JP6417631B2 - 固体二次電池およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本願は、全固体二次電池およびその製造方法に関する。
近年、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車等の輸送機器、また、家庭用、商業用の大型逐電デバイスの電源として二次電池の需要が増大している。それら電源としてリチウム二次電池が広く用いられている。
リチウム二次電池の電解質として、有機電解液の代わりに、例えば、不燃性である硫化物や酸化物の固体電解質を用いることが検討されている(例えば特許文献1)。これにより、より高い安全性および信頼性を有する二次電池を提供することが可能となる。このような電池は部材が全て固体材料で形成されることから「全固体二次電池」と呼ばれる。
特許文献1には、固体電解質として、ガラス修飾剤であるLi2Sとガラス形成剤であるSiS2、P25、P23などを混合し加熱溶融した後、急冷することで得られる硫化物ガラスを用いることが記載されている。また、固体電解質と正極活物質を含む正極合剤層と、固体電解質からなる固体電解質層と、固体電解質と負極活物質を含む負極合剤層とを加圧成型することで全固体二次電池が得られることが記載されている。
国際公開第2008/123394号
従来の全固体二次電池では、入出力特性をより高めることが求められていた。
本願の、限定的でない例示的なある実施形態は、従来よりも入出力特性に優れた全固体二次電池を提供する。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、正極、負極、および、前記正極と前記負極との間に配置された固体電解質層を備える全固体二次電池であって、前記正極および前記負極の少なくとも一方は、集電体と、前記集電体に支持された、少なくとも活物質および固体電解質を含む合剤層と、前記合剤層と前記集電体との間に配置された、電子導電性を有する中間層とを有しており、前記中間層は、モース硬度が2以下の低硬度材料からなり、前記低硬度材料のモース硬度は、前記集電体の材料のモース硬度よりも小さい全固体二次電池を含む。
本発明の一態様によれば、従来よりも入出力特性に優れた全固体二次電池を提供できる。
本発明による実施形態の全固体二次電池を例示する模式的な断面図である。 本発明による他の実施形態の全固体二次電池を例示する模式的な断面図である。 中間層の材料のモース硬度と、電池の内部直流抵抗Rとの関係を示すグラフである。
本発明の基礎となった知見は以下のとおりである。
特許文献1に示されるように、全固体二次電池の正極合剤層および/または負極合剤層(以下、単に「合剤層」と略する)は、活物質粒子に加えて、固体電解質の粒子を含む場合がある。この場合、合剤層の表面は平滑にならず、活物質や固体電解質の粒子の大きさに応じた凹凸を有する。この合剤層を集電体と接するように配置すると、合剤層の表面と集電体の表面とが密接せず、これらの表面の接触面積が小さくなるおそれがある。このため、合剤層と集電体との界面の電子抵抗が高くなる。このような全固体二次電池を充電すると、上記界面の高い電子抵抗に起因する電圧上昇により充電終止電圧に到達する。この結果、電解液を電解質に用いた電池と比較して、十分な充電容量を取り出せず、入力特性が低くなるという問題があった。同様に、全固体二次電池を放電すると、合剤層と集電体との界面の高い電子抵抗に起因する電圧降下により放電終止電圧に到達する。この結果、電解液を電解質に用いた電池と比較して、十分な放電容量が取り出せず、出力特性が低くなるという問題があった。
これに対し、本発明者らが鋭意検討を進めた結果、全固体二次電池において、固体電解質を含む合剤層と集電体との間に、モース硬度が2以下の低硬度材料からなる中間層を配置することで上記課題を解決できることを見出した。
本発明の一態様の概要は以下のとおりである。
本発明の一態様である全固体二次電池は、正極、負極、および、前記正極と前記負極との間に配置された固体電解質層を備える全固体二次電池であって、前記正極および前記負極の少なくとも一方は、集電体と、前記集電体に支持された、少なくとも活物質および固体電解質を含む合剤層と、前記合剤層と前記集電体との間に配置された、電子導電性を有する中間層とを有しており、前記中間層は、モース硬度が2以下の低硬度材料からなり、前記低硬度材料のモース硬度は、前記集電体の材料のモース硬度よりも小さい。
前記低硬度材料のモース硬度は、例えば、前記固体電解質のモース硬度よりも小さい。
前記低硬度材料は、例えば金属材料である。
前記低硬度材料は、例えばInまたはSnである。
前記集電体の材料のモース硬度は、例えば2よりも大きい。
前記中間層の厚さは、例えば2μm以上200μm以下である。
前記合剤層は、例えばバインダーを含んでいない。
前記合剤層は、例えば導電助剤を含んでいない。
前記固体電解質は、例えば硫化物固体電解質である。
前記硫化物固体電解質は、例えばLi2S−P25化合物である。
本発明の一態様である全固体二次電池の製造方法は、正極、負極、および、前記正極と前記負極との間に配置された固体電解質層を備える全固体二次電池の製造方法であって、集電体と、少なくとも活物質および固体電解質を含む合剤層と、これらの間に配置された、モース硬度が2以下の低硬度材料からなる中間層とを含む積層体を形成する工程と、前記積層体を加圧して、前記中間層における少なくとも前記合剤層と接する表面を塑性変形させることにより、前記正極および前記負極のうち少なくとも一方を形成する工程とを含む。
(実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施の形態を説明する。
図1は、本発明による一実施形態の全固体二次電池100の模式的な断面図である。図1は、負極活物質および正極活物質として粉体活物質を用いた構成を示す。なお、正極または負極に金属などの粒子形状を有さない活物質を用いてもよい。
全固体二次電池(以下、「電池」と略する)100は、正極10、負極11、および、正極10と負極11との間に配置された固体電解質層9を備える。
正極10は、正極集電体4と、正極集電体4に支持された正極合剤層7と、正極合剤層7と正極集電体4との間に配置された、電子導電性を有する中間層6Aとを有している。
正極合剤層7は、少なくとも正極活物質1を含む。ここでは、正極合剤層7は、粒子形状を有する正極活物質1と、粒子形状を有する固体電解質3とを含む。なお、正極合剤層7は、電極抵抗を低減する目的で、導電助剤および/またはイオン伝導体をさらに含んでいてもよい。また、粒子や集電体との結着性を向上する目的で結着剤(バインダー)をさらに含んでいてもよい。図示するように、正極合剤層7の表面は、正極活物質1および固体電解質3の粒子形状に起因する凹凸を有している。
中間層6Aは、モース硬度が2以下の低硬度材料からなる。中間層6Aにおける低硬度材料のモース硬度は、正極集電体4の材料のモース硬度よりも小さい。中間層6Aは、例えばインジウム(In)層、スズ(Sn)層などの金属層であってもよい。また、低硬度材料のモース硬度は、固体電解質3のモース硬度よりも小さくてもよい。中間層6Aは、例えば、正極合剤層7と正極集電体4とが接しないように、これらの界面全体に設けられてもよい。
図示する例では、中間層6Aは、正極合剤層7と接しており、中間層6Aの正極合剤層7側の表面は、正極合剤層7の表面形状を反映した凹凸を有している。このため、正極合剤層7の表面との接触面積を大きくできる。一方、中間層6Aの正極集電体4側の表面は、正極集電体4の表面形状を反映した形状を有し、正極合剤層7側の表面よりも平坦であってもよい。
正極集電体4は、中間層6Aの材料よりもモース硬度の大きい導電材料を含む。正極集電体4のモース硬度は例えば2より大きく、好ましくは2.9以上である。これにより、電池100の機械的強度をより確実に確保できる。正極集電体4は、中間層6Aとは異なる金属を含む金属層であってもよい。
負極11は、負極集電体5と、負極集電体5に支持された負極合剤層8と、負極合剤層8と負極集電体5との間に配置された、電子導電性を有する中間層6Bとを有している。
負極合剤層8は、少なくとも負極活物質2を含む。負極合剤層8は、粒子形状を有する負極活物質2と、粒子形状を有する固体電解質3とを含む。図示するように、負極合剤層8の表面は、負極活物質2および固体電解質3の粒子形状に起因する凹凸を有している。
なお、ここでは、負極11内にイオン導電経路を構築する目的で、負極合剤層8に固体電解質3が含まれているが、負極合剤層8は固体電解質3を含んでいなくてもよい。また、負極活物質2も粒子形状を有していなくてもよい。負極合剤層8は、電極抵抗を低減する目的で、導電助剤および/またはイオン伝導体をさらに含んでいてもよい。また、粒子や集電体との結着性を向上する目的で結着剤(バインダー)をさらに含んでいてもよい。
中間層6Bは、モース硬度が2以下の低硬度材料からなる。中間層6Bにおける低硬度材料のモース硬度は、負極集電体5の材料のモース硬度よりも小さい。中間層6Bは、中間層6Aと同じ低硬度材料からなる層であってもよい。低硬度材料のモース硬度は、固体電解質3のモース硬度よりも小さくてもよい。中間層6Bは、例えば、負極合剤層8と負極集電体5とが接しないように、これらの界面全体に設けられてもよい。
図示する例では、中間層6Bは、負極合剤層8と接しており、中間層6Bの負極合剤層8側の表面は、負極合剤層8の表面形状を反映した凹凸を有している。このため、負極合剤層8の表面との接触面積を大きくできる。一方、中間層6Bの負極集電体5側の表面は、負極集電体5の表面形状を反映した形状を有し、負極合剤層8側の表面よりも平坦であってもよい。
負極集電体5は、中間層6Bの材料よりもモース硬度の大きい材料を含む。負極集電体5のモース硬度は例えば2より大きく、好ましくは3.0以上である。これにより、電池100の機械的強度をより確実に確保できる。負極集電体5は、中間層6Bと異なる金属材料を含む金属層であってもよい。
固体電解質層9は、少なくとも固体電解質3を含む。ここでは、粒子形状を有する固体電解質3からなる。固体電解質3の平均粒径は特に限定しないが、例えば50nm以上50μm以下であってもよい。また、固体電解質3は、例えば中間層6A、6Bの材料よりも高いモース硬度を有してもよい。固体電解質3のモース硬度は例えば2より大きくてもよい。固体電解質層9は、固体電解質3の粒子の結着性を向上する目的で結着剤をさらに含んでいてもよい。なお、本明細書では、「固体電解質3のモース硬度」は、加圧成型等によって形成された後の固体電解質層9、正極合剤層7および負極合剤層8に含まれる固体電解質3のモース硬度を指す。このモース硬度は、これらの層7、8、9を形成する前の固体電解質材料のモース硬度よりも高くなる場合がある。
前述したように、従来の全固体二次電池では、合剤層(正極合剤層および/または負極合剤層)の表面が活物質や固体電解質の粒子の大きさに応じた凹凸を有する場合に、合剤層と接するように集電体を配置すると、これらの界面に空隙が生じやすい。この結果、合剤層と集電体とが密接せず、合剤層と集電体との接触面積が小さくなり、合剤層と集電体との間の電子抵抗が高くなるという問題があった。
これに対し、本実施形態の電池100では、固体電解質3を含む合剤層(正極合剤層7および負極合剤層8)と、比較的硬い集電体4、5との間に、モース硬度が2以下の低硬度材料からなる中間層6A、6Bを設ける。これにより、正極合剤層7と正極集電体4との間の空隙や負極合剤層8と負極集電体5との間の空隙を中間層6A、6Bで埋めることが可能となり、これらの間の接触面積が拡大する。このように、正極合剤層7と正極集電体4との間、および、負極合剤層8と負極集電体5との間に、より密接した界面が形成されるので、界面での電子抵抗を、従来よりも低減できる。この結果、電池100の入出力特性を従来よりも高めることが可能になる。なお、中間層6A、6Bの材料のモース硬度が2以下であれば、合剤層と中間層、および中間層と集電体との密接する度合いに大きな差異は無く、略同等の効果(電子抵抗低減効果)を奏し得る。
ここで、本明細書中に記載の「モース硬度」という用語は、物質の相対的な引っかき硬さを表す指標である。硬度の低い材料として滑石にモース硬度1、硬度の高い材料としてダイヤモンドにモース硬度10といったように、物質の引っかき硬さに応じて、0〜10に範囲を有する無単位の数値尺度であるモース硬度が付与される。物質のモース硬度は、対象材料の引っかき硬さをモース硬度が既知の物質の引っかき硬さと比較することにより決定される。
電池100における中間層6A、6Bの厚さは特に限定しない。例えば1μm以上であれば、正極合剤層7、負極合剤層8の表面凹凸の高さよりも十分に大きいので、より確実に上記効果が得られる。好ましくは、中間層6A、6Bの厚さは2μm以上である。これにより、電池100を製造する過程で、中間層6A、6Bの集電体4、5側の表面は平滑な表面を維持した状態で、より確実に、中間層6A、6Bの正極合剤層7、負極合剤層8側の表面を、正極合剤層7、負極合剤層8の表面形状に対応した凹凸を有するように塑性変形させることが可能となる。この結果、正極合剤層7、負極合剤層8と集電体4、5との密着性をより高めることができる。一方、中間層6A、6Bの厚さが200μm以下であれば、中間層6A、6Bを設けることによる正極10、負極11の厚さの増大や、電子抵抗の増大を抑制できる。
中間層6A、6Bは電子導電性を有する材料からなる層であるため、電池100から集電体4、5を排除し、中間層6A、6Bに集電体としての機能を担わせることは構成上可能である。しかし、モース硬度2以下の比較的機械的強度に劣る材料からなる層を集電体として用いると、電池の機械的強度が低下するという問題がある。より具体的には例えば電池100から集電体4、5を排除し、中間層6A、6Bを集電体として機能させると、電池100の製造中における振動、衝撃や充放電時における活物質の膨張収縮により、中間層6A、6Bの破断、破損が生じるおそれがある。これに対し、本実施形態では、中間層6A、6Bと、中間層6A、6Bよりもモース硬度の高い材料からなる集電体4、5とを同時に用いるので、機械的強度を担保しつつ、正極合剤層と集電体および/または負極合剤層と集電体との電子抵抗を低減することが可能である。
図1に示す電池100は、正極10および負極11の両方が固体電解質3を含み、かつ、中間層6A、6Bを有しているが、本実施形態の電池の構成は図示する構成に限定されない。正極10および負極11のうち少なくとも一方が、その合剤層内に固体電解質3を含み、かつ、固体電解質3を含む合剤層と集電体との間に中間層を有していれば、その合剤層と集電体との間の電子抵抗を低減できる。例えば図1に示す構成において、中間層6A、6Bのいずれか一方のみが配置されていてもよい。例えば正極10にのみ中間層6Aが配置され、負極11では負極合剤層8と負極集電体5とが直接接していてもよい。
図2は、本実施形態の他の電池200を例示する断面図である。図2に示す例では、負極合剤層8は金属層(例えばLi層)であり、固体電解質3を含まない。正極合剤層7は、固体電解質3および正極活物質1を含む。このように、正極合剤層7が固体電解質3を含み、負極合剤層8が固体電解質3を含まない場合には、少なくとも正極10に中間層6Aが配置されていればよい。負極11には中間層が配置されず、負極合剤層8と負極集電体5とが接していてもよい。
なお、本実施形態において、中間層と接するように配置された合剤層(図1に示す例では正極合剤層7および負極合剤層8、図2に示す例では正極合剤層7)は結着剤を含まなくてもよい。結着剤を含まない合剤層は、結着剤を含む合剤層よりも、集電体に対する密着性に劣る場合がある。本実施形態によると、結着剤を含まない正極合剤層7および負極合剤層8を用いても、中間層6A、6Bを設けることによって、集電体4、5に対して十分な密着性を確保できる。また、中間層6A、6Bと接するように配置された正極合剤層7、負極合剤層8は、導電助剤を含まなくてもよい。導電助剤を含まないことにより、導電助剤を含む場合よりも、合剤中のイオン導電性の低下を抑制できる。また、合剤中の活物質含有比率を高めることで電池のエネルギー密度を高めることができる。なお、一般的に導電助剤は活物質よりも柔らかいため、導電助剤を含まない合剤層は、導電助剤を含む合剤層よりも集電体に対する密着性が低く、これに伴う入出力特性の低下が特に問題となる。これに対し、本実施形態によると、導電助剤を含まない正極合剤層7および負極合剤層8を用いる場合でも、中間層6A、6Bを設けることで、集電体4、5に対して十分な密着性を確保できる。
以下、本実施形態の電池100の構成をより詳細に説明する。
正極活物質1は、アルカリ金属イオンを吸蔵および放出する材料であれば特に制限されるものではない。正極活物質1は、中間層6Aの材料よりも大きいモース硬度(例えば2以上)を有していてもよい。
例えば、アルカリ金属がリチウムの場合、リチウムイオンを吸蔵および放出することができる公知の正極活物質、具体的には、遷移金属酸化物や、リチウム含有遷移金属酸化物などを用いることができる。具体的には、コバルトの酸化物、ニッケルの酸化物、マンガンの酸化物、および、五酸化バナジウム(V25)に代表されるバナジウムの酸化物、ならびに、これらの混合物または複合酸化物などが用いられる。コバルト酸リチウム(LiCoO2)などの、リチウムと遷移金属とを含む複合酸化物が正極活物質として最もよく知られている。また、遷移金属のケイ酸塩、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)に代表される遷移金属のリン酸塩なども用いることもできる。
例えば、アルカリ金属がナトリウムの場合、ナトリウムイオンを吸蔵および放出することができる公知の正極活物質、具体的には、遷移金属酸化物や、ナトリウム含有遷移金属酸化物などを用いることができる。具体的には、コバルトの酸化物、ニッケルの酸化物、マンガンの酸化物、および、五酸化バナジウム(V25)に代表されるバナジウムの酸化物、ならびに、これらの混合物または複合酸化物などが用いられる。マンガン酸ナトリウム(NaMnO2)などの、ナトリウムと遷移金属とを含む複合酸化物が正極活物質として最もよく知られている。また、遷移金属のケイ酸塩、遷移金属のリン酸塩などを用いることもできる。
正極集電体4は、例えばアルミニウム(モース硬度:2.9)、ステンレス鋼(モース硬度:例えば6)、チタン(モース硬度:7)、およびそれらの合金などの金属材料で作られた多孔質または無孔のシートまたはフィルムであってもよい。アルミニウムおよびその合金が、安価で薄膜化しやすい点から好ましい。シートまたはフィルムとして、金属箔、メッシュなどが用いられる。
負極活物質2は、アルカリ金属イオンを吸蔵および放出する材料であれば特に制限されるものではない。負極11が中間層6Bを有する場合、負極活物質2は、中間層6Bの材料よりも大きいモース硬度(例えば2以上)を有していてもよい。
例えば、アルカリ金属がリチウムの場合、リチウム金属単体、リチウム金属合金、炭素、金属酸化物などを用いることができる。炭素としては、例えば黒鉛や、ハードカーボンやコークスといった非黒鉛系炭素を用いることができる。金属酸化物としては、例えばLi4Ti512で表されるチタン酸リチウムなどを用いることができる。リチウム金属合金としては、ケイ素化合物、錫化合物、アルミニウム化合物とリチウムの合金を用いることができる。
例えば、アルカリ金属がナトリウムの場合、負極活物質としては、ナトリウムイオンを吸蔵・放出する公知の材料であれば特に制限されるものではなく、例えばナトリウム金属単体、ナトリウム金属合金、炭素、金属酸化物などを用いることができる。炭素としては、例えば黒鉛や、ハードカーボンやコークスといった非黒鉛系炭素を用いることができる。金属酸化物としては、例えばNa2Ti37で表されるチタン酸ナトリウムなどを用いることができる。ナトリウム金属合金としては、錫化合物、ゲルマニウム化合物、亜鉛化合物、ビスマス化合物、インジウム化合物などとナトリウムの合金を用いることができる。
負極集電体5は、例えばアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル(モース硬度:3.5)、銅(モース硬度:3.0)、およびそれらの合金などの金属材料で作られた多孔質または無孔のシートまたはフィルムであってもよい。アルミニウムおよびその合金が、安価で薄膜化しやすい点から好ましい。シートまたはフィルムとして、金属箔、メッシュなどが用いられる。
正極合剤層7および負極合剤層8は、必要に応じて、導電助剤および/またはイオン伝導体を含んでも良く、結着剤を含んでも良い。
導電助剤およびイオン伝導体は、電極抵抗を低減するために用いられる。導電助剤としては、天然黒鉛や人造黒鉛のグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック類、炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維類、フッ化カーボン、アルミニウムなどの金属粉末類、酸化亜鉛やチタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導電性金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子化合物が挙げられる。その中でも、低コスト化が図れることから炭素導電助剤が好ましい。イオン伝導体としては、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸メチルなどのゲル電解質、ポリエチレンオキシドなどの有機固体電解質やLi7La3Zr212などの無機固体電解質が挙げられる。
結着剤は、電極を構成する材料の結着性を向上するために用いられる。具体例としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチルエステル、ポリアクリル酸エチルエステル、ポリアクリル酸ヘキシルエステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸エチルエステル、ポリメタクリル酸ヘキシルエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルフォン、ヘキサフルオロポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。また、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、プロピレン、ペンタフルオロプロピレン、フルオロメチルビニルエーテル、アクリル酸、ヘキサジエンより選択された2種以上の材料の共重合体を用いても良い。また、これらのうちから選択された2種以上を混合して用いても良い。
固体電解質3は、アルカリ金属イオン導電性および電子絶縁性を有する材料であれば特に制限されるものではない。
例えば、アルカリ金属がリチウムの場合、酸化物固体電解質としては、LiTi2(PO43およびその元素置換体を代表とするNASICON型固体電解質、(LaLi)TiO3系のペロブスカイト型固体電解質、Li14ZnGe416、Li4SiO4、LiGeO4およびその元素置換体を代表とするLISICON型固体電解質、Li7La3Zr212およびその元素置換体を代表とするガーネット型固体電解質、Li3NおよびそのH置換体、Li3PO4およびそのN置換体などを用いることができる。硫化物固体電解質としては、P23、P25、SiS2およびGeS2の中から選ばれる1種類以上のガラス形成剤と、ガラス修飾剤としてLi2Sからなる化合物を用いることができ、添加元素としてB、O、Alなどを含んでも良い。
酸化物固体電解質と比較し、硫化物固体電解質は、低い粒子硬度(モース硬度:例えば1程度)を有するので、電池の成形性に優れる。硫化物固体電解質のなかでは、例えば、ガラス形成剤としてP25、ガラス修飾剤としてLi2Sを有するLi2S―P25化合物を用いると、高いイオン導電率を示す。なお、硫化物固体電解質のモース硬度は例えば1程度であるが、電池を成形する際に硫化物固体電解質が加圧されると、そのモース硬度は加圧前よりも高くなる。加圧後のモース硬度は、例えば2よりも大きくなる。
例えば、アルカリ金属がナトリウムの場合、酸化物固体電解質としては、Na5MSi412(M=Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)、ナトリウムベータアルミナ、NASICON型構造を有するNa含有酸化物(Na1+xZr2Six3-x12(0<x<3)、Na3Zr1.880.12Si2PO12、Na3Zr2-x/4Si2-x1+x12(0<x<2)、Na1+xZr2-3/xSix3-x12(0<x<3)、Na1+xxZr2-x312(0<x<2、M=Cr、Yb、In、Al、Ga、Fe、Sc、Y、Er、Dy、Tb、Gd、Sm))などを用いることができる。硫化物固体電解質としては、P23、P25、SiS2およびGeS2の中から選ばれる1種類以上のガラス形成剤と、ガラス修飾剤としてNa2Sからなる化合物を用いることができ、添加元素としてB、O、Alなどを含んでも良い。
正極合剤層7と正極集電体4との間の中間層6Aおよび/または負極合剤層8と負極集電体5との間の中間層6Bは、電子導電性を有し、モース硬度が2以下の低硬度材料からなる層であれば特に限定されるものではない。中間層6A、6Bの材料として、例えば導電性高分子化合物、金属材料などを用いることができる。具体的には、導電性高分子化合物としては、ポリアセチレン、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルフチオフェン)、ポリアニリン、ポリアセンなどを用いることができる。金属材料としてはMg、Se、Cd、Sr、Sn、Pb、Ga、Ca、In、Li、K、Na、Rb、Csに加え、上記の金属群の中から選択される金属元素を1種類以上含む合金を用いることもできる。導電性高分子化合物と比較し、金属材料は高い電子導電性を有するため、中間層6A、6Bの材料として金属材料を用いると、より高い電池特性を実現し得る。化学的安定性および実用性の観点から、中間層6A、6Bとして、例えばIn(モース硬度:1.2)層またはSn(モース硬度:1.8)層を用いてもよい。
正極集電体4と中間層6A、中間層6Aと正極合剤層7との界面の接合状態、および、負極集電体5と中間層6B、中間層6Bと負極合剤層8との界面の接合状態は、電池100の断面を観察することで確認できる。例えば、クロスセクションポリッシャにより、正極10、固体電解質層9および負極11の積層方向に電池100を切断し、集電体4、5、中間層6A、6B、正極合剤層7および負極合剤層8の断面を観察してもよい。
本実施形態の電池100、200の製造方法は特に限定されない。本実施形態における正極10および負極11のうちの少なくとも一方の電極は、例えば次のようにして製造され得る。
まず、集電体と、少なくとも活物質および固体電解質を含む合剤層と、これらの間に配置された中間層とを含む積層体を形成する。積層体は、合剤層における中間層と反対側に固体電解質層をさらに含んでいてもよい。あるいは、他方の電極上に、固体電解質層、合剤層、中間層および集電体がこの順で配置されていてもよい。
次いで、積層方向に沿って積層体を加圧して、中間層における合剤層と接する表面を塑性変形させる。これにより、中間層の表面は、合剤層の表面凹凸の少なくとも一部を埋めるように変形する。加圧後の中間層の表面は、例えば、合剤層の表面形状を反映した凹凸を有する。このようにして、中間層を有する電極(正極10および/または負極11)を得る。なお、他方の電極は、公知の他の方法で製造されてもよい。
<実施例>
以下、本実施形態の実施例を詳細に説明するが、本発明の実施形態はこれらの実施例に限定されない。
(実施例1)
以下に説明する方法で、実施例1の全固体二次電池(以下、「電池」と略する)を作製した。
(1)硫化物固体電解質Li2S−P25の作製
Li2SとP25とをモル比でLi2S:P25=80:20となるよう秤量し、乳鉢で粉砕した。この後、遊星型ボールミルで10時間ミリング処理することでガラス状の固体電解質を得た。次いで、ガラス状の固体電解質を不活性雰囲気で2時間熱処理することにより、ガラスセラミックス状の固体電解質(モース硬度:1以上)を得た。固体電解質の平均粒径は5μm程度であった。熱処理温度は示差熱分析測定により得られる結晶化ピークの温度を参考に決定した。
交流インピーダンス法により、この方法で合成した固体電解質のイオン導電率が7.2×10-4S/cmであることを確認した。
(2)正極合剤の作製
正極活物質LiCoO2(平均粒径:12μm程度)とガラスセラミックス状の固体電解質Li2S−P25とを、重量比がLiCoO2:Li2S−P25=6:4となるよう秤量し、乳鉢で混合することで正極合剤を作製した。
(3)全固体二次電池の作製
本実施例では、露点−60度以下のAr雰囲気のグローブボックス内で全固体二次電池を作製した。
イミドフィルムで内壁が絶縁された金属製の中空状円筒に、正極合剤10mg、ガラスセラミックス状の固体電解質Li2S−P2580mgを順に積層し、360MPaの圧力で加圧成型することで、正極合剤層および固体電解質層を得た。この加圧成形により、固体電解質層および正極合剤層に含まれる固体電解質粒子のモース硬度は1.8超となり、加圧成形前のモース硬度よりも大きくなった。
次に、正極合剤層の上に、中間層としてIn箔(モース硬度:1.2、厚さ:200μm)、および、集電体としてステンレス鋼板(モース硬度:6)をこの順で配置した。この後、240MPaの圧力で加圧成型することで、固体電解質層上に、正極合剤層、中間層および集電体からなる正極を作製した。得られた電池の固体電解質層および正極合剤層の厚さは、それぞれ、約600μm、80μmであった。
次に、固体電解質層における正極合剤層の反対側に、負極活物質としてLi箔(厚さ:300μm)、および、集電体として長さ3cm程度の棒状のステンレス鋼板(SUS)をこの順で配置した。この後、40MPaの圧力で加圧成型することで、固体電解質層上に、負極活物質層および集電体からなる負極を作製した。
このようにして、正極にのみ中間層が設けられた構成(図2参照)を有する実施例1の電池を得た。
(実施例2)
中間層としてSn箔(モース硬度:1.8、厚さ:200μm)を選択した以外は全て実施例1と同じ方法で、実施例2の電池を作製した。
(比較例1)
中間層としてZn箔(モース硬度:2.5、厚さ:200μm)を選択した以外は全て実施例1と同じ方法で、比較例1の電池を作製した。
(比較例2)
中間層としてAl箔(モース硬度:2.9、厚さ:200μm)を選択した以外は全て実施例1と同じ方法で、比較例2の電池を作製した。
(比較例3)
中間層としてNi箔(モース硬度:3.5、厚さ:200μm)を選択した以外は全て実施例1と同じ方法で、比較例3の電池を作製した。
(比較例4)
中間層を設けず、集電体(SUS)を正極合剤層と接するように配置したこと以外は全て実施例1と同じ方法で、比較例4の電池を作製した。
(実施例および比較例の電池の評価)
上記方法で作製した実施例1、実施例2、比較例1、比較例2、比較例3、比較例4の電池の内部直流抵抗を測定した。測定方法および結果を以下に説明する。
まず、各実施例および比較例の電池を25℃の恒温槽に配置した。
各電池について、電池の理論容量に対して0.01Cレート(100時間率)となる電流値で10秒間充電し、10秒後の電圧値Vch,0.01Cを求めた。5分間休止し、その時の開回路電圧Vrest,0.01CとVch,0.01Cとの差分ΔV0.01Cを求めた。Vch,0.01C、Vrest,0.01C、ΔV0.01Cの関係は下記の通り記述される。
ΔV0.01C=Vch,0.01C−Vrest,0.01C
続いて、0.01Cレートで10秒間放電し、5分間休止した。
この充電、放電の繰り返しを電流値0.02C、0.05C、0.1C、0.2Cレートについても同様に行い、ΔV0.02C、ΔV0.05C、ΔV0.1C、ΔV0.2Cを求めた。
各電流値でのΔVを縦軸に、対応する電流値を横軸に記載したグラフにおける各点を、最小二乗法により直線近似し、その傾きを内部直流抵抗Rとした。
測定結果を表1に示す。
Figure 0006417631
表1に示すように、中間層を有する実施例1、2および比較例1〜3の電池は、中間層を有しない比較例4の電池よりも低い内部直流抵抗Rを示した。この結果から、集電体よりもモース硬度の低い中間層を設けることにより、集電体と正極合剤層との密着性を改善できることが分かる。しかしながら、モース硬度2よりも大きい金属であるZn、Al、Niを中間層に用いた比較例1〜3の電池では、内部直流抵抗Rが十分に低減されなかった。これは、中間層が十分に塑性変形せず、中間層と正極合剤層とが密接していないためと考えられる。これに対し、中間層にモース硬度2以下の金属であるIn、Snを用いた実施例1、2の電池は、いずれも、比較例1〜3の電池よりも大幅に低い内部直流抵抗Rを示した。
図3は、実施例1、2および比較例1〜4における中間層の材料のモース硬度と、電池の内部直流抵抗Rとの関係を示す図である。図3から、中間層の材料のモース硬度2を境として、モース硬度が2より大きく内部直流抵抗Rが高い群と、モース硬度が2以下で内部直流抵抗Rが低い群とに明確に分離することがわかった。従って、中間層にモース硬度2以下の低硬度材料を用いることにより、正極の電子抵抗を低減でき、高い入出力特性を実現できることが確認された。
本実施形態では、中間層にモース硬度2以下の低硬度材料を用いれば、材料によらず、ほぼ同等の電子抵抗低減効果を奏し得る。上記の結果では、中間層の材料としてモース硬度1.2のInを用いた実施例1の電池の内部直流抵抗Rよりも、モース硬度1.8のSnを用いた実施例2の電池の内部直流抵抗Rの方が若干低くなった。これは、正極合剤層の粒子分散性や固体電解質層の粒子間接合状態など、実施例1、2の電池を作製する上で発生するばらつきに起因するものである。
上記実施例では、正極にのみ中間層を設けているが、正極および負極のうち少なくとも一方が、固体電解質を含む合剤層と集電体との間に中間層が配置された構造を有していれば、同様の効果が得られる。また、固体電解質、活物質および中間層の材料として、上記実施例とは異なる材料を用いる場合でも、中間層を設けることによって界面の密着性が高められるので、同様の電子抵抗低減効果が得られる。
なお、例えばAlからなる集電体を正極合剤層と接するように配置した電池では、比較例2と同程度の内部直流抵抗Rを示すと考えられる。従って、図3に示す結果から、合剤層と集電体との間にモース硬度2以下の中間層を配置することにより、合剤層が、モース硬度が2より大きい材料からなる層(中間層あるいは集電体)と直接接する場合よりも、合剤層と集電体との間の電子抵抗を低減できることが確認できる。
本発明の一態様にかかる全固体二次電池は、携帯電子機器などの電源;火力発電、風力発電、燃料電池発電などの発電設備と組み合わせて使用される電力平準化用の蓄電デバイス;一般家庭および集合住宅用の非常用蓄電システム、深夜電力蓄電システムなどの電源;無停電電源;電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車といった輸送機器などの電源に好適に使用できる。
1 正極活物質
2 負極活物質
3 固体電解質
4 正極集電体
5 負極集電体
6 中間層
7 正極合剤層
8 負極合剤層
9 固体電解質層
10 正極
11 負極
100、200 全固体二次電池

Claims (9)

  1. 正極、負極、および、前記正極と前記負極との間に配置された固体電解質層を備える固体二次電池であって、
    前記負極は、
    集電体と、
    前記集電体に支持された、少なくとも活物質および固体電解質を含む合剤層と、
    前記合剤層と前記集電体との間に配置された、電子導電性を有する中間層と
    を有しており、
    前記中間層は、モース硬度が2以下の低硬度材料からなり、前記低硬度材料のモース硬度は、前記集電体の材料のモース硬度よりも小さく、
    前記活物質は非黒鉛系炭素材料であり、
    前記低硬度材料はInまたはSnである、固体二次電池。
  2. 前記低硬度材料のモース硬度は、前記固体電解質のモース硬度よりも小さい、請求項1に記載の固体二次電池。
  3. 前記集電体の材料のモース硬度は2よりも大きい、請求項1または2に記載の固体二次電池。
  4. 前記中間層の厚さは2μm以上200μm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の固体二次電池。
  5. 前記合剤層はバインダーを含んでいない、請求項1から4のいずれかに記載の固体二次電池。
  6. 前記合剤層は導電助剤を含んでいない、請求項1から5のいずれかに記載の固体二次電池。
  7. 前記固体電解質は硫化物固体電解質である請求項1から6のいずれかに記載の固体二次電池。
  8. 前記硫化物固体電解質はLiS−P化合物である請求項7に記載の固体二次電池。
  9. 正極、負極、および、前記正極と前記負極との間に配置された固体電解質層を備える固体二次電池の製造方法であって、
    集電体と、少なくとも活物質および固体電解質を含む合剤層と、これらの間に配置された、モース硬度が2以下の低硬度材料からなる中間層とを含む積層体を形成する工程と、
    前記積層体を加圧して、前記中間層における少なくとも前記合剤層と接する表面を塑性変形させることにより、前記負極を形成する工程とを含み、
    前記活物質は非黒鉛系炭素材料であり、
    前記低硬度材料はInまたはSnである、固体二次電池の製造方法。
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