JP6405258B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ベルト式の無段変速機の制御装置に関する。
従来、変速比を制御する制御装置を備えたベルト式の無段変速機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の無段変速機では、固定プーリの背面と固定プーリの背面側に配置されるパーキングギヤとの間に当接部を設け、当接部に弾性体を設けることにより、無端部材のエレメントと固定プーリとの衝突による振動を抑制し、騒音を低減させている。
特開2010−242863号公報
特許文献1の無段変速機では、減衰構造が弾性体を含むため、走行距離の増加に伴い弾性体がプーリとの接触で摩耗していき、弾性体の減衰効果が減少したり、弾性体とオイルとの化学反応により、弾性体の減衰力が低減するという問題がある。
本発明は、以上の点に鑑み、振動減衰用の弾性体を用いることなく、エレメントとプーリとの接触による騒音を低減できる無段変速機の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、
駆動源からの駆動力が伝達されるプーリ軸と、
前記プーリ軸と平行に配置された出力軸と、
前記プーリ軸に対して軸方向に移動可能な可動ドライブ半体と前記プーリ軸に固定された固定ドライブ半体とで構成されるドライブプーリと、
前記出力軸に対して軸方向に移動可能な可動ドリブン半体と前記出力軸に固定された固定ドリブン半体とで構成されるドリブンプーリと、
前記ドライブプーリ及び前記ドリブンプーリと接触する複数のエレメントと、前記複数のエレメントを保持するリングとを有する無端部材とを備え、
前記無端部材が前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリとの間に巻き掛けられた無段変速機、
に用いられる制御装置であって、
前記固定ドライブ半体又は前記固定ドリブン半体と前記エレメントとが接触するときに発生する前記固定ドライブ半体又は前記固定ドリブン半体の振動数を接触周波数と定義して、
前記無端部材の回転速度に基づいて前記接触周波数を算出する接触周波数算出部と、
前記固定ドライブ半体及び前記プーリ軸、又は前記固定ドリブン半体及び前記出力軸の固有振動数を求める固有振動数要求部と、
前記接触周波数が前記固有振動数と一致して共振するプーリ共振領域であるかを判定する共振領域判定部と、
前記共振領域判定部が共振領域にいると判断したときには、前記固有振動数の振幅が最大となる前記ドライブプーリ又は前記ドリブンプーリの径方向位置に前記無端部材が接触するように前記無端部材の巻付き半径を制御する巻付き半径制御部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、接触周波数が固定ドライブ半体及び前記プーリ軸又は前記固定ドリブン半体及び前記出力軸の固有振動数と一致して共振するプーリ共振領域である場合には、固有振動数の振幅が最大となる固定ドライブ半体又は固定ドリブン半体の径方向位置に無端部材のエレメントが接触するように無端部材の巻付き半径を制御する。これにより、本発明によれば、無段変速機の振動を抑制して、騒音を低減させることができる。
また、本発明は、従来品のように無端部材とプーリとの間で弾性体によって構成された当接部を当接させることにより当接部で共振に起因する騒音を抑制するものでない。従って、本発明の制御装置によれば、従来品のような経年変化による騒音抑制機能の低下を防止できる。更に、当接部を備えないので無段変速機のイナーシャ低減による応答性向上、無段変速機の大型化及び重量増加を抑制できる。従って、燃費向上や車両搭載性向上に寄与する。
また、本発明においては、無段変速機は車両に搭載されるものであり、駆動源は内燃機関であり、無段変速機には、内燃機関とプーリ軸との間の動力伝達経路に位置させて、駆動力を伝達させる伝達状態と、この伝達を断つ解放状態とに状態を切換自在な係合機構が設けられ、車両には、車両の走行速度が所定値未満のときに内燃機関を停止する走行中内燃機関停止機構が設けられ、制御装置は、走行中内燃機関停止機構の作動により、内燃機関を停止させながら車両が走行する状態であるか否かを検出する走行中内燃機関作動検出部と、車両が内燃機関を停止させながら走行する状態であるときに係合機構を解放する係合機構解放部と、を備え、巻付き半径制御部によって巻付き半径を制御するときには、係合機構解放部で係合機構を解放させるように構成することができる。
かかる構成によれば、走行中の内燃機関の停止(所謂走行中アイドリングストップ状態)のときに、制御装置は、共振領域における、固定ドリブン半体及び出力軸、または固定ドライブ半体及びプーリ軸の固有振動数の振幅が最大となる位置に無端部材を当接させる制御を実行する。内燃機関が停止しているときには、内燃機関とドライブプーリとの間の動力伝達が係合機構によって断たれている。
従って、内燃機関の回転数が大きく変化するときに発生する運転者への違和感などの影響を考慮することなく無段変速機の変速比を制御することができ、本発明の制御装置における無端部材の巻付き半径の制御の自由度を大きくすることができる。
本発明の無段変速機の制御装置の実施形態を示す説明図。 本実施形態の無端部材の一部を示す斜視図。 図3Aは無端部材を構成するエレメントの厚さを示す模式図。図3Bは無端部材のエレメントがドリブンプーリに接触するときの振動の周波数を模式的に示す説明図。図3Cは無端部材が1回転する間に発生する接触時の振動の数を模式的に示す説明図。図3Dは固定ドリブン半体及び出力軸の固有振動数と無端部材のエレメントが固定ドリブン半体と接触するときに発生する振動数とが重なるときに共振が生じて、騒音が大きくなる状態を模式的に示す説明図。 本実施形態の無段変速機のエレメントが接触して振動が生じる状態を示す説明図。 本実施形態の制御装置の処理を示すフローチャート。 本実施形態の固定ドリブン半体が振動する状態及び振幅が最大となる部分を示す説明図。 図7Aは本実施形態の車速の低下に対する内燃機関の回転数を示すグラフ。図7Bは、無端部材の回転速度の変化に対する変速比の変化を示すグラフ。
図面を参照して、本発明の無段変速機の制御装置の実施形態について詳細に説明する。本実施形態の無段変速機(Continuously Variable Transmission)は、ベルト式無段変速機であり、且つFF型自動車に横置きで搭載されるものである。なお、本発明の制御装置が適用される無段変速機は、FF型自動車に搭載されるものに限定されるものではなく、他の車両に用いても本発明の効果を得ることができる。例えば、本発明の制御装置は、FR型自動車、ミッドシップ型自動車、自動二輪車にも適用することができる。
図1に示すように、本実施形態の無段変速機1が搭載される自動車は、走行用の駆動源としての内燃機関2(エンジン)と、トルクコンバータ3と、デファレンシャルギヤ4と、左右の駆動輪5とを備えている。
内燃機関2は吸気路に配置されたスロットルバルブ(図示省略)を備える。スロットルバルブ(図示省略)は、アクセルペダル6と機械的に接続されておらず電動モータなどのアクチュエータを備えるドライブバイワイヤ機構(図示省略)を介して電気信号によりアクセルペダル6と接続され、アクセルペダル6の操作に応じて開閉される。
内燃機関2に吸い込まれる空気は、スロットルバルブ(図示省略)で流入量を調整されてインテークマニホールドを通ってインジェクタ(図示省略)から噴射された燃料と混合し、混合気となる。シリンダの吸気バルブが開かれると、混合気はシリンダに流入する。シリンダ内の混合気は点火プラグで点火されて燃焼し、ピストンを押圧する。押圧されたピストンはクランクシャフト2aを回転させ、燃焼した混合気は排気ガスとなって内燃機関2から排出される。
内燃機関2のクランクシャフト2aから出力された駆動力は、無段変速機1を介してデファレンシャルギヤ4に伝達され、左右の駆動輪5に分配される。
トルクコンバータ3は、内燃機関2のクランクシャフト2aに連結されたポンプインペラ3aと、タービンランナ3bと、ステータ3cとを備え、流体(オイル)を介して動力伝達を行う。また、トルクコンバータ3はロックアップクラッチ3dを備え、ロックアップクラッチ3dを係合させることにより、流体(オイル)を介さずにクランクシャフト2aの駆動力をタービンランナ3bに直接伝達することもできる。
無段変速機1は、入力軸9と、遊星歯車機構からなる前後進切換機構10と、ドライブプーリ11と、ドリブンプーリ12と、ドライブプーリ11とドリブンプーリ12に巻き付けられる金属ベルトからなる無端部材13と、入力軸9に対して平行に配置された出力軸14とを備える。
入力軸9は、タービンランナ3bと連結され、トルクコンバータ3を介してクランクシャフト2aから出力される内燃機関2の駆動力が伝達される。ドライブプーリ11は入力軸9に相対回転自在に軸支されている。前後進切換機構10は、トルクコンバータ3との間にドライブプーリ11を挟むように配置されている。
前後進切換機構10は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構で構成され、サンギヤ15と、リングギヤ16と、キャリア17と、第1ピニオン18と、第2ピニオン19と、前進用クラッチ20と、後進用ブレーキ21とを備える。
サンギヤ15は、トルクコンバータ3側からドライブプーリ11を通って反対側に突出した入力軸9の突出部分に固定されている。リングギヤ16には後進用ブレーキ21が設けられ、後進用ブレーキ21を締結させることにより、リングギヤ16を変速機ケース22に固定することができる。第1ピニオン18と第2ピニオン19は互いに噛合しており、第1ピニオン18はサンギヤ15と噛合し、第2ピニオン19はリングギヤ16と噛合している。
キャリア17は、第1ピニオン18及び第2ピニオン19を自転及び公転自在に軸支している。換言すれば、第1ピニオン18及び第2ピニオン19はキャリア17で回転自在に支えられ、且つキャリア17は、第1ピニオン18及び第2ピニオン19と一緒にサンギヤ15及びリングギヤ16に対して相対回転自在に設けられている。
前進用クラッチ20は、入力軸9とキャリア17とに接続され、前進用クラッチ20を締結させることにより、サンギヤ15とキャリア17とが一体的に回転するように構成されている。キャリア17はドライブプーリ11に接続されている。
前進用クラッチ20及び後進用ブレーキ21は、何れも油圧によって摩擦係合される油圧式摩擦係合機構である。前進用クラッチ20が締結されて後進用ブレーキ21が解放されることにより、入力軸9の回転がキャリア17を介してそのままドライブプーリ11に伝達され、ドライブプーリ11は自動車が前進する方向に回転する。
後進用ブレーキ21が締結され、前進用クラッチ20が解放されると、リングギヤ16が変速機ケース22に固定され、キャリア17がサンギヤ15とは反対の方向に回転する。これにより、ドライブプーリ11が自動車が後進する方向に回転する。また、前進用クラッチ20及び後進用ブレーキ21を共に解放すると、前後進切換機構10は、ドライブプーリ11と入力軸9との間の動力伝達を断つことができる。
無段変速機1は、ドライブプーリ11とドリブンプーリ12と無端部材13との間の摩擦力を介して動力伝達が行われる。ドライブプーリ11は、キャリア17と連結されるプーリ軸23と、プーリ軸23に固定される固定ドライブ半体24と、プーリ軸23と一体的に回転し且つプーリ軸23の軸線方向に移動可能な可動ドライブ半体25とを備える。
可動ドライブ半体25は、油圧室25aに油圧が供給されることにより固定ドライブ半体24に接近させることができ、油圧室25aから油を排出することで固定ドライブ半体24から離隔させることができる。これにより、固定ドライブ半体24と可動ドライブ半体25との対向面で形成される、ドライブプーリ11のV字形状のプーリ溝11aの幅を調節することができる。
ドリブンプーリ12は、出力軸14に固定される固定ドリブン半体26と、出力軸14と一体的に回転し且つ出力軸14の軸線方向に移動可能な可動ドリブン半体27とを備える。可動ドリブン半体27は、油圧室27aに油圧が供給されることにより固定ドリブン半体26に接近させることができ、油圧室27aから油を排出することで固定ドリブン半体26から離隔させることができる。これにより、固定ドリブン半体26と可動ドリブン半体27との対向面で形成される、ドリブンプーリ12のV字形状のプーリ溝12aの幅を調節することができる。
図2に示すように、金属ベルトからなる無端部材13は、一対の凹部28aを有する板状のエレメント28と、複数の金属リング29とで構成される。金属リング29は、マルエージング鋼の薄板の端部同士を溶接して筒状にし、容体化処理を施して所定の幅に裁断した後、所定の周長に圧延し、再び容体化処理を施したものである。
各金属リング29は、周長を少しずつ異ならせて積層されている。金属リング29は断面視で中央部が外方に凸となる円弧形状を備えている。これにより、金属リング29を積層する際に円弧形状によって金属リング29が互いに係合して積層状態を容易に保持することができる。板状のエレメント28は、板厚方向に複数積層されて環状体を構成し、一対の凹部28aに金属リング29の積層体を挿入して、金属ベルトとしての無端部材13が完成する。なお、金属リング29は必ずしも複数積層する必要はなく、十分な強度が得られるのであれば、金属リング29を積層することなく1枚にしてもよい。
無段変速機1は、油圧による推力によってドライブプーリ11及びドリブンプーリ12のプーリ溝11a,12aの幅が変化して、無端部材13の巻付き半径が変化し、これにより、変速比(入力軸9(又はプーリ軸23)の回転数/出力軸14の回転数)が連続的に変化する。
出力軸14は軸受によって変速機ケース22に回転自在に支持されている。図1を参照して、出力軸14には出力ギヤ30が設けられ、出力軸14と出力ギヤ30とが一体的に回転する。
出力ギヤ30には、第1中間ギヤ31が噛合する。第1中間ギヤ31は、出力軸14と平行に配置された中間軸32に固定されている。また、中間軸32には、第2中間ギヤ33が固定されている。第2中間ギヤ33には、デファレンシャルギヤ4に設けられた外歯4aが噛合する。
また、無段変速機1は、CPU、メモリ等により構成された電子ユニットからなる制御装置34を備える。制御装置34は、運転者のアクセルペダル6の操作量信号、車両の走行速度信号などの所定の車両情報の信号を受信し、受信した信号に基づき、メモリに保持された無段変速機1の制御用プログラムをCPUで実行することにより、ドライブプーリ11、ドリブンプーリ12、前進用クラッチ20及び後進用ブレーキ21の作動を制御する。
制御装置34は、接触周波数算出部と、固有振動数要求部と、共振領域判定部と、巻付き半径制御部とを備える。接触周波数算出部は、無端部材13の回転速度に基づいて接触周波数を算出する。接触周波数は、固定ドリブン半体26とエレメント28とが接触するときに発生する固定ドリブン半体の振動数と定義する。
固有振動数供給部は、予め実験により求められメモリなどの記憶装置に記憶された固定ドリブン半体26及び出力軸14の固有振動数を読み込む処理を行う。共振領域判定部は、接触周波数が固定ドリブン半体26及び出力軸14の固有振動数と一致して共振する領域(プーリ共振領域)であるかを判定する。
ところで、金属ベルトからなる無端部材13は、複数のエレメント28を周方向に配置して構成されるため、エレメント28がドライブプーリ11及びドリブンプーリ12に次々と噛み込まれて、ドライブプーリ11及びドリブンプーリ12が振動する。このエレメント28の噛み込みによって発生するドライブプーリ11及びドリブンプーリ12の振動の周波数特性は、エレメント28がドライブプーリ11及びドリブンプーリ12に噛み込まれる周期(噛み込み周波数)に依存する。
図3Aに示すように無端部材13の周方向に配列されたm個(図3では簡略化して8個で示されている。)のエレメント28の板厚t(無端部材13の周方向の厚さ)が均一に設定されている場合には、無端部材13の1回転当たりの、エレメント28の噛み込みによって発生する衝突の周波数(噛み込み周波数)は、図3B及び図3Cに示すようにエレメント28の板厚tに依存した規則的な波形になる。
そして、噛み込み周波数は、無端部材13の回転速度によって変化する。噛み込み周波数によって発生するドライブプーリ11及びドリブンプーリ12の振動の周波数特性は、図3Dに示すように、無端部材13の1周当たりの振動数がmである周波数が無端部材13の回転速度の変化によって変化し、ドライブプーリ11やドリブンプーリ12の固有振動数と一致するときに、共振によって振幅のピーク値が大幅に増加することになり、無段変速機1の騒音が大きくなる。
特に、振動のピーク値が固定ドライブ半体24及びプーリ軸23や固定ドリブン半体26及び出力軸14の固有振動数と一致した場合には、共振により騒音が更に大きくなる。これは、可動ドライブ半体25や可動ドリブン半体27には、油圧室25a,27aが設けられており、油圧室25a,27a内のオイルによって振動が減衰させられるからと考えられる。
また、図4に示すように、エレメント28は、ドライブプーリ11及びドリブンプーリ12とに夫々衝突して振動を発生させるが、このときの振動は径方向外方に位置する側(図4では、右側)に位置するエレメント28の方が発生する騒音が大きくなることが実験(振動固有値解析シミュレーション)の結果分かった。
また、車両が低速で走行しているときの方が、高速で走行しているときと比較して、運転者が受ける不快感が増加する傾向にあることも実験の結果分かった。
これらの実験結果に基づき、本実施形態の無段変速機の制御装置34では、図5のフローチャートに示す処理を実行する巻付き半径制御部によって無段変速機1を制御している。具体的には、まず、STEP1で車両が走行中であり、且つアイドルストップ状態(走行中アイドルストップ状態)であるかを確認する。走行中アイドルストップ状態である場合には、STEP2に進み、金属ベルトからなる無端部材13の回転速度が、共振が発生する領域(プーリ共振領域)であるかを確認する。
無端部材13の回転速度が共振領域である場合には、STEP3に進み、無端部材13の巻付き半径が、共振の腹の位置であるかを確認する。
ここで、「共振の腹」とは、図6に示すように、固定ドリブン半体26の振幅の変化(固定ドリブン半体26の回転中心軸線方向への変化量)が最大となる固定ドリブン半体26の部分と定義する。なお、図6では、固定ドリブン半体26の振動を分かり易くするために振幅の変化を大きく表現している。
図5を参照して、無端部材13の巻付き半径が共振の腹の位置である場合には、STEP4に進み、制御装置34は、メモリに記憶された通常の変速比制御マップを用いて変速比を制御して、今回の処理を終了する。制御装置34は、図5のフローチャートの処理を所定の周期(例えば、10ms)で実行する。
STEP1で走行中アイドルストップ状態でない場合には、STEP4に進み、制御装置は、通常の変速比制御マップを用いて変速比を制御させて、今回の処理を終了する。STEP2で無端部材13の回転速度が共振領域でない場合には、STEP4に進み、制御装置は、通常の変速比制御マップを用いて変速比を制御させて、今回の処理を終了する。
STEP3で無端部材13の巻付き半径が共振の腹の位置でない場合には、STEP5に進み、無端部材13が共振の腹の位置で固定ドリブン半体26に当接するように変速比を制御させて、今回の処理を終了する。STEP5で変速比を制御するときには、油圧源として、例えば、出力軸側に設けられたオイルポンプや、電動オイルポンプ、アキュムレータなどを用いてもよい。
図7は、本実施形態の無段変速機1の制御装置34の作動を示すタイミングチャートである。図7Aの実線は内燃機関2のクランクシャフト2aの回転速度Ne(rpm)であり、図7Aの一点鎖線は、車両の走行速度(車速(km/h))である。図7Bの実線は、変速比(レシオ。入力軸9の回転速度/出力軸14の回転速度。)を示し、図7Bの一点鎖線は、金属ベルトからなる無端部材13の回転速度(ベルト周速(m/s))を示している。
なお、本実施形態では、無端部材13の回転速度は、ドライブプーリ11とドリブンプーリ12との回転速度に無端部材13のピッチ半径を掛けて求めている。具体的には、無端部材13の回転速度は無端部材13の進行方向のエレメント28に形成されるロッキングエッジ部28b(図2及び図3A参照)の速度と定義されるものであり、Rpdrをドライブプーリ11での無端部材13のピッチラインの半径、ωdrをドライブプーリ11の回転角速度、Rpdnをドリブンプーリ12での無端部材13のピッチラインの半径、ωdnをドリブンプーリ12の回転角速度として、以下の式(1)から無端部材13の回転速度Vb(周速)を求めることができる。
Vb=Rpdr×ωdr=Rpdn×ωdn ・・・(1)。
但し、無端部材13の回転速度の検出方法はこれに限らない。例えば、無端部材13の回転速度を直接的に検出させてもよい。
図7Bに示す斜線の領域は、固定ドリブン半体26との間で共振が発生する無端部材13の回転速度の領域(共振領域)を示すものである。本実施形態の制御装置34は、走行中アイドリングストップ状態においては、できるだけ無端部材13の回転速度が共振領域に入らないように無段変速機1の変速比が常時制御される。
そして、制御装置34は、無端部材13の回転速度を共振領域に入れる必要があるときのみ図5の処理を実行する。図7Aの車両の走行速度の変化からも明らかなうように、本実施形態においては、車両が緩やかな減速状態にあるときに、走行中アイドリングストップを実行し、図5の処理を実行している。なお、共振領域はできるだけ早期に抜け出せるように無段変速機1の変速比は制御装置34によって制御される。
本実施形態の無段変速機1の制御装置34によれば、接触周波数(固定ドリブン半体26とエレメント28とが接触するときに発生する固定ドリブン半体の振動数)が、固定ドリブン半体26の固有振動数と一致して共振するプーリ共振領域(図7Bの斜線領域)である場合には、固有振動数の振幅が最大となる固定ドリブン半体26の径方向位置に無端部材13のエレメント28が接触するように変速比を制御して無端部材13の巻付け半径を制御する。これにより、無段変速機1の振動を抑制して、無段変速機1の騒音を低減させることができる。
また、本実施形態の無段変速機1は、従来品のように無端部材とプーリとの間で弾性体によって構成された当接部を当接させることにより当接部で共振に起因する騒音を抑制するものでない。従って、本実施形態の無段変速機1によれば、従来品のような経年変化による騒音抑制機能の低下を防止できる。更に、当接部を備えないので無段変速機1のイナーシャ低減による応答性向上、無段変速機1の大型化及び重量増加を抑制できる。従って、燃費向上や車両搭載性向上に寄与する。
また、本実施形態においては、無段変速機1は車両に搭載されるものであり、駆動源は内燃機関2であり、無段変速機1には、内燃機関2とプーリ軸23との間の動力伝達経路に位置させて、駆動力を伝達させる伝達状態と、この伝達を断つ解放状態とに状態を切換自在な係合機構(前進用クラッチ20及び後進用ブレーキ21)が設けられている。
本実施形態においては、前進用クラッチ20及び後進用ブレーキ21を共に解放状態とすることにより、内燃機関2とプーリ軸23との間の動力伝達を断つことができる。本実施形態の車両には、車両の走行速度が所定値未満のときに内燃機関を停止する走行中内燃機関停止機構が設けられている。
制御装置34は、走行中内燃機関停止機構の作動により、内燃機関を停止させながら車両が走行する状態であるか否かを検出する走行中内燃機関作動検出部と、車両が内燃機関を停止させながら走行する状態であるときに係合機構を解放する係合機構解放部と、を備えている。
制御装置34が、巻付き半径制御部によって図5のフローチャートに従い、巻付き半径を制御するときには、制御装置34は、係合機構解放部で係合機構(前進用クラッチ20及び後進用ブレーキ21)を解放させる。
このように構成することにより、走行中の内燃機関の停止(所謂走行中アイドリングストップ状態)のときに、制御装置34は、共振領域(図7Bの斜線領域)における、固定ドリブン半体26及び出力軸14の固有振動数の振幅が最大となる位置に無端部材13を当接させる制御を実行する。そして、内燃機関2が停止しているときには、内燃機関2とドライブプーリ11との間の動力伝達が係合機構(前進用クラッチ20及び後進用ブレーキ21)によって断たれている。
従って、内燃機関2の回転数が大きく変化するときに発生する運転者への違和感などの影響を考慮することなく無段変速機1の変速比(ドライブプーリ11の回転速度/ドリブンプーリ12の回転速度)を制御することができ、本実施形態の制御装置34における無端部材13の巻付き半径の制御の自由度を大きくすることができる。
1 無段変速機
2 内燃機関(走行用の駆動源)
2a クランクシャフト
3 トルクコンバータ
3a ポンプインペラ
3b タービンランナ
3c ステータ
3d ロックアップクラッチ
4 デファレンシャルギヤ
4a 外歯
5 駆動輪
6 アクセルペダル
9 入力軸
10 前後進切換機構
11 ドライブプーリ
11a プーリ溝
12 ドリブンプーリ
12a プーリ溝
13 無端部材
14 出力軸
15 サンギヤ
16 リングギヤ
17 キャリア
18 第1ピニオン
19 第2ピニオン
20 前進用クラッチ
21 後進用ブレーキ
22 変速機ケース
23 プーリ軸
24 固定ドライブ半体
25 可動ドライブ半体
25a 油圧室
26 固定ドリブン半体
27 可動ドリブン半体
27a 油圧室
28 エレメント
28a 凹部
28b ロッキングエッジ部
29 金属リング
30 出力ギヤ
31 第1中間ギヤ
32 中間軸
33 第2中間ギヤ
34 制御装置

Claims (2)

  1. 駆動源からの駆動力が伝達されるプーリ軸と、
    前記プーリ軸と平行に配置された出力軸と、
    前記プーリ軸に対して軸方向に移動可能な可動ドライブ半体と前記プーリ軸に固定された固定ドライブ半体とで構成されるドライブプーリと、
    前記出力軸に対して軸方向に移動可能な可動ドリブン半体と前記出力軸に固定された固定ドリブン半体とで構成されるドリブンプーリと、
    前記ドライブプーリ及び前記ドリブンプーリと接触する複数のエレメントと、前記複数のエレメントを保持するリングとを有する無端部材とを備え、
    前記無端部材が前記ドライブプーリと前記ドリブンプーリとの間に巻き掛けられた無段変速機、
    に用いられる制御装置であって、
    前記固定ドライブ半体又は前記固定ドリブン半体と前記エレメントとが接触するときに発生する前記固定ドライブ半体又は前記固定ドリブン半体の振動数を接触周波数と定義して、
    前記無端部材の回転速度に基づいて前記接触周波数を算出する接触周波数算出部と、
    前記固定ドライブ半体及び前記プーリ軸又は前記固定ドリブン半体及び前記出力軸の固有振動数を求める固有振動数要求部と、
    前記接触周波数が前記固有振動数と一致して共振するプーリ共振領域であるかを判定する共振領域判定部と、
    前記共振領域判定部が共振領域にいると判断したときには、前記固有振動数の振幅が最大となる前記ドライブプーリ又は前記ドリブンプーリの径方向位置に前記無端部材が接触するように前記無端部材の巻付き半径を制御する巻付き半径制御部とを備えることを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 請求項1に記載の無段変速機の制御装置であって、
    前記無段変速機は車両に搭載されるものであり、
    前記駆動源は内燃機関であり、
    前記無段変速機には、前記内燃機関と前記プーリ軸との間の動力伝達経路に位置させて、駆動力を伝達させる伝達状態と、この伝達を断つ解放状態とに状態を切換自在な係合機構が設けられ、
    前記車両には、前記車両の走行速度が所定値未満のときに前記内燃機関を停止する走行中内燃機関停止機構が設けられ、
    前記制御装置は、
    前記走行中内燃機関停止機構の作動により、前記内燃機関を停止させながら前記車両が走行する状態であるか否かを検出する走行中内燃機関作動検出部と、
    前記車両が前記内燃機関を停止させながら走行する状態であるときに前記係合機構を解放する係合機構解放部と、
    を備え、
    前記巻付き半径制御部によって前記巻付き半径を制御するときには、前記係合機構解放部で前記係合機構を解放させることを特徴とする無段変速機の制御装置。
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