JP6418379B2 - 電場増強素子、ラマン分光装置、および電子機器 - Google Patents

電場増強素子、ラマン分光装置、および電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP6418379B2
JP6418379B2 JP2014148632A JP2014148632A JP6418379B2 JP 6418379 B2 JP6418379 B2 JP 6418379B2 JP 2014148632 A JP2014148632 A JP 2014148632A JP 2014148632 A JP2014148632 A JP 2014148632A JP 6418379 B2 JP6418379 B2 JP 6418379B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric field
enhancing element
molecule
field enhancing
metal microstructure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014148632A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016024070A5 (ja
JP2016024070A (ja
Inventor
山田 耕平
耕平 山田
明子 山田
明子 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2014148632A priority Critical patent/JP6418379B2/ja
Publication of JP2016024070A publication Critical patent/JP2016024070A/ja
Publication of JP2016024070A5 publication Critical patent/JP2016024070A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6418379B2 publication Critical patent/JP6418379B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)

Description

本発明は、電場増強素子、ラマン分光装置、および電子機器に関する。
近年、低濃度の試料分子を検出する高感度分光技術の1つとして、局在型表面プラズモ共鳴(LSPR:Localized Surface Plasmon Resonance)を利用したアフィニティセンサーや、振動分光からダイレクトに定性定量検出する表面増強ラマン散乱(SERS:Surface Enhanced Raman Scattering)が注目されている。SERSとは、ナノメートルスケールの凸凹構造を持つ金属表面で増強電場が形成され、ラマン散乱光が10倍〜10倍増強され高感度で検出可能な分光である。レーザーなどの単一波長、直線偏光の励起光を標的分子(標的物質)に照射して、励起光の波長から標的分子の分子振動エネルギー分だけ波長がずれた散乱(ラマン散乱光)を分光検出し指紋スペクトルを得る。その指紋スペクトルの形状から標的物質を同定することが可能となる。
喘息による気管の炎症と呼気中に含まれるNO(一酸化窒素)の濃度との間には相関が確認されており、呼気NO濃度は、喘息の指標として認知されている。このようなNOを検出するセンサーチップとして、光センシング方式である表面プラズモン共鳴(SPR:Surface Plasmon Resonance)に着目したものが提案されている。例えば非特許文献1には、Ag微細構造体を有するLSPR基板にシトクロムP450という生体酵素を配置させて、シトクロムP450酵素にNOを反応させ、その反応体のSERS信号を得ることが記載されている。
APPLIED SPECTROSCOPY,Volume65,Number8,825−837,2011
ここで、表面プラズモン共鳴によって誘発される増強電場の分布は、センサーチップ(電場増強素子)の金属ナノ粒子(金属微細構造体)表面から離れるに従い指数関数的に減衰する。例えば、金属微細構造体の表面から3nmより離れた位置での増強度は、金属微細構造体の表面での増強度に対して1/200以下になるという試算結果がある。そのため、表面プラズモン共鳴を用いたセンシングの感度は、金属微細構造体の表面に標的分子が近いほど、高くなると考えられる。
非特許文献1に記載されたシトクロムP450は、約500アミノ酸残基からなり、活性部位にヘムを持つ高分子のタンパク質である。そのため、シトクロムP450を、プラズモン共鳴を誘発する金属微細構造体上に配置させても、金属微細構造体の表面の3nm以下にNO結合部分(結合部位)を配置させることは困難である。したがって、非特許文献1に記載された技術では、NOを高い感度で検出することができない場合がある。
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、NO(一酸化窒素)を高い感度で検出することができる電場増強素子を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上記電場増強素子を含むラマン分光装置および電子機器を提供することにある。
本発明に係る電場増強素子は、
金属微細構造体と、
前記金属微細構造体の表面に配置された修飾分子と、
を含み、
前記修飾分子は、下記式(1)、下記式(2)、または下記式(3)で表される化合物に由来する
Figure 0006418379
ただし、式(1)〜式(3)において、
X1は、−NH、−(C2x)−R、−(NHCOCH)−(C2y)−R、または−OCH−(C2z)−Rであり、
X2は、−H、−OH、−NH、−OCH、−NHCOCH、または−(C2w)−CHであり、
Rは、−NH、−COOH、−SH、−CHO、または−CH(NH)−COOHであり、
xは、1以上17以下の整数であり、
yは、0以上14以下の整数であり、
zは、0以上15以下の整数であり、
wは、0以上3以下の整数である。
このような電場増強素子では、金属微細構造体の表面と、修飾分子においてNO分子が結合する結合部分と、の間の距離を3nm以下にすることができる。したがって、このような電場増強素子では、表面プラズモン共鳴によって誘発される増強電場の増強度が強い位置で、修飾分子はNO分子と結合することができる。よって、このような電場増強素子では、NO分子を高い感度で検出することができる。
本発明に係る電場増強素子において、
X2は、−OH、−NH、−OCH、−NHCOCH、または−(C2w)−CHであってもよい。
このような電場増強素子では、X2は、芳香環に電子を供与する電子供与性基となることができる。これにより、このような電場増強素子では、X1とX2の両方の基によって芳香環に電子を供与することができ、芳香環をより活性させる(NO分子との反応性を大きくする)ことができる。
本発明に係る電場増強素子において、
X2は、−OH、−NH、または−CHであってもよい。
このような電場増強素子では、X2が例えば−OCHや−NHCOCHである場合に比べて、X2による立体障害を小さくすることができ、NO分子は、修飾分子の芳香環と結合しやすくなる。
本発明に係る電場増強素子において、
X1は、−NH、−(CH)−R、−(NHCOCH)−R、または−OCH−Rであってもよい。
このような電場増強素子では、NO分子と結合する芳香環の結合部分(結合部位)と、金属微細構造体の表面と、の間の距離を、より小さくすることができる。具体的には、NO分子と結合する芳香環の結合部位と、金属微細構造体の表面と、の間の距離を、1nm以下にすることができる。
本発明に係る電場増強素子において、
前記修飾分子は、上記式(2)で表される化合物に由来してもよい。
このような電場増強素子では、X2をX1に対して、メタ位に配置させることができる。これにより、このような電場増強素子では、X2がX1に対してオルト位やパラ位に配置されている場合に比べて、芳香環をより活性化することができ、NO分子の修飾分子の芳香環への反応性をより高めることができる。
本発明に係る電場増強素子において、
前記修飾分子は、チロシンに由来してもよい。
このような電場増強素子では、チロシンは、NO分子と結合してニトロチロシンとなるため(後述する実験例参照)、NO分子を検出することができる。
本発明に係るラマン分光装置は、
本発明に係る電場増強素子と、
前記電場増強素子に光を照射する光源と、
前記電場増強素子から放射される光を検出する光検出器と、
を含む。
このようなラマン分光装置では、本発明に係る電場増強素子を含むため、NO分子を高い感度で検出することができる。
本発明に係る電子機器は、
本発明に係るラマン分光装置と、
前記光検出器からの検出情報に基づいて健康医療情報を演算する演算部と、
前記健康医療情報を記憶する記憶部と、
前記健康医療情報を表示する表示部と、
を含む。
このような電子機器では、本発明に係るラマン分光装置を含むため、高精度な健康医療情報を提供することができる。
本実施形態に係る電場増強素子を模式的に示す断面図。 本実施形態に係る電場増強素子を模式的に示す平面図。 修飾分子となる化合物(アニリン)を説明するための図。 修飾分子となる化合物が金属微細構造体と結合していることを説明するための図。 修飾分子となる化合物が金属微細構造体と結合していることを説明するための図。 置換基の反応性を説明するための図。 修飾分子となる化合物(トルイジン)を説明するための図。 修飾分子となる化合物(トルイジン)を説明するための図。 修飾分子となる化合物(トルイジン)を説明するための図。 修飾分子となる化合物(チロシン)を説明するための図。 修飾分子となる化合物(チロシン)を説明するための図。 修飾分子となる化合物(チロシン)を説明するための図。 本実施形態に係るラマン分光装置を模式的に示す図。 本実施形態に係る電子機器を説明するための図。 吸収スペクトルを示すグラフ。 SERSスペクトルを示すグラフ。 SERSスペクトルを示すグラフ。 反射スペクトルを示すグラフ。 反射スペクトルを示すグラフ。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 電場増強素子
まず、本実施形態に係る電場増強素子について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る電場増強素子100を模式的に示す断面図である。図2は、本実施形態に係る電場増強素子100を模式的に示す平面図である。なお、図1は、図2のI−I線断面図である。
電場増強素子100は、図1および図2に示すように、基板10と、金属微細構造体20と、分子膜30と、を含む。なお、便宜上、図2では、分子膜30を省略して図示している。
基板10は、例えば、ガラス基板、シリコン基板、樹脂基板である。なお、図示はしないが、基板10と金属微細構造体20との間には、基板10上に設けられた金属層、および該金属層上に設けられた誘電体層、が配置されていてもよい。
金属微細構造体20は、基板10上に設けられている。金属微細構造体20の形状は、特に限定されず、例えば、円柱状、粒子状、角柱、球、回転楕円体である。図2に示す例では、金属微細構造体20の平面形状は、円形である。平面視において、金属微細構造体20の大きさ(例えば直径)は、電場増強素子100に照射される光の波長以下である。具体的は、金属微細構造体20の大きさは、10nm以上1μm以下であり、好ましくは、40nm以上700nm以下である。金属微細構造体20の厚さは、例えば、1nm以上500nm以下であり、好ましくは、10nm以上100nm以下である。
金属微細構造体20は、例えば、複数設けられている。金属微細構造体20の数は、特に限定されない。図示の例では、複数の金属微細構造体20の形状は、互いに同じであるが、互いに異なっていてもよい。図示の例では、複数の金属微細構造体20は、周期的に設けられているが、周期的に設けられていなくてもよい。隣り合う金属微細構造体20の間の距離は、例えば、1nm以上500nm以下である。
金属微細構造体20の材質は、金、銀、アルミニウム、銅である。金、銀、アルミニウム、および銅は、紫外〜可視光領域における誘電率の虚部が小さい金属であり、電場増強効果を高めることができる。
金属微細構造体20は、光が照射されると表面プラズモン共鳴(SPR)を生じる。具体的には、金属微細構造体20は、局在型プラズモン共鳴(LSPR)を生じる。LSPRとは、光の波長以下の金属構造体に光を入射させると、金属内に存在する自由電子が光の電場成分により集団的に振動し、外部に局在電場を誘起する現象である。この局在電場により、ラマン散乱光を増強することができる。このように、SPRにより誘起される電場によって、ラマン散乱光が増強されることを電場増強効果という。SPRによって増強されるラマン散乱光(SERS光)の強度は、SPRにより増強された電場の4乗に比例する。
分子膜30は、金属微細構造体20上に設けられている。分子膜30は、本実施形態に係る修飾分子(以下、単に「修飾分子」ともいう)を含む。修飾分子は、金属微細構造体20の表面に配置されている。図示はしないが、分子膜30は、基板10上にも設けられていてもよい。
修飾分子は、下記式(1)、下記式(2)、または下記式(3)で表される化合物に由来する。
Figure 0006418379
ただし、式(1)〜式(3)において、X1は、−NH、−(C2x)−R、−(NHCOCH)−(C2y)−R、または−OCH−(C2z)−Rである。X2は、−H、−OH、−NH、−OCH、−NHCOCH、または−(C2w)−CHである。Rは、−NH、−COOH、−SH、−CHO、または−CH(NH)−COOHである。xは、1以上17以下の整数である。yは、0以上14以下の整数である。zは、0以上15以下の整数である。wは、0以上3以下の整数である。
ここで、「修飾分子は、式(1)、式(2)、または式(3)で表される化合物に由来する」とは、式(1)、式(2)、または式(3)で表される化合物が、そのままの形で、または置換基の一部が脱離して、配位結合、共有結合、イオン結合、または水素結合等の結合によって、金属微細構造体20に結合し、修飾分子が得られることをいう。
上記式(1)〜式(3)において、X1は、芳香環(ベンゼン環)に電子を供与する電子供与性基である。図3に示すように、電子供与性基であるX1から芳香環へ電子が流れ込むことにより、芳香環の中で局所的に電子リッチな部位(図3に示すδ−の部分)が生じる。NO(一酸化窒素)分子は、電子が1個不足している電子吸引性分子であるため、NO分子は、芳香環の電子リッチな部位と反応して結合する。すなわち、芳香環の電子リッチな部位は、NO分子と結合する結合部位となる。このように、電場増強素子100で
は、X1によって、NO分子の芳香環への反応性を高めることができる。これにより、電場増強素子100は、標的分子であるNO分子を検出することができる。なお、図3では、X1が−NHであり、X2が−Hである場合の化合物(アニリン)を示している。また、図3および以下に示す図7〜図12では、NO分子が結合しやすい部位を矢印で示している。
上記式(1)〜式(3)においてX2が−Hである場合、図3に示すように、NO分子は、オルト位およびパラ位において反応が起きやすく、X1を有さない場合に比べて(置換基を有さない場合に比べて)、NO分子との反応速度が大きくなる(オルト−パラ配向性)。
上記式(1)〜式(3)で表される化合物は、X1において、金属微細構造体20と結合することができる。すなわち、X1は、芳香環に電子を供与する基であり、かつ、金属微細構造体20と結合する基である。X1が、−(C2x)−R、−(NHCOCH)−(C2y)−R、または−OCH−(C2z)−Rである場合、上記式(1)〜式(3)で表される化合物は、X1の−Rにおいて、金属微細構造体20と結合することができる。図4は、X1が−NHであり、X2が−Hである化合物が金属微細構造体20と結合していることを説明するための図であり、図5は、X1が−(C)−SHである化合物が金属微細構造体20と結合していることを説明するための図である。
上記式(1)〜式(3)において、X1が、−(C2x)−R、−(NHCOCH)−(C2y)−R、または−OCH−(C2z)−Rの場合、X1は、直鎖状であることが好ましい。これにより、NO分子が修飾分子の芳香環と結合する際に、立体障害によって結合しにくくなることを抑制することができる。なお、X1は、直鎖状ではなく、分岐した構造を有していてもよい。
上記式(1)〜式(3)において、X1は、−NH、−(CH)−R、−(NHCOCH)−R、または−OCH−Rであることが好ましい。これにより、NO分子と結合する芳香環の結合部位と、金属微細構造体20の表面と、の間の距離を、より小さくすることができる。具体的には、NO分子と結合する芳香環の結合部位と、金属微細構造体20の表面と、の間の距離を、1nm以下にすることができる。
上記式(1)〜式(3)において、X2は、−OH、−NH、−OCH、−NHCOCH、または−(C2w)−CHであることが好ましい。この場合、X2は、図6に示すように、電子供与性が強く、芳香環に電子を供与する電子供与性基となることができる。これにより、X1とX2の両方の基によって芳香環に電子を供与することができ、芳香環をより活性化する(NO分子との反応性をより高くする)ことができる。なお、図6は、置換基の反応性を説明するための図であり、右側に位置する基ほど、反応性が高い基、すなわち電子供与性が強い基となる。
例えば、図7に示すように、X2(−CH)はX1(−NH)に対して、オルト位に配置されていてもよい。すなわち、修飾分子は、上記式(1)で表される化合物に由来してもよい。この場合、NO分子は、X1に対してパラ位、およびX2に対してパラ位において、修飾分子の芳香環と結合しやすくなる。また、図8に示すように、X2(−CH)はX1(−NH)に対して、パラ位に配置されていてもよい。すなわち、修飾分子は、上記式(3)で表される化合物に由来してもよい。この場合、NO分子は、X1に対してオルト位において、修飾分子の芳香環と結合しやすくなる。このように、X2が、−OH、−NH、−OCH、−NHCOCH、または−(C2w)−CHである場合、オルト−パラ配向性の影響により、より芳香環を活性化することができる。なお
、図7,図8および以下に示す図9では、X1が−NHであり、X2が−CHである場合の化合物(トルイジン)を示している。
なお、X1およびX2が大きくなるほど(例えば、X1およびX2の分子量が大きくなるほど)、NO分子は、X2がX1に対してオルト位に配置された場合の、パラ位に結合しやすくなる(図7参照)。これは、X1およびX2が大きくなると、X2がX1に対してパラ位に配置された場合(図8参照)、オルト位は、立体障害が大きくなるためである。
例えば、図9に示すように、X2(−CH)はX1(−NH)に対して、メタ位に配置されていてもよい。すなわち、修飾分子は、上記式(2)で表される化合物に由来してもよい。この場合、NO分子は、X1に対してパラ位、およびX2に対してパラ位において、修飾分子の芳香環と結合しやすくなる。X2がX1に対してメタ位に配置されている場合、X2がX1に対してオルト位やパラ位に配置されている場合に比べて、芳香環をより活性化することができ、NO分子の芳香環への反応性をより高めることができる。
なお、X1およびX2が大きくなるほど、X1およびX2の双方に対してオルトとなる位置(図9に示す破線の矢印参照)は立体障害が大きくなるため、X1およびX2の双方に対してオルトとなる位置への、NOの置換反応は起こりにくい。
上記式(1)〜式(3)において、X2は、−OH、−NH、または−CHであることがより好ましい。これにより、X2が例えば−OCHや−NHCOCHである場合に比べて、X2による立体障害を小さくすることができ、NO分子は、修飾分子の芳香環と結合しやすくなる。
修飾分子は、例えば、チロシン(図10〜図12参照)に由来する。すなわち、X1は、−(CH)−CH(NH)−COOHであり、X2は、−OHである。チロシンは、NO分子と結合してニトロチロシンとなる。チロシンのX1は、金属微細構造体20と結合することができるNH基およびCOOH基を有している。金属微細構造体20の材質がAgである場合、チロシンは、COOH基において、金属微細構造体20と結合することができる。金属微細構造体20の材質がAuである場合、チロシンは、NH基において、金属微細構造体20と結合することができる。チロシンは、X1およびX2の配置によって、p−チロシン(図10参照)、o−チロシン(図11参照)、およびm−チロシン(図12参照)の異性体を有する。なお、図10〜図12に示したチロシンは、L−チロシンでもD−チロシンでもよい。
修飾分子にNO分子が結合した状態で電場増強素子100に光(照射光)を照射すると、照射光と同じ波長を有するレイリー散乱光と、照射光とは異なる波長を有するラマン散乱光と、が発生する。ラマン散乱光のエネルギーは、NO分子が結合した構造に応じた特有の振動エネルギーに対応している。そのため、ラマン散乱光の波数(振動数)と照射光の波数との差であるラマンシフト、および強度からNO分子の濃度を知ることができる。
なお、上記では、修飾分子が分子膜30を構成している例について説明したが、修飾分子は、膜状に形成されていなくてもよい。例えば修飾分子が1つだけ、金属微細構造体20の表面に配置されていてもよい。
また、分子膜30は、上記式(1)〜式(3)で表される化合物を少なくとも、1種類含んでいれば、他の分子を含んでいてもよい。
電場増強素子100は、例えば、以下の特徴を有する。
電場増強素子100は、金属微細構造体20と、金属微細構造体20の表面に配置された修飾分子と、を含み、修飾分子は、上記式(1)、上記式(2)、または上記式(3)で表される化合物に由来する。ただし、式(1)〜式(3)において、X1は、−NH、−(C2x)−R、−(NHCOCH)−(C2y)−R、または−OCH−(C2z)−Rであり、X2は、−H、−OH、−NH、−OCH、−NHCOCH、または−(C2w)−CHであり、Rは、−NH、−COOH、−SH、−CHO、または−CH(NH)−COOHであり、xは、1以上17以下の整数であり、yは、0以上14以下の整数であり、zは、0以上15以下の整数であり、wは、0以上3以下の整数である。そのため、電場増強素子100では、金属微細構造体20の表面と、修飾分子においてNO分子が結合する結合部分と、の間の距離を3nm以下にすることができる。したがって、電場増強素子100では、表面プラズモン共鳴によって誘発される増強電場の増強度が強い位置で、修飾分子はNO分子と結合することができる。よって、電場増強素子100では、NO分子を高い感度で検出することができる。例えば、金属微細構造体表面から3nmより離れた位置での増強度は、金属微細構造体表面での増強度に対して1/200以下になり、NO分子を高い感度で検出することができない場合がある。
例えば、xが17より大きかったり、yが14より大きかったり、zが15より大きかったりすると、金属微細構造体20の表面と、修飾分子においてNO分子が結合する結合部分と、の間の距離が3nmより大きくなる場合がある。また、wが3より大きかったりすると、立体障害によって、NO分子が修飾分子の芳香環と結合しにくくなる場合がある。
なお、NO濃度を計測する手法としては、空間中に存在するNO分子をオゾンで励起し、そのときに生じる化学ルミネッセンスを測定する化学発光法(化学蛍光法)と、電気化学方式がある。前者の化学発光法は、非常に正確で信頼できるものではあるが、オゾン発生装置、真空ポンプなどを必要とし、高価で大型である。後者の電気化学方式は、電極に捕捉されたNOが酸化されてNO になる際に生じる電流を利用してNOを検出するもので化学発光法よりも装置構成が簡素化できるので小型化可能なメリットがある。しかしながら、電気化学方式は、選択性、温度、湿度、電解質消耗のための寿命がまだなお課題として存在している。中でも温度・湿度は感度に大きく影響を与え、呼気温度・湿度のバラツキから再現性を低下させ、精度を低下させる場合がある。電場増強素子100は、このような化学発光法や電気化学方式よりも、安価で高感度である。
電場増強素子100では、X2は、−OH、−NH、−OCH、−NHCOCH、または−(C2w)−CHである。そのため、X2は、芳香環に電子を供与する電子供与性基となることができる。これにより、電場増強素子100では、X1とX2の両方の基によって芳香環に電子を供与することができ、芳香環をより活性させる(NO分子との反応性を大きくする)ことができる。
電場増強素子100では、X2は、−OH、−NH、または−CHである。そのため、電場増強素子100では、X2が例えば−OCHや−NHCOCHである場合に比べて、X2による立体障害を小さくすることができ、NO分子は、修飾分子の芳香環と結合しやすくなる。
電場増強素子100では、X1は、−NH、−(CH)−R、−(NHCOCH)−R、または−OCH−Rである。そのため、電場増強素子100では、NO分子と結合する芳香環の結合部分(結合部位)と、金属微細構造体20の表面と、の間の距離を、より小さくすることができる。具体的には、NO分子と結合する芳香環の結合部位と、
金属微細構造体20の表面と、の間の距離を、1nm以下にすることができる。
電場増強素子100では、修飾分子は、上記式(2)で表される化合物に由来する。そのため、電場増強素子100では、X2をX1に対して、メタ位に配置させることができる。これにより、電場増強素子100では、X2がX1に対してオルト位やパラ位に配置されている場合に比べて、芳香環をより活性化することができ、NO分子の修飾分子の芳香環への反応性をより高めることができる。
電場増強素子100では、修飾分子は、チロシンに由来する。チロシンは、NO分子と結合してニトロチロシンとなるため(後述する実験例参照)、電場増強素子100は、NO分子を検出することができる。
2. 電場増強素子の製造方法
次に、本実施形態に係る電場増強素子100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、基板10上に金属微細構造体20を形成する。金属微細構造体20は、例えば、真空蒸着法やスパッタ法等によって薄膜を形成した後にパターニングを行う方法、マイクロコンタクトプリント法、ナノインプリント法などによって形成される。
次に、金属微細構造体20上に分子膜30を形成する。分子膜30は、例えば、修飾分子を希釈させた溶液(例えば濃度1mM)中に、金属微細構造体20が形成された基板10を、長時間(例えば24時間)浸漬させ、その後溶液から取り出した後、純水でリンスしエアーブロー等で水分を飛ばすことで、形成される。
以上の工程により、電場増強素子100を製造することができる。
3. ラマン分光装置
次に、本実施形態に係るラマン分光装置について、図面を参照しながら説明する。図13は、本実施形態に係るラマン分光装置200を模式的に示す図である。
ラマン分光装置200は、図13に示すように、気体試料保持部110と、検出部120と、制御部130と、検出部120および制御部130を収容している筐体140と、を含む。気体試料保持部110は、本発明に係る電場増強素子を含む。以下では、本発明に係る電場増強素子として電場増強素子100を含む例について説明する。
気体試料保持部110は、電場増強素子100と、電場増強素子100を覆うカバー112と、吸引流路114と、排出流路116と、を有している。検出部120は、光源121と、レンズ122a,122b,122c,122dと、ハーフミラー124と、光検出器125と、を有している。制御部130は、光検出器125において検出された信号を処理して光検出器125の制御をする検出制御部132と、光源121などの電力や電圧を制御する電力制御部134と、を有している。制御部130は、図13に示すように、外部との接続を行うための接続部136と電気的に接続されていてもよい。
ラマン分光装置200では、排出流路116に設けられている吸引機構117を作動させると、吸引流路114および排出流路116内が負圧になり、吸引口113から検出対象となるNO分子を含んだ気体試料が吸引される。吸引口113には除塵フィルター115が設けられており、比較的大きな粉塵や一部の水蒸気などを除去することができる。気体試料は、吸引流路114および排出流路116を通り、排出口118から排出される。気体試料は、係る経路を通る際に、電場増強素子100に接触する。
吸引流路114および排出流路116の形状は、外部からの光が電場増強素子100に入射しないような形状である。これにより、ラマン散乱光以外の雑音となる光が入射しないため、信号のS/N比を向上させることができる。流路114,116を構成する材料は、例えば、光を反射し難いような材料や色である。
吸引流路114および排出流路116の形状は、気体試料に対する流体抵抗が小さくなるような形状である。これにより、高感度な検出が可能になる。例えば、流路114,116の形状を、できるだけ角部をなくし滑らかな形状にすることで、角部における気体試料の滞留をなくすことができる。吸引機構117としては、例えば、流路抵抗に応じた静圧、風量のファンモーターやポンプを用いる。
ラマン分光装置200では、光源121は、NO分子が結合した電場増強素子100に、光(例えば波長632nmのレーザー光、SPRを励起させる励起光)を照射する。光源121としては、例えば、半導体レーザー、気体レーザーを用いる。光源121から射出された光は、レンズ122aで集光された後、ハーフミラー124およびレンズ122bを介して、電場増強素子100に入射する。電場増強素子100からは、SERS光が放射され、該光は、レンズ122b、ハーフミラー124、およびレンズ122c,122dを介して、光検出器125に至る。すなわち、光検出器125は、電場増強素子100から放射される光を検出する。SERS光には、光源121からの入射波長と同じ波長のレイリー散乱光が含まれているので、光検出器125のフィルター126によってレイリー散乱光を除去してもよい。レイリー散乱光が除去された光は、ラマン散乱光として、光検出器125の分光器127を介して受光素子128にて受光される。受光素子128としては、例えば、フォトダイオードを用いる。
光検出器125の分光器127は、例えば、ファブリペロー共振を利用したエタロン等で形成されており、通過波長帯域を可変とすることができる。光検出器125の受光素子128によって、標的物質に特有のラマンスペクトルが得られ、例えば、得られたラマンスペクトルと予め保持されたデータとを照合することで、標的物質の信号強度を検出することができる。
なお、ラマン分光装置200は、電場増強素子100、光源121、および光検出器125を含み、電場増強素子100にNO分子を結合させ、そのラマン散乱光を検出することができれば、上記の例に限定されない。
ラマン分光装置200は、電場増強素子100を含む。そのため、ラマン分光装置200では、NO分子を高い感度で検出することができる。
4. 電子機器
次に、本実施形態に係る電子機器300について、図面を参照しながら説明する。図14は、本実施形態に係る電子機器300を模式的に示す図である。電子機器300は、本発明に係るラマン分光装置を含むことができる。以下では、本発明に係るラマン分光装置としてラマン分光装置200を含む例について説明する。
電子機器300は、図14に示すように、ラマン分光装置200と、光検出器125からの検出情報に基づいて健康医療情報を演算する演算部310と、健康医療情報を記憶する記憶部320と、健康医療情報を表示する表示部330と、を含む。
演算部310は、例えば、パーソナルコンピューター、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistance)であり、光検出器125から送出
される検出情報(信号等)を受け取る。演算部310は、光検出器125からの検出情報に基づいて健康医療情報を演算する。演算された健康医療情報は、記憶部320に記憶される。健康医療情報としては、例えば、NO分子の量(NO濃度)に基づいて演算された、喘息による気管の炎症の度合いである。
記憶部320は、例えば、半導体メモリー、ハードディスクドライブ等であり、演算部310と一体的に構成されてもよい。記憶部320に記憶された健康医療情報は、表示部330に送出される。記憶部320には、NO濃度と、喘息による気管の炎症と、の相関に関する情報が記憶されていてもよい。
表示部330は、例えば、表示板(液晶モニター等)、プリンター、発光体、スピーカー等により構成されている。表示部330は、演算部310によって演算された健康医療情報等に基づいて、ユーザーがその内容を認識できるように、表示または発報する。
電子機器300では、ラマン分光装置200を含む。そのため、電子機器300では、高精度な健康医療情報を提供することができる。
5. 実験例
以下に実験例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実験例によって何ら限定されるものではない。
5.1. 第1実験例
第1実験例として、チロシン、およびニトロチロシンの希釈溶液に白色光を照射して、吸収スペクトルを取得した。なお、チロシン、およびニトロチロシンは、東京化成工業(株)より購入した粉末試料から希釈溶液を作製した。図15は、チロシンの吸収スペクトル、およびニトロチロシンの吸収スペクトルを示すグラフである。
図15に示すように、ニトロチロシンは、可視青色波長端に相当する360nmに電子遷移吸収バンドを有することがわかった。波長360nmでは、チロシンには電子遷移吸収バンドは発現されず、NOが結合したニトロチロシンのみ、可視光と分子との共鳴が生じる光学活性状態になることから、光学応答に大きな変化があるといえる。特に、表面増強ラマン散乱(SERS)現象は、その恩恵を存分にうける表面増強共鳴ラマン散乱(SERRS:Surface Enhanced Resonance Raman Scattering)が期待できる。SERRSは分子の光吸収ピーク波長をλとすると、経験的にλ±300nmの広範囲で作用する。したがって可視光励起のSERSに適用でき、SERRSによって、SERSよりもさらに検出濃度で2〜3桁向上させることができる。そのため、チロシン分子を用いることによって、さらなる高感度でNO分子を検出することができることがわかった。
5.2. 第2実験例
第2実験例として、Auからなる金属微細構造体にp−チロシンを結合された電場増強素子を用いて、ラマンスペクトル(SERSスペクトル)を取得した。金属微細構造体を、真空蒸着法によって形成し、平面視における大きさを50nm、厚さを20nmとした。p−チロシンを希釈させた溶液(濃度1mM)中に、金属微細構造体が形成された基板を、24時間浸漬させ、その後溶液から取り出した後、純水でリンスしエアーブロー等で水分を飛ばして電場増強素子を得た。
図16は、NOガスを曝露する前の電場増強素子のSERSスペクトル、およびNOガスを十分な時間曝露させた後の電場増強素子のSERSスペクトルを示すグラフである。励起光の波長は632nm、出力は0.5mW、照射時間(露光時間)は30秒とした。
図16に示すように、NOガス曝露前のスペクトルには、チロシン由来のピークが831cm−1、1163cm−1に観測され、さらに1400cm−1〜1600cm−1に渡ってブロードなピークに観測されていた。NOガス曝露後のスペクトルには、NO由来のニトロ基が結合したことによって、752cm−1、1331cm−1、1417cm−1、1512cm−1、1605cm−1に急峻なピークが観測されていた。これらのピークに着目して強度を計測することで、予め求めておいた検量線から、例えば呼気中のNOガス濃度を知ることができる。
5.3. 第3実験例
第3実験例として、Agからなる金属微細構造体にp−チロシンを結合された電場増強素子を用いて、ラマンスペクトル(SERSスペクトル)を取得した。本実験例で用いた電場増強素子は、第2実験例と同じ方法で形成した。また、金属微細構造体の大きさおよび厚さは、第2実験例の金属微細構造体と同じとした。
図17は、NOガスを曝露する前の電場増強素子のSERSスペクトル、およびNOガスを十分な時間曝露させた後の電場増強素子のSERSスペクトルを示すグラフである。励起光の波長は632nm、出力は0.5mW、照射時間(露光時間)は1秒とした。
図17に示すように、NOガス曝露前のスペクトルには、チロシン由来のピークが1351cm−1に観測された。NOガス曝露後のスペクトルには、NO由来のニトロ基が結合したことによって、573cm−1、626cm−1、1215cm−1、1282cm−1、1344cm−1、1421cm−1、1509cm−1、1602cm−1に急峻なピークが観測されていた。これらのピークに着目して強度を計測することで、予め求めておいた検量線から、呼気中のNOガス濃度を知ることができる。
金属微細構造体の材質がAuである第2実験例に比べて、励起光の照射時間が1秒と短くても、明確にSERSスペクトルのピークを認識することができた。したがって、金属微細構造体の材質がAgである電場増強素子を用いることにより、Agとニトロチロシンの化学的増強機構から、金属微細構造体の材質がAuである場合よりも、NO分子を高感度に検出できることがわかった。
5.4. 第4実験例
第4実験例として、Agからなる金属微細構造体にp−チロシンが結合された電場増強素子に、白色光を照射して反射スペクトル(反射分光スペクトル)を取得した。本実験例で用いた電場増強素子は、第3実験例で用いた電場増強素子と同じである。
図18は、p−チロシンが結合された電場増強素子の反射スペクトルである。図18に示すように、波長630nm付近にSPR由来のピークが発現した。
図19は、上記の電場増強素子に、NOガスを十分な時間曝露させた後の反射スペクトルを示すグラフである。なお、図19では、NOガスを曝露する前の電場増強素子の反射スペクトルも示している。
図19に示すように、NOガスの曝露前後で、ピーク波長は630nmから637nmまでおよそ7nmのシフトが観測された。ピーク波長のシフト量から、予め求めておいた検量線をもとにNO濃度を定量してもよいが、通常SPRによる吸収バンドはブロードであるため、ピーク波長を高精度に読み取ることは難しい。そのため、ピークからずらした波長位置での反射率変化からシフト量を読み取ることを行えば、一般的に反射率分解能は波長分解能よりも高いので、より高精度かつ高感度にシフト量を読み取ることができる。
例えば図19において、波長680nmにおいて、反射率を計測すると、0.4071から0.3313に変化している。曝露するNO濃度に対する任意の固定波長における反射率の変化量に関して予め検量線を求めておくことで、反射率の変化量からNOガス濃度を知ることができる。この方式では、単色のLED光源とフォトディテクター(PD)用いればよいため、レーザーや分光器などを用いるSERS方式よりも、さらに安価で小型化することが可能である。
なお、本発明に係る電場増強素子は、SPRを用いる表面増強赤外吸収分光(SEIRAS)に適用されてもよい。
また、上記では、標的分子としてNO分子の例を説明したが、本発明に係る電場増強素子は、NO分子以外の電子求引性の標的分子に適用することができる。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
10…基板、20…金属微細構造体、30…分子膜、100…電場増強素子、110…気体試料保持部、112…カバー、113…吸引口、114…吸引流路、115…除塵フィルター、116…排出流路、117…吸引機構、118…排出口、120…検出部、121…光源、122a,122b,122c,122d…レンズ、124…ハーフミラー、125…光検出器、126…フィルター、127…分光器、128…受光素子、130…制御部、132…検出制御部、134…電力制御部、136…接続部、140…筐体、200…ラマン分光装置、300…電子機器、310…演算部、320…記憶部、330…表示部

Claims (6)

  1. 金属微細構造体と、
    前記金属微細構造体の表面に配置された修飾分子と、
    を含み、
    前記修飾分子は、チロシンに由来し、
    前記修飾分子は、NO分子と結合し、
    前記金属微細構造体の材質は、銀である、電場増強素子。
  2. 請求項1に記載の電場増強素子と、
    前記電場増強素子に光を照射する光源と、
    前記電場増強素子から放射される光を検出する光検出器と、
    を含む、ラマン分光装置。
  3. 請求項に記載のラマン分光装置において、
    前記光源から射光された光を前記電場増強素子に導き、且つ前記電場増強素子から放射される光を前記光検出器に導くハーフミラーをさらに備える、ラマン分光装置。
  4. 請求項またはに記載のラマン分光装置において、
    前記電場増強素子から放射される光からレイリー散乱光を除外する光学フィルターをさらに備える、ラマン分光装置。
  5. 請求項ないしのいずれか1項に記載のラマン分光装置と、
    前記光検出器からの検出情報に基づいて健康医療情報を演算する演算部と、
    前記健康医療情報を記憶する記憶部と、
    前記健康医療情報を表示する表示部と、
    を含む、電子機器。
  6. 請求項に記載の電子機器において、
    前記健康医療情報は、NO分子の量に基づいて演算された、喘息による気管の炎症の度
    合い、を含む、電子機器。
JP2014148632A 2014-07-22 2014-07-22 電場増強素子、ラマン分光装置、および電子機器 Active JP6418379B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014148632A JP6418379B2 (ja) 2014-07-22 2014-07-22 電場増強素子、ラマン分光装置、および電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014148632A JP6418379B2 (ja) 2014-07-22 2014-07-22 電場増強素子、ラマン分光装置、および電子機器

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2016024070A JP2016024070A (ja) 2016-02-08
JP2016024070A5 JP2016024070A5 (ja) 2017-08-03
JP6418379B2 true JP6418379B2 (ja) 2018-11-07

Family

ID=55270935

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014148632A Active JP6418379B2 (ja) 2014-07-22 2014-07-22 電場増強素子、ラマン分光装置、および電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6418379B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6586867B2 (ja) 2015-12-08 2019-10-09 セイコーエプソン株式会社 電場増強素子およびラマン分光装置
JP2017150865A (ja) * 2016-02-23 2017-08-31 コニカミノルタ株式会社 ガス検知方法及びガス検知装置
RU2766343C1 (ru) * 2020-12-16 2022-03-15 Федеральное государственное унитарное предприятие "Государственный научно-исследовательский институт органической химии и технологии" (ФГУП "ГосНИИОХТ") Способ получения гкр-чипа для иммунохимического анализа

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006266707A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 Fuji Photo Film Co Ltd バイオセンサー
JP4231888B2 (ja) * 2005-11-25 2009-03-04 富士フイルム株式会社 バイオセンサーの製造方法
US8903474B2 (en) * 2005-12-06 2014-12-02 Pen Inc. Analysis of gases
EP2344879A4 (en) * 2008-09-15 2013-03-20 Platypus Technologies Llc DETECTION OF STEAM PHASE COMPOUNDS BY CHANGING THE PHYSICAL PROPERTIES OF A LIQUID CRYSTAL
JP2014119263A (ja) * 2012-12-13 2014-06-30 Seiko Epson Corp 光学デバイス、検出装置、電子機器及び光学デバイスの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016024070A (ja) 2016-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5939016B2 (ja) 光学デバイス及び検出装置
US8848182B2 (en) Optical device, analyzing apparatus and spectroscopic method
JP5545144B2 (ja) 光デバイスユニット及び検出装置
US9322708B2 (en) Optical device, detection apparatus, electronic apparatus, and method for producing optical device
JP5799559B2 (ja) 検出装置
WO2013164904A1 (ja) 光学デバイス及び検出装置
US20120062881A1 (en) Optical device unit and detection apparatus
JP2012063154A (ja) 検出装置
JP6418379B2 (ja) 電場増強素子、ラマン分光装置、および電子機器
JP2015052463A (ja) ラマン分光装置、ラマン分光法、および電子機器
JP6326828B2 (ja) センサーユニット複合体、ラマン分光装置、及び電子機器
JP2013096939A (ja) 光デバイス及び検出装置
JP6586867B2 (ja) 電場増強素子およびラマン分光装置
US20160223466A1 (en) Electric-field enhancement element, analysis device, and electronic apparatus
JP2013238479A (ja) 検出装置
JP6414407B2 (ja) ラマン分光装置、および電子機器
JP2015141027A (ja) 電場増強素子、ラマン分光法、ラマン分光装置、及び電子機器
JP6291817B2 (ja) ラマン分光装置、電子機器、およびラマン分光測定方法
JP2015096813A (ja) ラマン分光装置、及び電子機器
JP2014066677A (ja) ラマン分光装置
JP2017138340A (ja) 検出装置
JP2016004018A (ja) ラマン分光装置および電子機器
JP2013231685A (ja) 検出装置
JP6171469B2 (ja) 検出装置
JP2015072157A (ja) 光学素子、ラマン分光法、ラマン分光装置、および電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170619

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170619

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180320

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180316

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180423

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180912

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180925

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6418379

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150