JP6407862B2 - 食品処理装置 - Google Patents

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Description

この発明は、処理対象物の洗浄や加温処理等の処理、及び搬送を行う食品処理装置に関する。
従来、食品を洗浄する装置としては、特許文献1に示すような、上面が開放された水槽内に、上面が開放された処理籠を収納し、上記処理籠を上記水槽内で支持すると共に、これを水槽外部まで持ち上げてこの処理籠の開放面が一方向に傾斜するように回動させる駆動装置を設けてなる装置が挙げられる。この装置は、水槽の底部に空気噴出装置を設け、これから空気を噴出してバブリングすることにより、処理籠内の食品が洗浄され、この食品に付着している除外物を分離させることができる。
ただし、特許文献1に示す装置では、上記の空気噴出装置を用いて分離された除外物は、その大半が樋部から外部に出されるものの、一部のごみは、再び食品と接触するため、除外物と食品の付着が生じてしまい、洗浄が不十分となってしまうおそれがある。
これに対して、特許文献2には、底壁が円弧状を形成し、洗浄を開始する側から洗浄を終了させる方向への水流に沿って水槽の一方の上側縁部にロの字状の側縁開口部を設け、側縁開口部の近傍にすだれ部を設け、上側縁部の外側に、側縁開口部からあふれる水を受ける樋部を設け、樋部の一部に複数の孔を有する分離部を設け、分離部の下方に排水回収部を設け、その側縁開口部が設けられた側の側壁又は底壁に相対する側へ向かす水流を生じさせる水送出装置としてスクリューを設け、生じる水流に沿ってすだれ部で除外物を除外する処理装置が記載されている。これは、水槽内を回る水流と水槽外に出る水流とを生じさせることで、すだれ部により処理対象物と除外物とを分離できるものである。
特開平11−266800号公報 特開2008−72911号公報
しかしながら、特許文献2に示す水送出装置はスクリュー式であり、そこから発生する回転水流は上下左右方向で偏りが生じるため、洗浄する食品が多すぎると洗浄が一様に進行せず、洗浄効果に偏りが生じるおそれがあった。特に、洗浄の進行方向に沿って複数個のスクリューが並んでいるため、スクリュー同士の狭間では水流の進行がうまく働かずに流れが停滞する場所が生じてしまい、処理対象物や除外物が水槽中に留まりやすくなる場合があり、これを解消するために洗浄を進行させる方向への水流の強さや個々のスクリューの強さなどを細かく調整しなければならなかった。
そこでこの発明は、水流による処理の偏りや停滞を防ぎ、より運用しやすい食品処理装置を提供することを目的とする。
この発明は、処理対象物を開始端側から長手方向へ終端側に向かって移送させながら処理する上面が開放された水槽本体部と、上記開始端側で上記水槽本体部と接する水槽開始端部と、上記長手方向に沿って上記水槽本体部と接する水槽側部と、を有し、
上記水槽開始端部に、上記長手方向に対して垂直な回転軸で回転翼を回転させることで回転の接線方向へ生じる水流を上記水槽本体部の上記長手方向へ送り出す第一回転水車と、
上記水槽側部に、上記長手方向に沿った回転軸で回転翼を回転させることで回転の接線方向へ生じる水流を上記水槽本体部の上記長手方向に対して垂直な方向へ送り出す第二回転水車とを設けた食品処理装置により、上記の課題を解決したのである。
回転の接線方向へ水流を生じる回転翼は、スクリューと違って羽根に捻りがなく、軸方向に真っ直ぐな板状部分を有する。このような回転翼を取り付けた回転水車によることで、スクリュー式に比べて大幅に水流の偏りを無くすことができ、停滞を防ぎ、洗浄の仕上がり具合を高めることができる。なお、回転翼は、軸方向に揃った形状で径方向に曲げられていてもよい。また、ノズルやパイプのような清掃困難なパーツを使用することなく構成できるので、分解しての清掃も容易であり、処理対象物に由来するゴミの除去も容易になる。
上記第一回転水車を設ける箇所は、上記水槽本体部との間に遮断板を介して分けられた水槽開始端部の中とする。この遮断板には、上記第一回転水車からの水流が送り出される箇所に水流が通過できる横スリット状の水流開始口を設けておく。このように仕切ることにより、上記第一回転水車が上記水槽本体部の開始端側に供給される処理対象物によって影響を受けることがなくなる。そして、上記水流開始口から送り出される水流により、水槽開始端部付近に投入した処理対象物が順次長手方向に送り出されて、投入箇所に処理対象物が積み上がることを防ぐ。なお、積み上がることを防止するため、上記水流開始口は水面近傍に開けられているとよい。
一方、上記第二回転水車から生じる水流は、洗浄などの処理のために上記処理対象物を上記水槽本体部の中で上記長手方向に対して垂直な方向に回転させる効果を発揮する。このため、上記第二回転水車から生じる水流を導入するべき位置は、処理しようとする処理対象物の比重により異なる。すなわち、水より重い処理対象物を処理しようとするのであれば、上記第二回転水車から生じる水流は、上記水槽本体部の底部近傍に導入して、沈降する処理対象物を舞い上げることが望ましい。逆に水より軽い処理対象物を処理しようとするのであれば、上記第二回転水車から生じる水流は、上記水槽本体部の水面近傍に導入して、浮かび上がる処理対象物を相対する壁面まで押し流して沈めていくことが望ましい。なお、どちらの場合も、生じる水流を回転する方向に向けるために、上記第二回転水車に相対する側の壁面が、底部中央から水車と反対側の側面の水面付近へ向かって、外側に膨らんだ曲面部を形成していると望ましい。
一方、上記水槽の水面近傍に位置する上記仕切板の上端に、上記処理対象物が通過不可能で、上記処理対象物から取り除くべき除外物と水流とが通過可能な有孔板を設け、上記仕切板の上端と、上記水槽側部側の水槽側壁との間に、上記除外物を残留させ得る網部を設けると、水槽本体部に除外物が溜まっていくことを防止しつつ、上記有効板及び網部を越えて落下する水により、水槽側部から送り出すための水を供給できる。
上記の第一回転水車及び第二回転水車は、水流をできるだけ偏らせないようにその軸方向長さができるだけ長いほど好ましい。第一回転水車の軸方向長さは、上記水槽本体部の両側壁間の長さに近いほどであるとよい。ただし、水を軸方向側面から取り込めるだけの隙間を壁面との間に有しているとより好ましい。また、上記水流開始口の横方向長さはこの第一回転水車の回転翼の長さとほぼ同じであると好ましい。
一方、第二回転水車は、上記水槽本体部に沿って存在する上記水槽側部に沿って、できるだけ長い範囲に亘って存在していることが好ましい。ただし、一本のみで構成される必要はなく、長手方向に複数本の回転水車が連続して並べられていてもよい。
第一回転水車及び第二回転水車ともに、どちらかの一端には、この回転水車を回転させるためのモーターを設けるか、又は水上などに設けたモーターから延びる軸と噛み合わせるための歯車や継手などを設けるか、磁石により水槽外から回転力を受ける部位を設けるかしておく必要があるため、水槽の内外の少なくともいずれかに、モーター等の設置スペースを確保しておくとよい。
上記の第一回転水車及び第二回転水車は、両端付近の回転翼を設けていない軸部分を床面に固定した滑り軸受(受け具)に載せて、回転軸に設けた鍔部で滑り軸受を挟むことで軸方向にずれないようにし、かつ、滑り軸受との間で、水を潤滑剤として軸が滑ることで、回転自在とすればよい。なお、第一回転水車及び第二回転水車に十分な重さがあり、滑り軸受に十分な上下方向長さがあれば、特に上から抑えなくても回転水車が外れることなく運転を続けることができる。ただし、滑り軸受の上から別途抑え具を嵌めて軸方向のずれを防いでもよい。
上記第二回転水車の回転方向は、上記横水流導入口が水面近傍にあるか、それとも底面近傍にあるかによって異なる。
上記横水流導入口が底面近傍にある場合、上記の第二回転水車の回転方向は、下側の回転する先が上記水槽本体部へ向いており、かつ、上記水槽本体部側の上方に、上記第二回転水車が回転する外周の軌道に沿った被せ部を設けておくとよい。被せ部があることで、水の取り込み側と吐き出し側とがはっきりして、生じる流れが明確なものになりやすい。この被せ部は上記第二回転水車の上方全体を覆う円弧状屋根部としてもよい。ただしその場合、上記第二回転水車に軸方向から水を供給できるようにしておく必要がある。
また、上記第二回転水車の外周近傍から、上記水槽本体部への流路に沿って延ばされた天板部を有すると、上記第二回転水車によって生じる上記水槽本体部への水流が拡散することなく、上記水槽本体部内へ勢いを維持したまま水流を導入することができる。上記被せ部と上記天板部とが両方備わっていると、回転水車周辺の水流を十分に定常化させることができるのでより好ましい。また、これら被せ部と天板部は一繋がりの整流部を形成し、取り外し可能な機構を有していると、それ自体の清掃がしやすく、かつ、被せ部の下に入り込んでいる回転水車を取り外してのメンテナンスもできるため好ましい。
一方で、上記仕切板の下端を上記水槽側部側に寄せることで、上記天板部を短くしたり、又は上記天板部を無くすことで、上記第二回転水車により生じた水流がすぐに上記水槽本体部に到達するようにしてもよい。
さらに、上記水槽本体部と上記水槽側部とを区切る仕切板が、上記被せ部と一体である整流部として取り外しできると、食品処理装置全体がメンテナンスしやすくなるのでさらに好ましい。上記天板部がある場合は、それも一体であるとよい。
一方、上記横水流導入口が、稼働時の水面よりも下で、かつ上記水槽本体部の水深の半分よりも上にある場合、上記の第二回転水車の回転方向は、上記水槽本体部側が下向きになるように配する。なお、この形態の場合望ましくは、上記横水流導入口は水面近傍に配する。その上で、上向きの水流が上記横水流導入口へと水平方向へ整流する断面弧状部を有する整流カバーを被せるとよい。この整流カバーは、上記横水流導入口以外の方向に水流が向いてロスが増えることを防ぐために、当該水平方向への水流をそれぞれ上記水流開始口と上記横水流導入口へと導入する横スリット状の吹出口を有する絞り部と、それぞれの回転水車の上記水流本体部側を覆う正面板と、上記水流本体部と反対側を覆う背面板と、上記回転水車の軸方向を覆う側面板とを有しているとよい。また、上記側面板には、それぞれの回転水車における軸方向両端から水を取り込むための側面取水口を空けてあるとよい。さらに、この配置では、回転水車の下方が下方カバーにより閉塞されていると、下方向に無駄な水流が逃げることを防止できるのでなおよい。整流カバーと下方カバーとは係合部により嵌合されているとよい。この下方カバーや整流カバーの内周は、回転水車の回転翼が通過する位置に近付けてあるほど、内部で無駄な水流が発生しにくくなる。
ただし、送り出すべき水を軸方向の半ばからも取込可能であることが望ましいため、複数本の回転水車の連結部や途切れている箇所から、回転水車に水を取込可能である取水口となる切欠部があることが望ましい。特に、長さを必要とする第二回転水車の整流カバーには上記正面板に設けた正面切欠部と、上記背面板に設けた背面切欠部とを有しているとこのましい。さらに、それと嵌合させる下方カバーにも、それらと繋がる切欠部が形成されているとさらにこのましい。
また、上記第一回転水車も、上記水流本体部と上記水槽開始端部との間を仕切る遮断板に空けられた、水流を通過させるための横スリット状の水流開始口の位置によって、望ましい回転方向が異なる。上記水流開始口が水面近傍にある場合には上記水流本体部側の回転が下向きに、上記水流開始口が底面近傍にある場合には、上記水流本体部側の回転が上向きになるように配する。また、上記の第二回転水車に被せるのと同じ被せ部、清流部を被せることで、水流のロスを抑えると好ましい。
上記第一回転水車及び上記第二回転水車を回転させる機構としては、上記のそれぞれの回転水車の一方の端部が第一の傘歯車からなり、その第一の傘歯車の上方であって水面よりも上に配したモーターから下方へ延びる回転軸の先端に設けた第二の傘歯車が、前記第一の傘歯車と噛み合うことで、上記回転水車が回転させられる機構とすると、水槽に穴を開けることなく実現できる。
また、上記第一回転水車及び上記第二回転水車を回転させる別の機構として、モーターを水槽外に取り付けて、壁面に開けた孔を通して可動軸を水槽内へ突き出させ、回転水車の回転軸と接合させて、回転水車を回転させる機構も可能である。ただし、孔の周囲は水密性と滑り性とを両立させる必要がある。また、その反対側の壁面にも、モーターとは直結しないが軸受を介した可動軸を取り付けておき、この可動軸と回転軸との間に回転水車を取り付ける構造でもよい。この場合、上記の回転軸と可動軸との間を接合する機構が分解可能であると、回転水車部分だけを取り外して洗浄可能となるため、メンテナンス上好ましい。この接合部分の分解可能な構造としては例えば、回転軸と回動軸の先端同士を噛み合わせ可能な凹凸形状とし、その噛み合わせ部分の周囲に軸方向にスライドできる筒を被せる構造が挙げられる。筒には、回動軸又は回転軸の周面から突き出た固定具を挿入できる固定孔が空けてあり、固定具自体は内部に仕込んだバネなどの弾性部材により、筒をスライドさせるときに押し込んでも、固定させる際には再び突き出てくる。
さらに、上記第一回転水車及び上記第二回転水車を回転させる別の機構として、モーターを水槽外に取り付けて、壁面に孔を空けることなく、上記の回転水車のいずれかの端部に磁石を配した受動円盤を取り付けるとともに、その受動円盤との間に水槽壁面を挟んで向かい合う位置に、モーターに直結した磁石を配した駆動円盤を設ける機構が挙げられる。水槽外に配したモーターの回転力が、水槽外の駆動円盤の回転によって生じる磁力線によって、水槽内の受動円盤を回転させることができる。この場合、壁面に孔を空けずに済み、水密性及び装置の耐久性が向上する。ただし少なくとも、受動円盤と駆動円盤との間の水槽壁面には、鉄などの強磁性体を用いることができず、ガラスや樹脂などの非磁性体を用いることが好ましい。なお、特に上記第二回転水車を複数本から成るものとする場合には、水槽側部の進行方向中央付近の底部近傍に、モーター及びそれに付属する駆動円盤を設ける切欠部を設けておくことが好ましい。
この発明にかかる食品処理装置により食品を洗浄すると、従来よりも水流に偏りが少なく洗浄を徹底させやすくなり、かつ、回転水車により生じる水流をほぼロスすることなく、水の進行と回転とに用いることができるので、省エネ効果にも優れた運用が可能となる。
この発明にかかる食品処理装置では、食品の洗浄以外にも、例えば薬液による味付けや、高温の水などによる殺菌処理が可能である。これらの処理でも、同様に偏りが解消された水流によって、処理される食品の仕上がりにむらが生じにくくなる。ただしこの場合、薬液や高温に対して耐性のある材料で製造した食品処理装置とする。
この発明にかかる食品処理装置の基本構造を示す概念図 この発明の第1の実施形態にかかる食品処理装置の例を示す斜視図 図2の食品処理装置の網部を外した平面図 図2の食品処理装置のA−A側面断面図 図2の食品処理装置のB−B正面断面図 第一回転水車とその取り付け部分の拡大図 図2の食品処理装置で用いる仕切板を含む整流部の斜視図 仕切板上端の有孔板周辺の正面断面拡大図 有孔板及び網部周辺の平面拡大図 第2の実施形態にかかる食品処理装置の正面断面図 図10の食品処理装置の網部を外した平面図 図11のC−C側面断面図 図10の食品処理装置で用いる仕切板を含む整流部の斜視図 図10で用いる第二回転水車とその取付部分の拡大図 この発明の第三の実施形態にかかる食品処理装置の例を示す斜視図 図15の食品処理装置のメッシュを外した平面図 図16の食品処理装置のD−D正面断面図 図16の食品処理装置のE−E側面断面図 図16の食品処理装置のF−F正面断面図 (a)(b)図15の食品処理装置に取り付けられる有孔板の斜視図 図15の食品処理装置で用いる水車とカバーの展開図 図21の水車とカバーを取り付けた際の側面図 図15の食品処理装置で用いる第二回転水車の接合部を分離させた拡大図 図15の食品処理装置のメッシュを取り付けた平面図
まず、この発明にかかる食品処理装置の基本構造を、図1に示す概念図を用いて説明する。
この発明にかかる食品処理装置1は上面が開放された水槽3を有する。水槽3は少なくとも、処理対象物16を移送しながら回転させて処理する水槽本体部3aを有する。この水槽3の長手方向の一方の端部に、水槽本体部3aとの間を区切られた、水槽開始端部3cを有する。この水槽開始端部3cには、第一回転水車4が設けられ、水槽本体部3aへ水流を送り込む。また、水槽3の長手方向の壁面に沿って、水槽本体部3aとの間を区切られた、水槽側部3bを有する。この水槽側部3bには、第二回転水車5が設けられ、水槽本体部へ水流を送り込む。水槽本体部3aに投入された処理対象物は、第一回転水車4が生じた水流によって他方の端部へ押し出され、第二回転水車5が生じた水流によって水槽本体部3aで回転させられて、洗浄などの処理が行われる。長手方向の他方の端部には排水口10が空けられて水が落下していくことで、水槽本体部3a全体が流れる水流を形成する。
水槽本体部3aと水槽開始端部3cとの間には遮断板6が設けられる。また、水槽本体部3aと水槽側部3bとの間には仕切板7が設けられる。遮断板6と仕切板7とにはそれぞれ、第一回転水車4、第二回転水車5から生じた水流を水槽本体部3aへ導入するためのスリット状の口(正面口8,側面口9)が確保されている。これらの口は板に孔を空けて形成してもよいし、底面との間に隙間を生じるように遮断板6や仕切板7を配することで形成してもよい。
この水流を導入する口の位置は、上記処理対象物によって異なる。取り扱う処理対象物の比重が水より軽い場合、少なくとも第二回転水車5から水槽本体部3aに水流を導入する口は水槽本体部3aの最深部の深さの半分よりも上に位置することが好ましく、装置が駆動している際の水面の高さに近いとより好ましい。逆に取り扱う処理対象物の比重が水より重い場合、少なくとも第二回転水車5から水槽本体部3aに水流を導入する口は水槽本体部3aの最深部の深さの半分よりも下に位置することが好ましく、底面に近いとより好ましく、底面と板との間に隙間を空けて配することで形成していると好ましい。いずれの場合も、導入される水流が、上記処理対象物に効率よく当たるようにすることが好ましいためである。
次に、具体的な実施形態について説明する。この発明の第1の実施形態にかかる食品処理装置11を、図面を参照して説明する。この実施形態は、水よりも比重が重い処理対象物を処理するための食品処理装置である。図2は斜視図であり、図3は後述する網部74を外して上から見た平面図であり、図4は後述する第二回転水車15側から見たA−Aの側面断面図であり、図5はB−Bの正面断面図である。
上面が開放された水槽13は、処理対象物16を洗浄する水槽本体部13aと、そこに回転水流を送り込むための水槽側部13bと、水槽本体部13a内の水と処理対象物16とを進行させるための進行水流を送り込むための水槽開始端部13cとからなる。水槽本体部13aの上縁は矩形状をしており、図2の左側、すなわち短辺のうち水槽開始端部13cが設けられた側から、右側、すなわち短辺のうちその反対側で洗浄後の処理対象物16を水中から引き上げる取出コンベア20が設けられた側へと、処理対象物16を順次運んでいく進行水流を発生させる。処理対象物16は、まず水槽本体部13aの水槽開始端部13c近傍に投下される。水槽本体部13a内では上記回転水流によって回転させられることで洗浄されながら、進行水流に乗って取出コンベア20まで到着して引き上げられる。なお実際には水槽本体部13aではこの進行水流と回転水流とが合成されたベクトルの水流が生じている。
この実施形態では、上記の回転水流及び進行水流のどちらも、回転水車の回転により発生させる。進行水流を発生させる第一回転水車14は、水槽開始端部13c内に設けられる。水槽開始端部13cと水槽本体部13aとの間は、遮断板19で区切られている。装置の製造にあたっては、水槽開始端部13cを水槽本体部13aと一体に製造した後に遮断板19を上から挿入して溶接してもよいし、水槽本体部13aを先に囲って構築した後、その外壁の一つである遮断板19の外側に、水槽開始端部13cの残りの囲みを構成する三方の周壁と底板からなるパーツを取り付けてもよい。
図3の側面図に示すように、水槽開始端部13c内の上下方向中程より上であって、使用時の水面より低くなる箇所に、第一回転水車14を取り付ける。第一回転水車14は、図6に示すように、水平方向に所定の長さを有する棒状の軸体22の周囲に、水を送り出す第一の回転翼21を備えている。回転翼21は回転方向に複数枚備えられており、それらの回転翼21は、水槽開始端部13cの両端間幅に近い長さの軸体22とほぼ同等の長さにまで連なっている。それぞれの回転翼21は、軸方向に所定の長さで分断され、軸方向に隣接する回転翼21とは、角度をずらして配してある。これにより、生じる水流が回転翼21の回転周期に応じて生じる水流のムラを分散して、水流を安定させることができる。
上記の第一回転水車14を乗せるため、水槽開始端部13cの正面側周壁の内面側には、受け具24の土台となる支え部34,34が、水槽開始端部13cの高さ方向中程より上の二カ所に、高さを揃えて固定されている。この支え部34,34のそれぞれの上に、半円柱状の内周面31を上向きに有し、その両側に上方へ突き出たボルト32を有する受け具24、24が設けてある。受け具24はそれに応対する抑え具25と接合可能である。軸体22を貫く回転軸23はその両端近傍に、受け具24及び抑え具25とに接触し、軸方向に挟むことができる幅を確保して設けられた鍔部26,26で挟まれた滑り面27を有する。また、一方の端部(図2中上側にあたる)には、磁石を備えた受動円盤28が壁面との間にわずかな隙間を空けて設けてある。壁面を挟んだ水槽開始端部13cの外には、モーター30によって回転される駆動円盤29が、受動円盤28と向かい合う位置に設けてある。駆動円盤29にも磁石が設けてあり、駆動円盤29が回転すると磁力によって受動円盤28も連動して回転し、受動円盤28の回転により軸体22及びその周囲に設けられた第一の回転翼21が回転して、上記進行水流を発生させる。
第一回転水車14を水槽開始端部13cに取り付ける際には、それぞれの受け具24,24の内周面31、31に、回転軸23の滑り面27,27を載せ、その上から抑え具25、25のボルト穴をボルト32,32に挿入し、上からナット33,33でネジ留めする。受け具24及び抑え具25の内周面と、回転軸23の外周面である滑り面27,27とは、間に水が潤滑剤として入ることで摺動し、第一の回転水車14は回転自在に保持される。
一方、水槽開始端部13cで第一回転水車14により発生した上記進行水流を水槽本体部13aへ導入するために、遮断板19には水平方向に十分な幅と、高さ方向に所定の幅を確保した水流開始口35を空ける。この水流開始口35は図のように矩形状の孔でもよいし、処理対象物16の侵入を防ぐためにスリットや網が設けられていてもよい。必然的に、水流開始口35を設ける高さ方向の位置は、第一回転水車14が遮断板19へ向かって回転する接線方向の位置付近であるとよい。すなわち、水槽の深さ方向の半分より上となる。これは処理対象物16が水より比重が軽く、浮かびやすい物に対応し、洗浄を効率よく進行させるために好適な構成となる。なお、この実施形態にかかる食品処理装置11で、水よりも比重が重い物の洗浄を行うときは、後述する回転方向の水流を、処理対象物16を浮かび上がらせるほどに強くするとよい。
また、この水流開始口35の上辺から第一回転水車14に触れない外周近傍まで延びる板である水流屋根部36を設けておくと、第一回転水車14により生じる水流をできるだけ損なわずに水槽本体部13aへ供給することができるので好ましい。
なお、水槽開始端部13cから第一回転水車14により送り出す分の水は、水槽開始端部13cの水面上から順次供給するとよい。この水は、取出コンベア20側で一旦回収したものの一部を循環させると水の消費量を節約できる。
次に、進行水流と垂直に生じさせる回転水流を発生させる第二の回転水車15と、それを設ける水槽側部13bについて説明する。水槽側部13bは、水槽本体部13aの一方の側面側に上記進行水流に沿って設けてある。この実施形態では、水槽本体部13aと水槽側部13bとが一体の水槽として成形されており、整流部60の仕切板63によって、水槽本体部13aと水槽側部13bとに分けている。
水槽側部13bには、その側面側内壁の底部近傍に、内壁に沿って、第二の回転水車15を少なくとも一本設けてある。この実施形態では、同軸上に2本の第二回転水車15a,15bを設けてある。第二回転水車15も、上記の第一回転水車14と同様の形状をしている。すなわち、水平方向に所定の長さを有する棒状の軸体42の周囲に、水を送り出す第二の回転翼41を備えている。回転翼41は回転方向に複数枚備えられており、それらの回転翼41は、軸体42とほぼ同等の長さにまで連なっている。それぞれの回転翼41は、軸方向に所定の長さで分断され、軸方向に隣接する回転翼41とは、角度をずらして配してある。これにより、生じる水流が回転翼41の回転周期に応じて生じる水流のムラを分散して、水流を安定させることができる。
この第二回転水車15(15a,15b)を底部近傍に取り付けるために、水槽側部13bの底面には、間隔を空けて一対の受け具44,44が設けてある。すなわちこの受け具44、44が、一本の第二回転水車15の両端近傍を受ける。第二回転水車15の1本ごとに、二つの受け具44,44が必要となる。図では2本の第二回転水車15a、15bに対応して、受け具44が2対設けてある。その対同士の間に、底部外壁が水槽側部13bの側へ凹んだ水槽切欠部54が形成されている。
第二回転水車15の取り付け形態は、上記の第一回転水車14と基本的に同様の構成とすることで、必要に応じて取り外して清掃することができる。すなわち、次のような構成である。受け具44はそれに応対する抑え具45と接合可能である。軸体42を貫く回転軸43はその両端近傍に、受け具44及び抑え具45とに接触し、軸方向に挟むことができる幅を確保して設けられた鍔部46,46で挟まれた滑り面47を有する。また、一方の端部(図1及び図3中左側にあたる)には、磁石を備えた受動円盤48が壁面との間にわずかな隙間を空けて設けてある。この受動円盤48は、水槽外に設けたモーター50によって回転される磁石を備えた駆動円盤49の回転に連動して回転させられる。
このモーター50のうち、水槽開始端部13cに近い側の第二回転水車15aを回転させるモーター50aは、水槽側部13bの、水槽開始端部13c側の端部外壁の外に設けてある。また、水槽開始端部13cから遠い側の第二回転水車15bを回転させるモーター50bは、上記の切欠部54に設けてある。このような配置とすることで、複数本の第二回転水車15a,15bを同軸延長線上にて回転させることができる。なお、切欠部54を設けずに、水槽側部13bの水槽開始端部13cとは逆側の端部外壁の外にモーター50を設けてもよいが、その場合はそのモーター50の回転方向を逆向きにする必要がある。
いずれの配置であっても、モーター50(50a,50b)の回転により駆動円盤49が回転すると、壁面を挟んで向かい合う受動円盤48が磁力によって連動して回転し、受動円盤48の回転により軸体42及びその周囲に設けられた第二の回転翼41が回転して、上記回転水流を発生させる。
この第二回転水車15を受け具44に回転自在に取り付ける方法も、基本的には第一回転水車14と同様である。すなわち、一対の受け具44,44の内周面51に、回転軸43の滑り面47を載せ、その上から抑え具45、45のボルト穴をボルト52,52に挿入し、上からナット53でネジ留めする。受け具44及び抑え具45の内周面と、回転軸43の外周面である滑り面47,47とは、間に水が潤滑剤として入ることで摺動し、第二回転水車15も回転自在に保持される。
この第二回転水車15により生じた水流は、水槽本体部13aと水槽側部13bとを仕切る仕切板63の下部と水槽の底面との間の隙間である横水流導入口69を通って水槽本体部13aへ送り込まれることで、水槽本体部13aにおける回転水流となる。この水流を効率良く水槽本体部13aへ送り込むために、仕切板63が他の部品と一体化させた整流部60を形成させている。この整流部60だけを抜き出した斜視図を図7に示す。この整流部60は、次に示す被せ部61及び天板部62と仕切板63とが一体化したものである。
まず、第二回転水車15の水槽本体部13a側の外周上方、すなわち回転翼41の外縁が通過する軌道に沿って、回転翼41とぶつからない位置に、被せ部61が取り付けてある。第二回転水車15の水槽本体部13a側の上方が開放されていると、上記の底部近傍の隙間である横水流導入口69から離れた方向へも水流が送られてしまい、効率が悪くなる。そこで、第二回転水車15の外周に沿って被せ部61を設けることで、回転する水に同伴して生じる水流が、第二回転水車15の壁面側上方から取り込まれて水槽本体部13aへと向かって抜けるという主たる流れにほぼ集約されることになる。
ただし、被せ部61には、回転翼41が設けられていない水槽切欠部54に対応する部分が欠けて、カバー切欠部68を形成している。水槽切欠部54との干渉を避けるためである。
また、第二回転水車15の外周近傍から、底部付近の流路に沿って延ばされた天板部62を有する。この天板部62で上方を塞ぐことによって、生じた水流が無駄に拡散しなくなり、効率よく水流を供給できるようになる。この天板部62と上記の被せ部61を一体とすることで、それらの間に隙間が生じて水流が抜けることを防止できる。なお、天板部62が水槽切欠部54の水槽側の屋根に一部乗っていると、整流部60全体が安定しやすい。
さらに、この天板部62の水槽本体部13a側の端部と、仕切板63とを繋げて一体の整流部60とすると、仕切板63よりも壁面側の水槽側部13bを第二回転水車15に取り込まれる下降水流が生じる領域として独立させることができ、水槽13の全体の流れが明確なものとなる。
これらの仕切板63、天板部62、被せ部61とが一体の整流部60として、水槽13内に取り付け、取り外しできるようにすると、メンテナンス上好ましい。この実施形態では、天板部62の両側端部の下方へ延びる固定脚64,64を有している。一方、水槽13の底面には、この固定脚64を固定する固定枠65、65を設けており、この固定枠65に固定脚64を上から嵌めることで、整流部60を固定することができる。なお、整流部60をまとめて取り外しできるように、仕切板63の第二回転水車15側の面に、取っ手67を取り付けておいてもよい。
また、整流部60の水槽本体部13a側の端部、すなわち、回転水流が天板部62の下を抜ける箇所に、水槽13の床まで届くように縦網部66を設けておくと、水槽本体部13aから水槽側部13bへの処理対象物16や後述する除外物17の逆流を防ぐことができるので好ましい。ただし、縦網部66が細かすぎると上記回転水流の勢いが減衰させられるため、除外物17を防ぐことができる程度の粗さに留めておくことが好ましい。
なお、第二回転水車15を設ける水槽側部13bの底部壁面側の隅は、床面と壁面とが単純に直交しているのではなく、第二回転水車15の第二回転翼41の軌道に沿って、アールが設けられた周面部55を有すると、水流が隅で乱流を生じることなく、スムーズに第二回転水車15の動きに沿った水流となって、上方からの水を水槽本体部13aへと送り込むことができるので好ましい。
一方、仕切板63の水面側端部は、底部側端部よりも水槽側部13b側に傾きかつ湾曲した曲面部を有している。これにより、水槽本体部13aの容積が拡大するとともに、水槽本体部13aの回転水流が循環しやすくなる。
その仕切板63の水面側端部は使用時における水面の高さよりもわずかに高くなる位置まで突き出ている。この水面側端部近傍の正面拡大図を図8に、平面拡大図を図9に示す。ただしその突き出た高さは、上記の回転水流により生じる波によって、到達可能な高さとする。そして、その水面側端部から水槽本体部13a側に有孔板71が取り付けられている。有孔板71には、基本的に処理対象物16は通過できないが、処理対象物16に付随して、洗浄により分離させるべきごみや食品くず、油脂分(以下、「除外物」と称する。)17が通過可能な大きさの通過孔72が複数個空けられている。上記の回転水流により生じる波によって、この通過孔72を下から上へ抜ける一部の水流にとともに、除外物17が通過孔72を抜けて、その勢いのまま仕切板63の上端を乗り越えて水槽側部13bへと落下する。
このとき、通過孔72を通過せずに処理対象物16が水槽側部13bへと落下してしまうことを防ぐために、有孔板71の水槽本体部13a側の端部は、上方へと反り返った跳返部73を設けておく。この跳返部73の上端は、上記の回転水流により生じる波が到達出来ない高さにまで延ばされていることが望ましい。なお、有孔板71のうち、通過孔72を設ける部分は水平方向に延びる板であると、除外物17の選別がしやすくなるため好ましく、跳返部73にまでは到達していないことが好ましい。
一方、仕切板63の水面側端部と水槽側部13bの壁面との間には、仕切板63を越えてきた水と除外物17のうち、除外物17だけを受け止めることができる網部74を、上記水面側端部と壁面の縁とに設けた引掛部75,75との間を渡すように引っ掛けてある。この網部74を通過した水は、除外物17を除外された上で第二回転水車15へと送り込むことができる。なお、清掃時には取り外すことができる。ただし、この発明にかかる食品処理装置11を洗浄以外の殺菌や加熱処理を主目的として用いる場合、網部74を外した実施形態でもよい。
上記の水槽本体部13aの、仕切板63と向き合う他方の側面は、底面から水面まで外側に膨らんだ円弧状の曲面からなる曲面部18を設けておく。これにより、水流が洗浄と関係のない所で渦巻いてエネルギーの無駄となることを防止できる。この曲面部18の曲面に沿って上記の回転水流は底面から水面近くまで上昇し、処理対象物16を洗浄するとともに、有孔板71側へ除外物17を押し流す。有孔板71を取り付けた仕切板63まで到達した水流は、一部が仕切板63を乗り越えて水槽側部13bへ落ち、新たな回転水流になる。また乗り越えなかった分の水流は、今度は仕切板63の外側に膨らんだ曲面に沿って下方へと下り、新たな回転水流と合流する。これにより、水槽本体部13a内に、図5の方向から見た時計回りの回転する水流、すなわち回転水流が恒常的に循環することになる。この回転水流に、第一回転水車14から送り込まれた進行水流が加わることで、回転しながら進行し、処理対象物16の洗浄を進めて、最終的には取出コンベア20から取り出すことができるようになる。
水槽13全体としては、第一回転水車14によって生じる流れに加えて、水槽開始端部13cに水を供給する水供給口39を設けるとともに、水槽開始端部13cに相対する終端部(図では取出コンベア20の下)に、水槽本体部13aの水を滝のように落下させる排水口38を設ける。これにより、水槽13全体に水槽開始端部13c側から取出コンベア20側へと移送される水の流れがはっきりすることになる。なお、排水口38から排出した水の一部を水供給口39から水槽開始端部13cや、水槽側部13bへリサイクルすることで水の消費量を抑制することができる。この場合、リサイクルの途中で水に含まれる除外物17を除去することが望ましい。また、上記の排水口38とは別に、処理完了後に水槽13の水を全て抜き出すための下排水口40が底部に設けられている。
次に、この発明にかかる食品処理装置の第2の実施形態について説明する。水槽13の基本的構成は第1の実施形態と同様であるが、底面に据え置く整流部60の代わりに、水槽側部13bの側壁面56に引っ掛ける整流部80を用い、回転水車の形態を変更したものである。整流部80を水槽に取り付けた際の正面断面図を図10に、平面図を図11に、水槽側部13bから水槽本体部13a側を見た側面断面図を図12に、取り出し可能な整流部80自体の斜視図を図13に示す。
この実施形態では第1の実施形態に比べて、仕切板83の傾きが大きく、すなわち、鉛直方向に近い傾きとなっている。これに伴い、天板部82が短縮されている。天板部82が無いほどに円弧状屋根部81の端部と直接に仕切板83が接続される形態でもよいが、天板部82があることで第二回転水車91により生じる水流の流れが制御しやすくなる。また、仕切板83の下には、水槽13の底面との間に隙間を空けることで横水流導入口93が生じている。この横水流導入口93には、底面まで延びる縦網部86が設けられ、処理対象物16の逆流を防ぐ。また第二回転水車91の回転する外周に沿って設ける上記被せ部は水槽本体部13a側だけでなく、第二回転水車91の上方を側壁面56側まで及ぶように延びた円弧状屋根部81となっている。円弧状屋根部81の側壁面56側はほぼ側壁面56に接触するところまで到達しており、側壁面56に立てかける立板部84に繋がっている。
ただし、円弧状屋根部81とそれに繋がる立板部84は、第二回転水車91の軸方向の中程、すなわち、モーター50bを設置するための水槽切欠部54が水槽13中へ入り込んでいる箇所で、これと干渉しないように切り欠いた屋根切欠部87が形成されている。ただし、屋根切欠部87の切り欠いた部分は、水槽切欠部54の軸方向長さよりも長く、水槽切欠部54の軸方向両側に、第二回転水車91の端部へと水が落下できる隙間を生じている。また、第二回転水車91の軸方向両端にも、円弧状屋根部81が欠けた両端屋根切欠部90が形成されている。この屋根切欠部87及び両端屋根切欠部90を通ることで、整流部80の中央部分からも第二回転水車91、91に水が供給されるため、第二回転水車91が高速回転する場合でも、水の供給が追いつき、送り出すべき方向から水を取り込んでしまう事態を抑制できる。
立板部84は側壁面56に沿って上方へ延び、側壁面56から延びる壁面フック88に引っ掛けることが可能な、横方向へ枝状に延びた板引掛部85を形成してある。また、仕切板83の側壁面56側の面には、この整流部80をまとめて壁面フック88から取り外す際の持ち手となる取っ手89が取り付けてある。
なお、仕切板83の上に取り付ける有孔板71や網部74の構成は、第1の実施形態と同様の構成が可能である。
また、第二回転水車91の形状も第1の実施形態とは異なっている。この第二回転水車91の斜視図を図14に示す。この第二回転水車91は棒状の回転軸43の少なくとも両端部に、径方向に広がった環状部100を有している。この環状部100は、回転軸102との間が複数本の腕部103で繋がっており、すなわち、腕部103が設けられていない部分は回転軸102と環状部100との間に隙間104が生じるように形成されている。この隙間104から水が回転翼101に流入する。
環状部100の軸方向面には、もう一つの環状部100まで渡される、軸方向断面が弧状である第二回転翼となる回転翼101が、周方向に複数本設けられている。この回転翼101も、回転軸102とは直接に接しておらず、回転軸102との間に隙間を生じるように形成されている。また、回転翼101の断面弧状となる凹んだ面は、第二回転水車91の回転方向を向いており、水を効率的に受けて送り出すことができるように配されている。すなわち、回転翼101が下側に回ったとき、凹んだ側の面が水槽本体部13aを向く様に配する。回転軸102の回転に伴って、第二回転翼となる回転翼101が回転して、水槽本体部13aへ回転方向の水流を送り込む。
環状部100は両端に設ける他、図14のように軸方向の途中に設けていてもよい。軸方向の途中に環状部100を設けることで、回転翼101の安定度が増す。ただし、環状部100が多すぎても水流の勢いが低下するため、一つか二つであればよい。
なお、第二回転水車91の、水槽の壁面底部近傍に固定し、回転させるための構造は、環状部100(腕部103、隙間104)及び回転翼101以外について第1の実施形態と同様の構成が可能である。すなわち、一対の受け具44,44の内周面51に、回転軸43の滑り面47を載せ、その上から抑え具45、45のボルト穴をボルト52,52に挿入し、上からナット53でネジ留めする。受け具44及び抑え具45の内周面と、回転軸43の外周面である滑り面47,47とは、間に水が潤滑剤として入ることで摺動し、第二回転水車91も回転自在に保持される。モーター50により回転される駆動円盤49の磁力に連動して、受動円盤48が回転して、第二回転水車91を回転させ、水流を発生させる。
回転した第二回転水車91による流れが、水槽本体部13a側へ向かいやすいように、水槽側部13bの第二回転水車91より水槽本体部13a側の床面には、水の流れを水槽本体部13aへと集中して向かわせるために、壁面をなだらかに傾斜させた整流台92を設けてある。
また、第一回転水車95の構造も、第二回転水車91と同様に、環状部100、100の間に、回転軸102からは離れた第一回転翼となる断面弧状の回転翼101を渡した構造となっている。当然に、回転軸102の回転に伴って回転翼101が回転する。これにより、水供給口39から供給された水は、水流屋根部36の両端から第一回転水車95の両端方向へ入り込み、環状部100の隙間を通って、回転翼101の中央部分まで到達した上で、取出コンベア20へ向けて送り出される進行方向の水流を生じる。
この第2の実施形態によると、上方から網部74を通過してきた水が両端屋根切欠部90や屋根切欠部87を通り、軸方向の両端から環状部100の隙間を通って第二回転水車91に流れ込み、高速回転時にも水の供給が間に合うようになる。それにより生じる水流がほとんど減衰することなく速やかに水槽本体部13aに到達するので、水流の発生効率がよい。
また、水槽開始端部13cに取り付ける第一回転水車も、上記の第二回転水車91と同様に、環状部100と回転翼101とを繋いだ第一回転水車95としてもよい。
次に、処理対象物の比重が水より軽い場合に好適に利用できる食品処理装置の第三の実施形態について、図15以降を用いて説明する。図15に斜視図を、図16に平面図(後述する網部151〜153を外したもの)を、図17にD−D正面断面図を、図18にE−E側面断面図を、図19にF−F正面断面図示す。
水槽113は、処理対象物16を処理する水槽本体部113aと、第一回転水車114を設ける水槽開始端部113cと、第二回転水車115を設ける水槽側部113bと、水槽本体部113aから溢れた水を水槽側部113bへと送り込む水路部113dとを有する。水槽本体部113aの水槽開始端部113c近傍上方には、処理対象物16を投入する際に周辺を囲い水槽113外への落下を防ぎ順次水槽本体部113aへと導入する投入ガイド121が設けてある。水槽開始端部113cに相対する端部には終端部傾斜面123が設けられている。この終端部傾斜面123に沿って取出コンベア120が設けてある。取出コンベア120の下の終端部傾斜面123には、水路部113dへと水が落下する排水口122が設けてある。第一回転水車114による水流と、排水口122へ向かって落下することとによって、水槽開始端部113cから取出コンベア120へと向かう長手方向の流れが生じ、水槽本体部113a内の全体で処理対象物16が終端側となる取出コンベア20へ向かう移送が進む。水槽本体部113a内ではこの長手方向の流れに対して横方向となる仕切板127に空けられた横水流導入口128から、第二回転水車115による水流が導入される。横水流導入口128は、後述する傾斜部133aの一部を切り取って形成されている。切り取られた傾斜部133aは、庇部129を形成するように上向きに曲げてある。後述する第二回転水車115に被せられる整流カバー117の吹出口195がこの庇部129の下へ押し込まれて固定される。また、側部網部152がこの庇部129の上に載せられる。
この第二回転水車115による水流が、水槽本体部113a内で水面付近に浮き上がる処理対象物16を水槽側部113bとは反対側へ押し流す。水槽本体部113aの水槽側部113bに相対する側の壁面は、底部132から壁面の水面付近へ向かって断面弧状に形成されている曲面部131bとなっている。壁面にぶつかった水流はこの曲面部131bに沿って底部132の中央へと向かい、この水流の回転に乗って、処理対象物16も一旦沈む。一旦沈んだ処理対象物16は水より軽いため浮かび上がってくる。処理対象物16はこの循環をしながら長手方向へと進行していき、洗浄などの処理が行われる。
なお、水槽本体部113aの水槽側部113b側の壁面も同様に、断面弧状に形成されている曲面部131aとなっている。曲面部131aと曲面部131bとに囲まれた範囲で、水流が循環しやすくなっている。また、底部132の中央には、長手方向に向かって底溝139が形成されており、下排水口140へと繋がっている。ただし、普段の処理時には底溝139に処理対象物16が引っ掛かることは望ましくないため、底溝139には有孔板からなる底蓋138が被せてある。砂などの細かいゴミはこの底蓋138の孔を通して下へと落ちる。
一方、水槽本体部113aの両側面の上端は中央に向かって傾斜する傾斜部133a、133bが設けられており、処理対象物16が飛び出ることを抑制している。その上で、上端の上縁134の少なくとも一部は、処理対象物16を通過させず、水は通過可能な有孔部を有している。図の実施形態では上端の上縁134に幅広の切欠135を設けて、そこに有孔板136a,136bを嵌め込んでいる。この有孔板136aの斜視図を図20(a)に、有孔板136bの斜視図を図20(b)に示す。この有孔板136a,136bの有孔部を通して、水槽本体部113aから水が溢れる。そのうち、水槽側部113b側の有孔板136aを通過した水はそのまま水槽側部113bへと落ち、第二回転水車115が送り込む水として供給される。一方、水槽側部113bと反対側の有孔板136bから溢れた水は水路部113dへと落ち、取出コンベア120の下を回り込んで水槽側部113bへと供給され、再び第二回転水車115が送り込む水となる。なお、水路部113dから水槽側部113bへと落ちる前に、ゴミなどの除外物を引っ掛ける網部を設けて置いてもよい。この網部の目は上記有孔部よりも細かいものとなる。
また、水槽側部113b側の有孔板136aには、水槽本体部113aの中央側に向かって複数本の細い板からなる跳返部137を並べて取り付けてある。この跳返部137は、一旦沈んだ後浮かび上がってくる処理対象物16が水槽本体部113aの外に飛び出ることをさらに防止する。
取出コンベア120の下側傾斜面に設けられる排水口122には、ネジ留めによって設置位置を調整可能な蓋板124が取り付けられる。蓋板124の上端の位置が排水口122の下縁から上縁まで調整可能であり、蓋板124の上端が水槽本体部113aにおける水位の基準となり、それより高い位置となるほどに水位が上がろうとすると、排水口122から溢れて水路部113dへと落ちることで水位を調整できる。
水槽開始端部113cには第一回転水車114が設けられる。この第一回転水車114が発生させる水流を、水槽本体部113aとの間を仕切る遮断板125に空けた水流開始口126へと導入するための整流カバー116が第一回転水車114に被せてある。
水槽側部113bには第二回転水車115が設けられる。この第二回転水車115が発生させる水流を、水槽本体部113aとの間を仕切る仕切板127に空けた横水流導入口128へと導入するための整流カバー117が第二回転水車115に被せてある。ただし、第二回転水車115は少なくとも2つの水車が、接合部165を介して連結しており、整流カバー117はそれぞれの回転水車115,115ごとに被せられる。また、後述するように、第二回転水車115は整流カバー117の両端に空けられた側面導入口196から水を取り込むが、この接合部165を挟む整流カバー117、117の間からも水を取り込む。
これらの第一回転水車114と第二回転水車115と、それぞれに被せる整流カバー116,117の構造は、基本的に同一の構造を採用することができる。そこで、第一回転水車114を例として、図21に示す展開図を用いてこれらの構造を説明する。
まず、回転水車(114,115)を取り付ける場所の両端には、上方に向かって滑り軸受177、177が設けてある。これは上方へ向かって半円筒状の受け部と固定用の柱からなり、回転水車114,115の回転軸183を挟んで受ける。
また、滑り軸受177,177よりも中央寄りの二カ所に、張出杭175、175が設けてある。この実施形態では底面に取り付けた固定台171、171の上に張出杭175、175を設けているが、水槽側部113b、水槽開始端部113cの底面から直接に張出杭175が突出するように設けてもよい。この張出杭175,175の間に渡すように下方カバー172が設けてある。下方カバー172の両端近傍にはそれぞれ固定穴176が設けられており、この固定穴176に上記の固定台171の張出杭175を挿入することで、下方カバー172を固定する。
下方カバー172は、少なくとも回転水車(114,115)の下方外周に沿って、曲面、屈曲部、又はそれらの両方を備えて、回転水車の斜め下側を覆う斜下面部173を有すると好ましい。図では一部を屈曲させている形態を示している。回転水車(114,115)の回転する外周のうち、必要としていない下方をカバーすることで、水流が無駄な方向に向かうことで生じるエネルギーロスを抑制し、最終的に吹出口195から放出される水流の効率を上げることができる。
回転水車114,115は、少なくとも水流開始口126(横水流導入口128)の水平方向長さよりも長い回転軸183を有し、この回転軸183の接線方向に向かって延ばされた回転翼182を有する。この位置関係を図22に示す拡大断面図に示す。この回転翼182が回転することにより水流が生じる。ただし、回転翼182の径方向先端部分は、回転する方向とは逆方向(後方)に曲げられている。これは、回転の際に受ける水の抵抗を削減して、回転効率を上げるためである。
この回転翼182を取り付けるために、回転軸183の両端近傍と、中央部分に間を空けて、径方向に広がった環状部181を有している。この環状部181は、回転軸183との間が複数本の腕部184で繋がっており、腕部184が設けられていない部分は、回転軸183と環状部181との間に隙間189が生じるように形成されている。腕部184に沿って固定された回転翼182が、周方向に複数本設けられて、環状部181と環状部181との間に渡される。この実施形態では腕部184の本数と回転翼182の枚数が一致しており、腕部184、184の間にある隙間189から、軸方向に水が流入して回転翼182により回転され水流となる。また、軸方向中央にある2つの環状部181,181の間には回転翼182が設けられていない中間取込部188となっている。これにより、軸方向両端だけでなく、中間からも水を取り込むことができる。
回転水車114,115を貫く回転軸183の両端近傍には、滑り軸受177を軸方向に挟むことができる幅を確保して設けられた鍔部185、185で挟まれた滑り面186を有する。この滑り面186が上記の滑り軸受177と接触する。また、回転軸183の一方の先端には、永久磁石を内蔵して外部からの磁力により回転する受動円盤187が設けてある。
それぞれの受動円盤187(187a,187b)に対して、水槽13の壁面を挟んで相対する、水槽13の外側に、モーター161(161a、161b)によって回転される永久磁石を内蔵する駆動円盤162(162a,162b)が取り付けてある。モーター161(161a,161b)の回転が駆動円盤162(162a、162b)へ伝わり、受動円盤187を介して、回転軸183を回転させる。また、2つの第二回転水車115、115の間は、凸状部を有する一本噛合盤163と、凹状部を有する二本噛合盤164とが接合された接合部165によって回転力を伝達している。この接合部165の構造を図23に示す。
それぞれの回転水車114,115の上方から、回転水車114,115によって生じさせる水流の向きを制御する整流カバー116,117が被せられる。整流カバー116,117は、回転水車114,115の軸方向側を覆う側面板190と、回転水車114,115の水槽本体部113a側を覆う正面板191と、外壁側を覆う背面板192とを有し、背面板192の上方は軸方向断面が円弧状である断面弧状部193となって正面板191側へと曲げられている。一方、正面板191の上方は、一旦、背面板192側へと曲げられた後、水槽本体部113a側へと折り返される絞り部194が形成されている。この絞り部194が回転水車114,115の上方のうち水槽本体部113a側の半分を覆う。絞り部194の曲面は回転水車114,115にぶつからない形状であり、かつ、回転水車114,115の外周にできるだけ近いことが水流の効率上望ましい。絞り部194の先は断面弧状部193の先と同じ向きに揃えられて、スリット状の吹出口195が形成されている。この吹出口195は上記の水槽13の水流開始口126(横水流導入口128)に挿入されて、水槽本体部113aへ水流が放出される。
ただし、整流カバー116,117は送り出す水を回転水車114,115に取り込まなければならない。このため、整流カバー116,117の軸方向両端の側面板190と、下方カバー172の軸方向両端の下方側面板174とには、回転軸183の周囲に広がる側面導入口196が空けられている。また、正面板191の中間取込部188に対応する位置には、切り欠いて回転水車に横から到達可能な正面切欠部197が形成されている。さらに、背面板192の中間取込部188に対応する位置には、同様に切り欠いた背面切欠部199が形成されている。そして、整流カバー116の正面切欠部197に連続するように、下方カバー172の水槽本体部113a側にも正面切欠部179が形成されている。そしてまた、整流カバー116の背面切欠部199に連続するように、下方カバー172の水槽本体部113aと反対側にも背面切欠部180が形成されている。これらの側面導入口196、及び切欠部(正面切欠部197、179、背面切欠部199、180)から、環状部181の腕部184と腕部184との間の隙間189を通じて、回転翼182へと水を送り込むことで、回転水車114,115が送り出すべき水が供給される。
また、整流カバー116,117の下側縁には、下方カバー172の上縁178と嵌合して整流カバー116,117を固定するための係合部198が設けてある。
整流カバー116,117は、回転水車114,115が生じさせる水流の力によって浮き上がりやすいため、吹出口195を水流開始口126や横水流導入口128に挿入するだけではなく、上方から押さえつけることが好ましい。また、水槽本体部113aから溢れた水は有孔板136a,136bを通過する際に大きな処理対象物16は濾すことができるが、その孔よりも小さな髪の毛のような小さなゴミまでは除外できないため、そのままでは水車に向かって落ちてゴミが巡回してしまう。そこで、整流カバー116,117を上から抑えつつ、除外物を濾し採ることができる、有孔板136a,136bよりも目の細かい網部を取り付ける。この網部を取り付けた状態の平面図を図24に示す。第一回転水車114に被せる整流カバー116の上には、一端を外壁に引っ掛け、他端を遮断板125に接触させるように開始端部網部151を取り付ける。第二回転水車115に被せる整流カバー117の上には、一端が外壁に引っ掛け、他端が有孔板136aに接触させるように側部網部152を取り付ける。なお、側部網部152は、長手方向に2つに分かれている。
また、整流カバー116,117とは無関係だが、有孔板136bから溢れた水に含まれる除外物を濾し採るため、傾斜部133bの上にも同様に水路部網部153が設けてある。さらに、排水口122から水路部113dに落ちた水が水槽側部113bへ落ちる前に除外物を濾し留める水路終端網部154が、水路部113dと水槽側部113bとの間に設けてある。
なお、開始端部網部151,側部網部152、水路部網部153、水路終端網部154の構造は、編んだ網である必要はなく、水に同伴する除外物を濾し採ることができるものであればよい。例えば、適切な大きさの孔が空けられたパンチングメタルを用いてもよい。図24に示す網部装着後の平面図ではパンチングメタルによる実施形態を例示する。
この発明にかかる食品処理装置の用途は洗浄に限られず、加温、ボイル、殺菌など他の用途に用いることも出来る。また、洗浄時、加温処理時、又は殺菌処理時に、処理対象物に添加物等を添加すれば、味付けや処理対象物加工も洗浄、加温処理、又は殺菌処理と同時に行うことができる。さらにまた、洗浄時に、加温したり、殺菌剤を添加したりすることにより、洗浄処理と、加温処理や殺菌処理を同時に行うことができる。
この発明にかかる食品処理装置で処理できる処理対象物16は特に限定されず、肉類、魚、貝、甲殻類等の水産物、野菜類、穀物類、果物類、豆類等の農産物、肉類や農産物、水産物等のカット、調理等された中間加工品や食品加工品等の任意の処理対象物があげられる。
上記除外物(17)としては、油脂分、髪の毛、加温処理で生じた灰汁、規格より小さい処理対象物やその片等の食品くず、小石、紙くず、虫、わら等があげられる。
水槽3,13、113内に温水又はスチームを供給して水槽3,13、113内の水の温度を上昇させると、水槽本体部3a、13a,113aに供給される処理対象物の加温処理をすることができる。この加温処理とは、処理対象物に水を介して熱を加える処理をいい、例えば、処理対象物を炊いたり、煮たり、茹でたりする処理があげられる。この用途で用いると、水槽本体部13aの水を適切にかき回すことで、水の対流を助長し、温度むらを無くし、処理対象物16を均一に加温処理することができる。
上記水槽3,13、113内の温度を上昇させるために、温水を供給する手段としては、水槽13に設けられた給水口(図示せず)から直接、温水又はスチームを供給する方法があげられる。
また、水槽3,13、113内に殺菌剤を添加して溶解又は分散させることにより、水槽本体部3a、13a,113aに供給される処理対象物の殺菌処理をすることができる。この殺菌剤としては、次亜塩素酸ナトリウム、貝殻焼成カルシウム等があげられる。この殺菌処理の場合も、水の対流を助長し、処理対象物16と殺菌剤の接触機会をより増加させることができ、処理対象物をより効率的に殺菌処理することができる。
さらに、この発明にかかる食品処理装置は、複数基を繋げて使用してもよい。すなわち、取出コンベア20,120の終端を、次の食品処理装置の投入ガイド121へ投入可能な位置に配することで、一つの食品処理装置で処理を行った後、同一の、又は別種の処理を続けて行うことができる。
1、11 食品処理装置
3、13、113 水槽
3a、13a、113a 水槽本体部
3b、13b、113b 水槽側部
3c、13c、113c 水槽開始端部
4、14、95、114 第一回転水車
5、15,15a,15b、91、115 第二回転水車
6、19、125 遮断板
7、63、83、127 仕切板
8 正面口
9 側面口
10、38、122 排水口
18、131a、131b 曲面部
20、120 取出コンベア
21、41、101、182 回転翼
22、42 軸体
23、43、102、183 回転軸
24、44 受け具
25、45 抑え具
26、46、185 鍔部
27、47、186 滑り面
28、48、187,187a,187b 受動円盤
29、49、162,162a、162b 駆動円盤
30、50,50a,50b、161,161a,161b モーター
31、51 内周面
32、52 ボルト
33、53 ナット
35、126 水流開始口
36 水流屋根部
39 水供給口
40、140 下排水口
54 水槽切欠部
55 周面部
56 側壁面
60、80 整流部
61 被せ部
62、82 天板部
64 固定脚
65 固定枠
66、86 縦網部
67、89 取っ手
68 カバー切欠部
69、93、128 横水流導入口
71、136a,136b 有孔板
72 通過孔
73、137 跳返部
74 網部
75 引掛部
81 円弧状屋根部
84 立板部
85 板引掛部
87 屋根切欠部
88 壁面フック
90 両端屋根切欠部
92 整流台
100、181 環状部
103、184 腕部
104、189 隙間
113d 水路部
116、117 整流カバー
121 投入ガイド
123 終端部傾斜面
124 蓋板
129 庇部
132 底部
133a,133b 傾斜部
134、178 上縁
135 切欠
138 底蓋
139 底溝
151 開始端部網部
152 側部網部
153 水路部網部
154 水路終端網部
163 一本噛合盤
164 二本噛合盤
165 接合部
171 固定台
172 下方カバー
173 斜下面部
174 下方側面板
175 張出杭
176 固定穴
177 滑り軸受
179、197 正面切欠部
180、199 背面切欠部
188 中間取込部
190 側面板
191 正面板
192 背面板
193 断面弧状部
194 絞り部
195 吹出口
196 側面導入口
198 係合部

Claims (5)

  1. 処理対象物を開始端側から長手方向へ終端側に向かって移送させながら処理する上面が開放された水槽本体部と、上記開始端側で上記水槽本体部と接する水槽開始端部と、上記長手方向に沿って上記水槽本体部と接する水槽側部と、を有し、
    上記水槽開始端部に、上記長手方向に対して垂直な回転軸で回転翼を回転させることで回転の接線方向へ生じる水流を上記水槽本体部の上記長手方向へ送り出す第一回転水車と、
    上記水槽側部に、上記長手方向に沿った回転軸で回転翼を回転させることで回転の接線方向へ生じる水流を上記水槽本体部の上記長手方向に対して垂直な方向へ送り出す第二回転水車とを設け、
    上記水槽本体部と上記水槽側部との間を仕切る仕切板を有し、
    上記仕切板は上記水槽本体部の底面との間、又は底面近傍に、上記第二回転水車による水流が通過できる横水流導入口を設けてあり、
    上記仕切板と、上記第二回転水車の上記水槽本体部側の上方外周の軌道に沿った被せ部とを、一体の整流部として備えた食品処理装置。
  2. 上記水槽開始端部と上記水槽本体部との間に遮断板を設け、
    上記遮断板に、上記第一回転水車による水流が通過できる水流開始口を形成した請求項1に記載の食品処理装置。
  3. 処理対象物を開始端側から長手方向へ終端側に向かって移送させながら処理する上面が開放された水槽本体部と、上記開始端側で上記水槽本体部と接する水槽開始端部と、上記長手方向に沿って上記水槽本体部と接する水槽側部と、を有し、
    上記水槽開始端部に、上記長手方向に対して垂直な回転軸で回転翼を回転させることで回転の接線方向へ生じる水流を上記水槽本体部の上記長手方向へ送り出す第一回転水車と、
    上記水槽側部に、上記長手方向に沿った回転軸で回転翼を回転させることで回転の接線方向へ生じる水流を上記水槽本体部の上記長手方向に対して垂直な方向へ送り出す第二回転水車とを設け、
    上記水槽本体部と上記水槽側部との間を仕切る仕切板を有し、
    上記仕切板には、上記第二回転水車による水流が通過できる横スリット状の横水流導入口を、装置駆動時における水面よりも下であって上記水槽本体部の水深の半分よりも上に形成し、
    上記水槽開始端部と上記水槽本体部との間に遮断板を設け、
    上記遮断板に、上記第一回転水車による水流が通過できる横スリット状の水流開始口を形成し、
    上記第一回転水車及び上記第二回転水車には、
    それぞれの回転水車の上記水槽本体部側を覆う正面板と、上記水槽本体部とは反対側を覆う背面板と、それぞれの回転水車の軸方向側を覆う側面板と、
    それぞれの回転水車が生じた水流を水平方向へと整流する断面弧状部と、
    当該水平方向への水流をそれぞれ上記水流開始口と上記横水流導入口へと導入する横スリット状の吹出口と、
    を有する整流カバーが被せられ、
    上記側面板には、それぞれの回転水車における軸方向両端から水を取り込むための側面導入口を両端部に開けてある食品処理装置。
  4. 上記第二回転水車は、複数の回転水車が軸方向に連なるものであり、連なる個々の回転水車について別個に上記整流カバーが被せられる、請求項6に記載の食品処理装置。
  5. 上記第一回転水車、第二回転水車又はそれらの両方に被せる上記整流カバーの正面板、背面板、又はその両方に、水を取り込むための切欠部を開けてある、請求項6又は7に記載の食品処理装置。
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