者U1が店舗S1を訪問した際に、店舗S1が満席であったため、上述した提供処理により店舗S1と類似する他の店舗OS1が利用者U1に対して紹介される場合がある。しかしながら、利用者U1が店舗S1により発行されたクーポンの利用を前提として店舗S1を訪問していた場合は、店舗OS1が類似する内容や条件のクーポンを発行していないと店舗OS1への訪問に難色を示す恐れがある。例えば、店舗S1が2割引きのクーポンを設定している際に、店舗OS1のクーポンが1割引きのクーポンを設定している場合、利用者U1が店舗OS1の利用に難色を示す恐れがある。
そこで、情報提供装置10は、以下のクーポン提供処理を実行する。まず、情報提供装置10は、利用者が店舗S1と、店舗S1と競合する他の店舗OSとを比較する比較状況にあるか否かを判定する。そして、情報提供装置10は、利用者が比較状況にあると判定された場合にのみ、店舗OSに関する所定のクーポンを提供する。すなわち、情報提供装置10は、利用者U1が競合する店舗同士を比較している場合にのみ、比較時専用のクーポン、例えば、通常は提供していない好条件なクーポンを利用者に対して提供する。
〔1−4.特典提供処理の概要〕
また、店舗S1の周囲に居る利用者に店舗S1を紹介した場合や、店舗S1のクーポンを提供した場合は、多くの利用者を店舗S1に誘導することができると考えられる。しかしながら、利用者の中には、1品だけ注文して長期間滞在する利用者等、店舗S1の利益率を低下させるような利用者が存在する。この結果、店舗S1の満席が長引き、新たな利用者が利用できず、利益率が悪化する恐れがある。
また、上述したチェックインサービスの技術では、実際には店舗S1を利用していないにも関わらず、店舗S1の近傍まで近づき、インセンティブのみを取得するアビューズ行為が発生する恐れがある。このようなチェックインのみで来店実績やポイントのみを取得する目的外の利用は、好ましくない。
そこで、情報提供装置10は、以下の特典提供処理を実行する。まず、情報提供装置10は、利用者が店舗S1の利用を開始した利用開始日時と、利用者が店舗S1の利用を終了した利用終了日時とを取得する。そして、情報提供装置10は、取得した利用開始日時から利用終了日時までの期間(以下、「利用期間」と総称する場合がある。)に応じて、所定の特典を利用者に提供する。例えば、情報提供装置10は、利用期間が所定の時間(例えば、「2時間」)に収まる場合は、ポイント、クーポン、割引サービス等、利用者に対して利益となる各種の特典を利用者に対して提供する。なお、このような特典は、利用者が利用していた店舗S1において適用される特典のみならず、他の店舗OSや各種電子商店街等で利用可能な特典等、任意の内容の特典が採用可能である。
〔2.情報提供装置10が有する機能構成および作用効果の一例〕
以下、図2を用いて、上述した提供処理、判定処理、クーポン提供処理、および特典提供処理を実現する情報提供装置10の機能構成及び作用効果の一例を説明する。なお、以下の説明では、情報提供装置10が各処理を実行する例について説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、以下に説明する情報提供装置10の作用効果は、提供処理を実行する提供サーバ、判定処理を実行する判定サーバ、クーポン提供処理を実行するクーポン提供サーバ、および特典提供処理を実行する特典提供サーバが協調して処理を実行することにより実現されてもよい。また、以下の説明において、「店舗」は「施設」と読み替えてもよい。
〔2−1.機能構成の一例〕
図2は、実施形態に係る情報処理装置が有する機能構成の一例を説明する図である。図2に示すように、情報提供装置10は、通信部20、記憶部30、および制御部40を有する。通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、端末装置100や店舗端末STとの間で、質問や応答の送受信を行う。
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部30は、ビーコンログデータベース31、店舗データベース32、利用者データベース33、および報酬データベース34を有する。以下、図3〜図6を用いて、ビーコンログデータベース31、店舗データベース32、利用者データベース33、および報酬データベース34(以下、「各データベース31〜34」と総称する場合がある。)に登録される情報の一例を説明する。
ビーコンログデータベース31には、受信通知に関する情報の履歴、すなわち、ログが登録される。例えば、図3は、実施形態に係るビーコンログデータベースに登録される情報の一例を示す図である。図3に示す例では、ビーコンログデータベース31には、「端末ID」、「ビーコンID」、および「受信日時」といった情報が登録されている。なお、図3に示す情報以外にも、ビーコン信号が示す各種の情報や、ビーコン信号を受信した端末装置100に関する情報であれば、任意の情報がビーコンログデータベース31に登録されていてよい。
ここで、「端末ID」は、受信通知の送信元となる端末装置100、すなわち、ビーコン信号を受信した端末装置100の識別子である。また、「ビーコンID」とは、対応付けられた「端末ID」が示す端末装置が受信したビーコン信号が示す識別情報である。また、「受信日時」とは、対応付けられた「端末ID」が示す端末装置100が、対応付けられた「ビーコンID」が示す識別情報を含むビーコン信号を受信した日時を示す情報である。
例えば、図3に示す例では、ビーコンログデータベース31には、端末ID「端末#1」、ビーコンID「ビーコン#1」、および受信日時「日時#1」といった情報が対応付けて登録されている。このような情報は、端末ID「端末#1」が示す端末装置が、ビーコンID「ビーコン#1」を含むビーコン信号を、受信日時「日時#1」に受信した旨を示す。なお、図3に示す例では、「端末#1」、「ビーコン#1」、「日時#1」といった概念的な値について記載したが、実際には、端末装置やビーコン信号を識別するための数値や文字列、日時を示すための数値や文字列等が登録されることとなる。
店舗データベース32には、店舗S1および店舗OS(以下、「店舗S」と総称する場合がある。)に関する各種の情報が登録される。例えば、図4は、実施形態に係る店舗データベースに登録される情報の一例を示す図である。図4に示す例では、店舗データベース32には、「店舗ID」、「店舗情報」、「店内情報」、「状況履歴」、「推定利用状況」、「通常クーポン情報」、「特別クーポン情報」、および「ビーコンID」が対応付けて登録されている。なお、図4に示す情報以外にも、店舗Sに関連する情報であれば、任意の情報が店舗データベース32に登録されていてもよい。
ここで、「店舗ID」は、店舗Sを識別するための情報である。また、「店舗情報」とは、対応付けられた「店舗ID」が示す店舗Sの情報であり、店舗Sの所在地、店舗Sの営業時間、飲食店や事務等といった店舗Sの種別、店舗Sの平均価格帯等、店舗Sに関する各種の属性を示す情報である。また、「店内情報」とは、対応付けられた「店舗ID」が示す店舗Sの店内に関する情報であり、収容人数や、卓、座席等に関する情報である。
「状況履歴」とは、対応付けられた「店舗ID」が示す店舗Sの状況を示す情報の履歴であり、混雑度(例えば、席の利用率等といった混雑を示す度合)や満席であるか否か等といった情報である。なお、このような「状況履歴」は、例えば、各店舗Sに設置された店舗端末STを介して取得される。「推定利用状況」とは、判定処理によって推定された店舗Sの現在の状況を示す情報であり、混雑度や満席であるか否かといった情報である。
また、「通常クーポン情報」とは、対応付けられた「店舗ID」が示す店舗Sが発行するクーポンであって、利用者U1に対して情報が常時公開されているクーポンである通常クーポンに関する各種の情報であり、例えば、クーポンの内容や条件である。また、「特別クーポン情報」とは、対応付けられた「店舗ID」が示す店舗Sが他の店舗と比較されていると判定された場合にのみ提供されるクーポン、すなわち、特別クーポンに関する各種の情報であり、例えば、特別クーポンの内容や条件である。また、特別クーポンの条件や内容が、比較対象となる他の店舗Sが発行している通常クーポンの条件や内容等に応じて自動的に変更される場合は、「特別クーポン情報」として、特別クーポンとして設定される内容や条件の上限等が登録される。また、「ビーコンID」とは、対応付けられた「店舗ID」が示す店舗Sに設置された発信装置が発信するビーコン信号のビーコンIDである。
例えば、図4に示す例では、店舗データベース32には、店舗ID「店舗#1」、店舗情報「店舗情報#1」、店内情報「収容人数:50人、卓:2人×25・・・」、状況履歴「状況履歴#1」、推定利用状況「利用状況#1」、通常クーポン情報「クーポン情報#1」、特別クーポン設定「特別クーポン#1」、およびビーコンID「ビーコン#1」が対応付けて登録されている。このような情報は、店舗ID「店舗#1」が示す店舗Sの属性に関する情報が、店舗情報「店舗情報#1」であり、店内情報として、収容人数が「50人」であり、「2人」用の卓が「25個」設置されている旨を示す。また、このような情報は、店舗ID「店舗#1」が示す店舗Sの店舗端末STから取得した状況履歴が「状況履歴#1」であり、推定された店舗の状況が「利用状況#1」である旨を示す。また、このような情報は、通常クーポン情報「クーポン情報#1」が示す通常クーポンを発行している旨を示し、店舗ID「店舗#1」が示す店舗Sが、他の店舗Sと比較されている際に特別クーポンとして「特別クーポン#1」を発行しており、ビーコンID「ビーコン#1」を含むビーコン信号を発信する発信装置が設置されている旨を示す。
なお、図4に示す例では、「店舗#1」、「店舗情報#1」、「状況履歴#1」、「利用状況#1」、「クーポン情報#1」、「特別クーポン#1」等といった概念的な値を記載したが、実際には、店舗データベース32には、店舗を識別するための文字列や数値、店舗の属性等を示す文字列、状況を示す文字列、クーポンの条件や内容を示す文字列や数値が登録されることとなる。
利用者データベース33には、利用者に関する各種の情報が登録される。例えば、図5は、実施形態に係る利用者データベースに登録される情報の一例を示す図である。図5に示す例では、利用者データベース33には、「利用者ID」、「端末ID」、「属性情報」、「検索履歴」、「利用履歴」、および「利用傾向」が対応付けて登録されている。なお、図5に示す情報以外にも、利用者に関連する情報であれば、任意の情報が利用者データベース33に登録されていてもよい。
ここで、「利用者ID」は、利用者を識別するための情報である。また、「端末ID」とは、対応付けられた「利用者ID」が示す利用者が使用する端末装置の端末IDである。また、「属性情報」とは、対応付けられた「利用者ID」が示す利用者のデモグラフィック属性やサイコグラフィック属性等といった利用者の属性を示す情報である。なお、「属性情報」は、利用者の入力に基づいて登録された情報であってもよく、利用者の購買履歴やウェブコンテンツの閲覧履歴、検索クエリの履歴、位置履歴等に基づいて推定された情報であってもよい。
また、「検索履歴」とは、対応付けられた「利用者ID」が示す利用者によるウェブ検索の履歴であり、例えば、検索クエリの履歴である。また、「利用履歴」とは、対応付けられた「利用者ID」が示す利用者による各店舗Sの利用履歴であり、利用店舗、利用日時、利用料金、利用人数等の情報である。なお、「利用履歴」は、各店舗Sに設置されたPOS(Point Of Sales)端末やクレジットカード決済、ウェブ決済等の履歴に基づいて収集された情報であってもよい。また、「利用傾向」とは、対応付けられた「利用者ID」が示す利用者による店舗Sの利用態様の傾向であり、例えば、利用者が頻繁に利用する店舗Sの種別、平均的な利用人数、平均的な利用金額等の情報である。
例えば、図5に示す例では、利用者データベース33には、利用者ID「利用者#1」、端末ID「端末#1」、属性情報「属性#1」、検索履歴「検索履歴#1」、利用履歴「利用履歴#1」、および利用傾向「利用傾向#1」が対応付けて登録されている。このような情報は、利用者ID「利用者#1」が示す利用者が、端末ID「端末#1」が示す端末装置100を使用しており、属性情報「属性#1」が示す属性を有している旨を示す。また、このような情報は、利用者ID「利用者#1」が示す利用者により入力された検索クエリの履歴が検索履歴「検索履歴#1」であり、利用した店舗Sの利用態様が利用履歴「利用履歴#1」であり、店舗Sを利用する際の利用態様の傾向が利用傾向「利用傾向#1」である旨を示す。
なお、図5に示す例では、「利用者#1」、「端末#1」、「属性#1」、「検索履歴#1」、「利用履歴#1」、「利用傾向#1」等といった概念的な値を記載したが、実際には、利用者データベース33には、利用者を識別するための文字列や数値、属性、検索履歴、利用履歴および利用傾向を示す文字列や数値が登録されることとなる。
報酬データベース34には、店舗Sに対するチェックインや、利用者U1を他の店舗に誘導したことを契機として設定される報酬に関する情報が登録される。例えば、図6は、実施形態に係る報酬データベースに登録される情報の一例を示す図である。図6に示す例では、報酬データベース34には、「提供元ID」、「提供先ID」、「発生事象」、「発生日時」、および「報酬額」等といった情報が登録される。なお、図6に示す情報以外にも、報酬に関する情報であれば、任意の情報が報酬データベース34に登録されていてもよい。
ここで、「提供元ID」は、報酬の提供元を示す情報である。また、「提供先ID」は、報酬の提供先を示す情報である。なお、報酬データベース34には、「提供元ID」や「提供先ID」として、例えば、チェックインに際して報酬の提供元若しくは提供先となる店舗Sの店舗IDや、情報提供装置10が提供する各種サービスの運営者を示す情報が登録される。また、「発生事象」とは、報酬が発生する原因となった事象を示す情報であり、例えば、ある店舗S1を訪問した利用者に対して他の店舗OS1を紹介し、利用者Uが店舗OS1にチェックインしたことを示す「送客」、店舗Sにチェックインしたことを示す「チェックイン」、およびチェックインを行った利用者に対して提供される「インセンティブ」等といった情報が登録される。また、「発生日時」とは、対応付けられた「発生事象」が示す事象が発生した日時を示す情報である。また、「報酬額」とは、対応付けられた「提供元ID」が示す提供元から、「提供先ID」が示す提供先へと支払われる報酬額を示す情報である。
例えば、図6に示す例では、提供元ID「店舗#2」、提供先ID「運営者#1」、発生事象「送客」、発生日時「日時#1」、および報酬額「報酬額#1」が対応付けて登録されている。このような情報は、提供元ID「店舗#2」が示す店舗から、提供先ID「運営者#1」が示す運営者に対し、発生事象「送客」が示す事象であって、発生日時「日時#1」が示す日時に生じた事象を理由として発生した報酬であって、報酬額「報酬額#1」が示す報酬額が支払われる旨を示す。なお、図6に示す例では、「運営者#1」、「日時#1」、「報酬額#1」といった概念的な値について記載したが、実際には、運営者を識別する文字列、日時を識別するための数値や文字列、報酬額を示す数値等が登録されることとなる。
図2に戻り、説明を続ける。制御部40は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって、情報提供装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムが、RAM等の記憶領域を作業領域として実行されることにより実現される。図2に示す例では、制御部40は、受付部41、満席判定ユニット50、情報提供ユニット60、比較クーポン提供ユニット70、および滞在特典提供ユニット80を有する。
また、満席判定ユニット50は、推定部51、満席判定部52、問合せ部53、および補正部54を有する。また、情報提供ユニット60は、店舗状況判定部61、検索部62、店舗情報提供部63、および報酬設定部64を有する。また、比較クーポン提供ユニット70は、比較状況判定部71、およびクーポン提供部72を有する。また、滞在特典提供ユニット80は、取得部81、特定部82、通知部83、および特典提供部84を有する。
なお、制御部40が有する、受付部41、推定部51、満席判定部52、問合せ部53、補正部54、店舗状況判定部61、検索部62、店舗情報提供部63、報酬設定部64、比較状況判定部71、クーポン提供部72、取得部81、特定部82、通知部83、および特典提供部84(以下、単に「各処理部」と記載する場合がある。)の接続関係は、図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。また、各処理部は、以下に説明するような書く処理の機能・作用(例えば図1)を実現・実行するものであるが、これらは説明のために整理した機能単位であり、実際のハードウェア要素やソフトウェアモジュールとの一致は問わない。すなわち、以下の選択処理および案内処理の機能・作用を実現・実行することができるのであれば、情報提供装置10は、任意の機能単位で選択処理および案内処理を実現・実行して良い。
〔2−2.情報配信装置が実行する処理の作用効果の一例〕
以下、図7〜図11に示すフローチャートを用いて、各処理部が実行・実現する選択処理の内容について説明する。図7は、実施形態に係る情報提供装置が実行する判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、図8は、実施形態に係る情報提供装置が判定処理に用いる統計モデルを補正する処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、図9は、実施形態に係る情報提供装置が実行する提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、図10は、実施形態に係る情報提供装置が実行するクーポン提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。また、図11は、実施形態に係る情報提供装置が実行する特典提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。
〔2−3.判定処理における作用効果の一例〕
まず、図7を用いて、判定処理の流れの一例について説明する。例えば、受付部41は、受信通知を受付ける(ステップS101)。すなわち、受付部41は、利用者が所定の施設を訪問した際にその施設を訪問した旨の通知を出力する通知機能を有する端末装置100から、通知を受付ける。例えば、受付部41は、店舗S1と対応するビーコンIDを受信した端末装置100から、店舗S1と対応するビーコンIDを示す受信通知を受付ける。
また、受付部41は、所定の施設に設置された店舗端末STから、所定の施設の利用状況を示す情報をさらに受付ける。例えば、受付部41は、店舗S1に設置されたPOS端末等の店舗端末STから、入店人数、会計内容、来店中の利用者の人数等を随時受け付ける。なお、例えば、受付部41は、店舗S1に設置された赤外線カメラや監視カメラが撮影した情報を受付け、受付けた情報に基づいて、店舗S1の利用状況(例えば、利用中の人数や混雑度等)を特定してもよい。
推定部51は、受信通知と対応する店舗を特定する(ステップS102)。そして、推定部51は、特定した店舗と対応する受信通知の数の履歴と、店舗の利用状況の履歴との統計的な関係性に基づいて、店舗に居る利用者の数を推定する(ステップS103)。すなわち、推定部51は、受信通知の数の履歴と施設の利用状況の履歴との統計的な関係性に基づいて、所定の期間内に受け付けた受信通知の数から所定の施設を訪問している利用者の数を推定する。
例えば、推定部51は、店舗データベース32を参照し、統計モデルを生成対象となる店舗(例えば、店舗S1)を対応するビーコンIDを特定する。続いて、推定部51は、特定したビーコンIDを含む受信通知をビーコンログデータベース31から抽出する。続いて、推定部51は、店舗データベース32から店舗S1の状況履歴と、店内情報とを読出し、抽出した受信通知の数と、状況履歴と、店内情報とに基づいて、店舗S1に対応する統計モデルを生成する。例えば、推定部51は、状況履歴が示す混雑度や店内情報が示す収容人数や卓の情報に基づいて、過去の各時間帯における利用者の数を推定する。続いて、推定部51は、推定した利用者の数と、各時間帯において受信した受信通知の数との比に基づいて、所定の時間内に受信した受信通知の数から、店舗S1を利用している利用者の数を推定するための推定モデルを生成する。なお、このような指定モデルは、重回帰モデル等、任意のモデルが採用可能である。
続いて、推定部51は、処理時から所定の期間内(例えば、過去1時間)の間に受信した受信通知のうち、店舗S1と対応するビーコンIDを示す受信通知の数を計数する。そして、推定部51は、計数した数と統計モデルとを用いて、処理時において店舗S1を利用している利用者の数を推定する。すなわち、推定部51は、所定の時間帯に受け付けられた通知の数と、所定の時間帯に所定の施設を利用した利用者の数との間の比に基づいて、所定の施設を訪問している利用者の数を推定する。換言すると、推定部51は、通知機能を有する端末装置100をプローブとし、店舗S1を訪問したプローブの数に基づいて、実際に店舗S1を利用している利用者の数を推定する。
満席判定部52は、推定部51による推定結果に基づいて、新たな利用者が店舗S1を利用可能か否かを判定する(ステップS104)。より具体的には、満席判定部52は、推定部51が推定した利用者の数と、所定の施設を利用可能な利用者の数との比較結果に基づいて、新たな利用者が所定の施設を利用可能であるか否かを判定する。例えば、満席判定部52は、推定部51が推定した店舗S1の利用者の数と、店内情報として登録された店舗S1を利用可能な利用者の数(すなわち、「収容人数」)とを比較する。そして、満席判定部52は、推定部51が推定した店舗S1の利用者の数が、店内情報として登録された店舗S1を利用可能な利用者の数を超える場合は、店舗S1が満席であると判定する。
なお、満席判定部52は、例えば、店舗S1を利用可能な利用者の数に対し、推定部51が推定した利用者の数の割合が、所定の割合(例えば、8割)を超える場合には、店舗S1が満席であると判定してもよい。また、満席判定部52は、店舗S1を利用可能な利用者の数に対し、推定部51が推定した利用者の数の割合を混雑度として算出してもよい。そして、満席判定部52は、判定結果を推定利用状況として店舗データベース32に登録する(ステップS105)。
以下、図1を用いて、判定処理の流れの一例について説明する。例えば、図1に示すように、情報提供装置10は、端末装置100が発信装置B1がビーコン信号を受付けた場合は、発信装置B1が発信したビーコン信号が示すビーコンIDを含む受信通知を受付ける(ステップS1)。また、情報提供装置10は、POS端末や店舗に設置された店舗端末ST等から、店舗OSにおける利用態様(例えば、店舗OSを利用していた利用者の数等)を取得するとともに(ステップS2)、店舗S1からの店舗の利用態様を取得する(ステップS3)。
このような場合、情報提供装置10は、取得した各店舗Sの利用履歴から、所定の日時における店舗S1の利用人数を特定するとともに、その所定の日時において受信した受信通知のうち、店舗S1と対応するビーコンIDを示す受信通知の数を計数する。そして、情報提供装置10は、受信通知の数と実際の利用人数との比に基づく統計モデルを生成する(ステップS4)。なお、情報提供装置10は、例えば、混雑度の値と受信通知の数との比に基づく統計モデルを生成してもよい。
そして、情報提供装置10は、統計モデルを用いて、店舗が満席であるか否かを判定し、判定結果を登録する(ステップS5)。例えば、情報提供装置10は、所定の期間内(例えば、過去1時間以内)に受信した受信通知のうち、店舗S1と対応するビーコンIDを示す受信通知の数から、統計モデルを用いて、店舗S1を利用している全ての利用者の数を推定する。そして、情報提供装置10は、推定した利用者の数と、店舗S1を利用可能な利用者の数とを比較し、比較結果に基づいて、店舗S1が満席であるか否かを判定する。その後、情報提供装置10は、判定結果を、状況履歴として、店舗データベース32に登録する。
すなわち、情報提供装置10は、店舗S1に居る利用者のうち、通知機能を有する端末装置100を用いてチェックインしている客の数から、通知機能を有していない端末装置100を用いる利用者を含む利用者の人数を推定し、推定結果に基づいて店舗S1が満席かを判定する。換言すると、情報提供装置10は、チェックインしている客の数から店舗S1が満席か否かを推定する。より具体的には、情報提供装置10は、店舗端末ST等から得る満空状況と、店舗の席数とチェックインを行った利用者の数との比の統計から満空状況を推定する。
〔2−4.統計モデルを補正する処理における作用効果の一例〕
次に、図8を用いて、判定処理に用いる統計モデルを補正する処理の流れの一例について説明する。問合せ部53は、推定された利用者の数と店舗S1を利用可能な利用者の数との差が所定の範囲内であるか否かを判定する(ステップS111)。すなわち、問合せ部53は、推定部51が推定した利用者の数と、所定の施設を利用可能な利用者の数との関係が所定の条件を満たす場合は、所定の施設の利用状況を問合せる。
そして、問合せ部53は、推定された利用者の数と店舗S1を利用可能な利用者の数との差が所定の範囲内である場合は(ステップS111:Yes)、店舗S1を利用中の利用者を特定し(ステップS112)、特定した利用者に対して問合せを行う(ステップS113)。例えば、問合せ部53は、ビーコンログデータベース31から、処理対象となる店舗S1と対応するビーコンIDを示す受信通知の出力元となる端末装置100を検索する。より具体的には、問合せ部53は、店舗S1と対応するビーコンIDを示す受信通知のうち、受信日時が最も新しい受信通知の送信元となる端末装置100を特定する。そして、問合せ部53は、特定した端末装置100に対して、店舗S1の利用状況を問合せる。
ここで、問合せ部53は、店舗S1の利用状況を問合せるのであれば、任意の内容の問合せを行ってよい。例えば、問合せ部53は、店舗S1が満席であるか否か、混んでいるか否か、新たな利用者が店舗S1を利用可能であるか否か等を問合せてよい。また、このような問合せは、問合せ先の利用者による応答が得やすくなるように、例えば、「満席である」、「混んでいる」、「混んでいない」といった段階的な回答を行うためのボタンを端末装置100に表示させるものであってもよい。
また、問合せ部53は、例えば、通知の出力元となる端末装置100がネットワーク上に所定の情報を投稿する際に、所定の施設の利用状況を問合せてもよい。例えば、端末装置100がSNS(Social Networking Service)等に各種投稿を行う場合、利用者は、端末装置100を手に取って使用していると推定される。そこで、問合せ部53は、端末装置100がSNSに写真や文章等の各種投稿を行ったことを契機として、店舗S1の混雑状況を問合せてもよい。一方、問合せ部53は、推定された利用者の数と店舗S1を利用可能な利用者の数との差が所定の範囲内ではない場合は(ステップS111:No)、そのまま処理を終了する。
補正部54は、問合せ結果に基づいて、統計モデルの補正を行う(ステップS114)。すなわち、補正部54は、問合せ部53による問合せの結果に基づいて、受信通知の数の履歴と施設の利用状況の履歴との統計的な関係性、すなわち、統計モデルを補正する。この結果、前記推定部51は、補正部54により補正された関係性に基づいて、所定の施設を訪問している利用者の数を推定することとなる。
例えば、補正部54は、所定の数の受信通知が受け付けられた際に、推定部51によって推定された人数が店舗S1を利用可能な人数を超えているにも関わらず、問合せの結果、店舗S1が混雑していない旨の応答を得た場合は、その数の受信通知が受け付けられた際に推定する利用者の数を少なくするように、統計モデルを補正する。また、補正部54は、所定の数の受信通知が受け付けられた際に、推定部51によって推定された人数が店舗S1を利用可能な人数をよりも少ないにも関わらず、問合せの結果、店舗S1が満席である旨の応答を得た場合は、その数の受信通知が受け付けられた際に推定する利用者の数を増やすように、統計モデルを補正する。
すなわち、情報提供装置10は、店舗S1にチェックインしている滞在客に満空状況を照会し、回答結果で満空状況を得る。そして、情報提供装置10は、満席との判断結果と、照会結果との関係で比の統計結果を補正する。
〔2−5.提供処理における作用効果の一例〕
次に、図9を用いて、提供処理の流れの一例について説明する。受付部41は、受信通知を受付ける(ステップS201)。すなわち、受付部41は、第1施設に設置された所定の発信装置が発信した信号を受信した旨の通知を利用者が使用する端末装置100から受付ける。
店舗状況判定部61は、受信通知が示すビーコンIDと対応する店舗S1を特定する(ステップS202)。そして、店舗状況判定部61は、特定した店舗S1の利用状況に関する第1条件が満たされているか否かを判定する(ステップS203)。すなわち、店舗状況判定部61は、受付けられた通知に基づいて、第1条件が満たされているか否かを判定する。例えば、店舗状況判定部61は、店舗データベース32からビーコンIDと対応する店舗S1の推定利用状況を参照し、店舗S1が満席であるか否かを第1条件として判定する。
なお、店舗状況判定部61は、ビーコンIDと対応する店舗の利用状況に関する条件であれば、任意の条件を満たすか否かを判定してもよい。例えば、店舗状況判定部61は、第1条件として、ビーコンIDと対応する店舗S1が利用可能となるまでに要すると推定される時間が所定の閾値を超えるか否かを判定してもよい。より具体的には、店舗状況判定部61は、店舗S1の推定利用状況が満席を示す場合は、状況履歴に基づいて、店舗S1に空き席ができるまでの時間を推定する。このような推定は、各種の推定手法が採用可能である。そして、店舗状況判定部61は、推定した時間が所定の閾値(例えば、15分)を超える場合は、第1条件が満たされていると判定してもよい。
なお、店舗状況判定部61は、利用状況#1として登録された混雑度の変遷、1人当たりの平均的な滞在時間等に基づいて、店舗S1に空き席ができるまでの時間を推定してもよい。また、このような滞在時間は、例えば、店舗S1のビーコン信号が受信されるようになってから、受信されなくなるまでの時間の平均等に基づいて、算出されてもよく、店舗端末STから得られる情報(例えば、入店から会計までの時間)等に基づいて、算出されてもよい。また、店舗S1が利用可能となるまでに要すると推定される時間は、例えば、各端末装置100が店舗S1のビーコン信号を受信した日時から経過した時間に基づいて、推定されてもよい。
また、店舗状況判定部61は、利用者として店舗S1を利用する利用者の人数を推定し、第1条件として、推定した人数の利用者が利用可能な空席があるか否かを判定してもよい。例えば、店舗状況判定部61は、利用者データベース33を参照し、受信通知の送信元なる端末装置100の利用者が店舗を利用する際の平均的な人数を推定する。このような人数は、例えば、利用者が過去に訪問した店舗Sでの利用料金を、その店舗Sにおける平均的な利用料金で除算した値に基づいて、推定されてもよい。そして、店舗状況判定部61は、店舗情報や推定利用状況から、推定した人数の利用者が利用可能な空席があるか否かを判定し、無い場合には、第1条件が満たされると判定してもよい。
また、店舗状況判定部61は、受信通知を受付けるよりも前の所定の時間内に受け付けた受信通知の数に基づいて、第1条件が満たされているか否かを判定してもよい。例えば、店舗状況判定部61は、利用者U1の端末装置100から店舗S1のビーコンIDを示す受信通知を受付けた場合、過去1時間以内に受け付けた受信通知であって、店舗S1のビーコンIDを示す受信通知の数を計数する。そして、店舗状況判定部61は、計数した受信通知の数が、店舗S1の収容人数を超える場合は、店舗S1が満席であると推定し、第1条件が満たされると判定してもよい。
すなわち、店舗状況判定部61は、受信通知の送信元となる端末装置100の利用者が、店舗S1をすぐに利用できるか否かを判定し、すぐに利用できないと判定した場合は、第1条件が満たされると判定すればよい。
検索部62は、第1条件が満たされていると判定された場合は(ステップS203:Yes)、特定した店舗S1との間の関係が所定の第2条件を満たす店舗を検索する(ステップS204)。例えば、検索部62は、第2条件を満たす店舗として、受信通知が示すビーコンIDと対応する店舗S1と店舗の種類や種別が共通する店舗や、店舗S1からの距離が所定の範囲内に収まる店舗OSを検索する。すなわち、検索部62は、店舗S1と類似する他の店舗OSを検索する。
例えば、検索部62は、店舗S1について第1条件が満たされると判定された場合は、店舗S1の店舗情報を店舗データベース32から読み出す。そして、検索部62は、読み出した店舗情報と他の店舗情報とを比較し、店舗S1から所定の範囲内(例えば、半径100メートル)に所在する他の店舗であって、店舗の種別が店舗S1と同じ若しくは類似する他の店舗(例えば、店舗OS1)を検索する。
ここで、検索部62は、少なくとも店舗S1から所定の範囲内に所在する店舗であれば、任意の第2条件を満たす店舗を検索してよい。例えば、検索部62は、提供される飲食物の種別、ジャンル、価格帯、利用者の平均的な滞在時間、営業時間、発行しているクーポンの内容、子連れ来店が可能であるか否か、持ち込み可能であるか否か、店舗が予め登録したアピールポイント等、店舗に関する任意の情報が類似する店舗を第2条件を満たす店舗として検索してよい。また、検索部62は、これらの情報を要素として店舗S1と店舗OS1との類似度を示す類似スコアを算出し、算出したスコアが所定の閾値を超える場合は、店舗S1と店舗OS1とが類似すると判定してもよい。換言すると、検索部62は、第1条件が満たされる店舗、すなわち、利用者U1がすぐに利用できない店舗と類似する店舗や競合する店舗であれば、任意の店舗を検索してよい。
また、検索部62は、第2条件として、利用者U1がすぐに利用できる店舗を検索してもよい。例えば、検索部62は、店舗S1と同種(例えば、「イタリアンレストラン」)の店舗であって、店舗S1から所定の範囲内に所在し、かつ、店舗データベース32に登録された利用状況が満席ではない店舗を検索してもよい。また、検索部62は、利用者U1の趣向にマッチングする店舗を検索してもよい。例えば、検索部62は、利用者U1の各種属性に基づいて、利用者U1が良く利用する店舗と類似する種別の店舗を検索してもよい。
店舗情報提供部63は、検索された店舗OS1を利用者に提供する(ステップS205)。例えば、店舗情報提供部63は、店舗OS1の名称、電話番号、提供される飲食物の内容や写真、価格帯、所在地等を利用者U1の端末装置100に配信する。なお、店舗情報提供部63は、店舗OS1の情報と共に、店舗OS1を予約するためのコンテンツを配信してもよい。一方、店舗状況判定部61は、特定した店舗S1の利用状況に関する第1条件が満たされていないと判定した場合は(ステップS203:NO)、第2条件を満たす店舗の検索等を行わない。
続いて、報酬設定部64は、各種の報酬を設定する(ステップS206)。例えば、報酬設定部64は、利用者U1が店舗S1を訪問した場合は、店舗S1から運用者に対して所定の報酬額を設定するとともに、その報酬額を原資として、運用者から利用者に所定の報酬額が支払われるように、報酬データベース34に各種の情報を登録する。例えば、報酬設定部64は、利用者U1に対して店舗S1に関する広告が配信されている際に、利用者U1が店舗S1を訪問し、所定のチェックイン操作を行った場合は、店舗S1から運営者に対する所定の報酬額を設定するとともに、運営者から利用者に対する報酬額を設定する。
また、報酬設定部64は、店舗S1を訪問した利用者U1に店舗OS1の情報を提供し、かつ、店舗OS1を訪問した場合(すなわち、第2施設としての店舗OS1を訪問した場合)は、店舗OS1から店舗O1に対して所定の報酬額を設定する。例えば、報酬設定部64は、店舗OS1に対するチェックイン操作が行われた場合(すなわち、レコメンドされた他の店舗へと利用者U1が実際に来店した場合)は、店舗OS1から店舗O1に対して所定の報酬額を設定する。すなわち、報酬設定部64は、送客元となる第1施設に対し、機会損失への穴埋め等として、送客先となる第2施設からのアフィリエイト料を設定する。
以下、図1を用いて、提供処理の流れの一例について説明する。例えば、図1に示す例では、情報提供装置10は、端末装置100から受信通知を受付ける(ステップS6)。このような場合、情報提供装置10は、受信通知が示すビーコンIDから利用者U1が店舗S1を訪問したと判定し、店舗S1と対応付けられた最新の状況履歴を参照する。そして、情報提供装置10は、店舗S1が満席であるか否かを判定する。
続いて、情報提供装置10は、店舗S1が満席であると判定された場合は、店舗S1の近傍にあって、店舗S1と種別が類似する店舗を検索し、例えば、店舗S1と同じイタリアンレストランである店舗OS1を特定する(ステップS7)。そして、情報提供装置10は、特定した店舗OSの情報を端末装置100に提供する(ステップS8)。
すなわち、情報提供装置10は、ビーコン信号によるチェックインで店舗S1の空席状況を把握し、満席のときは類似する他の店舗OS1へ利用者U1を案内する。例えば、情報提供装置10は、店舗S1が満席でチェックインできない場合には、代わりに、店舗S1の近くで空席があって利用者U1の条件にあうお店をレコメンドする。このように、情報提供装置10は、ビーコンを使って、店舗の空席情報とユーザー属性を可視化して、そのデータをリアルタイムにマッチングして、満席店舗から空席店舗にユーザーを誘導することでコンバージョン(来店制約)率を向上させることができる。また、情報提供装置10は、ビーコンを使って、チェックインにより店内顧客数を把握し、リアルタイムに各店舗Sの空席在庫情報をデジタル化することができる。
また、情報提供装置10は、利用者U1が訪問した第1施設(例えば、店舗S1)が満席であった場合であっても、類似する第2施設(例えば、店舗OS1)、すなわち、利用者が好むと推定される第2店舗の情報を提供できるので、利用者が好みの施設にすぐに入店させることができる。また、情報提供装置10は、第1施設が満席であった場合でもチェックインポイントを利用者U1に提供できる。また、情報提供装置10は、満席時に訪問した利用者を第2施設に送客することで、第2施設から第1施設へとアフィリエイトを提供する。このため、第1施設は、単なる機会損失を防ぐごとができる。また、第2施設は、空席を埋めることができる。また、情報提供装置10の運営者は、利用者U1の満足度を向上させ、各種処理によるサービスの提供を受ける各施設の満足度を向上させるとともに、アフィリエイト収入や空席の効率的な解消を実現できる。また、運営者は、チェックイン数の増加によるCPA(Cost Per Acquisition)の増加を実現できる。
〔2−6.クーポン提供処理における作用効果の一例〕
次に、図10を用いて、クーポン提供処理の流れの一例について説明する。比較状況判定部71は、所定の比較状態にあるか否かを判定する(ステップS301)。より具体的には、比較状況判定部71は、利用者U1が所定の施設と、その施設と競合する他の施設とを比較する比較状況にあるか否かを判定する。例えば、比較状況判定部71は、利用者U1が店舗S1を訪れた際に、店舗S1が満員のため利用できなかった場合は、利用者U1が比較状況にあると判定する。
より具体的な例を挙げると、比較状況判定部71は、利用者U1の端末装置100から受付けた受信通知が示すビーコンIDを用いて、利用者U1が訪問した店舗Sを特定する。すなわち、比較状況判定部71は、利用者U1が使用する端末装置100から受信通知を受付けた場合は、利用者U1が、受信通知が示すビーコンIDと対応する所定の店舗Sを訪れたと判定する。
ここで、店舗Sが満席で利用できない場合、利用者U1が店舗Sに空きが生じるまで待機するか、他の店舗へと移動するかといった状況、すなわち、複数の店舗とを比較する比較状況が生じていると推定される。また、上述した提供処理が実施される場合、利用者U1には、店舗OS1の情報が提供されており、店舗Sと店舗OS1とを比較する比較状況が生じていると推定される。そこで、比較状況判定部71は、利用者U1が訪問した店舗Sが満席で利用できない場合、利用者U1が比較状況にあると推定する。
クーポン提供部72は、利用者U1が比較状況にあると判定された場合にのみ、所定の施設に関する所定のクーポン、すなわち、特別クーポンを提供する。例えば、クーポン提供部72は、利用者U1が訪問した店舗S1と他の店舗OS1とを比較する比較状態にある場合は、比較対象となる店舗OS1の特別クーポンを提供する。すなわち、クーポン提供部72は、通常時には配信されず、店舗OS1が競合する他の店舗S1と比較されている場合にのみ提供される特別クーポンを配信する。
ここで、クーポン提供部72は、比較状況判定部71により利用者U1が店舗S1と店舗OS1との比較状態にあると判定した場合は(ステップS301:Yes)、店舗OS1の特別クーポンが自動設定の対象であるか否かを判定する(ステップS302)。そして、クーポン提供部72は、店舗OS1の特別クーポンが自動設定の対象であると判定された場合は(ステップS302:Yes)、比較元となる店舗S1のクーポンのクーポン内容と、利用者U1の利用態様とに基づいて、特別クーポンの内容を決定する(ステップS303)。
例えば、クーポン提供部72は、特別クーポンとして、店舗S2が利用者U1に対して提供するクーポンよりも好条件のクーポンを提供する。より具体的な例を挙げると、クーポン提供部72は、店舗S2の通常のクーポンが「1割引き」のクーポンである場合、店舗OS1の特別クーポンとして「2割引き」のクーポンを設定する。なお、クーポン提供部72は、例えば、店舗S1の通常のクーポンよりも使用条件が緩いクーポン等を設定してもよい。例えば、クーポン提供部72は、店舗S1の通常クーポンが土日にしか使えない場合には、店舗OS1のクーポンとして、曜日に係わらず利用可能な特別クーポンを設定してもよい。また、クーポン提供部72は、店舗S1が利用者U1に対して提供したクーポンと同内容の特別クーポンを設定してもよい。すなわち、クーポン提供部72は、特別クーポンとして、店舗OS1との比較対象となる店舗S1が利用者U1に提供したクーポンの内容に応じた内容のクーポンを特別クーポンとして設定する。
なお、クーポン提供部72は、通常クーポンとして店舗S1が設定しているクーポンではなく、店舗S1が設定しているクーポンのうち、利用者U1が使用する目的で取得したクーポンの内容に基づいて、特別クーポンの内容を設定してもよい。すなわち、クーポン提供部72は、特別クーポンとして、店舗S1が利用者U1に対して提供済みであるクーポンの内容に応じた内容のクーポンを提供してもよい。また、クーポン提供部72は、店舗OS1が特別クーポン情報として登録した割引率の上限や条件の範囲内で、任意の内容の特別クーポンを設定して良い。すなわち、クーポン提供部72は、特別クーポンとして、店舗OS1が予め設定した範囲内で自動的に設定された内容の特別クーポンを提供する。
そして、クーポン提供部72は、特別クーポンを利用者U1に提供する(ステップS304)。一方、クーポン提供部72は、特別クーポンが自動設定の対象ではないと判定された場合は(ステップS302:No)、登録済みの特別クーポンを提供し(ステップS304)、処理を終了する。また、クーポン提供部72は、比較状態にないと判定された場合は(ステップS301:No)、特別クーポンを提供せずに、そのまま処理を終了する。
以下、図1を用いて、クーポン提供処理の流れの一例について説明する。例えば、情報提供装置10は、受信通知を受付ける(ステップS9)。このような場合、情報提供装置10は、受信通知が示すビーコンIDから利用者U1が店舗S1を訪問したと判定し、店舗S1が他の店舗と比較状態にあるか否かを判定する(ステップS10)。例えば、情報提供装置10は、店舗S1と対応付けられた最新の状況履歴を参照する。そして、情報提供装置10は、店舗S1が満席であるか否かを判定する。
ここで、店舗S1が満席である場合、利用者U1は、店舗S1と店舗OS1とを比較する比較状態であると推定できる。そこで、情報提供装置10は、店舗S1が満席であり、かつ、店舗OS1の情報が提供されている場合は、店舗OS1が設定した特別クーポンを特定する。そして、情報提供装置10は、店舗OS1の特別クーポンを利用者U1に提供する(ステップS11)。
すなわち、情報提供装置10は、特別クーポンとして、リアルタイムに競合する場合にのみ提供されるリアルタイム競合クーポンを提供する。また、情報提供装置10は、比較対象の店と同じ若しくはより好条件のクーポンを設定に基づき自動で提供する。
〔2−7.特典提供処理における作用効果の一例〕
次に、図11を用いて、特典提供処理の流れの一例について説明する。例えば、取得部81は、利用者U2が店舗S1の利用を開始した利用開始日時と、利用者U2が店舗S1の利用を終了した利用終了日時とを取得する。例えば、取得部81は、利用開始日時を取得する(ステップS401)。より具体的な例を挙げると、取得部81は、店舗S1に設置された所定の発信装置B1が発信したビーコン信号を受信した旨の受信通知を利用者U2が使用する端末装置100から受信した日時を、利用開始日時として取得する。なお、このようにビーコン信号を用いて利用開始日時を特定する場合、取得部81は、ビーコンログデータベース31に登録された情報を用いて、利用開始日時を特定してもよい。
なお、取得部81は、例えば、ビーコン信号を用いて、利用者U2が店舗S1に訪問したことを特定した場合は、タイマーを端末装置100に表示させ、店員にタイマーのスタート操作を促すメッセージを表示する。そして、取得部81は、店舗S1の店員がタイマーのスタート操作を行った日時を、利用開始日時としてもよい。
続いて、特定部82は、特典を提供可能な利用終了日時を特定する(ステップS402)。より具体的には、特定部82は、取得された利用開始日時に基づいて、所定の特典が提供される利用終了日時を特定する。例えば、特定部82は、利用者U2による店舗S1の利用期間が2時間以下である場合に、所定のポイントが利用者U2に付与される場合は、利用開始日時から2時間後の日時を、特典を提供可能な利用終了日時として特定する。
続いて、通知部83は、特定部82により特定された利用終了日時を通知する(ステップS403)。例えば、通知部83は、特定部82により特定された利用終了日時を利用者U2の端末装置100に表示させるとともに、その日時までに退出することを事前了承するボタンと、了承しないボタンとを表示させる。そして、通知部83は、利用者U2が利用終了日時までに退出することを事前了承するボタンを選択した場合は、利用者U2が利用終了日時までに退出することを事前了承したと判定する。
続いて、取得部81は、利用終了日時を取得する(ステップS404)。例えば、取得部81は、利用者U2の端末装置100が、店舗S1のビーコン信号を受信しなくなった日時を利用終了日時として取得してもよい。また、取得部81は、例えば、店舗S1に設置された店舗端末STから、利用者U2が会計を行った日時の通知や、利用者U2が退出した日時の通知を受付けた場合は、かかる日時を利用終了日時として取得してもよい。すなわち、取得部81は、利用者U2が店舗S1の利用を開始した日時を利用開始日時として取得し、利用者Uが店舗S1の利用を終了した日時を利用終了日時として取得するのであれば、任意の手法を用いて、利用開始日時や利用終了日時を取得して良い。
特典提供部84は、利用開始日時から利用終了日時までの期間である利用期間に応じて、所定の特典を利用者U2に提供する。例えば、特典提供部84は、利用開始日時から利用終了日時までの利用期間が所定の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS405)。また、特典提供部84は、利用期間が所定の閾値以下であると判定した場合は(ステップS405:Yes)、通知に対する事前承認があるか否かを判定する(ステップS406)。そして、特典提供部84は、事前承認が無かった場合は(ステップS406:No)、所定の特典を利用者U2に提供する(ステップS407)。一方、特典提供部84は、事前承認があった場合は(ステップS406:Yes)、特典の内容を所定の特典よりも割増した割増特典を提供する(ステップS408)。
すなわち、特典提供部84は、利用期間が所定の閾値以下となる場合は、特典を提供する。また、特典提供部84は、通知部83により通知された利用終了日時に店舗S1の利用を終了する旨を利用者U2が承認し、かつ、利用終了日時までに店舗S1の利用を終了した場合は、所定の特典とともに、追加の特典を利用者U2に提供する。一方、特典提供部84は、利用期間が所定の閾値を超えると判定した場合は(ステップS405:No)、特典を提供せずに、処理を終了する。
以下、図1を用いて、特典提供処理の流れの一例について説明する。例えば、情報提供装置10は、店舗S1を利用中の利用者U2の利用開始日時を取得する(ステップS12)。また、情報提供装置10は、特典が付与される利用終了日時を算出する(ステップS13)。そして、情報提供装置10は、算出した特典が付与される利用終了日時を利用者U2に通知する(ステップS14)。
また、情報提供装置10は、利用者U2の利用終了日時を取得する(ステップS15)。例えば、情報提供装置10は、図1中OTに示すように、利用者U2が店舗S1から退店し、利用者U2の端末装置100が店舗S1と対応するビーコンIDのビーコン信号を受信しなくなった日時を利用終了日時として取得する。そして、情報提供装置10は、取得した利用開始日時と利用終了日時とから、利用期間を算出し、算出した利用期間が所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS16)。例えば、情報提供装置10は、利用期間が2時間以内であるか否かを判定する。そして、情報提供装置10は、利用期間が所定の条件を満たす場合は、利用者U2に対して所定の特典を付与する(ステップS17)。
上述したように、情報提供装置10は、来店の時刻と退出の時刻に応じた特典を付与する。換言すると、情報提供装置10は、退店タイミングに応じた退店タイミングクーポンを提供する。このような処理の結果、情報提供装置10は、店舗S1の利用規模や滞在時間などに応じた営業効果をユーザへ還元し、店舗S1が所望する利用者の来店を促進させることができる。
また、情報提供装置10は、特典が付与される利用終了日時で退店する意向を表明する操作を利用者U2から予め受付ける。そのうえで、情報提供装置10は、実際に利用者U2が通知された利用終了日時までに退店すると、割増特典を付与する。このように、情報提供装置10は、事前了承を受けたり、利用期間に応じた特典を提供することで、未来の空席在庫(例えば、1時間後に8席空くなど)を推定し、推定結果に応じた予約受付を実現することができる。
〔3.変形例〕
上述した実施形態に係る情報提供装置10は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、上記の情報提供装置10の他の実施形態について説明する。
〔3−1.判定処理の変形例について〕
まず、上述した判定処理における種々の変形例について説明する。
〔3−1−1.統計モデルの単位について〕
上述した説明では、情報提供装置10は、店舗Sごとに、受信通知の数から利用者の数を統計的に推定する統計モデルを生成し、生成した推定モデルを用いて、所定の時間内に受信した受信通知の数から利用者の数を推定した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。
例えば、店舗S1と店舗OS1とが近傍に位置する店舗であって、店舗の種別が同じ「イタリアンレストラン」である場合、店舗S1と店舗OS1とを利用する利用者の数は、類似すると推定される。また、店舗S1と店舗OS1との平均的な利用価格帯が類似する場合や、インターネット上に投稿された評価が類似する場合には、店舗S1と店舗OS1との利用者の数がより類似すると推定される。そこで、例えば、推定部51は、店舗S1と類似する店舗OS1を訪問した端末装置100から受付けた通知の数の履歴と、店舗OS1の利用状況の履歴との統計的な関係性に基づいて、店舗S1を訪問している利用者の数を推定してもよい。すなわち、情報提供装置10は、店舗OS1における利用者の数を推定する統計モデルを用いて、店舗S1を訪問している利用者の数を推定してもよい。
また、情報提供装置10は、店舗種別や店舗属性が類似する店舗単位での統計モデルを用いてもよい。例えば、情報提供装置10は、店舗S1を示すビーコン信号を受信した旨の受信通知と、店舗OS1を示すビーコン信号を受信した旨の受信通知との数の履歴、および、店舗S1の利用状況の履歴とに基づいて、店舗S1の利用者を推定する統計モデルを生成する。そして、情報提供装置10は、所定の時間内に受信した受信通知であって、店舗S1を示すビーコン信号または、店舗OS1を示すビーコン信号のいずれか一方を示す受信通知の数に基づいて、店舗S1の利用者を推定してもよい。すなわち、情報提供装置10は、類似する施設に対して同時期にチェックインが行われた数に基づいて、それらの施設のうちいずれかの施設の利用者の数を推定してもよい。このような推定モデルを用いることで、情報提供装置10は、利用者の数の推定精度を向上させることができる。
なお、情報提供装置10は、任意の基準で、類似する施設を選択してよい。例えば、情報提供装置10は、距離的に近い施設、利用料金、利用時間、利用人数等といった利用態様が類似する施設、評価が類似する施設、提供する飲食物の種別等、店舗の種別が類似する施設、店舗の規模が類似する施設等、任意の基準もしくはこれらの基準の組み合わせに基づいて、類似する施設を設定してもよい。そして、情報提供装置10は、類似する施設のチェックイン数と、これらの施設に含まれるいずれかの施設の利用状況との統計的な関係性に基づいて、統計モデルを生成し、生成した統計モデルを用いて、施設の利用人数を推定すればよい。また、情報提供装置10は、類似する複数の施設を1つの施設と見做し、統計モデルを生成するとともに、各施設にチェックインした利用者の数の総数に基づいて、全施設における利用人数の推定を行ってもよい。
また、情報提供装置10は、日柄や時間帯単位での統計モデルを用いてもよい。例えば、推定部51は、新たな利用者が店舗S1を利用可能であるか否かを判定する判定日時と所定の共通性を有する日時において受付けられた受信通知の履歴と、その日時における店舗S1の利用状況の履歴との統計的な関係性に基づいて、判定日時において店舗S1の施設を訪問している利用者の数を推定してもよい。例えば、情報提供装置10は、月曜日に店舗S1にチェックインした利用者の数と、月曜日の利用状況の履歴とに基づいて月曜日の統計モデルを生成する。そして、情報提供装置10は、月曜日において店舗S1の利用者の数を推定する場合は、所定の時間内に受信した受信通知の数、すなわち、チェックインが行われた数に基づいて、月曜日の統計モデルから店舗S1の利用者の数を推定してもよい。なお、情報提供装置10は、曜日だけではなく、昼間や夜間等といった時間帯ごと、月毎、季節、天気ごとの統計モデルを生成し、利用者の数を推定する際の時間帯、季節、天気等と対応する統計モデルを用いて、利用者の数を推定してもよい。
〔3−1−2.利用者の行動を用いた満空判定について〕
ここで、店舗S1にチェックインした利用者U1が、5分後等に店舗OS1にもチェックインした場合は、店舗S1が満席であったと推定される。そこで、情報提供装置10は、店舗S1を訪問してから所定の時間内に他の店舗OS1へと訪問した利用者の数が所定の閾値を超える場合は、推定される利用者の数に係わらず、その店舗Sが満席であると判定してもよい。例えば、店舗状況判定部61は、所定の店舗を訪問した旨の受信通知を出力してから所定の時間が経過するまでの間に他の施設を訪問した旨の受信通知を出力した端末装置100の数が所定の数を超えた場合は、推定結果に係らず、新たな利用者が所定の店舗を利用できないと判定してもよい。また、情報提供装置10は、店舗Sを訪問した旨の受信通知を出力した複数の端末装置100が、連続して、所定の時間が経過するまでの間に他の店舗Sを訪問した旨の受信通知を出力した場合は、新たな利用者が店舗Sを利用できないと判定してもよい。また、情報提供装置10は、このような判定結果に基づいて、統計モデルの補正を行ってもよい。
また、情報提供装置10は、利用者の利用履歴に応じた判定を行ってもよい。例えば、利用者U1による各店舗Sの利用履歴は、利用者Uが単独で店舗を利用しているか、グループで店舗を利用しているか、平均的な利用時間等、利用者U1が店舗Sを利用する傾向を示していると考えられる。このような利用者U1が店舗Sを利用する傾向は、利用者Uが訪問する店舗Sをその利用者U1が利用可能であるか否かを判定する際の指標となりえる。例えば、利用者Uが平均的に10人のグループで店舗Sを利用する際に、店舗Sの空き席が2つしかなかった場合には、利用者Uが店舗Sを利用することはできない。
そこで、情報提供装置10は、利用者U1による店舗Sの利用態様の履歴と、推定結果とに基づいて、利用者U1が店舗Sを利用可能であるか否かを判定する。例えば、情報提供装置10は、利用者U1による店舗Sの利用態様の履歴に基づいて、判定対象となる店舗S1と種別が共通する店舗OS1の利用態様の傾向を推定し、推定した傾向と、推定結果とに基づいて、利用者U1が店舗S1を利用可能であるか否かを判定する。すなわち、利用者Uが店舗S1を利用する場合、その利用態様は、店舗S1と類似する店舗OS1の利用態様と類似すると推定される。そこで、情報提供装置10は、利用者U1が店舗OS1を利用した際の利用態様を利用履歴から推定し、推定した傾向と、推定された店舗S1の利用人数とに基づいて、利用者U1が店舗S1を利用可能であるか否かを判定する。
例えば、情報提供装置10は、利用者U1による店舗OS1の利用態様の履歴から、店舗OS1を利用者U1が利用する際の平均的な人数を推定し、推定した人数と推定された店舗S1の利用者数とに基づいて、利用者U1が店舗S1を利用可能であるか否かを判定する。例えば、情報提供装置10は、利用者U1が店舗S1を訪問した場合は、利用者U1による各種店舗Sの利用履歴から、利用者U1が利用した店舗S1と類似する各店舗(例えば、店舗OS1等)を特定し、特定した店舗における利用者U1の利用料金と、その店舗の平均的な利用料金とを特定する。
そして、情報提供装置10は、特定した店舗における利用者U1の利用料金を、その店舗の平均的な利用料金で除算することで、利用者U1が店舗S1と類似する店舗OSを利用する際の利用人数を推定する。なお、情報提供装置10は、店舗S1と類似する店舗OSが複数ある場合、店舗OSごとに利用人数を推定し、推定した利用人数の平均値を算出してもよい。そして、情報提供装置10は、店舗S1について推定された利用者の数から、店舗S1を新たに利用可能な利用者の数を推定し、利用者U1が店舗S1と類似する店舗を利用する際の利用人数が、店舗S1を新たに利用可能な利用者の数よりも多い場合は、利用者U1が店舗S1を利用できないと判定してもよい。
〔3−1−3.店舗の属性を用いた満空判定について〕
また、情報提供装置10は、店舗Sの属性に応じて、新たな利用者が店舗Sを利用可能であるか否かを判定してもよい。例えば、店舗Sに設置された各卓をそれぞれ1人の利用者が利用している場合には、満席であるともいえる。しかしながら、ランチタイム等において店舗Sが相席を認めている場合には、このような場合にも新たな利用者が利用可能であると考えられる。
そこで、情報提供装置10は、店舗Sに設置された卓の情報と、店舗Sが相席可能であるか否かと、推定された店舗Sの利用人数とに基づいて、新たな利用者が店舗Sを利用可能であるか否かを判定してもよい。例えば、情報提供装置10は、チェックインの履歴や店舗端末STから取得した情報等を用いて、店舗Sに設置された全ての卓が利用中であるか否かを判定する。また、情報提供装置10は、店舗Sに設置された全ての卓が利用中でり、かつ、判定時(例えば、ランチタイム)において店舗Sが相席可能である旨が登録されている場合は、推定された店舗Sの利用人数が、店舗Sの収容人数以下であるか否かを判定する。そして、情報提供装置10は、推定された店舗Sの利用人数が、店舗Sの収容人数以下である場合は、相席可能であると判定し、新たな利用者が店舗Sを利用可能であると判定してもよい。
〔3−1−4.店舗が所望する条件と利用者とのマッチングを用いた判定について〕
また、情報提供装置10は、利用者U1による各店舗Sの利用態様の履歴と、店舗S1の利用に関する条件と、推定された店舗S1の利用人数とに基づいて、利用者U1が店舗S1を新たに利用可能であるか否かを判定してもよい。例えば、情報提供装置10は、店舗S1が所望する利用者の条件(例えば、平均的な利用人数、平均的な利用料金、平均的な利用期間等)と利用者Uの利用履歴に基づく利用態様とのマッチングを行い、利用者U1と店舗S1とのマッチ度を算出する。なお、このようなマッチ度は、各種のスコア算出手法が適用可能である。そして、情報提供装置10は、店舗S1の利用人数が所定の閾値を超える(例えば、収容人数の8割を超える)場合は、マッチ度が所定の閾値を超えた場合にのみ、利用者U1が店舗S1を利用可能であると判定してもよい。また、情報提供装置10は、このような判定結果を、利用者U1に対して提供してもよい。
〔3−1−5.問合せに対する報酬について〕
また、情報提供装置10は、問合せを行った利用者が応答した場合は、利用者に対して所定の報酬を提供してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者U2に対して店舗S1が混雑しているか否かを問合せ、利用者U2が問合せに対する応答を行った場合は、利用者U2に対してポイントを付与してもよく、例えば、特典提供処理において利用期間と比較される閾値を変更してもよい。より具体的には、情報提供装置10は、利用者U2が問合せに対する応答を行った場合は、特典を提供可能な利用期間を2時間から3時間へと延長してもよい。
〔3−2.提供処理の変形例について〕
次に、上述した提供処理における種々の変形例について説明する。
〔3−2−1.第1条件について〕
上述した提供処理の説明では、情報提供装置10は、第1条件として、利用者Uが訪問した店舗S1が満席であるか否か、店舗S1の混雑度が所定の閾値を超えるか否か等を判定した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報提供装置10は、店舗S1に待ち利用者が存在するか否か、店舗S1の待ち利用者の数が所定の閾値を超えるか否かを第1条件として判定し、店舗S1に待ち利用者が存在する場合や、店舗S1の待ち利用者の数が所定の閾値を超える場合は、他の店舗OSの情報を提供してもよい。
例えば、情報提供装置10は、上述した判定処理により推定された店舗S1の利用人数の数が、店舗S1の収容人数を超える場合には、図1に示すように、待ち利用者WUが生じていると判定する。そして、情報提供装置10は、待ち利用者WUが生じている場合には、利用者U1に対して他の店舗OSの情報を提供してもよい。また、情報提供装置10は、待ち利用者WUの数が所定の閾値を超える場合には、利用者U1に対して他の店舗OSの情報を提供してもよい。
また、待ち利用者WUが生じていたとしても、店舗S1の平均的な利用時間が短い場合には、利用者U1があまり待たないと考えられる。そこで、情報提供装置10は、店舗S1の利用状況が、店舗S1の利用態様に応じた第1条件を満たすか否かを判定してもよい。例えば、情報提供装置10は、店舗S1が満席であるが、店舗S1の平均的な利用時間が所定の閾値を下回る場合は、利用者U1に対して他の店舗の情報を提供せずともよい。また、情報提供装置10は、店舗S1が満席であるが店舗S1の平均的な利用時間が所定の第1閾値(例えば、30分)を下回る場合、店舗S1に待ち利用者が存在するが店舗S1の平均的な利用時間が第1閾値よりも短い第2閾値(例えば、15分)を下回る場合、は、利用者U1に対して他の店舗の情報を提供せずともよい。また、情報提供装置10は、待ち利用者WUの人数を推定し、店舗S1の利用時間が推定した人数に応じた閾値、すなわち、待ち利用者WUの人数が増大する程、値が小さくなる閾値を下回る場合は、利用者U1に対して他の店舗の情報を提供せずともよい。
また、情報提供装置10は、利用者U1の属性に応じた第1条件を満たすか否かを判定してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者U1の行動履歴や利用履歴、利用者U1が予め登録した情報等に基づいて、利用者Uが許容する待ち時間を推定する。そして、情報提供装置10は、店舗S1を利用する際の待ち時間が推定した待ち時間を上回ると推定されうる場合には、他の店舗OSの情報を提供してもよい。
また、情報提供装置10は、上述した各種の条件に基づくスコア、すなわち、利用者Uが店舗S1を利用するまでの時間に応じたスコアを算出し、算出したスコアが所定の閾値を超えるか否かを第1条件としてもよい。このようなスコアは、店舗S1が満席であるか否か、待ち利用者WUがいるか否か、待ち利用者WUの数、店舗S1における平均的な利用時間、利用者U1が許容する待ち時間等に応じて、算出されてもよい。また、情報提供装置10は、第2条件についても同様に、店舗S1と店舗OS1との間の類似性を示すスコアを算出し、算出したスコアが所定の閾値を超えるか否かを判定してもよい。
〔3−2−2.第3条件〕
上述した提供処理の説明では、情報提供装置10は、利用者U1が訪問した店舗S1が所定の第1条件を満たす場合(例えば、満席である場合)は、店舗S1との間の関係が第2条件を満たす店舗(例えば、店舗S1と同じイタリアンレストランである店舗OS1等、店舗種別や店舗の属性が類似する店舗)を紹介した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。
例えば、利用者U1に対して店舗OS1を紹介したとしても、店舗OS1が満席である場合は、利用者U1の印象が悪化する。そこで、情報提供装置10は、第2条件を満たす店舗Sのうち、利用状況が第3条件を満たす店舗Sを利用者U1に紹介してもよい。例えば、情報提供装置10は、第3条件を満たす店舗Sとして、店舗S1と類似する店舗Sのうち、満席ではない店舗Sを紹介してもよい。より具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、上述した判定処理によって満席ではないと判定された店舗Sを利用者U1に対して紹介してもよい。
また、例えば、情報提供装置10は、利用可能となるまでに要すると推定される時間が所定の閾値を超えない店舗Sを検索し、利用者Uに紹介してもよい。例えば、情報提供装置10は、店舗S1と類似する店舗Sのうち、最も店舗S1の近傍に位置する店舗OS1を選択する。このような場合、情報提供装置10は、店舗OS1における平均的な利用時間を推定する。例えば、情報提供装置10は、店舗OS1における利用期間の平均値を算出する。このような処理は、例えば、上述した取得部81と同様の処理により実現可能である。また、情報提供装置10は、ビーコンログデータベース31から、現在店舗OS1を利用中の利用者を特定し、特定した各利用者の利用開始日時を特定する。そして、情報提供装置10は、利用開始日時から経過した時間と、店舗OS1における平均的な利用時間との比較結果に基づいて、店舗S1に空きが生じる日時を推定し、推定した日時までの時間が所定の閾値を下回る場合(例えば、15分以内)である場合は、利用者U1に対して店舗OS1を紹介してもよい。
また、情報提供装置10は、上述した第1条件と同様に、店舗OS1の待ち時間が所定の閾値や利用者U1が許容する待ち時間を下回る場合等に、店舗OS1の情報を提供してもよい。また、情報提供装置10は、店舗S1と店舗OS1との距離に応じて第2条件を設定してもよい。例えば、情報提供装置10は、店舗S1から店舗OS1までの距離が所定の閾値を超える場合は、店舗OS1までの移動時間を推定する。そして、情報提供装置10は、店舗OS1に空きが生じると推定されるまでの時間から、店舗OS1までの移動時間を減算した時間が、利用者U1が許容する待ち時間を下回る場合は、店舗OS1の情報を提供してもよい。
また、情報提供装置10は、利用者U1の利用態様に基づく第3条件を設定してもよい。例えば、情報提供装置10は、上述したように、利用者U1が店舗Sを利用した際の利用額の平均と、利用者U1が利用した店舗Sの平均的な利用額とに基づいて、利用者U1が店舗Sを利用した際の平均的な利用人数を推定する。そして、情報提供装置10は、推定した人数の空き席が店舗OS1にあるか否かを判定し、空き席があると判定された場合には、店舗OS1の情報を利用者U1に提供してもよい。
なお、情報提供装置10は、第3条件についても、店舗OS1の各種利用状況(例えば、満席であるか否か、待ち利用者WUの数、平均的な利用時間)に応じたスコアを算出し、算出したスコアが所定の閾値を超えるか否かを判定してもよい。
〔3−2−3.第4条件〕
また、情報提供装置10は、利用者U1による店舗の利用履歴に応じた所定の第4条件をさらに満たす第2施設を検索してもよい。例えば、情報提供装置10は、第4条件を満たす店舗Sとして、予め登録された平均予算額が、利用者U1が店舗Sを利用した際の利用額の平均と所定の範囲内に収まる店舗Sを検索してもよい。また、情報提供装置10は、利用者U1が店舗Sを利用した際の平均滞在時間(すなわち、長居するか否か)を推定し、第4条件を満たす店舗Sとして、予め登録された滞在時間が、利用者U1の平均滞在時間均と所定の範囲内に収まる店舗Sを検索してもよい。
すなわち、情報提供装置10は、利用者U1による店舗Sの利用態様の傾向が、店舗OS1によって指定された条件と合致する場合には、店舗OS1の情報を利用者U1に提供してもよい。換言すると、情報提供装置10は、利用者Uごとに、過去の来店履歴を元にした来店人数や、価格帯、食事に要する時間(過去の平均的な実績、あるいは、利用者U1の属性や店舗S1の属性等から予測される時間)等といった情報に基づいて、お店からの条件指定に合致するか否かという条件に基づいて、店舗の情報を提供してもよい。また、このような利用態様の傾向は、利用者U1によってあらかじめ登録されていてもよい。
なお、情報提供装置10は、第4条件についても、利用者U1による店舗Sの利用態様と店舗OS1の利用状況との間のマッチ度に応じたスコアを算出し、算出したスコアが所定の閾値を超えるか否かを判定してもよい。また、情報提供装置10は、上述した第2条件、第3条件、第4条件を統合的に判断するスコアを算出してもよい。すなわち、情報提供装置10は、店舗OS1について、利用者U1が訪問した店舗Sとの類似度、満席であるか否かや待ち利用者WUの数、利用者Uの利用履歴に基づく利用者Uの利用態様とのマッチ度等に応じたスコアを算出し、算出したスコアが所定の閾値を超えるか否かを判定してもよい。
すなわち、情報提供装置10は、第3条件や第4条件を設定することで、利用者からみて店舗S1と類似する店舗OSと、店舗OS側から見て、来店してほしい利用傾向を有する利用者とのすり合わせ(マッチング)を行う。この結果、情報提供装置10は、より適切な態様で利用者の送客を行うことができる。
〔3−2−4.紹介店舗の予約について〕
なお、情報提供装置10は、利用者U1に対して店舗OS1の情報を提供する際、店舗OS1の予約を受け付けてもよい。例えば、情報提供装置10は、店舗OS1の情報と共に、店舗OS1を予約するためのコンテンツ(すなわち、インスタント予約を行うためのコンテンツ)を提供してもよい。
また、例えば、情報提供装置10は、利用者U1が店舗OS1をインスタント予約した場合は、予約先の店舗OS1に対して予約がなされた旨を通知してもよい。このような場合、店舗OS1は、リアルタイムに空席在庫を更新してもよい。また、情報提供装置10は、インスタント予約が行われた場合は、利用者U1が店舗OS1にチェックインしたと見做して、各種の処理を実行してもよい。また、情報提供装置10は、利用者U1がインスタント予約を行った場合は、送客元となる店舗S1、あるいは、送客先となる店舗OS1で利用可能なポイントやクーポン等といった所定の特典を利用者U1に対して提供してもよい。
なお、情報提供装置10は、ポイントやクーポンのもらい逃げを防止するため、その場でのみ利用可能な特典を付与してもよい。例えば、情報提供装置10は、送客先となる店舗OS1で、その予約時にのみ利用可能なポイントやクーポンを提供してもよい。
〔3−2−5.情報の提供タイミングについて〕
ここで、情報提供装置10は、利用者U1が店舗S1を実際に訪問したタイミングのみならず、店舗U1が店舗S1を訪問しようとするタイミングで、店舗S1が第1条件を満たす場合は、店舗OS1の情報提供してもよい。例えば、情報提供装置10は、店舗S1の情報を提供した利用者U1の位置情報の履歴や、端末装置100が受信したビーコン信号を用いて、利用者U1が店舗S1に向かっていると推定される場合や、利用者U1が店舗S1から所定の範囲内に入ったと推定される場合は、店舗OS1の情報を提供してもよい。
また、情報提供装置10は、店舗S1の利用状況に応じて、他の店舗OS1の情報を提供するタイミングを変化させてもよい。例えば、情報提供装置10は、店舗S1が満席であると判定さる場合は、利用者U1と店舗S1との距離が第1閾値よりも短くなったタイミングで店舗OS1の情報を提供する。一方、情報提供装置10は、店舗S1が満席であり、かつ、待ち利用者WUの数が所定の閾値を超える場合は、利用者U1と店舗S1との距離が第1閾値よりも長い第2に閾値よりも短くなったタイミングで店舗OS1の情報を提供してもよい。
なお、このような店舗OS1の情報提供するタイミングは、利用者U1と店舗S1との距離、利用者U1が店舗S1まで移動する際に要する時間、利用者U1の現在位置、判定日時等に応じて判断されてもよく、任意の閾値が採用可能である。例えば、情報提供装置10は、利用者U1の現在位置から店舗S1までの道順を特定し、特定した道順のうち、店舗OS1へと至る分岐点になりえる位置で、店舗OS1の情報を提供してもよい。
すなわち、情報提供装置10は、端末装置100または店舗端末STを介して取得可能な各種の情報から、店舗OS1を紹介するタイミング、紹介する条件、紹介する内容を適宜制御してよい。また、情報提供装置10は、例えば、利用者U1に対して店舗S1の情報(例えば、クーポン等)が発行されている場合は、少なくとも、利用者U1を店舗S1の店頭まで移動させてから、店舗OS1の情報を提供してもよい。また、情報提供装置10は、店舗S1から店舗OS1までの距離が所定の閾値以内となる場合にのみ、利用者U1を店舗S1の店頭まで移動させてから、店舗OS1の情報を提供してもよい。
なお、情報提供装置10は、店舗OS1が満席であった場合は、店舗OS1と類似する他の店舗OSをさらに紹介してもよい。すなわち、情報提供装置10は、上述した処理を繰り返し実行してもよい。また、情報提供装置10は、例えば、各店舗が紹介された順番に応じて、報酬額を変更してもよい。例えば、情報提供装置10は、店舗S1から店舗OS1へと移動した利用者に、店舗OS1とは異なる店舗OS2の情報を提供した場合は、店舗OS1に対して、送客に対する報酬の設定を行わずともよい。
〔3−3.クーポン提供処理の変形例について〕
次に、上述したクーポン提供処理における種々の変形例について説明する。
〔3−3−1.比較状況について〕
上述したクーポン提供処理の説明では、店舗S1を訪れた利用者U1に対して店舗OS1の情報が提供された場合は、利用者U1が利用状況にあると判定した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、比較状況判定部71は、利用者U1に対してクーポンが提供された店舗S1を利用者U1が訪れた際に、利用者U1が店舗S1を利用できなかった場合は、利用者U1が比較状況にあると判定してもよい。すなわち、比較状況判定部71は、利用者U1がクーポンの使用を目当てに訪問した店舗S1が利用できなかった場合は、利用者U1が比較状況にあると判定してもよい。
また、情報提供装置10は、店舗S1と競合する他の店舗OSとして、店舗S1と種別が同じ店舗OS(すなわち、店舗S1と類似する店舗OS)を特定し、利用者U1が店舗S1と特定した店舗OSを比較する比較状態にあるか否かを判定してもよい。また、情報提供装置10は、店舗S1と競合する他の店舗OSとして、店舗S1から所定の範囲内に所在する店舗OSを特定し、利用者U1が店舗S1と特定した店舗OSを比較する比較状態にあるか否かを判定してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者U1に情報が提供された店舗OS1が店舗S1と類似する場合や、店舗S1と店舗OS1とが所定の範囲内に所在する場合にのみ、比較状態にあると判定してもよい。すなわち、情報提供装置10は、類似する或いは所定の範囲内に所在する店舗S同士を競合する店舗Sと見做し、競合する店舗Sを比較している比較状態であるか否かを判定してもよい。
〔3−3−2.特別クーポンの選択について〕
また、情報提供装置10は、店舗S1と比較されている店舗であって、店舗S1の競合店舗が複数存在する場合は、それらの競合店舗が発行している特別クーポンをそれぞれ利用者U1に提供する。そして、情報提供装置10は、提供された特別クーポンのうち、利用者U1が選択した1つの特別クーポンのみを利用可能とするとともに、選択された特別クーポンと対応する店舗Sの情報のみを提供してもよい。すなわち、情報提供装置10は
上述した提供処理において、利用者U1が訪問した店舗S1とは異なる店舗OSの情報を提供する前に、各店舗OSの特別クーポンを利用者U1に提供し、利用者U1が選択した特別クーポンと対応する店舗OSの情報のみを、利用者U1に対して提供してもよい。
〔3−3−3.特別クーポンの表示について〕
なお、情報提供装置10は、利用者U1が提供された特別クーポンを選択した場合、すなわち、利用者Uが特別クーポンを使用する意思を表明した場合は、その特別クーポンを利用者Uに提供し続ける。すなわち、情報提供装置10は、利用者U1が提供された特別クーポンを選択した場合は、比較状態ではなくなったとしても、その特別クーポンが利用されるまで、特別クーポンを利用者U1が参照可能な状態に保持する。
〔3−3−4.特別クーポンの内容について〕
ここで、情報提供装置10は、送客元となる店舗S1が発行するクーポンの情報以外にも、任意の情報に基づいて、特別クーポンの内容を設定してよい。例えば、情報提供装置10は、利用者U1の属性に応じた内容の特別クーポンを提供してもよい。また、情報提供装置10は、店舗OS1の特別クーポンを提供する場合、利用者U1による各店舗Sの利用履歴に基づいて、利用者U1による店舗OS1の利用態様を推定し、推定した利用態様に応じた内容の特別クーポンを提供してもよい。
例えば、情報提供装置10は、利用者U1が店舗OS1を利用する際の利用料金または利用時間を推定する。また、情報提供装置10は、利用者U1が店舗OSを利用する際のを推定する。このような推定は、上述したように、利用者U1による各店舗Sの利用履歴に基づいて、実現可能である。なお、情報提供装置10は、例えば、利用者U1が店舗OSを利用した履歴のうち、店舗OS1と類似する店舗Sの利用履歴に基づいて、利用者U1による店舗OS1の利用態様を推定してもよい。
そして、情報提供装置10は、推定された利用態様そのものや、推定された利用態様と店舗OS1があらかじめ登録した条件とのマッチング結果に基づいて、特別クーポンの内容を設定する。例えば、情報提供装置10は、推定された利用料金や利用人数が所定の閾値を超える場合や、利用時間が所定の閾値を下回る場合等は、より好条件の特別クーポン(すなわち、利用者U1に対する利益が大きいクーポン)の設定を行ってもよい。すなわち、情報提供装置10は、店舗Sの利用実績(例えば、実績単価、滞在時間等)に応じて、さらなる好条件の特別クーポンを提供してもよい。また、情報提供装置10は、店舗OS1が設定した利用料金の閾値、利用人数の閾値、利用時間の閾値などといった条件を、推定された利用態様が満たすか否かに応じて、特別クーポンの内容を設定してもよい。
また、雨の日等は、客足が鈍るとも考えられる。そこで、情報提供装置10は、特別クーポンとして、天候に関する情報に応じた内容の特別クーポンを設定してもよい。例えば、情報提供装置10は、所定のサーバ装置から、天候情報を取得し、取得した天候情報が示す天気や気温等に応じて、特別クーポンの内容を設定してもよい。
また、情報提供装置10は、特別クーポンを提供する店舗OS1の周囲に位置する他の店舗Sの設定に基づいて、特別クーポンの内容を自動的に設定してもよい。例えば、情報提供装置10は、店舗OS1の周囲に位置する他の店舗Sの過半数が、2割引きのクーポンを発行している場合は、同様に2割引きの特別クーポンを設定してもよい。また、情報提供装置10は、店舗OS1の周囲に位置する他の店舗Sが設定するクーポンの内容に対し、店舗OS1からの距離に応じた重みづけを行い、重みづけの結果に基づいて、特別クーポンの内容を設定してもよい。
また、情報提供装置10は、利用者U1の行動履歴から、上述した提供処理によって紹介された店舗Sへと移動する傾向の有無を推定し、紹介された店舗Sへと移動する傾向があると推定される場合は、さらに好条件の特別クーポンを提供してもよい。例えば、情報提供装置10は、上述した提供処理によって紹介された店舗に利用者U1が訪問した回数を計数し、計数した回数が所定の閾値を超える場合は、より好条件の特別クーポンを店舗Sの情報とともに提供してもよい。
なお、このような特別クーポンの設定は、例えば、所定の商品の無料提供、税込み税抜き金額、人数、日柄、時間帯、割引率、雨の日限定などといった適用条件や、適用条件ごとに設定される数値を変更することにより実現可能である。また、どのような状態でどのような適用条件を設定するか、どのような状態で各適用条件ごとに設定される値をどのように変更するか、値の上限等は、特別クーポンを提供する店舗Sによってあらかじめ設定されることとなる。
なお、店舗S側が特別クーポンを設定する場合、情報提供装置10は、設定可能な条件と数値(すなわち、クーポンパターン)との選択画面を提供し、提供した選択画面上で店舗Sが選択した内容の特別クーポンを採用してよい。このような選択画面には、例えば、店舗Sと競合する他の店舗が設定しているクーポンの条件や数値を表示し、これらのクーポンと比較が行われた際に提供されるクーポンの設定を容易にしてもよい。
〔3−3−5.比較状況のバリエーション〕
なお、情報提供装置10は、利用者U1が複数の店舗Sを比較していると推定される状態であれば、任意の状態で特別クーポンを提供して良い。例えば、情報提供装置10は、ウェブ上での店舗検索において、複数の店舗をお気に入り登録した場合や、「まとめて比較する」等といったチェックボックスを用いて複数の店舗を選択した場合には、比較状況にあると判定してもよい。すなわち、情報提供装置10は、利用者U1の行為に基づいて、利用者U1が複数の店舗を比較していると推定可能な場合は、推定状況にあると判定してもよい。
〔3−4.特典提供処理の変形例について〕
次に、上述した特典提供処理における種々の変形例について説明する。
〔3−4−1.提供される特典ついて〕
例えば、情報提供装置10は、ポイント以外にも、各種クーポン等といった利用者U2に対して利益を提供するものであれば、任意の特典を提供して良い。また、情報提供装置10は、利用者U2が利用していた店舗でのみ利用可能なクーポンやポイントを提供してもよい。
また、情報提供装置10は、利用者U2に対し店舗S1とは異なる他の店舗OSの情報を提供するとともに、特典として、店舗OSで利用可能なクーポンやポイントを提供してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者U2に対して特典が提供される利用終了日時を通知するとともに、その利用終了日時から利用可能な他の店舗OSの情報を提供する。なお、情報提供装置10は、利用者U2が利用中の店舗S1と類似する店舗OSの情報を提供してもよい。また、情報提供装置10は、店舗OSのインスタント予約を受け付けてもよい。
そして、情報提供装置10は、利用者U2が通知された利用終了日時に退店することに同意するとともに、通知された他の店舗OSのインスタント予約が行われ、かつ、利用者U2が通知された利用終了日時に店舗S1から退店した場合は、店舗OSで利用可能なクーポンを提供してもよい。
また、情報提供装置10は、利用者U2の利用期間の長さに応じた内容の特典を提供してもよい。すなわち、情報提供装置10は、利用開始日時から前記利用終了日時までの期間に応じた所定の特典を前記利用者に提供してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者U2の利用時間が短ければ短い程、多くのポイントを付与してもよい。また、情報提供装置10は、利用金額に応じた報酬を提供してもよい。例えば、情報提供装置10は、所定の固定ポイントに、店舗S1の利用金額に所定の割合を積算した値のポイントを加算して利用者U2に提供してもよい。
〔3−4−2.特典の提供態様について〕
ここで、情報提供装置10は、任意の態様で、特典を利用者U2に提供して良い。例えば、情報提供装置10は、利用者U2が店舗S1を利用した数日後に、ビーコンログデータベース31に登録された情報から利用者U2の利用期間を事後的に特定し、特定した利用期間が所定の閾値を下回る場合は、利用者U2に対して特典を付与してもよい。
また、情報提供装置10は、利用開始日時から所定の期間が経過した場合は、特典の一部を利用者U2に提供してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用期間が2時間以内である際に特典が付与される場合、利用者U2が店舗S1の利用を開始してから1時間後に、特典の一部(例えば、ポイントの半分)を付与してもよい。また、情報提供装置10は、特典の一部を付与した後で利用者U2が店舗S1を退店した場合は、利用期間が2時間以内であったか否かを判定する。そして、情報提供装置10は、利用期間が2時間以内であった場合は、残りのポイントを付与してもよい。また、情報提供装置10は、特典の一部を付与したにも関わらず、利用期間が2時間を超えていた場合は、利用者U2に提供した特典の一部をキャンセルしてもよい。また、情報提供装置10は、ビーコンを用いて、利用者U2が店舗S1に来店した日時と、退店した日時とに分けて特典を付与してもよい。
また、情報提供装置10は、利用者U2が予め店舗S1に関する情報(例えば、クーポン等)を受付し、かつ、実際に店舗S1を利用した上で、利用可能期間が所定の閾値を下回る場合は、特典の付与を行ってもよい。
〔3−4−3.グループ利用について〕
また、情報提供装置10は、利用者U2が同時に店舗S1を利用しているグループである場合、そのグループの利用開始日時と利用終了日時とを取得し、利用開始日時から利用終了日時までの期間に応じて、特典を利用者U2に提供してもよく、そのグループを構成する全ての利用者に対して提供してもよい。また、情報提供装置10は、利用者U2を含むグループの人数に応じた特典を付与してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者U2を含むグループの数が多ければ多いほど、より多くの特典を利用者U2に提供してもよい。
〔3−4−4.利用期間について〕
ここで、情報提供装置10は、利用者U2が店舗S1の利用を開始した日時として適切だと考えられるタイミングであれば、任意のタイミングを利用開始日時としてもよい。また、情報提供装置10は、利用者U2が店舗S1の利用を終了した日時として適切だと考えられるタイミングであれば、任意のタイミングを利用終了日時としてもよい。
例えば、情報提供装置10は、利用者U2が店舗S1にチェックインしたこと等を契機として、利用開始日時や利用終了日時を取得した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報提供装置10は、利用者U2が使用する端末装置100から店舗S1のビーコンIDを示す受信通知を所定の期間連続して受付けた場合は、最初に店舗S1のビーコンIDを示す受信通知を受付けた日時を利用開始日時としてもよい。
また、情報提供装置10は、ビーコンを用いずとも、例えば、GPS等を用いて端末装置100が取得した位置の履歴である位置履歴から、利用者U2が店舗S1を訪れた日時を特定し、特定した日時を利用開始日時としてもよい。また、情報提供装置10は、位置履歴から、利用者U2が店舗S1を退店した日時を特定し、特定した日時を利用終了日時としてもよい。また、例えば、情報提供装置10は、利用者U2が店舗S1での会計を行った際に、日時を示すバーコードをレシートに印刷させ、かかるバーコードを端末装置100に読み取らせ、バーコードが示す日時を情報提供装置10へと送信させることで、利用者U2が店舗S1での会計を行った日時を取得してもよい。すなわち、情報提供装置10は、任意の手法や情報に基づいて、利用者U2が店舗S1の利用を開始した日時や利用を終了した日時を取得してよい。
ここで、どのようなタイミングを利用開始日時や利用終了日時とするかは、店舗S1が提供する商品や役務等により変化すると考えられる。そこで、情報提供装置10は、利用開始日時および利用終了日時として、店舗S1の業態に応じた所定の行為が行われた日時を取得してもよい。例えば、情報提供装置10は、店舗S1が飲食物を提供する施設である場合は、所定の飲食物が提供された日時を利用開始日時として取得してもよい。より具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、利用者U2が最初に注文した飲食物の全て或いは過半数の飲食物が提供された日時、利用者U2が最初に注文した飲食物のうち所定の飲料が提供された日時、全ての飲料と食べ物の過半数が提供された日時等、所定以上の飲食物の提供が完了した日時等を利用開始日時として取得してもよい。このような利用開始日時は、例えば、店舗端末STから飲食物が提供された日時の取得、或いは、利用者U2が有する端末装置100を店舗S1の店員が操作することにより、取得可能である。
また、情報提供装置10は、利用者S2が店舗S1の利用に伴う会計を行った日時、または、利用者S2が店舗S1退出した日時を利用終了日時として取得してもよい。例えば、情報提供装置10は、店舗端末STから会計が終了した旨の通知を受付けた日時を利用終了日時としてもよく、例えば、端末装置100を用いた電子決済が実行された場合は、かかる電子決済が実行されたタイミングを利用終了日時としてもよい。また、情報提供装置10は、端末装置100が店舗S1のビーコンIDを受信しなくなった日時を利用終了日時としてもよい。
また、上述した例では、情報提供装置10は、利用期間が所定の閾値を下回る場合に、特典を利用者U2に提供した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、店舗S1における平均的な利用時間は、店舗S1の業態によって変化すると考えられる。より具体的な例では、ファーストフードを提供する店舗Sの平均的な利用時間は、一般的なレストランよりも短いと考えられる。そこで、情報提供装置10は、利用開始日時から利用終了日時までの期間が、店舗S1の業態に応じた期間以下となる場合は、特典を利用者U2に提供してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者U2の利用期間が、店舗S1の平均的な利用時間を下回る場合は、特典を利用者U2に提供してもよい。なお、このような利用期間の閾値は、店舗S1を各利用者が利用した際の利用時間の平均から自動的に設定されてもよく、店舗S1が予め設定した期間を採用してもよい。
また、店舗S1が混んでいる場合には、利用者U2を早めに退店させたいという要望が店舗S1側に生じると考えられる。一方で、店舗S1が混んでいない場合は、利用者U2を早めに退店させると、店舗S1の印象の悪化や、注文機会の低下といった弊害が生じるとも考えられる。そこで、情報提供装置10は、利用期間が、店舗S1の利用状態に応じた閾値を超えるか否かに基づいて、利用者U2に特典を提供するか否かを判定してもよい。より具体的には、情報提供装置10は、利用開始日時から利用終了日時までの期間と、店舗S1の利用状況に基づく期間とに応じて、特典を利用者U2に提供してもよい。
例えば、情報提供装置10は、店舗S1の利用状況として、店舗S1の空き状況を特定する。例えば、情報提供装置10は、上述したビーコンを用いて、店舗S1を利用する利用者の数を推定し、推定結果から店舗S1の空き状況を判定してもよい。また、情報提供装置10は、店舗S1の空き状況を店舗端末STから取得してもよい。そして、情報提供装置10は、空き状況が所定の条件を満たす場合は、施設の利用状況に基づく期間を延長する。例えば、情報提供装置10は、混雑度が所定の閾値を下回る場合は、施設の利用状況に基づく期間を2時間から3時間に延長する。なお、情報提供装置10は、例えば、混雑度が所定の閾値を上回る場合は、施設の利用状況に基づく期間を2時間から1時間30分に短縮してもよい。そして、情報提供装置10は、利用期間が施設の利用状況に基づく期間よりも短い場合は、所定の特典を前記利用者に提供してもよい。
また、情報提供装置10は、利用期間を店舗状況に応じて補正することで、上述した処理を実現してもよい。例えば、情報提供装置10は、特典が提供される利用終了日時までのタイマーを利用者U2の端末装置100に表示させる。そして、例えば、情報提供装置10は、店舗S1が空いている際に、端末装置100や店舗端末STを介して、店舗S1の店員がタイマーの一時停止操作を行った場合は、タイマーを一時的に停止させる。また、情報提供装置10は、店舗S1が混んできた場合等に、店員がタイマーの開始操作を行った場合は、タイマーの進行を再開する。そして、情報提供装置10は、利用者U2が店舗S1を退店した際等に、タイマーの値が所定の閾値を超えなかった場合は、利用者U2に特典を提供してもよい。
このように、情報提供装置10は、店舗S1における満空状況に応じて、特典を提供するための条件の変更を行ってもよい。また、情報提供装置10は、特典を提供する条件が変更された場合は、その都度、利用者U2に対して変更された条件を提示してもよい。また、例えば、情報提供装置10は、利用者U2に対して不利益になる条件の変更は、行わずともよい。
また、利用者U2の利用総額が少ない場合には、退店を促したいが、利用総額が多い場合には、そのまま店舗S1を利用してほしいといった店舗S1の要望が考えられる。そこで、情報提供装置10は、利用開始日時から利用終了日時までの期間と、店舗S1の利用料金とに応じて、特典を利用者に提供してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者U2が入店してから所定の時間が経過するまでの間に、店舗S1の利用料金が所定の閾値を超える場合は、特典が提供される利用期間を3時間まで延長し、店舗S1の利用料金が所定の閾値を下回る場合は、特典が提供される利用期間を2時間に限定してもよい。
〔3−5.店舗群への適用〕
ここで、上述した処理では、情報提供装置10は、各店舗Sごとに、上述した判定処理、提供処理、クーポン提供処理および特典提供処理を実行した。ここで、情報提供装置10は、複数の店舗からなる店舗群ごとに、上述した各種の処理を実行してもよい。例えば、情報提供装置10は、飲食店に関する複数の店舗が所在する第1店舗ビルと、第1店舗ビルから所定の範囲内に位置し、第1店舗ビルと同様に飲食店に関する複数の店舗が所在する第2店舗ビルとのそれぞれを単一の店舗と見做す。
また、情報提供装置10は、利用者U1が第1店舗ビルの入り口まで移動した場合は、第1店舗ビルの全ての店舗が満席であるか否かを判定し、満席であると判定した場合は、第2店舗ビルや第2店舗ビルに所在する他の店舗の情報を利用者U1に提供してもよい。また、情報提供装置10は、第2店舗ビルに所在する他の店舗であって、利用者U1が訪問使用していた店舗(例えば、クーポンを有する店舗)と類似する種別の店舗を紹介してもよい。
また、情報提供装置10は、第1店舗ビルや第2店舗ビルごとに、満席であるか否かや混雑度等を判定してもよく、各店舗の満席度を統合することで、第1店舗ビルや第2店舗ビルの満席度を推定してもよい。また、情報提供装置10は、第1店舗ビルや第2店舗ビルごとに、特別クーポンを発行してもよい。また、情報提供装置10は、第1店舗ビルや第2店舗ビルごとに、利用時間を特定し、特定した利用時間に応じた特典を提供してもよい。また、情報提供装置10は、第1店舗ビルに含まれる第1の店舗の利用期間が所定の条件を満たす場合は、第1店舗ビルに含まれる第2の店舗のクーポンを特典として提供してもよい。
〔3−6.その他〕
なお、上記実施形態は例示に過ぎず、本発明は、以下に例示するものやそれ以外の他の実施態様も含むものである。例えば、本出願における機能構成、データ構造、フローチャートに示す処理の順序や内容などは例示に過ぎず、各要素の有無、その配置や処理実行などの順序、具体的内容などは適宜変更可能である。例えば、上述した判定処理、提供処理、クーポン提供処理および特典提供処理は、上記実施形態で例示したように情報提供装置10が実現する以外にも、クラウドシステムにおける装置、方法やプログラムとして実現することもできる。
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
〔4.効果〕
上述したように、情報提供装置10は、第1施設の利用状況に関する第1条件が満たされているか否かを判定する。そして、情報提供装置10は、第1条件が満たされている場合は、第1施設との間の関係が所定の第2条件を満たす第2施設を検索する。そして、情報提供装置10は、利用者に対して提供する。この結果、情報提供装置10は、より適切な態様で利用者に情報を提供することができる。
また、情報提供装置10は、第1条件として、第1施設が満席であるか否かを判定する。例えば、情報提供装置10は、第1条件として、第1施設が利用可能となるまでに要すると推定される時間が所定の閾値を超えるか否かを判定する。また、情報提供装置10は、利用者として第1施設を利用する利用者の人数を推定し、第1条件として、推定した人数の利用者が利用可能な空席があるか否かを判定する。このため、情報提供装置10は、利用者がすぐに利用できない施設から、他の施設への送客を実現できる。
また、情報提供装置10は、第2条件を満たす第2施設として、第1施設と種別が共通する第2施設を検索する、例えば、情報提供装置10は、第2条件を満たす第2施設として、第1施設からの距離が所定の範囲内に収まる第2施設を検索する。また、情報提供装置10は、第2施設として、利用状況が所定の第3条件をさらに満たす第2施設を検索する。例えば、情報提供装置10は、第3条件を満たす第2施設として、満席ではない第2施設を検索する。また、例えば、情報提供装置10は、第3条件を満たす第2施設として、利用可能となるまでに要すると推定される時間が所定の閾値を超えない第2施設を検索する。また、例えば、情報提供装置10は、利用者として第1施設を利用する利用者の人数を推定し、第3条件を満たす第2施設として、推定した人数の利用者が利用可能な空席がある第2施設を検索する。例えば、情報提供装置10は、利用者が施設を利用した際の利用額の平均と、その利用者が利用した施設の平均的な利用額とに基づいて、利用者が施設を利用した際の平均的な利用人数を推定する。
また、情報提供装置10は、第2施設として、利用者による施設の利用履歴に応じた所定の第4条件をさらに満たす第2施設を検索する。例えば、情報提供装置10は、第4条件を満たす第2施設として、予め登録された平均予算額が、利用者が施設を利用した際の利用額の平均と所定の範囲内に収まる第2施設を検索する。また、例えば、情報提供装置10は、利用者が施設を利用した際の平均滞在時間を推定し、第4条件を満たす第2施設として、予め登録された滞在時間が、利用者の平均滞在時間均と所定の範囲内に収まる第2施設を検索する。
上述した各種の処理により、情報提供装置10は、第1施設がすぐに利用できない場合に、第1施設と類似する他の第2施設であって、利用者が利用可能な第2施設の情報を利用者に提供するので、利用者の満足度を向上させることができる。
また、情報提供装置10は、第1施設に設置された所定の発信装置が発信した信号を受信した旨の通知を利用者が使用する端末装置から受付ける。そして、情報提供装置10は、受付部が受け付けた通知に基づいて、第1条件が満たされているか否かを判定する。例えば、情報提供装置10は、通知を受付けた場合は、その通知を受付けるよりも前の所定の時間内に受け付けた通知の数に基づいて、第1条件が満たされているか否かを判定する。このため、情報提供装置10は、ビーコン信号等を用いて、容易に、第1施設がすぐに利用可能であるか否かを判定できる。
また、情報提供装置10は、利用者が第1施設を訪問した場合は、第1施設から所定の運用者に対して所定の報酬額を設定するとともに、その報酬額を原資として、運用者から利用者に所定の報酬額を設定する。また、情報提供装置10は、利用者が第2施設を訪問した場合は、第2施設から第1施設に対して所定の報酬額を設定する。このため、情報提供装置10は、チェックインに応じた報酬を設定するとともに、第1施設における単純な機会損失を防ぐことができる。
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、選択部は、選択手段や選択回路に読み替えることができる。