以下、遊技機の一実施形態を図1〜図9にしたがって説明する。
図1に示す遊技機としてのスロットマシン10は、前面を開口した直方体状の本体キャビネット11と、当該本体キャビネット11の左側縁側に対して回動開閉可能に軸支された開閉扉12と、を備えている。開閉扉12の前面には、演出装置としての演出表示装置14が配設されている。本実施形態の演出表示装置14には、透過型液晶ディスプレイが用いられている。なお、演出表示装置14には、例えば、ドットマトリクス型の表示装置や、有機EL型の表示装置などを用いてもよい。
また、演出表示装置14には、スロットマシン10の内部に配設されるリールユニット13を透視可能な透視窓16が形成されている。本実施形態のスロットマシン10では、演出表示装置14における透視窓16の領域であっても各種の表示演出が行われる。
リールユニット13は、回動体としての左リール13L、中リール13C及び右リール13Rから構成されている。そして、リールユニット13を構成する各リール13L,13C,13Rは、横並びに配設されており、スロットマシン10を正面から見て、最も左側には左リール13L、左リール13Lの右隣には中リール13C、中リール13Cの右隣には右リール13Rが配置されている。そして、演出表示装置14における透視窓16は、左リール13Lを透視可能とする透視窓16Lと、中リール13Cを透視可能とする透視窓16Cと、右リール13Rを透視可能とする透視窓16Rと、によって構成されている。
このように、リール13L,13C,13Rは、演出表示装置14の裏側に配設されている。そして、演出表示装置14は、裏側に配設されたリール13C,13C,13Cを透過可能に構成されている。因みに、透視窓16の領域が、演出装置において回動体を透過可能な領域に相当する。
各リール13L,13C,13Rには、図柄が配列されている。左リール13Lには、21個の図柄が配列されている。また、中リール13C及び右リール13Rには、左リール13Lと同様、21個の図柄が配列されている。なお、各リール13L,13C,13Rにおける図柄の配列は異なっている。
各リール13L,13C,13Rは、各々に対応して設けられたステッピングモータにより独立して縦方向に回動(回転)及び停止するように構成されている。そして、各リール13L,13C,13Rが回動することによって、各透視窓16L,16C,16Rでは、各種図柄が連続的に変化しつつ表示(変動)される。
また、各リール13L,13C,13Rの回動が停止した場合、透視窓16L,16C,16Rでは、各リール13L,13C,13Rにおいて連続する3個の図柄が上段、中段及び下段の位置に停止表示される。また、リールユニット13には、左リール13Lの回動位置を検出するためのリールセンサSE1(図2に示す)、中リール13Cの回動位置を検出するためのリールセンサSE2(図2に示す)、右リール13Rの回動位置を検出するためのリールセンサSE3(図2に示す)が設けられている。
また、リールユニット13には、バックライトBL1,BL2,BL3(図2に示す)が、リール13L,13C,13R毎に配設されている。各リール13L,13C,13Rには、リールシートが取り付けられており、当該リールシートの外周面に各種の図柄が配列されている。
そして、リールユニット13においてバックライトBL1は、左リール13Lに取り付けられたリールシートの背後であって、透視窓16Lの方向に向けて光を照射する方向に配設されている。また、リールユニット13においてバックライトBL2は、中リール13Cに取り付けられたリールシートの背後であって、透視窓16Cの方向に向けて光を照射する方向に配設されている。同様に、リールユニット13においてバックライトBL3は、右リール13Rに取り付けられたリールシートの背後であって、透視窓16Rの方向に向けて光を照射する方向に配設されている。
図1に示すように、透視窓16から透視可能な図柄の表示領域において、停止表示される図柄組み合わせを入賞と判定し得る入賞ラインNL(図1では、二点鎖線で示す)が形成されている。入賞ラインNL上に停止表示された図柄組み合わせが、賞が定められた図柄組み合わせ(表示結果)である場合、当該図柄組み合わせが付与される。
透視窓16では、縦方向に上段、中段及び下段に対応するとともに、横方向に左リール13L、中リール13C及び右リール13Rに対応するように3行3列に配置される9つの図柄停止位置に図柄が停止表示される。そして、入賞ラインNLは、各列の中段に位置する図柄停止位置を結んで形成されている。
また、スロットマシン10には、発光演出を行う発光手段としての装飾ランプLAが配設されている。また、スロットマシン10には、音声演出を行う音声出力手段としてのスピーカSPが配設されている。
また、スロットマシン10には、変動ゲームに関わる情報を報知する各種情報表示部17が配設されている。各種情報表示部17は、投入可能表示用ランプ、再遊技表示用ランプ、ウェイト表示用ランプ、状態ランプ、賭数表示部、貯留枚数表示部及び賞枚数表示部によって構成されている。
投入可能表示用ランプは、変動ゲームのベット数を設定可能な状態又はスロットマシン10に遊技媒体としてのメダルを投入可能な状態である時に点灯する。そして、投入可能表示用ランプは、変動ゲームが開始される場合、又は最大のベット数(MAXBET)が設定され且つ貯留データ(クレジット)がクレジット上限枚数に達した場合に消灯する。また、再遊技表示用ランプは、再遊技が付与された場合に点灯する。
また、ウェイト表示用ランプは、ウェイト時間の経過前に開始操作が検出された場合に点灯し、ウェイト時間が経過した後に消灯する。ウェイト時間中に開始操作が検出されると、ウェイト時間が経過した後に各リール13L,13C,13Rの回動が開始する。また、ウェイト時間が経過した後に、内部抽選の抽選結果を導出するためのストップボタン23の操作を有効とする有効化条件が成立する。
状態ランプは、変動ゲームの進行に合わせて点灯及び消灯をする。また、賭数表示部は、複数のランプから構成されており、変動ゲームのベット数に応じてランプが点灯する。貯留枚数表示部は、機内部で貯留記憶されているクレジットの数を表示する。賞枚数表示部は、賞としてメダルの払い出しが定められた図柄組み合わせが入賞ラインNL上に停止表示された場合に、当該図柄組み合わせに対応付けられた賞メダルの枚数が表示される。
また、スロットマシン10には、メダル投入口18が配設されている。メダル投入口18から投入されたメダルは、内部に設けられたメダルセレクタ19を通過する。メダルセレクタ19は、貯留通路19aと排出通路19bに分岐するように形成されている。また、メダルセレクタ19における貯留通路19aと排出通路19bの分岐点には、メダル投入口18から投入されてメダルセレクタ19を通過するメダルを、貯留通路19aと排出通路19bのうち何れか一方へ誘導する(振り分ける)ように作動可能な誘導装置としてのメダルブロッカMBが設けられている。
メダルブロッカMBは、ブロッカアクチュエータBA(図2に示す)によって作動可能に構成されている。ブロッカアクチュエータBAには、例えば、ソレノイドやモータなどが用いられる。そして、メダルブロッカMBは、ブロッカアクチュエータBAにメダルブロッカ作動信号(制御信号)が出力されると、投入されたメダルを貯留通路19aへ誘導するように作動する。一方、メダルブロッカMBは、ブロッカアクチュエータBAにメダルブロッカ作動信号が出力されないと、投入されたメダルを排出通路19bへ誘導するように作動する。以下の説明において、投入されたメダルを貯留通路19aへ誘導するようにメダルブロッカMBが作動している状態であることを「メダルブロッカMBがON状態である」という。一方、投入されたメダルを排出通路19bへ誘導するようにメダルブロッカMBが作動している状態であることを「メダルブロッカMBがOFF状態である」という。
また、貯留通路19aには、投入されたメダルを検知するメダルセンサSE4が配設されている。メダルセンサSE4は、貯留通路19aにおいてメダルブロッカMBよりも下流側に配置されている。そして、貯留通路19aを通過したメダルは、ホッパー26にて貯留される。
一方、排出通路19bには、投入されたメダルを検知するためのメダルセンサが配設されていない。そして、排出通路19bを通過したメダルは、メダルを排出するためのメダル排出口24にて、スロットマシン10の外部へと排出される。したがって、メダルブロッカMBがOFF状態であるとき、メダル投入口18から投入されたメダルは、メダルセレクタ19の排出通路19bを通過し、スロットマシン10の中央下方に形成されているメダル排出口24から排出される。すなわち、スロットマシン10の内部に貯留されることなく、メダルが返却される。
ホッパー26は、メダルを貯留する機能を有する。また、ホッパー26は、メダルを払い出す機能を有する。ホッパー26から払い出されたメダルは、排出通路19bを通過し、メダル排出口24から排出される。
また、スロットマシン10には、MAXBETボタン20が設けられている。MAXBETボタン20を操作する場合、1回の変動ゲームにおいて許容されるベット数の最大ベット数を変動ゲームのベット数がベットされる。
また、MAXBETボタン20の左下方には、精算スイッチ21が設けられている。精算スイッチ21を操作する場合、変動ゲームの開始に伴ってベットされたメダル又は貯留記憶されているクレジットが払い戻される。
また、精算スイッチ21の右方位置には、変動ゲームを開始する際に操作する開始操作手段としてのスタートレバー22が設けられている。そして、本実施形態では、ベット数の設定終了後にスタートレバー22を操作することにより、各リール13L,13C,13Rの回動が開始される。
スタートレバー22の右方位置には、停止操作手段としてのストップボタン23が設けられている。ストップボタン23は、ストップボタン23L、ストップボタン23C及びストップボタン23Rから構成される。ストップボタン23Lは、回動している左リール13Lを停止させるためのボタンである。また、ストップボタン23Cは、回動している中リール13Cを停止させるためのボタンである。また、ストップボタン23Rは、回動している右リール13Rを停止させるためのボタンである。このように、ストップボタン23Lは左リール13Lに対応するとともに、ストップボタン23Cは中リール13Cに対応し、ストップボタン23Rは右リール13Rに対応する。
次に、遊技者が変動ゲームを行うための操作や、この操作に伴う各種装置の作動態様を説明する。
変動ゲームに対するメダルの投入又はMAXBETボタン20の操作が可能な状態において、MAXBETボタン20を操作することでベット数を設定することができる。MAXBETボタン20の操作によっては、貯留されているクレジットから対象とする変動ゲームで設定可能な最大ベット数分のクレジットがベット数として設定される。
また、スロットマシン10では、メダルブロッカMBがON状態であるとき、メダル投入口18からベット数に相当する枚数のメダルを投入することで、ベット数を設定することも可能である。このとき、メダル1枚の投入で1ベット分のベット数が設定されるとともに、メダル3枚の投入で3ベット分のベット数が設定される。なお、対象とする変動ゲームで設定可能な最大ベット数を超える分のメダルがメダル投入口18から投入される場合、クレジットとして記憶される。一方、前述したように、メダルブロッカMBがOFF状態であるとき、ベット数を設定することはできず、投入されたメダルは返却される。
上記のようにベット数が設定され、スタートレバー22の操作が受付可能な状態、すなわち、ゲーム開始可能な状態でスタートレバー22が操作されると、リール13L,13C,13Rが回動し、透視窓16では複数種類の図柄が変動するように表示される。
その後、各リール13L,13C,13Rが回動を開始してから有効化条件が成立すると、ストップボタン23L,23C,23Rの操作が受付可能な状態となる。続いて、ストップボタン23L,23C,23Rが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの回動が停止され、透視窓16において対応する列の上段、中段及び下段に図柄が停止表示される。
そして、全てのリール13L,13C,13Rの回動が停止された時点で、入賞ラインNL上に停止表示された図柄組み合わせが、賞が定められた図柄組み合わせである場合、当該図柄組み合わせに定められた賞が付与される。
本実施形態のスロットマシン10では、入賞ラインNL上に図柄組み合わせが停止表示されると、入賞ラインNL上以外の位置に表示される図柄も自ずと決まる。このため、透視窓16から視認可能な9つの図柄を纏めて表示結果として定義する場合と入賞ラインNL上に停止表示された図柄組み合わせを表示結果として定義する場合の何れの場合も、透視窓16が結果表示部に相当する。
1回の変動ゲームは、ベット数の設定及びスタートレバー22の操作による開始操作を契機としてリール13L,13C,13Rの回動することで開始し、ストップボタン23L,23C,23Rの操作からなる停止操作によって、全てのリール13L,13C,13Rの回動が停止して図柄組み合わせ(表示結果)が表示されることを契機に終了する。因みに、全てのリールの回動が停止して表示された図柄組み合わせが、賞メダルの付与や再遊技といった賞が定められた図柄組み合わせである場合、全てのリールの回動が停止して図柄組み合わせが表示された後、当該図柄組み合わせに定められた賞の付与が完了して、1回の変動ゲームが終了する。
次に、本実施形態のスロットマシン10において、入賞ラインNL上に停止表示される図柄組み合わせについて説明する。
本実施形態のスロットマシン10において、賞が定められた図柄組み合わせには、払出役停止目及び再遊技役停止目がある。因みに、本実施形態のスロットマシン10において、賞が定められていない図柄組み合わせには、払出こぼし目及びはずれ目がある。以下の説明において、払出こぼし目及びはずれ目を纏めて「はずれ停止目」という。
払出役停止目として分類される図柄組み合わせが入賞ラインNL上に停止表示される場合には、予め決められた枚数のメダルが賞メダルとして付与される。本実施形態では、メダルの払い出し(賞メダルの付与)が賞として定められた図柄組み合わせを1種類のみ提示するが、賞メダルとして払い出されるメダルの枚数を異ならせた払出役停止目を複数種類定めてもよい。例えば、払出役停止目として、チェリー停止目とスイカ停止目を備えるとき、チェリー停止目が入賞ラインNL上に停止表示される場合には「4枚」の賞メダル、払出停止目としてのスイカ停止目が入賞ラインNL上に停止表示される場合には「6枚」の賞メダルがそれぞれ付与されるように構成してもよい。
再遊技役停止目として分類される図柄組み合わせが入賞ラインNL上に停止表示される場合には、再遊技が付与される。再遊技が付与される場合、遊技者は、ベット数をベットすることなくスロットマシン10内部で自動的に最大ベット数が設定されることで、次の変動ゲームを行うことが可能となる。再遊技が付与される場合、メダルを消費することなく次の変動ゲームを行うことができるといった一定の利益が付与される一方、賞メダルは付与されない。
本実施形態のスロットマシン10において、再遊技役停止目には、通常再遊技役停止目、昇格再遊技役停止目及び降格再遊技役停止目がある。本実施形態のスロットマシン10では、通常再遊技役停止目に分類される図柄組み合わせ、昇格再遊技役停止目に分類される図柄組み合わせ及び降格再遊技役停止目に分類される図柄組み合わせは、全て異なる。
本実施形態のスロットマシン10では、内部制御状態として、第1の内部制御状態と、第2の内部制御状態がある。スロットマシン10では、各内部制御状態も応じて、当選情報抽選が行われる。当選情報抽選では、賞が定められた図柄組み合わせの表示を許容するかの決定が行われる。
ここで、本実施形態のスロットマシン10における当選情報(所謂、条件装置組み合わせ)について説明する。本実施形態のスロットマシン10における当選情報には、払出役当選情報及び再遊技役当選情報がある。
払出役当選情報は、第1の内部制御状態及び第2の内部制御状態のうち何れであっても当選可能な当選情報である。払出役当選情報には、複数種類ある。各種の払出役当選情報に当選した場合、ストップボタン23の操作態様によって入賞ラインNL上に停止表示される図柄組み合わせが異なる。具体的には、払出役当選情報に当選した場合、当該当選した払出役当選情報にて特定の操作態様として定められている操作態様でストップボタン23が操作された場合、入賞ラインNL上に払出役停止目が停止表示されて、賞メダルが付与される。一方、払出役当選情報に当選した場合、当該当選した払出役当選情報にて特定の操作態様として定められている操作態様とは異なる操作態様でストップボタン23が操作された場合、入賞ラインNL上に払出こぼし目が停止表示され、賞が付与されない。本実施形態では、3つのストップボタン23のうち最初に操作するストップボタン23が、「特定の操作態様」として規定される。なお、払出役当選情報の当選は、払出役停止目の表示が許容されることに相当する。
本実施形態では、払出役停止目が入賞ラインNL上に停止表示される状況と、払出こぼし目が入賞ラインNL上に停止表示される状況を、ストップボタン23の操作順序によって創出する当選役情報に当選し得る。しかし、払出役停止目が入賞ラインNL上に停止表示される状況と、払出こぼし目が入賞ラインNL上に停止表示される状況を、ストップボタン23を操作するタイミングによって創出する当選役情報に当選し得るように構成してもよい。また、必ずしも払出役当選情報に当選した場合に払出こぼし目が停止表示されない状況を創出する必要はなく、ストップボタン23の操作順序や操作タイミングに関係なく、払出役停止目が入賞ラインNL上に停止表示される当選情報に当選し得るように構成してもよい。
再遊技役当選情報には、通常再遊技役停止目のみを停止表示させることの可能な通常の再遊技役当選情報と、昇格再遊技役停止目を停止表示させることの可能な昇格用の再遊技役当選情報と、降格再遊技役停止目を停止表示させることの可能な降格用の再遊技役当選情報と、がある。本実施形態のスロットマシン10では、通常の再遊技役当選情報、昇格用の再遊技役当選情報及び降格用の再遊技役当選情報のうち、少なくとも昇格用の再遊技役当選情報及び降格用の再遊技役当選情報が複数種類ある。
通常の再遊技役当選情報は、第1の内部制御状態及び第2の内部制御状態のうち何れであっても当選可能な当選情報である。また、昇格用の再遊技役当選情報は、第1の内部制御状態及び第2の内部制御状態のうち第1の内部制御状態であるときのみ当選可能な当選情報である。一方、降格用の再遊技役当選情報は、第1の内部制御状態及び第2の内部制御状態のうち第2の内部制御状態であるときのみ当選可能な当選情報である。
通常の再遊技役当選情報に当選した場合、ストップボタン23の操作態様に関係なく、通常再遊技役停止目が入賞ラインNL上に停止表示され、再遊技が付与される。通常の再遊技役当選情報の当選は、通常再遊技役停止目の表示が許容されることに相当する。
昇格用の再遊技役当選情報に当選した場合、当該当選した昇格用の再遊技役当選情報にて特定の操作態様として定められている操作態様でストップボタン23が操作された場合、入賞ラインNL上に昇格再遊技役停止目が停止表示されて、再遊技が付与される。一方、昇格用の再遊技役当選情報に当選した場合、当該当選した昇格用の再遊技役当選情報に定められ特定の操作態様とは異なる操作態様でストップボタン23が操作された場合、入賞ラインNL上に通常再遊技役停止目が停止表示されて、再遊技が付与される。昇格用の再遊技役当選情報の当選は、昇格再遊技役停止目及び通常再遊技役停止目の表示が許容されることに相当する。
同様に、降格用の再遊技役当選情報に当選した場合、当該当選した降格用の再遊技役当選情報にて特定の操作態様として定められている操作態様でストップボタン23が操作された場合、入賞ラインNL上に降格再遊技役停止目が停止表示されて、再遊技が付与される。一方、降格用の再遊技役当選情報に当選した場合、当該当選した降格用の再遊技役当選情報に定められ特定の操作態様とは異なる操作態様でストップボタン23が操作された場合、入賞ラインNL上に通常再遊技役停止目が停止表示されて、再遊技が付与される。降格用の再遊技役当選情報の当選は、降格再遊技役停止目及び通常再遊技役停止目の表示が許容されることに相当する。
本実施形態のスロットマシン10では、第2の内部制御状態であるとき、第1の内部制御状態であるときよりも、再遊技役当選情報に当選し易くなっている。つまり、第2の内部制御状態であるときには、第1の内部制御状態であるときと比較して、再遊技が付与される機会が多くなり易い。このため、第2の内部制御状態であるときは、メダルの消費を抑えつつ遊技を行うことができる。
本実施形態では、昇格再遊技役停止目(又は、降格再遊技役停止目)が入賞ラインNL上に停止表示される状況と、通常再遊技役停止目が入賞ラインNL上に停止表示される状況を、ストップボタン23の操作順序によって創出する当選役情報に当選し得る。しかし、昇格再遊技役停止目(又は、降格再遊技役停止目)が入賞ラインNL上に停止表示される状況と、通常再遊技役停止目が入賞ラインNL上に停止表示される状況を、ストップボタン23を操作するタイミングによって創出する当選役情報に当選し得るように構成してもよい。
次に、図2に示すように、スロットマシン10の電気的構成を説明する。
スロットマシン10には、主制御部としての主制御基板40が装着されている。また、主制御基板40は、各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号を出力する。また、スロットマシン10には、遊技状態に応じた演出制御などを実行する副制御部としての副制御基板41が装着されている。そして、副制御基板41は、主制御基板40が出力した各種の制御信号を入力し、該制御信号に基づき所定の制御を実行する。
以下、主制御基板40について説明する。
主制御基板40には、制御動作を所定の順序で実行する主制御用CPU40aと、主制御用CPU40aの制御プログラムを格納する主制御用ROM40bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM40cが設けられている。
主制御基板40の主制御用CPU40aには、リールユニット13を構成するリール13L,13C,13R、リールセンサSE1,SE2,SE3、メダルセンサSE4及びホッパー26が接続されている。また、主制御用CPU40aには、各種情報表示部17が接続されている。また、主制御用CPU40aには、MAXBETボタン20、精算スイッチ21、スタートレバー22及びストップボタン23L,23C,23Rが接続されている。また、主制御用CPU40aには、メダルブロッカMBを作動させるブロッカアクチュエータBAが接続されている。
主制御用CPU40aには、リールセンサSE1から、回動中の左リール13Lの回動位置に応じて第1の位置信号が入力される。また、主制御用CPU40aには、リールセンサSE2から、回動中の中リール13Cの回動位置に応じて第2の位置信号が入力される。同様に、主制御用CPU40aには、リールセンサSE3から、回動中の右リール13Rの回動位置に応じて第3の位置信号が入力される。そして、主制御用CPU40aは、第1の位置信号〜第3の位置信号に基づき、各リール13L,13C,13Rの回動及び停止の制御を行う。
主制御用CPU40aには、メダルセンサSE4がメダルを検知する毎に当該メダルセンサSE4から、メダルを検知したことを示すメダル検知信号が入力される。また、主制御用CPU40aには、MAXBETボタン20が操作されると、当該MAXBETボタン20からMAXBETボタン20が操作されたことを示す制御信号が入力される。また、主制御用CPU40aには、精算スイッチ21が操作されると、当該精算スイッチ21から精算スイッチ21が操作されたことを示す制御信号が入力される。
また、主制御用CPU40aには、スタートレバー22が操作されると、当該スタートレバー22からスタートレバー22が操作されたことを示す制御信号が入力される。また、主制御用CPU40aには、ストップボタン23L,23C,23Rのうち何れかが操作されると、当該操作されたストップボタンから操作されたことを示す制御信号が入力される。
主制御用ROM40bには、メイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM40bには、当選情報別の当選確率が定められた当選情報テーブルが記憶されている。また、スロットマシン10において、当選情報テーブルは、内部制御状態別に主制御用ROM40bに記憶されている。当選情報テーブルは、当選情報抽選(所謂、役抽選)にて用いられる。主制御基板40内では、当選情報決定乱数が生成される。そして、主制御用CPU40aは、当選情報決定乱数の値と、内部制御状態に応じた当選情報テーブルと、を用いて当選情報抽選を行う。なお、当選情報決定乱数として使用される乱数は、ハードウェア乱数でもよいし、ソフトウェア乱数でもよい。
当選情報抽選では、はずれ又は当選情報の種類が決定される。すなわち、当選情報抽選によって当選情報の種類が決められることから、当選情報抽選によって、賞が定められた図柄組み合わせの表示を許容するかの決定が行われることに相当する。更に、当選情報抽選では、表示させることを許容する表示結果の種類も決定されることに相当する。
また、主制御用CPU40aは、内部制御状態を制御する。具体的には、主制御用CPU40aは、第1の内部制御状態であるときに昇格再遊技役停止目が入賞ラインNL上に停止表示された場合(昇格再遊技役停止目が入賞した場合)、第2の内部制御状態に移行させる。また、主制御用CPU40aは、第2の内部制御状態であるときに降格再遊技役停止目が入賞ラインNL上に停止表示された場合(降格再遊技役停止目が入賞した場合)、第1の内部制御状態に移行させる。また、主制御用CPU40aは、内部制御状態の種類に応じて、各種処理(例えば、当選情報抽選)を行う。
次に、副制御基板41について説明する。
副制御基板41は、制御動作を所定の手順で実行する副制御用CPU41aと、副制御用CPU41aの制御プログラムを格納する副制御用ROM41bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる副制御用RAM41cが設けられている。副制御用ROM41bは、読み出し専用メモリーである。
副制御用CPU41aには、演出表示装置14が接続されている。また、副制御用CPU41aには、装飾ランプLAが接続されている。また、副制御用CPU41aには、スピーカSPが接続されている。また、副制御用CPU41aには、バックライトBL1,BL2,BL3が接続されている。
副制御用ROM41bには、副制御プログラムが記憶されている。また、副制御用ROM41bには、演出表示装置14の表示演出態様が示される表示演出パターンや、スピーカSPの音声出力態様が示される音声演出パターン、装飾ランプLAの発光態様が示される発光演出パターンが記憶されている。
副制御用RAM41cには、スロットマシン10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)される。具体的に、副制御用RAM41cには、内部制御状態にかかる副制御用状態情報(フラグなど)が副制御用CPU41aにより記憶される。
以下、図3及び図4に基づき、主制御用CPU40aがメイン制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに係る処理(遊技進行メイン処理)について説明する。
図3に示すように、遊技進行メイン処理において主制御用CPU40aは、メダルのベット受付けを開始する(ステップS11)。次に、主制御用CPU40aは、再遊技作動時であるか否かを判定する(ステップS12)。ステップS12の判定処理は、直前の図柄変動ゲームにて、賞として再遊技が定められた図柄組み合わせ、つまり、再遊技役停止目が入賞したか(入賞ラインNL上に停止表示されたか)否かについての判定処理に相当する。ステップS12の判定結果が肯定となる場合、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されているベット数に最大ベット数を設定してから、ステップS14の処理へと進む。
また、ステップS12の判定結果が否定の場合、メダル管理を行う(ステップS13)。ステップS13において主制御用CPU40aは、メダルセンサSE4からのメダル検知信号の入力や、MAXBETボタン20からの制御信号の入力に基づいて主制御用RAM40cに記憶されているベット数を設定する。したがって、ステップS13において主制御用CPU40aは、メダルセンサSE4からのメダル検知信号を入力すると、主制御用RAM40cに記憶されているベット数に1加算する。また、ステップS13において主制御用CPU40aは、MAXBETボタン20からの制御信号を入力すると、主制御用RAM40cに記憶されているベット数が最大ベット数となるようにベット数に値を加算するとともに、加算分だけクレジットを減算する。
また、ステップS12の判定結果が否定の場合、主制御用CPU40aは、メダルブロッカMBをON状態に制御する。具体的に、再遊技作動時でないときに主制御用CPU40aは、メダルブロッカMBのブロッカアクチュエータBAへのメダルブロッカ作動信号を出力して、メダル投入口18から投入されたメダルを貯留通路19aへと誘導するようにメダルブロッカMBを作動させる。このとき、メダルブロッカMBは、OFF状態からON状態に作動するとき以外にも、ON状態からON状態に作動する(維持する)ときもある。
また、ステップS12の判定結果が肯定の場合及びステップS13の処理を終了した場合、主制御用CPU40aは、ベット数が最大ベット数と一致するか否かを判定する(ステップS14)。ステップS14において主制御用CPU40aは、変動ゲームを開始可能な状態であるか否かを判定している。このように、本実施形態のスロットマシン10では、最大ベット数のベットが行われることで変動ゲームを開始可能とするための変動ゲーム開始可能条件が成立する。そして、ステップS14の判定結果が否定の場合、主制御用CPU40aは、ステップS12の処理へと進む。
また、ステップS14の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU40aは、開始操作を受付けたか否かを判定する(ステップS15)。ステップS15において主制御用CPU40aは、スタートレバー22からの制御信号を入力したか否かを判定する。そして、ステップS15の判定結果が否定の場合、主制御用CPU40aは、ステップS12の処理へと進む。本実施形態において、開始操作を受付ける主制御用CPU40aが、開始操作受付手段として機能する。
一方、ステップS15の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU40aは、第1の制御情報となる第1操作受付コマンドを副制御用CPU41aに出力する(ステップS16)。このように、第1操作受付コマンドは、開始操作手段としてのスタートレバー22が操作されたことに伴って、主制御部としての主制御基板40から副制御部としての副制御基板41へと出力される。そして、ステップS15の判定結果が肯定となると、変動ゲームを行うための制御が開始される。
続いて、主制御用CPU40aは、メダルブロッカMBをOFF状態に制御する(ステップS17)。具体的に、ステップS17において主制御用CPU40aは、メダルブロッカMBのブロッカアクチュエータBAへのメダルブロッカ作動信号を出力しないようにして、メダル投入口18から投入されたメダルを排出通路19bへと誘導するようにメダルブロッカMBを作動させる。このとき、メダルブロッカMBは、ON状態からOFF状態に作動(変化)するとき以外にも、OFF状態からOFF状態に作動(維持)するときもある。
その後、主制御用CPU40aは、各種情報表示部17の表示を制御する(ステップS18)。ステップS18において主制御用CPU40aは、各種情報表示部17の状態ランプを消灯させる。
そして、主制御用CPU40aは、当選情報決定乱数の値を取得する(ステップS19)。ステップS19において主制御用CPU40aは、取得した当選情報決定乱数の値を主制御用RAM40cに記憶する。本実施形態において主制御用CPU40aは、一定又はほぼ一定の時間で、ステップS17〜ステップS19の処理を行う。すなわち、主制御用CPU40aがステップS17〜ステップS19の処理に要する時間は、一定時間となる。
本実施形態において、ステップS17〜ステップS19の処理が特定処理に相当し、当該ステップS17〜ステップS19の処理を行う主制御用CPU40aが特定処理手段として機能する。また、本実施形態のスロットマシン10では、遊技進行メイン処理において後のステップS26の処理にて、リール13L,13C,13Rの回動が開始される。したがって、特定処理に相当するステップS17〜ステップS19の処理は、開始操作手段としてのスタートレバー22が操作された後であって、リール13L,13C,13Rの回動が開始されるよりも前に行われることになる。
また、ステップS19の処理後、主制御用CPU40aは、特定時間を設定する(ステップS20)。ステップS20において主制御用CPU40aは、特定時間として「150ms」を設定する。そして、主制御用CPU40aは、ステップS20にて特定時間を設定してから、当該特定時間が経過したか否かを判定する(ステップS21)。主制御用CPU40aは、ステップS21の判定結果が肯定となるまでの間、つまり、特定時間を設定してから当該特定時間が経過するまでの間、待機する。このように、主制御用CPU40aは、ステップS20にて特定時間を設定してからステップS21の判定結果が肯定となるまで待機して、特定時間を計時(計測)する。
本実施形態において、ステップS20にて特定時間を設定して、特定時間を計時する主制御用CPU40aが、特定時間計時手段として機能する。また、本実施形態では、特定時間を計時することにより、「特定時間の計時を開始してから当該特定時間が経過するまでの期間」が生成(創出)されることになる。以下の説明において、「特定時間の計時を開始してから当該特定時間が経過するまでの期間」を特定期間という。また、特定期間は準備期間に相当し、特定期間を生成(創出)する主制御用CPU40aが準備期間生成手段として機能する。
また、主制御用CPU40aは、ステップS21の判定結果が肯定になる(特定時間が経過する)と、第2の制御情報となる第2開始操作受付コマンドを副制御用CPU41aに出力する(ステップS22)。このように、第2開始操作受付コマンドは、特定時間が経過したことに伴って、主制御部としての主制御基板40から副制御部としての副制御基板41へと出力される。
その後、主制御用CPU40aは、当選情報抽選を行う(ステップS23)。ステップS23において主制御用CPU40aは、ステップS19の処理で取得し、主制御用RAM40cに記憶している当選情報決定乱数の値を用いて当選情報抽選を行う。主制御用CPU40aは、当選情報抽選にて何れかの当選情報に当選した場合、当選した当選情報を特定可能な当選情報データを主制御用RAM40cに記憶する。因みに、主制御用CPU40aは、当選情報抽選にて何れの当選情報にも当選しない場合、つまり、はずれの場合、当選情報データを記憶しない。また、ステップS23において、主制御用CPU40aは、当選情報抽選の抽選結果を指示する当選情報抽選結果コマンドを副制御用CPU41aに出力する。本実施形態において、当選情報抽選を行うことにより、賞が定められた図柄組み合わせ(表示結果)の表示を許容するかを決定する許容決定手段として機能する。なお、本実施形態のスロットマシン10では、何れかの当選情報に当選することで、賞が定められた図柄組み合わせの表示が許容されることに相当する。
図4に示すように、当選情報抽選を行った後、主制御用CPU40aは、ウェイト時間が経過したか否かを判定する(ステップS24)。ステップS24の判定結果が否定の場合、主制御用CPU40aは、ウェイト時間が経過するまで、つまり、ステップS24の判定結果が肯定となるまで待機する。
また、ウェイト時間の経過した場合、主制御用CPU40aは、ウェイト時間を設定する(ステップS25)。ステップS25において主制御用CPU40aは、次回の変動ゲームを行う際にステップS14の判定対象となるウェイト時間を設定する。
その後、主制御用CPU40aは、各リール13L,13C,13Rに対応するステッピングモータに制御信号を出力して、各リール13L,13C,13Rの回動を開始させる(ステップS26)。ステップS26におけるリール13L,13C,13Rの回動開始は、変動ゲームの開始に伴うリール13L,13C,13Rの回動開始に相当する。そして、ステップS26にてリール13L,13C,13Rの回動が開始されることで、変動ゲームが開始される。
そして、各リール13L,13C,13Rの回動を開始させた後、主制御用CPU40aは、全てのリールの回動速度が定速に達したか否かを判定する(ステップS27)。ステップS27の判定結果が否定の場合、主制御用CPU40aは、全てのリール13L,13C,13Rが定速で回動するまで、つまり、ステップS27の判定結果が肯定となるまで待機する。
そして、全てのリール13L,13C,13Rの回動速度が定速に達した後、主制御用CPU40aは、停止操作を受付けたか否かを判定する(ステップS28)。ステップS28において主制御用CPU40aは、回動しているリールに対応するストップボタンからの操作信号を入力したか否かを判定する。ステップS28の判定結果が否定の場合、主制御用CPU40aは、ステップS30の処理へと進む。一方、ステップS28の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU40aは、回動停止処理を行い、操作されたストップボタンに対応するリールの回動を停止させる回動停止処理を行う(ステップS29)。
ステップS29において主制御用CPU40aは、ストップボタンが操作されたタイミングから所定の範囲内(最大4図柄分)で、操作されたストップボタンに対応するリールの回動を停止させる。また、ステップS29において主制御用CPU40aは、当選情報抽選の抽選結果やストップボタン23の操作態様(操作順序や操作タイミングなど)に応じて、主制御用ROM40bに記憶されている停止制御用の制御データに基づき、リールの回動を停止させる。
そして、ステップS28の判定結果が否定の場合及びステップS29の処理を終了した場合、主制御用CPU40aは、全てのリール13L,13C,13Rが停止したか否かを判定する(ステップS30)。ステップS30の判定結果が否定の場合、主制御用CPU40aは、ステップS28の処理へと進む。
一方、ステップS30の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU40aは、表示結果判定を行う(ステップS31)。ステップS31において主制御用CPU40aは、入賞ラインNL上に停止表示されている図柄組み合わせが、賞が定められた図柄組み合わせであるか否か、及び賞が定められた図柄組み合わせである場合にはその入賞した図柄組み合わせを判定する。具体的に、主制御用CPU40aは、当選情報抽選の抽選結果に応じた図柄組み合わせが実際に入賞ラインNL上に停止表示されているか否か、及び停止表示されている場合には当該図柄組み合わせの種類を判定する。また、ステップS31において、再遊技が定められた図柄組み合わせが入賞ラインNL上に停止表示されている場合、主制御用CPU40aは、再遊技を作動させ、賞としての再遊技が付与される。
ステップS31の処理に続いて、主制御用CPU40aは、メダルを払い出すか否かを判定する(ステップS32)。ステップS32において主制御用CPU40aは、賞としてメダルの払い出しが定められた図柄組み合わせが入賞したか否かを判定する。そして、ステップS32の判定結果が否定の場合、主制御用CPU40aは、ステップS34の処理へと進む。
一方、ステップS32の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU40aは、入賞した図柄組み合わせに定められた枚数のメダルを払い出させ(ステップS33)、賞メダルを付与する。ステップS33において主制御用CPU40aは、払い出す枚数のメダルをクレジットに加算する。因みに、クレジットに加算した際にクレジット上限枚数を超える場合、主制御用CPU40aは、クレジット上限枚数を超えた分のメダルを払い出すようにホッパー26を駆動させる。
そして、ステップS32の判定結果が否定の場合、及びステップS33の処理を終了した場合、主制御用CPU40aは、変動ゲームを終了させる(ステップS34)。ステップS34において主制御用CPU40aは、内部制御状態を移行させる制御や、入賞ラインNL上に賞が定められた図柄組み合わせが停止表示されたことを示す入賞指示コマンドを副制御用CPU41aに出力する制御を行う。その後、主制御用CPU40aは、1回の変動ゲームの実行に係る遊技進行メイン処理を終了し、再びステップS11の処理へと進む。
次に、副制御用CPU41aが副制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに係る処理について説明する。
副制御用CPU41aは、各種コマンドを入力すると、当該コマンドに指示される内容に基づいて各種演出を実行させるように演出表示装置14の表示内容、スピーカSPの音声出力態様、装飾ランプLAの発光態様を制御する。
副制御用CPU41aは、バックライトBL1,BL2,BL3の発光態様を制御する。副制御用CPU41aは、変動ゲームが終了すると、バックライトBL1,BL2,BL3を消灯させる。
また、副制御用CPU41aは、演出表示装置14の演出状態を制御する。
図5に示すように、本実施形態の演出状態には、通常演出状態、待機演出状態及び有利演出状態がある。通常演出状態や待機演出状態は、主に第1の内部制御状態であるときに制御される演出状態である。一方、有利演出状態は、主に第2の内部制御状態であるときに制御される演出状態である。有利演出状態では、払出役停止目の入賞を補助するように、演出が展開される。
まず、通常演出状態における制御内容について説明する。
副制御用CPU41aは、通常演出状態の制御中、当選情報抽選の抽選結果及び入賞ラインNL上に停止表示された図柄組み合わせの指示に基づいて処理を行う。
副制御用CPU41aは、通常演出状態の制御中、有利演出状態への移行を決定する有利移行抽選の抽選条件が成立する場合、有利移行抽選を行う。有利移行抽選にて有利演出状態への移行を決定した場合、副制御用CPU41aは、有利移行情報を副制御用RAM41cに記憶する。副制御用CPU41aは、有利演出状態が終了して通常演出状態へ移行することを契機に、副制御用RAM41cの有利移行情報を消去する。また、副制御用CPU41aは、通常演出状態の制御中、有利移行抽選にて有利演出状態への移行を決定した場合、通常演出状態から待機演出状態へ移行させる。
因みに、有利移行抽選の抽選条件は、入賞ラインNL上に停止表示され得る図柄組み合わせのうち一部の図柄組み合わせの表示が許容されたことを契機に成立するように構成してもよいし、前記一部の図柄組み合わせが入賞ラインNL上に停止表示されたことを契機に成立するように構成してもよい。その他、有利移行抽選の抽選条件は、所定回数の変動ゲームが行われることを契機に成立するように構成してもよいし、所定の事象(例えば、所定の図柄組み合わせが入賞ラインNL上に停止表示されること)の発生回数が所定回数に達することを契機に成立するように構成してもよい。
また、副制御用CPU41aは、通常演出状態の制御中、ストップボタン23Cやストップボタン23Rを最初に操作することを許容していない変動ゲームにて、ストップボタン23C又はストップボタン23Rが最初に操作された場合には、ペナルティを付与する。副制御用CPU41aは、ペナルティを付与することで、遊技者に不利益を生じさせる。本実施形態のスロットマシン10においてペナルティが付与された場合、有利移行抽選が行われない。
次に、待機演出状態における制御内容について説明する。
副制御用CPU41aは、待機演出状態の制御中、当選情報抽選の抽選結果及び入賞ラインNL上に停止表示された図柄組み合わせの指示に基づいて処理を行う。
副制御用CPU41aは、待機演出状態の制御中、昇格用の再遊技役当選情報に当選した場合、昇格再遊技役停止目を停止表示させるためのストップボタン23の操作態様(本実施形態では、操作順序)をナビゲートするナビ演出を実行するように演出表示装置14の表示内容を制御する。そして、副制御用CPU41aは、待機演出状態の制御中、昇格再遊技役停止目が入賞ラインNL上に停止表示されたことが指示されると、待機演出状態から有利演出状態に移行させる。
また、副制御用CPU41aは、待機演出状態の制御中、降格用の再遊技役当選情報に当選した場合、通常再遊技役停止目を停止表示させるためのストップボタン23の操作態様(本実施形態では、操作順序)をナビゲートするナビ演出を実行するように演出表示装置14の表示内容を制御する。
次に、有利演出状態における制御内容について説明する。
副制御用CPU41aは、有利演出状態の制御中、当選情報抽選の抽選結果及び入賞ラインNL上に停止表示された図柄組み合わせの指示に基づいて処理を行う。
副制御用CPU41aは、有利演出状態の制御中、当該有利演出状態で行った変動ゲームの実行回数を副制御用RAM41cにて計数する。副制御用CPU41aは、待機演出状態から有利演出状態へ移行させる際、副制御用RAM41cに継続回数を設定する。副制御用CPU41aは、有利演出状態で変動ゲームが行われる毎に継続回数を減算(−1)して、「0(零)」になるまで更新する。
また、副制御用CPU41aは、有利演出状態の制御中、継続回数が「0(零)」でないときに降格用の再遊技役当選情報に当選した場合、通常再遊技役停止目を停止表示させるためのストップボタン23の操作態様(本実施形態では、操作順序)をナビゲートするナビ演出を実行するように演出表示装置14の表示内容を制御する。一方、副制御用CPU41aは、有利演出状態の制御中、継続回数が「0(零)」であるときに降格用の再遊技役当選情報に当選した場合、通常再遊技役停止目を停止表示させるためのストップボタン23の操作態様(本実施形態では、操作順序)をナビゲートするナビ演出を実行させない。
そして、副制御用CPU41aは、有利演出状態の制御中、継続回数が「0(零)」であるときに降格再遊技役停止目が入賞ラインNL上に停止表示されたことが指示されると、有利演出状態から通常演出状態に移行させる。因みに、副制御用CPU41aは、有利演出状態の制御中、継続回数が「0(零)」でないときに降格再遊技役停止目が入賞ラインNL上に停止表示されたことが指示される場合、有利演出状態を継続させる。
本実施形態のスロットマシン10における有利演出状態では、継続回数を増加させる「上乗せ」が行われる場合がある。以下の説明において、継続回数を増加させることを「上乗せ」といい、継続回数を増加させる量(期間)、つまり、継続回数に加算する回数を「上乗せ回数」という。上乗せが行われることにより、有利演出状態の制御期間が延長される。
本実施形態のスロットマシン10では、上乗せが行われる場合、上乗せ回数を報知する上乗せ回数報知演出が演出表示装置14にて実行される。上乗せ回数報知演出は、3つのストップボタン23のうち最後に操作されたストップボタンの操作が終了したタイミングで実行が開始される。本実施形態のスロットマシン10のストップボタン23は、押下式のボタンとなっており、ストップボタン23が押下されることによりストップボタン23の操作が開始され、ストップボタン23の押下が終わることによりストップボタン23の操作が終了される。
図6に示すように、本実施形態の上乗せ回数報知演出では、演出表示装置14において、画像Gaが表示される。画像Gaは、上乗せが行われることを示す画像Ga1と、上乗せ回数を示す画像Ga2と、を含んで構成されている。
上乗せ回数報知演出にて表示される画像Gaは、演出表示装置14の表示領域のうち、当該演出表示装置14においてリール13L,13C,13Rを透過可能な領域(透視窓16の領域)を含む領域にて表示される。
上乗せ回数報知演出が実行される期間は、変動ゲームが終了してからの期間となる。このため、上乗せ回数報知演出が実行される期間では、バックライトBL1,BL2,BL3は消灯しているため、リール13L,13C,13Rの視認性が低下する一方で、演出表示装置14においてリール13L,13C,13Rを透過可能な領域での表示演出(本実施形態では、画像Ga)の視認性を高めている。
以下、上乗せ回数報知演出の実行に係る制御について説明する。
副制御用CPU41aは、有利演出状態の制御中、上乗せを行うか否かの決定する上乗せ抽選の抽選条件が成立する場合、上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選にて上乗せを行うことを決定した場合、副制御用CPU41aは、上乗せ回数を決定する。
そして、上乗せを行う場合、副制御用CPU41aは、最後に回動しているリールを停止させるためのストップボタンの操作が終了したことを契機に、画像Gaを表示するように演出表示装置14の表示内容を制御し、上乗せ回数報知演出を実行させる。このとき、画像Gaに含まれる画像Ga2は、上乗せを行うにあたって決定した上乗せ回数の全て又は一部を示す内容となる。なお、「上乗せ回数の全てを示す内容の画像Ga」とは、決定した上乗せ回数を報知する画像Ga2を含んで構成される画像Gaをいう。また、「上乗せ回数の一部を示す内容の画像Ga」とは、決定した上乗せ回数以下の回数を報知する画像Ga2を含んで構成される画像Gaをいう。
また、副制御用CPU41aは、画像Gaを表示させて上乗せ回数報知演出を実行させる際、演出表示装置14の表示領域のうち、当該演出表示装置14においてリール13L,13C,13Rを透過可能な領域(透視窓16の領域)を含んで画像Gaを表示するように、演出表示装置14の表示内容を制御する。
因みに、上乗せ抽選の抽選条件は、入賞ラインNL上に停止表示され得る図柄組み合わせのうち一部の図柄組み合わせの表示が許容されたことを契機に成立するように構成してもよいし、前記一部の図柄組み合わせが入賞ラインNL上に停止表示されたことを契機に成立するように構成してもよい。その他、上乗せ抽選の抽選条件は、所定回数の変動ゲームが行われることを契機に成立するように構成してもよいし、所定の事象(例えば、所定の図柄組み合わせが入賞ラインNL上に停止表示されること)の発生回数が所定回数に達することを契機に成立するように構成してもよい。
また、本実施形態のスロットマシン10では、上乗せ回数報知演出などが実行されてリール13L,13C,13Rの視認性が低いとき、リール13L,13C,13Rの視認性を高める制御が行われ、リール13L,13C,13Rの視認性を向上させる。
なお、「リール13L,13C,13Rの視認性を向上させること」とは、「リール13L,13C,13Rに取り付けられたリールシートに配列された図柄の視認性を向上させること」に相当する。また、「リール13L,13C,13Rの視認性を向上させること」とは、「演出表示装置14の表示領域において、リール13L,13C,13Rを透視可能な透視窓16の領域内の視認性を向上させること」ともいえる。また、「リール13L,13C,13Rの視認性を向上させること」とは、「透視窓16の領域内でも入賞ラインNL上に停止表示される図柄(各列の中段に位置する図柄停止位置の図柄)を視認可能な領域内の視認性を向上させる」ともいえる。以上のように、「リール13L,13C,13Rの視認性を向上させること」とは、図柄が配列されたリール自体の視認性を向上させることに限らない。なお、所定領域の視認性を向上させることは、当該所定領域の視認性の低下を抑制することにも相当する。
本実施形態において副制御用CPU41aは、変動ゲーム開始準備処理を行い、リール13L,13C,13Rの視認性が高い状況で変動ゲームが開始されるようにして、変動ゲームの開始準備を行う。本実施形態において、変動ゲームの開始準備を行う副制御用CPU41aが、遊技準備手段として機能する。
以下、図7に基づき、変動ゲーム開始準備処理について説明する。
変動ゲーム開始処理において副制御用CPU41aは、第1開始操作受付コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS101)。ステップS101の判定結果が否定の場合、副制御用CPU41aは、変動ゲーム開始準備処理を終了する。
一方、ステップS101の判定結果が肯定の場合、副制御用CPU41aは、少なくともリール13L,13C,13R前での演出を終了させる(ステップS102)。ステップS102において副制御用CPU41aは、演出表示装置14において少なくともリール13L,13C,13Rを透過可能な領域(透視窓16の領域)での表示演出を終了させるように、演出表示装置14の表示内容を制御する。
本実施形態では、演出装置としての演出表示装置14のリール13L,13C,13Rを透過可能な領域(透視窓16の領域)を含む領域にて表示演出が行われている状態が、演出装置の第1の状態に相当する。一方、演出表示装置14のリール13L,13C,13Rを透過可能な領域を含む領域にて表示演出が行われていない状態が、演出装置の第2の状態に相当する。因みに、「演出表示装置14のリール13L,13C,13Rを透過可能な領域を含む領域」とは、透視窓16の領域の全て又は一部を含む領域を意味する。以上のように、本実施形態において、演出表示装置14の表示内容を制御する副制御用CPU41aが、演出装置の状態を制御する演出装置制御手段として機能する。
続いて、副制御用CPU41aは、バックライトBL1,BL2,BL3を点灯させる(ステップS103)。本実施形態では、ステップS103において副制御用CPU41aは、消灯しているバックライトBL1,BL2,BL3を点灯させるようにバックライトBL1,BL2,BL3の発光態様を制御する。なお、直前の変動ゲームの終了から変動ゲームの開始までにバックライトBL1,BL2,BL3を点滅させるなどして演出を行う場合、ステップS103にて副制御用CPU41aは、点滅などしているバックライトBL1,BL2,BL3を点灯させ続けるようにバックライトBL1,BL2,BL3の発光態様を制御する。
その後、副制御用CPU41aは、第2開始操作受付コマンド及び当選情報抽選結果コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS104)。副制御用CPU41aは、ステップS104の判定結果が肯定となるまでの間、つまり、第2開始操作受付コマンド及び当選情報抽選結果コマンドを入力するまでの間、待機する。
そして、ステップS104の判定結果が肯定となると、開始する変動ゲームに係る処理へと移行する。開始する変動ゲームに係る処理とは、当選情報抽選の抽選結果などに基づき演出表示装置14の表示内容や、装飾ランプLAの発光態様、スピーカSPの音声出力態様の制御に係る処理などをいう。
本実施形態のスロットマシン10では、当選情報抽選の抽選結果に基づく演出が、演出表示装置14にて行われる。なお、本実施形態において、当選情報抽選の抽選結果に基づく演出が、特別演出に相当する。そして、本実施形態において、特別演出を実行する演出表示装置14が特別演出実行手段として機能する。また、開始する変動ゲームに係る処理は、当選情報抽選結果コマンドの入力後に行われることから、当選情報抽選(賞が定められた表示結果の表示を許容するかの決定)が行われた後に特別演出の実行が開始可能となることがわかる。
ここで、図8に基づき、主制御基板40の主制御用CPU40aの制御内容と、副制御基板41の副制御用CPU41aの制御内容と、の関係について説明する。
前回の変動ゲームが終了してからスタートレバー22が操作されたことを契機に、主制御用CPU40aは、遊技進行メイン処理のステップS16の処理を行うことで、副制御基板41の副制御用CPU41aに第1開始操作受付コマンドを出力する。これに伴って、副制御用CPU41aは、変動ゲーム開始準備処理のステップS102〜ステップS103の処理を行い、変動ゲームの開始準備をする。
また、主制御用CPU40aは、第1開始操作受付コマンドを出力した後、遊技進行メイン処理のステップS17〜ステップS19までの特定処理を行う。その後、主制御用CPU40aは、遊技進行メイン処理のステップS20〜ステップS21の処理を行い、特定時間を計時する。なお、副制御用CPU41aは、主制御用CPU40aによって、特定処理が行われてから特定時間が経過するまでの期間T内に、変動ゲームの開始準備を終える。つまり、副制御用CPU41aは、主制御用CPU40aが遊技進行メイン処理におけるステップS17の処理を開始してからステップS21の判定結果が肯定となるまでの間に、変動ゲーム開始準備処理におけるステップS102〜ステップS103の処理を終える。
更に、主制御用CPU40aは、遊技進行メイン処理のステップS21の判定結果が肯定となることで、副制御基板41の副制御用CPU41aに第2開始操作受付コマンドを出力する。これに伴って、副制御用CPU41aは、当選情報抽選結果コマンドも入力すると、開始する変動ゲームに係る処理を行う。
なお、主制御基板40の主制御用CPU40aは、第2開始操作受付コマンドを出力した後、ウェイト時間の経過を待って、変動ゲームの開始に伴うリール13L,13C,13Rの回動を開始させる。因みに、前回の変動ゲームを開始する際の遊技進行メイン処理のステップS25にてウェイト時間が設定されてから、当該ウェイト時間が既に経過している場合、主制御用CPU40aは、第2開始操作受付コマンドを出力した後に、変動ゲームの開始に伴うリール13L,13C,13Rの回動を開始させる。
このように、主制御用CPU40aは、スタートレバー22が操作された後であって、変動ゲームの開始に伴うリール13L,13C,13Rの回動が開始されるよりも前に、特定処理を行う。本実施形態において、特定処理を行う主制御用CPU40aが特定処理手段として機能する。
また、本実施形態では、回動体としてのリール13L,13C,13Rの回動を制御する主制御用CPU40aが回動制御手段として機能する。回動制御手段としての主制御用CPU40aは、特定処理が行われた後に回動体としてのリール13L,13C,13Rを回動させる。また、回胴制御手段としての主制御用CPU40aは、特定時間の経過後に回動体としてのリール13L,13C,13Rを回動させる。
次に、図9(a)〜(d)に基づき、上乗せ回数報知演出が実行される際の演出表示装置14の表示内容と、上乗せ回数報知演出が実行されてから次の変動ゲームが開始されるまでの演出表示装置14の表示内容について、説明する。
図9(a)に示すように、3つのストップボタン23の全てのストップボタン23が操作されと、透視窓16には9個の図柄が停止表示される。
そして、図9(b)に示すように、最後に回動しているリールを停止させるためのストップボタンの操作が終了したことを契機に、演出表示装置14に画像Gaが表示されて上乗せ回数報知演出の実行が開始される。このとき、画像Gaは、演出表示装置14における透視窓16の領域を含む領域に表示される。更に、バックライトBL1,BL2,BL3が消灯しているため、画像Gaの視認性を高めることができ、上乗せ回数報知演出が実行されたことを認識させ易くなり、鮮明な表示演出によって遊技者を効果的に楽しませることができる。
その後、次の変動ゲームを開始させるためにスタートレバー22が操作されると、主制御用CPU40aにより、特定処理が行われる。また、次の変動ゲームを開始するためのスタートレバー22が操作されると、主制御用CPU40aにより、特定時間が計時される。この間、副制御用CPU41aでは、変動ゲーム開始準備処理が行われ、変動ゲームの開始準備が行われる。
その結果、図9(c)に示すように、変動ゲームの開始に伴うリール13L,13C,13Rの回動が開始するよりも前に、バックライトBL1,BL2,BL3が点灯することで、リール13L,13C,13Rの視認性を向上させる。更に、演出表示装置14の透視窓16の領域を含む領域にて表示されていた画像Gaの表示が終了することにより、リール13L,13C,13Rの視認性を向上させる。
その後、図9(d)に示すように、リール13L,13C,13Rの視認性が向上した後に、変動ゲームの開始に伴うリール13L,13C,13Rの回動が開始する。そして、各リール13L,13C,13Rの回動する速度が定速に達すると、有効化条件が成立し、再びストップボタン23を操作してリール13L,13C,13Rを停止させることが可能となる。
以上、詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)特定時間が経過した後に、回動体としてのリール13L,13C,13Rの回動が開始されて、変動ゲームが開始されるように構成した。更に、リール13L,13C,13Rの回動が開始されるよりも前に、リール13L,13C,13Rの視認性が高い状態(第2の状態)へと、演出装置としての演出表示装置14の表示内容を制御するように構成した。このように特定時間の計時により、変動ゲームが開始されるよりも前に、リール13L,13C,13Rの視認性が高い状態となるため、変動ゲームにおけるリール13L,13C,13Rの視認性の低下を抑制することができる。
(2)回動体としてのリール13L,13C,13Rの回動が開始されるよりも前に、特定処理が行われるように構成した。つまり、特定処理が行われた後に、変動ゲームが開始されるように構成した。更に、リール13L,13C,13Rの回動が開始されるよりも前に、リール13L,13C,13Rの視認性が高い状態(第2の状態)へと、演出装置としての演出表示装置14の表示内容を制御するように構成した。このように特定処理が行われることにより、変動ゲームが開始されるよりも前に、リール13L,13C,13Rの視認性が高い状態となるため、変動ゲームにおけるリール13L,13C,13Rの視認性の低下を抑制することができる。
(3)演出装置としての演出表示装置14において、回動体としてのリール13L,13C,13Rを透過可能な透視窓16の領域内での表示演出(例えば、上乗せ回数報知演出)を終了させてから変動ゲームが開始されるように構成した。これにより、表示演出によってリール13L,13C,13Rの視認性が低い状態(第1の状態)からリール13L,13C,13Rの視認性が高い状態(第2の状態)に切り替えた後に、変動ゲームが行われるようにすることができる。
(4)リール13L,13C,13Rの視認性が高い状態(第2の状態)へと演出装置としての演出表示装置14の表示内容を制御した後に、当選情報抽選(許容決定手段による決定)が行われ、当該当選情報抽選の抽選結果に基づく演出(特別演出)が行われる。すなわち、リール13L,13C,13Rの視認性が高くなった後に、当選情報抽選の抽選結果に基づく演出が開始される。このため、リール13L,13C,13Rに画像Gaが表示されるなどしてリール13L,13C,13Rの視認性が低い状態(第1の状態)のまま、当選情報抽選の抽選結果に基づく演出が実行されることを防ぐことができる。したがって、変動ゲームにおけるリール13L,13C,13Rの視認性の低下を抑制しつつ、当選情報抽選の抽選結果に基づく演出を効果的に楽しませることができる。
(5)主制御部としての主制御基板40にて特定時間を計時することにより、当該特定時間が計時されている間に、副制御部としての副制御基板41にて演出表示装置14を各リール13L,13C,13Rの視認性が高い状態(第2の状態)に制御することができる。これにより、回動体としてのリール13L,13C,13Rを制御する制御部と、演出装置としての演出表示装置14を制御する制御部と、が異なる場合でも、変動ゲームが開始されるよりも前に、リール13L,13C,13Rの視認性が高い状態にすることで、変動ゲームにおけるリール13L,13C,13Rの視認性の低下を抑制できる。
(6)主制御部としての主制御基板40が特定処理を行うことにより、当該特定処理が行われている間に、副制御部としての副制御基板41にて演出表示装置14を各リール13L,13C,13Rの視認性が高い状態(第2の状態)に制御することができる。このように、回動体としてのリール13L,13C,13Rを制御する制御部と、演出装置としての演出表示装置14を制御する制御部と、が異なる場合でも、変動ゲームが開始されるよりも前に、リール13L,13C,13Rの視認性が高い状態にすることで、変動ゲームにおけるリール13L,13C,13Rの視認性の低下を抑制できる。
(7)特定処理に要する時間は一定時間となるため、特定処理に要する時間が想定よりも短くなってしまい、リール13L,13C,13Rの視認性が高い状態へと切り替わる前にリール13L,13C,13Rの回動が開始されることを抑制することができる。すなわち、変動ゲームにおけるリール13L,13C,13Rの視認性の低下を抑制できる。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、図10に示すように、回動体としてのリール13L,13C,13Rの前面側へと可動可能な演出装置としての可動体KDをスロットマシン10に装備してもよい。このような可動体KDを備える場合、リール13L,13C,13Rの前面側に可動している状態が、リール13L,13C,13Rの視認性が低い状態(第1の状態)に相当する。一方、リール13L,13C,13Rの前面側に可動していない状態が、リール13L,13C,13Rの視認性が高い状態(第2の状態)に相当する。そして、副制御用CPU41aは、変動ゲーム開始準備処理において、第1開始操作受付コマンドを入力した場合(スタートレバー22が操作されたことを契機に)、リール13L,13C,13Rの前面側に可動していない状態へと制御するように構成してもよい。このように構成することで、変動ゲームの開始に伴うリール13L,13C,13Rの回動が開始するよりも前に、リール13L,13C,13Rの視認性が高い状態に制御することができ、変動ゲームにおけるリール13L,13C,13Rの視認性の低下を抑制できる。
なお、図10では、全てのリール13L,13C,13Rの前面側に可動可能な可動体KDを示しているが、一部のリールの前面側に可動可能な可動体KDであってもよい。このように、一部のリールの前面側に可動体が可動する状態であっても、リール13L,13C,13Rの視認性が低い状態(第1の状態)に相当する。また、上乗せ報知演出を行う際に前記可動体KDを用いるように構成してもよい。また、上記実施形態における上乗せ報知演出を実行可能に構成してもよいし、上乗せ報知演出を行わなくてもよい。また、可動体KDとして、表示演出を実行可能な表示装置を有する可動体を用いてもよい。
・上記実施形態において、特定処理に要する時間は一定時間でなくてもよい。但し、特定処理に要する最低時間が、変動ゲーム開始準備処理にてステップS102〜ステップS103の処理に要する時間以上であることが好ましい。なお、特定処理に要する時間が変動ゲーム開始準備処理にてステップS102〜ステップS103の処理に要する時間が短い場合でも、特定時間との合計時間が、変動ゲーム開始準備処理にてステップS102〜ステップS103の処理に要する時間以上であれば変動ゲームにおけるリール13L,13C,13Rの視認性の低下を抑制できる。
・上記実施形態において、特定処理に要する時間が、変動ゲーム開始準備処理にてステップS102〜ステップS103の処理に要する時間以上であれば、特定時間の計時を行わなくても、変動ゲームにおけるリール13L,13C,13Rの視認性の低下を抑制できる。
・上記実施形態において、特定時間が、変動ゲーム開始準備処理にてステップS102〜ステップS103の処理に要する時間以上であれば、特定処理を行わなくても、変動ゲームにおけるリール13L,13C,13Rの視認性の低下を抑制できる。
・上記実施形態の画像Gaに含まれる画像Ga2は、上乗せを行うにあたって決定した上乗せ回数の全てを示す内容でなくても、前記上乗せ回数の一部を示す内容であってもよい。
・上記実施形態において、変動ゲームにおける回動体の視認性の低下を抑制する領域は、入賞ラインNLを構成する領域(各列の中段に位置する図柄停止位置の図柄を視認可能な領域)であってもよい。そして、入賞ラインNLを構成する領域(以下、「入賞ライン領域」という)の視認性の低下を抑制するにあたって、透視窓16の領域のうち入賞ライン領域以外の領域(以下、「非入賞ライン領域」という)の視認性の低下まで抑制する必要はない。このため、リール13L,13C,13Rのうち少なくとも1つのリールが回動している状況であっても、非入賞ライン領域にて各種の表示演出を実行したり、非入賞ライン領域の前面側に可動体を可動させたりしてもよい。また、入賞ライン領域の視認性の低下を抑制するにあたって当該入賞ライン領域を第2の状態に制御する際、非入賞ライン領域については第2の状態に制御しなくてもよいし、入賞ライン領域の後に非入賞ライン領域を第2の状態に制御するように構成してもよい。当然、入賞ライン領域の視認性の低下を抑制するにあたって、非入賞ライン領域の後に入賞ライン領域を第2の状態に制御するように構成してもよい。
・上記実施形態において、変動ゲームが終了する毎にバックライトBL1,BL2,BL3を消灯させなくてもよい。例えば、変動ゲームの終了後から次の変動ゲームが開始されるまでの間に演出表示装置14の透視窓16の領域を含む領域にて表示演出(例えば、上乗せ回数報知演出)が行われる場合に限り、変動ゲームの終了に伴ってバックライトBL1,BL2,BL3を消灯させるように構成してもよい。また、変動ゲームの終了後から次の変動ゲームが開始されるまでの間に演出表示装置14の透視窓16の領域を含む領域にて表示演出(例えば、上乗せ回数報知演出)が行われる場合であっても、バックライトBL1,BL2,BL3を点灯させるように構成してもよい。
・上記実施形態において上乗せ回数報知演出の実行開始タイミングを変更してもよい。例えば、最後に回動しているリールを停止させるためのストップボタンの操作が開始された時点で上乗せ回数報知演出の実行を開始してもよい。その他、ストップボタン23の操作に関係なく、上乗せ回数報知演出の実行を開始してもよい。また、最後に回動しているリールを停止させるためのストップボタンの操作が終了したのち、賞の付与が終了してから、上乗せ回数報知演出の実行を開始してもよい。
・上記実施形態において、当選情報抽選の抽選結果に基づく演出(特別演出)を実行可能に構成しなくてもよい。
・上記実施形態において、特定時間の経過前に、当選情報抽選が行われるように構成してもよい。また、上記実施形態において、特定処理が行われるよりも前に、当選情報抽選が行われるように構成してもよい。
・上記実施形態において、演出表示装置14における透視窓16の領域(可動体の場合、リール13L,13C,13Rの前面側の領域)を含む領域での演出のみを終了させて、リール13L,13C,13Rの視認性を向上させるように構成してもよい。
・上記実施形態において、特定時間の計時を終えた後に、特定処理が行われるように構成してもよい。
・上記実施形態において、特定時間の計時が行われる期間と、特定処理が行われる期間と、を含む期間を特別期間として定義する場合、当該特別期間が創出されることにより、変動ゲームにおけるリール13L,13C,13Rの視認性の低下を抑制できる。
・上記実施形態において、演出表示装置14における透視窓16の領域(可動体の場合、リール13L,13C,13Rの前面側の領域)を含む領域にて行われる演出は、上乗せ回数報知演出に限らない。例えば、当選情報抽選の抽選結果(許容決定手段の決定内容)に応じた演出であってもよい。
・上記実施形態において、特定処理における制御内容は、上記実施形態にて示したステップS17〜ステップS19の処理に限らない。例えば、ステップS17とステップS19の処理のみを特定処理として行い、ステップS18の処理は、リールの回動が開始した後に行われるように構成してもよい。
・上記実施形態において、変動ゲームの終了から次の変動ゲームの開始までの期間内で行われる演出は、上乗せ回数報知演出に限らない。例えば、当選情報抽選の抽選結果(許容決定手段の決定内容)に応じた演出であってもよい。
・上記実施形態において、ナビ演出は、演出表示装置14で実行することに限らず、スピーカSPにて実行するように構成してもよい。また、ストップボタン23に発光体を内蔵し、当該発光体を用いてナビ演出を実行するように構成してもよい。また、ナビ演出は、複数の演出実行手段(演出表示装置14や、スピーカSP、ストップボタンに内蔵された発光体など)を用いて実行するように構成してもよい。
・上記実施形態のスロットマシン10に設定装置を設けてもよい。設定装置は、主制御用CPU40aに接続される。なお、設定装置は、スロットマシン10の内部に配設され、遊技者が操作できないことが好ましい。そして、スロットマシン10への電源投入時において設定装置を操作することによって、スロットマシン10の設定状態を変更可能に構成してもよい。スロットマシン10の設定状態を変更することにより、複数種類の当選情報のうち少なくとも一部の当選情報の当選確率(つまり、表示結果の表示が許容される確率)を変更可能に構成してもよい。
・上記実施形態は、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いる回胴式遊技機(スロットマシン)に具体化してもよい。
・上記実施形態において、操作することでクレジットから1ベットすることの可能なBETボタン(例えば、1BETボタン)を備えてもよい。
・上記実施形態において、スタートレバー22(開始操作手段)が操作されてからリール13L,13C,13R(回動体)の回動が開始されるよりも前に、演出表示装置14や可動体KD(演出装置)を第2の状態に制御可能であればよい。つまり、必ずしも、スタートレバー22が操作されてからリール13L,13C,13Rの回動が開始されるよりも前に演出表示装置14(又は、可動体LD)を第2の状態に制御されるように構成しなくてもよい。
・上記実施形態において、当選可能な当選情報の種類を変更してもよい。また、各当選情報に当選する確率は任意に変更してもよい。
・上記実施形態は、ボーナス停止目に分類される図柄組み合わせが入賞ラインNL上に停止表示されたことを契機にボーナス遊技が付与(生起)される回胴式遊技機(スロットマシン)に適用してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)開始操作手段の操作を契機に準備期間を生成する準備期間生成手段と、前記開始操作手段の操作を契機に変動ゲームの開始準備を行う遊技準備手段と、前記準備期間の後、変動ゲームの開始に伴う前記回動体の回動を開始させることが可能な回動制御手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
(ロ)開始操作手段の操作を契機に特定時間を計時する特定時間計時手段と、第1の状態と、前記第1の状態よりも回動体の視認性が高い第2の状態と、に変化可能な演出装置と、前記演出装置の状態を制御する演出装置制御手段と、前記特定時間の経過後に前記回動体を回動させる回動制御手段と、を備え、前記演出装置制御手段は、前記開始操作手段が操作されてから前記回動体の回動が開始されるよりも前に、前記演出装置を前記第2の状態にすることを特徴とする遊技機。