JP5969403B2 - 内燃機関の始動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、クランク軸に可変慣性フライホイールが設けられた内燃機関の始動制御装置に関する。
内部に設けられた収容室内に磁性流体が収容され、その磁性流体を通る磁束を制御して磁性流体のうち固体化する部分の割合を変化させることにより慣性モーメントを変化させることが可能なフライホイールが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の装置では、フライホイールの慣性モーメントを変化させることによってそのフライホイールが取り付けられている回転軸の固有振動数を変え、これにより共振を回避する。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2、3が存在する。
特開2010−025187号公報 特開2001−343047号公報 特開昭61−124743号公報
内燃機関では、始動時に気筒内に閉じ込められた気体が圧縮されたり膨張したりすることによりクランク軸にトルク脈動が生じる。特許文献1には、このような内燃機関の始動時に発生するトルク脈動を抑制する制御方法について開示されていない。
そこで、本発明は、始動時のクランク軸のトルク脈動を抑制することが可能な内燃機関の始動制御装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の始動制御装置は、内部の収容室に磁性流体が収容され、磁場発生手段で発生させた磁場を前記磁性流体に作用させることにより慣性モーメントを変化させることが可能な可変慣性フライホイールがクランク軸に設けられ、かつ3つ以下の気筒を有する内燃機関に適用され、前記クランク軸を電動機で駆動して前記内燃機関を始動する始動制御装置において、前記内燃機関の始動時における前記可変慣性フライホイールの慣性モーメントの目標値を設定する目標値設定手段と、前記内燃機関の始動時に、前記可変慣性フライホイールの慣性モーメントが前記目標値になるように前記磁場発生手段を制御する制御手段と、を備え、前記目標値設定手段は、前記クランク軸の回転数に基づいて基本目標値を算出し、前記内燃機関のいずれかの気筒が膨張行程の期間には前記基本目標値に所定の増加補正値を加えた値を前記目標値に設定し、それ以外の期間には前記基本目標値を前記目標値に設定し、かつ前記クランク軸の回転数が前記内燃機関の固有振動数より大きい場合の前記基本目標値を、前記クランク軸の回転数が前記内燃機関の固有振動数以下の場合の前記基本目標値より小さくする(請求項1)。
本発明の始動制御装置では、内燃機関のいずれかの気筒が膨張行程の期間に可変慣性フライホイールの慣性モーメントを大きくする。そのため、膨張行程時にクランク軸に生じるトルク脈動を抑えることができる。そのため、始動時のクランク軸のトルク脈動を抑制することができる。従って、始動時の内燃機関の振動を抑制することができる。また、このようにいずれかの気筒が膨張行程の期間のみ慣性モーメントを大きくすることにより、トルク脈動を抑制するために可変慣性フライホイールで消費されるエネルギを低減できる。
また、本発明の第1の始動制御装置は、クランク軸の回転数が内燃機関の固有振動数より大きい場合の基本目標値を、クランク軸の回転数が内燃機関の固有振動数以下の場合の基本目標値より小さくするものである。周知のようにクランク軸の回転数が低いときはトルク脈動が大きくなり、クランク軸の回転変動が大きくなる。本発明の第1の始動制御装置によれば、クランク軸の回転数が内燃機関の固有振動数以下のときには基本目標値を大きくするので、可変慣性フライホイールの慣性モーメントが大きくなる。そのため、クランク軸の回転変動を抑制できる。一方、クランク軸の回転数が内燃機関の固有振動数より大きいときには、基本目標値を小さくして可変慣性フライホイールの慣性モーメントを小さくするので、クランク軸の回転数を速やかに高くすることができる。そのため、内燃機関を迅速に始動することができる。従って、内燃機関の始動性を向上させることができる。
本発明の第2の始動制御装置は、内部の収容室に磁性流体が収容され、磁場発生手段で発生させた磁場を前記磁性流体に作用させることにより慣性モーメントを変化させることが可能な可変慣性フライホイールがクランク軸に設けられ、かつ3つ以下の気筒を有する内燃機関に適用され、前記クランク軸を電動機で駆動して前記内燃機関を始動する始動制御装置において、前記内燃機関の始動時における前記可変慣性フライホイールの慣性モーメントの目標値を設定する目標値設定手段と、前記内燃機関の始動時に、前記可変慣性フライホイールの慣性モーメントが前記目標値になるように前記磁場発生手段を制御する制御手段と、を備え、前記目標値設定手段は、前記クランク軸の回転数に基づいて基本目標値を算出し、前記内燃機関のいずれかの気筒が膨張行程の期間には前記基本目標値に所定の増加補正値を加えた値を前記目標値に設定し、それ以外の期間には前記基本目標値を前記目標値に設定し、前記クランク軸の回転数が0の場合には前記基本目標値に予め設定した初期値を設定し、かつ前記クランク軸の回転数が大きくなるほど前記基本目標値を前記初期値から小さくする(請求項)。第2の始動制御装置によれば、始動時の内燃機関の振動を抑制できるとともに可変慣性フライホイールで消費されるエネルギを低減できる。また、初期値を適切に設定することにより、クランク軸の回転数が低いときには基本目標値に大きい値を設定できる。そのため、クランク軸の回転数が低いときの回転変動を抑制できる。そして、クランク軸の回転数が大きくなるほど基本目標値を小さくするので、クランク軸の回転数を速やかに高くできる。そのため、内燃機関を迅速に始動できる。従って、内燃機関の始動性を向上させることができる。
本発明の第1又は第2の始動制御装置の一形態において、前記目標値設定手段は、前記内燃機関の吸気圧及び前記クランク軸の回転数に基づいて、前記基本目標値を設定してもよい(請求項)。周知のように吸気圧が低くなるほど吸気行程時に気筒に吸入される気体の量が減少する。そして、トルク脈動はこの気体の量が多いほど大きくなる。この形態では、吸気圧に基づいて基本目標値を設定するので、トルク脈動の大きさに応じた基本目標値を適切に設定できる。そのため、トルク脈動を適切に抑制することができる。
本発明の第1又は第2の始動制御装置の一形態において、前記目標値設定手段は、前記内燃機関の吸気圧に基づいて前記増加補正値を設定してもよい(請求項)。また、この形態において、前記目標値設定手段は、前記内燃機関の吸気圧が低くなるほど前記増加補正値を小さくしてもよい(請求項)。上述したように吸気圧が低くなるほどトルク脈動は小さくなる。そのため、このように増加補正値を設定することにより、膨張行程時に気筒からクランク軸に付与されるトルクに応じた基本目標値を適切に設定できる。そのため、トルク脈動を適切に抑制することができる。
以上に説明したように、本発明の始動制御装置によれば、内燃機関のいずれかの気筒が膨張行程の期間に可変慣性フライホイールの慣性モーメントを大きくするので、膨張行程時にクランク軸に生じるトルク脈動を抑えることができる。そのため、始動時のクランク軸のトルク脈動を抑制することができる。
本発明の一形態に係る始動制御装置が適用されたハイブリッド車両の駆動装置の要部を示す図。 可変慣性フライホイールの断面を拡大して示す図。 車両制御装置が実行するフライホイール制御ルーチンを示すフローチャート。 クランク軸の回転数と、吸気圧と、基本目標値との関係を示す図。 吸気圧と補正値との関係を示す図。 内燃機関の始動時における、クランク軸の回転数、第1モータ・ジェネレータのトルク、クランク角、吸気圧、クランク軸のトルク、及び可変慣性フライホイールの慣性モーメントの時間変化の一例を示す図。
以下、本発明をハイブリッド車両の駆動装置に適用した一形態を説明する。図1に示したように、ハイブリッド車両1の駆動装置10は、内燃機関(以下、エンジンと称することがある。)11と、第1モータ・ジェネレータ(以下、第1MGと略称することがある。)12と、第2モータ・ジェネレータ(以下、第2MGと略称することがある。)13とを備えている。エンジン11は、直列3気筒の内燃機関として構成されている。このエンジン11は、車両に搭載される周知のものであるため、詳細な説明を省略する。第1MG12及び第2MG13は、電動機及び発電機として機能する周知のモータ・ジェネレータである。
エンジン11のクランク軸11aは、ダンパ装置14を介して動力分割機構15と接続されている。また、第1MG12のロータ軸12aも動力分割機構15と接続されている。動力分割機構15は、シングルピニオン型の遊星歯車機構として構成されている。動力分割機構15は、外歯歯車であるサンギヤS1と、そのサンギヤS1に対して同軸的に配置された内歯歯車としてのリングギヤR1と、これらのギヤS1、R1に噛み合うピニオンギヤP1を自転可能かつサンギヤS1の周囲を公転可能に保持するキャリアC1とを備えている。サンギヤS1は、第1MG12のロータ軸12aと一体回転するように連結されている。キャリアC1は、エンジン11のクランク軸11aと連結されている。リングギヤR1は、出力ギヤ16と一体回転するように連結されている。出力ギヤ16は、デファレンシャル機構17のケースに設けられたリングギヤ17aと噛み合っている。デファレンシャル機構17は、リングギヤ17aに伝達された動力を左右の駆動輪2に分配する周知の機構である。
第2MG13のロータ軸13aは、減速機構18を介して出力ギヤ16と接続されている。減速機構18は、シングルピニオン型の遊星歯車機構として構成されている。減速機構18は、外歯歯車であるサンギヤS2と、そのサンギヤS2に対して同軸的に配置された内歯歯車としてのリングギヤR2と、これらのギヤS2、R2に噛み合うピニオンギヤP2を自転可能かつサンギヤS2の周囲を公転可能に保持するキャリアC2とを備えている。サンギヤS2は、第2MG13のロータ軸13aと一体回転するように連結されている。キャリアC2は、駆動装置10のケース10aに回転不能に固定されている。リングギヤR2は、出力ギヤ16と一体回転するように連結されている。
エンジン11のクランク軸11aには、慣性モーメントを変化させることが可能な可変慣性フライホイール(以下、フライホイールと略称することがある。)20が設けられている。図2は、フライホイール20の断面を拡大して示している。フライホイール20は、クランク軸11aと一体に回転するようにクランク軸11aに取り付けられた環状の回転体21と、その回転体21の外周に隙間を空けて対向配置された環状の固定体22とを備えている。固定体22は、ケース10aに回転不能に固定されている。固定体22は、環状のヨーク23と、そのヨーク23内に設けられた環状のコイル24とを備えている。コイル24は、電流が流れることでヨーク23に磁場(磁界)を発生させる。
回転体21は、磁性材料製の磁性体25を備えている。この磁性体25は環状に形成され、クランク軸11aに取り付けられている。磁性体25の内部には、環状の収容室26が形成されている。この収容室26は、磁性体25に外周面から径方向内側に凹む環状の溝部を設け、その溝部の出口部分を非磁性材料製の中間部材27で塞ぐことにより形成される。収容室26内には、磁性流体28が収容されている。
このフライホイール20では、コイル24に電流が流れていない場合にはヨーク23に磁場が発生しない。そのため、磁性流体28に磁場が作用せず、磁性流体28は全て液体になっている。一方、コイル24に電流を流すとヨーク23に磁場が発生する。この場合、図2に示すように磁場の磁束aは、ヨーク23から磁性体25及び磁性流体28を経由してヨーク23に戻るように流れる。これにより磁性流体28に磁場が作用し、磁性流体28の少なくとも一部が固体化する。この固体化した部分は、磁性体25との摩擦により磁性体25と一体に回転する。そのため、回転体21の慣性モーメントが、磁性流体28のうち固体化した分増加する。磁性流体28のうち固体化する部分の割合は、コイル24に流す電流を増大させるほど増加する。そのため、コイル24に流す電流の大きさを変化させることにより、フライホイール20の慣性モーメントを変化させることができる。このフライホイール20では、コイル24に電流が流されていない場合に慣性モーメントが最小値になる。そして、磁性流体28の全てが固体化する大きさの電流がコイル24に流された場合に慣性モーメントが最大値になる。
フライホイール20は車両制御装置30にて制御される。また、エンジン11、第1MG12、及び第2MG13の動作も車両制御装置30にて制御される。車両制御装置30は、マイクロプロセッサ及びその動作に必要なRAM、ROM等の周辺機器を含んだコンピュータユニットとして構成されている。車両制御装置30は、車両1を適切に走行させるための各種制御プログラムを保持している。車両制御装置30は、これらのプログラムを実行することによりエンジン11及び各MG12、13等の制御対象に対する制御を行っている。車両制御装置30には、車両1に係る情報を取得するための種々のセンサが接続されている。車両制御装置30には、例えばクランク角センサ31及び吸気圧センサ32が接続されている。クランク角センサ31は、クランク軸11aの角度(クランク角)に対応した信号を出力する。吸気圧センサ32は、エンジン11のインテークマニホールドの圧力(吸気圧)に対応した信号を出力する。この他にも車両制御装置30には種々のセンサやスイッチ等が接続されているが、それらの図示は省略した。
車両制御装置30は、エンジン11が停止しているときに所定の始動条件が成立した場合には第1MG12でクランク軸11aを駆動し、これによりエンジン11を始動する。なお、所定の始動条件は、例えばイグニッションスイッチのオン操作などエンジン11の始動を要求する操作が行われた場合に成立したと判定される。また、第2MG13からの出力のみで車両1を走行させるEV走行モードのときに、車両1への要求駆動力が所定の判定値以上になった場合に所定の始動条件が成立したと判定される。エンジン11の始動時には、各気筒からクランク軸11aにトルクが付与される。例えば、圧縮行程の気筒からは、気筒内の気体を圧縮するために要するトルクが付与される。また、膨張行程の気筒からは、気筒内の気体が膨張する際に発生したトルクが付与される。これらのトルクにより、クランク軸11aのトルクが脈動する。
車両制御装置30は、このエンジン11の始動時にクランク軸11aに発生するトルク脈動が抑制されるようにフライホイール20を制御する。図3は、車両制御装置30がこのようにフライホイール20を制御するために実行するフライホイール制御ルーチンを示している。この制御ルーチンは、エンジン11の運転中か停止中かに拘わりなく所定の周期で繰り返し実行されている。
この制御ルーチンにおいて車両制御装置30は、まずステップS11で上述した始動条件が成立したか、又は現在エンジン11の始動中か否か判定する。始動条件が不成立、かつ現在エンジン11の始動中ではないと判定した場合には、今回の制御ルーチンを終了する。
一方、始動条件が成立したと判定した場合又は現在エンジン11の始動中であると判定した場合はステップS12に進み、車両制御装置30はエンジン11の運転状態を取得する。エンジン11の運転状態としては、例えばクランク角、エンジン11の吸気圧、及びクランク軸11aの回転数等が取得される。なお、クランク軸11aの回転数は、クランク角センサ31の出力信号に基づいて周知の方法で取得すればよい。
次のステップS13において、車両制御装置30はフライホイール20の慣性モーメントの目標値を設定する。この際、車両制御装置30は、まず基本目標値を算出し、その後基本目標値に補正値を加えて目標値を算出する。基本目標値は、クランク軸11aの回転数及びエンジン11の吸気圧に基づいて算出される。図4は、クランク軸11aの回転数と、吸気圧と、基本目標値との関係を示している。なお、この図中の「NF」は、エンジン11の固有振動数を示している。この図に示すように、基本目標値には、クランク軸11aの回転数が高くなるほど、また吸気圧が低くなるほど小さい値が設定される。基本目標値は、この図を参照して算出すればよい。なお、クランク軸11aの回転数が0の場合には、予め設定した所定の初期値が基本目標値に設定される。この初期値には、フライホイール20にて変更可能な慣性モーメントの最小値より大きく、かつ最大値より小さい適宜の値が設定される。また、クランク軸11aの回転数がエンジン11の固有振動数より大きくなった場合には、予め設定した所定の最終値が基本目標値に設定される。この最終値には、初期値より小さい値が設定され、例えばフライホイール20にて変更可能な慣性モーメントの最小値が設定される。なお、図4に示した関係は、予め実験や数値計算等により求めて車両制御装置30のROMにマップとして記憶させておけばよい。
次に車両制御装置30は補正値を算出する。この際、車両制御装置30は、まずクランク角に基づいて現在エンジン11のいずれかの気筒が膨張行程か否か判定する。現在いずれの気筒も膨張行程ではないと判定した場合には、補正値に0を設定する。一方、現在いずれかの気筒が膨張行程であると判定した場合には、吸気圧に基づいて補正値を設定する。図5は、吸気圧と補正値との関係を示している。この図に示したように、吸気圧が低いほど補正値には小さい値が設定される。なお、この図に示した関係は、予め実験や数値計算等により求めて車両制御装置30のROMにマップとして記憶させておけばよい。補正値は、吸気圧とこのマップに基づいて算出すればよい。補正値の算出後は、上述したように基本目標値に補正値を加えて目標値を算出する。
次のステップS14において車両制御装置30は、フライホイール20の慣性モーメントが設定した目標値になるようにコイル24に流す電流の大きさを制御する。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
図6は、エンジン11の始動時における、クランク軸11aの回転数、第1MG12のトルク、クランク角、吸気圧、クランク軸11aのトルク、及びフライホイール20の慣性モーメントの時間変化の一例を示している。なお、クランク軸11aのトルクは、エンジン11の運転時にクランク軸11aが回転する方向を正転方向とし、クランク軸11aをその正転方向に回そうとするトルクを正トルク、クランク軸11aを正転方向とは反対の逆転方向に回そうとするトルクを負トルクとした。この図に示したようにフライホイール20の慣性モーメントは、エンジン11の始動が開始された時刻t1に初期値に制御される。初期値には、この初期値に補正値が加えられても目標値がフライホイール20の慣性モーメントの最大値を超えない値が設定される。この図に示した例では、初期値にフライホイール20にて変更可能な慣性モーメントの最大値と最小値のほぼ中間の値が設定されている。そして、クランク軸11aの回転数が固有振動数に到達した時刻t2において慣性モーメントは最終値に制御されている。この図の例では、最終値にフライホイール20にて変更可能な慣性モーメントの最小値が設定されている。そして、その間の期間はクランク軸11aの回転数が大きくなるほど慣性モーメントが漸次小さくなるようにフライホイール20が制御されている。このように本発明では、エンジン11の回転数が0の場合には基本目標値に初期値が設定され、エンジン11の回転数が大きくなるほど基本目標値を初期値から小さくする。また、これにより、クランク軸11aの回転数がエンジン11の固有振動数より大きい場合の基本目標値が、クランク軸11aの回転数がエンジン11の固有振動数以下の場合の基本目標値より小さくなる。そして、3つの気筒のうちのいずれかの気筒が膨張行程のときには基本目標値に補正値が加えられるので、それらの期間ではフライホイール20の慣性モーメントが一時的に増加している。そして、このようにフライホイール20の慣性モーメントを増加補正することにより、クランク軸11aのトルク脈動のうちプラス側に突出するトルクを抑制できる。
以上に説明したように、本発明によれば、エンジン11の気筒のうちいずれかの気筒が膨張行程の期間にフライホイール20の慣性モーメントを一時的に増加させるので、クランク軸11aのトルク脈動のうちプラス側に突出するトルクを抑制することができる。そのため、エンジン11の振動を抑制することができる。また、互いに噛み合っているギヤの歯同士が振動で衝突して発生する音、いわゆる歯打ち音を低減できる。さらに、このようにいずれかの気筒が膨張行程の期間のみ慣性モーメントを増加させることにより、フライホイール20で消費される電力を低減できる。
周知のように一般的な3気筒の内燃機関では、各気筒のピストンがクランク軸に120°間隔で連結されている。この場合、いずれの気筒のピストンに対してもそのピストンと対称の位置で反対方向に動くピストンがない。そのため、4気筒の内燃機関と比較して膨張行程におけるトルク脈動が大きくなる。従って、このような3気筒の内燃機関に本発明を適用することにより、始動時の振動を適切に抑制できる。
本発明では、吸気圧が低いほど基本目標値の補正値に小さい値を設定する。周知のようにインテークマニホールドの圧力が低下するほど吸気行程時に気筒に吸入される気体の量が減少する。そして、膨張行程時に気筒からクランク軸11aに付与されるトルクは、この気体の量が多いほど大きくなる。本発明によれば、吸気圧が低くなるほど補正値を小さくするので、膨張行程時に気筒からクランク軸11aに付与されるトルクに応じた補正値を適切に設定できる。そのため、トルク脈動を適切に抑制することができる。
また、本発明では、クランク軸11aの回転数が0のときには基本目標値に初期値を設定し、クランク軸11aの回転数が大きくなるほど基本目標値を初期値から小さくする。周知のようにクランク軸11aの回転数が低いときはトルク脈動が大きくなり、クランク軸11aの回転変動が大きくなる。本発明によれば、このような時期に慣性モーメントを大きくするので、クランク軸11aの回転変動を抑制することができる。一方、クランク軸11aの回転数が大きくなった場合には慣性モーメントを小さくするので、クランク軸11aの回転数を速やかに高くすることができる。そのため、エンジン11を迅速に始動することができる。そして、これによりエンジン11の始動性を向上させることができる。
そして、本発明では、クランク軸11aの回転数がエンジン11の固有振動数より大きい場合の基本目標値を、クランク軸11aの回転数がエンジン11の固有振動数以下の場合の基本目標値より小さくする。この場合、クランク軸11aの回転数が小さい場合にはフライホイール20の慣性モーメントを大きくするので、クランク軸11aの回転変動を抑制できる。また、クランク軸11aの回転数が大きい場合にはフライホイール20の慣性モーメントを小さくするので、クランク軸11aの回転数を速やかに高くできる。そのため、エンジン11の始動性を向上させることができる。
さらに、本発明では、クランク軸11aの回転数が大きくなるほど、また吸気圧が低くなるほどフライホイール20の慣性モーメントを小さくする。上述したように、クランク軸11aの回転数が大きくなるほどクランク軸11aのトルク脈動が小さくなる。また、吸気圧が低くなるほどトルク脈動が小さくなる。そのため、このように慣性モーメントを小さくすることにより。トルク脈動を適切に抑制できる。また、フライホイール20で消費される電力をさらに低減できる。
なお、上述した形態では、初期値にフライホイール20にて変更可能な慣性モーメントの最大値と最小値のほぼ中間の値を設定したが、初期値はこの値に限定されない。初期値には、フライホイール20にて変更可能な慣性モーメントの最小値より大きく、かつ最大値より小さい値であり、かつ初期値に補正値が加えられても目標値がフライホイール20の慣性モーメントの最大値を超えない適宜の値を設定してよい。また、最終値もフライホイール20にて変更可能な慣性モーメントの最小値に限定されない。例えば、最小値よりも若干大きい値など、初期値より小さい適宜の値を設定してよい。
また、上述した形態では、クランク軸11aの回転数が大きくなるほど基本目標値を初期値から最終値に漸次小さくしたが、基本目標値の設定方法もこの方法に限定されない。クランク軸11aの回転数がエンジン11の固有振動数より大きい場合の基本目標値が、クランク軸11aの回転数がエンジン11の固有振動数以下の場合の基本目標値より小さくなるように基本目標値をクランク軸11aの回転数に応じて適宜に設定してよい。
上述した形態では、図3のステップS13を実行することにより、車両制御装置30が本発明の目標値設定手段として機能する。また、図3のステップS14を実行することにより、車両制御装置30が本発明の制御手段として機能する。そして、コイル24が本発明の磁場発生手段に相当し、第1MG12が本発明の電動機に相当する。
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本発明が適用される内燃機関は、3気筒の内燃機関に限定されない。2気筒の内燃機関又は単気筒の内燃機関に本発明を適用してもよい。これらの内燃機関でも膨張行程にトルク脈動が大きくなるので、本発明を適用することにより、始動時の振動を適切に抑制できる。
本発明が適用される内燃機関は、ハイブリッド車両に搭載される内燃機関に限定されない。走行用動力源として内燃機関のみが搭載される車両等の種々の車両の内燃機関に本発明を適用してよい。また、内燃機関の始動に用いる電動機は第1MGに限定されない。周知の始動モータで内燃機関を始動してもよい。
11 内燃機関
11a クランク軸
12 第1モータ・ジェネレータ(電動機)
20 可変慣性フライホイール
24 コイル(磁場発生手段)
26 収容室
28 磁性流体
30 車両制御装置(目標値設定手段、制御手段)

Claims (5)

  1. 内部の収容室に磁性流体が収容され、磁場発生手段で発生させた磁場を前記磁性流体に作用させることにより慣性モーメントを変化させることが可能な可変慣性フライホイールがクランク軸に設けられ、かつ3つ以下の気筒を有する内燃機関に適用され、
    前記クランク軸を電動機で駆動して前記内燃機関を始動する始動制御装置において、
    前記内燃機関の始動時における前記可変慣性フライホイールの慣性モーメントの目標値を設定する目標値設定手段と、
    前記内燃機関の始動時に、前記可変慣性フライホイールの慣性モーメントが前記目標値になるように前記磁場発生手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記目標値設定手段は、前記クランク軸の回転数に基づいて基本目標値を算出し、前記内燃機関のいずれかの気筒が膨張行程の期間には前記基本目標値に所定の増加補正値を加えた値を前記目標値に設定し、それ以外の期間には前記基本目標値を前記目標値に設定し、かつ前記クランク軸の回転数が前記内燃機関の固有振動数より大きい場合の前記基本目標値を、前記クランク軸の回転数が前記内燃機関の固有振動数以下の場合の前記基本目標値より小さくする始動制御装置。
  2. 内部の収容室に磁性流体が収容され、磁場発生手段で発生させた磁場を前記磁性流体に作用させることにより慣性モーメントを変化させることが可能な可変慣性フライホイールがクランク軸に設けられ、かつ3つ以下の気筒を有する内燃機関に適用され、
    前記クランク軸を電動機で駆動して前記内燃機関を始動する始動制御装置において、
    前記内燃機関の始動時における前記可変慣性フライホイールの慣性モーメントの目標値を設定する目標値設定手段と、
    前記内燃機関の始動時に、前記可変慣性フライホイールの慣性モーメントが前記目標値になるように前記磁場発生手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記目標値設定手段は、前記クランク軸の回転数に基づいて基本目標値を算出し、前記内燃機関のいずれかの気筒が膨張行程の期間には前記基本目標値に所定の増加補正値を加えた値を前記目標値に設定し、それ以外の期間には前記基本目標値を前記目標値に設定し、前記クランク軸の回転数が0の場合には前記基本目標値に予め設定した初期値を設定し、かつ前記クランク軸の回転数が大きくなるほど前記基本目標値を前記初期値から小さくする始動制御装置。
  3. 前記目標値設定手段は、前記内燃機関の吸気圧及び前記クランク軸の回転数に基づいて、前記基本目標値を設定する請求項1又は2に記載の始動制御装置。
  4. 前記目標値設定手段は、前記内燃機関の吸気圧に基づいて前記増加補正値を設定する請求項1〜のいずれか一項に記載の始動制御装置。
  5. 前記目標値設定手段は、前記内燃機関の吸気圧が低くなるほど前記増加補正値を小さくする請求項に記載に始動制御装置。
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