JP2586912B2 - 野菜類の水洗水槽 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、もやし等の芽もの野菜、葉物カツト野菜等
の野菜類を洗浄するための水洗水槽に係る。

（従来の技術） これらの野菜類を洗浄すると例えばもやし類のときは
豆の穀や根毛が分離して水面上に浮く。また、キヤベ
ツ，レタス等の葉物野菜をフードスライサー等でカツト
して水洗するときは野菜に付着している虫やゴミ切り屑
が水面上に浮く。

このように水面上に浮上した穀やゴミを能率よく除去
し水洗後の野菜類の品質を高めることが望まれる。

このような目的の為の従来の水洗水槽の例として第３
図々示の構造のものが採用されている。

第３図において20は水槽,21,22はこの水槽20内の水に
矢印23のように表面流を起こさせる水車,24は水洗後の
野菜類を水槽外へ排出させる捲揚機で、多数の針状体を
植設したエンドレスベルトによって構成されている。

25は、水槽20を横切って配設された浮遊物分離堰であ
る。分離堰25は、第４図々示のようにステンレス製の樋
状の構成であるが、水流23が当る方の側壁が櫛状になっ
ている。

分離堰25は水槽20内の水面に半没の状態で配設されて
いるので、水洗によって水面上に浮遊した細い浮遊物は
櫛状の側壁を通過して分離堰25内に流入し溢流と共に排
出口26から排出される。

（本発明が解決しようとする問題点） 従来の水洗水槽では前述した例のように櫛などの分離
材に水流が常に一方向に当っているので水洗される野菜
類がこれによって堰止められる形で塞いで分離がうまく
行われず、時々作業員が手で除去したりしなければなら
ないものであった。

そのため、どうして浮遊物が能率良く分離されず野菜
類の品質を損うものであった。

本発明はこのような従来のものにみられた欠点のない
水洗水槽を提供するものである。

（問題点を解決するための手段と作用） 本発明による水洗水槽では、水槽の溢流口が設けられ
ている部分を水槽内で仕切り、底を多孔材で構成した浮
遊物分離枠を設け、この分離枠に上下往復運動を与える
ように構成したものである。

この構成によると、浮遊物分離枠は水槽内の野菜類を
下方へ押しやりながら下方へ移動し、この際に野菜類と
共に浮遊しようとしている穀，根毛、虫、ゴミ、切り屑
などのみを底の多孔材を通過させて野菜類から分離し、
これを水槽の溢流口から溢水と共に排出させるのであ
る。

この分離枠は水洗水槽内で上下往復運動を行っている
ので底の多孔材も目詰りを起こすことがなく野菜類から
不要物を能率良く分離することができるのである。

（実施例） 第１図および第２図において１は水洗水槽,2は回転に
よって水槽１内の水に矢印３のように水流を生じさせる
水車である。

４は、水槽内に沈設されたエア噴出孔をもつエア配管
で、この配管４から噴出される気泡によって水槽１内の
水に矢印のような循環流を生じさせるのを助ける。

５は多数の針状体６を植設したエンドレスベルト７に
よって構成された捲揚機で、水槽１内から水洗の終った
野菜類を水槽外へ排出するものである。

８は水槽１の中間部を部分的に横方向に仕切っている
仕切り整流板で、水槽１内の水流によって運ばれる野菜
類が水車２に当って解きほぐされ野菜類に混入している
不要物が浮上し易いようにするために野菜類の移送を部
分的に仕切っているのである。

９は水槽１の側部の水面位置に設けられた溢流口で、
水槽１内の水は浮上した不要物と共にここから水槽１外
へ排出される。

10は溢流口９が設けられている部分を水槽１内で仕切
る浮遊物分離枠で、この分離枠10は底をネツト又は、多
孔板などの多孔材で形成された箱形をしている。

この分離枠10はクランクロツド11によってクランク12
に連結され矢印13のように水槽内の水中でクランク運動
が与えられる。

このクランク運動によって、分離枠10は斜め下方へ下
げられるときに水槽１内の野菜類を水中に押し沈め、こ
のとき穀や根毛、ゴム、虫などの不要物のみを底の多孔
材を通過させて分離枠10内に入らせて浮上させ、これが
溢流口９から溢流と共に排出される。

クランク運動によって分離枠10が斜め上方へ上げられ
るときはその底から野菜類が離れ目づまりを起こすこと
がない。

第２図において、14は分離枠10が水槽１の側壁に沿う
側に突出して設けられたゴム板で、水槽１と分離枠10の
間に隙間が生じ、ここから野菜類が分離枠10内に入り込
むのを防ぐものである。

なお、上記した実施例では、分離枠10にクランク運動
を与えて水槽内の水流による野菜類の移送方向に沿って
分離枠10を変位させ野菜類の移送を妨げないように構成
しているが、水槽内の水流が十分な強さを与えられてい
る場合には分離枠に対し、単に上下方向に往復動を与え
る構成としてもよい。

また、水流を与える水車２や野菜類の排出をさせる捲
揚機５は、適宜のものを採用して良いことはいうまでも
ない。

（発明の効果） 本発明は水洗水槽の溢流口が設けられている部分を水
槽内で仕切り底が多孔材で構成された浮遊分離枠を設
け、これに上下往復動運動を与える構成としたので、こ
の分離枠は水槽内の野菜類を下方へ押しやりながら下方
へ変位し、この際に野菜類と共に浮遊しようとしている
穀、根毛、ゴミ切り屑などの底の多孔板を通過させて野
菜類から分離し、これを水槽の溢流口から溢水と共に水
槽外へと排出させる。

このように、本発明によれば、その分離枠は水槽内で
往復動を行っているので野菜類から不要物を積極的に良
好に分離でき、かつ、底の多孔板も目詰りを起こすこと
がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による水洗水槽の１実施を示す側面図，
第２図は第１図における分離枠の部分的拡大図，第３図
は従来の水洗水槽の斜視図，第４図は第３図における分
離の部分的斜視図である。 １……水槽,2……水車,5……捲揚機,9…溢流口,10……
分離枠

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】洗浄水の溢流口を設けた水槽、同水槽内の
   水に一方からこれと対向する他側へ水流を起こさせる手
   段，同他側に配設され水洗された野菜類を水槽外へ排出
   する排出手段，前記溢流口が設けられている部分を水槽
   内で仕切り底を多孔材で構成した浮遊物分離枠，および
   同分離枠に上下往復運動を与える分離枠駆動手段を有す
   ることを特徴とする野菜類の水洗水槽。