JP3385879B2 - 鉛蓄電池用負極板 - Google Patents
鉛蓄電池用負極板Info
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉛蓄電池用負極板
に関するものである。
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にリグニンスルホン酸塩が含有され
ている鉛蓄電池用負極板は次のようにして製造する。ま
ず、鉛酸化物を主体とする鉛粉と、硫酸バリウム,カー
ボン,リグニンスルホン酸塩等の添加物と、希硫酸と、
水とを混練して活物質ペーストを作る。次に活物質ペー
ストを集電体に充填した後に熟成、乾燥を施して未化成
極板を作る。そして、未化成極板を化成して完成する。
添加物のリグニンスルホン酸塩は活物質の防縮剤として
の役割を果たしている。鉛蓄電池用負極板の低温におけ
る高率放電容量は、主として活物質の比表面積に依存す
る。リグニンスルホン酸塩は、充電時のPb2+が還元さ
れて析出する際に電析面の活性点(充電初期にPbが析
出する部分)を覆って結晶成長を抑制して、活物質面に
充放電に有効な反応面積を作ると考えられている。しか
しながら、リグニンスルホン酸塩は、パルプを製造する
際にできる副産物であるため、パルプの原料となる木材
の種類やパルプの製造方法によりリグニンスルホン酸塩
の分子量分布が異なる。そのため、物理的性質及び化学
的性質が大幅に異なり、リグニンスルホン酸塩を活物質
中に添加しても、リグニンスルホン酸塩は活物質内に偏
在してしまい活物質内に分散させることが難しい。その
結果、低温での高率放電容量のバラツキが生じる。そこ
で、特開昭59−868号公報に示すように、リグニン
スルホン酸塩の平均分子量を規定して低温での高率放電
容量のバラツキを抑制することが検討された。特開昭5
9−868号公報では、平均分子量1000〜2000
の低分子量のリグニンスルホン酸塩と平均分子量100
00〜20000の高分子量のリグニンスルホン酸塩と
を混ぜたものを用いている。
ている鉛蓄電池用負極板は次のようにして製造する。ま
ず、鉛酸化物を主体とする鉛粉と、硫酸バリウム,カー
ボン,リグニンスルホン酸塩等の添加物と、希硫酸と、
水とを混練して活物質ペーストを作る。次に活物質ペー
ストを集電体に充填した後に熟成、乾燥を施して未化成
極板を作る。そして、未化成極板を化成して完成する。
添加物のリグニンスルホン酸塩は活物質の防縮剤として
の役割を果たしている。鉛蓄電池用負極板の低温におけ
る高率放電容量は、主として活物質の比表面積に依存す
る。リグニンスルホン酸塩は、充電時のPb2+が還元さ
れて析出する際に電析面の活性点(充電初期にPbが析
出する部分)を覆って結晶成長を抑制して、活物質面に
充放電に有効な反応面積を作ると考えられている。しか
しながら、リグニンスルホン酸塩は、パルプを製造する
際にできる副産物であるため、パルプの原料となる木材
の種類やパルプの製造方法によりリグニンスルホン酸塩
の分子量分布が異なる。そのため、物理的性質及び化学
的性質が大幅に異なり、リグニンスルホン酸塩を活物質
中に添加しても、リグニンスルホン酸塩は活物質内に偏
在してしまい活物質内に分散させることが難しい。その
結果、低温での高率放電容量のバラツキが生じる。そこ
で、特開昭59−868号公報に示すように、リグニン
スルホン酸塩の平均分子量を規定して低温での高率放電
容量のバラツキを抑制することが検討された。特開昭5
9−868号公報では、平均分子量1000〜2000
の低分子量のリグニンスルホン酸塩と平均分子量100
00〜20000の高分子量のリグニンスルホン酸塩と
を混ぜたものを用いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、平均分
子量を規定しただけでは、リグニンスルホン酸塩の界面
活性作用は向上しないので、リグニンスルホン酸塩の活
物質中への分散を十分に高めるには限界があった。その
ため、低温での高率放電容量のバラツキを十分に抑制す
ることができなかった。
子量を規定しただけでは、リグニンスルホン酸塩の界面
活性作用は向上しないので、リグニンスルホン酸塩の活
物質中への分散を十分に高めるには限界があった。その
ため、低温での高率放電容量のバラツキを十分に抑制す
ることができなかった。
【0004】本発明の目的は、低温での高率放電容量の
バラツキを十分に抑制できる鉛蓄電池用負極板を提供す
ることにある。
バラツキを十分に抑制できる鉛蓄電池用負極板を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、活物質層中にリグニンスルホン酸塩が含
有されてなる鉛蓄電池用負極板を対象にして、リグニン
スルホン酸塩として、平均分子量が4000〜1000
0で、スルホン化率が90%以上のものを用いる。な
お、ここでいう平均分子量は重量平均分子量である。ま
た、ここでいうスルホン化率とは、リグニンスルホン酸
塩を構成するフェニルプロパン全体に対するスルホン基
を有するフェニルプロパンの割合である。また、リグニ
ンスルホン酸塩は、リグニンスルホン酸の水素原子がア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属と置換された塩であ
る。従来では、スルホン化率50〜60%のリグニンス
ルホン酸塩を用いていたが、本発明では、平均分子量を
4000〜10000と小さくして、スルホン化率を9
0%以上に高めているので、スルホン基がリグニンスル
ホン酸塩の表面に偏って存在している。そのため、リグ
ニンスルホン酸塩の界面活性作用が向上して、リグニン
スルホン酸塩の活物質中への分散を十分に高めることが
できる。その結果、低温での高率放電容量のバラツキを
十分に抑制することができる。
に、本発明は、活物質層中にリグニンスルホン酸塩が含
有されてなる鉛蓄電池用負極板を対象にして、リグニン
スルホン酸塩として、平均分子量が4000〜1000
0で、スルホン化率が90%以上のものを用いる。な
お、ここでいう平均分子量は重量平均分子量である。ま
た、ここでいうスルホン化率とは、リグニンスルホン酸
塩を構成するフェニルプロパン全体に対するスルホン基
を有するフェニルプロパンの割合である。また、リグニ
ンスルホン酸塩は、リグニンスルホン酸の水素原子がア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属と置換された塩であ
る。従来では、スルホン化率50〜60%のリグニンス
ルホン酸塩を用いていたが、本発明では、平均分子量を
4000〜10000と小さくして、スルホン化率を9
0%以上に高めているので、スルホン基がリグニンスル
ホン酸塩の表面に偏って存在している。そのため、リグ
ニンスルホン酸塩の界面活性作用が向上して、リグニン
スルホン酸塩の活物質中への分散を十分に高めることが
できる。その結果、低温での高率放電容量のバラツキを
十分に抑制することができる。
【0006】リグニンスルホン酸塩は、活物質層の主原
料である鉛粉に対して0.1〜0.5重量%含有するの
が好ましい。0.1重量%を下回ると、十分に活物質の
防縮効果を得ることができず活物質利用率が低下する。
また、リグニンスルホン酸塩粉末の量が0.5重量%を
超えても、活物質利用率が低下する。これは、充電時の
Pb2+が還元されて析出する際にリグニンスルホン酸塩
が電析面の活性点を覆いすぎて、放電を阻害するためで
あると考えられる。
料である鉛粉に対して0.1〜0.5重量%含有するの
が好ましい。0.1重量%を下回ると、十分に活物質の
防縮効果を得ることができず活物質利用率が低下する。
また、リグニンスルホン酸塩粉末の量が0.5重量%を
超えても、活物質利用率が低下する。これは、充電時の
Pb2+が還元されて析出する際にリグニンスルホン酸塩
が電析面の活性点を覆いすぎて、放電を阻害するためで
あると考えられる。
【0007】
【発明の実施の形態】試験に用いた鉛蓄電池用負極板を
次のようにして製造した。まず、平均分子量が500〜
20000のリグニンスルホン酸塩を用意した。これを
重量比70:30のNaOHとNa2 Sとを溶解する蒸
解液(温度160℃)に溶し、加圧、蒸煮するサルファ
イト蒸解を行った。そして、蒸解時間を4時間,5時
間,7時間,9時間,10時間と変化させてスルホン化
率が60%,70%,80%,90%,95%と異なる
リグニンスルホン酸塩を得た。このようにスルホン化率
は、サルファイト蒸解時間を長くするほど高くなる。次
に、各スルホン化率において平均分子量が500,40
00,5000,10000,20000とそれぞれ異
なる平均粒子径100μmの各種のリグニンスルホン酸
塩の粉末を抽出した。なお平均分子量は次のようにして
測定した。まず、分子ふるい式クロマトグラフィーを用
いて分子量別に分けた。次に分けた分子量別に沸点上昇
法を用いて分子量を求めた。ここで、沸点上昇法とは、
純粋な液体(純溶媒)に溶質を溶したときの溶液が純溶
媒の沸点より高くなることを利用して分子量を求める方
法であり、ΔTb=Kb・ω/M(ΔTb:沸点上昇温
度、Kb:純溶媒固有の定数、ω:溶質の重量、M:分
子量)の式により求めた。次に金属鉛を含む平均酸化率
85%の酸化鉛の粉末(以下、単に鉛粉という)と、該
鉛粉に対して0.3重量%の前述の各リグニンスルホン
酸塩粉末と、鉛粉に対して1.0重量%の硫酸バリウム
と、鉛粉に対して0.2重量%のカーボンと、鉛粉に対
して10重量%のイオン交換水と、鉛粉に対して10.
6重量%の比重1.260(20℃)の希硫酸とをそれ
ぞれ混練して複数の活物質ペーストを作った。次に各活
物質ペーストを格子体からなる集電体に充填してから、
熟成、乾燥を行って未化成負極板を得た。次に未化成負
極板1枚と公知のペースト式未化成正極板2枚とをセパ
レータを介して積層して極板群を作った。次に各極板群
を一定の加圧下で1セルの塩化ビニル製の電槽内に配置
した。次に電槽内に比重1.225(20℃)の希硫酸
からなる電解液を注液した。そして、40℃の水槽内で
0.3Cで18時間通電して電槽化成を行って、各鉛蓄
電池(1.5Ah,2V)内に配置された状態でそれぞ
れの負極板を完成した。
次のようにして製造した。まず、平均分子量が500〜
20000のリグニンスルホン酸塩を用意した。これを
重量比70:30のNaOHとNa2 Sとを溶解する蒸
解液(温度160℃)に溶し、加圧、蒸煮するサルファ
イト蒸解を行った。そして、蒸解時間を4時間,5時
間,7時間,9時間,10時間と変化させてスルホン化
率が60%,70%,80%,90%,95%と異なる
リグニンスルホン酸塩を得た。このようにスルホン化率
は、サルファイト蒸解時間を長くするほど高くなる。次
に、各スルホン化率において平均分子量が500,40
00,5000,10000,20000とそれぞれ異
なる平均粒子径100μmの各種のリグニンスルホン酸
塩の粉末を抽出した。なお平均分子量は次のようにして
測定した。まず、分子ふるい式クロマトグラフィーを用
いて分子量別に分けた。次に分けた分子量別に沸点上昇
法を用いて分子量を求めた。ここで、沸点上昇法とは、
純粋な液体(純溶媒)に溶質を溶したときの溶液が純溶
媒の沸点より高くなることを利用して分子量を求める方
法であり、ΔTb=Kb・ω/M(ΔTb:沸点上昇温
度、Kb:純溶媒固有の定数、ω:溶質の重量、M:分
子量)の式により求めた。次に金属鉛を含む平均酸化率
85%の酸化鉛の粉末(以下、単に鉛粉という)と、該
鉛粉に対して0.3重量%の前述の各リグニンスルホン
酸塩粉末と、鉛粉に対して1.0重量%の硫酸バリウム
と、鉛粉に対して0.2重量%のカーボンと、鉛粉に対
して10重量%のイオン交換水と、鉛粉に対して10.
6重量%の比重1.260(20℃)の希硫酸とをそれ
ぞれ混練して複数の活物質ペーストを作った。次に各活
物質ペーストを格子体からなる集電体に充填してから、
熟成、乾燥を行って未化成負極板を得た。次に未化成負
極板1枚と公知のペースト式未化成正極板2枚とをセパ
レータを介して積層して極板群を作った。次に各極板群
を一定の加圧下で1セルの塩化ビニル製の電槽内に配置
した。次に電槽内に比重1.225(20℃)の希硫酸
からなる電解液を注液した。そして、40℃の水槽内で
0.3Cで18時間通電して電槽化成を行って、各鉛蓄
電池(1.5Ah,2V)内に配置された状態でそれぞ
れの負極板を完成した。
【0008】次に負極板をそれぞれ内部に配置した各鉛
蓄電池を用いて試験を行った。まず、各鉛蓄電池をそれ
ぞれ5個づつ用意し、−15℃において5Cで低温高率
放電を行って、各電池の活物質利用率を測定し、その標
準偏差を調べた。なお活物質利用率(%)は、[放電電
気量(Ah)×3.865(g/Ah)]/活物質量
(g)×100の式で求めた。また標準偏差は、下記の
式で求めた。
蓄電池を用いて試験を行った。まず、各鉛蓄電池をそれ
ぞれ5個づつ用意し、−15℃において5Cで低温高率
放電を行って、各電池の活物質利用率を測定し、その標
準偏差を調べた。なお活物質利用率(%)は、[放電電
気量(Ah)×3.865(g/Ah)]/活物質量
(g)×100の式で求めた。また標準偏差は、下記の
式で求めた。
【0009】
【数1】
図1はその測定結果を示している。本図より、リグニン
スルホン酸塩の平均分子量を4000〜10000と
し、スルホン化率90%以上にすると、低温での高率放
電容量のバラツキを抑制できるのが分かる。これは、平
均分子量を4000〜10000と小さくして、スルホ
ン化率を90%以上に高めると、スルホン基がリグニン
スルホン酸塩の表面に偏って存在することになり、これ
によりリグニンスルホン酸塩の界面活性作用が向上し
て、リグニンスルホン酸塩の活物質中への分散性が高く
なるためである。
スルホン酸塩の平均分子量を4000〜10000と
し、スルホン化率90%以上にすると、低温での高率放
電容量のバラツキを抑制できるのが分かる。これは、平
均分子量を4000〜10000と小さくして、スルホ
ン化率を90%以上に高めると、スルホン基がリグニン
スルホン酸塩の表面に偏って存在することになり、これ
によりリグニンスルホン酸塩の界面活性作用が向上し
て、リグニンスルホン酸塩の活物質中への分散性が高く
なるためである。
【0010】次に鉛粉に対するリグニンスルホン酸塩粉
末の量を変え、その他はリグニンスルホン酸塩の平均分
子量を5000とし、スルホン化率90%として、上述
と同じ方法でリグニンスルホン酸塩粉末の量が異なる種
々の負極板を内部に配置した鉛蓄電池を作った。そし
て、各電池を日本蓄電池工業会規格SBA1003の効
率放電特性に準じる37.5A(−15℃)で低温高率
放電を行って、各電池の活物質利用率を測定して、リグ
ニンスルホン酸塩粉末の量と活物質利用率との関係を調
べた。図2はその測定結果を示している。本図より、鉛
粉に対するリグニンスルホン酸塩粉末の量を0.1〜
0.5重量%とすると、活物質利用率が高くなるのが分
る。リグニンスルホン酸塩粉末の量が0.1重量%を下
回ると、十分に活物質の防縮効果を得ることができず活
物質利用率が低下する。また、リグニンスルホン酸塩粉
末の量が0.5重量%を超えても、活物質利用率が低下
する。これは、充電時のPb2+が還元されて析出する際
にリグニンスルホン酸塩が電析面の活性点を覆いすぎ
て、放電を阻害するためであると考えられる。
末の量を変え、その他はリグニンスルホン酸塩の平均分
子量を5000とし、スルホン化率90%として、上述
と同じ方法でリグニンスルホン酸塩粉末の量が異なる種
々の負極板を内部に配置した鉛蓄電池を作った。そし
て、各電池を日本蓄電池工業会規格SBA1003の効
率放電特性に準じる37.5A(−15℃)で低温高率
放電を行って、各電池の活物質利用率を測定して、リグ
ニンスルホン酸塩粉末の量と活物質利用率との関係を調
べた。図2はその測定結果を示している。本図より、鉛
粉に対するリグニンスルホン酸塩粉末の量を0.1〜
0.5重量%とすると、活物質利用率が高くなるのが分
る。リグニンスルホン酸塩粉末の量が0.1重量%を下
回ると、十分に活物質の防縮効果を得ることができず活
物質利用率が低下する。また、リグニンスルホン酸塩粉
末の量が0.5重量%を超えても、活物質利用率が低下
する。これは、充電時のPb2+が還元されて析出する際
にリグニンスルホン酸塩が電析面の活性点を覆いすぎ
て、放電を阻害するためであると考えられる。
【0011】
【発明の効果】本発明では、平均分子量を4000〜1
0000と小さくして、スルホン化率を90%以上に高
めているので、スルホン基がリグニンスルホン酸塩の表
面に偏って存在している。そのため、リグニンスルホン
酸塩の界面活性作用が向上して、リグニンスルホン酸塩
の活物質中への分散を十分に高めることができる。その
結果、低温での高率放電容量のバラツキを十分に抑制す
ることができる。
0000と小さくして、スルホン化率を90%以上に高
めているので、スルホン基がリグニンスルホン酸塩の表
面に偏って存在している。そのため、リグニンスルホン
酸塩の界面活性作用が向上して、リグニンスルホン酸塩
の活物質中への分散を十分に高めることができる。その
結果、低温での高率放電容量のバラツキを十分に抑制す
ることができる。
【図1】 リグニンスルホン酸塩の平均分子量及びスル
ホン化率と、低温高率放電容量との関係を示す図であ
る。
ホン化率と、低温高率放電容量との関係を示す図であ
る。
【図2】 鉛粉に対するリグニンスルホン酸塩の量と活
物質利用率との関係を示す図である。
物質利用率との関係を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01M 4/14
H01M 4/62
Claims (2)
- 【請求項1】 活物質層中にリグニンスルホン酸塩が分
散して含有されてなる鉛蓄電池用負極板において、 前記リグニンスルホン酸塩は、平均分子量が4000〜
10000であり、しかもスルホン化率が90%以上で
あることを特徴とする鉛蓄電池用負極板。 - 【請求項2】 前記リグニンスルホン酸塩は、前記活物
質層の主原料である鉛粉に対して0.1〜0.5重量%
含有されていることを特徴とする請求項1に記載の鉛蓄
電池用負極板。
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---|---|---|---|
JP30279996A JP3385879B2 (ja) | 1996-11-14 | 1996-11-14 | 鉛蓄電池用負極板 |
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JP30279996A JP3385879B2 (ja) | 1996-11-14 | 1996-11-14 | 鉛蓄電池用負極板 |
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JPH10144305A JPH10144305A (ja) | 1998-05-29 |
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WO2021060324A1 (ja) | 2019-09-27 | 2021-04-01 | 株式会社Gsユアサ | 鉛蓄電池用負極板および鉛蓄電池 |
-
1996
- 1996-11-14 JP JP30279996A patent/JP3385879B2/ja not_active Expired - Fee Related
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