JP2007238012A - ステアリングコラム装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
操作フィーリング及び操作性に優れ、低コスト化や小型化を図りつつも保持力の増大が期待できるステアリングコラム装置を提供する。
【解決手段】
第1のギア部材G1と第2のギア部材G2とを近接させる方向に相対移動させると、互いに歯筋が非平行状態にある第1の歯g1と第2の歯g2とが噛合するようになるが、このとき第1のギア部材G1と第2のギア部材G2とは互いに対して姿勢変化が生じるようになっており、第1の歯g1の歯筋と第2の歯g2の歯筋とが平行な状態になるよう強制される。従って、噛合前の位置関係に関わらず、噛合により高いかみ合い率が確保されるようになるため、保持力を高めることができる。又、歯数を少なく抑えても保持力を確保することができるので、軽量且つコンパクトでありながら、良好な操作フィーリングを確保できるという利点もある。
【選択図】 図1
操作フィーリング及び操作性に優れ、低コスト化や小型化を図りつつも保持力の増大が期待できるステアリングコラム装置を提供する。
【解決手段】
第1のギア部材G1と第2のギア部材G2とを近接させる方向に相対移動させると、互いに歯筋が非平行状態にある第1の歯g1と第2の歯g2とが噛合するようになるが、このとき第1のギア部材G1と第2のギア部材G2とは互いに対して姿勢変化が生じるようになっており、第1の歯g1の歯筋と第2の歯g2の歯筋とが平行な状態になるよう強制される。従って、噛合前の位置関係に関わらず、噛合により高いかみ合い率が確保されるようになるため、保持力を高めることができる。又、歯数を少なく抑えても保持力を確保することができるので、軽量且つコンパクトでありながら、良好な操作フィーリングを確保できるという利点もある。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ステアリングシャフトを、チルト方向及びテレスコ方向の少なくとも一方に対して調整可能に支持するステアリングコラム装置に関する。
ステアリングコラム装置は、車両の重要安全保安部品であり、衝突時に乗員の安全を確保するために衝突時におけるその挙動を、どのように制御するかが非常に重要である。通常は、ステアリングコラム装置自体に衝撃エネルギー吸収機構を設けるともに、ステアリングホイール内に収納したエアーバッグの支持部材としても重要な役割を担っている。
一方、運転者の運転姿勢を最適にするために、一般的なステアリングコラム装置は、運転者の体格や運転姿勢に応じて、ステアリングホイールの傾斜角度を調整でき、ステアリングホイールの軸線方向位置を調整できるようになっている。従って、ステアリングコラム装置には、コラム本体(即ちステアリングホイール)の位置や姿勢の調整が容易でなければならず、且つ衝突時には所定の位置や姿勢を確保しなければならないという相反する機能が必要になる。このような相反する機能を両立させるべく、従来のステアリングコラム装置では、種々の工夫がなされているが、ユーザーの操作性に対する要求の高まりなどにより、更なる向上が求められている。
ここで、特許文献1においては、チルト・テレスコピック調整時には、噛合していたギヤ同士を離脱させ、調整後においては、ギヤ同士を噛合させることで、コラム本体の位置を確実に保持することができるステアリングコラム装置が開示されている。
独国特許第10212263号明細書
しかしながら、特許文献1に示すようにギヤを噛合させてコラム本体の位置を保持する機構の場合、調整後においてギヤを噛合させる際に、ギヤの山同士が当接し合うことで本来的に噛合不良が発生する恐れがある。特許文献1では、これを抑制しようと試みがなされているが、必ずしも十分とはいえない。
更に、特許文献1に示すようにギヤを噛合させてコラム本体の位置を保持する機構において保持力を一層高めようとすると、ギヤ自体を大型化することが考えられるが、それによりステアリングコラム装置装置が大型化し且つ重くなるという新たな問題が生じる。又、保持力を高めるために、ギヤのかみ合い率を高めることも考えられるが、ギヤの形状寸法管理を厳密に行う必要が生じ、コスト増を招くという新たな問題が生じる。
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、操作フィーリング及び操作性に優れ、低コスト化や小型化を図りつつも保持力の増大が期待できるステアリングコラム装置を提供することを目的とする。
本発明のステアリングコラム装置は、ステアリングシャフトを、チルト方向及びテレスコ方向の少なくとも一方に対して位置調整可能に支持するステアリングコラム装置において、
車体に対して位置決めされる第1の歯と、
ステアリングシャフトを回転自在に支持するコラム本体と、
前記コラム本体と一体的に変位する第2の歯とを有し、
前記第1の歯と前記第2の歯とは、互いに噛合することによって、前記コラム本体を前記車体に対して位置決めし、離脱することによって、前記コラム本体を前記車体に対して位置調整可能としており、
噛合する前における前記第1の歯と前記第2の歯の歯筋同士の平行度を、噛合した後における歯筋同士の平行度より低くしたことを特徴とする。
車体に対して位置決めされる第1の歯と、
ステアリングシャフトを回転自在に支持するコラム本体と、
前記コラム本体と一体的に変位する第2の歯とを有し、
前記第1の歯と前記第2の歯とは、互いに噛合することによって、前記コラム本体を前記車体に対して位置決めし、離脱することによって、前記コラム本体を前記車体に対して位置調整可能としており、
噛合する前における前記第1の歯と前記第2の歯の歯筋同士の平行度を、噛合した後における歯筋同士の平行度より低くしたことを特徴とする。
本発明の原理を図面を参照して説明する。図1は、噛合前における第1の歯と第2の歯との位置関係の一例を示す図であり、図2は、噛合後における第1の歯と第2の歯との位置関係の一例を示す図である。図において、第1のギア部材G1は、平板の表面に、断面が山形の第1の歯g1を複数本平行に形成している。同様に、第2のギア部材G2も、平板の表面に、断面が山形の第2の歯g2を複数本平行に形成している。
図1に示すように、噛合前の状態では、第1の歯g1に対して第2の歯g2は非平行な状態に維持されている。図1の例では、第1の歯g1における複数の歯筋を含む形成する仮想平面と、第2の歯g2における複数の歯筋を含む形成する仮想平面とが、はすばの関係となっている。
図1の状態から、第1のギア部材G1と第2のギア部材G2とを近接させる方向に相対移動させると、まず第1の歯g1の歯筋と第2の歯g2の歯筋とが互いに非平行な状態で接触し合うこととなる。しかるに、例えば従来のように第1の歯g1と第2の歯g2とを歯筋方向に平行移動させた場合には、歯筋の端部が同時に接触し合い、それによりかみ合い不良が生じる恐れがある。これに対し本発明によれば、第1の歯g1の歯筋と第2の歯g2の歯筋とが互いに非平行な状態で接触し合うようにしているので、かみ合い不良が生じることを抑制できる。
最初の接触から、第1のギア部材G1と第2のギア部材G2とを更に近接させる方向に相対移動させると、図2に示すように、互いに歯筋が非平行状態にある第1の歯g1と第2の歯g2とが噛合するようになるが、このとき第1のギア部材G1と第2のギア部材G2とは互いに対して姿勢変化が生じるようになっており、第1の歯g1の歯筋と第2の歯g2の歯筋とが平行な状態になるよう強制される。従って、噛合前の位置関係に関わらず、噛合により高いかみ合い率が確保されるようになるため、保持力を高めることができる。又、歯数を少なく抑えても保持力を確保することができるので、軽量且つコンパクトでありながら、良好な操作フィーリングを確保できるという利点もある。
本発明によれば、噛合した後における前記第1の歯と前記第2の歯の歯筋同士の平行度が、噛合する前における歯筋同士の平行度より高くなるようにしているので、かみ合い不良を抑制すると共にかみ合い率を確保できる。なお、本明細書中、「平行度」とは、第1の歯の歯筋と第2の歯の歯筋とが平行に近い度合いをいい、歯筋同士のなす角度が直角の場合、平行度は最も低く、歯筋同士が平行の場合、平行度は最も高くなる。更に「テレスコ方向」とはステアリングシャフトの軸線方向をいい、「チルト方向」とは、それに交差する方向(特に上下方向)をいうものとする。
前記第1の歯と前記第2の歯のうち少なくとも一方が噛合時に弾性変形することによって、噛合する前の歯筋同士の平行度に対して、噛合した後の歯筋同士の平行度を高くすると、簡素な構成で上述の効果を実現できる。
前記第1の歯と前記第2の歯のうち少なくとも一方の弾性変形を制限する制限手段が設けられていると、不用意な変形や破損などを抑制できる。
以下、本発明の実施の形態に係るチルト ・テレスコピック式のステアリング装置を図面を参照しつつ説明する。図1、2は、本実施の形態に係るステアリングコラム装置の斜視図であり、図1はロック状態を示し、図2は解除状態を示す。
円筒状のコラム本体1は、ブラケット2、3を介して不図示の車体に取り付けられるようになっている。コラム本体1内には、不図示のステアリングホイールと操舵機構とを連結するステアリングシャフトSが挿通され、不図示のベアリングにより回転自在に支持されている。
コラム本体1の側部には、板状のテレスコ用ギアベース6が固定されており、一方、ブラケット2に板状のチルト用ギアベース7が固定されている。テレスコ用ギアベース6は、コラム本体1におけるテレスコ方向の調整幅に対応した長さを有している。又、チルト用ギアベース7は、コラム本体1におけるチルト方向の調整幅に対応した高さを有している。コラム本体1には、テレスコピックスライド用の長穴が成形されている。
ブラケット2に設けられたチルト方向の長孔(不図示)と、コラム本体1に設けられたテレスコ方向の長孔(不図示)を貫通した回動可能なシャフト5aに、操作レバー5が取り付けられている。操作レバー5には、テレスコ用ギアベース6に対応して、テレスコ用ギア部材8が固定的に取り付けられ、チルト用ギアベース7に対応して、チルト用ギア部材9が一体的に形成されている。
図1に示す位置に操作レバー5を回動させると、テレスコ用ギアベース6にテレスコ用ギア部材8が噛合し、且つチルト用ギアベース7にチルト用ギア部材9が噛合する。これに対し、図2に示す位置に操作レバー5を回動させると、テレスコ用ギアベース6からテレスコ用ギア部材8が離脱し、且つチルト用ギアベース7からチルト用ギア部材9が離脱するようになっており、それによりコラム本体1を不図示の車体に対してテレスコ・チルト位置調整できるようにしている。
図5は、噛合前におけるテレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の斜視図である。図6は、噛合後におけるテレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の斜視図である。コラム本体1にボルト止めされたテレスコ用ギアベース6は、一方の面に複数の歯(第1の歯)6aを有している。又、U字状に折り曲げられた板材からなり操作レバー5に片持ち状に取り付けられたテレスコ用ギア部材8は、歯6aに対向する面に、同じピッチで複数の歯(第2の歯)8aを有している。
組み付け前の状態においては、図5に示すように、テレスコ用ギアベース6の歯6aの歯筋と、テレスコ用ギア部材8の歯8aの歯筋とのなす角度はγ°(≠0°)である。
図7は、離脱状態から噛合状態に至るテレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の断面図である。図7を参照して、テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の噛合動作について説明する。上述したように、噛合前の状態においては、テレスコ用ギアベース6の歯6aとテレスコ用ギア部材8の歯8aとは、歯筋が互いに角度γ°(約9°)で傾いている(図7(a))。
ここから、テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8とを相対的に接近させると、まず歯6aの先端が歯8aに対して斜めに当接することになるので、かみ合い不良が抑制される。更に、テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8とを相対的に移動させると、テレスコ用ギア部材8がテレスコ用ギアベース6に倣って弾性変形するので、図7(b)に示すように、歯6aの歯筋と歯8aの歯筋との角度がδ°(約4°、<γ°)に減少する。
テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8とが最終的な噛合位置に到達したときは、図7(c)に示すように、歯6aの歯筋と歯8aの歯筋との角度がε°(約0°、<δ°)に減少するので、噛合前の状態に関わらず、歯6aと歯8aのかみ合い率を向上させることができる。このように、本実施の形態による歯6a、8aの噛合では、従来のギアの噛合と比較して、歯先同士が当接しあって移動が阻止される可能性が低く、操作レバー5の操作フィーリングが向上するといった効果がある。
更に、テレスコ用ギア部材8は、平板材にプレスで歯8aを形成した後、U字状に折り曲げることで製造することができる。かかる場合、折り曲げ部となる部位まで歯8aを形成すれば、歯8aの歯筋の一部は半径rの円弧状となる(図7(a)参照)。このような歯8aに対して歯6aを接近させると、噛合時に歯6aの歯先が歯底方向に滑りやすくなり、操作レバー5の操作フィーリングをより向上させることができる。
また、シャフト5aに、回転制限を有するロータリークランプ機構10を設けると、操作レバー5の回動を任意の位置に制限することができ、それによりテレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8のかみ合い率を、所望の値に調整することができる。
更に、テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の歯筋は、操作レバー5の中心をした曲率半径R(図1)の円弧状に形成すると好ましい。テレスコ用ギア部材8は、操作レバー5に固定されるので、その歯8aの移動軸跡は円弧状となる。そのためテレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の歯筋を、同じ曲率半径の円弧状に形成することで、歯6a、8a同士が噛合する際に、操作フィーリングを向上させることができる。
以上、テレスコ用ギアベース6とテレスコ用ギア部材8の噛合動作について述べたが、チルト用ギアベース7とテレスコ用ギア部材9との噛合動作も基本的に同様である。具体的には、図8に示すように、略Z字状に折り曲げられた板材からなりコラム本体1に片持ち状に取り付けられたチルト用ギアベース7は、一方の面に複数の歯(第1の歯)7aを有している。又、操作レバー5の一部に形成されたチルト用ギア部材9は、歯7aに対向する面に、同じピッチで複数の歯(第2の歯)9aを有している。
噛合前における歯7aの歯筋と歯9aの歯筋とは、所定の角度で傾いているが、噛合によってチルト用ギアベース7が弾性変形して、テレスコ用ギア部材9に倣うようになり、噛合前における歯7aの歯筋と歯9aの歯筋とは、ほぼ平行な状態になるので、かみ合い不良を抑制してかみ合い率を高めることができる。
図9(a)は、本実施の形態の変形例にかかるテレスコ用ギアベース6’とテレスコ用ギア部材8’を示す斜視図であり、図9(b)は、図9(a)に示す構成をIXB-IXB線で切断して矢印方向に見た図であり、図9(c)は、噛合時の断面図である。図10は、テレスコ用ギア部材8’の製造方法を示すフローチャートである。
まず、本変形例のテレスコ用ギア部材8’の製造方法について説明すると、まず図10のステップS101において、長板材を切断してブランク長さを決め、ステップS102において、長板材の両端近傍に歯8a’をプレス成形(転造により形成しても良い)し、ステップS103において、略U字形状に折り曲げると共に、歯8a’が対向するようにその両端を内側に折り曲げることで、図9に示すテレスコ用ギア部材8を得ている。テレスコ用ギアベース6’は、板材の両面に歯6aを形成するのみで足りる。
本変形例における噛合動作を説明する。噛合前の状態においては、テレスコ用ギアベース6’の歯6a’とテレスコ用ギア部材8’の歯8a’とは、歯筋が所定角度で傾いている(図9(b))。ここから噛合を開始すると、図9(b)において、テレスコ用ギアベース6’の歯6a’における歯筋の下端部が、テレスコ用ギア部材8’の歯8a’の歯筋の上端部にかみ合い始め、歯8a’が設けられた片持ち状の板部が押し広げられるように弾性変形しつつ、図9(c)に示すように、噛合が完了する。噛合後には、歯6a’と歯8a’の歯筋は略平行となる。このような噛合態様によれば、歯先同士が当たり、そこからかみ合い始めるような従来の噛合態様に比べ、かみ合いの段階感がなく、又、かみ合い不良が発生しにくいという利点がある。又、かみ合い面に対称性を与えることで、安定した保持を実現できると共に、かみ合う面積も単純計算で倍になるので、その分だけ保持力を高めることができる。
図11は、別な変形例にかかる図9(a)と同様な斜視図である。本変形例が、図9の変形例と異なる点は、テレスコ用ギアベース6”の歯6a”の下端6b”を丸める(先端にゆくにつれて歯形が小さくなる)ように加工した点である。それ以外の点については同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
本変形例によれば、噛合前に歯筋同士が平行でないことに加え、歯6a”の下端6b”を丸めることで、かみ合い不良を抑制することができる。以上のような構成は、チルト用ギアベース7とチルト用ギア部材9についても同様に適用できる。
図12は、更に別な変形例にかかる図9(a)と同様な斜視図である。本変形例においては、テレスコ用ギア部材8”の側面をプレスすることで、歯8a”の裏面が当接する突起8c”を形成している。突起8c”は、テレスコ用ギアベース6’が挿入された際に、片持ち状である歯8a”の変形を制限して、歯6a’、8a”の噛合を確保する制限手段の機能を有する。
図13は、更に別な変形例にかかる図9(a)と同様な斜視図である。本変形例においては、テレスコ用ギア部材8’”の端部を内側面に対向するように折り曲げることで、突起8d’”を形成している。突起8d’”は、テレスコ用ギアベース6’が挿入された際に、対向する内側面に当接することで、片持ち状である歯8a’”の変形を制限して、歯6a’、8a’”の噛合を確保する制限手段の機能を有する。図12,13に示す突起は、図11に示す構成にももちろん適用できる。
図14は、変形例にかかるチルト用ギアベース7とチルト用ギア部材9’との関係を示す斜視図である。チルト用ギア部材9’は、歯9a’(図14では裏面に形成)の歯筋の先端形状を、それに対向するチルト用ギアベース7の歯7aの先端形状の並びに対して、ν=5度の傾斜角度を持った形状に揃えている。
噛合時において、チルト用ギア部材9’の歯9a’は、チルト用ギアベース7の歯7aに噛合し始める際に、図14のA点から噛み合い始める。即ち、歯7a、9a’の噛合が、ひとつの歯から始まり、更にそれに隣接する歯が順次噛合するようにすることにより、噛み合い不良の発生率を小さくすることが可能である。
本実施の形態では、傾斜角度ν=5度としたが、ギアの噛み合い開始がひとつの歯から噛み合えばよいので、その角度や形状には限定されることがない。このような構成は、テレスコ用ギアベースとテレスコ用ギア部材についても同様に適用できる。
図15は、変形例に係るステアリングコラム装置の斜視図である。本変形例では、テレスコ用ギアベース6は、コラム本体1と一体化されており、すなわちコラム本体1の両側面に歯6aが形成されている。一方、テレスコギヤ部材8は、一端を操作レバー5にボルト止めしてなる半円筒内周面を備えた板状を有し、歯6aに対応する内周面の位置に歯8aを形成している。又、チルト用ギアベース7は、図9(a)に示すように、対向する内側面に歯7aを形成し、チルト用ギア部材9は両面に歯9aを形成している。操作レバー5を図15に示す位置から、反時計回りに回動させると、テレスコギヤ部材8がコラム本体1の下半部を包み込むようになり、それにより互いに非平行であった歯6a、8a同士及び歯7a、9a同士が、噛合して平行になる。
図16は、変形例に係るステアリングコラム装置のコラム本体を示す斜視図である。本変形例においては、コラム本体1を板金プレスにより形成している。コラム本体1は、成形容易性及び軽量化を確保するために平板から打ち抜き、丸め込むように折り曲げて成形している。本変形例では、テレスコ用ギアベース6は、コラム本体1の一方の側縁1bと一体化されており、即ち、板金プレス前に、平板の側縁1bの両側に歯6aが形成されているため、製造が容易である。
操作レバー5は、軸線方向にのびる長孔1aに沿って移動可能なシャフト5aの周囲に駆動可能であり、その一部に形成された歯(不図示)は、それと非平行な歯6aと噛合して平行になる。テレスコ用ギアベース6は、コラム本体1の他方の側縁1cに設けても良いし、両方に設けることで、保持力を高く確保することができる。なお、テレスコ用ギアベース6を形成する側縁1b又は1cに関わらず、コラム本体1の両端は、内側に丸め込むようことで、ステアリングシャフト4を回転自在に支持する軸受(不図示)の保持部1d、1dを形成することができるので、低コストなステアリングコラム装置を提供できる。
本実施の形態では、1つの操作レバー5の操作で、テレスコ用ギアベースとテレスコ用ギア部材の噛合動作と、チルト用ギアベースとテレスコ用ギア部材の噛合動作とを行わせるようにしているが、これらの動作は、別々の操作レバーにより独立的に実行されても良い。
本実施の形態において、ギアの歯形に関してはモジュールを0.5としているが、その値は任意である。又、モジュールを極端に小さくした場合、ギア面性状は平面に近づくが、例え平面であっても摩擦による位置保持効果が得られるので、本発明は適用されうる。
なお、以上の例では、ギアベース又はギア部材を板金プレスにより成形するものとしたが、圧粉体成形によるもの、射出成形によるもの、ダイカスト、チワリモールディング等鋳造による方法、塑性加工によるもの、または切削による成形等、成形方法は何れを適用しても良い。更に、操作レバー5で、同時にギア部材8,9を移動させているが、別個の操作レバーによって個々に移動させても良い。
以上、実施の形態を参照して本発明を詳細に説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきでなく、その趣旨を損ねない範囲で適宜変更、改良可能であることはもちろんである。例えば、ギアベースとギア部材とは逆の構成・形状であってもよく、組み合わせは任意である。
1 コラム本体
2、3 ブラケット
4 ステアリングシャフト
5 操作レバー
6 テレスコ用ギアベース
7 チルト用ギアベース
8 テレスコ用ギア部材
9 チルト用ギア部材
10 カム式ロータリークランプ機構
2、3 ブラケット
4 ステアリングシャフト
5 操作レバー
6 テレスコ用ギアベース
7 チルト用ギアベース
8 テレスコ用ギア部材
9 チルト用ギア部材
10 カム式ロータリークランプ機構
Claims (3)
- ステアリングシャフトを、チルト方向及びテレスコ方向の少なくとも一方に対して位置調整可能に支持するステアリングコラム装置において、
車体に対して位置決めされる第1の歯と、
ステアリングシャフトを回転自在に支持するコラム本体と、
前記コラム本体と一体的に変位する第2の歯とを有し、
前記第1の歯と前記第2の歯とは、互いに噛合することによって、前記コラム本体を前記車体に対して位置決めし、離脱することによって、前記コラム本体を前記車体に対して位置調整可能としており、
噛合する前における前記第1の歯と前記第2の歯の歯筋同士の平行度を、噛合した後における歯筋同士の平行度より低くしたことを特徴とするステアリングコラム装置。 - 前記第1の歯と前記第2の歯のうち少なくとも一方が噛合時に弾性変形することによって、噛合する前の歯筋同士の平行度に対して、噛合した後の歯筋同士の平行度を高くすることを特徴とする請求項1に記載のステアリングコラム装置。
- 前記第1の歯と前記第2の歯のうち少なくとも一方の弾性変形を制限する制限手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のステアリングコラム装置。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090304 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20090903 |