JP6822908B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関と回転電機とがダンパを介して回転動力を伝達可能に連結されている車両の制御装置に関する。
内燃機関と回転電機とを搭載するハイブリッド車両では、内燃機関と回転電機とをダンパを介して連結して駆動輪側に回転動力(トルク)を伝達する方式を採用する場合がある。この方式では、内燃機関を回転電機の回転動力により始動させる場合がある。また、この方式では、回転動力の伝達時のダンパの伸縮に伴ってダンパトルクが発生し、そのダンパトルクの変動により共振振動が発生して騒音の発生源となってしまう可能性がある。
このようなハイブリッド車両の制御装置においては、ダンパの共振振動を抑制する制振トルクを回転電機から負荷することにより、振動に起因する騒音を抑制することが特許文献1などに開示されている。
特開2013−107440号公報
しかしながら、この特許文献1に記載のようなハイブリッド車両の制御装置にあっては、回転電機の回転動力を始動トルクとして内燃機関に伝達する際、その始動開始前より回転電機の始動トルクおよび制振トルクがダンパのダンパトルクに重ねられるだけである。要するに、内燃機関の始動時には、燃焼開始する初回の爆発、所謂、初爆時点(初爆タイミング)から、その制振トルクの有無に関係なく、変動するダンパトルクに、内燃機関の爆発(燃焼)に伴う瞬間的な回転動力(回転トルク)が重ねられて伝達されることになる。
このことから、回転動力の伝達経路においては、その伝達経路を構成するギア列の噛み合い歯の歯面同士が初爆時点の伝達トルクの変動に応じて、その歯面同士が離隔した後に再度圧接する状態に復帰する状況が発生する場合がある。この場合には、そのギア列の噛み合い歯の歯面同士の突き当たる音、所謂、歯打ち音が発生してしまう。この歯打ち音は、異音として、車室内のドライバなどの乗員に不快感を与えてしまう場合がある。
そこで、本発明は、内燃機関の初回の爆発時点における歯打ち音の発生を抑制することのできる車両の制御装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決する車両の制御装置の発明の一態様は、内燃機関と、回転電機とがダンパを介して回転動力を伝達可能に連結されている車両の制御装置であって、前記内燃機関の始動時における当該内燃機関の初爆タイミングを、前記ダンパに発生するダンパトルクが予め設定されているトルク閾値以下のタイミングに設定する設定部と、前記設定部により設定された前記初爆タイミングで初爆が生じるように前記内燃機関を制御する制御部と、を備えている。
このように本発明の一態様によれば、内燃機関は、ダンパトルクがトルク閾値以下のタイミングに、初回の爆発(初爆)が行われて始動される。
このため、変動するダンパトルクがトルク閾値を超えているタイミングに内燃機関の初爆が行われることを回避することができ、そのダンパトルクに内燃機関の初爆による回転動力(回転トルク)が重なっても、回転動力の伝達経路におけるギア列の噛み合い歯の歯面同士が接離する挙動が発生することを制限することができる。
したがって、内燃機関の始動時の初爆時点にギア列の噛み合い歯の歯面同士が突き当たって発生する歯打ち音を抑制することのできる車両の制御装置を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る制御装置を搭載する車両の一例を示す図であり、その概略構成を示す概念図である。 図2Aは、その制御処理の適用時(歯打ち音対策後)を説明するグラフであり、上段は気筒毎の燃焼室における圧縮圧力を示すグラフ、下段は燃料の燃焼開始前後のダンパトルクの変動を示すグラフである。 図2Bは、その制御処理の未適用時(歯打ち音対策前)を説明するグラフであり、上段は気筒毎の燃焼室における圧縮圧力を示すグラフ、下段は燃料の燃焼開始前後のダンパトルクの変動を示すグラフである。 図3は、その制御処理を説明するフローチャートである。 図4は、図3の制御処理におけるサブルーチンを説明するフローチャートである。 図5は、その制御処理による効果を説明する帯グラフである。 図6は、本発明の第2の実施形態に係る制御装置の制御処理を説明するフローチャートである。 図7は、本発明の第3の実施形態に係る制御装置の制御処理を説明するフローチャートである。 図8は、その制御処理による効果を説明する帯グラフである。 図9は、上述実施形態の他の態様を説明する図であり、図3の制御処理におけるサブルーチンを説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1〜図5は本発明の第1の実施形態に係る制御装置を搭載する車両の一例を説明する図である。
図1において、車両100は、内燃機関型の4気筒のエンジン101と、2組の回転電機(MG:Motor・Generator)102、103とを搭載した、所謂、ハイブリッド車両として構築されている。ここで、回転電機102、103は、それぞれ電動機や発電機として適宜に機能させることができる、所謂、モータジェネレータである。車両100は、ECU11がメモリ12内に格納されている制御プログラムを実行することにより全体を統括制御されるようになっている。
車両100は、エンジン101と遊星歯車機構107を含むギア列108とがダンパ105を介して回転動力を入出力(伝達)可能に連結されている。
ダンパ105は、ダンパ本体151と減衰器152とがエンジン101の出力軸101aと遊星歯車機構107の入力軸107aとの間に並列に配置されて構築されている。ダンパ本体151は、エンジン101および遊星歯車機構107の正逆方向に回転する出力軸101aおよび入力軸107aの間に介在するように、例えば、回転軸を中心にする周回りに複数個の円弧状のコイルバネが直列に連結されている状態で設置され、それぞれで回転力を吸収しつつ伝達するようになっている。減衰器152は、ダンパ本体151が伝達する回転力に応じて弾性変形された後に弾性復帰することによって、そのダンパ本体151が急激に変形することを制限して振動の大きさや振幅を緩和させて減衰させるように機能する。なお、減衰器152は、ダンパ本体151と同様にコイルバネにより構成してもよく、また、ピストンとシリンダの組み合わせにより構成してもよい。
遊星歯車機構107は、エンジン101の回転動力を回転電機(MG1)102と駆動輪109とに分割して伝達する分割機構として機能する。遊星歯車機構107は、サンギア171、プラネタリギア172、キャリア軸173およびリングギア174により構築されている。キャリア軸173は、ダンパ105の出力軸105aに直結されて出力軸105aと一体回転される。サンギア171は、回転電機102の回転軸102aに直結されて回転軸102aと一体回転される。プラネタリギア172は、キャリア軸173に回転自在に支持されつつサンギア171の外歯に噛み合って正逆方向に公転するように複数配置されている。リングギア174は、内歯がプラネタリギア172の外歯に噛み合ってサンギア171と同軸で正逆方向に回転するように設置されている。回転電機102を発電機として機能させ、回転電機102によってサンギア171の回転速度を制御することで、エンジン101の回転速度を制御することができる。エンジン101の出力する回転動力は、ドライブギアとして機能するリングギア174の外歯から出力される。
ギア列108は、遊星歯車機構107を含んで、リングギア174の外歯と噛み合うドリブンギア181、リダクションギア182および伝達ギア183、184により構築されている。ドリブンギア181は、同軸回転するように並列に連結されている伝達ギア183に、ドライブシャフト109aの駆動輪109の反対側端部に固定されている伝達ギア184が噛み合うことにより、遊星歯車機構107のリングギア174から出力される回転動力を駆動輪109に伝達する。リダクションギア182は、回転電機(MG2)103の回転軸103aに直結されてドリブンギア181に噛み合うことにより、回転電機103の回転動力を減速しつつ駆動輪109に伝達する。
これにより、車両100は、エンジン101や回転電機103の回転動力を駆動輪109に伝達し、その駆動輪109を転動させることにより走行することができる。また、駆動輪109の回転力を回転電機103に伝達して減速回転させることにより発電機として機能させて回生発電することができる。なお、回転電機103で回生発電した電力は、インバータ112を介して電源として利用するバッテリ111に充電するようになっている。
回転電機102は、電動機として機能させ、その回転動力をエンジン101に伝達して出力軸101aを回転させることにより始動時のスタータとして利用することもできる。回転電機102の回転動力をエンジン101側に伝達して始動させる場合、エンジン101の出力軸101aと一体のクランクシャフトに連動するピストンが上下動されることにより、気筒101s毎の燃焼室内の燃料と吸入空気との混合気が順次に圧縮点火されて爆発燃焼されることによって、そのピストンが自立的な上下動を開始して始動される。このとき、エンジン101では、第1気筒101s1が1番目(1st)に圧縮点火され、第3気筒101s3が2番目(2nd)に圧縮点火され、第4気筒101s4が3番目(3rd)に圧縮点火され、第2気筒101s2が4番目(4th)に圧縮点火された後に、以降、第1気筒101s1の1番目の圧縮点火から順次に繰り返される(図2を参照)。
この始動時におけるエンジン101の気筒101s毎の燃焼室内の膨張時も含む圧縮圧力(コンプレッション)は、その燃焼開始前には回転電機102の回転動力により、また、燃焼開始後には燃焼室内の燃料の爆発(膨張)によりピストンが上下動されることによって、気筒101s毎に順次にピークが出現する(図2を参照)。
このように、エンジン101を始動させるためにダンパ105を介して回転電機102の回転動力を伝達する場合、そのダンパ105には、ダンパ本体151の伸縮によりダンパトルクが発生する。このダンパ105に発生するダンパトルクは、エンジン101の気筒101s毎の燃焼室における圧縮圧力が、言い換えると、ピストンの上下動に応じた回転促進や回転制限となる回転トルクとして出力軸101aに負荷されることによって、後述する図2A、図2Bに示すように、燃焼開始前の変動波形Tbとなる。さらに、このダンパ105のダンパトルクは、エンジン101の気筒101s毎の燃焼室における燃焼が開始される初回の爆発、所謂、初爆以降には、その燃焼駆動に伴う圧縮圧力や膨張圧力に伴うピストンの上下動に応じた回転トルクが負荷されて燃焼開始後の変動波形Tcとなる。
このため、図2Bに示すように、ダンパ105のダンパトルクは、エンジン101の燃焼開始前のダンパ105のダンパトルクの変動波形Tbに応じて、燃焼開始する圧縮(初爆)タイミングを合わせないと、増大傾向(+)に、初爆に伴う増大(+)がさらに重なる変動波形Tcとなる場合がある。
すると、回転電機102とエンジン101との間においてダンパ105と共に動力伝達経路を形成するギア列108、特に遊星歯車機構107では、不図示の噛み合い歯の歯面同士の圧接力が変動して接離する状況が発生する場合がある。特に、エンジン101の始動制御における燃焼開始時の初爆タイミングには、その噛み合い歯同士が圧接しつつ伝達するトルクが大きく変動することによって、その歯面間が離間した後に再度圧接する状態に復帰する場合に、その歯面同士の突き当たる音、所謂、歯打ち音が発生してしまう場合がある。この歯打ち音は、車室内のドライバなどに不快な異音として伝わってしまう場合がある。
そこで、本実施形態のECU11は、メモリ12内に格納する制御プログラムを実行する際に、エンジン101の燃焼開始前のダンパ105のダンパトルクの変動波形Tbに合わせて、燃焼開始する圧縮(初爆)タイミングを最適化することによって、エンジン101の始動時のダンパ105のダンパトルクの変動波形Tcで大きな変動が発生することを抑制するようになっている。このECU11は、図2Aに示すように、ダンパ105のダンパトルクが予め設定されているトルク閾値以下(「0」Nmでもよい)で、同時に、下降する減少傾向(−)の時点を選択し、初爆に伴って増大する変動トルク(+)が重なっても打ち消し合う初爆タイミングとしてメモリ12内に設定する調整制御処理を行うようになっている。すなわち、ECU11が初爆タイミングを調整制御してメモリ12に設定する設定部を構成し、エンジン101の始動制御時にその初爆タイミングに燃焼開始を実行する制御部としても機能する制御装置を構成している。
これにより、車両100では、ダンパ105のダンパトルクが小さいタイミングに初爆に伴う変動を重ねて、ギア列108における噛み合い歯の歯面同士が大きく離間することを抑制することができ、再度圧接して復帰する場合に発生する歯面同士の突き当たる歯打ち音を小さく抑制することができる。ここで、本実施形態では、ダンパ105のダンパトルクが減少してトルク閾値以下の「0」Nmに近いタイミングに、エンジン101の初爆を実行するように、その初爆タイミングをメモリ12内に設定する場合を一例として説明するが、これに限るものではない。例えば、その初爆タイミングは、トルク閾値以下の小さなダンパトルクであれば、増大(上昇)傾向のタイミングでもよいが、減少(降下)傾向のタイミングを選択した方が好適である。
そして、ECU11は、メモリ12内の制御プログラムを各種センサ情報等に基づいて実行することにより、エンジン101を始動する制御処理を調整して、効率よく、かつ快適に、そのエンジン101を始動するようになっている。
具体的には、ECU11は、制御プログラムの実行処理における各種処理情報から、エンジン101や回転電機102、103の運転状況と共にダンパ105やギア列108など各部の稼働状況を把握(取得)する。また、ECU11は、エンジン速度センサ21と、車速センサ22と、ダンパ回転角センサ23と、アクセル開度センサ25と、バッテリ残量センサ26と、エンジン水温センサ27と、シフト位置センサ28とが各種センサ情報を取得可能に接続されている。
エンジン速度センサ21は、エンジン101の出力軸101a(クランクシャフトでもよい)の回転速度(回転数)を取得可能にその回転角を検出する。車速センサ22は、車両100の走行中または停止中の判別を含めて走行速度を取得可能にドライブシャフト109aの回転角を検出する。ダンパ回転角センサ23は、遊星歯車機構107との間のダンパ105の出力軸105aの回転速度を取得可能に回転角を検出する。アクセル開度センサ25は、車両100に乗車するドライバによるアクセルペダル119の踏み込み量を検出する。バッテリ残量センサ26は、バッテリ111内の蓄電されている充電残量(SOC:State Of Charge)を検出する。エンジン水温センサ27は、エンジン101の冷却水の水温を検出する。シフト位置センサ28は、ドライバのシフト操作により選択指示された車両100のシフトレンジ位置を検出する。すなわち、車速センサ22が走行検出部を構成し、アクセル開度センサ25が踏込検出部を構成し、バッテリ残量センサ26が残量検出部を構成し、エンジン水温センサ27が水温検出部を構成している。シフト位置センサ28がレンジ検出部を構成している。
このECU11は、これら各種センサ21〜28のセンサ情報に従ってメモリ12内の制御プログラムを実行することにより、車両100全体を統括制御して、エンジン101や回転電機102、103などを効率よく駆動させるようになっている。
特に、ECU11は、エンジン速度センサ21が検出するエンジン101の出力軸101aの回転角に基づいてエンジン101の気筒101s毎の燃焼室における圧縮圧力変動を取得するとともに、ダンパ回転角センサ23が検出するダンパ105の出力軸105aの回転角に基づいてダンパ105のダンパトルク変動を取得する(図2Aを参照)。ECU11は、エンジン101の燃焼室での圧縮圧力変動から取得する圧縮タイミングと、ダンパ105のダンパトルク変動の位相とに基づいて、ダンパ105のダンパトルクが下降して設定トルク閾値以下で「0」Nmに近い値になるタイミングを取得し、メモリ12内に初爆タイミングとして設定するようになっている。
このとき、ECU11は、エンジン101の出力軸101aおよびダンパ105の出力軸105aの回転角から、そのダンパ105の捩れ角を取得して、減衰器152を含むダンパ本体151のバネ定数に基づいて、ダンパ105のダンパトルクを算出(実測)し、さらに、そのダンパトルクの変動を取得する。なお、本実施形態では、ダンパ105の捩れ角を実測してバネ定数に基づいてダンパトルクを取得するが、これに限るものではない。例えば、ダンパ105のダンパトルクは、エンジン101の始動制御開始からの気筒101s毎の圧縮圧力に対応するトルク変動を予め標準モデルとして実験等により準備してメモリ12内にマップ化して格納しておき、適宜に読み出して演算等することにより推定して利用するようにしてもよい。
詳細には、ECU11は、メモリ12内の制御プログラムを実行して、図3のフローチャートに示す制御処理を実施することにより、エンジン101の始動時において燃焼開始時点の初爆に伴って発生する歯打ち音を軽減する。
まず、ECU11は、例えば、回転電機103の回転動力に加えて、あるいは代えてエンジン101の回転動力が必要になったときに、そのエンジン101の始動要求を作成すると、図3のフローチャートに示す制御処理を開始して、エンジン101側に伝達する回転動力を回転電機(MG1)102から出力させる(ステップS11)。
次いで、ECU11は、後述する図4に示す処理手順によりダンパ105のダンパトルクを実測して(ステップS12)、そのダンパ105のダンパトルクの変動の位相と、エンジン101の気筒101s毎の圧縮圧力(挙動)に基づく燃焼室での圧縮タイミングとを取得する(ステップS13)。
次いで、ECU11は、エンジン101の圧縮タイミングのうちから、ダンパ105のダンパトルクの変動において下降して設定トルク閾値以下で「0」Nmに近い値になるタイミングを、エンジン101の初爆タイミングに決定(取得)してメモリ12内に設定する(ステップS14)。
次いで、ECU11は、エンジン101の出力軸101aの回転角を継続して取得しつつ(ステップS15)、メモリ12内に設定されている初爆タイミング時点にエンジン101の燃焼室内の混合気を点火して燃焼開始する初爆制御処理を実行し(ステップS16)、このエンジン101の始動制御処理を終了する。
上記のステップS12において、ダンパ105のダンパトルクを実測する処理手順としては、図4のサブルーチンに示すように、ECU11は、回転電機102の出力する回転動力(トルク)を駆動条件から導出して取得する(ステップS121)。並行して、ECU11は、エンジン101の出力軸101aの回転角の変動を取得するとともに(ステップS122)、そのエンジン101の出力軸101aの回転に伴う慣性トルクを演算処理により導出する(ステップS123)。この後に、ECU11は、その回転電機102の回転トルクとエンジン101の出力軸101aの回転角および慣性トルクとに基づいて、ダンパ105のダンパトルクの変動を導出(実測)して取得する(ステップS124)。
このとき、回転電機102によるエンジン101の始動制御の開始後には、気筒101s毎の圧縮圧力がピストンの上下動に連動して変化する変動が一定間隔で繰り返されるとともに、ダンパ105のダンパトルクの変動もそのピストンの上下動にある程度連動する。このため、ECU11は、4気筒のピストンの上下動、言い換えると、気筒101s毎の圧縮圧力やダンパトルクを実測することによって、以降の変動を予測(取得)することができ、エンジン101の燃焼を開始する最適な初爆タイミングを取得することができる。なお、このダンパ105のダンパトルクの変動の取得では、4回以上に限るものではなく、例えば、精度を求めない場合には、数回のピストンの上下動、言い換えると、順次に連続する数回分の圧縮時の変動を実測することにより予測するようにしてもよい。
これにより、図2Aに示すように、エンジン101の燃焼開始(初爆)は、気筒101s毎のピストンの上下動に連動する燃焼室の圧力変動のうち、ダンパ105のダンパトルクが設定トルク閾値以下の小さな値まで降下するタイミングに合わされる。このため、エンジン101の始動時にギア列108の噛み合い歯の歯面同士が圧接・離隔するために発生する歯打ち音を効果的に抑制することができる。例えば、図5に示すように、エンジン101の初爆タイミングが調整されない対策前の場合(図2Bを参照)の非抑制制御時の歯打ち音(平均)SBと、その初爆タイミングが気筒101s毎の燃焼室の圧縮とダンパ105のダンパトルクの変動とに応じて調整される対策後の場合(図2Aを参照)の抑制制御時の歯打ち音SAとを比較すると、その初爆タイミングの調整によりエンジン101の始動時に発生するギア列108の歯打ち音が音圧レベルで半減以上(この実施形態では、「−5dB」以上)抑制されている。
このように、本実施形態のECU11においては、ダンパ105のダンパトルクが減少してメモリ12内のトルク閾値以下になるタイミングを、エンジン101の始動時の燃焼開始する初爆タイミングとして一致させることができる。このため、ダンパトルクの増加傾向時に初爆に伴う回転トルクが重なることを回避して、噛み合い歯の歯面同士が接離する挙動時のトルクを軽減(制限)することができ、大きな歯打ち音を発生させてしまうことを抑制することができる。
したがって、ECU11は、エンジン101の始動時にギア列108における大きな歯打ち音の発生を抑制することができ、不快な歯打ち音を車室内に伝播させてしまうことを未然に防止することができる。
次に、図6は本発明の第2の実施形態に係る制御装置を搭載する車両の一例を説明する図である。ここで、本実施形態は上述の実施形態と略同様に構成されていることから、同様の構成には同一の符号を付して特徴部分を説明する(以下で説明する他の実施形態においても同様)。
本実施形態の図1に示すECU11は、制御プログラムの実行処理における各種処理情報から取得するエンジン101や回転電機102、103の運転状況および各種センサ21〜28の取得するセンサ情報に基づいて、上述のエンジン101の始動時における歯打ち音の抑制制御処理の要否を判定して実行するようになっている。すなわち、ECU11が判定部を構成している。
具体的には、ECU11は、エンジン101の始動要求時に、その始動制御処理に伴って発生する歯打ち音の抑制を優先する条件を満たしていると判定したときに、上述の歯打ち音の抑制制御処理を実行し、その条件を満たしていないと判定したときには、その抑制制御処理を実行することなく始動制御処理を実行して始動完了までの起動時間を短縮するようになっている。
このとき、ECU11は、ドライバによるシフト操作で選択された車両100の選択シフトレンジが後述の停止レンジの場合に歯打ち音の抑制制御処理を実行し、また、車両100の車速、バッテリ111の充電残量(SOC)、エンジン101の冷却水温、アクセルペダル119のドライバによる踏み込み量、すなわち、アクセル開度に応じて、歯打ち音の抑制制御処理を実行するようになっている。
詳細には、ECU11は、メモリ12内の制御プログラムを実行して、図6のフローチャートに示す制御処理により、エンジン101の始動時における状況に応じて歯打ち音の抑制制御処理を適宜に実行する。
まず、図6のフローチャートに示すように、ECU11は、エンジン101の始動要求を作成すると、上述の図3のフローチャートに示す制御処理を実行するのに先立って、エンジン101や回転電機102、103の運転状況および各種センサ21〜28のセンサ情報を取得して(ステップS101)、シフト位置センサ28の検出する選択シフトレンジがB(エンジンブレーキ)、D(ドライブ)、R(リバース)のいずれかの、所謂、走行レンジであるか否か確認する(ステップS102)。
ステップS102においてシフト位置センサ28の検出する選択シフトレンジがBレンジなどの走行レンジでない、P(パーキング)、N(ニュートラル)レンジの、所謂、停止レンジが選択されていることを確認したECU11は、歯打ち音の抑制を優先すると判定して、図3に示すように、歯打ち音を抑制しつつエンジン101を始動する制御処理をステップS11から実行して、この制御処理を終了する。
これにより、ECU11は、停止レンジの選択を確認(検出)した場合に、ダンパ105のダンパトルクの変動にエンジン101の初爆タイミングを合わせてギア列108で発生する歯打ち音を抑制する制御処理を適宜に実行することができる。このため、停止レンジが選択されている際には、走行に伴う異音の発生はなく、また、後述する充電や暖機などの要求でエンジン101を始動させるだけであることから急ぐ必要もなく、そのエンジン101の始動に伴って発生する歯打ち音の抑制制御処理を優先して実行することができる。その一方で、走行レンジが選択されている際には、エンジン101の始動を迅速に完了して走行トルクを出力させることができる。
また、ステップS102においてシフト位置センサ28の検出する選択シフトレンジが走行レンジであることを確認したECU11は、続けて、車速センサ22の検出する車両100の走行速度(車速)が予めメモリ12内に格納準備(設定)されている車速閾値以上であるか否か確認する(ステップS103)。
ステップS103において車速センサ22の検出する車速が車速閾値以上でなく、車速閾値未満の停止中と判断可能であることを確認したECU11は、歯打ち音の抑制を優先すると判定して、図3に示すように、歯打ち音を抑制しつつエンジン101を始動する制御処理をステップS11から実行して、この制御処理を終了する。
これにより、ECU11は、走行レンジが選択されていても不図示のブレーキペダルが踏み込まれるなどして停止中である場合には、ダンパ105のダンパトルクの変動にエンジン101の初爆タイミングを合わせてギア列108で発生する歯打ち音を抑制する制御処理を適宜に実行することができる。このため、例えば、走行レンジでも実際には停止している場合には、走行に伴う異音の発生はなく、また、後述する充電や暖機などの要求でエンジン101を始動させるだけであることから急ぐ必要もなく、そのエンジン101の始動に伴って発生する歯打ち音の抑制制御処理を優先して実行することができる。
また、ステップS103において車速センサ22の検出する車速が車速閾値以上で走行中であることを確認したECU11は、続けて、バッテリ残量センサ26の検出するバッテリ111の充電残量(SOC)が予めメモリ12内に格納準備(設定)されているSOC閾値以上であるか否か確認する(ステップS104)。
ステップS104においてバッテリ残量センサ26の検出する充電残量がSOC閾値未満で充電が必要であることを確認したECU11は、歯打ち音の抑制を優先すると判定して、図3に示すように、歯打ち音を抑制しつつエンジン101を始動する制御処理をステップS11から実行して、この制御処理を終了する。
これにより、ECU11は、車速閾値以上で走行しているがSOC閾値未満の場合には、ダンパ105のダンパトルクの変動にエンジン101の初爆タイミングを合わせてギア列108で発生する歯打ち音を抑制する制御処理を適宜に実行することができる。このため、例えば、充電要求によりエンジン101を始動させるだけであることから急ぐ必要もなく、エンジン101の始動に伴って発生する歯打ち音の抑制制御処理を優先して実行することができる。
また、ステップS104においてバッテリ残量センサ26の検出する充電残量がSOC閾値以上で充電不要を確認したECU11は、続けて、エンジン水温センサ27の検出するエンジン101の冷却水の水温が予めメモリ12内に格納準備(設定)されている冷却水温閾値以上であるか否か確認する(ステップS105)。
ステップS105においてエンジン水温センサ27の検出するエンジン101の冷却水温が冷却水温閾値未満で暖機運転が必要であることを確認したECU11は、歯打ち音の抑制を優先すると判定して、図3に示すように、歯打ち音を抑制しつつエンジン101を始動する制御処理をステップS11から実行して、この制御処理を終了する。
これにより、ECU11は、車速閾値以上で走行しているが冷却水温閾値未満の場合には、ダンパ105のダンパトルクの変動にエンジン101の初爆タイミングを合わせてギア列108で発生する歯打ち音を抑制する制御処理を適宜に実行することができる。このため、例えば、エンジン101の暖機要求によりエンジン101を始動させるだけであることから急ぐ必要もなく、エンジン101の始動に伴って発生する歯打ち音の抑制制御処理を優先して実行することができる。
また、ステップS105においてエンジン水温センサ27の検出するエンジン101の冷却水温が冷却水温閾値以上で暖機運転不要であることを確認したECU11は、続けて、アクセル開度センサ25の検出するアクセルペダル119の踏み込み量が予めメモリ12内に格納準備(設定)されているアクセル開度閾値(踏込閾値)以上であるか否か確認する(ステップS106)。
ステップS106においてアクセル開度センサ25の検出するアクセルペダル119の踏み込み量がアクセル開度閾値以上でなく、言い換えると、踏込閾値未満で加速要求のない定速要求であることを確認したECU11は、歯打ち音の抑制を優先すると判定して、図3に示すように、歯打ち音を抑制しつつエンジン101を始動する制御処理をステップS11から実行して、この制御処理を終了する。
これにより、ECU11は、アクセル開度閾値未満の加速要求でない場合には、ダンパ105のダンパトルクの変動にエンジン101の初爆タイミングを合わせてギア列108で発生する歯打ち音を抑制する制御処理を適宜に実行することができる。このため、例えば、ドライバによる加速要求でないことからエンジン101の始動完了を急ぐ必要もなく、エンジン101の始動に伴って発生する歯打ち音の抑制制御処理を優先して実行することができる。
また、ステップS106においてアクセル開度センサ25の検出するアクセルペダル119の踏み込み量がアクセル開度閾値(踏込閾値)未満で加速不要であることを確認したECU11は、歯打ち音の抑制制御処理を行うことなく、直ちに回転電機(MG1)102をスタータとして駆動してトルク出力させることにより、気筒101s内のピストンを回転電機102の回転動力で上下動させつつ(ステップS107)燃焼室での燃焼を開始(初爆)させる制御処理を実行する(ステップS108)。
これにより、ECU11は、ダンパ105のダンパトルクの変動にエンジン101の初爆タイミングを合わせてギア列108で発生する歯打ち音を抑制する制御処理を優先する必要がないと判定した場合には、迅速にエンジン101の始動制御処理を実行して早期に起動させることができる。
このように、本実施形態のECU11においては、上述実施形態による作用効果に加えて、エンジン101の始動に伴う歯打ち音の発生を抑制する制御処理を適宜に実行するとともに、その歯打ち音の抑制を優先する必要がない場合にはエンジン101の始動制御を直ちに開始して迅速にトルク出力を利用可能にすることができる。
したがって、ECU11は、エンジン101の迅速な起動を妨げてしまうことなく、エンジン101の始動に伴う歯打ち音の発生を適宜に抑制することができ、エンジン101の不必要な始動遅れと共に、不快な歯打ち音の車室内への伝播を未然に防止することができる。
次に、図7〜図9は本発明の第3の実施形態に係る制御装置を搭載する車両の一例を説明する図である。
本実施形態の図1に示すECU11は、上述の第2の実施形態において、ドライバによるシフト操作で選択された車両100の選択シフトレンジが走行レンジあるいは停止レンジのいずれであるかに応じて、初爆タイミングとする気筒101sでの圧縮回数(ピストンの往復動回数)を決定して歯打ち音の抑制制御処理を実行するようになっている。
車両100では、選択シフトレンジが停止レンジの場合にはダンパトルク変動にドライブシャフト109aの影響がないことから、例えば、最適な初爆タイミングとして圧縮回数5回が設定されている。また、選択シフトレンジが走行レンジの場合には、そのダンパトルク変動にドライブシャフト109aが影響することから、例えば、最適な初爆タイミングとして圧縮回数6回が設定されている。
そこで、ECU11は、エンジン101の始動要求時に、ドライバのシフト操作で選択された車両100の選択シフトレンジを確認して、その選択シフトレンジに応じてメモリ12内に格納準備されているマップを参照することにより、燃料の燃焼を開始する気筒101sの燃焼室における圧縮回数(初爆タイミング)を決定して歯打ち音の抑制制御処理を実行するようになっている。
詳細には、ECU11は、図7のフローチャートに示すように、メモリ12内の制御プログラムを実行して、図6のフローチャートのステップS102と同様に、シフト位置センサ28の検出する選択シフトレンジが走行レンジまたは停止レンジのいずれであるか確認する(ステップS201)。次いで、ECU11は、その走行レンジまたは停止レンジの選択に応じてメモリ12内に設定されているマップ(シフトレンジに対応する圧縮回数)を参照することにより(ステップS202)、エンジン101の気筒101sの燃焼室での圧縮回数を読み出してメモリ12内に初爆タイミングとして設定する(ステップS203)。
次いで、ECU11は、以降、図3のフローチャートに示すステップS15、S16と同様に、エンジン101の出力軸101aの回転角を継続して取得しつつ(ステップS204)、メモリ12内に設定されている初爆タイミングの回数の圧縮時点にエンジン101の燃焼室内の混合気を点火して燃焼開始する初爆制御処理を実行し(ステップS205)、このエンジン101の燃焼開始(初爆)制御処理を終了する。
これにより、ECU11は、エンジン101の始動時に発生するギア列108での歯打ち音を抑制する制御処理によって調整する初爆タイミング(燃焼室の圧縮回数)を、車両100のシフトレンジが走行レンジまたは停止レンジに応じて決定して設定することができる。
ここで、例えば、図8に示すように、停止レンジのPレンジでは、圧縮回数6回の場合よりも5回の方が音圧レベルを抑えることができ、また、走行レンジのDレンジでは、実際の走行中あるいは停止中に関係なく、圧縮回数5回の場合よりも6回の方が音圧レベルを抑えることができ、最適化することができている。すなわち、この制御処理では、選択されたシフトレンジに応じて圧縮回数を選択して初爆タイミングを決定して設定することができる。
このように、本実施形態のECU11においては、上述実施形態による作用効果に加えて、車両100のシフトレンジが走行レンジか停止レンジかによって、初爆タイミングを燃焼室での圧縮回数で指定(調整)することができ、ダンパトルクの変動と圧縮動作のタイミングとで最適タイミングに調整する処理に代えて、簡易にエンジン101の初爆タイミングを決定して実行することができる。
したがって、ECU11は、歯打ち音の抑制を簡易な制御処理により実行可能にすることができる。
ここで、上述の実施形態の他の態様としては、図3のフローチャートにおける図4のサブルーチンに代えて、図9のサブルーチンに示す処理手順を実行してもよい。この場合にも同様の作用効果を得ることができる。
具体的には、ECU11は、図9のサブルーチンに示すように、図3のステップS12におけるダンパ105のダンパトルクを実測する制御処理として、図4に示す制御処理と同様に、回転電機102の出力する回転動力(トルク)を駆動条件から導出して取得する(ステップS121)。並行して、ECU11は、エンジン101の出力軸101aの回転角の変動を取得するとともに(ステップS122)、そのエンジン101の出力軸101aの回転に伴う慣性トルクを演算処理により導出する(ステップS123)。この後に、ECU11は、その回転電機102の回転トルクとエンジン101の出力軸101aの回転角および慣性トルクとに基づいて、ダンパ105の共振周波数を導出し、予めメモリ12内に格納する学習値(マップ)からその共振周波数に対応するダンパトルク変動(増減)を演算して推定取得する(ステップS124−2)。
ここで、ダンパ105のダンパトルクは入出力軸間の捩れ角に比例する。このことから、ダンパトルクの変動の共振周波数は、その捩れ角の変動から算出(導出)してメモリ12内に格納準備しておくことができ、エンジン101の始動時における時間経過とメモリ12内の共振周波数とからダンパトルク変動の位相(増減値)を算出して推定(取得)することができる。
この他の態様においても、上述実施形態と同様の作用効果を得ることができ、エンジン101の始動時に発生する歯打ち音を効果的に抑制して、不快な歯打ち音を車室内に伝播させてしまうことを未然に防止することができる。
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
11……ECU(設定部、判定部、制御部)
12……メモリ
21……エンジン速度センサ
22……車速センサ(走行検出部)
23……ダンパ回転角センサ
25……アクセル開度センサ(踏込検出部)
26……バッテリ残量センサ(残量検出部)
27……エンジン水温センサ(水温検出部)
28……シフト位置センサ(レンジ検出部)
100……車両
101……エンジン
101s……気筒
102、103……回転電機
105……ダンパ
107……遊星歯車機構
108……ギア列
109……駆動輪
109a……ドライブシャフト
111……バッテリ
112……インバータ
119……アクセルペダル

Claims (16)

  1. 内燃機関と、回転電機とがダンパを介して回転動力を伝達可能に連結されている車両の制御装置であって、
    前記内燃機関の始動時における当該内燃機関の初爆タイミングを、前記ダンパに発生するダンパトルクが予め設定されているトルク閾値以下のタイミングに設定する設定部と、
    前記設定部により設定された前記初爆タイミングで初爆が生じるように前記内燃機関を制御する制御部と、を備え、
    前記設定部は、前記内燃機関の初爆タイミングを、前記ダンパトルクが減少して前記トルク閾値以下になるタイミングに設定する、車両の制御装置。
  2. 前記設定部は、前記内燃機関の始動時に前記ダンパトルクのトルク変動と前記内燃機関の爆発タイミングとに基づいて、当該ダンパトルクが「0」Nmを含む前記トルク閾値以下のタイミングを取得して設定する、請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記内燃機関の始動に伴う発生音の抑制を優先するか否かを判定する判定部を備え、
    前記設定部は、前記判定部が始動に伴う発生音の抑制を優先すると判定したときに、前記内燃機関の初爆タイミングを前記ダンパトルクの前記トルク閾値以下のタイミングに設定する、請求項1または請求項2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記車両のシフトレンジを検出するレンジ検出部を備え、
    前記判定部は、前記レンジ検出部が停止レンジを検出する場合に、前記内燃機関の始動に伴う発生音の抑制を優先すると判定する、請求項3に記載の車両の制御装置。
  5. 前記車両の走行状態を検出する走行検出部を備え、
    前記判定部は、前記走行検出部が車両の停止中を検出する場合に、前記内燃機関の始動に伴う発生音の抑制を優先すると判定する、請求項3に記載の車両の制御装置。
  6. 前記車両のアクセルペダルの踏み込み量を検出する踏込検出部を備え、
    前記判定部は、前記踏込検出部が予め設定されている踏込閾値未満の踏み込み量を検出する場合に、前記内燃機関の始動に伴う発生音の抑制を優先すると判定する、請求項3に記載の車両の制御装置。
  7. 前記車両のバッテリの充電残量を検出する残量検出部を備え、
    前記判定部は、前記残量検出部が予め設定されている残量閾値未満の充電残量を検出する場合に、前記内燃機関の始動に伴う発生音の抑制を優先すると判定する、請求項3に記載の車両の制御装置。
  8. 前記内燃機関の冷却水温を検出する水温検出部を備え、
    前記判定部は、前記水温検出部が予め設定されている水温閾値未満の冷却水温を検出する場合に、前記内燃機関の始動に伴う発生音の抑制を優先すると判定する、請求項3に記載の車両の制御装置。
  9. 前記車両のシフトレンジを検出するレンジ検出部を備え、
    前記設定部は、前記ダンパトルクの前記トルク閾値以下の初爆タイミングとして、前記レンジ検出部の検出するシフトレンジに応じたタイミングに設定する、請求項1に記載の車両の制御装置。
  10. 内燃機関と、回転電機とがダンパを介して回転動力を伝達可能に連結されている車両の制御装置であって、
    前記内燃機関の始動時における当該内燃機関の初爆タイミングを、前記ダンパに発生するダンパトルクが予め設定されているトルク閾値以下のタイミングに設定する設定部と、
    前記設定部により設定された前記初爆タイミングで初爆が生じるように前記内燃機関を制御する制御部と、
    前記内燃機関の始動に伴う発生音の抑制を優先するか否かを判定する判定部と、を備え、
    前記設定部は、前記判定部が始動に伴う発生音の抑制を優先すると判定したときに、前記内燃機関の初爆タイミングを前記ダンパトルクの前記トルク閾値以下のタイミングに設定する、車両の制御装置。
  11. 前記車両のシフトレンジを検出するレンジ検出部を備え、
    前記判定部は、前記レンジ検出部が停止レンジを検出する場合に、前記内燃機関の始動に伴う発生音の抑制を優先すると判定する、請求項10に記載の車両の制御装置。
  12. 前記車両の走行状態を検出する走行検出部を備え、
    前記判定部は、前記走行検出部が車両の停止中を検出する場合に、前記内燃機関の始動に伴う発生音の抑制を優先すると判定する、請求項10に記載の車両の制御装置。
  13. 前記車両のアクセルペダルの踏み込み量を検出する踏込検出部を備え、
    前記判定部は、前記踏込検出部が予め設定されている踏込閾値未満の踏み込み量を検出する場合に、前記内燃機関の始動に伴う発生音の抑制を優先すると判定する、請求項10に記載の車両の制御装置。
  14. 前記車両のバッテリの充電残量を検出する残量検出部を備え、
    前記判定部は、前記残量検出部が予め設定されている残量閾値未満の充電残量を検出する場合に、前記内燃機関の始動に伴う発生音の抑制を優先すると判定する、請求項10に記載の車両の制御装置。
  15. 前記内燃機関の冷却水温を検出する水温検出部を備え、
    前記判定部は、前記水温検出部が予め設定されている水温閾値未満の冷却水温を検出する場合に、前記内燃機関の始動に伴う発生音の抑制を優先すると判定する、請求項10に記載の車両の制御装置。
  16. 内燃機関と、回転電機とがダンパを介して回転動力を伝達可能に連結されている車両の制御装置であって、
    前記内燃機関の始動時における当該内燃機関の初爆タイミングを、前記ダンパに発生するダンパトルクが予め設定されているトルク閾値以下のタイミングに設定する設定部と、
    前記設定部により設定された前記初爆タイミングで初爆が生じるように前記内燃機関を制御する制御部と、
    前記車両のシフトレンジを検出するレンジ検出部を備え、
    前記設定部は、前記ダンパトルクの前記トルク閾値以下の初爆タイミングとして、前記レンジ検出部の検出するシフトレンジに応じたタイミングに設定する、車両の制御装置。
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