JP2017140988A - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】緩衝部材が外れ難く当接時の衝撃を安定して吸収することができるステアリング装置を提供する。【解決手段】テレスコ調整時にアッパジャケット7がロアジャケット8に対してコラム軸方向Xの所定の摺動範囲の一方の摺動端に変位するときに、アッパジャケット7と一体移動する保持部材70に保持された緩衝部材80が、係合部材(第2ツース部材42)に対して当接方向Z1に当接する。保持部材70は、アッパジャケット7の径方向外方R2に向き緩衝部材80を径方向Rに支持する支持面70bと、アッパジャケット7の周方向に関して緩衝部材80の両側に配置され、緩衝部材80を支持面70b側に向けて抱持する一対の抱持部73とを含む。【選択図】図6

Description

本発明はステアリング装置に関する。
テレスコロックを達成する締付具のボルト軸とボルト軸に対してコラムパイプの軸方向に対向するストッパ板との何れか一方に緩衝材を装着し、テレスコ調整時に、緩衝材が、ボルト軸とストッパ板との何れか他方に当接することによって、テレスコ調整の調整範囲を規制するステアリング装置が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
特開2014−24493号公報
特許文献1のステアリング装置では、緩衝材がボルト軸とストッパ板との前記何れか他方に当接するときに発生する衝撃が大きい場合、緩衝材が、ボルト軸とストッパ板との前記何れか一方から外れてしまい、衝撃を安定して吸収できないおそれがある。
本発明の目的は、緩衝部材が外れ難く当接時の衝撃を安定して吸収することができるステアリング装置を提供することである。
請求項1の発明は、ロアジャケット(8)と、テレスコ調整時に前記ロアジャケットに対してコラム軸方向(X)の所定の摺動範囲に摺動可能に内嵌され操舵部材(6)と前記コラム軸方向に一体移動する筒状のアッパジャケット(7)とを含むコラムジャケット(3)と、前記ロアジャケットに支持された係合部材(42)と、前記アッパジャケットの外周(7a)に固定されテレスコ調整時に前記アッパジャケットと一体移動する保持部材(70)と、前記係合部材に対して前記コラム軸方向に対向するように前記保持部材に保持され、前記アッパジャケットが前記摺動範囲の一方の摺動端に変位するときに前記係合部材に対して当接方向(Z1)に当接する緩衝部材(80)と、を備え、前記保持部材は、前記コラム軸方向に延び前記アッパジャケットの径方向(R)の外方(R2)に向き前記緩衝部材を前記径方向に支持する支持面(70b)と、前記アッパジャケットの周方向(P)に関して前記緩衝部材の両側に配置され、前記緩衝部材を前記支持面側に向けて抱持する一対の抱持部(73)と、前記緩衝部材の前記当接方向の反対方向側の端部(80d)に係合して前記緩衝部材の前記反対方向への移動を規制する規制部(74)と、を含むステアリング装置(1)を提供する。
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
請求項2のように、前記規制部は、前記径方向の前記外方へ向かうほど前記当接方向に近づく傾斜面(74a)を含んでいてもよい。
請求項3のように、前記緩衝部材は、前記支持面によって支持された被支持面(80a)を含み、前記被支持面は、前記支持面に当接して前記被支持面と前記支持面との間にスペース(S)を形成する突起(83)を含んでいてもよい。
請求項4のように、前記緩衝部材は、前記支持面によって支持された被支持面である第1面(80a)と、前記径方向に関して前記第1面の反対側に配置された第2面(80b)と、前記第2面に形成されて前記コラム軸方向に延びるリブ(84)と、を含んでいてもよい。
請求項5のように、前記ロアジャケットに支持され、前記係合部材と当接するときの前記緩衝部材に対して前記支持面の反対側に配置されて、前記支持面からの前記緩衝部材の離隔を規制する規制部材(47)を備えていてもよい。
請求項1の発明では、保持部材の一対の抱持部が、緩衝部材を支持面側に向けて抱持している。このため、テレスコ調整時に緩衝部材が係合部材と当接するときに、緩衝部材が、保持部材から外れ難く、当接時の衝撃を安定して吸収することができる。
請求項2の発明では、緩衝部材が係合部材と当接するときに、保持部材の規制部の傾斜面によって、支持面からの緩衝部材の離隔が抑制される。このため、緩衝部材が、保持部材から一層外れ難い。
請求項3の発明では、緩衝部材が係合部材と当接するときに、緩衝部材がコラム軸方向に圧縮変形されるに伴って、緩衝部材の被支持面が支持面側のスペースに肉を逃がすよう膨張変形する。このため、緩衝部材が支持面から離隔する方向に変形することが抑制されて、緩衝部材が、保持部材から一層外れ難くなる。
請求項4の発明では、緩衝部材は、支持面の反対側である第2面側への曲げに対する剛性が高い。このため、係合部材と当接してコラム軸方向に圧縮されるときの緩衝部材が、前記第2面側へ曲げ変形することが抑制され、緩衝部材が、保持部材から一層外れ難くなる。
請求項5の発明では、ロアジャケットに支持された規制部材によって、支持面からの緩衝部材の離隔が抑制される。このため、緩衝部材が、保持部材から一層外れ難くなる。
本発明の一実施形態のステアリング装置の一部破断模式的側面図である。 ステアリング装置の概略斜視図である。 ステアリング装置の要部の断面図であり、図1のIII−III線に沿って切断された断面図に相当する。 ステアリング装置の要部の断面図であり、ツースロック機構のロック状態を示している。 ステアリング装置の要部の断面図であり、ツースロック機構のロック解除状態を示している。 ステアリング装置の要部の断面図であり、テレスコ調整時にアッパジャケットが摺動範囲の一端位置である摺動下限位置に変位した状態を示している。 アッパジャケットの摺動下限位置を規制する摺動下限位置規制機構の分解斜視図である。 第1ツース部材と一体に設けられた保持部材の下面図である。 (a)は摺動下限位置規制機構の下面図であり、(b)は、(a)のQ−Q線に沿って切断された断面図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に従って説明する。
図1は本発明の第1実施形態のステアリング装置の概略構成を示す一部破断模式的側面図である。図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングシャフト2と、コラムジャケット3と、インタミーディエイトシャフト4と、転舵機構5とを備える。
以下では、ステアリングシャフト2の軸方向であるコラム軸方向Xの上方を軸方向上方XUと言い、また、コラム軸方向Xの下方を軸方向下方XLという。
ステアリングシャフト2の軸方向上方XUの一端に、ステアリングホイール等の操舵部材6が連結されている。ステアリング装置1は、操舵部材6の操舵に連動して、転舵輪(図示せず)を転舵する。転舵機構5は、例えばラックアンドピニオン機構であるが、これに限らない。
ステアリングシャフト2は、筒状のアッパシャフト2Uおよびロアシャフト2Lを有している。アッパシャフト2Uおよびロアシャフト2Lは、例えばスプライン嵌合やセレーション嵌合によってコラム軸方向Xに相対摺動可能に嵌合されている。操舵部材6は、アッパシャフト2Uの軸方向上方XUの一端に連結されている。
コラムジャケット3は、アウタジャケットとしてのロアジャケット8と、ロアジャケット8に対して内嵌されたインナジャケットとしてのアッパジャケット7とを含む。コラム軸方向Xは、アッパジャケット7の軸方向でもあり、ロアジャケット8の軸方向でもある。
ステアリングシャフト2は、コラムジャケット3内に挿通されている。アッパシャフト2Uは、軸受9を介してアッパジャケット7に回転可能に支持され、ロアシャフト2Lは、軸受10を介してロアジャケット8に回転可能に支持されている。
アッパシャフト2Uがロアシャフト2Lに対してコラム軸方向Xに摺動することによって、コラムジャケット3は、ステアリングシャフト2とともにコラム軸方向Xに伸縮可能である。
ステアリングシャフト2およびコラムジャケット3をコラム軸方向Xに伸縮させることで、操舵部材6の位置を車両の前後方向に調整することができる。このように、ステアリング装置1は、テレスコ調整機能を有する。
アッパジャケット7は、テレスコ調整時に、ロアジャケット8に対してコラム軸方向Xの所定の摺動範囲(テレスコ調整範囲に相当)に摺動可能である。コラムジャケット3は、アッパジャケット7が前記摺動範囲の一端位置である摺動下限位置にあるときに最も縮んだ状態となり、アッパジャケット7が前記摺動範囲の他端位置である摺動上限位置にあるときに最も伸びた状態になる。摺動下限位置は、テレスコショート位置とも言い、摺動上限位置は、テレスコロング位置とも言う。
ステアリング装置1は、車体13に固定される固定ブラケット14と、固定ブラケット14によって支持されたチルト中心軸15と、ロアジャケット8の外周に固定され、チルト中心軸15によって回転可能に支持されたコラムブラケット16とを備える。ステアリングシャフト2およびコラムジャケット3は、チルト中心軸15の中心軸線であるチルト中心CCを支点にして上下方向Yに回動可能である。
ステアリングシャフト2およびコラムジャケット3をチルト中心CC回りに回動させることで、操舵部材6の位置を上下方向Y(高さ方向)に調整することができる。このように、ステアリング装置1はチルト調整機能を有する。
ステアリング装置1は、車体13に固定されるブラケット17と、チルト調整後およびテレスコ調整後の位置をロックする締付機構18とを備える。締付機構18は、ロアジャケット8のコラム軸方向Xの上部に一体に設けられた一対の被締付部19をブラケット17を介して締め付けることによりロックを達成する。
図2はステアリング装置1の概略斜視図である。図2に示すように、ロアジャケット8は、コラム軸方向Xの上端から軸方向下方XLに延びるスリット26を含む。一対の被締付部19は、スリット26の両側に配置されている。一対の被締付部19を締め付けることにより、ロアジャケット8は、弾性的に縮径可能である。
図3は、ステアリング装置1の概略断面図であって、図1のIII−III線に沿って切断された断面図に相当する。
図3に示すように、ブラケット17は、車体13に取り付けられた取付板24と、取付板24の両端から上下方向Yの下方に延びる一対の側板22とを備える。各側板22には、上下方向Yに延びるチルト用長孔23が形成されている。
ロアジャケット8の一対の被締付部19は、一対の側板22間に配置され、対応する側板22の内側面22bにそれぞれ沿う板状をなしている。各被締付部19には、円孔からなる挿通孔29が形成されている。
ステアリング装置1は、テレスコ調整時にアッパジャケット7の摺動上限位置を規制する摺動上限位置規制機構27を備える。摺動上限位置規制機構27は、ロアジャケット8に形成されコラム軸方向Xに延びる案内溝27aと、アッパジャケット7に固定され案内溝27aに嵌合した被案内突起27bとを含む。案内溝27aは、被案内突起27bを介してアッパジャケット7の回転を規制する。
また、テレスコ調整時に、案内溝27aの軸方向上方XUの端部(図示せず)が被案内突起27bと当接することで、アッパジャケット7は、摺動範囲の摺動上限位置(テレスコロング位置)に規制される。これにより、ロアジャケット8からのアッパジャケット7の抜けも防止される。
図1および図2に示すように、締付機構18は、運転者が回転操作する操作部材としての操作レバー20と、操作レバー20と一体回転可能な締付軸21とを備える。締付軸21の中心軸線C1が、操作レバー20の回転中心に相当する。
締付軸21はボルトであり、ブラケット17の両側板22のチルト用長孔23およびロアジャケット8の両被締付部19の挿通孔29に挿通されている。締付軸21およびロアジャケット8は、チルト調整時にブラケット17に対して上下方向Yに一対移動する。
図3に示すように、締付軸21の一端に設けられた頭部21aは、操作レバー20と一体回転可能に固定されている。締付機構18は、締付軸21の頭部21aと一方の側板22(図3において左側の側板22)との間に介在し、操作レバー20の操作トルクを締付軸21の軸力(一対の側板22を締め付けるための締付力)に変換する力変換機構30をさらに備える。
力変換機構30は、操作レバー20と一体回転可能に連結され締付軸21に対して締付軸方向Jの移動が規制された回転カム31と、回転カム31に対してカム係合し、一方の側板22を締め付ける一方の締付部材32とを含む。一方の締付部材32は、回転が規制された非回転カムである。
締付機構18は、締付軸21の他端に設けられたねじ部21bに螺合したナット33と、他方の側板22(図3において右側の側板22)を締め付ける他方の締付部材34と、他方の締付部材34とナット33との間に介在する介在部材35とをさらに備える。介在部材35は、ワッシャ36と針状ころ軸受37とを備える。
回転カム31と、一方の締付部材32と他方の締付部材34とは、締付軸21の外周によって支持されている。一方の締付部材32および他方の締付部材34は、対応するチルト用長孔23との嵌合によって、その回転が規制されている。
操作レバー20のロック方向への回転に伴って、回転カム31が一方の締付部材32に対して回転すると、締付部材32が締付軸方向Jに沿って回転カム31から離れる方向に移動する。これにより、両締付部材32,34によって、ブラケット17の一対の側板22がクランプされて締め付けられる。
このとき、ブラケット17の各側板22が、ロアジャケット8の対応する被締付部19を締め付けることから、ロアジャケット8の上下方向Yの移動が規制されて、チルトロックが達成される。また、両被締付部19が締め付られることで、ロアジャケット8は、弾性的に縮径してアッパジャケット7を締め付ける。その結果、アッパジャケット7のコラム軸方向Xの移動が規制されて、テレスコロックが達成される。
一方、操作レバー20がロック解除方向へ回転すると、回転カム31の回転に伴い、締付部材32は、締付軸方向Jに沿って回転カム31に近づく方向に移動する。これにより、両締付部材32,34による一対の側板22の締付が解除され、チルト調整およびテレスコ調整が可能となる。
図4は、ステアリング装置1の要部の断面図である。図1および図4に示すように、ステアリング装置1は、車両衝突の二次衝突時のテレスコ方向の初期拘束の安定化のために、ツースロック機構40を備えている。ツースロック機構40は、歯同士を噛み合わせる構成によってアッパジャケット7のテレスコ位置を保持する。
ツースロック機構40は、アッパジャケット7の外周7aに固定された第1ツース部材41と、ロアジャケット8に回転可能に支持された第2ツース部材42と、締付軸21の回転に第2ツース部材42の回転を連動させる連動機構43とを含む。
第1ツース部材41は、コラム軸方向Xに所定間隔毎に並ぶ複数の第1ツース41aを含む。第1ツース部材41の複数の第1ツース41aは、長尺板に複数の溝41bを所定間隔毎に例えば貫通形成することで、隣接する溝41b間に形成されてもよい。
第2ツース部材42は、ロアジャケット8の一対の被締付部19によって支持軸44を介して回転可能に支持されている。第2ツース部材42は、支持軸44回りの回転に伴って、第1ツース41aに対して係合/係合解除する第2ツース42aを含む。
図示していないが、支持軸44の軸方向の両端は、一対の被締付部19によって支持され、第2ツース部材42は、支持軸44の軸方向の中間部においてアッパジャケット7に支持されている。
第2ツース部材42は、支持軸44の外周の回りを取り囲むボス部45と、ボス部45の外周から突出状に延設された第1アーム46とを含む。第1アーム46の延設端に、第2ツース42aが形成されている。
支持軸44は、第1ツース41aと第2ツース42aとが噛み合わされたロック状態で発生する二次衝突時の衝撃で破断する破断予定部(図示せず)を含む。これにより、二次衝突時に破断予定部の破断による衝撃吸収荷重が発生する。また、前記破断により、アッパジャケット7の軸方向下方XLへの移動(衝撃吸収移動)が許容される。
連動機構43は、締付軸21に一体回転可能に連結されたカム部材47と、第2ツース部材42と一体回転可能に設けられカム部材47に従動するカムフォロワ部材としての第2アーム48と、第2アーム48を介して第2ツース42aが第1ツース41aに噛み合う方向に第2ツース部材42を回転付勢する付勢部材49とを備えている。
カム部材47は、締付軸21の外周に一体回転可能に嵌合されたボス部47aと、ボス部47aから径方向外方へ突出するカム突起47bとを含む。
付勢部材49は、例えばねじりばねからなる。すなわち、付勢部材49は、第2ツース部材42のボス部45を取り囲むコイル部49aと、コイル部49aから延び締付軸21の外周に係合する第1係合部49bと、カムフォロワ部材としての第2アーム48に係合する第2係合部49cとを備えている。
付勢部材49は、図4において反時計回り方向に(図4において白抜き矢符で示す)、第2ツース部材42を回転付勢している。
図5に示すロック解除状態から、操作レバー20および締付軸21を締付軸21の中心軸線C1回りにロック方向(図5において時計回り方向)に回転させると、カム突起47bが、支持軸44の中心軸線C2を中心とする、第2アーム48の反時計回りの回転を許容する。このため、付勢部材49の働きで、第2ツース部材42が反時計回りに回転し、図4に示すように、第2ツース42aが第1ツース41aに噛み合うことによりツースロックが達成される。
図4に示すロック状態から、操作レバー20をロック解除方向(図4において反時計回り方向)に回転させると、図5に示すように、カム突起47bが、付勢部材49に抗して、第2アーム48を介して第2ツース部材42を中心軸線C2を中心として時計回りに回転させる。このため、第1ツース41aに対する第2ツース42aの噛み合いが外れ、ツースロックが解除される。
図6は、ステアリング装置1の要部の断面図であり、テレスコ調整時にアッパジャケット7が摺動範囲の一端位置である摺動下限位置に変位した状態を示している。図6に示すように、ステアリング装置1は、アッパジャケット7の摺動下限位置(テレスコショート位置)を規制する摺動下限位置規制機構60を備える。
摺動下限位置規制機構60は、ロアジャケット8に支持された係合部材としての第2ツース部材42と、アッパジャケット7とコラム軸方向Xに一体移動する保持部材70に保持された緩衝部材80とにより構成される。
アッパジャケット7が摺動下限位置に変位するときに、緩衝部材80が、第2ツース部材42の第2ツース42aに対して当接方向Z1に当接して緩衝しつつ摺動下限位置を規制する緩衝ストッパとして機能する。
図7は、保持部材70および緩衝部材80の分解斜視図である。図8は、保持部材70の下面図である。図9(a)は、摺動下限位置規制機構60の下面図であり、図9(b)は、図9(a)のQ−Q線に沿って切断された断面図である。
図7および図8を参照して、保持部材70は、第1ツース部材41と単一の部材で一体に形成されている。保持部材70は、第1ツース部材41の軸方向上方XU側の端部である上端41cから軸方向上方XUへ延びている。第1ツース部材41および保持部材70は、一体にプレス成形された板金製のものであってもよい。
保持部材70は、第1ツース部材41の上端41cと一体に連結された第1部分71と、第1部分71から軸方向上方XUに延設された第2部分72と、第1部分71に設けられた一対の抱持部73と、第2部分72に設けられた規制部74とを含む。
アッパジャケット7の周方向Pの幅に関して、第2部分72の幅は、第1部分71の幅よりも広くされている。周方向Pに関して、第2部分72は、第1部分71の両側に張り出している。
図6、図7および図9(a)に示すように、保持部材70は、アッパジャケット7の外周7aに沿って取り付けられた被取付面70aと、アッパジャケット7の径方向Rに関して被取付面70aの反対側の面である支持面70bとを含む。被取付面70aおよび支持面70bは、保持部材70の第1部分71および第2部分72に設けられている。
被取付面70aおよび支持面70bは、コラム軸方向Xおよびアッパジャケット7の周方向Pに延びている。被取付面70aは、径方向Rの内方(以下、径方向内方R1と言う)に向いている。支持面70bは、径方向Rの外方(以下、径方向外方R2と言う)に向き、緩衝部材80を径方向Rに支持する。
一対の抱持部73は、コラム軸方向Xに延びる板部材であり、第1部分71から交差状に延設されている。
図9(b)に示すように、一対の抱持部73は、アッパジャケット7の周方向Pに関して、第1部分71の両側に配置され、緩衝部材80を支持面70b側に向けて抱持する。一対の抱持部73は、コラム軸方向Xから見たときに、支持面70b側に向く傾斜面73aを含んでいる。コラム軸方向Xから見て傾斜面73aは、湾曲面であってもよいし、ストレート面であってもよい。
図6に示すように、規制部74は、第2部分72の軸方向上方XUの端部72aに設けられている。規制部74は、緩衝部材80を当接方向Z1の反対方向Z2に受け、緩衝部材80の反対方向Z2への移動を規制する。規制部74は、アッパジャケット7の径方向外方R2へ向かうほど当接方向Z1に近づく傾斜面74aを含む。
図6、図7、並びに図9(a)および(b)に示すように、緩衝部材80は、第1部分81と、第2部分82と、第1面80aと、第2面80bと、当接方向Z1側の一端80cと、反対方向Z2側の他端80dと、突起83と、リブ84とを含む。
第1部分81は、保持部材70の一対の抱持部73によって支持面70b側に向けて抱持され、保持部材70の第1部分71によって径方向Rに支持される。第2部分82は、第1部分81の軸方向上方XU(当接方向Z1の反対方向Z2側)に延設され、保持部材70の第2部分72によって径方向Rに支持される。
アッパジャケット7の周方向Pの幅に関して、第2部分82の幅は、第1部分81の幅よりも広くされている。周方向Pに関して、第2部分82は、第1部分81の両側に張り出している。第1部分81からの第2部分82の張り出し部分は、一対の抱持部73の反対方向Z2側に配置されている。一対の抱持部73が第2部分82の張り出し部分とコラム軸方向Xに係合することで、保持部材70に対して緩衝部材80が当接方向Z1側へ離脱することが規制される。
緩衝部材80の第1面80aは、保持部材70の支持面70bに対向し、支持面70bによって支持された被支持面である。第1面80a(被支持面)は、アッパジャケット7の周方向Pに湾曲する湾曲面からなり、コラム軸方向Xに延びている。第1面80aは、径方向内方R1に向いている。第2面80bは、径方向Rに関して第1面80aの反対側に配置されている。
図7および図9(b)に示すように、第1面80aには、支持面70bに当接して支持面70bと第1面80aとの間にスペースSを形成する複数の突起83が形成されている。一部の突起83が、第1部分81および第2部分82に跨がってコラム軸方向Xに延びる突条であり、残りの突起が、第2部分82のみに配置されてコラム軸方向Xに延びる突条であってもよい。
図6および図9(a)に示すように、第2面80bには、コラム軸方向Xに延びるリブ84が形成されている。リブ84は、第1部分81および第2部分82に跨がってコラム軸方向Xに延びている。
緩衝部材80の一端80cは、保持部材70の一対の抱持部73よりも当接方向Z1側に配置されており、テレスコ調整時の摺動下限位置で、第2ツース部材42(係合部材)の第2ツース42aと当接する。
緩衝部材80の他端80dは、保持部材70の規制部74の傾斜面74aに係合している。他端80dは、傾斜面74aに沿うように傾斜面74aの傾斜とは逆向きに傾斜した傾斜面を含む。
図7および図9(b)に示すように、緩衝部材80の第1部分81は、周方向Pに対向する一対の側面81aを有している。図9(b)に示すように、一対の側面81aのそれぞれは、対応する抱持部73の傾斜面73aと一致する傾斜で傾斜している。
組立時において、緩衝部材80を保持部材70に組み付けるときに、図7を参照して、緩衝部材80の第1部分81を径方向内方R1に向けて一対の抱持部73の間に押し嵌めてもよいし、また、緩衝部材80をコラム軸方向Xに対して斜めに傾斜させた状態で、第1部分81を一対の抱持部73の間に軸方向下方XLに向けて差し込むようにしてもよい。
本実施形態によれば、図9(b)に示すように、保持部材70の一対の抱持部73が、緩衝部材80を保持部材70の支持面70b側に向けて抱持している。このため、図6に示すように、テレスコ調整時に緩衝部材80が係合部材としての第2ツース部材42と当接するときに、緩衝部材80が、保持部材70から外れ難く、当接時の衝撃を安定して吸収することができる。
また、緩衝部材80が第2ツース部材42と当接するときに、保持部材70の規制部74の傾斜面74aによって、支持面70bからの緩衝部材80の離隔(径方向外方R2への離隔)が抑制される。このため、緩衝部材80が、保持部材70から一層外れ難い。
また、図9(b)に示すように、被支持面としての第1面80aに形成された突起83によって、第1面80aと支持面70bとの間にスペースSが形成されている。したがって、図6に示すように、テレスコ調整時に緩衝部材80が第2ツース部材42と当接するときに、緩衝部材80がコラム軸方向Xに圧縮変形されるに伴って、緩衝部材80の第1面80aが支持面70b側のスペースSに肉を逃がすよう膨張変形する。このため、緩衝部材80が支持面70bから離隔する方向に変形することが抑制されて、緩衝部材80が、保持部材70から一層外れ難くなる。
また、緩衝部材80が、第2面80bにコラム軸方向X延びるリブ84を形成しており、緩衝部材80は、第2面80b側への曲げ(図6において白抜き矢符で示す)に対する剛性が高い。このため、テレスコ調整時に、緩衝部材80が第2ツース部材42と当接してコラム軸方向Xに圧縮されるときに、緩衝部材80の第2面80b側へ曲げ変形することが抑制され、緩衝部材80が保持部材70から一層外れ難くなる。
また、図6に示すように、テレスコ調整時に、緩衝部材80が第2ツース部材42と当接するときに、ロアジャケット8に支持されたカム部材47が、緩衝部材80に対して、保持部材70の支持面70bの反対側に配置されて、支持面70bからの緩衝部材80の離隔を規制する規制部材として機能する。このため、緩衝部材80が、保持部材70から一層外れ難くなる。
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、保持部材70は、第1ツース部材41と別体で設けられて、アッパジャケット7に固定されてもよい。
また、保持部材70は、アッパジャケット7と単一の材料で一体に形成されていてもよい。
また、ツースロック機構40が廃止され、係合部材として、ロアジャケット8に固定されたボルト等の軸部材を用いてもよい。
また、規制部材として、カム部材47に代えて、ロアジャケット8に支持された軸部材または筒部材を用いてもよい。
その他、本発明は、特許請求の範囲記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
1…ステアリング装置、2…ステアリングシャフト、3…コラムジャケット、5…転舵機構、6…操舵部材、7…アッパジャケット、7a…外周、8…ロアジャケット、40…ツースロック機構、41…第1ツース部材、41a…第1ツース、42…第2ツース部材(係合部材)、42a…第2ツース、43…連動機構、47…カム部材(規制部材)、60…摺動下限位置規制機構、70…保持部材、70b…支持面、71…第1部分、72…第2部分、73…抱持部、74…規制部、74a…傾斜面、80…緩衝部材、80a…第1面(被支持面)、80b…第2面、80c…一端(当接方向側の端部)、80d…他端(反対方向側の端部)、83…突起、84…リブ、P…周方向、R…径方向、R1…径方向内方、R2…径方向外方、S…スペース、X…コラム軸方向、XU…軸方向上方、XL…軸方向下方、Z1…当接方向、Z2…反対方向

Claims (5)

  1. ロアジャケットと、テレスコ調整時に前記ロアジャケットに対してコラム軸方向の所定の摺動範囲に摺動可能に内嵌され操舵部材と前記コラム軸方向に一体移動する筒状のアッパジャケットとを含むコラムジャケットと、
    前記ロアジャケットに支持された係合部材と、
    前記アッパジャケットの外周に固定されテレスコ調整時に前記アッパジャケットと一体移動する保持部材と、
    前記係合部材に対して前記コラム軸方向に対向するように前記保持部材に保持され、前記アッパジャケットが前記摺動範囲の一方の摺動端に変位するときに前記係合部材に対して当接方向に当接する緩衝部材と、を備え、
    前記保持部材は、前記コラム軸方向に延び前記アッパジャケットの径方向の外方に向き前記緩衝部材を前記径方向に支持する支持面と、前記アッパジャケットの周方向に関して前記緩衝部材の両側に配置され、前記緩衝部材を前記支持面側に向けて抱持する一対の抱持部と、前記緩衝部材の前記当接方向の反対方向側の端部に係合して前記緩衝部材の前記反対方向への移動を規制する規制部と、を含むステアリング装置。
  2. 請求項1において、前記規制部は、前記径方向の前記外方へ向かうほど前記当接方向に近づく傾斜面を含むステアリング装置。
  3. 請求項1または2において、前記緩衝部材は、前記支持面によって支持された被支持面を含み、
    前記被支持面は、前記支持面に当接して前記被支持面と前記支持面との間にスペースを形成する突起を含むステアリング装置。
  4. 請求項1または2において、前記緩衝部材は、前記支持面によって支持された被支持面である第1面と、前記径方向に関して前記第1面の反対側に配置された第2面と、前記第2面に形成されて前記コラム軸方向に延びるリブと、を含むステアリング装置。
  5. 請求項1〜4の何れか一項において、前記ロアジャケットに支持され、前記係合部材と当接するときの前記緩衝部材に対して前記支持面の反対側に配置されて、前記支持面からの前記緩衝部材の離隔を規制する規制部材を備えるステアリング装置。
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