JP6418913B2 - センサー付きプロテクター及びセンサー付きプロテクターの端部成形方法 - Google Patents
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センサー付きプロテクター10は、図12及び図13に示すように、スライドドア1の前端面に取付けられる、車内側壁11a,車外側壁11b及び連結壁11cからなる断面略U字形状の取付基部11とそれに一体成形された中空部12を備え、中空部12には、スライドドア1とボディ側開口部(フロントドア(サイドドア)の場合もある)との間に人体の一部(指や手足)などの異物が挟まった場合にその挟み込みを検知して対応する電気信号を出力するセンサー(感圧センサー)Sが取付けられている(例えば、特許文献1,特許文献2,特許文献3参照)。
なお、センサー付きプロテクター10の下部では、取付基部11の車内側壁11a側に断面C字形状のチャンネル部13が一体成形されていて、感圧センサーSに接続されるワイヤーハーネスWを保持している。また、取付基部11の内側には複数の保持リップ14,14が設けられ、また取付基部11には剛性をアップさせるために断面略U字形状の芯材15が埋設されている。さらに取付基部11の車外側壁11bには装飾用リップ16が設けられている。
また、センサー付きプロテクター10の上側端末部分でも、図16に示すように、長手方向に引き出された2本の芯線31,32に対して、抵抗器39の足39a,39aが重ね合わされ抵抗溶接やハンダ付によって結線されるとともに、インサート26で空間部33を塞いた後、型成形することによって結線部M,インサート26及び抵抗器39を型成形内部に埋めて露出しないようにしている。
なお、図15及び図16では型成形の部位を点線で示した。
このとき、空間部33に対するインサート25,26の固定は空間部33に挿入されているだけであるので空間部33を内側から圧した状態で挿入されている場合であったとしても十分に安定した状態ではない。
また、特許文献2に記載された発明は、押出成形部の端部から差込部を嵌入されるものであるが中空部に対して差込部は強固に固定されるものではない。
また特許文献3の発明は、同様に端末部にインサートを挿入するものではないので、その後に型成形する場合には型成形材料がセンサー側に流れ込みセンサー機能が損なわれることを防止するために蓋部あるいは堰部をわざわざ成形する必要もある。
前記インサート(60,70)の一端(61,71)側の至端から他端(62,72)側に向けて、前記空間部(33,53)に対して隙間なく圧入される大きさの断面形状の肉太部分(63,73)と、前記空間部(33,53)との間に隙間(T1,T2,T3,T4)が形成される大きさの断面形状の肉細部分(64,74)をこの順で連続して設けて、前記インサート(60,70)の挿入により前記押出成形部の端末から前記肉太部分(63,73)まで連通する細長空間(65,75)を形成してなることを特徴とする。
前記インサート(60,70)の一端(61,71)側を前記押出成形部の端末部分から前記空間部(33,53)に圧入するインサート取付工程と、
前記インサート(60,70)の一端(61,71)側が圧入された前記押出成形部の端末部分を金型にセットして、前記押出成形部の端末から前記細長空間(65,75)に型成形材料(R)を流れ込ませながら前記芯線(31,32)と前記リード線(36,39a)の結線部(M)と前記インサート(60,70)の他端(62,72)側を被覆するように射出成形することで一次シールを施す一次シール工程と、
前記一次シールを施した部分の上に重ねて、製品の外形を形成するように、さらに射出成形することで二次シールを施す二次シール工程を備えることを特徴とする。
これによって、インサートは中空部の空間部に対して圧入されているだけでなく、細長空間内の型成形材料の接着(融着)によって中空部の空間部に固定される。しかも、型成形材料の押出成形部への接着面(融着面)は押出成形部の端末からインサートの堰となる肉太部分までと広い面積なので、型成形材料で成形される型成形部及びインサートは中空部の空間部に対して強く安定した状態で固定される。
よって、十分なシール機能が得られるセンサー付きプロテクターが得られる。
これによって、中空部の空間部に対するインサートの固定は一層強固なものとなる。
このように、センサー付きプロテクターにおいて、取付基部と中空部と導電部及び芯線が一体成形されてなるものは、従来から存在するものではなかった。
本発明の実施形態に係るセンサー付きプロテクター10は、図9で示したようなスライドドア1によって車体の開口部を開閉する自動車におけるそのスライドドア1の前端面に車体前側に向けて突出するように取付けられ、スライドドア1とボディ側開口部(フロントドア(サイドドア)の場合もある)との間に人体の一部(指や手足)などの異物が挟まった場合にその挟み込みを検知して対応する電気信号を出力するセンサー(感圧センサー)Sが取付けられたものであり、図11で示した部分では、従来例で示したものと同一の構成であるが、図11のB−B線拡大断面としてセンサー(感圧センサー)Sが取付けられた部分を示した図4は、従来例で示した図13のものとは、中空部52,空間部53及び2つの導電部54,55の断面形状が相違するとともに、空間部53に差し込まれるインサート60の形状が相違するものである。従来例と同一部分には同一符号を付した。
中空部52の両端部(車内側端部)52a,(車外側端部)52bが取付基部11に対して互いに間をあけて連結されている。
本実施形態では、断面形状において、中空部52の車内側端部52aと車外側端部52bの間隔を、それらが連結される取付基部11の部位における車内外方向の幅と略同一にしている。すなわち、中空部52の外殻を構成する車内側端部52aは、取付基部11の車内側壁11aと連結壁11cの角部に連結されるとともに、同じく中空部52の外殻を構成する車外側端部52bは、取付基部11の車外側壁11bと連結壁11cの角部に連結されている。
また、中空上部導電部54の下部54a位置を、中空下部導電部55の頂部55a位置よりも取付基部11側にして、僅かな撓みであっても両導電部54,55が容易に接触するようにして、接点のすれ違いを防止している。さらに、中空部52及び中空部52に設けられる2つの導電部54,55及び空間部53の断面形状については車内側方向と車外側方向に左右半分に仕切る対称軸に左右略対称で、その対称軸上に芯線31,32が位置するようにしている。
2本のリード線36,36は絶縁体で被覆された状態でワイヤーハーネスWによって一つに束ねられるとともに外皮で外周面が覆われているが、ワイヤーハーネスWの端部では被覆部37,37は引き出されるとともに、被覆部37,37からさらにリード線36,36が引き出されてむき出し状態にされている。ワイヤーハーネスWは、制御装置40に接続され、異物の存在が制御装置40によって検知されるようになっている。
さらに、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー)やEPM(エチレン−プロピレンコポリマー)といった合成ゴムのポリマーもあげられる。
また、二次シール層200の射出成形時に溶融しないように耐熱性及び耐圧性に優れるTPO(オレフィン系熱可塑性エラストマー)やオレフィン系樹脂が含まれたTPS(スチレン系熱可塑性エラストマー)であってもよい。
さらには、前記した熱可塑性樹脂組成物の2種類以上をブレンドしたものでもよい。
なお、無色透明又は無色半透明の樹脂組成物を使用すれば結線部M,Mの状態を目視で確認することができる。また柔軟でゴム弾性を有するものが望ましい。
これによって、インサート60は中空部52の空間部53に対して圧入されているだけでなく、細長空間65内の型成形材料Rの融着(接着)によって中空部52の空間部53に固定される。しかも、型成形材料Rによる融着面(接着面)は押出成形部の端末からインサート60の堰となる肉太部分63までと広い面積なので、インサート60は中空部52の空間部53に対して強く安定した状態で固定される。
また二次シールの射出圧力がインサートのズレを起こす恐れがなく、また、一次シールが不要であったとしても、本発明の実施形態により押出成形部の端末と型成形部は広い面積で融着される。
よって、十分なシール機能が得られるセンサー付きプロテクター10が得られる。
例えば、従来例(図13)と同様に、中空部12の空間部13の断面形状を略長方形状(略矩形状)に形成したものでは、図7及び図8に示すように、インサート70の挿入部71の断面形状も略長方形状(略矩形状)である。
また、インサート70の肉細部分74の断面形状は肉太部分73よりも小さくされている。ここでは、肉太部分73と比較して両端部74a,74bを短くしている。これにより、インサート70の挿入時には、図8(b)で示すように、断面形状において、空間部13の両端部13a,13bと肉細部分74の両端部74a,74bとの間に隙間T3,T4がそれぞれ形成されてなる。この隙間T3,T4は、押出成形部の端末から肉太部分73まで連通するように形成された細長空間75の一部であり、ここに型成形材料R(図8では黒色で塗りつぶした)が流れ込むようにされている。
さらに本実施形態では、取付基部11をその内側に複数の保持リップ14,14が設けられ、断面略U字形状の芯材15が埋設されているものとしたが、このタイプの取付基部11であっても保持リップ14が一つであってもよいし、芯材15が埋設されないものでもよい。またこのようなタイプに限定されることもなく、中空部52及びセンサーSを固定するための部位があれば取付基部11とされ、本実施形態のように断面略U字形状のもの以外のものも含まれる。よって把持や嵌合されるだけでなく接着テープによって固定される場合でもよく、その形態は様々なものが選択できる。
また、センサー付きプロテクター10をバックドアやサンルーフ2(図10)に適用することもできる。
2 サンルーフ
10 センサー付きプロテクター
11 取付基部
11a 車内側壁
11b 車外側壁
11c 連結壁
12 中空部
12a 中空部の車内側端部
12b 中空部の車外側端部
13 チャンネル部
14 保持リップ
15 芯材
16 装飾用リップ
25,26 インサート
25a,26a 挿入部
25b,26b 突出部
31,32 芯線
33 空間部
33a 空間部の車内側端部
33b 空間部の車外側端部
34,35 ゴム様弾性体
36 リード線
37 被覆部
39 抵抗器
39a 抵抗器の足(リード線)
40 制御部
52 中空部
52a 中空部の車内側端部
52b 中空部の車外側端部
52c 頂部
52d 車内側傾斜辺
52e 車外側傾斜辺
53 空間部
53a 空間部の車内側端部
53b 空間部の車外側端部
54 中空上部導電部
54a 中空上部導電部の下部
55 中空下部導電部
55a 中空下部導電部の頂部
60 インサート
61 挿入部
62 突出部
63 肉太部分
64 肉細部分
64a 肉細部分の車内側端部
64b 肉細部分の車外側端部
65 細長空間
66 アンダーカット部
67 流路
68 隙間
70 インサート
71 挿入部
72 突出部
73 肉太部分
74 肉細部分
74a 肉細部分の車内側端部
74b 肉細部分の車外側端部
75 細長空間
M 結線部
R 型成形材料
S センサー(感圧センサー)
T1,T2 隙間
T3,T4 隙間
W ワイヤーハーネス
Claims (6)
- 自動車のドアやサンルーフなどのように、車体の開口部を開閉する開閉物の周縁や、前記開口部の周縁に取付けられる取付基部と、その取付基部に一体化され、芯線がそれぞれ埋設された2つの導電部が空間部を介して設けられたチューブ状の中空部を備えるとともに、前記取付基部と中空部はゴム様弾性体で押出成形された押出成形部を構成し、前記開閉物の閉時に前記開閉物と前記開口部との間に挟み込まれた異物により前記中空部が押圧されて潰れると、それに対応した電気信号の変化によって前記異物の存在を検知し、前記押出成形部の端末部分では長手方向に引き出された前記芯線が、制御装置又は電気部品に接続されたリード線に結線されるとともに、前記空間部を塞ぐように、非導電材で形成されたインサートの一端側が挿入された状態で、前記押出成形部の端末部分が型成形されてなるセンサー付きプロテクターであって、
前記インサートの一端側の至端から他端側に向けて、前記空間部に対して隙間なく圧入される大きさの断面形状の肉太部分と、前記空間部との間に隙間が形成される大きさの断面形状の肉細部分をこの順で連続して設けて、前記インサートの挿入により前記押出成形部の端末から前記肉太部分まで連通する細長空間を形成してなることを特徴とするセンサー付きプロテクター。 - 前記導電部は、中空下部導電部と中空上部導電部からなり、前記中空下部導電部は凸形状であるとともに前記中空上部導電部は凹形状で、しかも前記空間部を断面略逆「V」字状で断面略同一幅として前記「V」字状の開口部が前記取付基部側に向くような形状でかつ配置されてなることを特徴とする請求項1に記載のセンサー付きプロテクター。
- 前記インサートの肉細部分は、断面略逆「V」字状で、前記空間部との間に形成される隙間は、断面形状において、前記空間部の両端部と前記肉細部分の両端部との間にそれぞれ形成されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサー付きプロテクター。
- 前記インサートの肉細部分にはアンダーカット部が形成されるとともに、前記空間部の両端部と前記肉細部分の両端部との間にそれぞれ形成された隙間から前記アンダーカット部まで連通する流路が形成されてなることを特徴とする請求項3に記載のセンサー付きプロテクター。
- 前記取付基部と前記中空部と前記導電部及び前記芯線は一体成形されていることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載のセンサー付きプロテクター。
- 請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載のセンサー付きプロテクターの端部成形方法であって、
前記インサートの一端側を前記押出成形部の端末部分から前記空間部に圧入するインサート取付工程と、
前記インサートの一端側が圧入された前記押出成形部の端末部分を金型にセットして、前記押出成形部の端末から前記細長空間に型成形材料を流れ込ませながら前記芯線と前記リード線の結線部と前記インサートの他端側を被覆するように射出成形することで一次シールを施す一次シール工程と、
前記一次シールを施した部分の上に重ねて、製品の外形を形成するように、さらに射出成形することで二次シールを施す二次シール工程を備えることを特徴とするセンサー付きプロテクターの端部成形方法。
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