JP2020109002A - ツース部材 - Google Patents
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Abstract
Description
ツース部材では、歯の頂部が形成されている部分と歯の底部が形成されている部分とで厚みが異なるため、たとえば加圧成形によってツース部材が成形される場合、歯の頂部が形成されている部分と歯の底部が形成されている部分とでは、加圧成形での圧縮率つまり密度が異なる。したがって、歯が並ぶ方向におけるツース部材の強度といった機械的性能が不安定になることにより、ツース部材とテレスコ用ギアベースとの噛み合いの強度が不安定になる虞がある。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係るステアリング装置1の概略構成を示す側面図である。図1において、紙面左側が、ステアリング装置1が取り付けられる車体2の前側であり、紙面右側が車体2の後側であり、紙面上側が車体2の上側であり、紙面下側が車体2の下側である。
ステアリングシャフト3では、その後端である一端3Aに、ステアリングホイール等の操舵部材11が連結される。ステアリングシャフト3において、その前端である他端3Bは、自在継手12、インターミディエイトシャフト13および自在継手14を順に介して、転舵機構15のピニオン軸16に連結されている。
テアリングシャフト3の回転が伝達されたことに応じて、タイヤ等の転舵輪(図示せず)を転舵させる。
ステアリングシャフト3は、車体2の前後方向に延びている。以下では、ステアリングシャフト3が延びる方向を、ステアリングシャフト3の軸方向Xという。軸方向Xは、他端3Bが一端3Aよりも低くなるように水平方向に対して傾斜している。軸方向Xにおいて一端3A側である後側には、符号X1を付し、軸方向Xにおいて一端3Aとは反対側である前側には、符号X2を付す。
なお、図1以外の各図において図1の軸方向X、後側X1、前側X2、左右方向Y、右側Y1、左側Y2、上下方向Z、上側Z1および下側Z2に対応する方向には、図1と同じ符号を付している。
ロアーシャフト21は、スプライン嵌合やセレーション嵌合によってアッパーシャフト20に連結されているため、アッパーシャフト20とロアーシャフト21とは、一体回転可能であるとともに、軸方向Xに沿って相対移動可能である。ロアーシャフト21に対するアッパーシャフト20の軸方向Xへの移動によって、ステアリングシャフト3は、軸方向Xに沿って伸縮可能である。
なお、ロアージャケット23は、ロアーブラケット5を介して車体2に連結されることによって軸方向Xに移動できないので、テレスコ調整の際には、アッパージャケット22が実際に移動する。
置のロックを解除したり、チルト調整やテレスコ調整を終えた操舵部材11の位置をロックしたりするための機構である。締付機構7は、チルトボルト40と、操作部材41と、リング状のカム42およびカムフォロワ43と、ナット44と、リング状の介在部材45、針状ころ軸受46およびスラストワッシャ47とを含む。
カム42は、チルトボルト40に対して一体回転可能であるのに対して、カムフォロワ43は、チルトボルト40に対して相対回転可能かつ左右方向Yに移動可能である。ただし、カムフォロワ43において左側Y2の側板30のチルト溝32に挿通される部分には、二面幅が形成されているので、カムフォロワ43の空転がチルト溝32によって防止されている。
チルトボルト40は、アッパーブラケット6の各チルト溝32内で、前述したチルト方向に移動可能である。運転者がチルト調整のために操舵部材11(図1参照)をチルト方向に移動させると、コラムジャケット4全体が、アッパーブラケット6に対し相対的にチルトする。操舵部材11のチルト調整は、チルトボルト40がチルト溝32内で移動可能な範囲で行われる。
るときのステアリング装置1の状態をロック状態という。なお、通常の運転時では、ステアリング装置1はロック状態にある。
ロック状態のステアリング装置1において、操作部材41を操作して先程とは逆方向へ回転させると、カム42がカムフォロワ43に対して相対的に回転するので、カム42およびカムフォロワ43における互いのカム突起56の乗り上げが解除される。これにより、カムフォロワ43がチルトボルト40に沿ってロック位置から左側Y2に移動する。カムフォロワ43の移動に連動して、介在部材45は、チルトボルト40に沿って右側Y1へ移動する。これにより、カムフォロワ43と介在部材45との間隔が広がり、カムフォロワ43と介在部材45との間での一対の側板30の締め付けが解除される。この状態では、各側板30と延設部34との間、および、ロアージャケット23とアッパージャケット22との間のそれぞれの摩擦保持が解除されるので、コラムジャケット4の回動および伸縮が可能となり、操舵部材11がチルト方向および軸方向Xに移動可能となる。そのため、テレスコ調整やチルト調整が再び可能となる。
以下では、ツースロック機構8の構成について詳細に説明する。
ツースロック機構8の周辺の分解斜視図である図4を参照して、ツースロック機構8は、第1歯60を有するツースプレート61と、第1歯60と噛み合い可能な歯部としての第2歯62を有するツース部材63とを含む。また、ツースロック機構8は、ツース部材63を支持する支持機構64と、ツース部材63の一部を上下方向Zに案内する案内機構65と、チルトボルト40の回転にツース部材63の運動を連動させる連動機構66とを含む。
第1歯列60Lは、左右方向Yにおける貫通孔70Aの両端縁70Bのそれぞれに1つずつ設けられている。一対の第1歯列60Lは、左右方向Yに間隔を隔てていて、軸方向Xに互いに平行に延びている。
本体部80は、第1部分81と、第1部分81の後側X1に隣接する第2部分82とを一体的に含む。第2部分82は、その後端部として後側X1へ向けて突出した係合突起83を含む。また、第2部分82は、その下端部として歯形成部84を含む。
各第2歯列62Lの第2歯62は、その歯先86として上下方向Zに延びる歯筋87を有する、いわゆる横歯形状の歯である(図4も参照)。右側Y1の第2歯列62Lの各第2歯62は、右側Y1の側面85Aから右側Y1へ突出しており、その歯先86Aを右側Y1へ向けている。左側Y2の第2歯列62Lは、左側Y2の側面85Bから左側Y2へ突出しており、その歯先86Bを左側Y2へ向けている。
軸方向Xにおいて、右側Y1の第2歯列62Lの第2歯62の歯先86Aと、左側Y2の第2歯列62Lの第2歯62の歯先86Bとは、ピッチPの半分に相当する距離Lだけずれている。つまり、一対の第2歯列62Lは、左右方向Yで非対称に構成されている。
ここで、本実施形態のツース部材63とは異なり、ツース部材の一対の歯列が左右方向Yで対称形状を構成している比較例を想定する。比較例のツース部材では、軸方向Xにおいて、ツース部材の右側Y1の歯列の歯先の位置と、左側Y2の歯列の歯先の位置とが一致しているので、歯先が形成された山部と、歯底が形成された谷部とで、ツース部材の厚さの差が大きい。すなわち、ツース部材の厚さが軸方向Xにおいて大きく変動する。加圧成形でのツース部材の圧縮率に相当する密度が、歯が並ぶ方向において不均一になる。詳しくは、ツース部材の密度は、山部で高く谷部で低い。
1の第2歯62の歯先86Bとの間でほぼ均一である。そのため、加圧成形によって成形されたツース部材63の密度が軸方向Xにおける位置に応じて変動することを一層抑制できる。
支持機構64は、ツース部材63の本体部80の第1部分81から左右方向Yの両外側へ突出する一対の支持軸89と、ロアージャケット23の一対の延設部34にそれぞれ設けられた一対の第1案内孔34Bとにより構成されている。一対の支持軸89は、左右方向Yに延びる中心軸線89Aを有する。各第1案内孔34Bは、軸方向Xに延びる長孔である。
案内機構65に関連して、一対の延設部34のそれぞれの対向面34Aには、丸孔である支持穴34Cが形成されている。なお、図4では、説明の便宜上、右側Y1の延設部34の支持穴34Cのみを図示している。
連動機構66は、第2歯62が第1歯60に噛合するようにツース部材63を支持軸89の中心軸線89A回りに付勢する付勢部材91と、付勢部材91に抗して、第2歯62と第1歯60との噛合が解除するようにツース部材63を駆動する解除部材92とを含む。
付勢部材91は、たとえば、ねじりばねである。付勢部材91は、右側Y1の延設部34に設けられた係止穴34Dに係止された第1端部91Aと、ツース部材63の第2部分82を下側Z2に付勢する第2端部91Bと、第1端部91Aと第2端部91Bとの間でチルトボルト40に巻き付けられたコイル部91Cとを含む。
図6は、ツースロック機構8の模式的側面図であって第2歯62と第1歯60とが噛み合った状態を示した図である。
ステアリング装置1の状態がロック状態であるときは、ツース部材63の本体部80の第2部分82が付勢部材91の第2端部91Bによって下側Z2に付勢されることによって、図6に示すように、ツース部材63の第2歯62とツースプレート61の第1歯60とが噛み合っている。
図6を参照して、ステアリング装置1がロック状態から解除状態に変化するように操作部材41を回転させると、解除部材92がチルトボルト40と一体回転し、解除部材92の解除突起92Bが上側Z1へ移動する。解除突起92Bは、上側Z1へ移動することによって、係合突起83と係合する。
図8を参照して、逆に、解除状態からロック状態に変化するように操作部材41を回転させると、解除部材92がチルトボルト40と一体回転し、解除部材92の解除突起92Bが下側Z2へ移動する。係合突起83を有するツース部材63の第2部分82は、付勢部材91によって付勢されているため、解除突起92Bの下側Z2への移動に伴って下側Z2へ移動する。このとき、案内軸90が第2部分82の第2案内孔82A内で上側Z1に相対移動することによって、第2部分82は、下側Z2に案内される。これにより、第2歯62が下側Z2へ移動し、一対の第2歯列62Lの第2歯62と一対の第1歯列60Lの第1歯60とが上下方向Zから噛み合う(図6も参照)。
本実施形態によれば、前述したように、図5を参照して、ツース部材63では、軸方向Xにおいて、右側Y1の第2歯列62Lの第2歯62の歯先86Aと左側Y2の第2歯列62Lの第2歯62の歯先86Bとが距離Lだけずれているため、第2歯62の強度が向上されている。したがって、第2歯62と第1歯60との噛み合いによってコラムジャケット4の伸縮を規制する構成において、第2歯62と第1歯60との噛み合いの安定化を図ることができる。
ク機構8によって軸方向Xにおけるコラムジャケット4の位置および操舵部材11の位置が強固に保持されている。ツースロック機構8によるこのようなコラムジャケット4の保持を、ポジティブロックという。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図9および図10を参照して、ツース部材63Pの本体部80は、その外面として、一対の側面95と、側面95同士を連結する下面96および上面97とを含む。
右側Y1の第1面は、右側Y1の側面85Aに相当し、左側Y2の第1面は、左側Y2の側面85Bに相当する。また、右側Y1の第2面98Aは、歯形成部84の右側Y1の側面85Aよりも右側Y1に位置し、左側Y2の第2面98Bは、歯形成部84の左側Y2の側面85Bよりも左側Y2に位置する。
各第2歯列62Lは、対向方向Fに歯先86を向けて、歯形成部84の対応する側面85から突出している。詳しくは、右側Y1の第2歯列62Lの各第2歯62は、右側Y1の側面85Aから右側Y1へ突出しており、その歯先86Aを右側Y1へ向けている。左側Y2の第2歯列62Lは、左側Y2の側面85Bから左側Y2へ突出しており、その歯先86Bを左側Y2へ向けている。各第2歯列62Lの第2歯62は、対応する連結面99に連結されている。
と対向方向Fにおいて同じ位置に位置している。言い換えると、軸方向Xからみて、一対の第2歯列62Lのそれぞれの第2歯62の歯先86と、対応する側面95の第2面98との間には、段差が設けられていない。
たとえば、ステアリング装置1は、ツースロック機構8に限らず、異なる構造のツースロック機構を備えていてもよい。たとえば、案内機構65を含んでいない構成のツースロック機構であってもよい。この場合、一対の延設部34には、ツース部材63の支持軸89が挿通される第1案内孔34Bの代わりに、軸方向Xにおける支持軸89の移動を規制する支持孔が設けられていて、二次衝突時には、支持軸89が剪断されることによりコラムジャケット4が収縮する。
Claims (2)
- ブロック状の本体部と、
前記本体部において互いに平行に延びる一対の側面のそれぞれに少なくとも1つずつ設けられた一対の歯部と、を含み、
前記一対の歯部は、歯先が互いにずれており、
一対の前記側面の対向方向を加圧方向とする加圧成形によって成形された、ツース部材。 - 前記一対の歯部の歯先は、前記一対の側面の前記対向方向において前記一対の側面と同じ位置に位置している、請求項1に記載のツース部材。
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