JP6403333B2 - ステアリング装置 - Google Patents
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Description
また、テレスコピック式ステアリング装置において、インナーチューブに固定したピンを、アウターチューブの軸方向に延びる長孔に嵌合させて、ステアリングコラムの伸縮限位置を特定するとともに、アウターチューブとインナーチューブとの相対回転を規制する技術が提案されている(例えば特許文献2)。
そこで、本発明の目的は、インナージャケットの抜け防止を確実に行えるステアリング装置を提供することである。
請求項3のように、二次衝突時の前記コラムジャケットの最短縮状態で、前記開口部が、前記係合部材より軸方向上方(XU)に配置されるように構成されていてもよい。
請求項3の発明によれば、アウタージャケットの開口部が、二次衝突時のジャケットの最短縮状態で、係合部材より軸方向上方に配置されている。このため、二次衝突時の開口部によるアウタージャケットの剛性低下を抑制することができる。
図1は本発明の第1実施形態のステアリング装置の概略構成を示す一部破断模式的側面図である。図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2が一端(軸方向上端)に連結されたステアリングシャフト3と、インターミディエイトシャフト4等を介してステアリングシャフト3と連結された転舵機構5と備えている。
ステアリング装置1は、ステアリングシャフト3を回転可能に支持する中空のコラムジャケット8を備える。ステアリングシャフト3は、コラムジャケット8内に挿通されており、複数の軸受9,10を介してコラムジャケット8によって回転可能に支持されている。
アッパー側のインナージャケット40は、軸受9を介して軸方向Xに同行移動可能にアッパーシャフト6に連結されている。ロアー側のアウタージャケット50は、軸受10を介してロアーシャフト7を回転可能に支持している。
伸び側ストッパ55は、テレスコ調整時に、インナージャケット40のテレスコストローク範囲の伸び側端で係合部材60と係合することにより、アウタージャケット50からのインナージャケット40の抜脱を規制する機能を果たす。伸び側ストッパ55が、インナージャケット40のテレスコ調整範囲の伸び側端を規制している。
再び図1を参照して、ステアリング装置1は、車体13に固定される固定ブラケット14と、固定ブラケット14によって支持されたチルト中心軸15と、アウタージャケット50の外周に固定され、チルト中心軸15によって回転可能に支持されたコラムブラケット16とを備える。コラムジャケット8およびステアリングシャフト3は、チルト中心軸15の中心軸線であるチルト中心CCを支点にしてチルト方向Yに回動可能(チルト可能)となっている。
ステアリング装置1は、車体13に固定されるブラケット17と、アウタージャケット50の軸方向Xの上部に単一の材料で一体に設けられた一対の被締付部51(被クランプ側板に相当)をクランプすることにより、チルトロックおよびテレスコロックを達成する締付機構18とを備える。
図5に示すように、アウタージャケット50は、軸方向Xの上端から下方に延びるスリット53を形成している。図2に示すように、一対の被締付部51は、スリット53の両側に配置されている。一対の被締付部51をクランプすることにより、アウタージャケット50は、弾性的に縮径可能である。
図2を参照して、締付機構18は、締付軸21を介してブラケット17をアウタージャケット50の一対の被締付部51に締め付けることによりチルトロックを達成する。
また、締付機構18は、アウタージャケット50の一対の被締付部51をクランプすることにより、縮径させたアウタージャケット50によってインナージャケット40を軸方向Xに移動不能にクランプさせてテレスコロックを達成する。これにより、操舵部材2の位置が、車体13(図1参照)に対して固定される。
アウタージャケット50の一対の被締付部51は、一対の被締付部51は、一対の側板22間に配置され、対応する側板22の内側面22bにそれぞれ沿う板状をなしている。各側板22の内側面22bが、それぞれ対応する被締付部51の外側面51bに対向している。
締付軸21は、ブラケット17の両側板22のチルト用長孔23およびアウタージャケット50の両被締付部51の締付軸挿通孔52を挿通するボルトからなる。締付軸21の一端に設けられた大径の頭部21aは、操作レバー20と一体回転可能に固定されている。
力変換機構30は、操作レバー20と一体回転に連結され締付軸21に対して締付軸方向Jの移動が規制された回転カム31と、回転カム31に対してカム係合し、一方の側板22を締め付ける非回転カムである一方のクランプ部材32とを含む。
介在部材35は、ナット33と他方のクランプ部材34との間に介在するワッシャ36と、ワッシャ36と他方のクランプ部材34との間に介在する針状ころ軸受37とを備える。
一方のクランプ部材32(非回転カム)および他方のクランプ部材34は、それぞれ対応する側板22を締め付けるクランプ板部32a,34aと、それぞれ対応するチルト用長孔23に嵌合したボス部32b,34bとを有している。各ボス部32b,34bと対応するチルト用長孔23との嵌合によって、各クランプ部材32,34の回転が規制されている。
操作レバー20のロック方向への回転に伴って、回転カム31が一方のクランプ部材32(非回転カム)に対して回転することにより、一方のクランプ部材32が締付軸方向Jに移動されて、両クランプ部材32,34(のクランプ板部32a,34a)の間で、ブラケット17の一対の側板22がクランプされて締め付けられる。
被係合歯形成部材71は、多数の被係合歯71aを軸方向Xに所定間隔毎に並べて形成している。被係合歯形成部材71の多数の被係合歯71aは、長尺板に多数の溝71bを所定間隔毎に例えば貫通形成することにより、隣接する溝71b間に形成するようにしてもよい。
被係合歯形成部材71は、軸方向Xの上端に、係合突起71cを設けている。インナージャケット40のテレスコストローク範囲の縮み側のストローク端で、係合突起71cが、係合歯形成部材73の係合歯76aと当接することにより、インナージャケット40のテレスコストローク範囲の縮み側のストローク端が規制されるように構成されている。すなわち、係合歯76aが、インナージャケット40のテレスコストローク範囲の縮み側のストローク端を規制する縮み側ストッパとして機能する。
連動機構74は、締付軸21に一体回転可能に連結されたカム部材77と、係合歯形成部材73と一体回転可能に設けられカム部材77に従動するカムフォロワ腕78と、カムフォロワ腕78を介して係合歯76aが被係合歯71aに噛み合う方向に係合歯形成部材73を回転付勢する付勢部材79とを備えている。
付勢部材79は、例えばねじりばねからなる。すなわち、付勢部材79は、係合歯形成部材73のボス部75を取り囲むコイル部79aと、コイル部79aから延びカム部材77のボス部77aの外周に係合する第1係合部79bと、カムフォロワ腕78に係合する第2係合部79cとを備えている。
図5に示すアンロック状態から、操作レバー20および締付軸21を締付軸21の中心軸線C1回りにロック方向(図5において時計回り方向)に回転させると、カム突起77bが、支持軸72の中心軸線C2を中心とする、カムフォロワ腕78の反時計回りの回転を許容する。このため、付勢部材79の働きで、係合歯形成部材73が反時計回りに回転し、図4に示すように、係合歯76aが被係合歯71aに噛み合うことによりツースロックが達成される。
図7に示すように、アウタージャケット50は、組立時において、係合部材60を挿通可能な開口部56を備えている。開口部56は、アウタージャケット50の外周50aおよび内周50bを貫通している。組立時において、アウタージャケット50の開口部56とインナージャケット40の固定孔42との位置を合わせた状態で、係合部材60が、開口部56を通してインナージャケット40の固定孔42に圧入される。
また、図8に示されるような二次衝突時のコラムジャケット8の最短縮状態(係合部材60が案内溝54の軸方向Xの下端に設けられたバンプストッパ57に当接する状態に相当)で、開口部56が、係合部材60より軸方向上方XUに配置されるように構成されている。このため、二次衝突時において、開口部56によるアウタージャケット50の剛性低下を抑制することができる。
(第2実施形態)
図9は本発明の第2実施形態を示している。図9を参照して、第2実施形態が第1実施形態と主に異なるのは、下記である。係合部材60Pが、導電性金属部材等の導電性部材からなる。また、アウタージャケット50に摺動接触する導電性弾性部材80が、係合部材60Pと一体に設けられている。これにより、インナージャケット40とアウタージャケット50とは、係合部材60Pおよび導電性弾性部材80を介して通電可能である。
第2実施形態によれば、インナージャケット40と、車体側部材13Pに通電可能に接続されたアウタージャケット50との間で、導電性の係合部材60Pと導電性弾性部材80とを介して、通電が確保される。これにより、ラジオノイズの発生を抑制することができる。特に、インナージャケット40とアウタージャケット50との間にグリース等を介在させる場合に、本実施形態の構造がラジオノイズの発生の抑制に有利に働く。
Claims (4)
- 操舵部材が連結される軸方向に伸縮可能なステアリングシャフトと、
テレスコ調整のために軸方向に相対摺動可能に嵌合されたアウタージャケットとインナージャケットとを含み、前記ステアリングシャフトを回転可能に支持する軸方向に伸縮可能なコラムジャケットと、
前記インナージャケットに固定された基端を有する係合部材と、を備え、
前記アウタージャケットの内周は、軸方向に延び前記係合部材を嵌合させて前記係合部材を介して前記インナージャケットの回転を規制しつつ前記インナージャケットの軸方向移動を案内する案内溝と、前記案内溝の端部に配置され前記係合部材と係合することによりインナージャケットの抜脱を規制するストッパとを含み、
前記案内溝は、前記係合部材の先端と対向する底部を含むステアリング装置。 - 請求項1において、前記アウタージャケットは、前記係合部材を挿通可能な開口部を含み、
テレスコ調整時の前記コラムジャケットの最短縮状態で、前記開口部が、前記係合部材より軸方向下方に配置されるように構成されているステアリング装置。 - 請求項2において、二次衝突時の前記コラムジャケットの最短縮状態で、前記開口部が、前記係合部材より軸方向上方に配置されるように構成されているステアリング装置。
- 請求項1〜3の何れか一項において、前記係合部材は導電性部材からなり、
前記係合部材と一体に設けられて、前記アウタージャケットに摺動接触する導電性弾性部材を備え、
前記アウタージャケットは、車体側部材と通電可能に接続されるように構成され、
前記インナージャケットと前記アウタージャケットとは、前記係合部材および前記導電性弾性部材を介して通電可能に構成されているステアリング装置。
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