JP6407057B2 - 熱可塑性樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、風力発電に用いられる風車翼等の熱可塑性樹脂成形体の製造方法に関する。
従来、風力発電に用いられる風車翼は高い強度と軽量化、そして耐久性が求められている。特に風車翼や航空機や船舶のボディ等は大型の繊維樹脂複合材からなり、熱硬化性樹脂を用いて製造することが通例となっており、大型の熱硬化性樹脂成形体は軽量化と高強度化が重要である。例えば、特許文献1に記載された風車翼100は図12に示すように所定厚みを有する流線形状の外皮層101の層内に背骨部と腹骨部としてスパーキャップ102が配設され、その前後に軽量木材からなるサンドイッチコア材103が内蔵されている。しかも、背側と腹側のスパーキャップの間をシェアウェブ104によって連結して支持している。
風車翼100の外皮層101は繊維基材に液状の熱硬化性樹脂を流し込んで加熱硬化することで製造されている。
即ち、外皮層101は金型に沿って配置されたドライファブリック(ガラス繊維織物)の中に真空吸引法によって、液状の熱硬化性樹脂(不飽和ポリエステル等)が含浸され、その後、加熱硬化することで、スパーキャップ102やサンドイッチコア材103を含めて外皮層101を一体化する風車翼のハーフ体の製造方法が記載されている。そして、製造された一方のハーフ体と他方ハーフ体とを接着剤等で接合することで風車翼を形成している。
しかも、風車翼に限らず、航空機や船舶等のボディや建物の床材等の大型の繊維樹脂複合成形体はいずれもドライファブリック(ガラス繊維織物)を金型内に配置した状態で、熱硬化型樹脂を真空引きしながら流し込んで含浸させた後、加熱硬化させることで製造している。
特開2009−287514号公報
しかしながら、特許文献1に記載された風車翼のような大型の繊維樹脂複合成形体は、繊維基材に液状の熱硬化性樹脂を流し込んで成形しているが、熱硬化性樹脂の成形体を廃棄する際にリサイクルが困難であった。しかも、熱硬化性樹脂を繊維基材に注入して含浸させ、硬化させるまでに反応を伴うために時間がかかり、製造サイクルが長いという問題があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、廃棄物のリサイクルが容易で、製造工程が短くて済む熱可塑性樹脂成形体の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明による熱可塑性樹脂成形体の製造方法は、複数の熱可塑性樹脂シートと複数の強化繊維樹脂シートを載置して積層体を構成する工程と、積層体を加熱して複数の熱可塑性樹脂シートと複数の強化繊維樹脂シートを相互に溶融して一体化させる工程と、少なくとも一方の金型が凹凸形状を備える一対の金型で積層体を圧縮することで、溶融した熱可塑性樹脂を流動させ、成形体の一部を他の領域より肉厚に形成する工程と、冷却後に一体化したスキンーリブ構造の成形体を金型から取り出す工程と、を備えるようにしてもよい。
また、前記熱可塑性樹脂シートは、ポリオレフィン樹脂を含むようにしてもよい。
また、前記強化繊維樹脂シートは、ポリオレフィン樹脂を含むようにしてもよい。
また、前記強化繊維樹脂シートは、炭素繊維を含むようにしてもよい。
また、前記強化繊維樹脂シートは、繊維織物を含む樹脂シートを含むようにしてもよい。
また、前記強化繊維樹脂シートは、1方向性連続炭素繊維からなる樹脂シートを含むようにしてもよい。
また、前記強化繊維樹脂シートは、繊維織物を含む樹脂シート及び1方向性連続炭素繊維からなる樹脂シートを含むようにしてもよい
た、前記スキンーリブ構造のリブ部は等間隔で配置されていてもよい。
これらの発明によれば、複数の熱可塑性樹脂シートと強化繊維樹脂シートを載置して構成した積層体を加熱して相互に溶融して一体化させた段階で、所望の凹凸形状(傾斜形状、曲面形状等を含む)を型面に備えた金型で積層体を圧縮することにより、溶融した熱可塑性樹脂を流動させ、型面の形状に応じてこの流動した熱可塑性樹脂によって一部を他の領域より肉厚にすることが可能になる。すなわち、このように熱可塑性樹脂を用い、加熱して溶融した熱可塑性樹脂を金型で押圧して流動させることで、所望の凹凸形状を備えた成形体を容易に製造することが可能になる。
なお、一部に他の領域より肉厚の肉厚部がある構造体(成形体)としては、例えばスキン−リブ構造体などが挙げられる。
本発明による熱可塑性樹脂成形体の製造方法によれば、金型内に積層された複数の熱可塑性樹脂シートを加熱溶融し一体化して冷却することで熱可塑性樹脂成形体を製造することができるため、従来の熱硬化性樹脂成形体と比較して軽量化できる上に製造工程が短くなるため製造コストの増大を抑制できる。
しかも、熱可塑性樹脂成形体を廃棄する際には粉砕して押出成形等が可能であるため他の樹脂製品にリサイクルすることができる。
また、本発明による風車翼によれば、熱可塑性樹脂層と強化繊維樹脂層を積層して一体化したことで、従来の熱硬化性樹脂成形体の風車翼と比較して軽量化できる上に剛性は等価であり、しかも廃棄する際に他の樹脂製品にリサイクルできる。
本発明の第一実施形態による風車翼の概略縦断面図である。 第一実施形態による熱可塑性樹脂シートとその上下の強化繊維樹脂シートを積層してなる積層体の分解斜視図である。 本実施形態による風車翼の製造方法を示す図であり、(a)は風車翼のハーフ体の金型を示す断面図、(b)は金型内に熱可塑性樹脂シートと強化繊維樹脂シートの積層体を載置した断面図、(c)は積層体を加熱して風車翼のハーフ体を形成した断面図である。 図3(b)におけるA部断面図である。 図3(c)におけるB部断面図である。 風車翼の一方のハーフ体と他方のハーフ体を加熱接合する工程を示す断面図である。 本発明の第二実施形態による熱可塑性樹脂シートとその上下の強化繊維樹脂シートを積層してなる積層体の分解斜視図である。 第二実施形態による熱可塑性樹脂シートとその上下の強化繊維樹脂シートの積層体を金型内に載置した状態の断面図である。 図8に示す熱可塑性樹脂シートとその上下の強化繊維樹脂シートの層間が接合された風車翼のハーフ体の断面図である。 本発明の実施例と従来例の変位と剛性との関係を示す図である。 本発明の第三実施形態による熱可塑性樹脂成形体の製造方法、この製造方法を用いて製造した熱可塑性樹脂成形体を示す断面図である。 従来の風車翼を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施形態による熱可塑性樹脂成形体である巨大な風車翼とその製造方法について添付図面により説明する。
図1は本発明の第一実施形態による熱可塑性樹脂成形体である風車翼1の縦断面図である。図1に示す風車翼1では熱可塑性樹脂からなる外皮層2が例えば流線形状に形成されている。外皮層2を構成する三層は厚みの大きい熱可塑性樹脂層3と、その外面側と内面側とに積層された薄層の強化繊維外層4及び強化繊維内層5とが積層されて一体に形成されている。強化繊維外層4と強化繊維内層5とは、炭素繊維に熱可塑性樹脂を含浸させた薄層で構成されている。
しかも、図1に示す風車翼1は外皮層2である上側の断面略円弧状をなす背側ハーフ体1aと下側の断面略円弧状の腹側ハーフ体1bとの端面2a、2b同士を接合して形成されている。なお、本実施形態による風車翼1では背側ハーフ体1aと腹側ハーフ体1bの間にシェアウェブを設置しないが、風車翼1の補強のために両ハーフ体1a、1b間にシェアウェブ等を連結させてもよい。
次に、本実施形態による巨大な風車翼1の製造方法について図2〜図5により説明する。
図2に示す繊維複合体において、平面上に強化繊維外層4を形成する強化繊維樹脂シート12が複数積層して配列されており、単一の強化繊維樹脂シート12の幅は金型7の内面7aの例えば1/3の長さに対応している。強化繊維樹脂シート12は例えば織物状の炭素繊維に熱可塑性樹脂を含浸させたシート状のプリプレグである。
強化繊維樹脂シート12の上には熱可塑性樹脂層3を形成する熱可塑性樹脂シート11が必要な枚数だけ積層して載置されている。更に、熱可塑性樹脂シート11の上には強化繊維内層5を形成する強化繊維樹脂シート12が必要な枚数だけ積層して載置されている。これらは積層体Sを構成する。
図3(a)に示す金型7は例えば風車翼1の背側ハーフ体1aを形成する形状の内面7aを有している。そして、金型7内の内面7a近傍には、高温の蒸気と冷却水を選択的に通す温度調整パイプ8を備えた温度調整手段と、内面7aの強化繊維樹脂シート12を真空吸引するための吸引パイプ9を備えた吸引手段とが配設されている。なお、温度調整パイプ8と吸引パイプ9の各構成と配列は例示的なものであり、必要に応じて任意の構成の温度調整手段と吸引手段とを採用できる。
そして、図3(b)に示すように、金型7の内面7a上には熱可塑性樹脂シート11とその上下の強化繊維樹脂シート12からなる積層体Sが内面7aの形状に沿って湾曲した形状に載置されている。
ここで、風車翼1の製造方法の説明に先だって図4に示す各層の構成について説明する。
熱可塑性樹脂シート11は厚み0.1mm〜5.0mmの範囲とされている。熱可塑性樹脂シート11の厚みが0.1mm未満では熱可塑性樹脂層3の所要の厚みを得るのに多大な枚数が必要になり積層工程が長くなる欠点があり、5.0mmを超えるとシートに柔軟性がなくなり金型7の内面7aに沿った風車翼1の曲面形状を形成することが困難になる。なお、熱可塑性樹脂シート11の幅は任意であり、所定のシート幅(例えば10m)のものを順次配列及び積層することになる。
また、熱可塑性樹脂シート11は低温でシート間の接合が行われるように低温の熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。具体的には融点が約135℃程度の高密度ポリエチレン、融点が約150℃〜170℃程度のポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂等を用いる。高融点の熱可塑性樹脂を用いる場合には、表面には低融点の樹脂層を有する、いわゆる多層シートを用いることが好ましい。高融点の熱可塑性樹脂としてナイロン樹脂やポリエステル樹脂があり、表面の低融点の熱可塑性樹脂としてはアクリル樹脂、SEBS樹脂、EVA樹脂等のいわゆる接着性樹脂が好適である。
なお、複数積層する熱可塑性樹脂シート11は異なる種類のものを混ぜて積層してもよい。例えば外面側には耐候性や難燃性に優れた塩化ビニル樹脂やポリエチレン等のポリカーボネイト樹脂等のシートを用いるとよい。
さらには、落雷対策のため、最表面にアルミニウム等の金属シートをアクリル樹脂、SEBS樹脂、EVA樹脂等のいわゆる接着性樹脂シートとともに積層してもよい。
次に、熱可塑性樹脂シート11の積層体からなる熱可塑性樹脂層3だけで風車翼1を構成すると強度が十分でないため、その表裏両面に強化繊維外層4と強化繊維内層5を接合する。強化繊維外層4と強化繊維内層5は同一材質からなるものであり、強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸させたシート状の複数の強化繊維樹脂シート12で構成されている。ここで、強化繊維として、例えば炭素繊維、ガラス繊維、高強度有機繊維等を用いることができるが、中でも軽量で高剛性の炭素繊維が好ましい。
また、強化繊維は強度面から連続繊維であることが好ましく、強化繊維の配向は1方向にそろえてもよいし、互いに直交する縦横方向にそろえてもよい。或いは強化繊維を縦横方向に直交させて配列すると共に45°方向の配列も加える等することで疑似等方性に配列してもよい。強化繊維の配列は使用目的に応じて選定可能であるが、一般的には予め強化繊維を織物のように互いに交差させて配列したものを用いるとよい。
強化繊維をバインド(拘束)する熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂シート11と同様に低温で繊維間や層間の接合が可能な高密度ポリエチレンや、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。
また、熱可塑性樹脂シート11としてナイロンやポリエステル等の高融点の樹脂を用いる場合には、層間接合が低温で達成できるように上述した接着性の熱可塑性樹脂を用いることが望ましい。
なお、強化繊維樹脂シート12における強化繊維の含有率は、強化繊維樹脂シート12全体に対して20〜60体積%の範囲とする。含有率が20体積%未満では補強効果が小さく、60体積%を超えて含有させるのは一般に困難であり、ボイド等が発生してかえって強度低下を招く恐れがある。
また、強化繊維樹脂シート12の厚みは特に制限はないが、厚すぎると金型7の内面7aに沿って積層させることが困難であるため、0.05mm〜1.00mmの範囲が好適である。強化繊維樹脂シート12の幅は通常300mm〜1000mmで製造される。
熱可塑性樹脂シート11の積層数と強化繊維樹脂シート12の積層数、そして両者の積層比率は製造すべき熱可塑性樹脂成形体の厚みや要求強度によって異なる。本実施形態では、例えば巨大な熱可塑性樹脂成形体である風車翼1の製造を目的としているので、熱可塑性樹脂シート11と強化繊維樹脂シート12の各積層数は少なくとも10枚以上、1000枚までの範囲に設定される。積層数が1000枚を超えると金型7内での加熱が困難であり、好ましくない。
また、風車翼1の外皮層2において、熱可塑性樹脂シート11と強化繊維樹脂シート12の配列に制限はなく、例えば複数の熱可塑性樹脂シート11の間に強化繊維樹脂シート12を分けて交互に配列してもよい。或いは複数の熱可塑性樹脂シート11の中間に強化繊維樹脂シート12をまとめて配列させてもよい。
しかしながら、本実施形態における風車翼1の外皮層2は、熱可塑性樹脂層3として多数の熱可塑性樹脂シート11を積層させ、その表裏面側に強化繊維外層4と強化繊維内層5として強化繊維樹脂シート12をそれぞれ集中的に積層して構成すると風車翼1の剛性と強度を発揮しやすいので好ましい。
次に本実施形態による風車翼1の製造方法について図2〜図6に基づいて説明する。
本実施形態における熱可塑性樹脂シート11は例えば幅10m程度であり、強化繊維樹脂シート12は通常幅1m以下であるため、金型7の内面7aに積層する際、強化繊維樹脂シート12間に隙間を生じ易い。そのため、平面上において、予め複数の強化繊維樹脂シート12を金型7の内面7aの寸法に合わせて隙間なく並べ、その上に広幅の熱可塑性樹脂シート11を載置して融着させておく。
そして、平面上で、複数の強化繊維樹脂シート12の上に熱可塑性樹脂シート11を必要な枚数だけ積層し、更にその上に複数の強化繊維樹脂シート12を積層して積層体Sを構成する。しかも積層された各所要枚数のシート11、12が相互にずれないようにレーザー光等で部分的に溶着させておくことが好ましい。
次に、図3(a)に示す金型7の内面7a上に、これら積層された多数枚のシート11,12からなる積層体Sをクレーン等で持ち上げて金型7の内面7aに沿ってしわがよらないように湾曲させて載置する。なお、積層体Sの枚数が大きい場合には複数回に分けて積層してもよい。
また、図3(b)に示す積層体Sの熱可塑性樹脂シート11や強化繊維樹脂シート12の各間や底部に残存する空気を排除するために積層体Sの端面や底面から吸引パイプ9等で真空引きしてもよい。更に、積層体Sの上側からロールで押圧することでシート11,12間の空気を抜くようにしてもよい。こうして、積層体Sをなす各複数枚の熱可塑性樹脂シート11や強化繊維樹脂シート12は図4に示すように互いに密着された状態で積層される。
そして、図3(b)において、金型7の温度調整パイプ8に高温の蒸気を流すことで内面7aを通して積層体Sの下側から熱を加える。金型7の加熱温度は積層体Sに用いる熱可塑性樹脂の種類によって異なり、熱可塑性樹脂を溶融できる温度に制御する。例えば、熱可塑性樹脂として高密度ポリエチレンを用いた場合には150℃〜180℃の範囲に金型7の温度を制御することが好ましい。
また、積層体Sの加熱に際し、金型7の内面7a側だけでなく積層体Sの上側にシート状のヒータを配設して上側からも加熱することが加熱溶融を促進する上で好ましい。なお、積層体Sを加熱しながら端面から吸引パイプ9でシート間の空気を抜くようにしてもよい。
積層体Sの加熱によって、図3(c)及び図5に示すように、強化繊維外層4及び強化繊維内層5では、各強化繊維樹脂シート12に含浸された熱可塑性樹脂が溶融して炭素繊維を含んで互いに密着させる。また、熱可塑性樹脂層3では多数枚の熱可塑性樹脂シート11が互いに溶融して一体化され、しかも熱可塑性樹脂シート11と強化繊維樹脂シート12との間でも熱可塑性樹脂が互いに溶融して一体化される。
強化繊維外層4と熱可塑性樹脂層3と強化繊維内層5との間の各シート11、12の接合を確実にするには、積層体Sの加熱時間は20分から60分が必要である。20分以下では積層体Sの中央部に加熱不足による未接合部分が生じ易い。一方、60分を超えて加熱すると、酸化によって熱可塑性樹脂が劣化するおそれがある。
積層体Sの層間の接合が一体化すると、強化繊維外層4と熱可塑性樹脂層3と強化繊維内層5とが一体になった外皮層2のハーフ体1aが形成される。この状態で金型7の内面7aからはみ出す部分を切除することで図3(c)に示すようにハーフ体1aの端面は金型7の上面と同一面上に位置する。
積層体Sの層間接合の完了後、金型の温度調整パイプ8内に冷却水を通す等して金型7を冷却して積層体Sを冷却する。冷却に際して、金型7の上部からも送風等によって冷却することが好ましい。採用する熱可塑性樹脂の種類にもよるが、例えば高密度ポリエチレンを用いた場合には、積層体Sの温度が70℃程度にまで下がれば金型7から取り外すことができる。なお、ポリオレフィン樹脂を用いた場合には金型7への密着性が低いため、取り外しはクレーン等を用いて容易に行うことができる。
こうして金型7によってそれぞれ製造した風車翼1の背側ハーフ体1aと腹側ハーフ体1bは炭素繊維強化プラスチック(CFRP)である。これら背側ハーフ体1aと腹側ハーフ体1bを接合して風車翼1を製造する際、背側ハーフ体1aと腹側ハーフ体1bは熱可塑性樹脂であるため接着剤による接合ができない。
そのため、図6に示すように、これら背側ハーフ体1aと腹側ハーフ体1bとの端面2a、2b同士を、接合用の例えば鉄製金網14を介して突き合わせて外部からのマイクロ波や電流等によって加熱接合し、端面2a、2bの熱可塑性樹脂を再溶融させて接合して一体化させる。こうして熱可塑性樹脂と炭素繊維を用いて、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の風車翼1を製造することができる。
上述したように本実施形態による風車翼1の製造方法によれば、金型7内に積層された熱可塑性樹脂層3をなす複数枚の熱可塑性樹脂シート11と強化繊維外層4及び内層5をなす複数枚の強化繊維樹脂シート12とを加熱して各シート同士を相互に熱溶着し一体化して冷却することで、熱可塑性樹脂成形体からなる風車翼1を従来の熱硬化性樹脂成形体よりも短い製造サイクルで製造することができる。
そして、本実施形態による熱可塑性樹脂成形体からなる風車翼1は、従来のガラス繊維とエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂からなる熱硬化性樹脂成形体(GFRP)と比較して、軽量化できる上に厚みを増大可能で、剛性はほぼ等価であり、しかも炭素繊維はガラス繊維より高価であるが製造工程を短くできるので風車翼1等の大型樹脂成形体を製造する際の製造コストをほぼ同等に抑制できる。
また、熱可塑性樹脂成形体の風車翼1を廃棄する際には粉砕して押出成形が可能であるため他の樹脂製品にリサイクルすることができ、この点はリサイクルが困難な従来の熱硬化性樹脂成形体と比較して資源の無駄を省いて経済的に再利用できる。
なお、本発明は上述した第一実施形態による風車翼1とその製造方法に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や置換等が可能であり、これらはいずれも本発明に含まれる。以下に本発明の他の実施形態や変形例について説明するが、上述した実施形態の部品や部材と同一または同様なものには同一の符号を用いて説明を省略する。
次に本発明の第二実施形態による熱可塑性樹脂成形体としての風車翼1の製造方法について図7から図9に基づいて説明する。
図7において、平面上に強化繊維樹脂シート12が複数積層して配列されており、強化繊維樹脂シート12の上には熱可塑性樹脂シート11が必要な枚数だけ積層して載置されている。更に、熱可塑性樹脂シート11の上には強化繊維樹脂シート12が必要な枚数だけ積層して載置されている。しかも、強化繊維内層5を形成する強化繊維樹脂シート12は、風車翼1のハーフ体1aの強度が比較的小さい中央部分で強化繊維外層4を形成する強化繊維樹脂シート12よりも積層枚数が多く設定されている。
次に、これらの積層体Sをクレーン等で吊り上げて、図8に示すように金型7の内面7a上に載置させる。そして、内面7aと積層体Sとの間には加熱成形後の剥離が容易なように例えばテフロン(登録商標)製の剥離シートが設置されていてもよい。
この状態で、金型7内の温度調整パイプ8に高温の蒸気を循環させて金型温度を上昇させて積層体Sの下面から加熱を行う。また、積層体Sの端面や底面には吸引パイプ9の開口を配設して真空吸引を行うことで各シート11、12間の空気を抜いて加熱効率を上げる。その際、積層された熱可塑性樹脂シート11及び強化繊維樹脂シート12の端面から空気を吸引パイプ9で吸引できるように積層体Sの上面にシート16を被せて内部を真空に近い状態に保持できるようにしている。
そして、加熱によってシート11,12間の接合が十分に行われてそれぞれ一体化され、しかも熱可塑性樹脂層3とその上下の強化繊維外層4及び内層5が互いに接合される。
こうして、積層体Sの各シート11,12間の接合が十分なされた後、温度調整パイプ8内に冷却水を流して金型7を冷却して得られた風車翼1の背側ハーフ体1aを金型7から取り外す。得られた背側ハーフ体1aは、図9に示すように、強化繊維内層5の中央部の厚みが両端部より肉厚に形成され、強度を高めている。そして、背側ハーフ体1aと腹側ハーフ体1bの両端を切り落として端面2a、2b同士を互いに溶融して接合することで風車翼1が得られる。
上述したように、本第二実施形態による風車翼1は互いに接合させた背側ハーフ体1aと腹側ハーフ体1bの接合部から離間する中央部を強化繊維樹脂シート12で肉厚に設定したことで風車翼1の強度を高めることができるという利点がある。
なお、上述した第一実施形態による熱可塑性樹脂成形体である風車翼1の背側ハーフ体1aは熱可塑性樹脂層3の表裏面に強化繊維外層4と強化繊維内層5を一体形成したが、表裏面のいずれか一方にのみ強化繊維外層4または強化繊維内層5を接合する構成を採用してもよい。この場合、風車翼1の外表面の強度を向上させるために強化繊維外層4を形成することが好ましい。
また、上述した各実施形態において、金型7上に載置された積層体Sを加熱して接合する際、温度調整パイプ8内に高温の蒸気を流通させて加熱する手段に代えて、金型7を設置した室内全体の雰囲気温度を高温に設定させることで積層体Sを溶融して接合するようにしてもよい。
また、第二実施形態において、強化繊維内層5の中央部の厚みを両端部より大きくする構成に代えて、熱可塑性樹脂層3を形成する熱可塑性樹脂シート11の中央部の厚みを両端部より大きく設定してもよい。
次に本発明の第一実施形態による炭素繊維と熱可塑性樹脂からなる風車翼1を実施例とし、従来のガラス繊維と熱硬化性樹脂からなる風車翼を従来例として、これらの製造方法と得られた成形体である風車翼1の特性について試験した。なお、実施例と従来例による風車翼1の体積は同一とした。
実施例では、第一実施形態に示すように、風車翼1の背側ハーフ体1aと腹側ハーフ体1bについて、炭素繊維に熱可塑性樹脂として高密度ポリエチレン樹脂を含浸させた強化繊維樹脂シート12からなる強化繊維外層4と強化繊維内層5の間に、高密度ポリエチレン樹脂からなる熱可塑性樹脂層3を溶融させて一体化させた炭素繊維複合体(CFRP)の風車翼1を製造した。
一方、従来例では、風車翼全体に、ガラス繊維に熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を含浸させてガラス繊維複合体(GFRP)の風車翼を製造した。
これら実施例と従来例について、各繊維量の体積%と重量と厚みを比較すると、従来例を100とすると下記表1に示すようになった。
また、実施例と従来例による幅方向の変位位置(mm)と剛性(荷重:N)との関係をグラフで示すと図10に示すようになった。表1と図10から実施例の炭素繊維の繊維量が従来例のほぼ1/3でも物性はほぼ等価であり、実施例の厚みを増大できて重量を軽減できた。
更に実施例と従来例の製造方法において、使用後の金型7の冷却時間は、実施例では80℃程度でよいため20分であった。なお、さらに続けて成形を行う場合、熱可塑性樹脂を用いている実施例では、80℃程度の金型に直接シートを積層しても問題はない。一方、従来例ではエポキシ樹脂が熱硬化性樹脂であるため、次の成形時にエポキシ樹脂の粘度が上昇しないように、各成形毎に金型を常温まで冷却したため冷却時間は60分かかった。
また、各樹脂や織布(繊維)の金型7への設置時間は、従来例では90分であったが、実施例ではクレーンで積層体Sを載置できるため30分であった。また、従来例では金型7への熱硬化性樹脂の注入に30分かかったが、実施例はシート状であるため樹脂注入を必要としない。更に加熱硬化と冷却に要する時間は実施例では50分であったが、従来例では120分かかった。
そしてトータルの製造時間は実施例で100分、従来例で300分となり、従来例の1/3の時間で製造できた。そのため、炭素繊維はガラス繊維と比較して高価であるが、製造工程の時間が短いので同程度のコストで製造できた。
上述したように、本発明の熱可塑性樹脂成形体の製造方法によれば、風車翼1に限らず、金型形状に沿った二次元または三次元の大型建造物の製造が可能になる。この建造物は熱可塑性樹脂であるため、接合面を溶融することで建造物どうしを融着して、さらに大型化することや、少なくとも片面に熱可塑性の補強リブを融着することで強度向上させることも可能である。また、熱可塑性樹脂でない補強リブの場合には熱可塑樹脂との間に接着性樹脂材を介して融着による接合が可能である。
また、上述した各実施形態において、風車翼1における強化繊維外層4及び強化繊維内層5の強化繊維樹脂シート12として、炭素繊維に熱可塑性樹脂を含浸させたものを用いたが、炭素繊維に代えてガラス繊維や高強度有機繊維等を用いてもよい。
また、本発明による熱可塑性樹脂成形体は必ずしも強化繊維樹脂シート12の強化繊維外層4及び強化繊維内層5を用いなくてもよく、熱可塑性樹脂シート11を複数積層して溶融させて一体化した熱可塑性樹脂層3だけで構成してもよい。
なお、風車翼1における強化繊維外層4と強化繊維内層5は強化繊維樹脂層に含まれる。
なお、本発明の各実施形態では製造できる熱可塑性樹脂成形体として、風力発電に用いる風車翼1の製造方法と風車翼1について説明したが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、例えば幅10m以上となるような各種の大型熱可塑性樹脂成形体に適用できる。具体的には巨大な風車翼1のほかに土木建築用の床板、屋根材、船舶や航空機やトレーラー等の車両に用いるボディ等の大型の建造物等にも適用できる。
また、本発明は、風車翼を実施形態として、断面略円弧状の金型を用いて説明を行ったが、これに代えて断面が略円状の金型を用いて、積層する熱可塑性シートを環状に積層しても構わない。この場合の製造される大型熱可塑樹脂成形体は、大型パイプ、例えば天然ガス等のパイプライン等に適用可能である。
次に、本発明の第三実施形態による熱可塑性樹脂成形体の製造方法及びこの製造方法を用いて形成した熱可塑性樹脂成形体について図11に基づいて説明する。
本第三実施形態による熱可塑性樹脂成形体の製造方法は、図11に示すように、複数の熱可塑性樹脂シート11と強化繊維樹脂シート12を載置して積層体Sを構成する工程と、この積層体Sを加熱して相互に溶融して一体化させる工程と、積層体Sを一対の金型17、18で圧縮することで、溶融した熱可塑性樹脂を流動させ、成形体(熱可塑性樹脂成形体)20の一部を他の領域より肉厚に形成する工程と、冷却後に一体化した成形体20を金型17、18から取り出す工程を備えている。
そして、本第三実施形態では、一方の金型17の型面(内面)17aが凹凸状に形成されており、一対の金型17、18で、加熱して溶融した積層体Sを圧縮すると、一方の金型17の凸部17bによって積層体Sの一部が強く押圧(圧縮)され、この部分の溶融した熱可塑性樹脂が凹部17c側(凹部17c内)に流動する。
したがって、本第三実施形態による熱可塑性樹脂成形体の製造方法(及び熱可塑性樹脂成形体20)においては、第一実施形態、第二実施形態と同様の作用効果に加え、積層体Sが繊維を含まない熱可塑性樹脂シート層3を備えて形成されているため、積層体Sを加熱して相互に溶融して一体化させるとともに、この積層体Sを所望の凹凸形状(や傾斜形状、曲面形状等)を型面17aに備えた金型17、18で圧縮することにより、溶融した熱可塑性樹脂を流動させ、型面17aの形状に応じて一部を他の領域より肉厚にすることが可能になる。
これにより、部分的に肉厚の異なる成形体20を比較的低い圧力の圧縮成形によって成形することができ、図11に示したスキン−リブ構造体のような複雑な形状の成形体を容易に製造することが可能になる。
特に風車のように巨大な構造物を圧縮成形する際には、低い圧力で成形できる本発明の製造方法は極めて有益である。
次に、本発明に係る第三実施形態による熱可塑樹脂成形体20の製造方法及び熱可塑性樹脂成形体20の実施例について説明する。
(熱可塑性樹脂シートの成形)
本実施例では、熱可塑性樹脂シートとして次のように製造したポリプロピレン樹脂シートを用いた。
ポリプロピレン樹脂(EA9:日本ポリプロピレン株式会社製品)を単軸押し出し機にて溶融混練した後、幅400mmのT型ダイを通して押し出した。その後、一対の冷却ロールで冷却と引取りを行い、厚み0.3mm、幅350mmで成形した。
(含浸用熱可塑性樹脂シートの成形)
含浸用の熱可塑性樹脂シートとしては次のように製造したポリプロピレン樹脂シートを用いた。
ポリプロピレン樹脂(MA04A:日本ポリプロピレン株式会社製品)を単軸押し出し機にて溶融混練した後、幅400mmのT型ダイを通して押し出した。その後、一対の冷却ロールで冷却と引取りを行い、厚み0.15mm、幅350mmで成形した。
(強化繊維樹脂シート:ガラス繊維樹脂シート)
次に、積層体の一面側に配設する強化繊維樹脂シートとしてTEPEX(104RG601:ボンドラミネート社製品)を用いた。この強化繊維樹脂シートはガラス繊維の平織物にポリプロピレン樹脂を含浸したもので、厚みが0.55mmである。
(強化繊維樹脂シート:炭素繊維樹脂シート)
次に、積層体の他面側に配設する強化繊維樹脂シートとしては次のように製造した炭素繊維樹脂シートを用いた。
炭素繊維トウ(TC35、24K:台湾プラスチック製品)を上記した含浸用熱可塑性樹脂シートの上に、繊維方向を一方向に方向を揃えてトウ中心間の距離が14mmとなるように整列させた。その後、200℃に加熱された350mm角の加熱プレス(東洋精機株式会社製品)を用いて、溶融した熱可塑性樹脂を炭素繊維トウに含浸させた。このとき、圧力を1MPa、加圧時間を1分間として熱可塑性樹脂を炭素繊維トウに含浸させた。その後、材料を冷却することにより、300mm角、厚さ0.2mmの炭素繊維樹脂シートを得た。
(積層体の一体化工程)
そして、上記した材料を、幅100mm、長さ200mmのサイズに切断した後、炭素繊維樹脂シートを6枚、熱可塑性樹脂シートを20枚、ガラス繊維樹脂シートを5枚の順に積層し、積層体を形成した。
また、積層体の上に厚み10mmの鉄板を載せ、全体に多少の圧力をかけた状態で積層体を熱風オーブン中で加熱した。このとき、オーブン温度を200℃、加熱時間を30分間とした。これにより、積層体はポリプロピレンの溶融温度である170℃以上の温度の加熱され、層間が融着して一体化することが確認された。
(積層体を一対の金型で圧縮し、部分的に厚みの異なる熱可塑樹脂成形体を得る工程)
次に、加熱溶融して一体化した積層体を金型内に入れ、上下一対の金型で型締めした。一方の金型(下方の金型)は型面が平面状で形成されているのに対し、他方の金型は型面が所定の幅寸法で形成され、規則的に交互に並設された複数の凸部と凹部を備えて形成されている。
また、本実施例では、ガラス繊維樹脂シートが一方の金型の平面上の型面側に配されるようにして積層体を金型内に入れた。
この金型を350mm角の加熱プレス(東洋精機株式会社製品)で圧縮した。この圧縮工程では、金型を非加熱とし、一対の金型に出力200kgfの荷重を印加した。これにより、金型内の積層体にかかる圧力はおよそ1kg/cmと計算された。
10分間この加圧状態を保持して積層体を加圧しながら冷却し、その後、金型から部分的に厚みの異なるように成形された熱可塑性樹脂成形体を取り出す。
このように製造した成形体はいわゆるスキンーリブ構造を有しており、スキン部の厚みはおよそ4mm、リブ部の高さは15mmであった。
以上、本発明に係る第三実施形態の熱可塑樹脂成形体の製造方法及び熱可塑性樹脂成形体について説明したが、本発明は上記の第三実施形態に限定されるものではなく、第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態の変更例を含め、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更可能である。
また、第一実施形態、第二実施形態の構成を適宜適用したり、組み合わせるようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、一方の金型17の型面17aが凹凸形状で形成され、他方の金型18の型面18aが平面状に形成されているものとしたが、他方の金型18の型面18aも凹凸形状にし、強化繊維外層4によって形成される一面側と、強化繊維内層5によって形成される他面側の両面側を凹凸形状にして、熱可塑樹脂成形体20を製造するようにしてもよい。また、本発明に係る凹凸形状は傾斜形状や曲面形状等であってもよい。
1 風車翼
1a 背側ハーフ体
1b 腹側ハーフ体
3 熱可塑性樹脂層
4 強化繊維外層
5 強化繊維内層
7 金型
8 温度調整パイプ
9 吸引パイプ
11 熱可塑性樹脂シート
12 強化繊維樹脂シート
17 一方の金型
17a 型面(内面)
17c 凸部
17c 凹部
18 他方の金型
18a 型面(内面)
20 熱可塑性樹脂成形体
S 積層体

Claims (8)

  1. 複数の熱可塑性樹脂シートと複数の強化繊維樹脂シートを載置して積層体を構成する工程と、
    積層体を加熱して複数の熱可塑性樹脂シートと複数の強化繊維樹脂シートを相互に溶融して一体化させる工程と、
    少なくとも一方の金型が凹凸形状を備える一対の金型で積層体を圧縮することで、溶融した熱可塑性樹脂を流動させ、成形体の一部を他の領域より肉厚に形成する工程と、
    冷却後に一体化したスキンーリブ構造の成形体を金型から取り出す工程と、を備えたことを特徴とする熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂シートは、ポリオレフィン樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  3. 前記強化繊維樹脂シートは、ポリオレフィン樹脂を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  4. 前記強化繊維樹脂シートは、炭素繊維を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  5. 前記強化繊維樹脂シートは、繊維織物を含む樹脂シートを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  6. 前記強化繊維樹脂シートは、1方向性連続炭素繊維からなる樹脂シートを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  7. 前記強化繊維樹脂シートは、繊維織物を含む樹脂シート及び1方向性連続炭素繊維からなる樹脂シートを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  8. 前記スキンーリブ構造のリブ部は等間隔で配置されていることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
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