JP6403421B2 - 焼結装置および焼結方法 - Google Patents

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本発明は粉末原料の焼結装置および焼結方法に関し、特に、放電プラズマ焼結手段を用いた焼結装置および焼結方法に関する。
放電プラズマ焼結は、圧縮された粉体粒子間に低電圧でパルス状の大電流を流したときに放電現象により瞬時に発生する放電プラズマを焼結に応用するものである。従来の加圧と加熱のみによる焼結方法に比べ、200〜500℃ほど低い温度で、しかも数分程度という短い時間で焼結できるという特徴がある。粒子表面のみの発熱による急速昇温が可能であるため、出発原料の粒成長を抑制することができ、短時間で緻密な焼結体を得ることができる。粉体の破壊を阻止できるため従来の一般的な焼結方法では難しい材料にも適用でき、熱電材料や磁性材料でも使われ始めている。
従来の放電プラズマ焼結装置は、成形ダイとその成形ダイに挿入される上パンチおよび下パンチとからなる成形型を真空チェンバー内に配置し、成形ダイの中の粉末原料を上下パンチにより数トンの圧力を加えて圧縮し、上下パンチと成形ダイを通じてパルス状電流を流すことにより粉末原料を焼結させるものである。従来の放電プラズマ焼結装置の一例が特許文献1に記載されている。
特許公開2001−348277
従来の放電プラズマ焼結装置では、パルス電流を流した場合、上パンチから粉末原料を経由して下パンチに流れる電流と、上パンチから成形ダイを経由して下パンチに流れる電流とが存在する。原料を経由した電流は放電プラズマ焼結に直接的に寄与し、成形ダイを経由した電流は原料温度を上げる役割をする。原料を経由する電流と成形ダイを経由する電流の割合は、粉末原料の抵抗率、成形ダイとパンチの形状によって決まるが、粉末原料の抵抗率はプレス状態で変わり、パンチの先端の形状は原料との反応などで損傷するため経時的に変形する。そのため、このように放電プラズマ焼結と加熱の両方の機能をパルス通電のみにより実現する従来の方法では、温度制御と放電プラズマ制御の両方を安定して行うことが難しく、品質にばらつきが生じていた。
また、従来の真空チェンバーは保温機能が無いため、パンチを経由してサーボプレスシャフトから逃げる熱と成形ダイから放熱する熱を補うために、更に余分な電力を必要とし、このため大きなパルス電流が必要となる。さらに、高温で長時間の焼結を行う場合は、パンチと成形ダイおよび焼結原料のみ温度が上がるわけではなく、パルス電流が流れる全ての部分で温度が上昇するため、余分な部分の過熱を押さえるため大掛かりな冷却システムが必要となる。また、複数個の成形型を直列に並べて複数個の焼結を行うことを実現しようとする場合、全ての成形型が温度上昇するのでパワーが足りなくなると同時に冷却も追い付かなくなる。
また、放電プラズマ焼結させるためには、真空あるいは不活性ガス雰囲気中で行う必要があるので、従来は大型のステンレス製の水冷チャンバーを用いてなされており、真空に到達するまでの時間が長く、連続的に生産することが困難であった。
そこで、本発明は、係る問題を解決するためになされたものであり、過大なパルス電流を流すことなく、特性ばらつきの少ない良好な焼結品を得ることが可能な焼結装置および焼結方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の観点では、本発明の焼結装置は、成形ダイと該成形ダイに挿入される上パンチおよび下パンチとからなる成形型をチェンバー内に配置し、前記成形ダイの中の粉末原料を前記の上下パンチを使用して圧縮し、前記の上下パンチ間にパルス状電流を流して焼結させる放電プラズマ焼結手段を備え、前記チェンバーは石英チューブの内側に断熱材を配置して構成し、前記石英チューブの外側に前記成形ダイまたは前記粉末原料を高周波誘導加熱する手段を備えたことを特徴とする。このように、石英チューブと断熱材で構成されたチャンバーを用いることで従来のチェンバーよりも保温性能が向上し、さらにパルス通電による加熱に加えて高周波誘導加熱することにより、パルス電流を最小限に抑えてパルス電源を小型化することができる。また、高周波誘導加熱を併用することで必要な部分のみ集中的に温度上昇させることが可能となり、パンチと粉末原料境界での異常発熱を抑えてパンチ先端の損傷を抑えることができる。断熱材の一例としてはカーボンフェルトを用いることができる。
第2の観点では、本発明は、前記第1の観点の焼結装置において、前記成形ダイは上下方向の中央部に絶縁体または高抵抗体からなる層状部分を有することを特徴とする。導電性粉末原料を焼結する場合には、これにより、粉末原料にほぼ集中して通電させることが可能となり、加熱を兼ねて成形ダイにも通電する場合よりもはるかに少ないパルス電流で焼結が得られるようになる。
第3の観点では、本発明は、前記第1または第2の観点の焼結装置において、前記成形型を上下方向に複数個積み重ねて前記チェンバー内に配置し、前記チェンバーの上方に最上部に配置された前記成形型の上パンチを押圧するサーボプレスシャフトを有するサーボプレスを設置し、前記チェンバーの下方にプレス台を設置し、該プレス台は制御により開口して前記成形型を排出することが可能なシャッター機構を有することを特徴とする。このようにプレス台とサーボプレス間に複数個の成形型を積み上げ、サーボプレスにより順次下方向に送り込み、粉末原料が高周波誘導加熱部分に位置したときに上下パンチで圧縮した後、パルス状電流を粉末原料に通電することにより、少ない電力で均質な焼結体を連続的に得ることができる。さらに、チャンバーの下端にシャッター機構を有し高荷重に耐えられるプレス台を設けたことで、シャッターを閉じた状態でプレス焼成した後、シャッターを開いて最下部の成形型のみ落下させ、次のプレス時にサーボプレスシャフトに押されて閉じられたシャッターまで成形型が移動し次の原料が同様に焼結される。これを繰り返すことで連続焼結が可能となる。
第4の観点では、本発明は、前記第1の観点の焼結装置において、粉末原料を挟んだ複数の上下パンチが成形ダイの上下方向に連続して通過可能に構成された成形型を有し、前記成形ダイは上下方向の中央部に絶縁体または高抵抗体からなる層状部分を有し、該層状部分は前記高周波誘導加熱手段により加熱される領域に位置することを特徴とする。このように中央部に電流を遮断する層状部分を有するように成形ダイを構成して上下パンチの形状をその成形ダイ中を通過できるようにし、導電性粉末原料が高周波誘導加熱部分に位置したときに上下パンチで圧縮した後、パルス状電流を流すことで、目的とする粉末原料のみに通電させることが可能となり、従来の加熱を兼ねたパルス通電よりはるかに少ないパルス電流で焼結が得られる。
第5の観点では、本発明は、前記第4の観点の焼結装置において、前記上下パンチを上下方向に複数個積み重ねて前記チェンバー内に配置し、前記チェンバーの上方に最上部に配置された上パンチを押圧するサーボプレスシャフトを有するサーボプレスを設置し、前記チェンバーの下方にプレス台を設置し、該プレス台は制御により開口して前記上下パンチを排出することが可能なシャッター機構を有することを特徴とする。成形ダイを例えば導電性材料で構成し、複数の上下パンチが挿入できるように長尺形状とし、その成形ダイに、下パンチ、粉末原料、上パンチのセットを順に複数セット装填し、各セット毎にサーボプレスにより下方向に送り込み、粉末原料が加熱部分に位置したときに上下パンチで圧縮した後パルス状電流を粉末原料に通電することにより、少ない電力で均質な焼結体を連続的に得ることができる。
第6の観点では、本発明の焼結方法は、前記第3の観点の焼結装置を用い、前記サーボプレスにより前記複数個の成形型を順次下方向に送り込み、焼結する粉末原料が前記高周波誘導過熱手段により加熱される領域に位置したときに前記サーボプレスを用いて前記上下パンチにより前記粉末原料を圧縮し、その状態で前記高周波誘導加熱手段により加熱し、その後、上下パンチ間にパルス状電流を通電することにより焼結することを特徴とする。
第7の観点では、本発明の焼結方法は、前記第5の観点の焼結装置を用い、前記サーボプレスにより前記複数個の上下パンチを順次下方向に送り込み、焼結する粉末原料が前記高周波誘導過熱手段により加熱される領域に位置したときに前記サーボプレスを用いて前記上下パンチにより前記粉末原料を圧縮し、その状態で前記高周波誘導加熱手段により加熱し、その後、上下パンチ間にパルス状電流を通電することにより焼結することを特徴とする。
第8の観点では、本発明の焼結装置は、前記第3または第5の観点の焼結装置において、焼結された粉末原料を保持した成形型または上下パンチを一時的に保持するため、前記シャッター機構の上方に前記シャッターの開口よりも小さな内径を有する保持用シリンダーを配置したことを特徴とする。焼結が終了後、最下部の焼結体を保持した成形型または上下パンチはシャッターの上部に設けられた保持用シリンダーに一時的に保持され、その後シャッターを開いて下方の収納ボックスなどに収納される。これによりシャッターが開いても成形型または上下パンチは保持用シリンダーで一旦保持されるので、1個ずつ下方に送出できる。最下部より上の部分は、次のプレス時にサーボプレスシャフトに押されてシャッターが閉じたプレス台まで移動し、焼結位置に到達した次の原料が焼結される。これを繰り返すことで連続焼結された焼結体が収納可能となる。保持用シリンダーの材料の一例としてはシリコーンなどがある。
以上のように、本発明では、過大なパルス電流を流すことなく、特性ばらつきの少ない焼結品を得ることが可能な焼結装置および焼結方法が得られる。
実施例1に係る焼結装置の焼結炉の概略を示す模式的な断面図。 成形型の構成を示す断面図。 実施例2に係る焼結装置の焼結炉の概略を示す模式的な断面図。 実施例3に係る焼結装置の焼結炉の概略を示す模式的な断面図。 石英チャンバーの内部に成形ダイおよび複数の上下パンチを挿入した状態を示す拡大断面図。
以下、図面を参照して本発明の焼結装置および焼結方法を実施例により詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一符号を付し、その重複した説明を省略する。
図1は実施例1に係る焼結装置の焼結炉の概略を示す模式的な断面図である。本実施例の焼結装置は、電気制御盤と焼結炉1とから成り、図1は焼結炉1を示している。焼結炉1は放電プラズマ焼結手段と高周波誘導加熱手段の両方を備え、電気制御盤は、放電プラズマ焼結のためにパルス電流を発生するインバーター制御パルス電源と、高周波誘導加熱のための高周波発振器電源と、サーボプレス電源とで構成されている。焼結炉1は、内側に断熱材としてカーボンフェルト13を配置した石英チューブからなる石英チャンバー12と、石英チャンバー12の下部、上部にそれぞれ配置されたベースチャンバー14、トップチャンバー15と、石英チャンバー12の内部に挿入される原料を保持した成形型11に圧力を加えるためのシャフト17を備えたサーボプレス16、石英チャンバー12内の気体を排出するための真空ポンプ18、その他、図示を省略するが、アルゴンガスの導入部および流量計などを備えている。また、高周波誘導加熱のための誘導加熱コイル19を備えている。トップチャンバー15は石英チャンバー12を密閉可能で、シャフト17を石英チャンバー12内に挿入するときに開放可能となる構造を有している。また、成形型の下側には圧力を支えるプレス台、またはその代わりになるプレス台シャフトなどを配置し、焼結後にそのプレス台等を取り外して焼結体を取り出す構成である。
図2は成形型11の構成を示す断面図である。成形型11は成形ダイ41と成形ダイ41に挿入される上パンチ42および下パンチ43とからなる。放電プラズマ焼結では、成形ダイ41の中の粉末原料44をサーボプレス16のシャフト17により上下パンチ42、43間に圧力を加えて圧縮し、その後上下パンチ42、43間にパルス状電流を流して焼結させる。
次に、本実施例の焼結装置を用いてMgSi(マグネシウムシリサイド)を焼結する場合について詳細に説明する。この場合、成形型11は、外径39mm、内径20mm、高さ68mmの成形ダイ41と、外径20mm、高さ35mmの先端部と外径50mm、高さ8mmの基部を炭素材で一体に形成した上パンチ42、およびそれと同一の下パンチ43とで構成した。
切削粉状のMg(マグネシウム)とSi(シリコン)を所定の比率で3g秤量し、この粉末原料を成形型11の成形ダイ41に充填して本装置で焼結を行った。
まず、粉末原料44を充填した成形型11を本焼結装置の焼結炉1にセットして、真空ポンプ18で1Pa以下に排気した後Arガスで置換する。Arガスを5l/min流した状態で、サーボプレス16で加圧し、圧縮圧力を20MPa/cmに維持した。この状態で、高周波誘導加熱電源を入れ4KWで30秒加熱して450℃まで温度を上げた。その後、高周波誘導加熱電源の出力を3KWとし、放電プラズマ焼結のパルス通電を、電流800A、パルス幅150msecのON状態と、電流0A、パルス幅10msecのOFF状態との繰り返しで850℃まで昇温させて3分間保持した。その後、加圧を開放して電源を切った。
上記のようなパルス通電と高周波誘導加熱による焼結により、外径20mm、高さ5mmのMgSi焼結体が得られた。得られた焼結体は密度が96%以上であった。同様な条件で、放電プラズマ焼結のパルス通電のみで実施した場合は得られた焼結体の密度は92%となり、高周波誘導加熱だけでは焼結体の密度は80%程しか得られなかった。この結果、パルス通電と高周波誘導加熱の両方を用いた本発明の効果が確認できた。
図3は実施例2に係る焼結装置の焼結炉の概略を示す模式的な断面図である。本実施例の焼結装置は、電気制御盤と焼結炉2とから成り、図3は焼結炉2を示している。本実施例の焼結装置の基本的な構成は実施例1と同様であるが、本実施例の焼結炉2は、成形型11を上下方向に複数個積み重ねて石英チェンバー12内に配置する構成であり、ベースチェンバー14の下側にプレス台20を設置し、プレス台20は制御により開口して成形型11を排出することが可能なシャッター機構を有している。さらに、成形型11を一時的に保持するため、プレス台20の上方にシャッターの開口よりも小さな内径を有する保持用シリンダーとしてシリコンシリンダー21を配置している。また、焼結体を保持した成形型を収納するため、プレス台20の下部に収納ポケット22を備えている。
このようにプレス台20とサーボプレス16の間に複数個の成形型11を積み上げ、サーボプレス16により順次下方向に送り込み、粉末原料が高周波誘導加熱部分に位置したときに上下パンチで圧縮した後、パルス状電流を粉末原料に通電する。シャッターを閉じた状態でプレス焼成した後、シャッターを開き、シャフト17に押されて次の成形型11が高周波誘導加熱部分に移動する。このときシリコンシリンダー21で保持された最下部の成形型のみ落下させる。これを繰り返すことで連続焼結が可能となる。また、シャッターが開いても成形型11はシリコンシリンダー21で一旦保持されるので連続して収納ポケット22には落下しない。
次に、本実施例の焼結装置を用いてAl(酸化アルミニウム)を焼結する場合について詳細に説明する。この場合、成形型11は、外径39mm、内径20mm、高さ68mmの成形ダイ41と、外径20mm、高さ35mmの先端部と外径50mm、高さ8mmの基部を炭素材で一体に形成した上パンチ42および下パンチ43とで構成した。
切削粉状のAl(アルミニウム)を3g秤量し、この粉末原料を成形型11の成形ダイ41に充填して本装置で焼結を行った。
まず、粉末原料44を充填した1個の成形型11を本焼結装置の焼結炉2にセットして高周波誘導加熱部分に配置し、真空ポンプ18で1Pa以下に排気した後Arガスで置換する。Arガスを5l/min流した状態で、サーボプレス16で加圧し、圧縮圧力を20MPa/cmに維持した。この状態で、高周波誘導加熱電源を入れ4KWで30秒加熱して450℃まで温度を上げた。その後、高周波誘導加熱電源の出力を4KWとし、放電プラズマ焼結のパルス通電を、電流800A、パルス幅150msecのON状態と、電流0A、パルス幅10msecのOFF状態との繰り返しで1200℃まで昇温させて3分間保持した。その後、加圧を開放して電源を切った。
上記のようなパルス通電と高周波誘導加熱による焼結により、外径20mm、高さ3mmのAl焼結体が得られた。得られた焼結体は密度が77%であった。
焼結終了後は次の成形型11をトップチャンバー15を開けて挿入し、サーボプレスにより下方向に送り込み、高周波誘導加熱部分に移動させる。このとき焼結後の成形型11はシリコンシリンダー21で保持される。すでにシリコンシリンダー21に保持されている成形型がある場合は、それが落下して収納ポケット22に収納される。また、放電プラズマ焼結のパルス通電は未焼結の原料を保持した成形型の上パンチから一番下の焼結済みの原料を保持した成形型の下パンチを通して行われる。圧縮された未焼結の原料にのみプラズマ放電が生ずる。
図4は実施例3に係る焼結装置の焼結炉の模式的な断面図である。本実施例の焼結装置は、電気制御盤と焼結炉3とから成り、図4は焼結炉3を示している。図5は石英チャンバーの内部に成形ダイおよび複数の上下パンチを挿入した状態を示す拡大断面図である。本実施例の焼結装置の基本的な構成は実施例2と同様であるが、本実施例の焼結炉3は、粉末原料を挟んだ複数の上パンチ52および下パンチ53が長尺の成形ダイ51の上下方向に連続して通過可能に構成された成形型を有し、成形ダイ51は上下方向の中央部に絶縁体または高抵抗体からなる層状部分である絶縁層55を有し、絶縁層55は高周波誘導加熱手段により加熱される領域に位置している。ベースチェンバー14の下側にプレス台50を設置し、プレス台50は制御により開口して上下パンチ52、53を排出することが可能なシャッター機構を有している。さらに、上下パンチ52、53を一時的に保持するため、プレス台50の上方にシャッターの開口よりも小さな内径を有する保持用シリンダーとしてシリコンシリンダー56を配置している。また、焼結体を保持した上下パンチ52、53を収納するため、プレス台50の下部に収納ポケット57を備えている。
このようにプレス台50とサーボプレス16間にそれぞれ粉末原料44を挟んだ複数個の上下パンチ52、53を積み上げ、サーボプレスにより順次下方向に送り込み、粉末原料が高周波誘導加熱部分に位置したときに上下パンチで圧縮した後、パルス状電流を粉末原料に通電する。シャッターを閉じた状態でプレス焼成した後、シャッターを開き、サーボプレスシャフトに押されて次の上下パンチ52、53が高周波誘導加熱部分に移動する。このときシリコンシリンダー56で保持された最下部の上下パンチのみ落下させる。これを繰り返すことで連続焼結が可能となる。また、シャッターが開いても上下パンチはシリコンシリンダー56で一旦保持されるので連続して収納ポケット57には落下しない。
また、本実施例の成形ダイ51は絶縁層55があるので、これにより導電性粉末原料を焼結する場合には、粉末原料にほぼ集中して通電させることが可能となり、加熱を兼ねて成形ダイにも通電する場合よりもはるかに少ないパルス電流で焼結が得られる。
次に、本実施例の焼結装置を用いてMgSi(マグネシウムシリサイド)を焼結する場合について詳細に説明する。成形ダイの形状は外径39mm、内径22mm、高さ680mmである。上下パンチはそれぞれ外径22mm、高さ35mmであり、炭素材で形成した。
粉末原料をチャージすることが難しいのと、成形時に横方向に押しつぶされてダイ51内で詰まることがあるため、切削粉状のMgとSiを所定の比率で3g秤量し、この粉末原料を黒鉛シートで覆った状態で外径21mm、厚さ7mm程度の形状になるよう予め成形プレスした原料ペレット54を準備し、ダイ51内の上下パンチ間に充填して本装置で焼結を行った。
まず、原料ペレット54を充填した1個目の上下パンチ52、53を本焼結装置の焼結炉3の成形ダイ51中にセットして、真空ポンプ18で1Pa以下に排気した後Arガスで置換する。Arガスを5l/min流した状態で、サーボプレス16で加圧し、圧縮圧力を20MPa/cmに維持した。この状態で、高周波誘導加熱電源を入れ4KWで30秒加熱して450℃まで温度を上げた。その後、高周波誘導加熱電源の出力を3KWとし、放電プラズマ焼結のパルス通電を、電流800A、パルス幅150msecのON状態と、電流0A、パルス幅10msecのOFF状態との繰り返しで850℃まで昇温させて3分間保持した。その後、加圧を開放して電源を切って1個目の焼結を終了した。
次に、成形型の温度が400℃まで下がるのに10分程待ち、サーボプレス16のシャフト17をトップチャンバーから抜いて上下パンチ間に原料ペレットを挟んだ次のセットをトップチャンバーのシャフト穴から挿入した。下部のシャッターを開けてから、サーボプレスのシャフト17を挿入し、原料ペレット54が絶縁層55と同じ位置となる所定の位置まで上下パンチを下げた。このとき、シリコンシリンダー56に保持された一番下の上下パンチが収納ポケット57に落下し、焼結を終了した上下パンチが途中に配置された上下パンチの外径より少し小さいシリコンシリンダー56に留まる。そこでプレス台50のシャッターを閉じ、トップチャンバー15を閉じ、真空引きから前述の1個目と同じ条件の工程で2個目の焼結を行った。
上記の通電焼結により、外径20mm、高さ5mmの焼結体が2個得られた。得られた2個の焼結体は密度が96%以上であった。
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではないことは言うまでもなく、目的とする焼結体の種類や形状などに応じて変更可能である。例えば、実施例1及び実施例2においても、実施例3で使用したような絶縁層を挟んだ成形ダイを用いることができる。断熱材の材料としてはカーボンフェルト以外にもグラスファイバー、アルミナフェルト、ジルコニアフェルトなどを用いることができる。焼結装置の各部の構造、形状、材質なども目的とする焼結体の種類や形状に合わせて変更可能である。また、焼結体の種類や使用する焼結装置の各部の構造や形状などによって、温度などの焼結条件も最適化することが望ましい。
1、2、3 焼結炉
11 成形型
12 石英チャンバー
13 カーボンフェルト
14 ベーチャンバー
15 トップチャンバー
16 サーボプレス
17 シャフト
18 真空ポンプ
19 誘導加熱コイル
20、50 プレス台
21、56 シリコンシリンダー
22、57 収納ポケット
41、51 成形ダイ
42、52 上パンチ
43、53 下パンチ
44 粉末原料
54 原料ペレット
55 絶縁層

Claims (7)

  1. 成形ダイと該成形ダイに挿入される上パンチおよび下パンチとからなる成形型をチェンバー内に配置し、前記成形ダイの中の粉末原料を前記の上下パンチを使用して圧縮し、前記の上下パンチ間にパルス状電流を流して焼結させる放電プラズマ焼結手段を備え、前記チェンバーは石英チューブの内側に断熱材を配置して構成し、前記石英チューブの外側に前記成形ダイまたは前記粉末原料を高周波誘導加熱する手段を備え、前記成形ダイは上下方向の中央部に絶縁体または高抵抗体からなる層状部分を有することを特徴とする焼結装置。
  2. 前記成形型を上下方向に複数個積み重ねて前記チェンバー内に配置し、前記チェンバーの上方に最上部に配置された前記成形型の上パンチを押圧するサーボプレスシャフトを有するサーボプレスを設置し、前記チェンバーの下方にプレス台を設置し、該プレス台は制御により開口して前記成形型を排出することが可能なシャッター機構を有することを特徴とする請求項1に記載の焼結装置。
  3. 前記成形型は、前記粉末原料を挟んだ複数の前記上下パンチが前記成形ダイの上下方向に連続して通過可能に構成され、前記層状部分は前記高周波誘導加熱手段により加熱される領域に位置することを特徴とする請求項1に記載の焼結装置。
  4. 前記上下パンチを上下方向に複数個積み重ねて前記チェンバー内に配置し、前記チェンバーの上方に最上部に配置された上パンチを押圧するサーボプレスシャフトを有するサーボプレスを設置し、前記チェンバーの下方にプレス台を設置し、該プレス台は制御により開口して前記上下パンチを排出することが可能なシャッター機構を有することを特徴とする請求項3に記載の焼結装置。
  5. 請求項2に記載の焼結装置を用い、前記サーボプレスにより前記複数個の成形型を順次下方向に送り込み、焼結する粉末原料が前記高周波誘導加熱手段により加熱される領域に位置したときに前記サーボプレスを用いて前記上下パンチにより前記粉末原料を圧縮し、その状態で前記高周波誘導加熱手段により加熱し、その後、上下パンチ間にパルス状電流を通電することにより焼結することを特徴とする焼結方法。
  6. 請求項4に記載の焼結装置を用い、前記サーボプレスにより前記複数個の上下パンチを順次下方向に送り込み、焼結する粉末原料が前記高周波誘導加熱手段により加熱される領域に位置したときに前記サーボプレスを用いて前記上下パンチにより前記粉末原料を圧縮し、その状態で前記高周波誘導加熱手段により加熱し、その後、上下パンチ間にパルス状電流を通電することにより焼結することを特徴とする焼結方法。
  7. 焼結された粉末原料を保持した成形型または上下パンチを一時的に保持するため、前記シャッター機構の上方に前記シャッターの開口よりも小さな内径を有する保持用シリンダーを配置したことを特徴とする請求項2または請求項4に記載の焼結装置。

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