以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す斜視図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態のスロットマシン1は、収納箱BX、前面上扉UD及び前面下扉DDからなる箱形の筐体内に複数のリールとしての第1リールR1〜第3リールR3からなるリールユニットが収められている。また、筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット440(図2参照)が収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板も収められている。
図1に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また、第1リールR1〜第3リールR3は、リール駆動手段としてのステッピングモータ(図示省略)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
前面上扉UDと前面下扉DDとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉UDには、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールに関する図柄の表示位置の組合せによって有効ラインL1〜有効ラインL4が設定されている。具体的には、第1リールR1の上段、第2リールR2の上段及び第3リールR3の上段の組合せによって有効ラインL1が設定され、第1リールR1の下段、第2リールR2の下段及び第3リールR3の下段の組合せによって有効ラインL2が設定され、第1リールR1の下段、第2リールR2の中段及び第3リールR3の上段の組合せによって有効ラインL3が設定され、第1リールR1の上段、第2リールR2の中段及び第3リールR3の下段の組合せによって有効ラインL4が設定されている。そして、本実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1の中段及び第3リールR3の中段は、いずれの有効ライン上の表示位置ともなっていない。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1および第3リールR3のそれぞれの表示位置の一部は有効ライン上の表示位置から除外されている。
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1〜有効ラインL4に停止表示された図柄組合せによって判断され、有効ラインL1〜有効ラインL4上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニット440からメダルの払い出し等が行われる。なお、本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が3枚に設定され、規定投入数のメダルが投入されたことに基づいて有効ラインL1〜有効ラインL4が設定される。なお、規定投入数については、遊技状態に応じて異なっていてもよく、規定投入数が複数種類設定されている場合には、規定投入数に応じて有効ラインの数や種類が異なっていてもよい。
前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1〜ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
また、前面上扉UDには、演出を行うための表示装置410が設けられている。表示装置410は、例えば液晶ディスプレイから構成され、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像や画像が表示される。また、本実施形態のスロットマシン1では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。スピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
そして、前面上扉UDには、主制御表示装置500が設けられている。主制御表示装置500は、例えば7セグメント表示器から構成され、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選コマンド(後述)に含まれる表示に係る情報に対応する表示である報知表示が実行される。本実施形態のスロットマシン1では、当選コマンドに含まれる表示に係る情報に応じた表示態様で主制御表示装置500の各セグメントが点灯及び消灯することで、内部抽選で当選した役がどの役であるかを遊技者が推測できるような報知表示が実行される。
前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段として、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBT及び規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンMB、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンB1〜ストップボタンB3及びクレジットされたメダルを精算するための精算ボタンBSも設けられている。
本実施形態のスロットマシン1では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、メダルが規定投入数以上にクレジットされている場合に、規定投入数と同じ回数シングルベットボタンBTを押下するシングルベット操作又はマックスベットボタンMBを押下するマックスベット操作を行うことで、規定投入数のメダルが投入状態に設定され、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行すると、制御基板において第1リールR1〜第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し定常回転になったことを条件に、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下操作が許可、すなわちストップボタンB1〜ストップボタンB3による停止操作が有効化される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜ストップボタンB3を押下(以下、「押下タイミング」と記載)していくと、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれに内蔵されている停止信号出力手段としてのストップスイッチ240がオン動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。ここで、ストップスイッチは、例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサ等から構成される。
また、遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜ストップボタンB3を解放すると、ストップボタンB1〜ストップボタンB3それぞれに対応するストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。そして、制御基板は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また、前面下扉DDの下部には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、精算ボタンBSが押下された場合、精算ボタンBSの押下に伴ってホッパーユニット440からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す精算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
図2は、本実施形態のスロットマシン1の機能ブロック図である。本実施形態のスロットマシン1は、主制御部100と副制御部300とによって制御される。主制御部100は、複数の操作検出手段としてのメダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230及びストップスイッチ240と、の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、リールユニット430、ホッパーユニット440、主制御表示装置500等の出力手段の動作を制御する。また、副制御部300は、主制御部100から送信される信号を受けて、遊技における演出を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいて表示装置410、音響装置420を含む演出装置400の動作を制御する。主制御部100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。また、副制御部300も主制御部100と同様の構成により実現される。
主制御部100は、投入受付手段105、乱数生成手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、状態移行制御手段170、コマンド送信手段180及び主記憶手段190を含む。主制御部100を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、主記憶手段190に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
投入受付手段105は、メダルの投入を受け付ける投入受付期間において、規定投入数(3枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、投入受付手段105は、メダルがクレジットされた状態でシングルベットボタンBT又はマックスベットボタンMBが押下されるベット操作が実行されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、規定投入数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
なお、本実施形態のスロットマシン1では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技者による遊技の開始操作として受け付けられ、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段120が内部抽選を実行する契機となっている。
乱数生成手段110は、抽選用の乱数を発生させる手段である。乱数は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
抽選テーブル選択処理では、主記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段191に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。
各内部抽選テーブルでは、複数の乱数(例えば、0〜65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、リプレイ、小役及びボーナスなどの役やハズレ(非当選)を含む各種の当選エリアが対応づけられている。
本実施形態のスロットマシン1では、各種の当選エリアに含まれる複数種類の役のうち、入賞することでメダルの払い出しが実行される小役として、ベル役と、特殊小役と、チェリー役と、スイカ役と、チャンス役と、を有し、入賞することで次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに準備状態に設定するリプレイ処理が実行されるリプレイとして、通常リプレイと、後述する遊技状態移行制御処理の実行契機となる特殊リプレイと、を有し、小役の入賞を容易にする役物及び役物連続作動装置として、第1種特別役物に係る連続作動装置であるビッグボーナス(以下、「BB」と記載)と、普通役物であるシングルボーナス(以下、「SB」と記載)と、を有している。複数種類の役の詳細については、後述する。
ここで、「打順」とは、ストップボタンB1〜ストップボタンB3に対して押下操作を実行する順番を意味し、打順1〜打順6の6通りの打順から構成されている。本実施形態のスロットマシン1では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3を停止させるための操作に対応する。このため、本実施形態のスロットマシン1では、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下順序が変化すると、第1リールR1〜第3リールR3の停止順序が変化する。
打順1は、ストップボタンB1→ストップボタンB2→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される、いわゆる順押しと称される打順である。また、打順2は、ストップボタンB1→ストップボタンB3→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される、いわゆるハサミ打ちと称される打順である。また、打順3は、ストップボタンB2→ストップボタンB1→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される打順である。また、打順4は、ストップボタンB2→ストップボタンB3→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される打順である。また、打順5は、ストップボタンB3→ストップボタンB1→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される打順である。また、打順6は、ストップボタンB3→ストップボタンB2→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される、いわゆる逆押しと称される打順である。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230から出力されるスタート信号に基づいて、遊技ごとに乱数生成手段110が生成する乱数(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づきいずれの当選エリアに当選したかを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された当選エリアに含まれる役に対応する抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、OFF状態)から当選状態(第2のフラグ状態、ON状態)に設定する。本実施形態のスロットマシン1では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。なお、抽選フラグの設定情報は、主記憶手段190の抽選フラグ記憶手段192に格納される。
ここで、本実施形態のスロットマシン1では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、BBがあり、小役、リプレイ及びSBは、後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、内部抽選でBBが含まれる当選エリアに当選すると、BBの抽選フラグの当選状態を、BBが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき、内部抽選手段120は、BBの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役及びリプレイを含む各当選エリアについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、BBの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが含まれる当選エリアが当選した場合には、既に当選しているBBの抽選フラグと内部抽選で当選した当選エリアに含まれる小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。なお、内部抽選手段120は、BBが含まれる当選エリアに当選し、BBの抽選フラグを持ち越している場合において、SB及びBBが含まれた当選エリアが抽選対象から除外された抽選テーブルを用いて内部抽選を実行する。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへ開始操作を実行することにより作動するスタートスイッチ230から、スタート信号が出力されたことに基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1〜第3リールR3を図3に示す各リールの回転方向に回転させる回転駆動を開始する。また、リール制御手段130は、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態が、所定速度(例えば、約80rpm)で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応するストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作されることでストップスイッチ240によって検出される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段130は、停止操作の検出に基づきストップスイッチ240からリール停止信号が出力された場合に、リールユニット430のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。このとき、リール制御手段130は、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態、すなわち内部抽選の結果に応じた態様で停止させる制御を行う。つまり、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の各ボタンが押下されるごとに、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたストップボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。
また、本実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1〜第3リールR3について、ストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。ここで、ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されている。リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ラインL1上の表示位置に対して0コマ〜4コマの範囲内に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄を有効ラインL1上の表示位置に表示するように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
ここで、リール制御手段130は、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号を受信し、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始して1回の遊技を開始した場合に、一般にウェイト(又はウェイト時間)と称される待機時間(約4.1秒)を設定するように構成されている。そして、リール制御手段130は、待機時間の設定から待機時間が経過するまでの期間内にスタート信号をスタートスイッチ230から受信した場合に、待機時間が経過した後に第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始するように構成されている。この構成により、リール制御手段130は、1回の遊技の開始から次の遊技の開始までに一定の時間として最小遊技時間(約4.1秒)を経過してから遊技を開始させることができる。
リール制御手段130は、ロジック演算により回転中のリールの停止位置を求めるロジック演算処理と、主記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理とを行っている。
まず、ロジック演算処理では、役ごとに定められた優先順位データに従ってストップスイッチ240の作動時点、つまりストップボタンの押下操作を検出した時点におけるリールの位置である押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。ここで、リール制御手段130は、リールユニット430に設けられたフォトセンサが各リールに設けられたリール位置検出部を検出した場合に出力されるリールが1回転したことを示す情報であるリールインデックスと、リールインデックスが検出されるリールの基準位置からの回転角度(ステッピングモータに供給した駆動パルスの供給回数から算出)を用いて、ストップスイッチ240からリール停止信号を受信した時点におけるリールの回転状態を取得する。そして、各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただし、ロジック演算処理では、内部抽選の結果や押下検出位置等に応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合がある。最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、テーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。
本実施形態のスロットマシン1では、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。ロジック演算処理では、2種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合、各役に対応づけられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補を、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先度が高くなるように優先度を求める。
なお、本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補の優先度の求め方は、有効ラインL1〜有効ラインL4上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める方法と、小役に予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める方法とが存在する。有効ラインL1〜有効ラインL4上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合には、有効ラインL1〜有効ラインL4上に表示可能な入賞図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先度が高くなるように各停止位置の候補の優先度を求める。また、メダルの払出数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合には、有効ラインL1〜有効ラインL4上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置、すなわち配当が多い小役を入賞させることができる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補の優先度を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度がそれぞれ同一のものとして扱われる。
また、ロジック演算処理では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。ここで、引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補を求める処理である。一方、蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補を求める処理である。このように、リール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算処理を行っている。
図3〜図5を用いて、内部抽選手段120が実行する内部抽選の詳細と、内部抽選の結果を受けてリール制御手段130が実行するリール停止制御の詳細と、について説明する。図3は、第1リールR1〜第3リールR3の周面に配列されている図柄を示す図である。本実施形態では、図3に示すように、第1リールR1〜第3リールR3の外周面に、赤7図柄「赤7」、リプレイ図柄「RP」、ベル図柄「BL」、チェリー図柄「CH」、スイカ図柄「WM」、特殊図柄A「SPA」、特殊図柄B「SPB」、特殊図柄C「SPC」、ブランク図柄A「BLA」及びブランク図柄B「BLB」が配列されている。
図4は、内部抽選で抽選の対象となる各当選エリア(当選態様)の詳細を示す図である。本実施形態において、内部抽選手段120は、BBの抽選フラグを持ち越していない状態であり、かつSB及びBBが作動していない場合に、図4に示す抽選値数の乱数が各当選エリアに対応づけられた内部抽選テーブルを用いて内部抽選を実行する。以下に、各当選エリアにおいて当選する役とリール停止制御とについて説明する。
当選エリア「非当選(ハズレ)」には、65536個の乱数のうち39721個の乱数が対応づけられている。内部抽選手段120による内部抽選で非当選に決定された場合、リール制御手段130は、後述する各役の入賞図柄組合せが有効ラインL1〜有効ラインL4上に表示されないようにリール停止制御を実行する。
当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」には、それぞれ65536個の乱数のうち4000個の乱数が対応づけられている。内部抽選手段120による内部抽選で打順ベル1〜打順ベル3のいずれかに決定された場合、リール制御手段130は、当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」のそれぞれに設定されている所定の打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に、図4に示す10枚の払い出しがなされる役(以下、当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」に含まれる小役のうち、10枚の払い出しがなされる小役を「ベル役」と記載)の入賞図柄組合せ「BL−BL−BL」が有効ラインL1〜有効ラインL4のいずれかの有効ライン上に表示されるようにリール停止制御を実行する。
図5(A)は、当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」の当選時におけるストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下順序に応じて入賞する役をそれぞれ示す図である。リール制御手段130は、当選エリア「打順ベル1」に当選時においてストップボタンB1が最初に停止操作される打順1又は打順2の打順をストップスイッチ240が検出した場合と、当選エリア「打順ベル2」に当選時においてストップボタンB2が最初に停止操作される打順3又は打順4の打順をストップスイッチ240が検出した場合と、当選エリア「打順ベル3」に当選時においてストップボタンB3が最初に停止操作される打順5又は打順6の打順をストップスイッチ240が検出した場合と、にベル役の入賞図柄組合せ「BL−BL−BL」が有効ラインL1〜有効ラインL4のいずれかの有効ライン上に表示されるようにリール停止制御を実行する。図3に示すように、第1リールR1〜第3リールR3の周面には、それぞれ4コマ以内の間隔でベル図柄「BL」が配列されており、当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」の当選時に、ベル役を入賞させる打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合には、いずれの押下タイミングで押下操作された場合にも必ずベル役が入賞する。
また、リール制御手段130は、当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」の当選時において、ベル役の入賞図柄組合せを有効ライン上に停止表示させる打順以外の打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に、図柄組合せ「BL−BL−BL」とは異なる入賞図柄組合せを有し、入賞することで1枚の払い出しが払出制御手段150によって実行される小役である特殊小役を入賞可能とするリール停止制御を実行する。つまり、本実施形態のスロットマシン1は、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」に当選した場合には、小役として、ベル役と特殊小役とが重複当選するように構成されている。なお、以下の記載において、ベル役の入賞させる打順を正解打順とも記載し、1枚役を入賞可能にさせる打順を不正解打順とも記載する。
また、当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」は、ベル役と特殊小役とに重複当選するが、図5(A)に示すように、重複当選する当選態様がそれぞれ異なるように構成されており、例えば、当選エリア「打順ベル1」は、ベル役と特殊小役である特殊小役Aとが重複当選し、当選エリア「打順ベル2」は、ベル役と、特殊小役Aと、特殊小役Aとは入賞図柄組合せが異なる特殊小役である特殊小役Bと、が重複当選し、当選エリア「打順ベル3」は、ベル役と、特殊小役A及び特殊小役Bとは入賞図柄組合せが異なる特殊小役である特殊小役Cと、が重複当選するように構成されている。
当選エリア「打順リプレイ1」〜「打順リプレイ3」には、それぞれ65536個の乱数のうち1000個の乱数が対応づけられている。内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「打順リプレイ1」〜「打順リプレイ3」のいずれかに決定された場合、リール制御手段130は、当選エリア「打順リプレイ1」〜「打順リプレイ3」のそれぞれに設定されている所定の打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に、図4に示す当選エリア「共通リプレイ」の当選時の入賞図柄組合せとは異なる図柄組合せ「RP−SPA−RP」又は「RP−SPB−RP」が有効ラインL1〜有効ラインL4のいずれかの有効ライン上に表示されるようにリール停止制御を実行する。なお、以下の記載において、当選エリア「打順リプレイ1」〜「打順リプレイ3」に含まれるリプレイであり、入賞図柄組合せとして「RP−SPA−RP」又は「RP−SPB−RP」が有効ライン上に表示されるリプレイを、特殊リプレイとも記載する。
図5(B)は、通常リプレイ及び特殊リプレイを含む当選エリアである当選エリア「打順リプレイ1」〜「打順リプレイ3」と、通常リプレイを含む当選エリアである当選エリア「共通リプレイ」と、の当選時におけるストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下順序に応じて入賞する役をそれぞれ示す図である。リール制御手段130は、当選エリア「打順リプレイ1」に当選時においてストップボタンB1が最初に停止操作される打順1又は打順2の打順をストップスイッチ240が検出した場合と、当選エリア「打順リプレイ2」に当選時においてストップボタンB2が最初に停止操作される打順3又は打順4の打順をストップスイッチ240が検出した場合と、当選エリア「打順リプレイ3」に当選時においてストップボタンB3が最初に停止操作される打順5又は打順6の打順をストップスイッチ240が検出した場合と、に特殊リプレイの入賞図柄組合せ「RP−SPA−RP」又は「RP−SPB−RP」が有効ラインL1〜有効ラインL4のいずれかの有効ライン上に表示されるようにリール停止制御を実行する。図3に示すように、第1リールR1、第3リールR3の周面には、4コマ以内の間隔でリプレイ図柄「RP」が配列されており、第2リールR2の周面には、4コマ以内の間隔で特殊図柄A「SPA」又は特殊図柄B「SPB」が配列されているため、当選エリア「打順リプレイ1」〜「打順リプレイ3」の当選時に、特殊リプレイを入賞させる打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合には、いずれの押下タイミングで押下操作された場合にも必ず特殊リプレイが入賞する。
また、リール制御手段130は、当選エリア「打順リプレイ1」〜「打順リプレイ3」の当選時において、特殊リプレイの入賞図柄組合せを有効ライン上に停止表示させる打順以外の打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に、当選エリア「共通リプレイ」に当選した場合に入賞可能になるリプレイの入賞図柄組合せ「RP−RP−RP」が有効ラインL1〜有効ラインL4のいずれかの有効ライン上に表示されるようにリール停止制御を実行する。図3に示すように、第2リールR2の周面にも、4コマ以内の間隔でリプレイ図柄「RP」が配列されているため、当選エリア「打順リプレイ1」〜「打順リプレイ3」の当選時に、特殊リプレイを入賞させる打順以外の打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合には、いずれの押下タイミングで押下操作された場合にも必ず当選エリア「共通リプレイ」の入賞図柄組合せが有効ラインL1〜有効ラインL4のいずれかの有効ライン上に表示される。なお、以下の記載において、当選エリア「打順リプレイ1」〜「打順リプレイ3」及び当選エリア「共通リプレイ」に含まれるリプレイであり、入賞図柄組合せとして「RP−RP−RP」が有効ライン上に表示されるリプレイを、通常リプレイとも記載する。
また、当選エリア「打順リプレイ1」〜「打順リプレイ3」は、特殊リプレイと通常リプレイに重複当選するが、重複当選する当選態様がそれぞれ異なるように構成されており、例えば、当選エリア「打順リプレイ1」は、特殊リプレイと通常リプレイとが重複当選し、当選エリア「打順リプレイ2」は、特殊リプレイと、通常リプレイと、特殊リプレイ及び通常リプレイとは入賞図柄組合せが異なる第1リプレイ(不図示)と、が重複当選し、当選エリア「打順リプレイ3」は、特殊リプレイと、通常リプレイと、特殊リプレイ、通常リプレイ及び第1リプレイとは入賞図柄組合せが異なる第2リプレイ(不図示)と、が重複当選するように構成されている。また、リール制御手段130は、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「打順リプレイ2」又は当選エリア「打順リプレイ3」に当選した場合に、ストップボタンB1〜ストップボタンB3がいずれの打順で押下操作された場合にも、第1リプレイ又は第2リプレイの入賞図柄組合せが表示されないようにリール停止制御を実行するように構成されていてもよい。
当選エリア「共通リプレイ」には、65536個の乱数のうち8978個の乱数が対応づけられており、通常リプレイに単独で当選する当選エリアである。内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「共通リプレイ」に決定された場合、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3がいずれの打順で押下操作された場合にも、通常リプレイの入賞図柄組合せ「RP−RP−RP」が有効ラインL1〜有効ラインL4のいずれかの有効ライン上に表示されるようにリール停止制御を実行する。上述したように、第1リールR1〜第3リールR3の周面には、4コマ以内の間隔でリプレイ図柄「RP」が配列されているため、当選エリア「共通リプレイ」の当選時には、ストップボタンB1〜ストップボタンB3がいずれの押下タイミングで押下操作された場合にも、必ず通常リプレイが入賞する。つまり、本実施形態の当選エリア「共通リプレイ」は、複数種類の役のうち通常リプレイの1つだけに当選する単一当選態様であり、内部抽選手段120による内部抽選で決定可能な単一当選態様を構成する。
当選エリア「チェリー」には、65536個の乱数のうち655個の乱数が対応づけられており、入賞図柄組合せとして「CH−ANY−ANY」が設定された小役であり、入賞することで2枚の払い出しが払出制御手段150によって実行される小役であるチェリー役に単独で当選する当選エリアである。内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「チェリー」に決定された場合、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3がいずれの打順で押下操作された場合にも、チェリー役の入賞図柄組合せを有効ラインL1〜有効ラインL4のいずれかの有効ライン上に表示させることができるようにリール停止制御を実行する。
図3に示すように、第1リールR1の周面には、停止番号7番のコマにチェリー図柄「CH」が配列されている。つまり、リール制御手段130は、ストップボタンB1の押下タイミングが有効ラインL1〜有効ラインL4のいずれかの有効ライン上にチェリー図柄「CH」を停止表示させることが可能な適切な押下タイミングである場合には、チェリー役の入賞図柄組合せを有効ライン上に表示し、それ以外の場合には、非当選(ハズレ)を示す図柄組合せを有効ライン上に表示するようにリール停止制御を実行する。
当選エリア「スイカ」には、65536個の乱数のうち327個の乱数が対応づけられており、入賞図柄組合せとして「WM−WM−WM」が設定された小役であり、入賞することで5枚の払い出しが払出制御手段150によって実行される小役であるスイカ役に単独で当選する当選エリアである。内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「スイカ」に決定された場合、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3がいずれの打順で押下操作された場合にも、スイカ役の入賞図柄組合せを有効ラインL1〜有効ラインL4のいずれかの有効ライン上に表示させることができるようにリール停止制御を実行する。
図3に示すように、第1リールR1の周面には、停止番号11番のコマにスイカ図柄「WM」が配列されており、第2リールR2の周面には、停止番号9番のコマと停止番号13番とにスイカ図柄「WM」が配列されており、第3リールR3の周面には、停止番号8番のコマにスイカ図柄「WM」が配列されている。つまり、リール制御手段130は、最初に押下操作されたストップボタンの押下タイミングが有効ラインL1〜有効ラインL4のいずれかの有効ライン上にスイカ図柄「WM」を停止表示させることが可能な適切な押下タイミングであり、2番目以降に押下操作されたストップボタンの押下タイミングが、既に停止表示されているスイカ図柄「WM」と同一の有効ライン上に停止表示させることが可能な適切な押下タイミングである場合には、スイカ役の入賞図柄組合せを有効ライン上に表示し、それ以外の場合には、非当選(ハズレ)を示す図柄組合せを有効ライン上に表示するようにリール停止制御を実行する。
当選エリア「チャンス」には、65536個の乱数のうち655個の乱数が対応づけられており、入賞図柄組合せとして「SPC−SPB−SPC」が設定された小役であり、入賞することで1枚の払い出しが払出制御手段150によって実行される小役であるチャンス役に単独で当選する当選エリアである。内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「チャンス」に決定された場合、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3がいずれの打順で押下操作された場合にも、チャンス役の入賞図柄組合せを有効ラインL1〜有効ラインL4のいずれかの有効ライン上に表示させることができるようにリール停止制御を実行する。
図3に示すように、第1リールR1の周面には、停止番号1番のコマに特殊図柄C「SPC」が配列されており、第2リールR2の周面には、停止番号21番のコマに特殊図柄B「SPB」が配列されており、第3リールR3の周面には、停止番号13番のコマに特殊図柄C「SPC」が配列されている。つまり、リール制御手段130は、最初に押下操作されたストップボタンの押下タイミングが有効ラインL1〜有効ラインL4のいずれかの有効ライン上にチャンス役の入賞図柄組合せを構成する図柄を停止表示させることが可能な適切な押下タイミングであり、2番目以降に押下操作されたストップボタンの押下タイミングが、既に停止表示されているチャンス役の入賞図柄組合せを構成する図柄と同一の有効ライン上に停止表示させることが可能な適切な押下タイミングである場合には、チャンス役の入賞図柄組合せを有効ライン上に表示し、それ以外の場合には、非当選(ハズレ)を示す図柄組合せを有効ライン上に表示するようにリール停止制御を実行する。
当選エリア「BB」には、65536個の乱数のうち65個の乱数が対応づけられており、入賞図柄組合せとして「赤7−赤7−赤7」が設定されたボーナスであるBBに単独で当選する当選エリアである。内部抽選手段120による内部抽選でBBに決定された場合、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3がいずれの打順で押下操作された場合にも、BBの入賞図柄組合せを有効ラインL1〜有効ラインL4のいずれかの有効ライン上に表示させることができるようにリール停止制御を実行する。
図3に示すように、第1リールR1の周面には、停止番号18番のコマに赤7図柄「赤7」が配列されており、第2リールR2の周面には、停止番号18番のコマに赤7図柄「赤7」が配列されており、第3リールR3の周面には、停止番号18番のコマに赤7図柄「赤7」が配列されている。つまり、リール制御手段130は、最初に押下操作されたストップボタンの押下タイミングが有効ラインL1〜有効ラインL4のいずれかの有効ライン上に赤7図柄「赤7」を停止表示させることが可能な適切な押下タイミングであり、2番目以降に押下操作されたストップボタンの押下タイミングが、既に停止表示されている赤7図柄「赤7」と同一の有効ライン上に停止表示させることが可能な適切な押下タイミングである場合には、BBの入賞図柄組合せを有効ライン上に表示し、それ以外の場合には、非当選(ハズレ)を示す図柄組合せを有効ライン上に表示するようにリール停止制御を実行する。
当選エリア「BB&チェリー」には、65536個の乱数のうち5個の乱数が対応づけられており、BBとチェリー役とに重複して当選する当選エリアである。内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「BB&チェリー」に決定された場合、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3がいずれの打順で押下操作された場合にも、BB又はチェリー役の入賞図柄組合せを有効ラインL1〜有効ラインL4のいずれかの有効ライン上に表示させることができるようにリール停止制御を実行する。上述した通り、リール制御手段130は、リール停止制御のうちロジック演算処理の実行時において、小役の優先順位がボーナスよりも高くなるように演算するため、内部抽選で当選エリア「BB&チェリー」に当選した場合には、チェリー役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補が、BBの入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも高くなるように優先度を求める。また、上述した通り、BB及びチェリー役は、いずれもストップボタンの押下タイミングが適切な場合に入賞可能な役であることから、当選エリア「BB&チェリー」の当選時においては、BBの入賞と、チェリー役の入賞と、いずれの役も入賞しない取りこぼしと、のいずれかとなる。
当選エリア「BB&スイカ」には、65536個の乱数のうち5個の乱数が対応づけられており、BBとスイカ役とに重複して当選する当選エリアである。内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「BB&チェリー」に決定された場合、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3がいずれの打順で押下操作された場合にも、BB又はスイカ役の入賞図柄組合せを有効ラインL1〜有効ラインL4のいずれかの有効ライン上に表示させることができるようにリール停止制御を実行する。上述した通り、リール制御手段130は、リール停止制御のうちロジック演算処理の実行時において、小役の優先順位がボーナスよりも高くなるように演算するため、内部抽選で当選エリア「BB&スイカ」に当選した場合には、スイカ役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補が、BBの入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも高くなるように優先度を求める。また、上述した通り、BB及びスイカ役は、いずれもストップボタンの押下タイミングが適切な場合に入賞可能な役であることから、当選エリア「BB&スイカ」の当選時においては、BBの入賞と、スイカの入賞と、いずれの役も入賞しない取りこぼしと、のいずれかとなる。
当選エリア「BB&チャンス」には、65536個の乱数のうち45個の乱数が対応づけられており、BBとチャンス役とに重複して当選する当選エリアである。内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「BB&チャンス」に決定された場合、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3がいずれの打順で押下操作された場合にも、BB又はチャンス役の入賞図柄組合せを有効ラインL1〜有効ラインL4のいずれかの有効ライン上に表示させることができるようにリール停止制御を実行する。上述した通り、リール制御手段130は、リール停止制御のうちロジック演算処理の実行時において、小役の優先順位がボーナスよりも高くなるように演算するため、内部抽選で当選エリア「BB&チャンス」に当選した場合には、チャンス役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補が、BBの入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも高くなるように優先度を求める。また、上述した通り、BB及びチャンス役は、いずれもストップボタンの押下タイミングが適切な場合に入賞可能な役であることから、当選エリア「BB&チャンス」の当選時においては、BBの入賞と、チャンス役の入賞と、いずれの役も入賞しない取りこぼしと、のいずれかとなる。
当選エリア「SB」には、65536個の乱数のうち80個の乱数が対応づけられており、入賞図柄組合せとして「SPC−SPA−SPC」が設定されたボーナスであるSBに単独で当選する当選エリアである。内部抽選手段120による内部抽選でSBに決定された場合、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3がいずれの打順で押下操作された場合にも、SBの入賞図柄組合せを有効ラインL1〜有効ラインL4のいずれかの有効ライン上に表示させることができるようにリール停止制御を実行する。
図3に示すように、第1リールR1の周面には、停止番号1番のコマに特殊図柄C「SPC」が配列されており、第2リールR2の周面には、停止番号2番、停止番号7番、停止番号12番及び停止番号17番のコマに特殊図柄A「SPA」が配列されており、第3リールR3の周面には、停止番号13番のコマに特殊図柄C「SPC」が配列されている。つまり、リール制御手段130は、最初に押下操作されたストップボタンの押下タイミングが有効ラインL1〜有効ラインL4のいずれかの有効ライン上にSBの入賞図柄組合せを構成する図柄を停止表示させることが可能な適切な押下タイミングであり、2番目以降に押下操作されたストップボタンの押下タイミングが、既に停止表示されているSBの入賞図柄組合せを構成する図柄と同一の有効ライン上に停止表示させることが可能な適切な押下タイミングである場合には、SBの入賞図柄組合せを有効ライン上に表示し、それ以外の場合には、非当選(ハズレ)を示す図柄組合せを有効ライン上に表示するようにリール停止制御を実行する。
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、主記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段194に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した時点で有効ラインL1〜有効ラインL4のいずれかの有効ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ライン上に表示された図柄組合せによって、BB、SB、リプレイ、小役の入賞の有無を判定(以下、「入賞判定」と記載)できるように入賞判定テーブルが用意されている。
本実施形態のスロットマシン1では、入賞判定処理における入賞判定手段140の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150にメダルを払い出させる枚数を決定する処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160に次回の遊技においてメダルを消費せずに実行させる処理を行わせ、ボーナスが入賞した場合には状態移行制御手段170に遊技状態を移行させる処理が行われる。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役ごとに予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、払出装置としてのホッパーユニット440に払い出させる制御を行う。本実施形態において、上述した通り、規定投入枚数よりも多い払出数に設定されているベル役とスイカ役とのうち、ベル役の配当は、10枚に定められ、スイカ役の配当は、5枚に定められている。また、規定投入枚数よりも少ない払出数に設定されているチェリー役と、チャンス役と、特殊小役と、のうち、チェリー役の配当は、2枚に定められ、チャンス役及び特殊小役の配当は、いずれも1枚に定められている。
リプレイ処理手段160は、入賞判定手段140により有効ラインL1〜有効ラインL4のいずれかの有効ライン上にリプレイの入賞を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、リプレイが入賞した場合、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインを設定した状態で、次回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機する。
状態移行制御手段170は、遊技状態の移行に係る制御処理である遊技状態移行制御処理と、小役の入賞を補助する演出である入賞補助演出が副制御部300によって実行される状態であるアシストタイム状態(以下、アシストタイム状態を「AT状態」とも記載)への移行に係る制御処理であるAT状態移行制御処理と、を行う。ここで、各遊技状態の移行条件は、1つの条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうちいずれか1つの条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。本実施形態の状態移行制御手段170は、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「打順リプレイ1」〜「打順リプレイ3」のいずれかに当選し、かつ特殊リプレイが入賞する打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作された場合に、リプレイに係る当選エリアが遊技者にとって有利な当選エリアに設定された内部抽選テーブルが、内部抽選手段120による内部抽選において選択される遊技状態に移行するように構成されている。また、AT状態移行制御処理においては、AT状態と非AT状態との間での移行に係る制御処理を状態移行制御手段170が実行するが、AT状態内おいての状態移行に係る制御処理や、非AT状態内においての状態移行に係る制御処理を実行可能に構成されていてもよい。状態移行制御手段170は、遊技状態移行制御処理やAT状態移行制御処理の結果を、状態フラグ記憶手段195に格納されている各状態フラグをON状態又はOFF状態にセットすることによって、各状態を制御する。
コマンド送信手段180は、主制御部100を構成する各手段が実行する制御処理の内容から他の制御部や出力手段へ送信するコマンド信号を作成する制御処理であるコマンド作成処理と、コマンド作成処理で作成したコマンド信号を他の制御部や出力手段に送信する制御処理であるコマンド送信処理と、を実行する。本実施形態のコマンド送信手段180は、例えば、内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアに関する情報である当選情報を他の制御部や出力手段へ送信する場合、主記憶手段190のコマンド記憶手段196に記憶されている当選コマンドテーブルを参照してコマンド作成処理を実行することで、当選情報に基づく制御信号である当選コマンドを作成し、コマンド送信処理を実行することで作成した当選コマンドを他の制御部や出力手段へ送信する。ここで、当選コマンドテーブルは、内部抽選で当選した当選エリアと、他の制御部や出力手段へ送信されるコマンド信号である当選コマンドと、が対応づけられたデータテーブルである。また、当選コマンドには、内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアに係る情報の他に、主制御表示装置500が実行する報知表示における表示態様に係る情報も含まれている。このため、スロットマシン1は、当選エリアと表示態様との間に対応関係を有する構成となっている。
本実施形態のコマンド送信手段180は、コマンド送信処理において、副制御部300と、主制御表示装置500と、にコマンド信号を送信する。副制御部300にコマンド信号を送信した場合には、後述するコマンド受信手段310によって送信したコマンド信号が受信され、遊技の進行に応じた演出が実行される。また、主制御表示装置500は、コマンド送信手段180から送信された当選コマンドを受信することで、当選コマンドに含まれる表示に係る情報に応じた表示態様で主制御表示装置500を構成する各セグメントが点灯又は消灯する。
副制御部300は、コマンド受信手段310、演出制御手段320及び副記憶手段330を含む。副制御部300を構成する各手段は、各制御処理の実行時に、副記憶手段330に予め記憶されている各制御プログラムを読み出して実行する。
コマンド受信手段310は、主制御部100のコマンド送信手段180から送信されるコマンド信号を受信する制御処理であるコマンド受信処理を実行する。副制御部300においては、コマンド受信手段310が受信したコマンド信号に基づき、演出制御手段320による演出に係る制御処理が実行される。
演出制御手段320は、コマンド受信手段310が受信したコマンド信号と、副記憶手段330の演出データ記憶手段331に記憶されている演出データと、に基づいて、例えば、表示装置410を用いて行う表示演出や音響装置420を用いて行う音響演出等、遊技に関する演出に係る制御を行う。具体的には、メダルの投入、シングルベットボタンBT、マックスベットボタンMB、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜ストップボタンB3に対する操作等への遊技者によるスロットマシン1の各構成の操作時にコマンド送信手段180から送信されるコマンド信号や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生時にコマンド送信手段180から送信されるコマンド信号等の各コマンド信号を受信することで、ランプ及びLEDの点灯あるいは点滅、表示装置410の表示内容の変化、スピーカからの音の出力の実行制御を行う。
また、演出制御手段320は、各演出状態に基づく演出を演出装置400を構成する各構成に実行させる。なお、本実施形態において、演出制御手段320は、乱数を用いる抽選処理ごとに、副制御部300の乱数生成手段の乱数格納領域から乱数を取得し、副記憶手段330の演出抽選テーブル記憶手段332に記憶されている複数の演出抽選テーブルのうち、各抽選処理に必要な演出抽選テーブルを用いて各抽選処理を実行する。
本実施形態のスロットマシン1は、上述したように、当選エリアと表示態様との間に対応関係を有する構成となっており、当選エリアと表示態様との対応関係について、1つの当選エリアに対して複数の表示態様が対応づけられており、内部抽選でその1つの当選エリアに当選した際に、複数の表示態様のうちのいずれかの表示態様が主制御表示装置500に表示される関係である複数表示対応関係と、1つの表示態様に対して複数の当選エリアが対応づけられており、その複数の当選エリアのうちのいずれかの当選エリアに内部抽選で当選した際に、その1つの表示態様が主制御表示装置500に表示される関係である複数エリア対応関係と、を有する構成となっている。つまり、本実施形態のスロットマシン1では、主制御表示装置500に表示された表示態様から直ちに特定の当選エリアに当選したと判別することができない構成となっている。このため、本実施形態のスロットマシン1は、主制御表示装置500に表示される表示態様から内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアを特定することが難しくなるように構成されており、主制御表示装置500に表示される表示態様によって遊技性が低下してしまうことを防止可能となる。
また、このように、内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアに関する情報に基づき作成される制御信号である当選コマンドを送信可能な主制御部100のコマンド送信手段180と、コマンド送信手段180が送信する当選コマンドを受信可能であり、当選コマンドに応じた所定の表示態様で表示可能な主制御表示装置500と、を備えるため、仮に、主制御部100から送信される当選コマンドを用いて制御処理を行う他の制御部に不正行為がなされたとしても、主制御表示装置500が当選コマンドに応じた所定の表示態様で表示することによって遊技媒体の払い出しに関して影響が生じることを防ぐことができ、不正行為によって遊技場に損害が生じることを防止可能となる。
2.主制御表示装置による表示に係る制御処理
次に、図6〜図8を参照して、本実施形態に係るスロットマシン1において、主制御部100の内部抽選手段120による内部抽選の結果を主制御表示装置500が表示する際に主制御部100を構成する各手段が実行する制御処理の詳細について説明する。
<当選コマンドの作成及び送信に係る制御処理>
図6は、本実施形態におけるスロットマシン1において、規定投入数のメダルがベットされることでスタートレバーSLに対する開始操作が有効化され、スタートスイッチ230がスタートレバーSLへの開始操作を検出することでスタート信号を出力してから、リール制御手段130によって第1リールR1〜第3リールR3の回転が開始されるまでの期間において、内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアの情報に基づきコマンド送信手段180が当選コマンドを作成及び送信するコマンド作成処理及びコマンド送信処理を示すフローチャートである。
まず、主制御部100の内部抽選手段120が内部抽選を実行する(S1)。この処理において、内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、乱数生成手段110から乱数を取得するとともに、現在の遊技状態に基づき内部抽選テーブル記憶手段191から内部抽選テーブルを選択する。そして、内部抽選手段120は、取得した乱数を選択した内部抽選テーブルと比較し、比較結果に応じていずれの当選エリアに当選したかを判定する乱数判定処理を実行する。また、内部抽選手段120は、乱数判定処理の結果に基づき、主記憶手段190の抽選フラグ記憶手段192に記憶され、当選した当選エリアに含まれる役に対応する抽選フラグを、当選状態に設定する抽選フラグ設定処理を実行する。
ステップS1の処理を実行した後、主制御部100は、コマンド送信手段180によって、ステップS1の処理で当選した当選エリアに応じた当選コマンドを作成する(S2)。この処理において、コマンド送信手段180は、主記憶手段190のコマンド記憶手段196からそれぞれの当選エリアに対して、当選コマンドが対応づけられた当選コマンドテーブルを取得する。
図7には、当選コマンドテーブルにおける当選エリアと当選コマンドとの対応関係が示されている。図3に示すように、当選コマンドテーブルにおいて、当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」及び当選エリア「打順リプレイ1」〜「打順リプレイ3」には、状態移行制御手段170によって制御される状態がAT状態であるか否かによって異なる当選コマンドが対応づけられている。例えば、状態移行制御手段170によって制御される状態がAT状態である場合、つまり、状態フラグ記憶手段195に格納されたフラグであり、AT状態に対応するフラグであるAT状態フラグがON状態である場合には、当選エリア「打順ベル1」に当選コマンド「0010h」が対応づけられ、当選エリア「打順ベル2」に当選コマンド「0020h」が対応づけられ、当選エリア「打順ベル3」に当選コマンド「0030h」が対応づけられている。また、状態移行制御手段170によって制御される状態が非AT状態であり、AT状態フラグがOFF状態である場合には、当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」に共通した当選コマンドとして、当選コマンド「9800h」が対応づけられている。
そして、当選コマンドテーブルにおいて当選エリア「打順リプレイ1」〜「打順リプレイ3」に対応づけられている当選コマンドは、AT状態フラグがON状態である場合には、当選エリア「打順リプレイ1」に当選コマンド「0040h」が対応づけられ、当選エリア「打順リプレイ2」に当選コマンド「0050h」が対応づけられ、当選エリア「打順リプレイ3」に当選コマンド「0060h」が対応づけられており、AT状態フラグがOFF状態である場合には、当選エリア「打順リプレイ1」〜「打順リプレイ3」に共通した当選コマンドとして、当選コマンド「9900h」が対応づけられている。コマンド送信手段180は、ステップS1の処理で当選した当選エリア及び状態フラグ記憶手段195に格納されているAT状態フラグの状態を当選コマンドテーブルと比較して、その比較結果に基づき当選コマンドを作成する。また、コマンド送信手段180は、当選コマンドを作成する際、主制御表示装置500に表示される表示態様の情報を当選コマンドに含めて作成する。各当選コマンドには、複数の表示態様をグループ化した表示態様グループが対応づけられており、コマンド送信手段180によって作成された当選コマンドには、その当選コマンドに対応づけられた表示態様グループに含まれる複数の表示態様のうちのいずれかの表示態様の情報が含まれている。コマンド送信手段180は、当選コマンドを作成する際にいずれの表示態様の情報を当選コマンドに含めて作成するかを決定するために、乱数生成手段110から乱数を取得する。各表示態様グループは、複数の乱数のそれぞれに対して、いずれかの表示態様が対応づけられている。コマンド送信手段180は、乱数生成手段110から取得した乱数と表示態様グループに含まれる複数の表示態様とを比較して、比較結果に基づきいずれの表示態様の情報を当選コマンドに含めて当選コマンドを作成するかを決定する。
ステップS2の処理を実行した後、主制御部100は、コマンド送信手段180によって、ステップS2の処理で作成した当選コマンドを主制御表示装置500に送信する(S3)。主制御表示装置500は、主制御部100のコマンド送信手段180から送信された当選コマンドを受信して、その受信した当選コマンドに応じた表示態様でセグメントを点灯及び消灯させることで、報知表示を実行する。
<主制御表示装置による報知表示における表示態様の詳細>
ここで、ステップS3の処理で送信される当選コマンドに応じて主制御表示装置500に表示される表示態様の詳細について説明する。
図8は、当選コマンドと主制御表示装置500に表示される複数の表示態様を含む表示態様グループとの関係を示す図である。なお、図8には、当選コマンド「0010h」〜「0080h」、「8080h」、「9800h」、「9900h」と主制御表示装置500に表示される表示態様との関係を示しているが、他の当選コマンドについてもそれぞれ主制御表示装置500に表示される表示態様が対応付けられている。
図8に示すように、例えば、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「共通リプレイ」に当選した場合にコマンド送信手段180から送信される当選コマンド「0070h」には、表示態様G1及び表示態様G2の複数の表示態様を含む表示態様グループGが対応づけられている。つまり、当選エリア「共通リプレイ」には、表示態様G1の情報又は表示態様G2の情報を含む当選コマンド「0070h」が対応づけられている。本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「共通リプレイ」に当選した場合には、コマンド送信手段180から主制御表示装置500に当選コマンド「0070h」が送信され、主制御表示装置500が当選コマンド「0070h」を受信することで、当選コマンド「0070h」に含まれる表示態様の情報である表示態様G1又は表示態様G2の報知表示が主制御表示装置500によって実行されるように構成されており、当選エリア「共通リプレイ」と表示態様G1及び表示態様G2とについて、当選エリア「共通リプレイ」に対して表示態様G1と表示態様G2との複数の表示態様が対応づけられた関係である複数表示対応関係を有している。
本実施形態のスロットマシン1では、内部抽選手段120による内部抽選で当選するいずれの当選エリアにおいても、その当選した当選エリアと複数表示対応関係にある複数の表示態様が設けられている。このため、本実施形態のスロットマシン1では、主制御表示装置500に表示される表示態様から内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアが遊技者に推測されにくい構成となっている。
また、図6に示すように、AT状態である場合の当選エリア「打順ベル1」に対応づけられた当選コマンド「0010h」には、表示態様A1〜表示態様A3を含む表示態様グループAが対応づけられ、AT状態である場合の当選エリア「打順リプレイ1」に対応づけられた当選コマンド「0040h」には、表示態様D1〜表示態様D3を含む表示態様グループDが対応づけられている。
ここで、図6に示すように、当選コマンド「0010h」に対応づけられている表示態様A3と、当選コマンド「0040h」に対応付けられている表示態様D3と、は、主制御表示装置500に表示される表示態様が同一の表示態様Kに設定されている。つまり、本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「打順ベル1」及び当選エリア「打順リプレイ1」と表示態様Kとの関係について、表示態様Kに対して当選エリア「打順ベル1」と当選エリア「打順リプレイ1」との複数の当選エリアが対応づけられた関係である複数エリア対応関係を有している。当選エリア「打順ベル1」及び当選エリア「打順リプレイ1」と表示態様Kとの関係について複数エリア対応関係を有することで、本実施形態のスロットマシン1は、主制御表示装置500に表示する表示態様として表示態様Kが選択された場合に、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「打順ベル1」と当選エリア「打順リプレイ1」とのいずれに当選したかが遊技者に特定されない構成となっている。
上述したように、本実施形態のスロットマシン1は、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「打順ベル1」に当選した場合に、ベル役を入賞可能な正解打順が打順1及び打順2に設定されている。本実施形態のスロットマシン1は、内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「打順リプレイ1」に当選した場合に、入賞することで状態移行制御手段170によってリプレイに係る当選エリアが遊技者にとって有利な当選エリアに設定された内部抽選が実行される遊技状態に移行する契機となる特殊リプレイを入賞可能な打順が打順1及び打順2に設定されている。
つまり、本実施形態のスロットマシン1においては、表示態様Kによる報知表示が主制御表示装置500によって実行された場合に、内部抽選で当選した当選エリアが当選エリア「打順ベル1」と当選エリア「打順リプレイ1」とのいずれの場合であっても、打順1又は打順2でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作されることで、遊技者にとって有利な結果となるように構成されており、当選エリア「打順ベル1」と当選エリア「打順リプレイ1」とで同一の表示態様による報知表示が実行されたとしても、遊技者にとって不利な結果が生じないように構成されており、遊技の公正を害することなく主制御表示装置500に表示される表示態様から内部抽選で当選した当選エリアが特定されることを防止する構成となっている。
図8に示すように、本実施形態の表示態様テーブルにおいて、状態移行制御手段170に制御される状態が非AT状態である場合における当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」のいずれかの当選時にコマンド送信手段180から送信される当選コマンド「9800h」には、表示態様H1及び表示態様H2を含む表示態様グループHが対応づけられている。当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」と表示態様H1及び表示態様H2との関係について、各当選エリアに複数の表示態様が対応付けられた複数表示対応関係を有するように構成されている。
また、図8に示すように、当選コマンド「9800h」には、いずれも共通の表示態様H1及び表示態様H2が対応づけられている。換言すると、表示態様H1には、非AT状態である場合における当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」のいずれかの当選時にコマンド送信手段180から送信される当選コマンド「9800h」が対応づけられている。当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」と表示態様H1との関係について、複数エリア対応関係を有するように構成されており、当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」と表示態様H2との関係についても同様に複数エリア対応関係を有するように構成されている。
このため、本実施形態のスロットマシン1においては、主制御表示装置500に表示態様H1又は表示態様H2による報知表示が実行された場合に、当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」のいずれかであることは報知されるものの、当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」のどの当選エリアであるかを特定できない表示態様で報知表示が実行されるように構成されている。このため、本実施形態のスロットマシン1は、主記憶手段190の状態フラグ記憶手段195に記憶されているAT状態フラグがOFF状態である非AT状態である状態で、当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」のいずれかに内部抽選手段120による内部抽選で当選した場合に、主制御表示装置500による報知表示によって、リール制御手段130によるリール停止制御においてベル役を入賞可能なリール停止制御が実行されることになる正解打順が報知されてしまうことを防ぐことができ、主制御表示装置500に表示される表示態様によって遊技性が低下してしまうことを防止可能となる。
なお、本実施形態のスロットマシン1においては、図6に示すように、非AT状態である場合における当選エリア「打順リプレイ1」〜「打順リプレイ3」のいずれかの当選時にコマンド送信手段180から送信される当選コマンド「9900h」も、当選コマンド「9800h」と略同様に構成されているため、非AT状態である状態で、当選エリア「打順リプレイ1」〜「打順リプレイ3」のいずれかに内部抽選手段120による内部抽選で当選した場合に、主制御表示装置500による報知表示によって、リール制御手段130によるリール停止制御において特殊リプレイを入賞可能なリール停止制御が実行されることになる打順が報知されてしまうことを防ぐことができ、主制御表示装置500に表示される表示態様によって遊技性が低下してしまうことを防止可能となる。
このように、ストップスイッチ240が検出するストップボタンB1〜ストップボタンB3の特定の操作順序によって、主制御部100が実行する主制御処理のうちリール制御手段130によるリール停止制御の実行時において、特定の入賞役を入賞させるリール停止制御の実行というリール停止制御の内容に変化を与えることが可能であり、1つの表示態様H1又は表示態様H2に対して複数の当選エリアが対応づけられた複数の当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」と、1つの表示態様J1又は表示態様J2に対して複数の当選エリアが対応づけられた複数の当選エリア「打順リプレイ1」〜「打順リプレイ3」と、は、本実施形態における特定の当選エリアを構成する。
さらに、図8に示すように、当選エリア「チェリー」に対応づけられた当選コマンド「0080h」と、当選エリア「BB&チェリー」に対応づけられた当選コマンド「8080h」と、には、表示態様P1及び表示態様P2を含む表示態様グループPが共通に対応づけられている。つまり、本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「チェリー」及び当選エリア「BB&チェリー」と表示態様P1との関係について、表示態様P1に対して当選エリア「チェリー」と当選エリア「BB&チェリー」との複数の当選エリアが対応づけられた関係である複数エリア対応関係を有しており、当選エリア「チェリー」及び当選エリア「BB&チェリー」と表示態様P2との関係についても同様に複数エリア対応関係を有する。
このため、本実施形態のスロットマシン1においては、主制御表示装置500に表示態様P1又は表示態様P2よる報知表示が実行された場合に、当選エリア「チェリー」又は当選エリア「BB&チェリー」であることが報知されるものの、当選エリア「チェリー」及び当選エリア「BB&チェリー」のいずれの当選エリアであるかを特定できない表示態様で報知表示されるように構成されている。
仮に、当選コマンド「0080h」に対応づけられた表示態様グループと当選コマンド「8080h」に対応づけられた表示態様グループとがそれぞれ異なるように構成されている場合、スロットマシン1は、当選エリア「チェリー」又は当選エリア「BB&チェリー」に当選した際に副制御部300の演出制御手段320によって実行される演出において、当選エリア「チェリー」及び当選エリア「BB&チェリー」のいずれかに当選したことが遊技者に報知されたとしても、主制御表示装置500によって当選エリア「チェリー」及び当選エリア「BB&チェリー」のいずれの当選エリアであるかが特定されてしまい、演出制御手段320による演出としてBBの入賞に対する遊技者の期待感を向上させる演出が行われていたとしても、主制御表示装置500によって当選エリア「チェリー」及び当選エリア「BB&チェリー」のいずれの当選エリアであるかが特定されるため、当選エリア「チェリー」に当選した場合に当選エリア「BB&チェリー」に当選しておらずBBを入賞させることができないことが主制御表示装置500によって遊技者に報知されてしまい、BBの入賞に対する遊技者の期待感が向上されず、遊技性が低下してしまう虞がある。
これに対して、本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「チェリー」及び当選エリア「BB&チェリー」のいずれの当選エリアであるかを特定できない表示態様で主制御表示装置500に報知表示されるように構成されているため、当選エリア「チェリー」及び当選エリア「BB&チェリー」のいずれの当選エリアに当選したかが報知されてしまうことを防ぐことができ、副制御部300の演出制御手段320によって実行される演出と主制御表示装置500に表示される表示態様とに齟齬が生じ遊技性が低下してしまうことを防止可能となる。
なお、本実施形態本実施形態のスロットマシン1では、当選エリア「スイカ」に対応づけられた表示対応グループ(不図示)が当選エリア「BB&スイカ」に対応づけられた表示態様グループ(不図示)と同じであり、当選エリア「チャンス」に対応づけられた表示対応グループ(不図示)が当選エリア「BB&チャンス」に対応づけられた表示対応グループ(不図示)と同じであるように構成されている。このため、本実施形態のスロットマシン1は、当選エリア「スイカ」又は当選エリア「BB&スイカ」に当選した場合に、主制御表示装置500による報知表示によって、当選エリア「スイカ」及び当選エリア「BB&スイカ」のいずれの当選エリアに当選したかが報知されてしまうことを防ぐことができ、当選エリア「チャンス」又は当選エリア「BB&チャンス」に当選した場合にも、主制御表示装置500よる報知表示によって、当選エリア「チャンス」及び当選エリア「BB&チャンス」のいずれの当選エリアに当選したかが報知されてしまうことを防ぐことができるため、副制御部300の演出制御手段320によって実行される演出と主制御表示装置500に表示される表示態様とに齟齬が生じ遊技性が低下してしまうことを防止可能となる。
<主制御表示装置への当選コマンド送信処理以降の当選コマンドの作成及び送信に係る制御処理>
以上が当選コマンドの作成及び送信に係る制御処理において、主制御表示装置500が当選コマンドを受信することで実行する報知表示の内容である。以下、当選コマンドの作成及び送信に係る制御処理において、主制御表示装置500への当選コマンドの送信(ステップS3)以降にコマンド送信手段180が実行する制御処理の詳細について、図6を参照して説明する。
ステップS3の処理を実行した後、コマンド送信手段180は、ステップS2の処理で作成した当選コマンドを副制御部300に送信し(S4)、当選コマンドの作成及び送信に係る制御処理を終了する。この処理において、コマンド送信手段180は、主制御表示装置500に送信した当選コマンドを副制御部300に送信する。副制御部300においては、コマンド受信手段310が当選コマンドを受信することで、当選コマンドに基づく演出が演出制御手段320によって実行される。
ここで、演出制御手段320によって実行される演出としては、例えば、当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」の当選時に正解打順を報知する入賞補助演出等がある。上述した通り、本実施形態のコマンド送信手段180は、非AT状態である状態での内部抽選手段120による内部抽選で当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」のいずれかに当選した場合には、共通の当選コマンド「9800h」を作成する。つまり、非AT状態である場合、副制御部300には、当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」のいずれに当選したのかが判定されない当選コマンドが送信される構成となっている。
つまり、本実施形態のスロットマシン1は、副制御部300に不正行為がなされてしまった場合にも、当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」の当選時に正解打順に係る情報がなく、正解打順を副制御部300による演出によって表示することができない構成となっているため、仮に副制御部300に不正行為がなされた場合にも、入賞補助演出を実行させることができず、ベル役の入賞確率に変化が生じないため、副制御部300に不正行為がなされてもメダルの払い出しに影響が生じることを防ぐことができる。
以上のように、本実施形態のスロットマシン1は、内部抽選手段120による内部抽選で当選した当選エリアに関する情報に基づく制御信号である当選コマンドを送信可能な主制御部100のコマンド送信手段180と、コマンド送信手段180が送信する当選コマンドを受信可能であり、当選コマンドに含まれる表示に係る情報に対応する表示態様で報知表示を実行する主制御表示装置500と、を備えるため、仮に、主制御部100から送信される当選コマンドを用いて制御処理を行う他の制御部に不正行為がなされたとしても、主制御表示装置500が当選コマンドに応じた所定の表示態様で表示することによってメダルの払い出しに関して影響が生じることを防ぐことができ、不正行為によって遊技場に損害が生じることを防止可能となる。
また、本実施形態のスロットマシン1では、当選エリアと表示態様との関係において、例えば、当選エリア「共通リプレイ」と表示態様G1及び表示態様G2との対応関係のように、1つの当選エリアに対して複数の表示態様が対応づけられた関係である複数表示対応関係と、例えば、表示態様H1とAT状態フラグがOFF状態である場合に当選した当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」との対応関係のように、1つの表示態様に対して複数の当選エリアが対応づけされた関係である複数エリア対応関係と、を有しており、主制御表示装置500に表示される表示態様から当選エリアを特定することが難しくなるように構成されているため、主制御表示装置500に表示される表示態様によって遊技性が低下してしまうことを防止可能となる。
また、本実施形態のスロットマシン1では、AT状態フラグがOFF状態である場合に、内部抽選手段120による内部抽選で複数の特定の当選エリア(当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」、「打順リプレイ1」〜「打順リプレイ3」)に当選した際に、その当選した当選エリアに対応した特定の操作順序が行われることによってリール制御手段130が実行するリール停止制御に特定の入賞役を入賞させるようにする変化が与えられるが、主制御表示装置500に表示された表示態様から複数の特定の当選エリアのいずれの当選エリアに内部抽選手段120による内部抽選で当選したかを遊技者に把握させない表示態様で報知表示を実行するため、主制御表示装置500に表示される表示態様によって遊技性が低下してしまうことを防止可能となる。
3.変形例
なお、本実施形態において、スロットマシン1は、複数表示対応関係及び複数エリア対応関係の両方を有するように構成されているが、これに限らず、当選エリアと表示態様との間において、複数表示対応関係と複数エリア対応関係とのいずれか一方の対応関係のみを有するように構成されていてもよい。複数表示対応関係のみを有するように構成された場合、スロットマシン1は、1つの当選エリアが複数の表示態様に対応づけられていることで、主制御表示装置500に表示される表示態様から当選エリアを特定することが難しくなり、主制御表示装置500に表示される表示態様によって遊技性が低下してしまうことを防止可能となる。また、複数エリア対応関係のみを有するように構成された場合、スロットマシン1は、1つの表示態様が複数の当選エリアに対応づけられていることで、主制御表示装置500に表示される表示態様から当選エリアを特定することが難しくなるため、主制御表示装置500に表示される表示態様によって遊技性が低下してしまうことを防止可能となる。
また本実施形態において、スロットマシン1は、当選エリア「チェリー」に対応づけられた表示態様グループが当選エリア「BB&チェリー」に対応づけられた表示態様グループと同じであり、当選エリア「スイカ」に対応づけられた表示態様グループが当選エリア「BB&スイカ」に対応づけられた表示態様グループと同じであるように構成されているが、これに限らず、当選エリア「チェリー」に対応づけられた表示態様グループが当選エリア「スイカ」に対応づけられた表示態様グループと同じであるように構成されていてもよい。これによって、スロットマシン1は、当選エリア「チェリー」又は当選エリア「スイカ」が当選した際に、主制御表示装置500によって当選エリア「チェリー」及び当選エリア「スイカ」のいずれの当選エリアに当選したかが報知されてしまうことを防ぐことができる。そして、スロットマシン1は、当選エリア「チェリー」又は当選エリア「スイカ」が当選した際に、副制御部300によって、当選エリア「チェリー」及び当選エリア「スイカ」のいずれの当選エリアに当選したかが報知されないが、当選エリア「チェリー」又は当選エリア「スイカ」に当選したことが遊技者に報知されるように構成されることで、主制御表示装置500によって当選エリア「チェリー」及び当選エリア「スイカ」のいずれの当選エリアに当選したかが報知されてしまうことを防ぐことができるため、副制御部300の演出制御手段320によって実行される演出と主制御表示装置500に表示される表示態様とに齟齬が生じ遊技性が低下してしまうことを防止可能となる。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、主制御表示装置500及び副制御部300に同じ当選コマンドが送信されるが、これに限らず、当選エリアと主制御表示装置500に送信される表示態様の情報との関係について、複数表示対応関係及び複数エリア対応関係の少なくともいずれか一方を有すると共に、当選エリアと副制御部300に送信される表示態様の情報との関係についても、複数表示対応関係及び複数エリア対応関係の少なくともいずれか一方を有するのであれば、主制御表示装置500と副制御部300とにそれぞれ異なる当選コマンドが送信されるように構成されていてもよい。具体的には、スロットマシン1は、非AT状態における当選エリア「打順ベル1」の当選時に、主制御表示装置500に当選コマンド「9800h」が送信され、副制御部300に当選コマンド「0010h」が送信されるように構成されていてもよい。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、内部抽選で当選エリアが決定された後に、その当選した当選エリアに対応づけられた複数の表示態様のうち、いずれの表示態様の情報が含まれる当選コマンドを作成するかが乱数生成手段110から取得した乱数によって決定されるように構成されているが、これに限らず、例えば、通常リプレイに単独当選する当選エリアとして当選エリア「共通リプレイ1」及び当選エリア「共通リプレイ2」を有し、当選エリア「共通リプレイ1」に対して表示態様G1の情報を含む当選コマンド「0100h」が対応づけられ、当選エリア「共通リプレイ2」に対して表示態様G2の情報を含む当選コマンド「0110h」が対応づけられているように、複数の当選エリアに対して共通の入賞役が対応づけられているが、それぞれ当選エリアに対して異なる表示態様の情報を含む当選コマンドが対応づけられた構成にされていてもよい。具体的には、スロットマシン1は、内部抽選手段120による内部抽選によって、当選エリア「共通リプレイ1」が決定されると、通常リプレイに当選すると共に、コマンド送信手段180よるコマンド作成処理によって表示態様G1の情報を含む当選コマンド「0100h」を作成することが決定されるように構成されていてもよく、内部抽選手段120による内部抽選によって、当選エリアが決定されると共に、コマンド送信手段180によるコマンド作成処理によって複数の表示態様のうちいずれの表示態様の情報が含まれる当選コマンドを作成するかが決定されるように構成されていてもよい。これによって、スロットマシン1は、遊技中において、乱数を取得する制御処理の回数が削減され、制御負担が軽減される。
また、本実施形態において、主制御表示装置500は、1個の当選コマンドに対して最大3個の表示態様が対応づけられた構成にされているが、これに限らず、1個の当選コマンドに対して10個や更に多くの種類の表示態様が対応づけられた構成にされていてもよい。これによって、スロットマシン1は、各当選エリアに対していずれの表示態様が対応づけされているかが遊技者に更に特定されにくくなる。
また、本実施形態において、スロットマシン1は、AT状態フラグがOFF状態である際に当選した当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」に対して、共通の表示態様が対応づけられているが、これに限らず、例えば、当選エリア「打順ベル1」及び当選エリア「チェリー」に対して、共通の表示態様が対応づけされているように、当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」及び当選エリア「打順リプレイ1」〜「打順リプレイ3」以外の複数の当選エリアに対して、共通の表示態様が対応づけられた構成にされていてもよい。
また、本実施形態において、主制御部100は、AT状態フラグがON状態であるか否かによって、当選エリア「打順ベル1」〜「打順ベル3」及び当選エリア「打順リプレイ1」〜「打順リプレイ3」に対応づけられた当選コマンドが変更されるように構成されていたが、これに限らず、例えば、内部抽選に参照される内部抽選テーブルが変更された際などのように遊技状態が移行された際に、当選エリアと当選コマンドとの対応関係が変更されるように構成されていてもよい。