JP6403990B2 - 硬化性樹脂組成物、及び、樹脂硬化物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、及び、樹脂硬化物 Download PDF

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本発明は、硬化後に優れた耐衝撃性及び耐熱性を発揮できる硬化性樹脂組成物に関する。また、本発明は、該硬化性樹脂組成物を硬化させて製造された樹脂硬化物に関する。
エポキシ樹脂接着剤は、エポキシ樹脂と硬化剤とが加熱により反応して硬化する接着剤であり、例えば、一液型若しくは二液型の液状、又は、フィルム状の形態をとる。エポキシ樹脂接着剤は、その硬化物が優れた接着性、耐熱性、耐薬品性、電気的性質等を有することから、各分野で広く用いられている。特にビスフェノール型エポキシ樹脂を用いた場合には、高い耐熱性を有する硬化物を得ることができる。
しかしながら、エポキシ樹脂接着剤は、その硬化物が一般に脆くて柔軟性が不充分であり、耐衝撃性に劣るという問題があった。
耐衝撃性を向上させるために、エポキシ樹脂と、柔軟性の高いポリシロキサン骨格を有する化合物とを併用することが検討されている。特に、エポキシ樹脂とポリシロキサン骨格を有する化合物とは相溶性が悪いため、相溶性を向上させるために様々な試みがなされている。例えば、特許文献1には、硬化性樹脂にポリシロキサン系化合物を分散させ、さらに該ポリシロキサン系化合物の相溶化剤として、芳香族系樹脂とポリシロキサン系化合物とからなるブロック共重合体を使用した硬化性樹脂組成物が記載されている。
しかしながら、エポキシ樹脂とポリシロキサン骨格を有する化合物が相溶すると、エポキシ樹脂の高いガラス転移温度(Tg)が低くなり、耐熱性が低下するという問題が生じていた。また、期待したほどには耐衝撃性も向上しなかった。
このような耐熱性の低下を防ぐために、硬化物を相分離構造にすることが検討されている。例えば、特許文献2及び3には、エポキシ樹脂、及び、相分離構造を形成可能なシロキサン変性ポリアミドイミドを含有する耐熱性接着剤及び耐熱性樹脂組成物が記載されている。
しかしながら、良好な相分離構造を形成させ、かつ、熱が加えられても相分離構造を維持することは難しく、充分に高い耐衝撃性と耐熱性とを両立できる硬化性樹脂組成物はこれまで得られていなかった。
特開平5−302033号公報 特開2001−152125号公報 特開2001−139809号公報
本発明は、硬化後に優れた耐衝撃性及び耐熱性を発揮できる硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、該硬化性樹脂組成物を硬化させて製造された樹脂硬化物を提供することを目的とする。
本発明は、(a)ビスフェノール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂及びビフェニル型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂10〜90重量部、(b)重量平均分子量400以下の(メタ)アクリル基を有するポリシロキサン化合物10〜90重量部、(c)エポキシ樹脂硬化剤、及び、(d)ラジカル重合開始剤を含有する硬化性樹脂組成物である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、所定のエポキシ樹脂と、重量平均分子量400以下の(メタ)アクリル基を有するポリシロキサン化合物とを所定の配合量で含有する硬化性樹脂組成物は、硬化後には相分離構造を形成し、耐衝撃性を維持しつつ、高いガラス転移温度(Tg)及び低い熱応力を得ることができる(即ち、優れた耐熱性を発揮できる)ことを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(a)ビスフェノール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂及びビフェニル型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂10〜90重量部、(b)重量平均分子量400以下の(メタ)アクリル基を有するポリシロキサン化合物10〜90重量部、(c)エポキシ樹脂硬化剤、及び、(d)ラジカル重合開始剤を含有する。
上記(a)エポキシ樹脂を含有することで、本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化後の耐熱性が向上する。なかでも、アントラセン型エポキシ樹脂が好ましい。
上記ビスフェノール型エポキシ樹脂は、ビスフェノール骨格と、エポキシ基とを有していれば特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型等のエポキシ樹脂が挙げられる。これらのビスフェノール型エポキシ樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、汎用性が高いことから、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好ましい。
上記ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、1000を超えると、上記(b)ポリシロキサン化合物と相溶しないことがあるため、1000以下が好ましい。エポキシ当量のより好ましい上限は500である。
上記ビスフェノール型エポキシ樹脂の市販品として、例えば、EP−4100E(ビスフェノールA型エポキシ、エポキシ当量190、ADEKA社製)、YDF−170(ビスフェノールF型エポキシ、エポキシ当量170、新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂は、ジシクロペンタジエン骨格と、エポキシ基とを有していれば特に限定されず、例えば、下記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂が挙げられる。これらのジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
一般式(1)中、m個のRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基又はt−ブチル基を表す。nは0〜4の整数、mは1〜3の整数を表す。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、1000を超えると、上記(b)ポリシロキサン化合物と相溶しないことがあるため、1000以下が好ましい。エポキシ当量のより好ましい上限は500である。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の市販品として、例えば、HP−7200L(エポキシ当量247、DIC社製)、HP−7200H(エポキシ当量278、DIC社製)、HP−7200(エポキシ当量257、DIC社製)等が挙げられる。
上記アントラセン型エポキシ樹脂は、アントラセン骨格と、エポキシ基とを有していれば特に限定されず、例えば、下記一般式(2)で表されるエポキシ樹脂が挙げられる。
一般式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す。
上記アントラセン型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、1000を超えると、上記(b)ポリシロキサン化合物と相溶しないことがあるため、1000以下が好ましい。エポキシ当量のより好ましい上限は500である。
上記アントラセン型エポキシ樹脂の市販品として、例えば、YX8800(アントラセン型エポキシ、エポキシ当量179、三菱化学社製)、等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂は、ビフェニル骨格と、エポキシ基とを有していれば特に限定されず、例えば、下記一般式(3)で表されるエポキシ樹脂が挙げられる。これらのビフェニル型エポキシ樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
一般式(3)中、R〜Rは、水素原子或いは炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基を表し、全てが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、1000を超えると、上記(b)ポリシロキサン化合物と相溶しないことがあるため、1000以下が好ましい。エポキシ当量のより好ましい上限は500である。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂の市販品として、例えば、YX4000H(ビフェニル型エポキシ、エポキシ当量192、三菱化学社製)、YL6121H(ビフェニル型エポキシ、エポキシ当量175、三菱化学社製)、等が挙げられる。
上記(b)ポリシロキサン化合物は柔軟性の高いポリシロキサン骨格を有するため、本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化後の耐衝撃性が向上する。
ここで、通常、エポキシ樹脂とポリシロキサン骨格を有する化合物とは相溶性が悪いが、上記(b)ポリシロキサン化合物は重量平均分子量が400以下であるため、本発明の硬化性樹脂組成物においては上記(a)エポキシ樹脂と上記(b)ポリシロキサン化合物との相溶性が良くなり、また、硬化後には相分離構造を形成し、耐衝撃性を維持しつつ、高いガラス転移温度(Tg)及び低い熱応力を得ることができる(即ち、優れた耐熱性を発揮できる)。なお、上記(a)エポキシ樹脂の代わりにその他のエポキシ樹脂を用いた場合には、上記(b)ポリシロキサン化合物との相溶性が悪くなったり、硬化性樹脂組成物が硬化後に相分離構造を形成しなくなったりしてしまう。
また、上記(b)ポリシロキサン化合物は(メタ)アクリル基を有するため、本発明の硬化性樹脂組成物においては、硬化後には上記(a)エポキシ樹脂と上記(b)ポリシロキサン化合物とが3次元の架橋構造を形成する。これにより、熱が加えられたときの流動性が抑えられ、相分離構造が維持されるため、硬化後の耐熱性が更に向上する。
上記(b)ポリシロキサン化合物は、(メタ)アクリル基と、ポリシロキサン骨格とを有していれば特に限定されず、例えば、複数の(メタ)アクリル基を有する、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、及び、これらの変性物等が挙げられる。なお、変性物とは、側鎖又は末端に有機基が導入された化合物を意味する。
上記(b)ポリシロキサン化合物の重量平均分子量は400以下である。重量平均分子量が400を超えると、上記(a)エポキシ樹脂と上記(b)ポリシロキサン化合物との相溶性が悪くなり、分離してしまう。上記(b)ポリシロキサン化合物の重量平均分子量の下限は特に限定されない。
上記(b)ポリシロキサン化合物の官能基当量((メタ)アクリル基当量)の好ましい下限は150、好ましい上限は5000である。官能基当量が150未満であると、硬化性樹脂組成物の硬化後の耐衝撃性が低下することがある。官能基当量が5000を超えると、硬化性樹脂組成物が硬化後に3次元の架橋構造を充分に形成できず、耐熱性が低下することがある。官能基当量のより好ましい下限は200、より好ましい上限は2500である。
上記(b)ポリシロキサン化合物の含有量は、上記(a)エポキシ樹脂10〜90重量部に対して、10〜90重量部である。上記(b)ポリシロキサン化合物の含有量が上記範囲より少ないと、硬化性樹脂組成物の硬化後の耐衝撃性又は耐熱性が低下する。上記(b)ポリシロキサン化合物の含有量が上記範囲を超えると、硬化性樹脂組成物の硬化後の耐熱性が低下する。上記(b)ポリシロキサン化合物の含有量のより好ましい下限は30重量部、より好ましい上限は70重量部である。一方、上記(a)エポキシ樹脂の含有量のより好ましい下限は30重量部、より好ましい上限は70重量部である。
上記(c)エポキシ樹脂硬化剤は特に限定されず、従来公知のエポキシ樹脂硬化剤を適宜選択することができ、例えば、酸無水物系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、ジシアンジアミド等の潜在性硬化剤、カチオン系触媒型硬化剤等が挙げられる。これらの(c)エポキシ樹脂硬化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、樹脂硬化物の物性等に優れることから、酸無水物系硬化剤、イミダゾール系硬化剤が好ましい。
上記酸無水物系硬化剤の市販品として、例えば、YH−306、YH−307(以上、三菱化学社製)、YH−309(三菱化学社製、酸無水物系硬化剤)等が挙げられる。
上記イミダゾール系硬化剤の市販品として、例えば、イミダゾールの1位をシアノエチル基で保護した1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、イソシアヌル酸で塩基性を保護したイミダゾール系硬化促進剤(商品名「2MA−OK」、四国化成工業社製)、2MZ、2MZ−P、2PZ、2PZ−PW、2P4MZ、C11Z−CNS、2PZ−CNS、2PZCNS−PW、2MZ−A、2MZA−PW、C11Z−A、2E4MZ−A、2MAOK−PW、2PZ−OK、2MZ−OK、2PHZ、2PHZ−PW、2P4MHZ、2P4MHZ−PW、2E4MZ・BIS、VT、VT−OK、MAVT、MAVT−OK(以上、四国化成工業社製)等が挙げられる。
上記(c)エポキシ樹脂硬化剤の含有量は特に限定されないが、上記(a)エポキシ樹脂100重量部に対して、好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は500重量部である。含有量が0.1重量部未満であると、硬化性樹脂組成物を充分に硬化させることができなかったり、硬化のために高温で長時間の加熱を必要としたりすることがある。含有量が500重量部を超えても、特に硬化性樹脂組成物の硬化性には寄与しない。
上記(d)ラジカル重合開始剤は特に限定されず、例えば、AIBN(2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)等のアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。
上記(d)ラジカル重合開始剤の含有量は特に限定されないが、上記(b)ポリシロキサン化合物100重量部に対して、好ましい下限は0.01重量部、好ましい上限は10重量部である。含有量が0.01重量部未満であると、硬化性樹脂組成物が硬化後に3次元の架橋構造を充分に形成できず、耐熱性が低下することがある。含有量が10重量部を超えても、特に硬化性樹脂組成物の硬化性には寄与しない。
なお、上記(c)エポキシ樹脂硬化剤として比較的硬化反応の遅い硬化剤を、上記(d)ラジカル重合開始剤として比較的硬化反応の速い開始剤を用いることが好ましい。これにより、上記(a)エポキシ樹脂の硬化反応と、上記(b)ポリシロキサン化合物の硬化反応との反応速度の差が大きくなり、その結果、硬化後に相分離構造が形成されやすくなる。
このような上記(c)エポキシ樹脂硬化剤と、上記(d)ラジカル重合開始剤との組み合わせとして、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール(例えば、四国化成工業社製の2E4MZ)と2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(例えば、和光純薬工業社製のAIBN)との組み合わせ、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール(例えば、四国化成工業社製の2E4MZ−CN)と2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(例えば、和光純薬工業社製のADVN)との組み合わせ、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物(例えば、四国化成工業社製の2MA−OK)とt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(例えば、日油社製のパーブチルO)との組み合わせ等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物を製造する方法は特に限定されず、例えば、上記(a)エポキシ樹脂、上記(b)ポリシロキサン化合物、上記(c)エポキシ樹脂硬化剤、及び、上記(d)ラジカル重合開始剤をホモディスパー等を用いて攪拌混合する方法が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化後には相分離構造を形成しているため、耐衝撃性を有している。また、本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化後に高いガラス転移温度(Tg)、即ち優れた耐熱性、及び、低い熱応力を得ることができるため、例えば、電子機器分野、自動車分野等の用途に好適に用いられる。
本発明の硬化性樹脂組成物を硬化する条件は特に限定されないが、例えば、150℃2時間の条件で本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させることができる。このような本発明の硬化性樹脂組成物を硬化させて製造された樹脂硬化物もまた、本発明の1つである。
本発明の樹脂硬化物が相分離構造を有することは、電子顕微鏡(例えば、透過電子顕微鏡JEM−2100(日本電子社製)等)で観察したとき、不均一な相構造が観察されることで確認することができる。一例として、図1に、実施例1で得られた硬化性樹脂組成物を150℃2時間の条件で硬化させて製造した樹脂硬化物の透過電子顕微鏡写真を示す。図1に示す透過電子顕微鏡写真では、黒部が(b)ポリシロキサン化合物で構成される相、白部が(a)エポキシ樹脂で構成される相である。
ただし、本発明の樹脂硬化物の相分離構造は、図1に示すような相分離構造に限定されるものではない。
また、本発明の樹脂硬化物が相分離構造を有することは、ガラス転移温度(Tg)を測定したとき、tanδのピークが2つ観察されることで確認することもできる。
本発明の樹脂硬化物のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは120℃以上、より好ましくは150℃以上である。なお、樹脂硬化物のガラス転移温度(Tg)は、動的粘弾性測定装置(例えば、動的粘弾性測定装置DVA−200(アイティー計測制御社製)等)により、例えば、サンプル長さ30mm、チャック間隔20mm、周波数10Hz、昇温速度10℃/minの条件で測定することができる。
本発明の樹脂硬化物の熱応力の好ましい上限は20Mpaである。熱応力が20Mpaを超えると、特に電子機器分野等に用いる場合には、熱履歴に対する耐久性が不充分となることがある。なお、樹脂硬化物の熱応力は、貯蔵弾性率と線膨張係数とから求めることができる。
本発明によれば、硬化後に優れた耐衝撃性及び耐熱性を発揮できる硬化性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該硬化性樹脂組成物を硬化させて製造された樹脂硬化物を提供することができる。
実施例1で得られた硬化性樹脂組成物を150℃2時間の条件で硬化させて製造した樹脂硬化物の透過電子顕微鏡写真である。
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1〜11、比較例1〜5)
表1又は2に記載の組成に従って、下記に示す材料をホモディスパーを用いて攪拌混合し、硬化性樹脂組成物を調製した。
(a)エポキシ樹脂
・EP−4100E(ビスフェノールA型エポキシ、エポキシ当量190、ADEKA社製)
・YDF−170(ビスフェノールF型エポキシ、エポキシ当量170、新日鐵化学社製)
・HP−7200L(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、エポキシ当量247、DIC社製)
・HP−7200H(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、エポキシ当量278、DIC社製)
・YX8800(アントラセン型エポキシ、エポキシ当量179、三菱化学社製)
・YX4000H(ビフェニル型エポキシ、エポキシ当量192、三菱化学社製)
・YL6121H(ビフェニル型エポキシ、エポキシ当量175、三菱化学社製)
(a’)その他のエポキシ樹脂
・水添ビスフェノールA型エポキシ(エポキシ当量205、三菱化学社製)
・YDCN−704(o−クレゾールノボラック型エポキシ、エポキシ当量210、軟化点90℃、新日鉄住金化学社製)
(b)ポリシロキサン化合物
・X−22−164(メタクリル基を有するポリジメチルシロキサン、重量平均分子量380、官能基当量190、信越化学工業社製)
(b’)その他のポリシロキサン化合物
・X−22−164AS(メタクリル基を有するポリジメチルシロキサン、重量平均分子量900、官能基当量450、信越化学工業社製)
(c)エポキシ樹脂硬化剤
・2E4MZ(2−エチル−4−メチルイミダゾール、四国化成工業社製)
(d)ラジカル重合開始剤
・AIBN(2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、和光純薬工業社製)
<評価>
実施例、比較例で得られた硬化性樹脂組成物について、下記の評価を行った。結果を表1及び2に示した。
(1)相溶性
硬化性樹脂組成物を目視で観察することにより、エポキシ樹脂とポリシロキサン化合物との相溶性を評価した。分離がなかった場合を○、2相以上に分離した場合を×とした。
(2)相分離構造の確認
硬化性樹脂組成物を150℃2時間の条件で硬化させて、樹脂硬化物を製造した。
得られた樹脂硬化物を透過電子顕微鏡JEM−2100(日本電子社製)で観察することにより、相分離構造の確認を行った。不均一な相構造が観察された場合に、相分離構造が形成されていると判断した。一例として、図1に、実施例1で得られた硬化性樹脂組成物を150℃2時間の条件で硬化させて製造した樹脂硬化物の透過電子顕微鏡写真を示す。図1に示す透過電子顕微鏡写真では、黒部が(b)ポリシロキサン化合物で構成される相、白部が(a)エポキシ樹脂で構成される相である。
また、得られた樹脂硬化物について、動的粘弾性測定装置DVA−200(アイティー計測制御社製)を用いてサンプル長さ30mm、チャック間隔20mm、周波数10Hz、昇温速度10℃/minの条件でガラス転移温度(Tg)を測定することにより、相分離構造の確認を行った。tanδのピークが2つ観察された場合に、相分離構造が形成されていると判断した。
上記の2つの確認方法から、相分離構造が形成されていると判断された場合を○、相分離構造が形成されていないと判断された場合を×とした。
(3)耐熱性(Tg測定)
上記「(2)相分離構造の確認」と同様にして得られた樹脂硬化物について、上記「(2)相分離構造の確認」で測定したtanδのピークのうち、高温側のピークの温度をガラス転移温度(Tg)とした。
(4)耐衝撃性
上記「(2)相分離構造の確認」と同様にして得られた樹脂硬化物について、JIS K7111に従い、デジタル衝撃試験機DG−UB型(東洋精機製作所社製)を用いてシャルピー衝撃試験を行い、樹脂硬化物を破壊させたときの衝撃値を評価し、耐衝撃性とした。
本発明によれば、硬化後に優れた耐衝撃性及び耐熱性を発揮できる硬化性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該硬化性樹脂組成物を硬化させて製造された樹脂硬化物を提供することができる。

Claims (3)

  1. (a)ビスフェノール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂及びビフェニル型エポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂10〜90重量部、
    (b)重量平均分子量400以下の(メタ)アクリル基を有するポリシロキサン化合物10〜90重量部、
    (c)エポキシ樹脂硬化剤、及び、
    (d)ラジカル重合開始剤を含有し、
    前記エポキシ樹脂のエポキシ当量が170以上、500以下であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 請求項1記載の硬化性樹脂組成物を硬化させて製造されたことを特徴とする樹脂硬化物。
  3. 相分離構造を有することを特徴とする請求項2記載の樹脂硬化物。
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