JP6413703B2 - 鉛蓄電池及びその負極板 - Google Patents

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Description

この発明は、鉛蓄電池及びその負極板に関する。
鉛蓄電池の負極電極材料には、リグニンスルホン酸、ビスフェノール類縮合物等の有機防縮剤が添加されている。有機防縮剤は負極電極材料の収縮を防ぎ、充放電時にPb2+イオンを一時的に捕捉し、さらに低温ハイレート放電性能を向上させる。
有機防縮剤のS元素含有量はスルホン酸基等の含有量を意味し、これについて特許文献1(特許3385879)は、リグニンスルホン酸のスルホン化率を90%以上にすると、低温ハイレート放電性能のバラツキを小さくできるとしている。特許文献2(特開2013-41848)は、リグニンスルホン酸に変えて、S元素含有量が6〜10mass%のビスフェノール類縮合物を用いると、充電受入性が向上するとしている。そしてその理由を、ビスフェノール類縮合物は、リグニンスルホン酸に比べ、Pb2+イオンの吸着力が小さいためとしている。なおリグニンスルホン酸でのスルホン化率90%は、有機防縮剤の質量当たりのS元素含有量に換算すると、3700μmol/g程度である。またビスフェノール類縮合物での6〜10mass%のS元素含有量は、上記の単位では、1875μmol/g〜3125μmol/gである。
特許3385879 特開2013-41848
発明者は、有機防縮剤の質量当たりのS元素含有量の効果を検討し、従来に比べ高いS元素含有量で、低温ハイレート放電性能が向上することを見出した。
発明者はさらに、負極電極材料の体積当たりのS元素含有量を増すと、負極電極材料の比抵抗が減少することを見出した。
この発明の課題は、鉛蓄電池の負極電極材料での比抵抗を減少させることにある。
この発明の他の課題は、鉛蓄電池の低温ハイレート放電性能を向上させること、及び高温耐久試験による低温ハイレート放電性能の低下を小さくすることにある。
この発明の補助的な課題は、0.2CA放電性能の初期値を向上させることにある。
この発明は、負極板と正極板と電解液とを備え、かつ負極電極材料が有機防縮剤を含有する鉛蓄電池において、
前記負極電極材料は、0.3mg/cm3以上のS元素を、有機防縮剤中に含有することを特徴とする。
この発明は、有機防縮剤を含有する負極電極材料と集電体とから成る、鉛蓄電池の負極板において、
前記負極電極材料は、0.3mg/cm3以上のS元素を、有機防縮剤中に含有することを特徴とする。
負極電極材料の体積当たりのS元素含有量を増すと比抵抗が低下し、その結果、充電受入性が向上し、また低温高率放電性能も向上する(図5及び表6)。比抵抗の減少は、負極電極材料のS元素含有量が0.3mg/cm3以上で顕著で、0.4mg/cm3以上でさらに顕著になる。S元素含有量への依存性は1.5mg/cm3以上では小さくなり、2.3mg/cm3以上では特に小さくなるので、S元素含有量は1.5mg/cm3以下が好ましく、2.3mg/cm3以下が特に好ましい。これらのためS元素含有量は0.3mg/cm3以上2.3mg/cm3以下が好ましく、0.4mg/cm3以上1.5mg/cm3以下が特に好ましい。なお有機防縮剤中のS元素が重要で、硫酸バリウム中などのS元素はこの発明とは無関係である。
この発明は、負極板と正極板と電解液とを備え、かつ負極電極材料が有機防縮剤を含有する鉛蓄電池において、有機防縮剤のS元素含有量が4000μmol/g以上であることを特徴とし、特に好ましくはS元素含有量を4000μmol/g以上6000μmol/g以下とし、最も好ましくは4500μmol/g以上6000μmol/g以下とする。なおS元素含有量が4000μmol/g以上6000μmol/g以下は有機防縮剤のS元素含有量が128mg/g以上で192mg/g以下を意味し、4500μmol/gは有機防縮剤のS元素含有量が144mg/gを意味する。
またこの発明は、有機防縮剤を含有する負極電極材料と集電体とから成る、鉛蓄電池の負極板において、有機防縮剤のS元素含有量は、4000μmol/g以上であることを特徴とし、特に好ましくはS元素含有量を4000μmol/g以上6000μmol/g以下とし、最も好ましくは4500μmol/g以上6000μmol/g以下とする。
有機防縮剤中のS量を増加させると、4000μmol/g以上の含有量で、低温ハイレート放電性能の初期値が増し、かつ高温耐久試験後による低温ハイレート放電性能の低下率が小さくなる(図1,2参照)ことからこの発明では、有機防縮剤のS元素含有量を4000μmol/g以上とすることにより、
・ 低温ハイレート放電性能の初期値を向上させると共に、
・ 高温耐久試験を経験した際の低温ハイレート放電性能の低下率を小さくする。
CAを定格5時間率容量として、0.2CA放電の持続時間を調べると、S量が6000μmol/gまでは0.2CA放電の持続時間が向上する。ただしS量が6000μmol/gを越えると、0.2CA放電の持続時間は低下する(図1及び表1)。そこで有機防縮剤のS元素含有量を4000μmol/g以上6000μmol/g以下とし、0.2CA放電の持続時間の初期値を向上させる。なお有機防縮剤中のS元素の効果は4500μmol/g以上で特に大きい。
リグニンスルホン酸ではS元素含有量を4000μmol/g以上にすることは容易ではないので、スルホン酸基あるいはスルホニル基等を導入したビスフェノール類縮合物等の合成有機防縮剤を用いることが好ましい。しかしフェノールでないビスフェニル化合物の縮合物、例えば N,N'-(スルホニルジ-4,1-フェニレン)ビス(1,2,3,4-テトラヒドロ-6メチル-2,4-ジオキソピリミジン-5-スルホンアミド)の縮合物等を用いても良い。ビスフェノール類縮合物には、スルホン酸基を導入したビスフェノールA,S,F等の例えばホルムアルデヒドによる縮合物を用いれば良く、ビスフェノールSはスルホン酸基の他にスルホニル基(-SO-)を有するので、S元素含有量が増加する。スルホン酸基はビスフェノール類のフェニル基に直接結合している必要はなく、例えば特許文献2に記載のようにアルキル−アミノベンゼンスルホン酸等として、アルキル鎖等がビスフェノール類に結合していても良い。
S元素は有機防縮剤中の総含有量が問題で、鉛蓄電池の負極板中で安定なS元素を含む基は例えばスルホン酸基とスルホニル基で、これらのいずれかの基として存在することが好ましい。またS元素はスルホン酸基として含まれていても、あるいはスルホニル基として含まれていても、有機防縮剤としての性能はほぼ同じである(表4参照)。
S元素含有量が低温ハイレート放電性能と0.2CA放電の持続時間に影響するメカニズムとして、以下のことが考えられる。有機防縮剤は互いに会合してコロイド粒子として存在し、スルホン酸基、スルホニル基のような電子受容性でかつ極性が強い基はコロイド粒子の表面に現れようとする。この結果、有機防縮剤の会合が弱まり、コロイド粒子は粒径が小さくなる。すると有機防縮剤が分散している負極電極材料の細孔径も小さくなる。発明者は、有機防縮剤のコロイド径と負極電極材料の細孔径を測定し、S元素含有量と共に細孔径が小さくなることを確認した(図3)。
有機防縮剤中のS元素含有量と初期性能との関係を示す特性図 有機防縮剤中のS元素含有量と、高温過充電後の低温ハイレート放電性能との関係を示す特性図 有機防縮剤中のS元素含有量と、負極活物質中の中央細孔径との関係を示す特性図 有機防縮剤中の、S元素含有量と硫酸中でのコロイド粒子径との関係を示す特性図 負極活物質の、体積当たりのS元素含有量と抵抗値との関係を示す特性図
以下に、本願発明の最適実施例を示す。本願発明の実施に際しては、当業者の常識及び先行技術の開示に従い、実施例を適宜に変更できる。極板は、格子等の集電体と、集電体に支持されている電極材料とから成るものとし、電極材料はビスフェノール類縮合物、カーボンブラック、硫酸バリウム、合成繊維補強材等の起電反応に関与しない材料を含んでいる。負極電極材料は海綿状鉛を主成分とする材料、正極電極材料は二酸化鉛を主成分とする材料である。なお電極材料を、実施例では、簡単のため活物質と呼ぶ。
鉛蓄電池の製造
鉛粉と、ビスフェノール類縮合物から成る有機防縮剤と、カーボンブラックと硫酸バリウム及び合成繊維補強剤とを、水と硫酸で混練し、負極活物質ペーストとした。化成後の負極活物質(厳密には負極電極材料)に対して、有機防縮剤は0.15mass%、カーボンブラックは0.2mass%、硫酸バリウムは1.0mass%、合成繊維補強剤は0.05mass%含有させた。これらの成分の好ましい含有量の範囲は、有機防縮剤は0.08mass%以上0.25mass%以下、カーボンブラックは1.0mass%以下で含有しなくても良く、鱗片状黒鉛等の他のカーボンに変えても良い。また硫酸バリウムは0.5mass%以上2.0 mass%以下、合成繊維補強剤は0.03 mass%以上0.2 mass%以下含有することが好ましい。負極活物質ペーストを、Pb-Ca-Sn系合金からなるエキスパンド格子に充填して、乾燥と熟成を施して未化成の負極板とした。
有機防縮剤として実施例では、スルホン酸基を導入したビスフェノールAのホルムアルデヒドによる縮合物、スルホン酸基を導入したビスフェノールSのホルムアルデヒドによる縮合物を用いた。そしてスルホン化の条件を従来よりも強めて、ビスフェノール1分子当たりのスルホン酸基の数の平均値を従来よりも増すように調整した。またビスフェノールA,F,Sの混合物を縮合した後に、スルホン化した。このようにして、S元素含有量を3000μmol/g〜7500μmol/gの範囲で調整した。ビスフェノールAに由来する縮合物はスルホン酸基を含有し、ビスフェノールSに由来する縮合物はスルホン酸基とスルホニル基とを含有する。これとは別に、S元素含有量が600μmol/gのリグニンスルホン酸を比較例とした。鉛粉の種類、製造条件、鉛丹の含有量等は任意で、微量のSb元素等の第3成分を含有させても良い。
鉛粉と合成繊維補強剤(化成済みの正極活物質に対して0.1mass%)とを、水と硫酸で混練して、正極活物質ペーストとした。このペーストをPb-Ca-Sn系の合金から成るエキスパンド格子に充填して、乾燥と熟成とを施し、未化成の正極板とした。
負極板を微多孔質で袋状のポリエチレンセパレータで囲み、負極板5枚と正極板4枚とで極板群とし、ポリプロピレン電槽に収容して、電槽化成を施し、液式の自動車用鉛蓄電池とした。なお定格5時間率容量CAは25Ah、出力は12Vである。用途は自動車用に限らず任意で、液式でも制御弁式でも良い。
測定法
負極活物質中の有機防縮剤の含有量(S 元素含有量)は以下のようにして測定する。満充電された鉛蓄電池を分解し、負極板を取り出し水洗により硫酸分を除去し、乾燥重量を測定する。負極板から活物質を分離し、例えば、1mol/lのNaOH水溶液に浸漬して有機防縮剤を抽出し、紫外可視吸光度計で得られた吸光度で、予め作成した検量線を用いて、有機防縮剤の含有量を測定する。また、例えば、活物質から抽出して得られた有機防縮剤のNaOH水溶液を脱塩し、濃縮・乾燥する。酸素燃焼フラスコ法によって、0.1gの有機防縮剤中のS元素を硫酸に変換し、トリンを指示薬として溶出液を過塩素酸バリウムで滴定することにより、有機防縮剤中のS元素含有量に換算する。また乾燥させた負極活物質に対し、水銀圧入法により細孔径の分布を測定し、体積基準での中央値を中央細孔径とする。ここで細孔径の測定値が100μm以上の部分は、細孔ではなく活物質粒子間の隙間として、細孔の分布に含めない。活物質の体積は、見かけの体積から細孔径の測定値が100μm以上の細孔容積を除いたものとする。
鉛蓄電池の性能
各鉛蓄電池に対し、低温ハイレート放電性能(-15℃で放電電流150Aの条件で、端子電圧が6.0Vまで低下するまでの秒数)の初期値と、0.2CAの放電電流で端子電圧が10.5Vまで低下するまでの時間とを測定した。結果を図1及び表1に示す。
低温ハイレート放電性能はS元素含有量と共に増し、上限は200秒程度で有った。またS元素含有量が6000μmol/gを越えると、S元素含有量を増しても低温ハイレート放電時間は余り増加しなくなった。0.2CA放電の持続時間はS元素含有量が4000μmol/g以上6000μmol/g以下で大きく、4500μmol/g以上5500μmol/g以下の範囲で最大になった。
初期特性を測定した鉛蓄電池に対し、65℃、2.5Aで240時間の充電により高温過充電を経験させ、その後に低温ハイレート放電性能を測定した。高温過充電後の低温ハイレート放電性能と、低温ハイレート放電性能の初期値との比を図2及び表2に示す。
S元素含有量が多いほど、高温過充電後の低温ハイレート放電性能が優れ、放電時間の維持率も高いことが分かった。
これらの結果から、有機防縮剤中にS元素を従来に比べて多量に含有させた際に、
・ 初期的な低温ハイレート放電性能も、高温過充電後の低温ハイレート放電性能も、共に高くでき、
・ さらに0.2CA放電の持続時間も長くできる、
範囲があることが分かった。これは、有機防縮剤中のS元素含有量が4000μmol/g以上6000μmol/g以下の範囲である。そして4500μmol/g以上6000μmol/g以下の範囲で、初期的な低温ハイレート放電性能も高温過充電後の低温ハイレート放電性能も、特に優れた鉛蓄電池が得られる。
化成済みの負極活物質に対して、細孔径分布を測定した。鉛蓄電池の性能試験に用いたものと同様にして負極板を製造し、化成後の負極板から負極活物質を分離し、水銀圧入法により細孔径の分布を測定した。また有機防縮剤を25℃で比重1.25の希硫酸に0.002mass%の濃度で分散させてコロイド溶液とし、レーザー光散乱法によりコロイド粒子径の分布を測定した。S元素含有量に対する体積基準での中央細孔径を図3に、S元素含有量に対する体積基準でのコロイド粒子径の平均値を図4に示し、これらをまとめて表3に示す。
S元素含有量を増すと、コロイド粒子径も中央細孔径も減少した。極性が高く、かつ電子受容性のスルホン酸基あるいはスルホニル基はコロイド粒子の表面に現れようとすると考えられ、これらの基の濃度を増すと、スルホン酸基等の間の静電反発が強まるので、S元素含有量を増すことにより、有機防縮剤のコロイド粒子径が減少したものと考えることができる。有機防縮剤は負極活物質中に分散しているので、その粒子径は負極活物質の細孔径分布に影響していると考えることができ、有機防縮剤のコロイド粒子径を小さくすることにより細孔径を小さくできたと考えられる。そして細孔径を小さくすることにより、低温ハイレート放電性能は初期的にも高温過充電後にも従来に比べて向上し、0.2CA放電の持続時間も細孔径の影響を受けて変化したものと考えることができる。
有機防縮剤中のS元素はスルホン酸基として存在しても、スルホニル基として存在しても良い。有機防縮剤中のS元素含有量を5000μmol/gに固定し、ビスフェノールAとビスフェノールSとの割合を変化させることにより、スルホニル基由来のS元素含有量と、スルホン酸基由来のS元素含有量との割合を変化させた。この場合の結果を表4に示す。スルホニル基かスルホン酸基かの影響は小さかった。なおビスフェノールA,S,Fの混合割合を変化させて、縮合とスルホン化を施してS元素含有量を変化させても、同様の結果が得られた。
有機防縮剤濃度
負極活物質中の有機防縮剤の濃度は0.08mass%以上0.25mass%以下が好ましく、特に0.10mass%以上0.20mass%以下が好ましい。表4の中央の列の有機防縮剤(S元素含有量が5000μmol/gで、スルホニル基由来のものが1400μmol/g、スルホン酸基由来のものが3600μmol/g)を用い、有機防縮剤濃度を0.10mass%、0.15mass%、0.20mass%の3段階に変化させた際の結果を、表5に示す。有機防縮剤濃度と共に、低温ハイレート放電性能は初期値でも高温過充電経験後でもやや向上するが、大きな差は見られなかった。また0.2CA放電の持続時間は有機防縮剤濃度に依存しなかった。
負極活物質の体積当たりのS元素含有量
負極活物質の体積当たりのS元素含有量を増すと、負極活物質の比抵抗が減少することを発見した。負極活物質ペーストの密度を変えることにより、化成後の負極活物質の密度を2.8g/cm3から3.8g/cm3の範囲で変化させ、負極活物質中の有機防縮剤濃度を0.08mass%から0.25mass%の範囲で変化させ、さらに有機防縮剤のS元素含有量を600μmol/gから7000μmol/gの範囲で変化させた。このようにして負極活物質の体積当たりのS元素含有量を0.15mg/cm3から2.5mg/cm3の範囲で変化させ、4端子法により満充電時の負極活物質の抵抗値を測定した。結果を図5と表6とに示す。なお従来例はリグニン(S元素含有量を600μmol/g)を用いたもので、他はビスフェノール類縮合物から成る合成有機防縮剤を用い、比抵抗は従来例を100%とする相対値で示す。
負極活物質の体積当たりのS元素含有量を増すと比抵抗が低下し、このことは充電受入性が向上すると共に、低温高率放電性能が向上することを意味する。有機防縮剤の種類、有機防縮剤中のS元素濃度、有機防縮剤の濃度を変化させても、図5のように、S元素含有量のみに依存する結果が得られた。図5及び表6から、負極活物質のS元素含有量を0.3mg/cm3以上にすることにより、負極活物質の比抵抗が顕著に低下し、特に0.4mg/cm3以上にすることにより、比抵抗はさらに低下する。S元素含有量への依存性は1.5mg/cm3以上では小さくなり、2.3mg/cm3以上では特に小さくなる。このためS元素含有量は1.5mg/cm3以下が好ましく、2.3mg/cm3以下が特に好ましい。全体としては、S元素含有量は0.3mg/cm3以上2.3mg/cm3以下が好ましく、0.4mg/cm3以上1.5mg/cm3以下が特に好ましい。
補足
実施例ではビスフェノールAとビスフェノールSを用いたが、ビスフェノールFのスルホン化物の縮合物等を用いても良い。なおスルホン酸基、スルホニル基は直接フェニル基に結合している必要はなく、特許文献2のように、アルキル−アミノベンゼンスルホン酸等として、アルキル鎖等がビスフェノール類に結合していても良い。また有機防縮剤は、スルホン酸基、スルホニル基等を導入したビスフェノール類縮合物に限らず、N,N'-(スルホニルジ-4,1-フェニレン)ビス(1,2,3,4-テトラヒドロ-6メチル-2,4-ジオキソピリミジン-5-スルホンアミド)の縮合物等を用いても良い。さらにスルホン酸基は酸型で存在してもNa塩等の塩型で存在しても良い。ただしビスフェノール類縮合物は多量の水酸基を有し、スルホニル基やスルホン酸基の影響を受けて水酸基はさらに分極し、防縮剤から成るコロイド粒子表面の電荷密度が大きくなる。そして電荷密度が大きくなるとコロイドの粒子径が小さくなり、この結果、細孔径の中央値も減少して、低温ハイレート放電性能が向上し、0.2CA放電の持続時間も変化する。

Claims (2)

  1. 負極板と正極板と電解液とを備え、かつ負極電極材料が有機防縮剤を含有する鉛蓄電池において、
    前記有機防縮剤は、スルホン酸基及びスルホニル基の少なくとも1つの形態で、S元素を含有するビスフェノール類縮合物であり、
    かつ前記負極電極材料は0.4mg/cm 3 以上で1.5mg/cm 3 以下のS元素を含有することを特徴とする鉛蓄電池。
  2. 負極板と正極板と電解液とを備え、かつ負極電極材料が有機防縮剤を含有する鉛蓄電池において、
    前記有機防縮剤は、スルホン酸基及びスルホニル基の少なくとも1つの形態で、S元素を含有するビスフェノール類縮合物であり、かつ前記有機防縮剤のS元素含有量は4000μmol/g以上でかつ6000μmol/g以下であることを特徴とする鉛蓄電池。
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