JP2003055746A - 無方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents

無方向性電磁鋼板およびその製造方法

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JP2003055746A JP2001241856A JP2001241856A JP2003055746A JP 2003055746 A JP2003055746 A JP 2003055746A JP 2001241856 A JP2001241856 A JP 2001241856A JP 2001241856 A JP2001241856 A JP 2001241856A JP 2003055746 A JP2003055746 A JP 2003055746A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高効率モータ用の優れた磁気特性と鉄心への打
ち抜き加工性とを兼備した無方向性電磁鋼板とその製造
方法の提供。 【解決手段】質量%で、C:0.005%以下、Si:
0.5%以上3.0%未満、Mn:1.0%を超え3.
0%以下、sol.Al:1.0〜3.0%、P:0.
1%以下を含有し、残部Feおよび不純物からなり、不
純物中のSが0.01%以下、Nが0.005%以下
で、かつSi、Mnおよびsol.Alの関係が式
「3.0≦Si+sol.Al+0.6Mn≦6.0」
と式「Si≦sol.Al+Mn」を同時に満たし、鋼
板表面のビッカース硬度が160を超え220以下の無
方向性電磁鋼板とその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアコンや冷蔵庫
などのコンプレッサーモータ、電気自動車やハイブリッ
ド自動車などの駆動用モータおよびスタータジェネレー
タなど、主として高効率モータに使用される、磁気特性
および加工性に優れる無方向性電磁鋼板ならびにその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境問題がクローズアップさ
れ、省エネルギーへの取り組みに対する要求は一段と高
まってきている。これにともない、電気機器に多数使用
されているモータの効率向上は極めて重要な課題とな
り、特に連続運転されることの多いエアコンや冷蔵庫の
コンプレッサーモータに対して高効率化の要求が強い。
【0003】自動車についてもその燃費向上が積極的に
推進されており、モータを駆動力として使用する電気自
動車や、モータとガソリンエンジンあるいはモータとデ
ィーゼルエンジンを駆動力として併用するハイブリッド
自動車の実用化が進められている。これらに用いられる
モータも、限られたエネルギーの中で最大限の走行距離
を確保するために、その効率向上は極めて重要である。
【0004】このように、地球環境問題の解決にはモー
タの高効率化が不可欠であり、その設計方針、制御技術
などの変化から、鉄心材料としての無方向性電磁鋼板に
要求される特性も、従来とは変化している。
【0005】エアコンや冷蔵庫のモータでは、モータ効
率改善のために周波数を連続的に変化させることにより
回転数を制御するインバータ駆動方式が主流となってき
た。また、自動車の駆動用モータに関しても、自動車の
走行速度に合わせてモータの回転数を低速回転から高速
回転あるいはその逆へと常に変化させる必要があり、や
はりインバータ駆動方式のモータが主流となってきた。
これらのモータは従来の商用周波数(50あるいは60
Hz)より高周波(100〜1000Hz)でかつ非正
弦波、例えばPWM(パルス幅変調波)やPAM(パル
ス増幅変調波)などで使用されるため、鉄心素材には非
正弦波での最適な高周波特性が求められる。
【0006】高周波域での鉄損低減には鋼板の固有抵抗
増加による渦電流損失の低減が有効であり、例えば特開
平10−324957号公報に開示されているように、
多量のSiを含有した無方向性電磁鋼板が使用されてい
る。ところが、Si含有量の多い鋼板はビッカース硬度
の上昇を招き、打ち抜き加工性が不充分であった。した
がって、Si添加量の増加による鉄損低減は、モータ鉄
心として用いるには実用面からの限界があった。
【0007】多量のSiを含有する無方向性電磁鋼板に
おいて打ち抜き加工性が不充分であるとは、鉄心形状に
成形する連続打ち抜き工程で金型摩耗の進行が速く、打
ち抜き端面の「かえり」が大きくなりやすいことをい
う。
【0008】図1は、鋼板のビッカース硬度が打ち抜き
加工性に及ぼす影響を示すグラフである。同図に示され
るように、鋼板のビッカース硬度Hvが高いと金型摩耗
が著しく、1回の金型研磨当たりの、50μmを超える
ような大きな「かえり」が生じるまでの連続打ち抜き回
数が低下する。50μmを超える大きな「かえり」が生
じると、占積率が低下し、素材の磁気特性がたとえ良好
でもモータ性能が劣化する場合がある。
【0009】さらに、積層した鉄心間の導通を引き起こ
して渦電流損を増大させ、モータ効率の低下につなが
る。また、金型が早く摩耗するため、金型の取り替えで
連続打ち抜き作業を中断する回数が多くなり、鉄心の生
産効率が低下するとともに、金型の研磨費用も増加す
る。
【0010】鋼板の製造工程においても、多量のSiを
含有した鋼板は脆いため、通常の工業的プロセスにおけ
る鋼板の冷間圧延方法では割れが発生しやすいという欠
点もあった。磁気特性改善には熱延板焼鈍により冷間圧
延前の結晶粒径を粗大化することが有効であるが、Si
を多量に含有した鋼板は結晶粒径の粗大化により特に遷
移温度が高くなり、磁気特性改善効果と工業生産性との
両立は困難であった。
【0011】なお、特開平10−183311号公報に
は、Si、Mn、Al含有量を特定の範囲として、鋼板
表面のビッカース硬度Hvを160以下とすることによ
り打ち抜き加工性を改善した無方向性電磁鋼板が示され
ている。しかし、高効率モータに必要な高周波域(10
0〜1000Hz)での低鉄損を得るためには、Si、
Al含有量を増加することが不可避であることから、高
合金系の無方向性電磁鋼板の打ち抜き加工性を高める手
法として、この技術を適用することは難しい。
【0012】また、特開2001−73098号公報に
は、Si、Mn、Al含有量を特定の範囲として、鋼板
表面のビッカース硬度Hvを220以下とすることによ
り打ち抜き加工性と鉄損を両立させるようにした無方向
性電磁鋼板が示されている。しかし、この公報には、商
用周波数域の50Hzでの鉄損が示されているのみであ
って、良好な打ち抜き加工性と高周波域(100〜10
00Hz)での低鉄損の両立については、開示されてい
なかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術における問題点を解決するためになされたものであ
り、その課題は、エアコンや冷蔵庫などのコンプレッサ
ーモータ、電気自動車やハイブリッド自動車などの駆動
用モータおよびスタータジェネレータなど、主として高
効率モータの鉄心素材として必要な、優れた磁気特性、
特に高周波域(100〜1000Hz)での鉄損特性の
低下が小さいという磁気特性と鉄心への成形工程におけ
る打ち抜き加工性とを兼ね備える一方、鋼板製造時の冷
間圧延性にも優れた無方向性電磁鋼板とその製造方法を
提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題に
鑑みてなされたものであり、その要旨は下記(1)の無
方向性電磁鋼板と下記(2)の無方向性電磁鋼板の製造
方法にある。
【0015】(1)質量%で、Si:0.5%以上3.
0%未満、Mn:1.0%を超え3.0%以下、so
l.Al:1.0〜3.0%、P:0.1%以下を含有
し、残部Feおよび不純物からなり、不純物中のCが
0.005%以下、Sが0.005%以下、Nが0.0
05%以下で、かつSi、Mnおよびsol.Alの関
係が下記の(1)式および(2)式を満たし、鋼板表面のビッ
カース硬度Hvが160を超え220以下である無方向
性電磁鋼板。
【0016】 3.0≦Si+sol.Al+0.6Mn≦6.0 ・・・・・ (1) Si≦sol.Al+Mn ・・・・・・・・・・・・・・・・ (2) ここで、式(1)および式(2)中の元素記号は、鋼中に含ま
れる各元素の含有量(質量%)を意味する。
【0017】(2)質量%で、Si:0.5%以上3.
0%未満、Mn:1.0%を超え3.0%以下、so
l.Al:1.0〜3.0%、P:0.1%以下を含有
し、残部Feおよび不純物からなり、不純物中のCが
0.005%以下、Sが0.005%以下、Nが0.0
05%以下で、かつSi、Mnおよびsol.Alの関
係が下記の(1)式および(2)式を満たす鋼を用いて無方向
性電磁鋼板を製造する方法であって、下記a〜dの工程
を有する無方向性電磁鋼板の製造方法。
【0018】 3.0≦Si+sol.Al+0.6Mn≦6.0 ・・・・・ (1) Si≦sol.Al+Mn ・・・・・・・・・・・・・・・・ (2) ここで、式(1)および式(2)中の元素記号は、鋼中に含ま
れる各元素の含有量(質量%)を意味する。
【0019】a:鋼を1300℃以下の温度に加熱し、
熱間圧延をおこなった後、 b:1回、または中間焼鈍をはさんで2回以上の冷間圧
延をおこない、 c:700〜1150℃の温度範囲にて仕上げ焼鈍した
後、 d:有機物質または、有機物質および無機物質の混合物
により鋼板の表面を被覆する。
【0020】上記(1)の無方向性電磁鋼板は、不純物
としてのTi含有量が0.006質量%以下であること
が好ましい。
【0021】また、上記(2)の製造方法は、工程aと
bとの間に下記の工程eを有する方法であることが好ま
しく、また用いる鋼は不純物としてのTi含有量が0.
006質量%以下であることが好ましい。e:650〜
1100℃の温度範囲にて熱延板焼鈍をおこなう。
【0022】本発明者らは、下記に述べるような詳細な
検討およびそれに基づく知見をもとに、上記の本発明を
完成させた。
【0023】インバータ制御されるモータの高効率化に
は、固有抵抗の増加が有効である。固有抵抗はできる限
り高い方がよいが、合金元素の含有量の増加による硬度
の増加は避けられない。鉄心への成形工程における打ち
抜き加工性は硬度に大きく影響されるため、同一の固有
抵抗であっても、より硬度の低い材料が実用上好まし
い。逆に同一の硬度であれば、より固有抵抗の高い方が
モータの効率向上につながる。
【0024】Bozorth:Ferromagnet
ism(1951)、P40に記載されているように、
鉄の固有抵抗の上昇に対するSiとAlの寄与の大きさ
はほぼ同程度であり、MnはSiの約1/2である。こ
れに対して、硬度上昇に対するSiの寄与は圧倒的に大
きく、Al、Mnの順に小さくなる。
【0025】そこで、本発明者らは、まず、Si、so
l.Al、Mnの含有量を種々変化させた鋼の固有抵抗
について詳細に検討をおこなった。それによれば、Mn
含有量の増加による固有抵抗の上昇効果は従来の知見よ
りも大きく、Siの場合の約60%程度であることが判
明した。そこで、本発明者らはこの点に着目し、従来の
技術的認識とは逆に、Si含有量の増加を極力抑え、む
しろsol.AlおよびMn含有量を増加させることに
よって磁気特性と鉄心への打ち抜き加工性の両立が可能
なことを新たに知見した。
【0026】特に、従来あまり着目されることのなかっ
たMnについて詳細に検討をおこない、Si、sol.
Al含有鋼と同一の固有抵抗とするために、Mn含有量
をSi含有量のおよそ1.7倍としても、Mn含有量の
増加による硬度上昇は少ないとの知見を得て、Mnを積
極的に含有させることとした。
【0027】冷間圧延時の破断は、鋼板の硬度のみなら
ず靱性に起因している。硬度が同一の場合、磁気特性の
改善のために冷間圧延前の粒径を粗大化させると冷間圧
延母材の靱性は劣化する。本発明者らは、先の知見に基
づき、鋼板の靱性について調査した結果、Siを低減
し、sol.Al、Mnを積極的に含有させることによ
り、同一硬度であっても、母材の冷間圧延性を確保し、
高温の熱延板焼鈍による磁気特性改善および工業生産性
を両立できることを見いだし、本発明を完成させた。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明における各構成要件
について詳細に説明する。なお、本発明において、%は
質量%を表す。
【0029】(A)化学組成 Si:0.5%以上3.0%未満 Si含有量が増加すると鋼板の固有抵抗が上昇し、渦電
流損が低下して鉄損が低減する。しかし、Siは強度を
著しく上昇させる元素であり、多量の含有は製品の打ち
抜き加工性および冷間圧延母材の靱性を著しく劣化させ
る。このため、Si含有量は3.0%未満とする。好ま
しくは2.8%以下、より好ましくは2.6%以下であ
り、特に打ち抜き加工性が望まれる場合には2.4%以
下とするのが望ましい。このように、打ち抜き加工性を
向上させる観点からはSi含有量を低くするのが望まし
いが、過度に低くすると強度の確保が困難になるので、
その下限は0.5%とする。好ましい下限は0.6%、
より好ましい下限は0.7%である。なお、Si含有量
は、上記の範囲内において、前述した(1) 式および(2)
式の両方を満足する量とする必要がある。また、Si含
有量は、上記の範囲内において、要求される鉄損レベル
と所望の硬度に応じて決定する。
【0030】Mn:1.0%を超え3.0%以下 Mnの固有抵抗上昇への寄与はSiのおよそ60%であ
るが、同一の固有抵抗とするためにSi、sol.Al
のおよそ1.7倍の含有量としても鋼板の硬度上昇およ
び靱性劣化は極くわずかである。打ち抜き加工性および
冷間圧延母材の靱性と磁気特性を両立させるために極め
て重要な元素である。Mn含有量が1.0%以下では鉄
損低減の効果が不充分であり、3.0%を超えて含有さ
せると合金コストの上昇を招くとともに、α−γ変態を
生じ、結晶粒成長と硬度調整を目的とした最終の仕上げ
焼鈍温度を確保できなくなる。したがって、Mn含有量
は1.0%を超え3.0%以下とする。好ましい範囲は
1.5%を超え3.0%以下である。なお、Mn含有量
は、上記のSiおよびsol.Alと同様に、上記の範
囲内において、前述した(1) 式および(2) 式の両方を満
足する量とする必要がある。また、Mn含有量は、上記
の範囲において、要求される鉄損レベルと所望の硬度に
応じて決定する。
【0031】sol.Al:1.0〜3.0% Alは、上記のSiとほぼ同程度の固有抵抗上昇の効果
があり、渦電流損を低下させて鉄損を低減させる。しか
も、Siと比べると含有量当たりの鋼板の強度(硬度)
上昇が小さいため、打ち抜き加工性と磁気特性の両立を
図る上で極めて重要な元素である。Si含有量の低減に
よる鉄損増加を補うためにはsol.Al含有量で1.
0%以上含有させる必要がある。好ましくは1.2%以
上である。このように、Alは強度(硬度)増加に対す
る寄与が小さいので、固有抵抗上昇による渦電流損失低
減の観点からはsol.Al含有量は多ければ多いほど
よい。しかし、Alは磁歪を増加させる元素であり、磁
歪の増加はヒステリシス損失の増加につながる。この効
果はsol.Al含有量が3.0%を超えると特に顕著
になることから、sol.Al含有量の上限は3.0%
とする。好ましくは2.5%以下である。なお、so
l.Al含有量は、上記のSiと同様に、上記の範囲内
において、前述した(1)式および(2)式の両方を満足する
量とする必要がある。また、sol.Al含有量は、上
記の範囲において、要求される鉄損レベルと所望の硬度
に応じて決定する。
【0032】P:0.1%以下、 Pには、鋼板の強度を上昇させる作用があり、使用目的
に応じて材料強度を確保するために積極的に添加含有さ
せてもよく、また、不純物として含有されていてもよ
い。しかし、0.1%を超えて含有させると、冷間圧延
時に破断を引き起こす。このためP含有量は0.1%以
下とする。
【0033】C:0.005%以下 Cは、不純物元素で、製品中に残存すると鉄損に悪影響
を及ぼすので、その含有量は少ないほど好ましい。特
に、C含有量が過剰の場合は、鉄心として使用中に鋼中
の固溶炭素が炭化物として析出し、鉄損の悪化を生じる
ので、その含有量は0.005%以下とする。好ましく
は0.003%以下とするのが望ましい。
【0034】S:0.01%以下 Sは、不純物元素で、析出物や介在物を形成して磁気特
性を劣化させるので、0.01%以下とする。望ましく
は0.005%以下である。なお、S含有量は低ければ
低いほどよい。
【0035】N:0.005%以下 Nは、不純物元素で、過剰なNは窒化物を形成して鉄損
を増加させるので、0.005%以下とする。望ましく
は0.004%以下である。なお、N含有量は低ければ
低いほどよい。
【0036】Si、sol.AlおよびMnの関係:前
述したように、SiとAlは、鋼板の固有抵抗上昇に及
ぼす寄与がほぼ同等であるのに対し、MnはSiのおよ
そ60%の寄与である。そこで、本発明では鋼板の固有
抵抗を調整する目的で、「Si+sol.Al+0.6
Mn」の値を適正範囲に規定する。本発明の目的とする
低鉄損材を得るには、Si、sol.AlおよびMnの
各含有量を、「Si+sol.Al+0.6Mn」で
3.0以上とする必要がある。一方、多量の添加は、磁
束密度の過度の低下に繋がるため、上限を6.0とす
る。
【0037】また、本発明では、3.0≦Si+so
l.Al+0.6Mn≦6.0の範囲内で、Siをso
l.AlおよびMnに置換することにより固有抵抗と鋼
板の強度のバランスを調整することを基本としている。
したがって、sol.AlおよびMnがSiに対して一
定の割合以上含有されていることが前提となる。前述し
た式(2) の「Si≦sol.Al+Mn」は、この前提
を定めたものである。式(2) の好ましい関係は「1.2
Si≦sol.Al+Mn」である。この関係を満たす
範囲にSi、sol.AlおよびMn含有量を調整する
ことにより、固有抵抗低下を伴うことなく、硬度低減お
よび靭性向上が可能となる。また、硬度上昇および靭性
劣化を伴うことなく、固有抵抗増加が可能となる。すな
わち、鉄損特性の劣化を伴うことなく、鋼板の打ち抜き
加工性ならびに冷間圧延性が高められ、打ち抜き加工性
および冷間加工性の劣化を伴うことなく、鉄損特性を改
善できる。
【0038】Ti:0.006%以下 不純物としてのTiは、微細な析出物を形成して結晶粒
成長および磁壁移動を阻害し、磁気特性および硬度に悪
影響を及ぼすため極力低減するのがよい。ところが、A
lを多量に含有する鋼では、スラグ中のTi酸化物がA
lにより還元されるために混入しやすく、Ti含有量の
安定的な低減は極めて困難である。しかし、AlとMn
の含有量を高めた本発明の鋼では、Ti含有量が0.0
06%以下であれば特性劣化は僅かである。これは、多
量のMn添加によりSの悪影響が緩和され、Tiをある
程度含有していても全体としての特性劣化量が小さくな
ったことに起因すると考えられる。したがって、本発明
ではTi含有量を0.006%以下とするのが好まし
く、望ましくは0.005%以下とするのがより好まし
い。
【0039】(B)硬度 鋼板の機械的性質の中でも、硬度の管理は高効率モータ
に用いられる電磁鋼板においては極めて重要である。
【0040】前述した図1は、C:0.002%、P:
0.02%、S:0.003%、N:0.004%を基
本成分とし、Si、Mnおよびsol.Al含有量を種
々変化させた残部Feよりなる鋼を用いて製造した鋼板
に、公知の表面被覆、具体的にはアクリル樹脂エマルジ
ョン、クロム酸マグネシウムおよびホウ酸の混合物を
0.4μmの厚さで施した板厚0.35mmの無方向性
電磁鋼板につき、下記条件での打ち抜き加工性を調査し
た結果を示す図である。
【0041】なお、打ち抜き試験は、超硬金型を用い、
コア形状:縦17mm×横17mm、ストローク数:3
50回/分、クリアランス:5%で連続しておこなっ
た。ここで、打ち抜き加工性は、打ち抜いたブランクの
かえり高さが50μmを超えるまでの打ち抜き回数で評
価した。
【0042】図1に示すように、鋼板表面の硬度がビッ
カース硬度Hvで220を超えると打ち抜き金型の摩耗
が顕著になり、かえり高さが50μmに達するまでの打
ち抜き回数が100万回以下となる。そのため、金型を
研磨する必要が生じ、鉄心の生産性が大幅に低下する。
【0043】また、摩耗した金型で打ち抜かれた鋼板は
かえりが大きくなりやすく、積層した鉄心間の導通を引
き起こし渦電流損を増大させ、モータの効率低下につな
がる。1回の研磨当たりの打ち抜き回数が100万回以
上、すなわち、ビッカース硬度Hvが220以下なる条
件は鉄心製造コストの観点から重要であり、本発明でも
ビッカース硬度Hvの上限は220とする。
【0044】打ち抜き性の観点からは硬度は低いほど好
ましいが、過度に低くなると、高速回転するロータに用
いた場合には、材料強度を確保することができない。特
に、永久磁石をロータ内部に埋め込んだ形式のいわゆる
IPMモータに用いる場合には材料強度は極めて重要と
なり、硬度が160以下になると材料強度不足となる。
したがって、硬度はビッカース硬度Hvで160を超え
220以下とする。好ましい範囲は160を超え210
以下、より好ましい範囲は160を超え200以下であ
る。
【0045】なお、ビッカース硬度Hvは、JIS Z
2244に準じて試験力:9.807〜49.03N
(試験荷重:1〜5kg)の範囲で選定し、鋼板表面に
て測定すればよい。
【0046】以上、化学組成と硬度について詳細に説明
した。鉄損は結晶粒径および板厚にも影響され、打ち抜
き加工性は鋼板表面の被覆にも影響される。しかしなが
ら、結晶粒径、板厚、鋼板表面の被覆が同等の条件で比
較した場合、前述した化学組成と硬度の条件を満たして
いれば、打ち抜き加工性と磁気特性の両立が可能であ
る。したがって、本発明では結晶粒径、板厚および鋼板
表面の被覆は特に規定しないが、望ましい結晶粒径の範
囲は60〜200μmであり、望ましい板厚の範囲は
0.1〜0.6mmである。これらの範囲内で、使用さ
れる周波数域に応じて結晶粒径、板厚を選択すればよ
い。
【0047】また、鋼板表面の被覆については、重クロ
ム酸塩−ホウ酸−樹脂系コーティング物質を用いること
ができる。また、リン酸塩−樹脂系あるいはシリカ−樹
脂系のコーティング物質でもよい。すなわち、絶縁性確
保のための無機系バインダ(重クロム酸塩−ホウ酸系、
リン酸塩系、シリカ系)と打ち抜き加工性確保のための
樹脂との混合物を用いて被覆すればよい。
【0048】樹脂としては、一般的なアクリル系、アク
リルスチレン系、アクリルシリコン系、シリコン系、ポ
リエステル系、エポキシ系、フッ素系樹脂が使用でき
る。また、塗装性(ロールコート性)を考慮すると、エ
マルジョンタイプの樹脂を用いるのが好ましい。
【0049】以上のように、化学組成と硬度をそれぞれ
最適化した本発明の無方向性電磁鋼板をインバータ制御
されるエアコン、冷蔵庫のコンプレッサーモータ、自動
車の駆動用モータ、スタータジェネレータなどの自動車
電装部品のモータの鉄心に使用すると、次の効果があ
る。
【0050】これらのモータは大量生産が前提のモータ
であり、連続打ち抜き工程での金型寿命が永く、積層形
状が良好なため、作業性が極めてよい。また、駆動周波
数が0〜10kHz程度の範囲で変動するインバータ制
御において、幅広い周波数領域で鉄損が低く、従来にも
まして高いモータ効率の向上がはかられる。さらに、同
程度の固有抵抗で比較した場合、従来の無方向性電磁鋼
板に比較して靱性が確保されているため、磁気特性改善
を目的とした熱延板焼鈍により結晶粒径を粗大化しても
冷間圧延時に破断しないという工業生産上の利点も有す
る。
【0051】(C)圧延、焼鈍などの工程 次に、本発明にかかる電磁鋼板製造における圧延、焼鈍
などの工程について説明する。
【0052】(スラブ加熱、熱間圧延)上記の化学組成
を有する鋼からなるスラブは1300℃以下の温度で加
熱し、通常の熱間圧延をおこなう。これは、スラブ加熱
温度が1300℃を超えると、鋼中のMnSが固溶して
熱延中に微細析出し、磁気特性の劣化を招くためであ
る。一方、スラブ加熱温度が1000℃未満では圧延性
が低下する。したがって、加熱温度は1000〜130
0℃と限定する。望ましい範囲は1050〜1250℃
である。なお、熱間圧延の前記以外の条件は、公知の条
件に従えばよく、特に限定されない。
【0053】(熱延板焼鈍、冷間圧延)熱間圧延後、必
要に応じて磁気特性改善のために熱延板焼鈍をおこな
う。これは、冷間圧延前の結晶粒径を粗大化することに
よって、磁気的に好ましい集合組織の制御する、具体的
には{111}再結晶粒を低減するためである。しか
し、650℃未満で焼鈍したのでは磁気特性改善の効果
が得られず、1100℃を超えるとその効果が飽和す
る。したがって、磁気特性改善効果を得るために熱延板
焼鈍をおこなう場合の焼鈍温度は650〜1100℃と
するのがよい。
【0054】なお、熱延板焼鈍を箱焼鈍でおこなう場合
には650〜900℃、連続焼鈍でおこなう場合には8
50〜1100℃とするのが好ましい。また、焼鈍時間
に制限はないが、生産性の観点から、箱焼鈍の場合には
30分〜24時間、連続焼鈍の場合には20〜300秒
とするのが好ましい。さらに、磁気特性を効果的に改善
するには、熱延板焼鈍によって冷間圧延前の結晶粒径を
100μm以上に調整するのが好ましい。
【0055】冷間圧延は、1回または中間焼鈍をはさむ
2回以上でおこない、所望の板厚を有する鋼板とする。
ここで、1回の冷間圧延とは、中間焼鈍をはさまずに所
望の板厚まで冷間圧延することをいう。また、2回以上
の冷間圧延とは、中間焼鈍をはさんで複数回の冷間圧延
をおこなうことをいう。
【0056】なお、本発明で規定する範囲の化学組成を
有する鋼であれば、冷間圧延母材の靱性が確保されてい
ることから、熱延板焼鈍によって冷間圧延前の結晶粒径
を130μm以上に調整しても何らの問題もない。ま
た、1回の冷間圧延で所望の板厚まで仕上げるのが製造
コストの面からは望ましいが、目的に応じて選択すれば
よい。
【0057】さらに、冷間圧延を2回以上おこなう場合
における中間焼鈍条件は、特に制限されない。しかし、
650℃未満の温度で中間焼鈍したのでは磁気特性が劣
化する場合があり、逆に1100℃を超える温度で中間
焼鈍すると引き続く冷間圧延時に破断する場合もあるた
め、中間焼鈍は650〜1100℃でおこなうのがよ
い。
【0058】(仕上げ焼鈍)仕上げ焼鈍は連続焼鈍によ
る方法が好ましい。この焼鈍によって、鋼板表面の硬度
をビッカース硬度Hvで160〜220とする。仕上げ
焼鈍温度が700℃未満では、再結晶組織が十分に得ら
れず磁気特性は不良となり、また、硬さの上昇をも招
く。一方、仕上げ焼鈍温度が1150℃を超えると結晶
粒が著しく粗大化し、商用周波数以上での鉄損の増加に
つながり好ましくないだけでなく、モータ鉄心への打ち
抜き加工の際に割れを生じる場合もある。したがって、
仕上げ焼鈍温度は700〜1150℃とする。望ましい
範囲は800〜1150℃である。なお、前記以外の焼
鈍条件は、特に限定しない。
【0059】仕上げ焼鈍後の鋼板が打ち抜き加工性を重
視する用途用の場合には、その表面に樹脂のみ、あるい
は樹脂と無機質バインダーとの混合物からなる表面被覆
を施すのが好ましい。このような仕上げ焼鈍後の表面被
覆については、特に限定しない。
【0060】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。表
1に示されるような各種の条件にて鋼板を試作し、試験
をおこなった。
【0061】
【表1】
【0062】種々の化学組成を有するスラブを所定の温
度に加熱し、熱間圧延をおこなった後、酸洗した。な
お、熱間圧延仕上げ温度は830℃、巻き取り温度は5
80℃とした。
【0063】試番1〜18および23〜32について
は、その後、熱延板の焼鈍(以下、「熱延板焼鈍」とい
う)をおこなった。ここで、熱延板焼鈍は、水素雰囲気
中にて10時間の箱焼鈍とし、熱延板焼鈍後の結晶粒径
(冷間圧延前の結晶粒径)を130〜140μmに調整
した。
【0064】さらに、試番1、3〜18および23〜3
2については、1回の冷間圧延により、0.35mmの
厚さに仕上げた。また、試番2については、800℃で
1時間均熱する箱焼鈍による中間焼鈍をはさみ2回の冷
間圧延をおこない、0.35mmの厚さに仕上げた。
【0065】一方、試番19と20については、熱延板
焼鈍をおこなわず、且つ、1回の冷間圧延により0.3
5mmの厚さに仕上げた。また、試番21と22につい
ては、熱延板焼鈍をおこなわず、且つ、中間焼鈍をはさ
む2回の冷間圧延により0.35mmの厚さに仕上げ
た。
【0066】連続焼鈍による仕上げ焼鈍後、アクリル樹
脂エマルジョン、クロム酸マグネシウムおよびホウ酸の
混合物からなる膜厚0.4μmの表面被覆を施した。
【0067】磁気特性については、750℃で2時間保
持する歪取焼鈍後に、JIS C2550に規定された
25cmエプスタイン試験枠を用い、非正弦波のうちP
WM(パルス幅変調)により、キャリア周波数が3kH
z、励磁周波数が50Hz、磁束密度が1.5Tのとき
の鉄損(W15/50:単位W/kg)と、励磁周波数
が1kHz、磁束密度が0.5Tのときの鉄損(W5/
1000:単位W/kg)を測定した。
【0068】表面硬さは、JIS Z 2244に準じ
て試験力:9.807N(試験荷重:1kg)で測定し
た。
【0069】打ち抜き加工性については、連続打ち抜き
試験を実施し、打ち抜き後のブランクのかえり高さが5
0μmを超えるまでの打ち抜き回数で評価した。なお、
打ち抜き試験条件は前述のとおりである。
【0070】これらの試験結果を表2に示した。
【0071】
【表2】
【0072】試番23は、Cの含有量が本発明で規定す
る範囲の上限値を超えているために磁気特性が劣ってい
る。また、この試番23は、鉄心としての使用中におけ
る磁気特性の劣化の問題をも有していた。
【0073】試番24は、Mnおよびsol.Al含有
量が本発明の範囲の下限値を下回っており、しかもこれ
ら2元素とSiの関係が(1) 式および(2) 式とも満たし
ていないため、同等の硬度を有する鋼板(例えば、試番
1および試番9の鋼板)に比べて磁気特性が劣ってい
る。
【0074】試番25はN含有量、試番26はS含有量
が本発明の範囲の上限値を超えているために磁気特性が
劣っている。
【0075】試番27は、Pの含有量が本発明の範囲の
上限値を超えているために冷間圧延母材の靱性を確保で
きず、冷間圧延時に破断した。
【0076】試番28は、Si含有量が本発明の範囲の
下限値を下回っており、しかもSi、Mn、sol.A
lの関係が(1) 式を満たしていないために磁気特性が劣
るとともに、硬度も132と低く高速回転時に必要な材
料強度を確保できていない。
【0077】試番29は、SiとMnの含有量が本発明
の範囲外で、かつこの2元素とsol.Alとの関係が
(2) 式を満たしていないために冷間圧延母材の靱性を確
保できず、冷間圧延時に破断した。
【0078】試番30は、sol.Al含有量が本発明
の範囲の上限値を超えているために磁気特性が劣ってい
る。
【0079】試番31は、SiとMnの含有量が本発明
の範囲外で、かつこの2元素とsol.Alとの関係が
(2) 式を満たしていないために硬度が222と高く、打
ち抜き加工性が劣っている。
【0080】試番32は、鋼の化学組成は本発明の範囲
内であるが、仕上げ焼鈍温度が低いために再結晶が不十
分で、結晶粒径が30μmと細かく、しかも硬度も22
5と高く、磁気特性、打ち抜き加工性ともに劣ってい
る。
【0081】一方、鋼の化学組成、製造条件および表面
硬度のいずれもが本発明の範囲内である試番1〜22
は、冷延母材の靱性が確保されいて冷間圧延時に破断す
ることなく鋼板に成形することができ、しかも磁気特性
および打ち抜き加工性ともに良好である。
【0082】具体的には、「Si+sol.Al+0.
6Mn」の値が同程度の試番7および10と上記の試番
31を比較すると、磁気特性は同程度であるが、試番7
および10はSi量とsol.Al、Mn量のバランス
が良好なために打ち抜き加工性が極めて良好である。ま
た、同程度の硬度を有する試番9および16と上記の試
番24を比較すると、打ち抜き加工性は同程度である
が、試番9および16はSi量とsol.Al、Mn量
のバランスが良好なために特に高周波における鉄損が良
好である。
【0083】このように試番1〜22は、化学組成が本
発明の範囲内にあり、Si量とsol.Al、Mn量の
バランスが良好なため、従来のSi含有量の高い場合
(上記の試番31)と比較して、鉄心への打ち抜き加工
性を維持したまま磁気特性が向上している。言いかえれ
ば、磁気特性を維持したまま打ち抜き加工性が改善され
ている。特に、試番1〜7および11〜16では、上記
の試番31よりも「Si+sol.Al+0.6Mn」
の値が高いにもかかわらず硬度が低く、磁気特性、打ち
抜き加工性とも大きく改善されている。
【0084】また、試番19〜22は、熱延板焼鈍をお
こなっていないので、熱延板焼鈍をおこなった鋼の化学
組成が同じかまたはほぼ同じ試番15および16と比べ
ると磁気特性は若干劣るものの、打ち抜き加工性は良好
ある。
【0085】なお、試番16〜18は、不純物としての
Tiの影響を調べた例であるが、不純物としてのTi含
有量を0.006%以下に抑制すると、磁気特性および
打ち抜き加工性ともに大きく改善されることがわかる。
【0086】
【発明の効果】本発明の無方向性電磁鋼板は、エアコン
や冷蔵庫などのインバータ制御によるコンプレッサーモ
ータ、電気自動車やハイブリッド自動車などのインバー
タ制御される自動車の駆動用モータおよびスタータジェ
ネレータなどの自動車電装部品用モータの鉄心素材とし
て、打ち抜き加工性に優れるとともに、鉄損が低く、モ
ータ効率の向上に大きく寄与することができる。また、
本発明の製造方法によれば、上記の無方向性電磁鋼板を
高い工業生産性のもとに製造することができ、本発明は
製品および製造方法の両面から、産業の発展に寄与する
ところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼板のビッカース硬度が打ち抜き加工性に及ぼ
す影響を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 1/18 H01F 1/18 (72)発明者 屋鋪 裕義 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 Fターム(参考) 4K033 FA01 JA01 SA03 5E041 AA02 BC05 CA04 HB14 HB15 NN01 NN18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】質量%で、Si:0.5%以上3.0%未
    満、Mn:1.0%を超え3.0%以下、sol.A
    l:1.0〜3.0%、P:0.1%以下を含有し、残
    部Feおよび不純物からなり、不純物中のCが0.00
    5%以下、Sが0.005%以下、Nが0.005%以
    下で、かつSi、Mnおよびsol.Alの関係が下記
    の(1)式および(2)式を満たし、鋼板表面のビッカース硬
    度Hvが160を超え220以下である無方向性電磁鋼
    板。 3.0≦Si+sol.Al+0.6Mn≦6.0 ・・・・・ (1) Si≦sol.Al+Mn ・・・・・・・・・・・・・・・・ (2) ここで、式(1)および式(2)中の元素記号は、鋼中に含ま
    れる各元素の含有量(質量%)を意味する。
  2. 【請求項2】不純物としてのTi含有量が0.006質
    量%以下である請求項1に記載の無方向性電磁鋼板。
  3. 【請求項3】質量%で、Si:0.5%以上3.0%未
    満、Mn:1.0%を超え3.0%以下、sol.A
    l:1.0〜3.0%、P:0.1%以下を含有し、残
    部Feおよび不純物からなり、不純物中のCが0.00
    5%以下、Sが0.005%以下、Nが0.005%以
    下で、かつSi、Mnおよびsol.Alの関係が下記
    の(1)式および(2)式を満たす鋼を用いて無方向性電磁鋼
    板を製造する方法であって、下記a〜dの工程を有する
    無方向性電磁鋼板の製造方法。 3.0≦Si+sol.Al+0.6Mn≦6.0 ・・・・・ (1) Si≦sol.Al+Mn ・・・・・・・・・・・・・・・・ (2) ここで、式(1)および式(2)中の元素記号は、鋼中に含ま
    れる各元素の含有量(質量%)を意味する。 a:鋼を1300℃以下の温度に加熱し、熱間圧延をお
    こなった後、 b:1回、または中間焼鈍をはさんで2回以上の冷間圧
    延をおこない、 c:700〜1150℃の温度範囲にて仕上げ焼鈍した
    後、 d:有機物質または、有機物質および無機物質の混合物
    により鋼板の表面を被覆する。
  4. 【請求項4】工程aとbとの間に下記の工程eを有する
    請求項3に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。 e:650〜1100℃の温度範囲にて熱延板焼鈍をお
    こなう。
  5. 【請求項5】不純物としてのTi含有量が0.006質
    量%以下の鋼を用いる請求項3または4に記載の無方向
    性電磁鋼板の製造方法。
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