JP6409521B2 - らせん巻きコア用電磁鋼板およびその製造方法、らせん巻きコア、らせん巻きコアの製造方法 - Google Patents

らせん巻きコア用電磁鋼板およびその製造方法、らせん巻きコア、らせん巻きコアの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、らせん巻きコア用電磁鋼板およびその電磁鋼板の製造方法と、その電磁鋼板から製造されたらせん巻きコアおよびらせん巻きコアの製造方法に関するものである。
近年、ハイブリッドカー(HEV)または電気自動車(EV)用として用いられる駆動用モータに対しては、高透磁率化および低鉄損化への要求が非常に高くなっている。また、近年、モータの高速回転化および多極化が進んでおり、コアを形成する電磁鋼板には、高周波での鉄損低減が求められている。
一方で、モータには、低コスト化の要求も高く、例えば材料の歩留まり向上のために、従来はオルタネータで採用されてきたらせん巻きコアを、HEVやEVの駆動用モータにも適用したいというニーズがある。従来のらせん巻きコア用素材としては、低合金系で結晶粒径が小さく加工性の良いSPCC等の無方向性電磁鋼板が用いられているが、これは、透磁率、鉄損ともに、HEVやEVの駆動用モータのスペックを満たすものではない。
一方、方向性電磁鋼板は、二次再結晶により{110}〈001〉方位、いわゆるGOSS方位の集積度を高めることで、鋼板の長手方向の透磁率が高く、鉄損が低くなる。
特許文献1には、方向性電磁鋼板を所定の長さに切断し、その長さが電磁鋼板の幅となるように接合することにより、幅方向に磁気特性が優れたらせんコア用長尺電磁鋼板が製造されることが開示されている。また、特許文献2には、らせんコアに加工した後焼鈍し、焼鈍後の粒径を0.1mm以上とすることにより、ティースの磁気特性が優れたらせんコアが製造されることが開示されている。
特許文献3には、鋼板を螺旋巻きしてなる積層部品において、鋼板表面の主要な結晶面方位が{011}、螺旋巻きの中心から半径方向の主要な結晶方位が<100>であり、その結晶面と結晶方位が30度以内、板幅方向の板厚偏差が4%以下で積層したときの占積率が95%以上であり、さらに積層部品を構成する材料の長手方向の最大伸び:P(%)と螺旋巻きした鋼板の外径Rと内径rの比R/rが、1.2≦R/r≦(100+P)/(100−P)を満足することにより、らせん加工後の板厚変化が小さい鋼板の積層部品が得られることが開示されている。
特許文献4には、方向性電磁鋼板製の回転機器用螺旋コアにおいて、螺旋コアのティース長さL、コアバック部平均直径D、および界磁極数Pが、2/P<D/(PL)<1.5で示される関係であることにより、磁気特性に優れ、高い形状精度のらせんコアが得られることが開示されている。
特許文献5には、T型歯を有するインナー螺旋回転機鉄心の製造方法において、鉄心素材として一方向性電磁鋼板を用い、歯方向を一方向性電磁鋼板の圧延方向に合わせて所定形状に採片し、鉄心継鉄部と歯先T型部の側端部を同時に螺旋加工することにより、高性能の螺旋鉄心を製造する方法が開示されている。
上記各特許文献は、いずれも、ティース部とコアバック部とが、同じ結晶粒径の方向性電磁鋼板で形成される。ところが、二次再結晶させた方向性電磁鋼板は、結晶粒径が1mm以上(数mm〜十数mm)と大きく、曲げ加工には適していない。らせん巻きコアを形成する際、コアバック部には曲げ加工が入るが、二次再結晶させた方向性電磁鋼板の粗大な結晶粒では、折れることなく滑らかに加工するのは困難である。特許文献3には、方向性電磁鋼板を幅方向に曲げると、板厚変化のないらせん巻きコアができることが記載されているが、通常の方向性電磁鋼板では板厚に対し結晶粒径が大きいため、曲げ加工中に折れが生じる懸念がある。
また、高Si系の無方向性電磁鋼板にスキンパス圧延を加えて加工性を良好にする技術もあるが、この場合、曲げ加工をしないティース部も磁気特性が劣化してしまう。あるいは、らせん巻き加工後に歪み取り焼鈍を行う必要がある。
さらに、特許文献6には、積層コアを円筒状に巻回形成する過程で、部分的に塑性変形させて薄肉部を形成し、その薄肉部によって良好に螺旋状に巻取ることができる固定子鉄芯が開示されているが、薄肉部に歪みを導入しているため、コアの磁気特性が低下する。
特開平7−298569号公報 特開平7−298570号公報 特開平8−251845号公報 特開平9−92561号公報 特開2006−254645号公報 特開2014−45641号公報
以上のように、従来のらせん巻きコアは、高性能な磁気特性と、コアバック部の曲げ加工性とを両立していなかった。
本発明の目的は、低コストで磁気特性および曲げ加工性に優れたらせん巻きコア用電磁鋼板、およびその電磁鋼板から作られるらせん巻きコアを提供することにある。
上記問題を解決するため、本発明は、結晶粒径が1mm以上の結晶粒が体積率で90%以上の、ティース部となる二次再結晶部と、結晶粒径が10μm〜500μmの、コアバック部となる微細結晶部とが、圧延方向に交互に配置されていることを特徴とする、らせん巻きコア用電磁鋼板を提供する。
また、本発明は、前記らせん巻きコア用電磁鋼板を製造する方法であって、製鋼、熱間圧延、冷間圧延、および複数の熱処理工程を有し、二次再結晶を発現させる工程よりも前に、電磁鋼板の圧延方向に一定の間隔をあけて一定の長さにわたって、二次再結晶を阻害する処理を行うことにより、前記二次再結晶部と前記微細結晶部とを、前記圧延方向に交互に配置することを特徴とする、らせん巻きコア用電磁鋼板の製造方法を提供する。前記二次再結晶を発現させる処理は、仕上げ焼鈍であってもよい。
前記二次再結晶を阻害する処理は、前記電磁鋼板への歪みの導入でもよい。あるいは、焼鈍分離剤の除去、または、前記電磁鋼板の表面へのインヒビタ形成元素の塗布であってもよい。
さらに、本発明は、前記らせん巻きコア用電磁鋼板から作られたらせん巻きコアであって、ティース部が前記二次再結晶部から、コアバック部が前記微細結晶部から打ち抜かれたコア素材をらせん加工したものであることを特徴とする、らせん巻きコアを提供する。
また、本発明は、前記らせん巻きコア用電磁鋼板から、らせん巻きコアを製造する方法であって、ティース部を前記二次再結晶部から、コアバック部を前記微細結晶部から打ち抜いたコア素材をらせん加工することを特徴とする、らせん巻きコアの製造方法を提供する。
本発明によれば、低コストで且つ磁気特性および加工性の両方に優れたモータコアを製造するためのらせん巻きコアに適した電磁鋼板、およびその電磁鋼板から作られるらせん巻きコアを得ることができる。
本発明にかかる電磁鋼板の概要を示す部分平面図である。 図1に示す電磁鋼板を用いた、コア素材の打ち抜き例を示す平面図である。 図1に示す電磁鋼板から打ち抜かれたコア素材の例を示す平面図である。 コア素材の異なる例を示す平面図である。 図3のコア素材を用いて作られたらせん巻きコアの例を示す平面図である。 実施例1において、比較例としてティース部およびコアバック部の両方が二次再結晶部となるように打ち抜いた場合を示す平面図である。 実施例1において、比較例としてティース部とコアバック部とがそれぞれ微細結晶部と二次再結晶部とになるように打ち抜いた場合を示す平面図である。 実施例1において、比較例としてティース部およびコアバック部の両方が微細結晶部となるように打ち抜いた場合を示す平面図である。 実施例2において、比較例として作製した二次再結晶部と微細結晶部とが幅方向に交互に配置されている電磁鋼板を示す平面図である。 実施例2において、比較例としてティース部とコアバック部とが二次再結晶部と微細結晶部とで交互になるように打ち抜いた場合を示す平面図である。 実施例2において、比較例としてティース部を二次再結晶部から、コアバック部を微細結晶部から打ち抜いた場合を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本発明は、曲げ加工を行わないティース部は二次再結晶させ、曲げ加工を行うコアバック部は二次再結晶させないように電磁鋼板を処理することで、ティース方向は透磁率および鉄損の性能に優れるとともに、コアバック部は容易に成形可能な、らせん巻きコアおよびその素材となる電磁鋼板を実現するものである。なお、本明細書において、粒径とは、結晶粒の面積を円に換算したときの直径である。
一般に、方向性電磁鋼板の製造工程は、製鋼、熱間圧延、冷間圧延、および、脱炭焼鈍、必要に応じた窒化、仕上げ焼鈍等の各種熱処理による工程で製造され、圧延方向(長手方向)に磁気特性が優れる。冷間圧延後の脱炭焼鈍により、圧延時の加工歪みが入った結晶組織が再結晶(一次再結晶)して歪みが解放される。一次再結晶後の結晶粒径は10〜20μm程度である。それを再び焼鈍(仕上げ焼鈍)することで、二次再結晶が起こり、直径が1mm以上の大きな結晶粒が体積率で90%以上存在するようになる。
本発明の電磁鋼板は、Siを2〜7質量%含有し、Al、Mn等の固有抵抗を上げる元素は、二次再結晶を阻害しない範囲で添加してもよい。そして、本発明では、二次再結晶を発現させる前、すなわち本実施形態では仕上げ焼鈍よりも前の工程として、長手方向に一定の間隔且つ一定の幅で、二次再結晶を阻害して微細結晶部を形成するための処理を行う。その他の工程は、従来の方向性電磁鋼板の製造工程と同様である。
二次再結晶を阻害する処理としては、例えばショットブラストあるいはショットピーニング、曲げ加工、レーザピーニング等で、脱炭焼鈍後の鋼板に部分的に再度歪みを与えて、二次再結晶時の昇温過程に粒成長させて二次再結晶の駆動力を減らす方法がある。また、焼鈍分離剤の塗布を部分的にする、あるいは部分的に焼鈍分離剤を除去してインヒビタの状態を変化させる方法や、あるいは、例えば、Al、Mn等のインヒビタ形成元素を鋼板表面に直接塗布することで、インヒビタの強度を変化させ、その部分のみ正常な二次再結晶を起こさせないようにする方法がある。これらのうちいずれかの処理を行うことにより、仕上げ焼鈍時に処理部分の正常な二次再結晶を阻害し、結晶粒径10〜500μmで磁気異方性が小さく、加工性の良好な組織の微細結晶部が形成される。また、この処理をしていない部分は、磁気特性が優れ、粒径が大きい二次再結晶部となる。
図1は、本実施形態にかかる電磁鋼板1の模式図であり、電磁鋼板1の圧延方向である長手方向に、二次再結晶部2と微細結晶部3とが交互に形成されている。図中の矢印は圧延方向を示す。二次再結晶部2および微細結晶部3の、電磁鋼板1の長手方向の寸法は、製造するらせん巻きコアの寸法に合わせて設定される。
図2は、図1の電磁鋼板1から、らせん巻きコアのコア素材11を打ち抜く例を示し、図3は、図2で打ち抜かれたコア素材11を示す。コア素材11は、ティース部12方向が、電磁鋼板1の長手方向に平行になるように打ち抜かれ、ティース部12を二次再結晶部2から、コアバック部13を微細結晶部3から採取する。図2に示すように、ティース部12の幅と、ティース部12とティース部12との間隔が等しい場合には、電磁鋼板1を効率よく利用し、材料歩留まりを上げ、打ち抜きの効率もよい。ただし、本発明は、図2の場合に限らず、ティース部12の幅と、ティース部12とティース部12との間隔が異なる場合でも構わない。また、ティース部12の形状は、目的に応じて適宜成形してよい。
また、コア素材11は、図3に示すように、ティース部12全体が二次再結晶部2であり、コアバック部13全体が微細結晶部3であることが望ましいが、図4に示すように、ティース部12の一部が微細結晶部3であっても構わない。一方、コアバック部13に二次再結晶部2が存在すると、コアバック部13の曲げ加工性を低下させることになるが、鋼材成分や製造条件に依存する加工性の程度やコアバック部形状に起因する必要加工性を勘案した設計が可能である。
電磁鋼板1から打ち抜かれたコア素材11は、らせん加工をして、例えば図5に示すようならせん巻きコア14が形成される。らせん加工とは、従来のらせん巻きコアと同様に、コア素材の板面内で塑性加工により曲げ加工を行い、これらを積層してらせんコアを形成し、回転機のコアとするものである。本発明のらせん巻きコア14によれば、微細結晶部3から作られたコアバック部13を曲げ変形させるため、容易にらせん加工を行うことができる。
以上のように、本発明のらせん巻きコアは、ティース部12のティース方向を、素材となる電磁鋼板1の長手方向に揃えることができるため、電磁鋼板1の良好な磁気特性をそのまま活用できる。しかも、コアバック部13は微細結晶部3であるため、曲げ加工性が良好である。しかも、このようならせん巻きコア14を、1枚の電磁鋼板1から打ち抜いて作ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、仕上げ焼鈍での二次再結晶を阻害し微細結晶領域を形成するための処理は、前述の方法に限らず、部分的な熱処理や、部分的な脱炭抑止剤の塗布や、窒化により二次再結晶を正常化させるプロセスでは部分的な窒化抑止剤の塗布など、正常な二次再結晶を阻害すると考えられる手段を適用できる。
また、現実的には、二次再結晶部2と微細結晶部3とは、図1〜5に示すように明確な境界線で分かれるものではなく、境界部分に両結晶部が混在していてもよい。その場合、ティース部が二次再結晶部2のみから打ち抜かれたものではなく、一部微細結晶部3が混在してもよいし、コアバック部が微細結晶部3のみから打ち抜かれたものでなく、一部二次再結晶部2が混在してもよい。
板厚0.35mmの方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍板に対し、圧延方向に一定の間隔をあけて一定の長さにわたって、二次再結晶を阻害する処理を行い、その後高温の仕上げ焼鈍を行うことにより、結晶粒径が1mm以上の結晶粒が体積率で90%以上の二次再結晶部2と、結晶粒径が10μm〜500μmの微細結晶部3とが、図1に示すように圧延方向に交互に配置されている電磁鋼板1を作製した。その電磁鋼板1を用いてらせん巻きコア用素材を打ち抜く際に、ティース部12とコアバック部13とが図2に示すようにそれぞれ二次再結晶部2と微細結晶部3とに当たるように打ち抜き、その後、図5に示すようにティース部12が内側になる様にらせん加工した。らせん加工後、ティース部12に巻線を行い、ステータコアを作製した。そして、ステータコアをモータベンチにセットし、モータ性能を評価した。比較例として、板厚0.35mmの無方向性電磁鋼板35A300を用いてらせん巻きコアを作製し、モータ性能の評価基準とした。さらに、比較例として、図6に示すようにティース部12およびコアバック部13の両方が二次再結晶部2となるように打ち抜いた場合、図7に示すようにティース部12とコアバック部13とがそれぞれ微細結晶部3と二次再結晶部2とに当たるように(本発明とは反対に)打ち抜いた場合、図8に示すようにティース部12およびコアバック部13の両方が微細結晶部3となるように打ち抜いた場合について比較を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006409521
表1に示すように、ティース部12が二次再結晶部2から、コアバック部13が微細結晶部3から打ち抜かれたコア素材11をらせん加工した本発明例は、コアバック部13に折れが発生せず、モータ性能は35A300を用いたらせん巻きコアよりも良好であった。
ティース部12が打ち抜かれた場所が、二次再結晶部2、微細結晶部3にかかわらず、コアバック部13の打ち抜かれた場所が二次再結晶部2の場合、らせん巻き時にコアバック部13に折れが発生し、らせん巻きコアを作製することができなかった。
ティース部12、コアバック部13ともに微細結晶部3の場合、らせん加工時にコアバック部13に折れは発生しなかったが、モータ性能は35A300を用いたらせん巻きコアとほぼ同等であった。
板厚0.35mmの方向性電磁鋼板の脱炭焼鈍板に対し、圧延方向に一定の間隔をあけて一定の長さにわたって、二次再結晶を阻害する処理を行い、その後高温の仕上げ焼鈍を行うことにより、結晶粒径が1mm以上の結晶粒が体積率で90%以上の二次再結晶部2と、結晶粒径が10μm〜500μmの微細結晶部3とが、圧延方向に交互に配置されている電磁鋼板Aを作製した(図1参照)。比較例として、幅方向に一定の間隔をあけて一定の長さにわたって、二次再結晶を阻害する処理を行い、その後高温の仕上げ焼鈍を行うことにより、結晶粒径が1mm以上の結晶粒が体積率で90%以上の二次再結晶部2と、結晶粒径が10μm〜500μmの微細結晶部3とが、図9に示すように幅方向に交互に配置されている電磁鋼板Bを作製した。これらの電磁鋼板A、Bを用いてらせん巻きコア用素材を打ち抜く際に、電磁鋼板Aは、図2に示すようにティース部12が二次再結晶部2から、コアバック部13が微細結晶部3から打ち抜き、その後、ティース部12が内側になる様にらせん加工した。電磁鋼板Bは、図10に示すように、ティース部12とコアバック部13とが、二次再結晶部2と微細結晶部3とで交互になるように打ち抜き、その後、ティース部12が内側になる様にらせん加工した。また、電磁鋼板Bについて、図11に示すように、ティース部12を二次再結晶部2から、コアバック部13を微細結晶部3から打ち抜き、その後、ティース部12が内側になる様にらせん加工したものも作製した。らせん加工後ティース部12に巻線を行い、ステータコアを作製した。そして、ステータコアをモータベンチにセットし、モータ性能を評価した。比較例として、板厚0.35mmの無方向性電磁鋼板35A300を用いてらせん巻きコアを作製し、モータ性能の評価基準とした。結果を表2に示す。
Figure 0006409521
表2に示すように、電磁鋼板Aをらせん加工したコアはコアバック部13に折れが発生せず、モータ性能は、35A300を用いたらせん巻きコアよりも良好であった。電磁鋼板Bを、ティース部12の方向が圧延方向に向くようにらせん加工したコアは、コアバック部13に軽度な折れが発生し、モータ性能は評価できたが、モータ性能は35A300を用いたらせん巻きコアよりも劣位であった。また、電磁鋼板Bを、ティース部12の方向が幅方向に向くようにらせん加工したコアは、コアバック部13に折れは発生しなかったが、モータ性能は35A300を用いたらせん巻きコアよりも劣位であった。
本発明は、磁気特性が要求される部分と曲げ加工性が要求される部分とを有するらせん巻きコアの他、湾曲部を有するリニア型コアにも適用できる。
1 電磁鋼板
2 二次再結晶部
3 微細結晶部
11 コア素材
12 ティース部
13 コアバック部
14 らせん巻きコア

Claims (8)

  1. 結晶粒径が1mm以上の結晶粒が体積率で90%以上の、ティース部となる二次再結晶部と、結晶粒径が10μm〜500μmの、コアバック部となる微細結晶部とが、圧延方向に交互に配置されていることを特徴とする、らせん巻きコア用電磁鋼板。
  2. 請求項1に記載のらせん巻きコア用電磁鋼板を製造する方法であって、
    製鋼、熱間圧延、冷間圧延、および複数の熱処理工程を有し、
    二次再結晶を発現させる工程よりも前に、電磁鋼板の圧延方向に一定の間隔をあけて一定の長さにわたって、二次再結晶を阻害する処理を行うことにより、前記二次再結晶部と前記微細結晶部とを、前記圧延方向に交互に配置することを特徴とする、らせん巻きコア用電磁鋼板の製造方法。
  3. 前記二次再結晶を発現させる処理は、仕上げ焼鈍であることを特徴とする、請求項2に記載のらせん巻きコア用電磁鋼板の製造方法。
  4. 前記二次再結晶を阻害する処理は、前記電磁鋼板への歪みの導入であることを特徴とする、請求項2または3のいずれか一項に記載のらせん巻きコア用電磁鋼板の製造方法。
  5. 前記二次再結晶を阻害する処理は、焼鈍分離剤の除去であることを特徴とする、請求項2または3のいずれか一項に記載のらせん巻きコア用電磁鋼板の製造方法。
  6. 前記二次再結晶を阻害する処理は、前記電磁鋼板の表面へのインヒビタ形成元素の塗布であることを特徴とする、請求項2または3のいずれか一項に記載のらせん巻きコア用電磁鋼板の製造方法。
  7. 請求項1に記載のらせん巻きコア用電磁鋼板から作られたらせん巻きコアであって、
    ティース部が前記二次再結晶部から、コアバック部が前記微細結晶部から打ち抜かれたコア素材をらせん加工したものであることを特徴とする、らせん巻きコア。
  8. 請求項1に記載のらせん巻きコア用電磁鋼板から、らせん巻きコアを製造する方法であって、
    ティース部を前記二次再結晶部から、コアバック部を前記微細結晶部から打ち抜いたコア素材をらせん加工することを特徴とする、らせん巻きコアの製造方法。
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