JP6412239B1 - 蓋用ラベル、及び湿潤シート用包装体 - Google Patents

蓋用ラベル、及び湿潤シート用包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】包装体に取り付ける際における密閉性の確保と、開閉動作後における密閉性の確保を図る。【解決手段】湿潤シート11を収納する湿潤シート用包装体10の袋本体12に形成された取出口14を覆う蓋用ラベル100であって、取出口の周縁部14aを含めて取出口を覆うように袋本体に剥離可能に貼付される開閉蓋部102と、開閉蓋部の基端に沿うように袋本体に貼付され、開閉蓋部の基端の一部と連結されて開閉蓋部を支持する支持部104と、開閉蓋部の側縁部102eに沿うように袋本体に貼付され、支持部の両端104a、104bから開閉蓋部の側縁部に沿って延出する側枠部106とを備え、開閉蓋部、支持部及び側枠部は、可撓性シートにスリット状の境界部分を設けることによって一体成型され、可撓性シートを2%引張した際の引張強度の値が縦方向及び横方向とも少なくとも6000gf/10mm以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、水やアルコール、薬液等の液体を含浸させたウエットティッシュ等の湿潤シートを収納する湿潤シート用包装体の取出口を繰り返し開閉可能に貼付して覆う蓋用ラベル、及び当該蓋用ラベルを貼付した湿潤シート用包装体に関する。
アルコール、保湿剤、界面活性剤等を含む薬液を紙、織布又は不織布の繊維素材に含浸させた湿潤シートであるウエットティッシュは、乾燥しないように、気密性及び不透水性を有する包装容器に収納される。湿潤シートには、皮膚の汚れを拭き取ったり、化粧落とし、幼児のお尻拭き、掃除用のウェットシート等、様々なものがある。これらのウエットティッシュは、含ませた薬液が乾燥しないように、気密性及び不透水性を有する可撓性の樹脂フィルムからなる包装体に収納して製品とされる。包装体の表面略中央部には、取出口が形成され、この取出口の上面に独立部品である蓋用ラベルが繰返して開閉・密封可能に装着されている。
このような従来の包装体の蓋用ラベルを用いた場合には、蓋用ラベルを剥離して内容物であるウエットティッシュを取りだした後に、包装体に再密着させる際に、充分に注意を払わないと包装体の表面、特に取出口の近傍が皺になりやすく、蓋用ラベルが包装体に密着せず、隙間が発生してしまう。このため、携行時にウエットティッシュに含浸させてある薬液が漏れたり、蒸発してしまいウエットティッシュが乾燥してしまう等の課題があった。このような課題を解決する先行技術として、特許文献1には、取出口の周縁部に補強ラベルを貼って、当該周縁部が皺にならないように蓋用ラベルを貼れるようにした包装体が開示されている。また、特許文献2及び特許文献3には、蓋用ラベルの周囲に枠部を設けることによって、貼り付け位置を正確にして包装体内部の乾燥を防ぐようにした包装体の蓋用ラベルが開示されている。
湿潤シート用包装体やその蓋用ラベルを製造する過程において、時間的にも費用的にも余分なコストがかからないことが好ましい。また、湿潤シート用包装体は、薄い可撓性を有する樹脂フィルムから形成されるので、その表面が柔らかく、よれて波打ちや皺が発生し易い。このため、包装体の製造過程等で包装体の取出口を覆うように蓋用ラベルを取り付ける際に、取出口の周縁部に波打ちや皺が発生して、密閉性を確保するように包装体の袋本体に取り付け難いことが問題となっている。このような課題を解決する先行技術として、特許文献4には、蓋用ラベルの厚さを少なくとも200μm以上とすることによって、より効率的に包装体の袋本体に蓋用ラベルを取り付ける際における密閉性の確保と、蓋用ラベルの開閉動作後における密閉性の確保の双方の両立を実現させる蓋用ラベルが開示されている。
特開平09−150872号公報 特開平10−024972号公報 特開2002−104550号公報 特開2016−034846号公報
しかしながら、蓋用ラベルを厚手にすることによって、蓋用ラベルの材料コストが嵩むことと加工時におけるロールが嵩張ることが問題となっていた。すなわち、蓋用ラベルの材料コスト等も鑑みて、蓋用ラベルの開閉動作を繰り返した際における包装体の密閉性の確保と、包装体の袋本体に蓋用ラベルを取り付ける際における密閉性の確保の両立を図りつつ、蓋用ラベルを薄型化することが望まれる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、より効率的に包装体の袋本体に蓋用ラベルを取り付ける際における密閉性の確保と、蓋用ラベルの開閉動作後における密閉性の確保の双方の両立を図った上で薄型化が可能な新規かつ改良された蓋用ラベル、及び湿潤シート用包装体を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、湿潤シートを収納する湿潤シート用包装体の袋本体に形成された取出口を繰り返し開閉可能に貼付して覆う蓋用ラベルであって、少なくとも前記取出口の周縁部を含めて前記取出口を覆うように前記袋本体に剥離可能に貼付される開閉蓋部と、前記開閉蓋部の基端に沿うように前記袋本体に貼付され、前記開閉蓋部の基端の少なくとも一部と連結されて該開閉蓋部を支持する支持部と、前記開閉蓋部の側縁部に沿うように前記袋本体に貼付され、前記支持部の両端のそれぞれから前記開閉蓋部の前記側縁部に沿って延出する側枠部と、を備え、前記開閉蓋部、前記支持部及び前記側枠部は、厚さが100μm以上200μm未満のポリエチレンテレフタレートを主原料とした可撓性シートにスリット状の境界部分を設けることによって一体成型され、該可撓性シートは、2%引張した際の引張強度の値が縦方向及び横方向とも少なくとも6000gf/10mm以上の硬さを有することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、蓋用ラベルを構成する可撓性シートを2%引張した際の引張強度の値が縦方向及び横方向とも所定の高さ以上にすることによって、蓋用ラベルを薄型化した上で、包装体の袋本体に蓋用ラベルを取り付ける際における密閉性の確保と、蓋用ラベルの開閉動作後における密閉性の確保の双方の両立が実現される。
また、本発明の一態様では、前記可撓性シートは、前記ポリエチレンテレフタレートにより形成され、2%引張した際の引張強度の値が縦方向及び横方向とも少なくとも6700gf/10mm以上の硬さを有することとしてもよい。
このような構成とすることによって、包装体の袋本体に蓋用ラベルを取り付ける際における密閉性の確保と、蓋用ラベルの開閉動作後における密閉性の確保の双方の両立を図りながら、薄型化を確実に図るために必要な引張強度を確実に確保できるようになる。
また、本発明の一態様では、前記開閉蓋部の先端側には、該先端方向に突出する摘み部が形成され、該摘み部は、前記開閉蓋部が前記取出口を覆う際に、前記側枠部のそれぞれの先端の間に配置される構成となっていることとしてもよい。
このような構成とすることによって、開閉蓋部の開閉動作を容易にするので、開閉蓋部を閉じた際における袋本体の密閉性を確保し易くなる。
また、本発明の一態様では、前記支持部は、前記袋本体の長さ方向又は幅方向の何れかに沿って貼付され、前記開閉蓋部は、前記袋本体の前記幅方向又は前記長さ方向の何れかに対して前記取出口を開閉可能に覆う構成となっていることとしてもよい。
このような構成とすることによって、蓋用ラベルを包装体の袋本体に取り付ける際に、袋本体の表面の波打ちや皺を伸ばしながら貼り付けることができ、かつ、開閉蓋部を閉じた際における袋本体の密閉性を確保するための開閉動作が容易になる。
本発明の他の態様は、湿潤シートを収納する湿潤シート用包装体であって、気密性及び不透水性を有する可撓性シートにより形成され、前記湿潤シートを内部に収納する袋本体と、前記袋本体の表面に形成された取出口を繰り返し開閉可能に貼付して覆う上記の何れかに記載の蓋用ラベルと、を備えることを特徴とする。
本発明の他の態様によれば、蓋用ラベルを構成する可撓性シートを2%引張した際の引張強度の値が縦方向及び横方向とも所定の高さ以上にすることによって、袋本体に蓋用ラベルを取り付ける際における包装体の密閉性の確保と、蓋用ラベルの開閉動作後における包装体の密閉性の確保の両立を可能とした上で蓋用ラベルを含めた湿潤シート用包装体の薄型化が実現される。
以上説明したように本発明によれば、蓋用ラベルを構成する可撓性シートを2%引張した際の引張強度の値を縦方向及び横方向とも所定の高さ以上にすることによって、蓋用ラベルを薄型化した上で、包装体の袋本体に蓋用ラベルを取り付ける際における密閉性の確保と、蓋用ラベルの開閉動作後における密閉性の確保の双方の両立が実現される。
本発明の一実施形態に係る蓋用ラベルが設けられた湿潤シート用包装体の概略構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る蓋用ラベルが設けられた湿潤シート用包装体の蓋用ラベルが開いた状態を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る蓋用ラベルの概略構成を示す平面図である。 (A)乃至(D)は、本発明の一実施形態に係る蓋用ラベルの貼付及び開閉動作を示す説明図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
まず、本発明の蓋用ラベルが設けられた湿潤シート用包装体の一実施形態の構成について、図面を使用しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る蓋用ラベルが設けられた湿潤シート用包装体の概略構成を示す斜視図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る蓋用ラベルが設けられた湿潤シート用包装体の蓋用ラベルが開いた状態を示す斜視図である。
本実施形態に係る蓋用ラベル100が設けられた湿潤シート用包装体10は、気密性及び不透水性を有する可撓性シートであるフィルム素材からなる袋本体12の内部に、1枚毎に繰り出し可能に積層されたウエットティッシュ11が所謂ポップアップ式となるように収納されている。また、包装体10の袋本体12の一面12aの略中央部には、ウエットティッシュを取り出すための取出口14が形成され、当該取出口14を覆うように蓋用ラベル100が貼付されている。
袋本体12は、柔軟で気密性及び不透水性を有する可撓性シート、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂の単材又は複合材で形成されている。なお、袋本体12は、上述に限らず、上述の合成樹脂とアルミホイル、紙等とを貼りあわせた複合材からなるものであってもよい。
袋本体12は、フィルムの長辺の一端部及び短辺の両端部がシールされた、いわゆるピロータイプの包装体であり、その内部には、ウエットティッシュ11が積層されて封入されている。なお、包装体10の袋本体12は、上述のような所謂ピロータイプに限らず、柔軟で気密性及び不透水性を有する可撓性シートのものからなり、その内部にウエットティッシュ等を収納できる包装体であれば、他の態様であってもよい。
袋本体12に収納されるウエットティッシュ11は、パルプ、綿、合成繊維などからなる不織布、天然パルプ、合成パルプなどからなる紙、又はガーゼ等の布など湿潤強度を有する繊維素材等に水、アルコール、香料、化粧水、薬剤、界面活性剤などの液体成分、又は溶液を含浸させたものである。ウエットティッシュ11は、一枚一枚が互いに重なりあって折り畳まれており、連続してウエットティッシュを袋本体12の取出口14から取り出せる、所謂ポップアップ式となるように袋本体12に収納されている。すなわち、複数のウエットティッシュ11のそれぞれが互いに一部重なるように折り畳んだ状態で積層されて袋本体12に収納される。
包装体10の袋本体12の一面12aの略中央部には、包装体10の長手方向に平行で両端が円弧をなす形状の取出口14が形成されている。取出口14には、当該取出口14よりも大きく形成され、袋本体12の取出口14の周縁部14aと貼り合わせることによって取出口14を繰り返して開閉可能に覆う蓋用ラベル100が貼付されている。
蓋用ラベル100は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂の単材又は複合材等の柔軟で気密性及び不透水性を有する可撓性シートにより形成され、図1に示すように、略矩形の形状を有し、袋本体12の一面12aに貼付されている。
本実施形態では、蓋用ラベル100は、図2に示す取出口14を開閉可能に貼付される開閉蓋部102の先端側に有する摘み部102aを除いた周囲を支持部104と側枠部106で囲う構成となっている。すなわち、蓋用ラベル100は、開閉蓋部102、支持部104、及び側枠部106の各境界部分がスリット状となって一体成型される構成となっている。なお、蓋用ラベル100は、開閉蓋部102が取出口14を周縁部14aも含めて被覆する所定の面積を有していれば、略矩形以外でも、例えば、円形や楕円形、三角形以上の多角形等の他の形状としてもよい。
蓋用ラベル100の裏面側、すなわち包装体10の袋本体12に対向する面には、包装体10に繰り返し剥離、貼付可能にするための再剥離接着剤糊として、例えば、ポリエステル系、アクリル系、ゴム系等の感圧接着剤が塗布され、袋本体12の一面12aに接着されて取出口14を閉塞する。本実施形態では、蓋用ラベル100の開閉蓋部102は、包装体10に繰り返し剥離、貼付され、支持部104と側枠部106は、貼付されたままの状態となっている。
開閉蓋部102は、少なくとも取出口14の周縁部14aを含めて取出口14を覆うように袋本体12に剥離可能に貼付されている。本実施形態では、開閉蓋部102は、先端側に有する摘み部102aを除く本体部分が略楕円形の形状となっている。開閉蓋部102の基端の略中央には、当該開閉蓋部102が袋本体12から外れないようにするために、袋本体12に貼付される支持部104と連結するための略矩形の連結部102bが設けられている。なお、連結部102bの構成は、開閉蓋部102の基端の少なくとも一部が支持部104と連結する構成となっていれば、他の形状、位置、個数としてもよい。
また、本実施形態では、開閉蓋部102は、その側縁部102eに沿って側枠部106が設けられ、側枠部106に沿って袋本体12の幅方向Yに対して取出口14を開閉可能に覆う構成となっている。開閉蓋部102の裏面102cには、上述した感圧接着剤が塗布されており、包装体10の袋本体12に繰り返し剥離、貼付可能となっている。
開閉蓋部102の裏面102cの略中央には、図2に示すように、取出口14を覆う内蓋12bが貼付されている。内蓋12bは、袋本体12の取出口14が形成される部分に該当し、開閉蓋部102を最初に剥離するまでは、袋本体12とミシン目状の連結点を介して連結されている。そして、開閉蓋部102が最初に剥離された際に、内蓋12bは、開閉蓋部102の裏面102cに塗布された感圧接着剤によって、袋本体12の取出口14となる部分を切り離して、かかる切り離された部分が当該裏面102cに貼付されて、取出口14を覆う内蓋12bとなる。
蓋用ラベル100の開閉蓋部102の先端側には、開閉蓋部102を繰り返し剥離、貼付するための摘み部102aが形成されている。摘み部102aは、開閉蓋部102の先端方向に略円弧状に突出して形成されている。摘み部102aは、摘みやすくするために、図2に示すように、上述した再剥離接着剤糊が摘み部102aの裏面102a1に塗布されておらず、包装体10の袋本体12に接着されていない。
また、摘み部102aは、図1に示すように、開閉蓋部102が取出口14を覆う際に、側枠部106a、106bのそれぞれの先端106a1、106b1の間に配置される構成となっている。このような構成とすることによって、開閉蓋部102の開閉動作をし易くなるので、開閉蓋部102を閉じた際における袋本体12の密閉性も確保し易くなる。なお、摘み部102aは、上述した構成に限らず、開閉蓋部102の先端に形成されて、ユーザによって剥離動作を容易に行なえるものであればよく、その形状が、例えば、矩形、台形等であってもよい。
支持部104は、開閉蓋部102の基端に沿うように袋本体12に貼付され、開閉蓋部102の基端の略中央に有する連結部102bと連結されて当該開閉蓋部102が袋本体12から外れないように支持する。また、本実施形態では、図2に示すように、支持部104は、袋本体12の長さ方向Xに沿って貼付されているので、開閉蓋部102が袋本体12の幅方向Yに対して取出口14を開閉可能に覆う構成となっている。このため、開閉蓋部102を閉じた際における袋本体12の密閉性を確保するための開閉動作がし易くなる。
側枠部106は、開閉蓋部102の側縁部102eに沿うように袋本体12に貼付され、支持部104の両端104a、104bのそれぞれから開閉蓋部102の側縁部102eに沿って袋本体12の幅方向Yに延出する構成となっている。側枠部106a、106bは、図1に示すように、先端側が略L字型の形状となっており、その先端106a1、106b1の間に、開閉蓋部102の先端に有する摘み部102aが配置するようになっている。
本実施形態では、このように側枠部106(106a、106b)が設けられるので、開閉蓋部102の開閉動作を繰り返しても、開閉蓋部102が側枠部106に沿って取出口14を覆う定位置に戻って貼付されるようになる。このため、開閉蓋部102を閉じた際に、当該開閉蓋部102が取出口14からずれるリスクを低減するので、包装体10の密閉性を確保し易くなる。
また、本実施形態では、蓋用ラベル100を構成する開閉蓋部102、支持部104及び側枠部106は、可撓性シートにスリット状の境界部分を設けることによって一体成型され、当該可撓性シートを2%引張した際の引張強度の値が縦方向(図1に示すY方向)及び横方向(図1に示すX方向)とも少なくとも6000gf/10mm以上の硬さを有することを特徴とする。すなわち、蓋用ラベル100は、それ自体で保形性を有して皺になり難いものが望ましいので、従来から例えば2%引張した際の引張強度の値が縦方向及び横方向とも少なくとも5100gf/10mm以上の硬さを有するものが使用されていたが、本実施形態では、従来のものよりも更に引張強度の値が高い硬さを有するものが使用されている。
具体的には、本実施形態では、蓋用ラベル100を構成する可撓性シートの2%引張した際の引張強度の値が縦方向及び横方向とも少なくとも6000gf/10mm以上の硬さにするために、ポリエチレンテレフタレートを主原料として、その厚さを少なくとも100μm以上としている。特に、蓋用ラベル100をポリエチレンテレフタレートの単体により形成して、その厚さを少なくとも100μm以上とすることによって、2%引張した際の引張強度の値が縦方向及び横方向とも少なくとも6700gf/10mm以上になるので、前述した本発明の目的を達成するために必要とされる2%引張した際の引張強度の値が縦方向及び横方向とも少なくとも6000gf/10mm以上の硬さを確実に確保できる。
このため、包装体の袋本体に蓋用ラベル100を取り付ける際における密閉性の確保と、蓋用ラベル100の開閉動作後における密閉性の確保の双方の両立を図りながら、薄型化を確実に図ることができる。また、蓋用ラベル100の硬質化と薄型化を図ることによって、蓋用ラベル100の包装体10への貼り付け作業と剥離作業を実施し易くすることができる。すなわち、蓋用ラベル100の包装体10への貼付・剥離、着脱する際における作業効率を高めることができる。なお、蓋用ラベル100をポリエチレンテレフタレートで形成する場合に、その厚さを少なくとも100μm以上とするために、単体のシートの厚さを100μm以上としても、複数のシートを張り合わせて、その合計の厚さを100μm以上としてもよい。
このように蓋用ラベル100を開閉蓋部102と支持部104と側枠部106の一体型として、2%引張した際の引張強度の値が縦方向及び横方向とも少なくとも6000gf/10mm以上の硬さを有する構成にすることによって、袋本体12に蓋用ラベル100を取り付ける際に、袋本体12の一面12aに有する波打ちや皺を引き延ばしながら取り付けられるようになる。そして、袋本体12に取り付けた後には、開閉蓋部102が側枠部106に沿って開閉動作されるので、開閉蓋部102がより確実に取出口14を覆うようになり、開閉動作後における包装体10の密閉性が確保されるようになる。すなわち、より効率的に袋本体12に蓋用ラベル100を取り付ける際における密閉性の確保と、蓋用ラベル100の開閉蓋部102の開閉動作後における密閉性の確保の両立がより長期間実現されるようになる。
次に、本発明の一実施形態に係る湿潤シート用包装体の蓋用ラベルの構成等に関する詳細について、図面を使用しながら説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る蓋用ラベルの概略構成を示す平面図である。
本発明者は、前述した本発明の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、蓋用ラベル100を構成する可撓性シートを2%引張した際の引張強度の値が縦方向(図3に示すY方向)及び横方向(図3に示すX方向)とも少なくとも6000gf/10mm以上にして従来よりも硬くすることによって、蓋用ラベル100を包装体10の袋本体12に取り付ける際に、袋本体12の表面12aの波打ちや皺を伸ばしながら貼り付けられることを見出した。また、蓋用ラベル100を構成する可撓性シートを2%引張した際の引張強度の値が縦方向及び横方向とも少なくとも6000gf/10mm以上にして従来よりも硬くすることによって、袋本体12の表面12aの波打ちや皺を伸ばしながら貼り付けられるので、蓋用ラベル100の開閉動作を繰り返し行っても、包装体10の密閉性をより長期間維持できることを見出した。さらに、蓋用ラベル100の引張強度に基づく硬さを高めることによって、蓋用ラベル100の厚さの好適値を100μm以上200μm未満に薄型化が実現されることを見出した。
本実施形態の蓋用ラベル100は、開閉蓋部102、支持部104及び側枠部106が可撓性シートで一体成型され、2%引張した際の引張強度の値が縦方向及び横方向とも少なくとも6000gf/10mm以上であることを特徴とする。蓋用ラベル100は、図3に示すように、略矩形の形状を有し、開閉蓋部102の先端側に有する摘み部102aを除いた周囲を支持部104と側枠部106で囲う構成となっている。また、蓋用ラベル100の開閉蓋部102、支持部104及び側枠部106の各境界部分は、スリット状になっている。
蓋用ラベル100は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂シートの単材又は複合材、又はこれら合成樹脂シートとアルミホイル、紙等とを貼り合わせた複合シートからなる柔軟で気密性及び不透水性を有する可撓性シートにより形成されている。特に、2%引張した際の引張強度の値が縦方向及び横方向とも少なくとも6000gf/10mm以上の硬さを確保するためには、蓋用ラベル100は、ポリエチレンテレフタレートを主原料として形成することが好ましい。なお、蓋用ラベル100は、上述の材質に限らず、2%引張した際の引張強度の値が縦方向及び横方向とも少なくとも6000gf/10mm以上の硬さを確保した上で、全体として蓋用ラベル100の開閉蓋部102の剥離、貼付動作を繰り返し行った場合にも傷まず、適度な柔軟性、気密性や液密性を保てるものであれば、他の材質でもよい。
本実施形態では、蓋用ラベル100は、袋本体12に蓋用ラベル100を取り付ける際に、袋本体12の一面12aに有する波打ちや皺を引き延ばしながら取り付けられるようにするために、2%引張した際の引張強度の値が縦方向及び横方向とも少なくとも6000gf/10mm以上となる硬さを有する。このように、蓋用ラベル100を従来よりも硬くすることによって、袋本体12に蓋用ラベル100を取り付ける際に、蓋用ラベル100により強い応力が働くようになるので、袋本体12の波打ちや皺を伸ばすように作用するようになる。
また、本実施形態では、蓋用ラベル100は、2%引張した際の引張強度の値が縦方向及び横方向とも少なくとも6000gf/10mm以上となる硬さを有するので、上述した蓋用ラベル100による強い応力を作用させるために、蓋用ラベル100は、100μm以上200μm未満の厚さとすることができる。すなわち、蓋用ラベル100が上述した硬さを有することによって、蓋用ラベル100は、開閉蓋部102、支持部104及び側枠部106のそれぞれの厚さが100μm以上200μm未満となるように一体成型される構成とすることができる。このため、包装体10の袋本体12に蓋用ラベル100を取り付ける際における密閉性の確保と、蓋用ラベル100の開閉動作後における密閉性の確保の双方の両立をより長期間図りながら、蓋用ラベル100の薄型化が確実に図れるようになる。
次に、本発明の一実施形態に係る湿潤シート用包装体の蓋用ラベルの貼付及び開閉動作について、図面を使用しながら説明する。図4(A)乃至(D)は、本発明の一実施形態に係る蓋用ラベルの貼付及び開閉動作を示す説明図である。
ウエットティッシュ11が収納され、蓋用ラベル100が貼付される包装体10の袋本体12は、薄い可撓性を有する樹脂フィルムから形成されるので、その表面が柔らかく、よれて波打ちや皺が発生し易い。本実施形態の蓋用ラベル100は、図4(A)に示すように、波打ち12a1や皺が発生している袋本体12の一面12aに貼付される。このとき、支持部104(図3参照)が袋本体12の長さ方向に沿って貼付される。なお、本実施形態では、蓋用ラベル100を袋本体12に貼付する際に、支持体104が袋本体12の長さ方向(図3に示すX方向)に沿って貼付されているが、幅方向(図3に示すY方向)に沿って貼付されるようにしてもよい。
前述したように、本実施形態では、蓋用ラベル100は、2%引張した際の引張強度の値が縦方向及び横方向とも少なくとも6000gf/10mm以上の硬さを有するので、袋本体12の一面12aに貼付され始めると、図4(B)に示すように、応力が働いて袋本体12の一面12aに有する波打ち12a1や皺を伸ばしながら、貼り付けられるようになる。すなわち、蓋用ラベル100の硬さを前述の条件とすることによって、表面に波打ち12a1や皺が生じやすい包装体10の袋本体12に、当該波打ち12a1や皺を伸ばすようにして蓋用ラベル100を貼付できるので、包装体10の密閉性を確保するように、袋本体12に取り付け易くなる。
そして、蓋用ラベル100が袋本体12の一面12aに貼られ終わると、図4(C)に示すように、袋本体12の波打ち12a1や皺が完全に伸ばされて、蓋用ラベル100が袋本体12に密着した状態で貼り付けられるようになる。すなわち、包装体10の袋本体12に蓋用ラベル100を取り付ける際における袋本体12の密閉性が確保された状態となる。換言すると、包装体10の出荷時における密閉性が確保された状態となる。
その後、図4(D)に示すように、側枠部106に沿って開閉蓋部102を袋本体12に対して開閉させるので、開閉蓋部102が開閉動作後に取出口14を覆う定位置に誘導されるようになる。このため、蓋用ラベル100の開閉蓋部102の開閉動作後における包装体10の密閉性を確保し易くなる。本実施形態では、支持部104が袋本体12の長さ方向に沿って貼付されるので、開閉蓋部102は、袋本体12の幅方向に対して取出口14を開閉可能に覆う構成となる。なお、支持部104が袋本体12の幅方向に沿って貼付されるようにした場合では、開閉蓋部102は、袋本体12の長さ方向に対して取出口14を開閉可能に覆う構成となる。
このように、本実施形態では、開閉蓋部102のガイドとなる側枠部106を設けた蓋用ラベル100の全体の硬さを従来よりも増大させたので、包装体10の袋本体12に取り付ける際に、支持部104が袋本体12の長さ方向又は幅方向の何れかに沿うようにして、袋本体12の表面12aの波打ち12a1や皺を伸ばしながら貼り付けられる。すなわち、開閉蓋部102の側縁部102eに沿うように側枠部106を設けた蓋用ラベル100を一体成型して、従来よりも一層硬くすることによって、袋本体12の取出口14の周囲等を波打ちや皺にならないようにすることができる。
このため、従来のような余分な補強ラベル等の別部材を使用しないで、包装体10の袋本体12に蓋用ラベル100を取り付ける際における包装体10の密閉性を確保できる。すなわち、従来のような補強ラベル等の別部材を加工する工程や、当該別部材を包装体に貼付する工程が不要となるので、前述した本発明の目的を達成できる蓋用ラベル100の生産効率が向上する。また、補強ラベル等を不要した上で薄型化も図れるので、材料コストの低減も図れる。
さらに、蓋用ラベル100の全体の硬さを従来よりも増大させたので、袋本体12に蓋用ラベル100を取り付ける際における密閉性の確保と、蓋用ラベル100の開閉蓋部102の開閉動作後における密閉性の確保の両立を図る機能をより長期間保持しつつ、蓋用ラベル100の厚さを薄くできる。このため、蓋用ラベル100の包装体10への貼付作業と剥離作業を実施し易くなるので、ユーザにとって使用勝手が改善して当該密閉性の確保の両立をより長期間図り易くした上で、材料コストの低減と、蓋用ラベル100及び当該蓋用ラベル100を貼付した湿潤シート用包装体の薄型化が確実に図れる。
また、蓋用ラベル100を開閉蓋部102と支持部104と側枠部106とを所定の硬さを有する可撓性シートで一体成型した構成としているので、包装体10に蓋用ラベル100を貼付した後において、蓋用ラベル100の開閉動作後における包装体10の密閉性をより長期間確保できるようになる。すなわち、蓋用ラベル100を包装体10の袋本体12に取り付けた後に、開閉蓋部102の開閉動作を繰り返しても、取出口14を覆う定位置に開閉蓋部102が誘導されるようになるので、包装体10の使用開始後における密閉性をより長期間確保できるようになる。
さらに、蓋用ラベル100を2%引張した際の引張強度の値が縦方向及び横方向とも少なくとも6000gf/10mm以上となる硬さにすることによって、包装体10を製造する過程において、ウエットティッシュ11を収納した袋本体12に蓋用ラベル100を貼付する際に、袋本体12の取出口14の周辺に皺がよれた状態で蓋用ラベル100が貼付された欠陥品となるリスクが低減される。すなわち、包装体10を製造する際における蓋用ラベル100の歩留りを向上させられる。具体的には、本実施形態の蓋用ラベル100を備える包装体10を製造する際に、包装体10の生産個数に対する蓋用ラベル100の使用枚数を減少させ、その歩留りに関して数%程度の向上を見込めるので、極めて大きな工業的価値を有する。
次に、前述した本発明の一実施形態における効果を実証する実施例となる実験結果について説明する。本実施例では、本発明の一実施形態に係る湿潤シート用包装体の蓋用ラベルを使用することによる使用時の密閉性を確認するための評価実験を行った。なお、本発明は、本実施例に限定されるものではない。
まず、本発明の一実施形態に係る蓋用ラベルを構成する可撓性シートの好適な材質及び厚さを選定した。すなわち、現状において流通しているラベル用シートで比較的硬度を有する材質である二軸延伸ポリプロピレン(以下、OPP)、ポリ塩化ビニル(以下、PVC)、及びポリエチレンテレフタレート(以下、PET)を主原料として実際にラベルを作成して、当該ラベルの材質と引張強度と乾燥減量を確認する試験を行った。
具体的には、下記の材質・構成、厚さで作製したラベルを評価用に10mm幅にカットし、当該ラベルに対して引張試験機を用いてチャック間距離:50mm、引張速度:300m/minで2%引張した際の引張強度の値を測定して評価した。
1)材質・構成OPP40/PET50、厚さ90μm
2)材質・構成PVC80/PVC80、厚さ160μm
3)材質・構成OPP100、厚さ100μm
4)材質・構成PET25、厚さ25μm
5)材質・構成PET50、厚さ50μm
6)材質・構成PET75、厚さ75μm
7)材質・構成PET100、厚さ100μm
8)材質・構成PET25/PET75、厚さ100μm
9)材質・構成PET25/PET100、厚さ125μm
10)材質・構成PET25/PET75/PET50、厚さ150μm
そして、作成した各ラベルを貼付した湿潤シート用包装体のサンプルのシートを1枚抜き取る毎にラベルを閉じる抜き取り工程を繰り返し行った直後におけるサンプル製品の重量と、室温で4日間放置後のサンプル製品の重量を測定して、これらの重量差から乾燥減量(減量量)を測定して、乾燥減量の低減が見られるものを蓋用ラベルとして使用できるものとして選定した。その結果を下記の表1に示す。なお、下記の表1で蓋用ラベルとして使用できるものの可否については、〇×で表示している。
Figure 0006412239
前述の表1に示すように、一般的に使用されているOPP40/PET50のラベルや、PVC100%のラベル、OPP100%のラベルは、何れも縦方向及び横方向の2%引張強度の値が6000gf/10mm未満となるので、乾燥減量の低減が見られなかった。また、OPPやPVCと比べて硬度が高いPET100%のラベルでも、厚さが100μm未満のものは、何れも縦方向及び横方向の2%引張強度の値が6000gf/10mm未満となるので、乾燥減量の低減が見られなかった。
これに対して、PET100%で厚さが100μm以上のラベルでは、何れも縦方向及び横方向の2%引張強度の値が6000gf/10mm以上となり、乾燥減量の低減が見られた。このことから、乾燥減量の低減を満たすためには、PETラベルの厚さが少なくとも100μm以上必要なことが分かった。また、PETラベルの厚さが100μm以上であれば、複数のシートを張り合わせて、その合計の厚さを100μm以上としたものでも所望の引張強度を確保して、乾燥減量の低減が見られることが分かった。
次に、実施例1として、本発明の一実施形態に係る湿潤シート用包装体の蓋用ラベル(材質PET25/PET75、厚さ100μm)を用意した。また、かかる実施例1の比較対象となる比較例1として、当該実施例1の蓋用ラベルと同形状の蓋用ラベル(材質OPP40/PET50、厚さ90μm)を用意し、さらに、比較例2として、当該実施例の蓋用ラベルと同形状の厚手ラベル(材質PET25/PVC100/PET50、厚さ175μm)を用意した。そして、それぞれのラベルにおける引張強度の値と使用時の揮発性の確認を行った。
具体的には、下記の手順による評価方法を行った。
1)実施例1、比較例1、及び比較例2の各蓋用ラベルの硬度に関して、縦方向(図3に示すY方向)及び横方向(図3に示すX方向)のそれぞれについて引張試験機を使用して、2%引張した際の引張強度の値を測定して評価した。
2)40枚のシート(ウエットティッシュ)を袋本体がアルミホイルと合成樹脂シートとを貼り合わせた複合シート構成のフィルムからなる包装体で包装し、取り出し穴をあけて実施例1、比較例1、及び比較例2の各ラベルを蓋用ラベルとして貼った湿潤シート用包装体のサンプルを作成した。
3)上記の各湿潤シート用包装体のサンプルのシートを1枚抜き取る毎にラベルを閉じる工程を10回(10枚抜き取り)、20回(20枚抜き取り)、30回(30枚抜き取り)とそれぞれ繰り返し行った。
4)上記抜き取り工程後に、その直後のサンプル製品の重量と、室温で4日間放置後のサンプル製品の重量を測定して、これらの重量差から乾燥減量(減量量)を測定し、また、乾燥減量率((乾燥減量/抜き取り後の製品重量)×100)を算出した。
5)本評価試験では、上記の3)及び4)の工程をそれぞれ3回行って、3回ずつ測定、算出した抜き取り後の製品重量、4日放置後の製品重量、減量量、及び乾燥減量率の平均値を求めた。
前述した実施例1、比較例1、及び比較例2による各ラベルにおける上記評価方法により測定した引張強度の値は、実施例1のラベルでは、縦方向と横方向の2%引張強度は、それぞれ6700gf/10mm、7900gf/10mm、比較例1のラベルでは、縦方向と横方向の2%引張強度は、それぞれ5100gf/10mm、5800gf/10mm、比較例2のラベルでは、縦方向と横方向の2%引張強度は、それぞれ5840gf/10mm、6130gf/10mmとなった。また、使用時の揮発性の検証結果をまとめたものを下記の表2に示す。
Figure 0006412239
表2より、本発明の一実施形態に係る湿潤シート用包装体の蓋用ラベルである実施例1の蓋用ラベルは、比較例1の蓋用ラベルと比べて、ラベルの厚さを厚く、引張強度の値を高くすることによって、繰り返し使用した際における乾燥減量率が格段に少なくなることが分かった。特に、抜き取り枚数が20枚、30枚と増加するにつれて、実施例1に係る蓋用ラベルは、比較例1のラベルと比べて、乾燥減量率が大幅に向上することが分かった。
また、実施例1の蓋用ラベルは、比較例2の厚手ラベルと比べて、抜き取り枚数が10枚の場合では、繰り返し使用した際における乾燥減量率が幾分大きいものの、抜き取り枚数が20枚、30枚と増加するにつれて、実施例1に係る蓋用ラベルは、比較例2の厚手ラベルと比べて、乾燥減量率の増加を抑制できることが分かった。
すなわち、実施例1の蓋用ラベルは、比較例2のラベルよりも薄い構成としても、所定の高さ以上の引張強度の値を有する硬さにして、比較例2のラベルより硬い材質とすることによって、比較例2の厚手ラベルと同様に、密閉性を確保するのに必要な弾力性を確保できることが分かった。特に、ラベルを構成する可撓性シートを2%引張した際の引張強度の値が縦方向及び横方向とも少なくとも6000gf/10mm以上と、所定の高さ以上の引張強度の値を有するように、より硬くした上で薄型化を図ることによって、ラベルの着脱作業がし易くなるので、着脱作業を繰り返し使用しても、乾燥減少率が低い状態をより長期間維持できることが分かった。
このため、取出口を塞ぐために当該蓋用ラベルを再び袋本体に貼りつける際に、ラベルの貼付作業の効率化が図れるので、隙間なく貼りつけられる状態をより長期間確保できることが分かった。このことから、ラベルの厚さが比較例2の厚手ラベルより薄い実施例1の蓋用ラベルの方が当該比較例2の厚手ラベルよりも、蓋用ラベルの着脱を繰り返しても、包装体の密閉性をより長期間安定した状態で確保できることが実証された。
なお、上記のように本発明の一実施形態及び各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、蓋用ラベル及び湿潤シート用包装体の構成、動作も本発明の一実施形態及び各実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10 湿潤シート用包装体、11 ウエットティッシュ(湿潤シート)、12 袋本体、12a 一面、12a1 波打ち、14 取出口、14a 周縁部、100 蓋用ラベル、102 開閉蓋部、102a 摘み部、102b 連結部、102c 裏面、102e 側縁部、104 支持部、104a、104b (支持部の)両端、106、106a、106b 側枠部、106a1、106b1 (側枠部の)先端、108a 摘み部

Claims (5)

  1. 湿潤シートを収納する湿潤シート用包装体の袋本体に形成された取出口を繰り返し開閉可能に貼付して覆う蓋用ラベルであって、
    少なくとも前記取出口の周縁部を含めて前記取出口を覆うように前記袋本体に剥離可能に貼付される開閉蓋部と、
    前記開閉蓋部の基端に沿うように前記袋本体に貼付され、前記開閉蓋部の基端の少なくとも一部と連結されて該開閉蓋部を支持する支持部と、
    前記開閉蓋部の側縁部に沿うように前記袋本体に貼付され、前記支持部の両端のそれぞれから前記開閉蓋部の前記側縁部に沿って延出する側枠部と、を備え、
    前記開閉蓋部、前記支持部及び前記側枠部は、厚さが100μm以上200μm未満のポリエチレンテレフタレートを主原料とした可撓性シートにスリット状の境界部分を設けることによって一体成型され、該可撓性シートは、2%引張した際の引張強度の値が縦方向及び横方向とも少なくとも6000gf/10mm以上の硬さを有することを特徴とする蓋用ラベル。
  2. 前記可撓性シートは、前記ポリエチレンテレフタレートにより形成され、2%引張した際の引張強度の値が縦方向及び横方向とも少なくとも6700gf/10mm以上の硬さを有することを特徴とする請求項に記載の蓋用ラベル。
  3. 前記開閉蓋部の先端側には、該先端方向に突出する摘み部が形成され、該摘み部は、前記開閉蓋部が前記取出口を覆う際に、前記側枠部のそれぞれの先端の間に配置される構成となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓋用ラベル。
  4. 前記支持部は、前記袋本体の長さ方向又は幅方向の何れかに沿って貼付され、前記開閉蓋部は、前記袋本体の前記幅方向又は前記長さ方向の何れかに対して前記取出口を開閉可能に覆う構成となっていることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の蓋用ラベル。
  5. 湿潤シートを収納する湿潤シート用包装体であって、
    気密性及び不透水性を有する可撓性シートにより形成され、前記湿潤シートを内部に収納する袋本体と、
    前記袋本体の表面に形成された取出口を繰り返し開閉可能に貼付して覆う請求項1乃至の何れか1項に記載の蓋用ラベルと、
    を備えることを特徴とする湿潤シート用包装体。
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