JP6405203B2 - シートベルト引出具 - Google Patents

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Description

本発明は、車両等のシートベルトに装着してシートベルトを引き出しやすくするシートベルト引出具に関する。
従来、自動車等の車両のシートベルトを引き出しやすくするため、シートベルトやスルータングに把手を設ける構成が知られている。例えば、特許文献1には、垂れ下がっているシートベルトの途中部分にシートベルト引出し用の握り把手を装着したシートベルト装置が開示されている。また、特許文献2には、ベルト部分に装着される帯状サポータの端部寄りでタングプレート近傍に取り付けられる可撓性のグリップを有したシートベルトアダプタが開示されている。さらに、特許文献3には、タングプレートに球状把持部を備えた樹脂製グリップを取り付ける構成が開示されている。
いずれの構成においても、シートベルトを装着する際のシートベルトの取り出しにくさを解消し、体を無理に捻ることなく容易にシートベルトを引き出して装着できるようにしたものである。
また、特許文献4には、シートベルト金具にガラス割りのためのハンマー用器具を一体的に取り付けた構成が開示される。緊急時に車両内から脱出する場合、ガラスを割って外へ出なければならない場合もある。特許文献4に記載の技術では、ガラス割りのハンマーがシートベルト金具に設けられているため、必要なときにガラス割り器具が見つからないといったことがなくなる。
特開2006−298354号公報 特開2004−224169号公報 特開2001−315615号公報 特開2006−62629号公報
ここで、シートベルトを容易に引き出すための把手と、ガラス割りのためのハンマーとの両方を備えた構成を考えた場合、通常はシートベルトにしっかり固定して把手として利用し、いざというときにはシートベルトから簡単に外れてガラスを割るハンマーとして利用できることが必要である。
しかし、把手をシートベルト金具と一体に形成したり、ねじ等を用いてシートベルトに固定すると、必要なときに即座にシートベルトから取り外してハンマーとして使用することができないという問題がある。また、スルータングなどのシートベルト部材にガラス割り器具を設けた場合、シートベルトが延びて届く範囲でしかガラスを割ることができない。さらに、ハンマーをガラスに向かって振り下ろす際、シートベルトが邪魔になって力強くたたき割ることができないという問題も生じる。その一方、クリップなどで着脱自在に取り付けた場合、シートベルトへの固定力が弱いとシートベルトを引き出す際にずれてしまい、把手としての機能に問題が生じる。
本発明は、通常はシートベルトにしっかり固定してシートベルトを引き出すための把手として利用できるとともに、緊急時にはシートベルトから迅速に取り外してガラス割りのハンマーとして利用することができるシートベルト引出具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のシートベルト引出具は、シートベルトを通す穴を有し、シートベルトに対する固定及び解除を行うクリップ部と、ハンマー部を有するヘッド部と、一端側にヘッド部が接続され、他端側にクリップ部が接続されるネック部と、を備える。クリップ部は、穴の一方側に設けられたベース部と、穴の他方側に設けられ、ベース部のネック部とは反対側の端部でベース部と接続され、ベース部との一体成形によるバネ性で開閉可能に設けられた可動部と、穴の他方側に設けられ、可動部が閉じる際に可動部の先端と係合する引っ掛け部と、引っ掛け部と可動部の先端との係合部分と、穴との間に設けられた仕切り部と、を有する。可動部は、閉じている状態でベース部を湾曲させることにより可動部の先端が引っ掛け部から外れて開くことを特徴とする。
このような構成によれば、クリップ部の穴にシートベルトを通した状態で可動部を閉じて先端を引っ掛け部に係合させることでシートベルト引出具をシートベルトに確実に装着することができる。また、係合部分と穴との間に仕切り部が設けられているため、シートベルト引出具を装着した際、シートベルトと係合部分との間を仕切り部で仕切ることができる。これにより、把手として使用した際にシートベルトから係合部分に力が加わらず、係合が外れてしまうことを防止することができる。一方、クリップ部のベース部を湾曲させることで可動部の先端が引っ掛け部から外れ、いざという時にシートベルト引出具をシートベルトから簡単に取り外すことができる。
本発明のシートベルト引出具において、可動部の係合部分寄りには穴側に凸となる凸部が設けられ、可動部が閉じている状態では凸部の先端は仕切り部よりも穴側に位置し、可動部が開いている状態では凸部の先端は仕切り部よりも穴から離れた位置になるよう設けてもよい。
このような構成によれば、可動部を閉じた際には凸部の先端が仕切り部よりも穴側に位置するため、シートベルトを押圧してしっかりと固定することができる。一方、可動部を開いた際には凸部の先端が仕切り部よりも穴から離れた位置になるため、係合部が開いてシートベルトから簡単に取り外すことができる。
本発明のシートベルト引出具において、可動部の先端には傾斜面が設けられ、可動部を閉じる際には引っ掛け部と傾斜面とが当接して引っ掛け部から傾斜面への圧力が徐々に強くなり、引っ掛け部が傾斜面を乗り越えることで可動部の閉じた状態が保持されるようになっていてもよい。
このような構成によれば、可動部を閉じる際に適度な力で係合させることができ、係合する際に引っ掛け部が傾斜面を乗り越えて係合した感触を得ることができる。
本発明のシートベルト引出具において、ヘッド部は、クリップ部よりも軟らかい第1の硬さを有する外側部分と、第1の硬さよりも硬い第2の硬さを有し、外側部分の内側に設けられた内側部分と、を有し、内側部分にはハンマー部の根元を嵌める孔が設けられていてもよい。
このような構成によれば、把手とし利用者の手に触れる部分は軟らかく握りやすくなる。一方、ハンマー部は硬い内側部分にしっかり固定されてハンマーとしてガラスに確実に衝撃を加えることができるようになる。
本発明のシートベルト引出具において、内側部分は中空構造であってもよい。このような構成によれば、中空構造によってヘッド部の重さを必要以上に重くしなくて済む。
(a)及び(b)は、本実施形態に係るシートベルト引出具を例示する図である。 (a)〜(c)は、クリップ部の開閉について説明する図である。 (a)及び(b)は、クリップ部を開閉する操作を説明する模式図である。 内側部分の構造を例示する分解斜視図である。 車両のシートベルトへの装着例を示す模式図である。 (a)及び(b)は、本実施形態に係るシートベルト引出具の使用例を示す模式図である。 ハンマーとしての使用例を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
(シートベルト引出具の構造)
図1(a)及び(b)は、本実施形態に係るシートベルト引出具を例示する図で、(a)には斜視図が表され、(b)には断面図が表される。
図1(a)に表したように、本実施形態に係るシートベルト引出具1は、シートベルトSBの途中に装着して、シートベルトSBを引き出す際の補助となる把手として使用される。さらに、本実施形態に係るシートベルト引出具1は、緊急時にガラスを割るためのハンマーとしても利用される。このような本実施形態に係るシートベルト引出具1は、クリップ部10、ヘッド部20及びネック部30を備える。
クリップ部10は、シートベルトSBを通す穴10hを有し、シートベルトSBに対する固定及び解除を行う部分である。クリップ部10の詳細は後述する。ヘッド部20は握りやすい形(例えば球状体)になっており、適度な硬さを有する。
ヘッド部20には、先鋭なハンマー部21が設けられる。ハンマー部21は、例えば炭素工具鋼を円錐形に成型してニッケルめっきを施したものが用いられる。本実施形態では、ヘッド部20に2つのハンマー部21が設けられる。2つのハンマー部21は、互いに反対向きに設けられる。なお、ハンマー部21は1つでも、3つ以上あってもよい。また、先端が平らなハンマー部21を含んでいてもよい。
ハンマー部21にはキャップ21cが被されていてもよい。キャップ21cを被せておけば、ハンマーとして使用しないときにハンマー部21の先端を露出させずに済む。キャップ21cの材料としては、プラスチックやゴムが用いられる。ハンマーとして使用する際にはキャップ21cを外せばよい。
図1(b)に表したように、ヘッド部20は外側部分210と内側部分220とを有する。外側部分210はクリップ部10よりも軟らかい第1の硬さを有する。外側部分210は把手として手に触れる部分であるため、適度な軟らかさによって握りやすさを得るようにすることができる。外側部分210の材料としては、例えばエラストマーやウレタンのような軟質合成樹脂材が用いられる。
一方、内側部分220は第1の硬さよりも硬い第2の硬さを有する。内側部分220には孔220hが設けられ、この孔220hにハンマー部21の根元が嵌め込まれる。内側部分220が硬いことで、ハンマー部21をしっかり嵌合できることになる。内側部分220の材料としては、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)が用いられる。内側部分220の詳細は後述する。
ネック部30は、ヘッド部20とクリップ部10とを繋ぐ部分であり、一端側にヘッド部20が接続され、他端側にクリップ部10が接続される。ネック部30の外径はヘッド部20の外径よりも小さく設けられる。これにより、ネック部30からヘッド部20にかけての膨らみを持たせ、把手として掴みやすい形状にしている。
図1(b)に表したように、ネック部30のクリップ部10側の端部には凹部30hが設けられ、この凹部30hにクリップ部10の凸部10tが嵌め込まれている。ネック部30とヘッド部20の外側部分210とは一体的に形成されている。
ネック部30及びヘッド部20の外側部分210は、例えば射出成形によって形成される。シートベルト引出具1を製造する場合、予め、ヘッド部20の内側部分220及びクリップ部10のそれぞれを別個に射出成形によって形成しておく。そして、ネック部30及び外側部分210の成型では、内側部分220及びクリップ部10をインサートした射出成形を行うことが望ましい。これにより、外側部分210の内側への内側部分220の組み込みと、ネック部30とクリップ部10との確実な接合とを一回の成型によって行うことが可能になる。
(クリップ部の構造)
次に、クリップ部10の詳細な構造について説明する。
クリップ部10は、穴10hの一方側に設けられたベース部11と、穴10hの他方側に設けられた可動部12、引っ掛け部13及び仕切り部14とを有する。本実施形態において、ベース部11、可動部12、引っ掛け部13及び仕切り部14は、プラスチックによって一体成形されている。このプラスチック材料としては、例えばポリプロピレン(PP)やポリカーボネート(PC)が用いられる。
可動部12は、ベース部11のネック部30とは反対側の端部でU字部10uを介してベース部11と接続される。すなわち、可動部12は、穴10hの一方側に設けられたベース部11からU字部10uを介して穴10hの他方側に回り込むよう設けられる。これにより、ベース部11と可動部12とが向かい合い、これらの間に穴10hが設けられる構造となる。可動部12は、ベース部11との一体成形によるバネ性によって開閉可能に設けられる。可動部12は、バネ性によって開く側に付勢される。
引っ掛け部13は、可動部12が閉じる際に可動部12の先端と係合する部分である。引っ掛け部13には爪131が設けられ、この爪131に可動部12の先端の爪121が引っ掛かることで可動部12を閉じたまま保持することができる。
仕切り部14は、引っ掛け部13の爪131と可動部12の爪121との係合部分LKと、穴10hとの間に設けられる。仕切り部14は引っ掛け部13の穴10h側から板状に延出して設けられる。すなわち、仕切り部14は、引っ掛け部13の爪131よりも長く延出しており、係合部分LKを覆うようになっている。
このように、係合部分LKと穴10hとの間に仕切り部14が設けられていることで、シートベルト引出具1をシートベルトSBに装着した際、シートベルトSBと係合部分LKとの間を仕切り部14で仕切ることができる。これにより、シートベルトSBから係合部分LK側に力が加わったとしても仕切り部14によってその力が係合部分LKへ伝わることを阻止し、係合が外れてしまうことを防止することができる。
図2(a)〜(c)は、クリップ部の開閉について説明する図で、(a)は閉じた状態の側面図、(b)は開いた状態の側面図、(c)は係合部分の拡大断面図である。なお、以下においては説明の便宜上、可動部12からベース部11側を下(下側)、その反対を上(上側)と言うことにする。
図2(a)に表したように、可動部12が閉じている状態では、可動部12の爪121が引っ掛け部13の爪131の下側に引っ掛かることになる。可動部12は開く方向にバネ性を有しているが、可動部12の爪121が引っ掛け部13の爪131の下側に引っ掛かることで閉じた状態を保持することができる。
ここで、可動部12には穴10h側に凸となる第1凸部12aと第2凸部12bとが設けられる。一方、ベース部11には穴10h側に凸となる第3凸部11aが設けられる。第3凸部11aは第1凸部12aと第2凸部12bとの間に配置される。これにより、シートベルトSBを通した状態で可動部12を閉じると、シートベルトSBを第1凸部12a、第2凸部12b及び第3凸部11aによって噛み込むようにしっかりと固定することができる。
図2(b)に表したように、可動部12の爪121が引っ掛け部13の爪131よりも上になると、可動部12のバネ性によって可動部12が開く状態になる。可動部12が開くと係合部分LKに隙間が生じる。この隙間からシートベルトSBを差し込んで穴10hに通すようにする。シートベルトSBを穴10hに通した後は、可動部12を閉じて、爪121を引っ掛け部13の爪131に係合する(図2(a)参照)。これによりシートベルトSBをクリップ部10で挟み込み、本実施形態のシートベルト引出具1を確実に固定することができる。
シートベルト引出具1をシートベルトSBに固定した状態から取り外すには、図2(b)に表したように可動部12を開き、係合部分LKに生じた隙間からシートベルトSBを外すようにすればよい。反対に、シートベルト引出具1をシートベルトSBに取り付けるには、図2(b)に表したよう可動部12を開いておき、係合部分LKの隙間からシートベルトSBを穴10hに通したのち、可動部12を閉じるようにすればよい。
次に、可動部12の爪121の先端について詳細に説明する。
図2(c)に表したように、本実施形態では可動部12の爪121の先端には傾斜面121fが設けられている。傾斜面121fは下から上にかけて引っ掛け部13の爪131に近づくような傾斜で設けられる。これにより、可動部12を閉じる際には引っ掛け部13の爪131と傾斜面121fとが当接して爪131から傾斜面121fへの圧力が徐々に強くなる。そして、爪131が傾斜面121fを乗り越えることで可動部12の爪121が引っ掛け部13の爪131の下側に入り込み、可動部12を閉じた状態で保持することができる。
このような傾斜面121fが設けられていることで、可動部12を閉じる際(閉じる途中)、適度な力を与えることができる。つまり、可動部12を閉じると傾斜面121fと爪131とが接触し、そこから可動部12を閉じるように押し込んでいくと傾斜面121fの角度の作用によって傾斜面121fで爪131を徐々に押していくことになる。やがて爪131が傾斜面121fを乗り越えて、可動部12の爪121が引っ掛け部13の爪131の下側に係合される。この際、カチッとしたロックの感触(クリック感)とともに係合が完了する。
また、可動部12を閉じている状態では、可動部12の係合部分LK寄りに設けられた第1凸部12aの先端は、仕切り部14よりも穴10h側に位置する。一方、可動部12が開いている状態では第1凸部12aの先端は、仕切り部14よりも穴10hから離れた位置になる。
このような位置関係によれば、可動部12を閉じた際には第1凸部12aの先端によってシートベルトSBを押圧してしっかりと固定することができる。また、第1凸部12aによってシートベルトSBをベース部11側に押さえるため、シートベルトSBを仕切り部14から離すことができる。
一方、可動部12を開いた際には第1凸部12aの先端が仕切り部14よりも穴10hから離れた位置になるため、係合部分LKが拡がってシートベルトSBから簡単に取り外すことができる。また、拡がった係合部分LKからシートベルトSBを穴10hに通す際には、第1凸部12aが邪魔にならず、滑らかにシートベルトSBを穴10hに通すことができるようになる。
(クリップ部を開閉する操作)
図3(a)及び(b)は、クリップ部を開閉する操作を説明する模式図である。
シートベルト引出具1において、クリップ部10の可動部12を開くには、ベース部11を湾曲させるように力を加えると容易に開くことができる。
先ず、図3(a)に表したように、可動部12が閉じている状態で係合部分LKと対向するベース部11の下側を反らすように親指で力を加える。この際、両手の親指をベース部11の下側に添えて左右の手で軽くベース部11を湾曲させる。これにより、図3(b)に表したように、係合部分LKが拡げられ、引っ掛け部13の爪131と可動部12の爪121との係合が外れる。係合が外れると可動部12のバネ性によって可動部12が開くことになる。
一方、可動部12を閉じる際には、開いたときと同様にベース部11の下側に親指を添えてベース部11を僅かに反らすように力を加え、この状態で可動部12を人差し指で閉じるようにする。ベース部11を僅かに反らせることで係合部分LKが拡がることから、可動部12の爪121が引っ掛け部13の爪131を容易に乗り越えて係合しやすくなる。
可動部12の爪121が引っ掛け部13の爪131を乗り越えた際には、「カチッ」というクリック感によって係合した感触を得ることができる。係合したのちはベース部11に加えていた力を抜くと、係合部分LKが閉じて可動部12を確実に固定することができる。
なお、ベース部11を湾曲させることで可動部12の開閉を容易に行えるようにするため、係合部分LKはシートベルト引出具1の全長の中央付近に設けられていることが望ましい。これにより、係合部分LKを中心として左右の手で持って簡単にベース部11を反らせることができ、軽い力を加えるだけで開閉操作を行うことができるようになる。
また、開いている可動部12を閉じる際には、傾斜面121f(図2参照)の角度の作用によって傾斜面121fで爪131を押すことになる。この力によってベース部11は湾曲することになる。したがって、ベース部11を積極的に湾曲させなくても、可動部12を強めに押し込むことでベース部11を湾曲させた場合と同様な状態になり、可動部12の爪121を引っ掛け部13の爪131の下側に係合させることができる。
ここで、爪131が傾斜面121fを乗り越えた直後、力が余って可動部12を余計に押し込むことになる。しかし、押し込まれた可動部12が仕切り部14に当たってストッパとなり、必要以上の可動部12が曲げられることを防止することができる。これにより、可動部12の耐久性が向上する。
上記説明したクリップ部10の構造では、可動部12が閉じている状態で可動部12だけを引っ張り上げようとしても、しっかりとした係合によって容易には外れない。一方、ベース部11を僅かに湾曲させることで係合部分LKが拡がって簡単に可動部12を開くことができる。
つまり、シートベルトSBに装着して可動部12を閉じた状態では確実に固定されており、ヘッド部20を把手として引っ張っても抜けたり、ずれたりすることはない。その一方、緊急時などにおいては、ベース部11を軽く湾曲させることで可動部12が容易に開き、シートベルト引出具1をシートベルトSBから簡単に外すことが可能になる。
(内側部分の構造)
図4は、内側部分の構造を例示する分解斜視図である。
内側部分220は、球状体を2つに割った構造となっている。すなわち、内側部分220は、第1半球部分220Rと第2半球部分220Lとを組み合わせて球状体が構成される。内側部分220は中空構造になっている。これにより、ヘッド部20の重さを必要以上に重くしなくて済む。
また、内側部分220の中空の大きさによってシートベルト引出具1の全体の重量バランスが設定される。つまり、ヘッド部20に取り付けるハンマー部21の数や大きさなどによってシートベルト引出具1の全体の重量バランスが変化する。このため、ヘッド部20を重くしたい場合には内側部分220の中空の領域を小さくし、ヘッド部20を軽くしたい場合には内側部分220の中空の領域を大きくする。このようにしてシートベルト引出具1の全体の重量バランスが設定されることになる。
第1半球部分220R及び第2半球部分220Lのそれぞれには孔220hが設けられる。この孔220hにハンマー部21の軸21aが嵌合することになる。軸21aにはテーパが設けられているため、軸21aを孔220hに確実に嵌合できる。
このように球状体を構成する内側部分220にハンマー部21が取り付けられていることで、ハンマー部21をガラスに殴打した際の反力を球状体で受けることができる。球状体では、板状の支持部材でハンマー部21を受ける場合に比べて受ける力を効率良く分散でき、大きな反力にも耐えうることになる。したがって、強く殴打してもハンマー部21から伝わる反力を内側部分220で確実に支えることができ、殴打力をしっかりと与えて確実にガラスを割ることができる。
(使用例)
次に、本実施形態に係るシートベルト引出具1の使用例について説明する。
図5は、車両のシートベルトへの装着例を示す模式図である。
先ず、シートベルトSBの構造について説明する。シートベルトSBの一端は、センターピラーCPの内側に設けられたリトラクタ50に巻き取られている。リトラクタ50から引き出されているシートベルトSBの他端は、センターピラーCPの上側に設けられたスルーリング51を通され下向きに折り返され、スルータング52を通してシートSTの横のフロア(図示せず)に固定されている。
スルータング52には金具が設けられており、シートSTのスルーリング51とは反対側のフロアに固定されたバックル53と係合するようになっている。シートSTに座った乗員は、シートベルトSBを引き出して肩から斜めに掛け、スルータング52をバックル53に嵌め込む。これにより、シートベルトSBのスルータング52からスルーリング51側の部分は乗員の肩から反対側の腰の付近へ斜め掛けされ、シートベルトSBのスルータング52から固定端側の部分は乗員の腰周りに掛けられることになる。
次に、本実施形態に係るシートベルト引出具1の取り付けについて説明する。シートベルト引出具1は、シートベルトSBのスルータング52の近傍に装着される。シートベルト引出具1をシートベルトSBに装着するには、予めクリップ部10の可動部12を開いておき、可動部12と引っ掛け部13との隙間からシートベルトSBをクリップ部10の穴10hに通す。この際、ヘッド部20が車両前方に向くようにしておく。
次に、シートベルトSBを穴10hに通した状態で可動部12を閉じる。これにより、シートベルトSBが可動部12とベース部11との間で挟持されるとともに、可動部12の第1凸部12a、第2凸部12b及び第3凸部11aによってシートベルトSBをしっかりと噛み込むように固定することができる。
図6(a)及び(b)は、本実施形態に係るシートベルト引出具の使用例を示す模式図である。
図6(a)に表したように、シートSTに座った乗員は、シートベルトSBを引き出す際、予めスルータング52の近傍に装着されたシートベルト引出具1のヘッド部20を掴んで手前に引き出す。
ヘッド部20は適度な大きさの球状体であるため、手のひらで包み込むように握りやすくなっている。また、ヘッド部20の外側部分210は軟らかい材質のため、握った際の感触も優しい。ヘッド部20はネック部30の先端に取り付けられているため、スルータング52よりも前方に突出することになる。このため、乗員は身体を捻ることなくヘッド部20を簡単に掴むことができる。例えば、シートSTの右側にシートベルトSBがある場合、乗員は右手を肩口に持って行くことでシートベルト引出具1のヘッド部20を容易に掴むことができる。
そして、乗員は掴んだヘッド部20を手前に引っ張ることで、シートベルトSBとともにスルータング52を手前に引き出すことができる。シートベルト引出具1はクリップ部10によってしっかりとシートベルトSBに固定されているため、強めに引き出してもシートベルト引出具1がシートベルトSBから外れたり、ずれたりしてしまうことなく確実にシートベルトSBを引き出すことができる。
特に、本実施形態では、係合部分LKとシートベルトSBとの間に仕切り部14が配置されるため、シートベルト引出具1によってシートベルトSBを引き出す際にシートベルトSBから係合部分LKの方向に力が加わっても、仕切り部14によってその力が係合部分LKへ伝わることを阻止することができる。このため、シートベルトSBを引き出す際の力で可動部12が開いてしまうことを効果的に防止することができる。
シートベルトSBを引き出したあとは、図6(b)に表したように、シートベルトSBを肩から斜めに掛け、スルータング52をバックル53に差し込んで固定する。これにより、乗員の肩から腰にかけて、さらに腰周りにシートベルトSBが掛かり、シートベルトSBの装着が完了する。
シートベルトSBを装着した状態では、スルータング52の近傍に取り付けられたシートベルト引出具1は、バックル53の近傍に配置される。すなわち、乗員の腰の近くにシートベルト引出具1が配置されるため、乗員はヘッド部20を握ることでマッサージ効果を得ることもできる。マッサージ効果を高めるため、ヘッド部20には適度な突起を設けておいてもよい。
(緊急時の使用例)
次に、本実施形態に係るシートベルト引出具1の緊急時の使用例について説明する。
車両の水没や事故などで車内に閉じ込められた場合など、緊急時においてガラスを割って脱出しなければならない場合もある。このような場合、本実施形態に係るシートベルト引出具1をガラスを割るためのハンマーとして利用する。
ハンマーとして使用する場合、先ず、クリップ部10の可動部12を開く。可動部12を開くには、図3(a)及び(b)に表したように、ベース部11を僅かに反らすように力を加えると係合部分LKが拡がり、可動部12の爪121が引っ掛け部13の爪131を乗り越えて可動部12が開くようになる。可動部12を開いた後は、可動部12と引っ掛け部13との隙間からシートベルトSBを抜き出す。これにより、シートベルト引出具1がシートベルトSBから取り外される。
図7は、ハンマーとしての使用例を示す模式図である。
シートベルト引出具1をシートベルトSBから外した後は、ハンマー部21に被せられたキャップ21c(図1(a)参照)を外してハンマー部21を露出させる。そして、図7に表したように、シートベルト引出具1のクリップ部10を柄として握り、ハンマー部21の先端をガラスWDに向かって殴打する。これにより、ガラスWDが割れて、車外へ脱出することができる。
シートベルト引出具1はシートベルトSBに取り付けられているため、緊急時のハンマーとして使用したい場合にあわてて探し回ることなく、すぐに手に取って使用することができる。また、シートベルトSBを装着した状態ではシートベルト引出具1がバックル53の近傍にあるため、隣りの座席や後部座席に座っている乗員であっても手に届きやすい。しかも、クリップ部10の解除によって簡単にシートベルトSBから取り外すことができるため、シートベルト引出具1が取り付けられたシートベルトSBを装着した乗員以外であっても取り外してハンマーとして使用することができる。
本実施形態では、シートベルト引出具1をシートベルトSBから外してハンマーとして利用できるため、ガラスWDに向けて振り下ろす際にシートベルトSBが邪魔になることはない。しかも、シートベルトSBの延びる範囲に制限されず、叩きやすい場所や振り下ろしやすい体勢でガラスWDを叩き割ることができる。
以上説明したように、本実施形態に係るシートベルト引出具1によれば、通常はシートベルトSBにしっかり固定してシートベルトSBを引き出すための把手として利用できるとともに、緊急時にはシートベルトSBから迅速に取り外してガラス割りのハンマーとして利用することができる。
なお、上記に本実施形態を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、ヘッド部20として球状体を例としたが、球状体以外の形状であってもよい。また、前述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
以上のように、本発明は、乗用車のシートベルトの他、バス、トラックなどの大型自動車のシートベルト、飛行機のシートベルトにも好適に利用できる。
1…シートベルト引出具
10…クリップ部
10h…穴
11…ベース部
11a…第3凸部
12…可動部
12a…第1凸部
12b…第2凸部
13…引っ掛け部
14…仕切り部
20…ヘッド部
21…ハンマー部
21a…軸
21c…キャップ
30…ネック部
30h…凹部
50…リトラクタ
51…スルーリング
52…スルータング
53…バックル
121…爪
121f…傾斜面
131…爪
210…外側部分
220…内側部分
220L…第2半球部分
220R…第1半球部分
220h…孔
CP…センターピラー
LK…係合部分
SB…シートベルト
ST…シート
WD…ガラス

Claims (5)

  1. シートベルトを通す穴を有し、前記シートベルトに対する固定及び解除を行うクリップ部と、
    ハンマー部を有するヘッド部と、
    一端側に前記ヘッド部が接続され、他端側に前記クリップ部が接続されるネック部と、
    を備え、
    前記クリップ部は、
    前記穴の一方側に設けられたベース部と、
    前記穴の他方側に設けられ、前記ベース部の前記ネック部とは反対側の端部で前記ベース部と接続され、前記ベース部との一体成形によるバネ性で開閉可能に設けられた可動部と、
    前記穴の他方側に設けられ、前記可動部が閉じる際に前記可動部の先端と係合する引っ掛け部と、
    前記引っ掛け部と前記可動部の先端との係合部分と、前記穴との間に設けられた仕切り部と、を有し、
    前記可動部は、閉じている状態で前記ベース部を湾曲させることにより前記可動部の先端が前記引っ掛け部から外れて開くことを特徴とするシートベルト引出具。
  2. 前記可動部の前記係合部分寄りには前記穴側に凸となる凸部が設けられ、
    前記可動部が閉じている状態では前記凸部の先端は前記仕切り部よりも前記穴側に位置し、前記可動部が開いている状態では前記凸部の先端は前記仕切り部よりも前記穴から離れた位置になることを特徴とする請求項1記載のシートベルト引出具。
  3. 前記可動部の先端には傾斜面が設けられ、
    前記可動部を閉じる際には前記引っ掛け部と前記傾斜面とが当接して前記引っ掛け部から前記傾斜面への圧力が徐々に強くなり、前記引っ掛け部が前記傾斜面を乗り越えることで前記可動部の閉じた状態が保持されることを特徴とする請求項1または2に記載のシートベルト引出具。
  4. 前記ヘッド部は、
    前記クリップ部よりも軟らかい第1の硬さを有する外側部分と、
    前記第1の硬さよりも硬い第2の硬さを有し、前記外側部分の内側に設けられた内側部分と、を有し、
    前記内側部分には前記ハンマー部の根元を嵌める孔が設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のシートベルト引出具。
  5. 前記内側部分は中空構造であることを特徴とする請求項4記載のシートベルト引出具。
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