JP6413382B2 - 車両の電機機器の保護構造 - Google Patents
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Description
他方、エンジルーム100の後方のカウルパネル107には、その剛性を高めるとともに、歩行者保護のために、車体前方に突出するエッジ部108が、車両左右に渡って設けられている。なお、図7および図8において、109はエンジンルーム100の後方に配設されたダッシュパネル、110はフロントサイドメンバ102の前端に上方に向けて突設されたフロントアッパブレース、111は左右のフロントアッパブレース110,110間に渡されたフロントアッパメンバである。
本保護構造の一態様では、上記エンジンルームの前方に車両左右に渡って配設されたフロントアッパメンバに、上記傾斜部材が車両前方視で重合するように上記前側保護手段を配置した構成としている。
本保護構造の一態様では、エンジンルーム内に設置された電気機器の後方にケーブルが接続された車両の電気機器の保護構造において、一端部が車両前方へ突出すべく傾斜させた傾斜部材と該傾斜部材を上記電気機器に懸架させる連結部材とからなる前側保護手段を上記電気機器の前方に設置し、上記エンジンルームの前方に車両左右に渡って配設されたフロントアッパメンバに、上記傾斜部材が車両前方視で重合するように上記前側保護手段を配置した構成としている。
本保護構造の一態様では、上記前側保護手段の連結部材の上記電気機器に対する取付け位置は、上記エンジンルームの両側に配設されたフロントサイドメンバから上記フロントアッパメンバまでの高さの半分以上の高さとした構成としている。
本保護構造の一態様では、上記前側保護手段の傾斜部材を、上記フロントサイドメンバと上記フロントアッパメンバとを結ぶフロントアッパブレースより車体前方に傾斜させた構成としている。
本実施形態に係る車両の電気機器の保護構造は、例えば小型のハイブリッド車に適用されたもので、図1および図2に示すように、その車両前方に位置するエンジンルーム1内に、後方に高電圧ケーブル2が接続された高電圧電気機器、例えばインバータ3が配設された構成となっている。インバータ3は、従来と同様に汎用製品であることから、メンテナンス等の理由からその上方に高電圧ケーブル2が伸びている。インバータ3は、モジュール用ブラケット4,5を介して、車両両側下部に配設されたフロントサイドメンバ7の一方に取付けられ、該フロントサイドメンバによって支えられている。ここで、6は、エンジンマウントブラケットである。左右のフロントサイドメンバ7の前方端には、斜め前方側へやや傾斜されて上方に向けてフロントアッパブレース8がそれぞれ立設され、左右のフロントアッパブレース8の上端間には、車両左右に渡ってフロントアッパメンバ9が配設されている。フロントアッパメンバ9の後方であってインバータ3の前方には、該インバータの前部を保護する機能を併せ持つ前側保護手段10が配設されている。前側保護手段10は、その上部11aが下部11bよりも車両前方へ突出すべく傾斜された傾斜部材11と、該傾斜部材をインバータ3の側部に懸架させる連結部材12とから構成されている。
さらに、インバータ3に加えられる縦回転モーメントを強くするためには、なるべく連結部材12の取付け位置を高く設定するのが有利である。このため、本実施形態では、傾斜部材11に対する連結部材12の取付け位置およびインバータ3に対する連結部材12の取付け位置を、フロントサイドメンバ7からフロントアッパメンバ9までの高さの半分以上の高さに設定している。これにより、フロントアッパメンバ9からの荷重をインバータ3の縦回転に効果的に変換することができ、インバータ3を確実に積極的に回転させることができる。
すなわち、上記実施形態では、前側保護手段10の傾斜部材11を板状のものとしたが、本発明はこれに限定されず、棒状のもの、あるいは格子状のものでも良い。要は、車両の前突時に前から加えられる荷重を受け止めて電気機器を所望の方向へ回転させることができるものであれば良く、とくに形状は限定されない。したがって、傾斜部材は、連結部材の機能も併せ持ったブロック状のものであっても勿論良い。この場合は、連結部材を省略することができ、部品点数の削減に繋がる。
また、上記実施形態では、前側保護手段10の傾斜部材11を、その上部11aが下部11bよりも前に突出する構成としたが、本発明はこれに限らず、インバータ3の回転方向を上記実施形態における縦回転とは逆の反時計方向としたい場合には、逆に、下部11bを上部11aよりも車両前方へ突出するようにすれば良い。また、インバータ3を車両上方から見て時計回りまたは反時計回りに回転させて、高電圧ケーブル2を車両左側または右側に移動させたい場合には、傾斜部材11の右側部がその左側部よりも車両前方に突出するように傾斜させ、あるいはその逆に、傾斜部材11の左側部がその右側部よりも車両前方に突出するように傾斜させるようにしても良い。要は、車両の前突時にケーブルをどちらへ移動させたいかに応じて、前側保護手段の傾斜部材の傾斜方向を適宜決定すれば良い。
2 高電圧ケーブル
3 インバータ
4,5 モジュール用ブラケット
6 エンジンマウントブラケット
7 フロントサイドメンバ
8 フロントアッパブレース
9 フロントアッパメンバ
10 前側保護手段
11 傾斜部材
11a 上部
11b 下部
12 連結部材
13 カウルパネル
14 エッジ部
15 エンジン
16 ダッシュパネル
17 バンパビーム
18 ミッション
19 エンジンフード
100 エンジンルーム
101 インバータ
102 フロントサイドメンバ
103,104 ブラケット
105 エンジンマウントブラケット
106 高電圧ケーブル
107 カウルパネル
108 エッジ部
109 ダッシュパネル
110 フロントアッパブレース
111 フロントアッパメンバ
Claims (5)
- エンジンルーム内に設置された電気機器の後方にケーブルが接続された車両の電気機器の保護構造において、一端部が車両前方へ突出すべく傾斜させた傾斜部材と該傾斜部材を上記電気機器に懸架させる連結部材とからなる前側保護手段を上記電気機器の前方に設置し、もって、車両前方から荷重を受けた際に、該荷重を上記前側保護手段の傾斜部材によって受け止めることにより、上記電気機器を所望の方向へ回転移動させるようにしたことを特徴とする車両の電気機器の保護構造。
- 上記エンジンルームの前方に車両左右に渡って配設されたフロントアッパメンバに、上記傾斜部材が車両前方視で重合するように上記前側保護手段を配置したことを特徴とする請求項1に記載の車両の電気機器の保護構造。
- エンジンルーム内に設置された電気機器の後方にケーブルが接続された車両の電気機器
の保護構造において、
一端部が車両前方へ突出すべく傾斜させた傾斜部材と該傾斜部材を上記電気機器に懸架させる連結部材とからなる前側保護手段を上記電気機器の前方に設置し、
上記エンジンルームの前方に車両左右に渡って配設されたフロントアッパメンバに、上記傾斜部材が車両前方視で重合するように上記前側保護手段を配置したことを特徴とする車両の電気機器の保護構造。 - 上記前側保護手段の連結部材の上記電気機器に対する取付け位置は、上記エンジンルームの両側に配設されたフロントサイドメンバから上記フロントアッパメンバまでの高さの半分以上の高さとしたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両の電気機器の保護構造。
- 上記前側保護手段の傾斜部材を、上記フロントサイドメンバと上記フロントアッパメンバとを結ぶフロントアッパブレースより車体前方に傾斜させたことを特徴とする請求項4に記載の車両の電気機器の保護構造。
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