以下、図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態に係る二次電池10の例を示す。
二次電池10は、外装缶19、外装缶内に収納される電極群13、正極端子及び負極端子などの端子14、電極群13の電極を端子14に導く電極リード16を含む。また、電解質が電極群13に保持されている。なお、電解質は、例えば、非水電解質である。
外装缶は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金等から形成することができる。アルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛、ケイ素等の元素を含む合金が好ましい。合金中に鉄、銅、ニッケル、クロム等の遷移金属が含む場合、その量は100ppm以下にすることが好ましい。外装缶の板厚は、1mm以下にすることができ、0.5mm以下であることがより好ましい。
電極群13は、正極と負極がその間にセパレータを介して偏平形状に捲回されたものである。正極は、例えば金属箔からなる帯状の正極集電体と、正極集電体の長辺に平行な一端部からなる正極集電タブと、少なくとも正極集電タブの部分を除いて正極集電体に形成された正極材料層(正極活物質含有層)とを含む。一方、負極は、例えば金属箔からなる帯状の負極集電体と、負極集電体の長辺に平行な一端部からなる負極集電タブと、少なくとも負極集電タブの部分を除いて負極集電体に形成された負極材料層(負極活物質含有層)とを含む。
このような正極、セパレータ、及び負極は、正極集電タブが電極群13の捲回軸方向にセパレータから突出し、かつ負極集電タブがこれとは反対方向にセパレータから突出するよう、正極及び負極の位置をずらして捲回されている。このような捲回により、電極群13は、一方の端面から渦巻状に捲回された正極集電タブが突出し、かつ他方の端面から渦巻状に捲回された負極集電タブが突出する状態になる。
正負極の集電タブは、正負極の集電体と同じ材料から形成しても、アルミニウム、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu及びSiよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含むアルミニウム合金から形成しても良い。
正極端子は、内部の正極集電タブに電気的に接続されている。また、負極端子は、内部の負極集電タブに電気的に接続されている。正極端子及び負極端子は、例えば、アルミニウム、Mg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu及びSiよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含むアルミニウム合金を使用することができる。部品同士の接点及びその周辺は、Alよりも融点の高いCu、Cu合金がコーティングされていることが望ましい。
以下、上記の二次電池の正極、負極、セパレータ、及び非水電解質について説明する。
(1)正極
正極は、正極集電体と、集電体の片面もしくは両面に担持され、正極活物質を含む正極材料層とを含む。
正極活物質には、例えば、リチウム含有複合化合物、二酸化マンガン(MnO2)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、ポリアニリンやポリピロールなどの導電性ポリマー材料、ジスルフィド系ポリマー材料、イオウ(S)、フッ化カーボン、硫酸鉄(Fe2(SO4)3)、バナジウム酸化物(例えばV2O5)を挙げることができる。中でも、リチウム含有複合化合物が好ましい。リチウム含有複合化合物には、例えば、LiaMnO2(0<a≦1.2)、リチウムコバルト複合酸化物(LiaCoMhO2、ここでMはAl,Cr,MgおよびFeよりなる群から選択される少なくとも1つまたは2つ以上の元素、0<a≦1.2、0≦h≦0.1)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLiMn1−g−hCogMhO2、ここでMはAl,Cr,MgおよびFeよりなる群から選択される少なくとも1つまたは2つ以上の元素、0≦g≦0.5、0≦h≦0.1)、リチウムマンガンニッケル複合酸化物{例えば、LiMnjNijM1−2jO2(MはCo,Cr,Al,MgおよびFeよりなる群より選択される少なくとも1つまたは2つ以上の元素、1/3≦j≦1/2)、LiMn1/3Ni1/3Co1/3O2、LiMn1/2Ni1/2O2}、スピネル型リチウムマンガン複合酸化物(例えばLiaMn2−bMbO4、ここでMはAl,Cr,NiおよびFeよりなる群から選択される少なくとも1つまたは2つ以上の元素、0<a≦1.2、0≦b≦1)、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(例えばLiaMn2−bNibO4、0<a≦1.2、0≦b≦1)、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物{例えば、LiaFePO4(0<a≦1.2)、LiaFe1−bMnbPO4(0<a≦1.2、0≦b≦1)、LiaCoPO4(0<a≦1.2)など}を挙げることができる。
正極材料層に結着剤を含有させる場合、結着剤は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴムを用いることができる。
また、正極材料層は、導電剤を含有させても良い。導電剤は、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等の炭素質物を挙げることができる。
正極活物質、導電剤および結着剤の配合割合は、正極活物質73〜95重量%、導電剤3〜20重量%、結着剤2〜7重量%にすることが好ましい。
正極集電体は、アルミニウム箔若しくはアルミニウム合金箔から形成されることが望ましい。アルミニウム箔及びアルミニウム合金箔の厚さは、20μm以下にすることができ、より好ましくは15μm以下である。アルミニウム箔の純度は99質量%以上が好ましい。アルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛、ケイ素、などの元素を含む合金が好ましい。一方、鉄、銅、ニッケル、クロムなどの遷移金属の含有量は1質量%以下にすることが好ましい。
正極は、例えば、正極活物質に導電剤および結着剤を添加し、これらを適当な溶媒に懸濁させ、この懸濁物(スラリー)を集電体に塗布、乾燥、プレスして帯状電極にすることにより作製される。
(2)負極
負極は、負極集電体と、負極集電体の片面もしくは両面に担持され、負極活物質を含む負極材料層とを含む。
負極活物質には、例えば、金属リチウム、リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る物質を挙げることができる。リチウムイオンを吸蔵及び放出し得る物質として、例えば、リチウムチタン複合酸化物が挙げられる。リチウムチタン複合酸化物は、例えば、Li4+xTi5O12(xは充放電反応により−1≦x≦3の範囲で変化する)で表されるスピネル型チタン酸リチウム、ラムステライド型Li2+xTi3O7(xは充放電反応により−1≦x≦3の範囲で変化する)、TiとP、V、Sn、Cu、NiおよびFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含有する金属複合酸化物などが挙げられる。TiとP、V、Sn、Cu、NiおよびFeよりなる群から選択される少なくとも1種類の元素を含有する金属複合酸化物としては、例えば、TiO2−P2O5、TiO2−V2O5、TiO2−P2O5−SnO2、TiO2−P2O5−MeO(MeはCu、NiおよびFeよりなる群から選択される少なくとも1つの元素)を挙げることができる。これらの金属複合酸化物は、充電によりリチウムが挿入されることでリチウムチタン複合酸化物に変化する。リチウムチタン複合酸化物のうち、スピネル型チタン酸リチウムがサイクル特性に優れ、好ましい。
その他のリチウムイオンを吸蔵及び放出し得る物質には、例えば、炭素質物、金属化合物が挙げられる。
炭素質物は、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス、気相成長炭素繊維、メソフェーズピッチ系炭素繊維、球状炭素、樹脂焼成炭素を挙げることができる。より好ましい炭素質物は、気相成長炭素繊維、メソフェーズピッチ系炭素繊維、球状炭素が挙げられる。炭素質物は、X線回折による(002)面の面間隔d002が0.34nm以下であることが好ましい。
金属化合物は、金属硫化物、金属窒化物を用いることができる。金属硫化物は、例えばTiS2のような硫化チタン、例えばMoS2のような硫化モリブデン、例えばFeS、FeS2、LixFeS2のような硫化鉄を用いることができる。金属窒化物は、例えばリチウムコバルト窒化物(例えばLisCotN、0<s<4,0<t<0.5)を用いることができる。
集電体は、例えば、銅箔、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔を用いることができる。アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔の厚さは、20μm以下、より好ましくは15μm以下であることが望ましい。アルミニウム箔は99質量%以上の純度を有することが好ましい。アルミニウム合金は、マグネシウム、亜鉛、ケイ素などの元素を含む合金であることが好ましい。合金成分として含まれる鉄、銅、ニッケル、クロムなどの遷移金属は1質量%以下にすることが好ましい。
負極材料層には、結着剤を含有させることができる。結着剤は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴムなどが挙げられる。
負極材料層には、導電剤を含有させることができる。導電剤は、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等の炭素質物を挙げることができる。
負極活物質、導電剤および結着剤の配合割合は、負極活物質73〜96重量%、導電剤2〜20重量%、結着剤2〜7重量%の範囲にすることが好ましい。
負極は、例えば、粉末状の負極活物質に導電剤および結着剤を添加し、これらを適当な溶媒に懸濁させ、この懸濁物(スラリー)を集電体に塗布、乾燥、プレスして帯状電極にすることにより作製される。
(3)セパレータ
セパレータは、絶縁性を有するものであれば特に限定されないが、ポリオレフィン、セルロース、ポリエチレンテレフタレート、及びビニロンのようなポリマーで作られた多孔質フィルム又は不織布を用いることができる。セパレータの材料は1種類であってもよく、或いは、2種類以上を組合せて用いてもよい。
(4)非水電解質
非水電解質は、非水溶媒と、この非水溶媒に溶解される電解質塩を含む。非水溶媒中にはポリマーを含んでもよい。
電解質塩は、例えばLiPF6、LiBF4、Li(CF3SO2)2N(ビストリフルオロメタンスルホニルアミドリチウム;通称LiTFSI)、LiCF3SO3(通称LiTFS)、Li(C2F5SO2)2N(ビスペンタフルオロエタンスルホニルアミドリチウム;通称LiBETI)、LiClO4、LiAsF6、LiSbF6、ビスオキサラトホウ酸リチウム{LiB(C2O4)2、通称;LiBOB}、ジフルオロ(トリフルオロ−2−オキシド−2−トリフルオロ−メチルプロピオナト(2−)−0,0)ホウ酸リチウム{LiBF2OCOOC(CF3)2、通称;LiBF2(HHIB)}のようなリチウム塩を用いることができる。これらの電解質塩は一種類で使用してもよいし二種類以上を混合して用いてもよい。特にLiPF6、LiBF4が好ましい。
電解質塩濃度は、1〜3モル/Lにすることが好ましい。このような電解質濃度の規定によって、電解質塩濃度の上昇による粘度増加の影響を抑えつつ、高負荷電流を流した場合の性能をより向上することが可能になる。
非水溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、プロピレンカーボネート(PC)やエチレンカーボネート(EC)などの環状カーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)やジメチルカーボネート(DMC)あるいはメチルエチルカーボネート(MEC)もしくはジプロピルカーボネート(DPC)などの鎖状カーボネート、1,2−ジメトキシエタン(DME)、γ−ブチロラクトン(GBL)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeHF)、1,3−ジオキソラン、スルホラン、アセトニトリル(AN)を用いることができる。これらの溶媒は一種類で使用してもよいし二種類以上を混合して用いてもよい。環状カーボネート及び/または鎖状カーボネートを含む非水溶媒が、好ましい。
この非水電解質に添加剤を添加してもよい。添加剤としては、特に限定されるものではないが、ビニレンカーボネート(VC)、ビニレンアセテート(VA)、ビニレンブチレート、ビニレンヘキサネート、ビニレンクロトネート、及びカテコールカーボネート等が挙げられる。添加剤の濃度は、非水電解質100重量%に対して0.1重量%以上、3重量%以下の範囲が好ましい。さらに好ましい範囲は、0.5重量%以上、1重量%以下である。
図2は、図1の二次電池10の一部の構成の例を示す。図2Aは、図1の二次電池10の電極リード16近傍の構造を図1中のX方向から見た場合の図である。図2Bは、図1の二次電池10の電極リード16近傍の構造を図1中のY方向から見た場合の図である。なお、図2の構成は、正極の端子14に接続された電極リード16と、負極の端子14に接続された電極リード16との両方に設けられている。
図1に示されるように、電極リード16は、二股に分かれている。図2に示されるように、電極リード16と外装缶19の間には、電極ガード18が設けられている。またさらに、電極リード16は、バックアップリード17を介して短絡部材30を支持するように設置されている。
短絡部材30は、支持部31、突起部32、及び支柱部33を備える。支持部31は、突起部32及び支柱部33を固定する為の支持部材である。突起部32は、支持部31の外装缶19に対向する面に設けられる。即ち、突起部32は、Z方向で外装缶19の内面に対向するように設けられる。さらに、外装缶19の突起部32と対向する位置には、あて板22を介して絶縁フィルム21が設けられている。なお、突起部32と絶縁フィルム21との間には、外装缶19が変形していない状態で接触しないように所定の距離の空間が設けられている。支柱部33は、一方の端部が支持部31の突起部32と逆側の面に固定される。また、支柱部33の他方の端部が絶縁フィルム23を介して外装缶19に固定される。
電極リード16は、電極群13の集電タブと端子14とを接続する導電性の部材である。即ち、電極群13の正極の集電タブは、電極リード16により正極の端子14に電気的に接続される。またさらに、電極群13の負極の集電タブは、電極リード16により負極の端子14に電気的に接続される。なお、正極及び負極の電極リード16は、正極及び負極の端子14とそれぞれ同じ材料で構成されていてもよい。またさらに、正極及び負極の電極リード16は、正極及び負極の端子14とそれぞれ一体に形成されていてもよい。
バックアップリード17は、短絡部材30と電極リード16とを固定する導電性の部材である。即ち、バックアップリード17は、電極リード16及び短絡部材30と電気的に接続される。バックアップリード17は、例えば電極リード16と同じ材料で構成されていてもよい。またさらに、バックアップリード17は、電極リード16と一体に形成されていてもよい。
電極ガード18は、電極リード16から外装缶19への漏れ電流を防ぐ電流遮断部材である。
絶縁フィルム21及び23は、電気を通しにくい絶縁部材である。絶縁フィルム21及び23は、電極リード16、外装缶19、及び短絡部材30に比べて極めて高い抵抗を有する。またさらに、絶縁フィルム21は、外的な圧力により容易に破断する厚さ及び材質により構成されている。即ち、絶縁フィルム21は、対向する短絡部材30の突起部32により圧力が加えられた場合裂開する。裂開した場合、絶縁フィルム21は、あて板22を突起部32に対して露出させることができる。
即ち、短絡部材30の突起部32により圧力が加えられて絶縁フィルム21が裂開した場合、突起部32とあて板22とが接触する。これにより、短絡部材30があて板22を介して外装缶19と電気的に接続される。
短絡部材30は、外装缶19と端子14とを短絡させる導電性の部材である。上記したように、短絡部材30は、支持部31、突起部32、及び支柱部33を備える。なお、支持部31及び突起部32は、例えばステンレスなどの電気抵抗の大きい材料により構成されている。短絡部材30の支持部31及び突起部32は、少なくとも、電極リード16及び外装缶19より電気抵抗が大きく、且つ絶縁フィルム21及び23より電気抵抗が小さい材料(抵抗体)により構成されている。例えば、短絡部材30の支持部31及び突起部32の電気抵抗(短絡抵抗)は、0.5mΩ以上であることが望ましい。なお、短絡抵抗は、電極リード16と突起部32との間の電気抵抗に相当する。即ち、短絡抵抗は、電極リード16上の任意の箇所と、突起部32上の任意の箇所との間で測定された電気抵抗に相当する。
突起部32は、外装缶19が変形した場合に絶縁フィルム21に圧力を加えることができるように、絶縁フィルム21と対向するように設けられている。突起部32は、絶縁フィルム21に圧力を加えることにより、絶縁フィルム21を裂開させることができる突起を有する。これにより、突起部32は、あて板22に接触することができる。この結果、突起部32は、あて板22を介して外装缶19と電気的に接続することができる。
あて板22は、外装缶19と短絡部材30との接触面積を大きくするための導電性の部材である。これにより、あて板22は、突起部32と外装缶19とが電気的に接続された場合の短絡電流のジュール熱により外装缶19が融解することを防ぐことができる。なお、外装缶19の厚さが十分に厚い場合、あて板22は省略されてもよい。
あて板22は、例えば、短絡部材30と同じようにステンレスなどの電気抵抗の大きい材料(抵抗体)により構成されている。あて板22は、少なくとも、電極リード16及び外装缶19より電気抵抗が大きく、且つ絶縁フィルム21及び23より電気抵抗が小さい素材により構成されている。例えば、あて板22の電気抵抗は、0.5mΩ以上であることが望ましい。材料により構成される。なお、上記では、短絡抵抗は、電極リード16上の任意の箇所と、突起部32上の任意の箇所との間で測定された電気抵抗に相当すると説明した。しかし、短絡抵抗は、突起部32とあて板22とが接触した場合のあて板22と電極リード16との間の電気抵抗に相当するものであってもよい。
上記したように、二次電池10は、電力を蓄える電極群13と、電極群13を収納する外装缶19と、電極群13の正極に電気的に接続され、且つ外装缶19と絶縁された正極の端子14と、電極群13の負極に電気的に接続され、且つ外装缶19と絶縁された負極の端子14とを備える。さらに、二次電池10は、電極群13の正極に接続され、且つ外装缶19に圧力が加えられた場合に外装缶19と接触するように設けられた正極の短絡部材30と、電極群13の負極に接続され、且つ外装缶19に圧力が加えられた場合に外装缶19と接触するように設けられた負極の短絡部材30を備える。
このような構成によると、二次電池10は、電極リード16に接続された短絡部材30が外装缶19に接続されたあて板22と接触することにより、端子14と外装缶19とを短絡部材30を介して短絡させることができる。これにより、正極の端子14と負極の端子14とを短絡部材30を介して短絡させることができる。これにより、二次電池10は、活物質が存在しない位置で二次電池10内に閉路を形成することができる。即ち、二次電池10は、圧壊された場合に正極の活物質と負極の活物質とが短絡することを防ぐことができる。
なお、二次電池10内に形成された閉路の電気抵抗が低い場合、電極群13内の電位が急激に放出される。この為、閉路内を流れる短絡電流が大きくなり、スパークが発生する可能性、及び電池の温度上昇が大きくなる可能性がある。しかし、上記の実施形態のように、短絡部材30が外装缶19及び電極リード16などに比べてより電気抵抗の大きい部材である場合、二次電池10は、より電気い抵抗の大きい閉路を二次電池内に形成することができる。
これにより、二次電池10は、圧壊された場合に電極群13内の電位をより緩やかに低下させることができる。即ち、二次電池10は、圧壊された場合に二次電池内に形成される閉路を流れる短絡電流をより小さくすることができる。これにより、二次電池10は、短絡電流によりスパークが発生すること、及び電池の温度上昇などを防ぐことができる。この結果、より安全性の高い二次電池を提供することができる。
なお、上記したように二次電池10は、電極群13の正極側に設けられた短絡部材30(正極短絡部材)と、電極群13の負極側に設けられた短絡部材30(負極短絡部材)とを備える。しかし、二次電池10は、正極短絡部材及び負極短絡部材のうちのいずれかが抵抗体であればよい。即ち、正極短絡部材及び負極短絡部材のうちのいずれかが抵抗体であれば、閉ループ内に抵抗体が直列に接続される。この構成によっても、二次電池10は、圧壊された場合に二次電池内に形成される閉路を流れる短絡電流をより小さくすることができる。
なお、二次電池10は積み重ねられて組電池として用いられるケースが多い。このような場合、重ねられた複数の二次電池10に圧力が加わりにくい。そこで、図2に示された短絡部材30は、支持部31の突起部32と逆側の面に一方の端部が固定され、他方の端部が絶縁フィルム23を介して外装缶19に固定された支柱部33を備える。
二次電池10に圧力が加えられて短絡部材30の突起部32があて板22に接触した場合、外装缶19の内面があて板22、突起部32、支持部31、支柱部33、及び絶縁フィルム23を介して連結される。即ち、二次電池10の外装缶19の外面に加えられた圧力が、外装缶19の逆側の外面に伝達される。これにより、積み重ねられた複数の二次電池10に圧力が加えられた場合、複数の二次電池10に効率的に圧力が伝達する。この結果、二次電池10は、より少ない圧壊量で内部に閉路を形成させることができる。即ち、圧力が加えられた場合に、より早く複数の二次電池10を短絡させることができる。この結果、より安全性の高い二次電池を提供することができる。
なお、上記の実施形態では、支柱部33が絶縁フィルム23を介して外装缶19に固定される構成について説明したが、この構成に限定されない。支柱部33が絶縁体である場合、絶縁フィルム23は省略されてもよい。この場合、支柱部33は、外装缶19と短絡部材30の支持部31とに直接固定される。
また、上記の実施形態では、短絡部材30の支持部31及び突起部32が外装缶19及び電極リード16に比べて電気抵抗の大きい材料により構成されていると説明したが、この構成に限定されない。少なくとも突起部32が外装缶19及び電極リード16に比べて電気抵抗の大きい材料により構成されていればよい。
また、上記の実施形態では、短絡部材30が絶縁フィルム21を裂開させる突起部32を備える構成であると説明したが、この構成に限定されない。外装缶19の内面に突起部が固定される構成であってもよい。
図3は、図1の二次電池10の一部の他の構成の例を示す。図3Aは、図1の二次電池10の電極リード16近傍の構造を図1中のX方向から見た場合の図である。図3Bは、図1の二次電池10の電極リード16近傍の構造を図1中のY方向から見た場合の図である。なお、図3の構成は、正極の端子14に接続された電極リード16と、負極の端子14に接続された電極リード16との両方に設けられている。なお、図2と同様の構成には同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
図1に示されるように、電極リード16は、二股に分かれている。図3に示されるように、電極リード16と外装缶19の間には、電極ガード18が設けられている。またさらに、電極リード16は、バックアップリード17を介して短絡部材40の支持部41を支持するように設置されている。
短絡部材40は、支持部41、突起部42、及び支柱部43を備える。支持部41は、支柱部43を固定する為の支持部材である。また、突起部42は、外装缶19の内面に接触した状態で設けられる。また、支持部41の突起部42と対向した面に絶縁フィルム21が設けられる。即ち、突起部42は、Z方向で短絡部材40の支持部41と対向するように設けられる。なお、突起部42と絶縁フィルム21との間には、外装缶19が変形していない状態で接触しないように所定の距離の空間が設けられている。支柱部43は、一方の端部が支持部41の絶縁フィルム21が設けられている面と逆側の面に固定される。また、支柱部43の他方の端部が絶縁フィルム23を介して外装缶19に固定される。
短絡部材40は、外装缶19と端子14とを短絡させる導電性の部材である。上記したように、短絡部材40は、支持部41、突起部42、及び支柱部43を備える。なお、支持部41及び突起部42は、例えばステンレスなどの電気抵抗の大きい材料(抵抗体)により構成されている。短絡部材40の支持部41及び突起部42は、少なくとも、電極リード16及び外装缶19より電気抵抗が大きく、且つ絶縁フィルム21及び23より電気抵抗が小さい素材により構成されている。例えば、短絡部材40の支持部41及び突起部42の電気抵抗(短絡抵抗)は、0.5mΩ以上であることが望ましい。なお、短絡抵抗は、短絡部材40の支持部41と突起部42とが接触した場合の電極リード16と突起部42との間の電気抵抗に相当する。即ち、短絡抵抗は、短絡部材40の支持部41と突起部42とが接触している状態での、電極リード16上の任意の箇所と、突起部42上の任意の箇所との間で測定された電気抵抗に相当する。
また、突起部42は、外装缶19が変形した場合に絶縁フィルム21に圧力を加えることができるように、絶縁フィルム21と対向するように設けられている。突起部42は、絶縁フィルム21に圧力を加えることにより、絶縁フィルム21を裂開させることができる突起を有する。これにより、突起部42は、短絡部材40の支持部41に接触することができる。この結果、突起部42は、支持部41を介して電極リード16と外装缶19とを電気的に接続することができる。
このような構成によると、二次電池10は、電極リード16に接続された短絡部材40の突起部42が絶縁フィルム21を突き破って短絡部材40の支持部41と接触することにより、端子14と外装缶19とを短絡部材40を介して短絡させることができる。これにより、正極の端子14と負極の端子14とを短絡部材40を介して短絡させることができる。これにより、二次電池10は、活物質が存在しない位置で二次電池10内に閉路を形成することができる。即ち、二次電池10は、圧壊された場合に正極の活物質と負極の活物質とが短絡することを防ぐことができる。
また、上記の実施形態のように、短絡部材40が外装缶19及び電極リード16などに比べてより電気抵抗の大きい部材である場合、二次電池10は、より電気い抵抗の大きい閉路を二次電池内に形成することができる。
これにより、二次電池10は、圧壊された場合に電極群13内の電位をより緩やかに低下させることができる。即ち、二次電池10は、圧壊された場合に二次電池内に形成される閉路を流れる短絡電流をより小さくすることができる。これにより、二次電池10は、短絡電流によりスパークが発生すること、及び電池の温度上昇などを防ぐことができる。この結果、より安全性の高い二次電池を提供することができる。
またこの場合も、短絡部材40の支柱部43が絶縁フィルム23を介して外装缶19に固定されている。この為、二次電池10に圧力が加えられて短絡部材40の突起部42が支持部41に接触した場合、外装缶19の内面が突起部42、支持部41、支柱部43、及び絶縁フィルム23を介して連結される。即ち、二次電池10の外装缶19の外面に加えられた圧力が、外装缶19の逆側の外面に伝達される。これにより、積み重ねられた複数の二次電池10に圧力が加えられた場合、複数の二次電池10に効率的に圧力が伝達する。この結果、二次電池10は、より少ない圧壊量で内部に閉路を形成させることができる。即ち、圧力が加えられた場合に、より早く複数の二次電池10を短絡させることができる。この結果、より安全性の高い二次電池を提供することができる。
なお、上記の実施形態では、支柱部43が絶縁フィルム23を介して外装缶19に固定される構成について説明したが、この構成に限定されない。支柱部43が絶縁体である場合、絶縁フィルム23は省略されてもよい。この場合、支柱部43は、外装缶19と短絡部材40の支持部41とに直接固定される。
また、二次電池10に対する圧力は、図1のZ方向だけではなく、X方向及びY方向からも加わえられることが考えられる。この為、二次電池10は、X方向及びY方向から圧力が加えられたとしても内部で閉路を形成することができるように、図2及び図3に示したような構成を各方向毎に備える構成であってもよい。
図4は、図1の二次電池10の一部の他の構成の例を示す。図4は、図1の二次電池10を図1中のZ方向から見た場合の図である。なお、図1乃至図3と同様の構成には同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
図4に示されるように、電極群13の端部に集電タブ15が形成されている。電極リード16は、集電タブ15と端子14を電気的に接続させるように設けられている。なお、図1に示されたように、電極リード16は、二股に分かれている。図4の例では、二股に分かれた電極リード16に挟まれて短絡部材50が支持されている。
短絡部材50は、Y方向に長手を有し、X方向で外装缶19と対向するように設けられた複数の突起部51を有する。また、外装缶19の内面には、短絡部材50の突起部51と対向する位置に絶縁フィルム21が設けられている。なお、突起部51と絶縁フィルム21との間には、外装缶19が変形していない状態で接触しないように所定の距離の空間が設けられている。
短絡部材50は、外装缶19と端子14とを短絡させる導電性の部材である。上記したように、短絡部材50は、突起部51を備える。なお、突起部51は、例えばステンレスなどの電気抵抗の大きい材料(抵抗体)により構成されている。短絡部材50の突起部51は、少なくとも、電極リード16及び外装缶19より電気抵抗が大きく、且つ絶縁フィルム21より電気抵抗が小さい素材により構成されている。例えば、短絡部材50の突起部51と電極リード16との間の電気抵抗(短絡抵抗)は、0.5mΩ以上であることが望ましい。
突起部51は、外装缶19が変形した場合に絶縁フィルム21に圧力を加えることができるように、絶縁フィルム21と対向するように設けられている。突起部51は、絶縁フィルム21に圧力を加えることにより、絶縁フィルム21を裂開させることができる突起を有する。これにより、突起部51は、外装缶19に接触することができる。この結果、二次電池10の外装缶19と端子14とは、短絡部材50を介して電気的に接続される。
このような構成によると、二次電池10は、電極リード16に接続された短絡部材50の突起部51が絶縁フィルム21を突き破って外装缶19と接触することにより、端子14と外装缶19とを短絡部材50を介して短絡させることができる。これにより、正極の端子14と負極の端子14とを短絡部材50を介して短絡させることができる。これにより、二次電池10は、活物質が存在しない位置で二次電池10内に閉路を形成することができる。即ち、二次電池10は、圧壊された場合に正極の活物質と負極の活物質とが短絡することを防ぐことができる。
また、上記の実施形態のように、短絡部材50が外装缶19及び電極リード16などに比べてより電気抵抗の大きい部材である場合、二次電池10は、より電気い抵抗の大きい閉路を二次電池内に形成することができる。
これにより、二次電池10は、圧壊された場合に電極群13内の電位をより緩やかに低下させることができる。即ち、二次電池10は、圧壊された場合に二次電池内に形成される閉路を流れる短絡電流をより小さくすることができる。これにより、二次電池10は、短絡電流によりスパークが発生すること、及び電池の温度上昇などを防ぐことができる。この結果、より安全性の高い二次電池を提供することができる。
なお、上記の実施形態では、正極短絡部材及び負極短絡部材は、電極リード16に固定される構成であると説明したが、この構成に限定されない。正極短絡部材及び負極短絡部材は、電極群13の正極及び負極に電気的に接続され、且つ外装缶19の変形が生じた時に外装缶19に接触することができる構成であれば、いかなる構成であってもよい。例えば、正極短絡部材及び負極短絡部材は、電極群13の集電タブ、または端子14に配置される構成であってもよい。
また、上記の実施形態では、短絡部材30が絶縁フィルム21を裂開させる突起部32を備える構成であると説明したが、この構成に限定されない。短絡部材が突起部の代わりに外装缶19と接触する為の平坦な短絡部を備える構成であってもよい。
図5は、図1の二次電池10の一部の他の構成の例を示す。図5Aは、図1の二次電池10の電極リード16近傍の構造を図1中のX方向から見た場合の図である。図5Bは、図1の二次電池10の電極リード16近傍の構造を図1中のY方向から見た場合の図である。なお、図5の構成は、正極の端子14に接続された電極リード16と、負極の端子14に接続された電極リード16との両方に設けられている。なお、図2及び図3と同様の構成には同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
図1に示されるように、電極リード16は、二股に分かれている。図5に示されるように、電極リード16と外装缶19の間には、電極ガード18が設けられている。またさらに、電極リード16は、バックアップリード17を介して短絡部材60の支持部61を支持するように設置されている。
短絡部材60は、支持部61、短絡部62、及び支柱部63を備える。支持部61は、短絡部62及び支柱部63を固定する為の支持部材である。短絡部62は、Z方向で外装缶19の内面と対向するように設けられる。なお、短絡部62と外装缶19との間には、外装缶19が変形していない状態で接触しないように所定の距離の空間が設けられている。支柱部63は、一方の端部が支持部61の短絡部62と逆側の面に固定される。また、支柱部63の他方の端部が絶縁フィルム23を介して外装缶19に固定される。
短絡部材60は、外装缶19と端子14とを短絡させる導電性の部材である。上記したように、短絡部材60は、支持部61、短絡部62、及び支柱部63を備える。なお、支持部61及び短絡部62は、例えばステンレスなどの電気抵抗の大きい材料(抵抗体)により構成されている。短絡部材60の支持部61及び短絡部62は、少なくとも、電極リード16及び外装缶19より電気抵抗が大きく、且つ絶縁フィルム21及び23より電気抵抗が小さい素材により構成されている。例えば、短絡部材60の支持部61及び短絡部62の電気抵抗(短絡抵抗)は、0.5mΩ以上であることが望ましい。なお、短絡抵抗は、短絡部材60の短絡部62との間の電気抵抗に相当する。即ち、短絡抵抗は、電極リード16上の任意の箇所と、短絡部62上の任意の箇所との間で測定された電気抵抗に相当する。
短絡部62は、外装缶19が変形した場合に外装缶19と接触するように設けられている。この為に、短絡部62は、外装缶19が変形した場合に外装缶19と接触する平坦な接触面を有する。短絡部材60は、短絡部62の接触面を外装缶19に接触させることにより、電極リード16と外装缶19とを電気的に接続することができる。
このような構成によると、二次電池10は、電極リード16に接続された短絡部材60の短絡部62が外装缶19と接触することにより、端子14と外装缶19とを短絡部材60を介して短絡させることができる。これにより、正極の端子14と負極の端子14とを短絡部材60を介して短絡させることができる。これにより、二次電池10は、活物質が存在しない位置で二次電池10内に閉路を形成することができる。即ち、二次電池10は、圧壊された場合に正極の活物質と負極の活物質とが短絡することを防ぐことができる。
また、上記の実施形態のように、短絡部材60が外装缶19及び電極リード16などに比べてより電気抵抗の大きい部材である場合、二次電池10は、より電気い抵抗の大きい閉路を二次電池内に形成することができる。
これにより、二次電池10は、圧壊された場合に電極群13内の電位をより緩やかに低下させることができる。即ち、二次電池10は、圧壊された場合に二次電池内に形成される閉路を流れる短絡電流をより小さくすることができる。これにより、二次電池10は、短絡電流によりスパークが発生すること、及び電池の温度上昇などを防ぐことができる。この結果、より安全性の高い二次電池を提供することができる。
またこの場合も、短絡部材60の支柱部63が絶縁フィルム23を介して外装缶19に固定されている。この為、二次電池10に圧力が加えられて短絡部材60の短絡部62が外装缶19に接触した場合、外装缶19の内面が短絡部62、支持部61、支柱部63、及び絶縁フィルム23を介して連結される。即ち、二次電池10の外装缶19の外面に加えられた圧力が、外装缶19の逆側の外面に伝達される。これにより、積み重ねられた複数の二次電池10に圧力が加えられた場合、複数の二次電池10に効率的に圧力が伝達する。この結果、二次電池10は、より少ない圧壊量で内部に閉路を形成させることができる。即ち、圧力が加えられた場合に、より早く複数の二次電池10を短絡させることができる。この結果、より安全性の高い二次電池を提供することができる。
図6は、圧壊時の二次電池10の温度と短絡抵抗との関係の例を示す。
二次電池10は、圧壊時に短絡が正常に行われなかった場合に、正極の自己発熱が発生する場合がある。この場合、外装缶19内部で電極群13の温度が上昇する懸念がある。電極群13の温度の上昇を防ぐ為に、短絡抵抗の値には下限が必要になる。なお、ここでは、正極の自己発熱が発生しない上限の温度を保障温度Thと称する。即ち、短絡抵抗は、電極群13の温度が保障温度以下になるように設定される必要がある。
例えば、図6に示されるように、短絡抵抗の値が「0.5mΩ」未満である場合の観測点601では、電極群13の温度が保障温度Th以上である250度近くに達している。
また、例えば、図6に示されるように、短絡抵抗の値が「0.5mΩ」である場合の観測点602では、電極群13の温度が保障温度Thと等しくなっている。このように、短絡抵抗の値が設定されている場合、正極の自己発熱を抑制することができる。
また、例えば、図6に示されるように、短絡抵抗の値が「1mΩ」である場合の観測点603、短絡抵抗の値が「2mΩ」である場合の観測点604、短絡抵抗の値が「4mΩ」である場合の観測点605では、それぞれ電極群13の温度が保障温度Thより低くなっている。さらに、観測点603の温度>観測点604の温度>観測点605の温度の関係が成り立っている。即ち、短絡抵抗が大きくなるほど、圧壊時の二次電池10内の温度を低く抑えることができる。
上記のように、二次電池10は、短絡抵抗が0.5mΩ以上である場合に、圧壊時の電極群13の温度の上昇を防ぐことができる。
なお、保障温度Thは、一概に決定されるものではなく、電極群13の材質及び形状などに応じて定まるものである。この為、電極群13を保障温度Th以下に保つ為の短絡抵抗の値も一概に定まるものではなく、保障温度Thとその二次電池10内の構造などに応じて適宜定められるものである。少なくとも、短絡抵抗と二次電池10の電極群13の温度とは、負の相関の関係にある。この為、短絡抵抗は、短絡時に電極群13の温度の上昇を抑制する為の温度の上限である保障温度Th以下に電極群13の温度を保つ為の値として決定される。即ち、短絡抵抗は、短絡時に電極群13の温度が保障温度13になる値を下限として決定される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された事項を付記する。
(付記項1)
電力を蓄える電極群と、
前記電極群を収納する外装缶と、
前記電極群の正極に接続され、且つ前記外装缶と絶縁された正極端子と、
前記電極群の負極に接続され、且つ前記外装缶と絶縁された負極端子と、
前記正極に接続され、且つ前記外装缶に圧力が加えられた場合に前記外装缶と接触するように設けられた正極短絡部材と、
前記負極に接続され、且つ前記外装缶に圧力が加えられた場合に前記外装缶と接触するように設けられた負極短絡部材と、
を具備し、
前記正極短絡部材と、前記負極短絡部材とのいずれかが抵抗体である二次電池。
(付記項2)
前記正極短絡部材と前記負極短絡部材とのいずれかが前記外装缶、前記正極端子、及び前記負極端子に対して電気抵抗が大きい抵抗体である、付記項1に記載の二次電池。
(付記項3)
前記正極短絡部材と前記負極短絡部材とのいずれかの電気抵抗である短絡抵抗は、短絡時に前記電極群の温度の上昇を抑制する為の温度の上限である保障温度以下に前記電極群の温度を保つ為の値である付記項2に記載の二次電池。
(付記項4)
前記正極短絡部材と前記負極短絡部材とのいずれかの電気抵抗である短絡抵抗は、短絡時に前記電極群の温度が前記保障温度になる値を下限として決定される付記項3に記載の二次電池。
(付記項5)
前記正極短絡部材と前記負極短絡部材とのいずれかの電気抵抗である短絡抵抗は、短絡時に前記電極群の温度が前記保障温度になる値である0.5mΩ以上の値である、付記項4に記載の二次電池。
(付記項6)
前記正極短絡部材及び負極短絡部材は、突起部と、前記正極短絡部材及び前記負極短絡部材は、前記突起部と対向する側の前記外装缶の内面と、前記突起部とを固定する支柱部と、をそれぞれ具備する付記項2に記載の二次電池。
(付記項7)
前記外装缶は、前記正極短絡部材及び前記負極短絡部材の突起部と対向する位置に設けられた絶縁体を具備し、
前記突起部は、前記外装缶に圧力が加えられた場合に前記絶縁体を裂開して前記外装缶と接触する付記項6に記載の二次電池。
(付記項8)
前記電極群の正極と前記正極端子とを接続する正極リードと、
前記電極群の負極と前記負極端子とを接続する負極リードと、
をさらに具備し、
前記正極短絡部材は、前記正極リードにより固定され、
前記負極短絡部材は、前記負極リードにより固定される、
付記項6に記載の二次電池。