JP2008110701A - 自動車のステアリング装置 - Google Patents

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智和 近藤
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Abstract

【課題】車両前面衝突時におけるステアリングシャフトの前方移動量の拡大を図る。
【解決手段】車両前面衝突時にギヤシャフト6に後退方向の衝突荷重が作用すると、ギヤシャフト6とステアリングシャフト2のロアシャフト2Lとを連結したユニバーサルジョイント8が破断して、アッパシャフト2Uに対してロアシャフト2L,ロアコラム3Lの一体的な下向きの回動が自由にされ、二次衝突によるアッパシャフト2Uとアッパコラム3Uの一体的な前方移動量が拡大され、ひいては二次衝突エネルギー吸収量が増大される。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車のステアリング装置に関する。
自動車のステアリング装置の中には、車両前面衝突時にステアリングシャフトに前方軸方向に二次衝突荷重が作用すると、ステアリングシャフト自体のコラプス機能に加えて、ステアリングコラム前端部を車体側部材に支持した板状支持部材の塑性変形により、ステアリングコラムの前端部を僅かな下向きの回動を伴って前方移動可能とすると共に、ステアリングシャフト前端に連結した伝達軸をコラプス機能させてステアリングシャフトの全体的な前方移動ストロークを増大させて、エネルギー吸収量を増大させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3409634号(第3頁、図3)
板状支持部材の塑性変形および伝達軸のコラプス機能によりステアリングシャフトの前方移動量を増大できるとしても、これら板状支持部材および伝達軸が存在している以上、その前方移動量も小さく抑制されてしまう。
そこで、本発明は車両前面衝突時におけるステアリングシャフトの前方移動量を格段に大きくすることができて、二次衝突エネルギー吸収効果をより一層高めることができる自動車のステアリング装置を提供するものである。
本発明の自動車のステアリング装置にあっては、ステアリングシャフトを、後端にステアリングホイールを設けたアッパシャフトと、前端をステアリングギヤに連なる被動側シャフトに連結し、前記アッパシャフトに対して下向きに回動可能に連結したロアシャフトと、に分割する一方、
ステアリングコラムを、アッパシャフトを回転可能に支持し、かつ、車体側部材に対して前方軸方向に作用する所要の衝突荷重で前方へスライド移動可能に取付けたアッパコラムと、ロアシャフトを回転可能に支持したロアコラムと、に分割し、
前記ロアシャフトと被動側シャフトとの連結部分を、被動側シャフトに後退方向に所要の衝突荷重が作用した際に破断可能としたことを最も主要な特徴とする。
本発明の自動車のステアリング装置によれば、車両前面衝突時に、フロントコンパートメントに搭載したパワーユニット等の搭載部品が後退移動して被動側シャフトに所要の衝突荷重が後退方向に作用するのと略同時に、ステアリングシャフトに二次衝突荷重が前方軸方向に作用すると、前記被動側シャフトとステアリングシャフトのロアシャフトとの連結部分が破断してロアシャフトがアッパシャフトに対して下向きに回動可能となる。
これにより、ロアシャフトがロアコラムと共に自重により、および後退変形するダッシュパネルの押圧力も付加されて下向きに回動する。
この結果、アッパコラムとアッパシャフトの前方移動ストロークが、被動側シャフト,ダッシュパネルおよびロアシャフトやロアコラム等に移動規制されることなく大きく確保され、車体側部材に対するアッパコラム,アッパシャフトの前方移動量の増大に伴って二次衝突エネルギー吸収量を増大することができる。
以下、本発明の実施形態を図面と共に詳述する。
図1〜図4は本発明にかかる自動車のステアリング装置の第1実施形態を示し、図1はステアリング装置の斜視図、図2は図1の平面図、図3はコラム取付けブラケットの分解斜視図、図4はステアリングシャフトの前方移動の挙動を(A)〜(C)に順を追って説明する側面図である。
本実施形態のステアリング装置1は、図1,図2に示すようにステアリングシャフト2と、該ステアリングシャフト2を回転自在に支持して、車体側部材であるステアリングメンバ4に取付けられるステアリングコラム3と、を備えている。
ステアリングシャフト2は、後端にステアリングホイール5を設けたアッパシャフト2Uと、前端を図外のステアリングギヤに連なる被動側シャフトとしてのギヤシャフト6にユニバーサルジョイント8を介して連結したロアシャフト2Lと、に分割してあり、これらアッパシャフト2Uの下端とロアシャフト2Lの上端とを、例えばユニバーサルジョイント7を介して連結して、この連結部分でロアシャフト2Lをアッパシャフト2Uに対して下向きに回動可能としてある。
ステアリングコラム3は、アッパシャフト2Uを図外の軸受を介して回転可能に支持したアッパコラム3Uと、ロアシャフト2Lを同じく図外の軸受を介して回転可能に支持したロアコラム3Lと、に分割してある。
このアッパコラム3Uは、ステアリングメンバ4に対して前方軸方向に作用する所要の衝突荷重で前方へスライド移動可能に取付けてある。
また、前記ロアシャフト2Lとギヤシャフト6との連結部分は、ギヤシャフト6に後退方向に所要の衝突荷重が作用した際に破断可能としてある。
ギヤシャフト6は、フロントコンパートメントF・C側に配設した図外のギヤボックスに突出配置され、ダッシュパネル9を貫通して車室R内側で前記ユニバーサルジョイント8を介してロアシャフト2Lに所定の角度で連結してある。
本実施形態では、このユニバーサルジョイント8のジョイントピン8aをシアピンで構成し、車両前面衝突時にフロントコンパートメントF・Cに搭載したパワーユニット等の搭載部品の後退移動に伴ってダッシュパネル9が車室R内側へ後退変形して、前記ギヤシャフト6にその連結角度が変化するように所要の衝突荷重が作用することにより、ジョイントピン8aが剪断してロアシャフト2Lがロアコラム3Lと一体に下向きに回動し得るようにしてある。
図3は前記アッパコラム3Uをステアリングメンバ4に取付けるためのコラム取付ブラケットを示し、コラム取付ブラケット11は、ステアリングメンバ4に設けた取付座4Aに固設したメンバ側ブラケット11Aと、アッパコラム3Uに固設したコラム側ブラケット11Bとで構成している。
メンバ側ブラケット11Aには、その前端から後方へ向けて所要の長さで略T字状のガイド溝12を形成してある一方、メンバ側ブラケット11Bの上面には略T字状のガイド突起13を形成してあって、これらガイド溝12とガイド突起13とを相互に摺動自在に係合してある。
また、メンバ側ブラケット11Aとコラム側ブラケット11Bとを複数個のシアピン14で連結して、二次衝突によりアッパシャフト2Uを介してアッパコラム3Uに前方軸方向に所要の衝突荷重が作用することにより、前記シアピン14が剪断してガイド溝12とガイド突起13とのガイド作用により、ステアリングメンバ4に対してアッパコラム3Uがアッパシャフト2Uと一体に前方へスライド移動可能としてある。
ステアリングメンバ4の前記メンバ側ブラケット11Aの左右両側には、アッパコラム3Uの前方スライド移動をガイドするための一対のガイドブラケット15を固設してある。
一方、アッパコラム3Uの前端部の左右両側には、前記ガイドブラケット15にステアリングシャフト2,ステアリングコラム3の配設角度で前後方向に設けたスライド溝16に摺動可能に係合するスライドピン17を突設してある。
このスライドピン17は、アッパコラム3Uのスライド移動に際して上下方向の回動が伴わないように非円形に形成してある。
また、スライド溝16とスライドピン17とは、相互のスライド移動時に所要のフリクションが得られてエネルギー吸収を行えるようにしてある。
なお、アッパシャフト2Uは、それ自体にコラプス機能を付与したものであってもよい。
以上の構成により本実施形態のステアリング装置によれば、車両前面衝突時に、フロントコンパートメントF・Cに搭載したパワーユニット等の搭載部品が後退移動してギヤシャフト6に所要の衝突荷重が後退方向に作用するのと略同時に、ステアリングホイール5を介してステアリングシャフト2に二次衝突荷重が前方軸方向に作用すると、図4の(A)に示すように前記ギヤシャフト6とステアリングシャフト2のロアシャフト2Lとの連結部分が破断、即ち、ユニバーサルジョイント8のジョイントピン8aが剪断して、ロアシャフト2Lがアッパシャフト2Uに対してユニバーサルジョイント7を支点に下向きに回動可能となる。
これにより、図4(B)に示すようにロアシャフト2Lがロアコラム3Lと一体に自重により、および後退変形するダッシュパネル9の押圧力も付加されて下向きに回動する。
これと同時に、二次衝突荷重によりコラム取付けブラケット11のシアピン14が剪断してメンバ側ブラケット11Aに対するコラム側ブラケット11Bの前方へのスライド移動が許容される。
その結果、コラム取付けブラケット11のガイド溝12とガイド突起13によるガイド作用と、ガイドブラケット15のスライド溝16とアッパコラム3Uのスライドピン17によるガイド作用とにより、図4(C)に示すようにアッパコラム3Uとアッパシャフト2Uとが一体にその配設角度が変化することなく前方へ軸方向にスライド移動する。
このとき、前述のようにロアシャフト2Lはロアコラム3Uと一体に下向きに回動されるため、前記アッパコラム3Uとアッパシャフト2Uの前方移動ストロークが、ギヤシャフト6,ダッシュパネル9およびロアシャフト2Lやロアコラム3L等に移動規制されることなく大きく確保され、ステアリングメンバ4に対するアッパコラム3U,アッパシャフト2Uの前方移動量の増大に伴って二次衝突エネルギー吸収量を増大することができる。
図5〜図7は本発明の第2実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図5はステアリング装置の側面図、図6はギヤシャフトおよびロアコラムと荷重伝達部材との関係を示す下側から見た斜視図、図7はステアリングシャフトの前方移動の挙動を(A),(B)に順を追って説明する側面図である。
本実施形態のステアリング装置1Aは、基本的に前記第1実施形態のステアリング装置1と同様の構成となり、車両前面衝突時にパワーユニット等の後退移動によりギヤシャフト6に後退方向に衝突荷重が作用すると、ユニバーサルジョイント8のジョイントピン8aが剪断してロアコラム3Lおよびロアシャフト2Lを下向きに回動させ、これとほぼ同時にステアリングシャフト2に前方軸方向に作用する二次衝突荷重によって、ステアリングメンバ4に対してアッパコラム3Uおよびアッパシャフト2Uが前方へスライド移動するようになっている。
そして、本実施形態では前記ダッシュパネル9に、車両前面衝突時に該ダッシュパネル9の後退移動により、前記ギヤシャフト6に衝接して、そのロアシャフト2Lとの連結部分、即ち、前記ユニバーサルジョイント8に破断力を付与する荷重伝達部材20を設けてある。
この荷重伝達部材20は図6に示すように、ダッシュパネル9に重合して結合されるベース部21と、その左右両側の側壁22、およびベース部21と側壁22,22の上端を連設する上壁23とを備えている。
側壁22,22の後縁は弧状または斜状に形成してあって、一方の側壁22の後縁を前記ギヤシャフト6と交叉するように近接配置してある。
また、上壁23の後縁中央部には回動ガイド部としての弧状の切欠溝23aを形成してあって、この切欠溝23aをロアコラム3Lの前端上面に近接もしくは当接配置してある。
この第2実施形態の構造によれば、車両前面衝突時にパワーユニット等の後退移動によりダッシュパネル9が後退移動すると、図7(A)に示すように荷重伝達部材20の側壁22の後縁がギヤシャフト6に衝接して該ギヤシャフト6にその折れ方向に衝突荷重を伝達する。
すると、この衝突荷重によってユニバーサルジョイント8のジョイントピン8aが剪断してギヤシャフト6とロアシャフト2Lとを分離する。
従って、この第2実施形態では荷重伝達部材20によって、ギヤシャフト6とロアシャフト2Lとの連結部分を確実に破断して、ロアシャフト2Lとロアコラム3Lの一体的な下向きの回動を自由にすることができる。
そして、本実施形態では前記荷重伝達部材20は、後縁がロアコラム3Lの前端上面に近接もしくは当接する上壁23を備えているので、ギヤシャフト6に衝突荷重が伝達されるのとほぼ同時に、前記上壁23の後縁がロアコラム3Lの前端上面に圧接して衝突荷重をロアコラム3Lに下向きの回動力として伝達する。
この結果、図7(B)に示すように前記ユニバーサルジョイント8の破断とほぼ同時に、荷重伝達部材20によりロアコラム3Lとロアシャフト2Lとを下向きに強制的に回動させることができる。
しかも、前記上壁23の後縁には弧状の切欠溝23aを形成して、該切欠溝23aがロアコラム3Lの前端上面と係合し得るようにしてあるので、ロアコラム3Lの前端上面を周方向に抱持して、ロアコラム3Lおよびロアシャフト2Lが左右方向に振れ動くことなく下向きに適正に回動させることができる。
図8,図9は本発明の第3実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図8はステアリング装置の側面図、図9はステアリングシャフトの前方移動の挙動を(A),(B)に順を追って説明する側面図である。
本実施形態のステアリング装置1Bは、基本的に前記第1実施形態のステアリング装置1と同様の構成となり、車両前面衝突時にパワーユニット等の後退移動によりギヤシャフト6に後退方向に衝突荷重が作用すると、ユニバーサルジョイント8のジョイントピン8aが剪断してロアコラム3Lおよびロアシャフト2Lを下向きに回動させ、これとほぼ同時にステアリングシャフト2に前方軸方向に作用する二次衝突荷重によって、ステアリングメンバ4に対してアッパコラム3Uおよびアッパシャフト2Uが前方へスライド移動するようになっている。
そして、本実施形態では前記ダッシュパネル9とロアコラム3Lとの間に、車両前面衝突時にダッシュパネル9の後退移動により、ロアコラム3Lを下向きに回動させる回動機構30を設けてある。
この回動機構30として本実施形態では、ロアコラム3Lの上方でダッシュパネル9とステアリングメンバ4に固設したブラケット取付座4Aの前端部とに跨って連結したリンク機構31が用いられている。
このリンク機構31は、一端が相互に上下方向に回動可能に連結され、他端が対応するダッシュパネル9,ブラケット取付座4Aにそれぞれ上下方向に回動可能に連結された第1リンク部材31Aと第2リンク部材31Bとを備えている。
第1リンク部材31Aと第2リンク部材31Bは下向きにくの字状に屈曲して配置され、このくの字状の屈曲頂部となる第1,第2リンク部材31A,31Bの連結部分を、前記ロアコラム3Lの前端上面に当接配置して構成している。
この第3実施形態の構造によれば、前述のように車両前面衝突時にパワーユニット等の後退移動により、ギヤシャフト6に所要の衝突荷重が後退方向に作用すると、図9(A)に示すようにギヤシャフト6とロアシャフト2Lとの連結部分、即ち、ユニバーサルジョイント8のジョイントピン8aが剪断して、アッパシャフト2Uに対してユニバーサルジョイント7を支点とするロアシャフト2Lとロアコラム3Lの一体的な自重による下向きの回動が自由にされる。
このとき、前記パワーユニット等の後退移動に伴ってダッシュパネル9が変形して後退移動すると、図9(B)に示すようにリンク機構31が折り込まれ、第1,第2リンク部材31A,31Bの連結部分がロアコラム3Lの前端上面を押圧する。
この結果、ユニバーサルジョイント8の破断とほぼ同時に、リンク機構31によりロアコラム3Lをロアシャフト2Lと一体的に下向きに強制的に回動させることができる。
また、本実施形態では回動機構30を、2つのリンク部材31A,31Bからなるリンク機構31で構成しているので、構造を簡単にすることができる。
なお、この第3実施形態における回動機構30は、前記第2実施形態のステアリング装置1Aに適用することも可能である。
図10,図11は本発明の第4実施形態を示し、前記第1実施形態と同一構成部分に同一符号を付して重複する説明を省略して述べるものとし、図10はステアリング装置の平面図、図11はフェイルセーフ用の操舵力伝達機構の平面説明図である。
本実施形態のステアリング装置1Cは、ステアリングシャフト2,ステアリングコラム3等の操舵系と、図外のステアリングギヤ,ステアリングラック等のステアリング系とが切り離されて、ステアリングシャフト2の操舵角に応じてモータ等の駆動機構により電気・機械的に前記ステアリングギヤを駆動するステアリングバイワイヤ方式の制御手段を備えたものである。
前記ステアリングシャフト2およびステアリングコラム3は、それぞれアッパシャフト2U,ロアシャフト2Lおよびアッパコラム3U,ロアコラム3Lに分割してある点、アッパシャフト2Uとロアシャフト2Lは、ユニバーサルジョイント7を介してアッパシャフト2Uに対してロアシャフト2Lがユニバーサルジョイント7を支点に下向きに回動可能としてある点、アッパコラム3Uはステアリングメンバ4に対してコラム取付けブラケット11を介して所要の二次衝突荷重で前方軸方向へスライド移動可能としてある点、および、アッパコラム3Uは一対のガイドブラケット15のスライド溝16とスライドピン17とによって、前方へのスライド移動がガイドされるようにしてある点、等は前記第1実施形態と同様である。
ここで、本実施形態では前記ロアコラム3Lの前端部には、図11に示すようにロアシャフト2Lに連結されて、ステアリングシャフト2に所要の操舵反力を発生させるための反力発生用のモータ44を配設してある。
また、このロアシャフト2Lとステアリングギヤ6との間に、常態にあってはそれらの間の操舵力伝達系を遮断し、前記制御手段(図示省略)の電気系統の失陥時に該操舵力伝達系を連結するクラッチ41を有するフェイルセーフ用の操舵力伝達機構40を設けてある。
クラッチ41は、ステアリングシャフト2側のクラッチ要素41Aと、ギヤシャフト6側のクラッチ要素41Bとからなり、操舵力伝達機構40は、このクラッチ41と、クラッチ要素41Aとロアシャフト2Lとを連結する第1ウオームギヤ機構42と、クラッチ要素41Bとギヤシャフト6とを連結する第2ウオームギヤ機構43と、を備えている。
第1ウオームギヤ機構42は、クラッチ要素41Aのクラッチ軸41a端に設けたピニオン42Aと、前記反力発生用のモータ44のモータシャフト44a端に設けられて前記ピニオン42Aに噛合したウオーム42Bとからなる。
また、第2ウオームギヤ機構43は、クラッチ要素41Bのクラッチ軸41b端に設けたピニオン43Aと、前記ギヤシャフト6端に設けられて前記ピニオン43Aに噛合したウオーム43Bとからなる。
クラッチ軸41a,41bは、平面視して前記ステアリングシャフト2およびギヤシャフト6と直交して設けられており、そこで、本実施形態ではクラッチ軸41bを被動側シャフトとして、該クラッチ軸41bの中間部分にその軸心と直交方向に所要の衝突荷重が作用することにより破断する周溝45aを形成して易破断部45としてある。
この第4実施形態の構造によれば、車両前面衝突時にパワーユニット等の後退移動に伴ってギヤシャフト6およびダッシュパネル9が後退移動して、クラッチ軸41aにその剪断方向(直交方向)に衝突荷重が作用すると、この衝突荷重により易破断部45としての周溝45aの部分でクラッチ軸41bが破断して、ロアシャフト2Lとロアコラム3Lの一体的な下向きの回動を自由にする。
すると、ロアシャフト2Lの前端には第1ウオームギヤ機構42,クラッチ41が連設されていることに加えて、ロアコラム3Lの前端部には反力発生用のモータ44が設けられていることにより、これら第1ウオームギヤ機構42,クラッチ41,モータ44の重量によってロアコラム3Lとロアシャフト2Lの下向きの回動を積極的に行わせることができて、前記第1実施形態と同様のアッパシャフト2Uの前方移動量の増大、ひいては二次衝突エネルギー吸収量の増大を実現することができる。
なお、前記第2実施形態における荷重伝達部材20や、第3実施形態における回動機構30を、この第4実施形態のステアリング装置1Cに適用することも可能である。
図12は本発明の第5実施形態を示し、本実施形態にあっては、前記第1実施形態〜第4実施形態のステアリング装置1〜1Cの構造において、ロアコラム3Lに、該ロアコラム3Lに下向きの回動力を付与する付勢手段50を設けてある。
図12に示す実施形態にあっては、この付勢手段50として、ステアリングメンバ4内にトーションバー51を組込み、該トーションバー51の捩り力をロアコラム3Lの下向きの回動力として作用させるようにしている。
ステアリングメンバ4の周壁の一部には、トーションバー組込み用のスリット4aを長さ方向に形成してあると共に、該スリット4aの両端部にトーションバー4の両端曲折部51a,51bの移動用スリット4b,4cを周方向に形成してある。
トーションバー4の両端の曲折部51a,51bは、所要の捩り作用角度αが得られるように位相を異にして直角に曲折成形してある。
このトーションバー51は、前記スリット4aからステアリングメンバ4内に挿入し、両端部51a,51bを対応する移動用スリット4b,4cから外側に突出させて配置してある。
トーションバー51の一方の端部51aは、その先端部をロアコラム3Lの前端部上面に当接配置してあり、該ロアコラム3Lの上面には端部51aの左右方向のずれ動きを規制する係止部52を形成してある。
トーションバー51の他方の端部51bは、前記移動用スリット4cから上方に向けて突出配置し、その先端部をばね力アジャスタ53の係止部材53cに係合してある。
ばね力アジャスタ53は、ステアリングメンバ4の上面部分に固設したブラケット53aと、該ブラケット53aを前後方向に貫通して配設したアジャストスクリュー53bと、該アジャストスクリュー53bの先端に回動自在に連結した前記係止部材53cとを備えていて、アジャストスクリュー53bにより係止部材53cを前方へ移動して、トーションバー51の他端51bを前方へ倒し込むことにより、トーションバー51に捩り力を発生させて、一方の端部51aでロアコラム3Lに下向きの回動力を付勢している。
このように、トーションバー51によりロアコラム3Lの前端部に下向きの回動力を付与することにより、前記各実施形態において車両前面衝突時に被動側シャフト6または41bが破断した際には、該トーションバー51の付勢力でロアコラム3Lのロアシャフト2Lと一体的な下方回動をより確実に行わせることができる。
図13は前記第5実施形態の変形例を示すもので、この変形例にあっては付勢手段50として板ばね材54を用いている。
板ばね材54は、その中間部分をステアリングメンバ4の前面部分にホルダー55を介して抱持して、下端をロアコラム3Lの前端部上面に設けたずれ動き規制用の係止部52に係止してある一方、上端部をステアリングメンバ4に固設した前記ばね力アジャスタ53の係止部材53cに係合してあって、アジャストスクリュー53bの前記押し込み操作によって、板ばね材54によりロアコラム3Lの前端部に下向き方向の回動力を付勢している。
この変形例によれば、前記トーションバー51を用いるのに較べて付勢手段50を小型化できるとともに、ステアリングメンバ4にスリット加工を施さなくても済むため、構成を簡略にすることができる。
この他、付勢手段50としては、図示は省略したが、ロアコラム3Lの前端部を下方に牽引する引張りスプリングを用いることもできる。
ところで、本発明にかかる自動車のステアリング装置は前記第1〜第5実施形態に例をとって説明したが、これら実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施形態を各種採用することができる。
本発明の第1実施形態におけるステアリング装置の斜視図。 図1の平面図。 コラム取付けブラケットの分解斜視図。 ステアリングシャフトの前方への移動挙動を(A)〜(C)に順を追って説明する側面図。 本発明の第2実施形態におけるステアリング装置の側面図。 ギヤシャフトとロアコラムと荷重伝達部材との関係を示す下側から見た斜視図。 ステアリングシャフトの前方への移動挙動を(A),(B)に順を追って説明する側面図。 本発明の第3実施形態におけるステアリング装置を示す側面図。 ステアリングシャフトの前方への移動挙動を(A),(B)に順を追って説明する側面図。 本発明の第4実施形態におけるステアリング装置を示す平面図。 操舵力伝達機構を示す平面説明図。 本発明の第5実施形態における付勢手段配設状態を示す部分的斜視図。 本発明の第5実施形態の変形例を示す部分的斜視図。
符号の説明
1,1A,1B,1C ステアリング装置
2 ステアリングシャフト
2U アッパシャフト
2L ロアシャフト
3 ステアリングコラム
3U アッパコラム
3L ロアコラム
4 ステアリングメンバ(車体側部材)
6 ギヤシャフト(被動側シャフト)
7 ユニバーサルジョイント(連結部)
8 ユニバーサルジョイント(連結部)
9 ダッシュパネル
11 コラム取付けブラケット
15 ガイドブラケット
16 スライド溝
17 スライドピン
20 荷重伝達部材
23a 切欠縁(回動ガイド部)
30 回動機構
31 リンク機構
31A 第1リンク部材
31B 第2リンク部材
40 操舵力伝達装置
41 クラッチ
41b クラッチ軸(被動側シャフト)
45 易破断部
50 付勢手段

Claims (7)

  1. ステアリングシャフトを、後端にステアリングホイールを設けたアッパシャフトと、前端をステアリングギヤに連なる被動側シャフトに連結し、前記アッパシャフトに対して下向きに回動可能に連結したロアシャフトと、に分割する一方、
    ステアリングコラムを、アッパシャフトを回転可能に支持し、かつ、車体側部材に対して前方軸方向に作用する所要の衝突荷重で前方へスライド移動可能に取付けたアッパコラムと、ロアシャフトを回転可能に支持したロアコラムと、に分割し、
    前記ロアシャフトと被動側シャフトとの連結部分を、被動側シャフトに後退方向に所要の衝突荷重が作用した際に破断可能としたことを特徴とする自動車のステアリング装置。
  2. ダッシュパネルに、車両前面衝突時に該ダッシュパネルの後退移動により、前記被動側シャフトに衝接して、ロアシャフトとの連結部分に破断力を付与する荷重伝達部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の自動車のステアリング装置。
  3. 荷重伝達部材は、ロアシャフトと被動側シャフトとの連結部分の破断後、ロアコラムに当接して下向きの回動力を付与する回動ガイド部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の自動車のステアリング装置。
  4. ダッシュパネルとロアコラムとの間に、車両前面衝突時にダッシュパネルの後退移動により、ロアコラムを下向きに回動させる回動機構を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の自動車のステアリング装置。
  5. 回動機構が、ロアコラムの上方でダッシュパネルと前記車体側部材とに跨って下向きにくの字状に屈曲して連結された第1,第2リンク部材からなるリンク機構であって、該くの字状の屈曲頂部となる第1,第2リンク部材の連結部分を前記ロアコラムの上面に当接配置して構成したことを特徴とする請求項4に記載の自動車のステアリング装置。
  6. 操舵系と、ステアリング系とが切り離されて、ステアリングシャフトの操舵角に応じて電気・機械的にステアリングギヤを駆動するステアリングバイワイヤ方式の制御手段を搭載した車両であって、
    ロアコラムにはステアリングシャフトに所要の操舵反力を発生させるモータを配設する一方、
    ロアシャフトとステアリングギヤとの間には、常態にあってはそれらの間の操舵力伝達系を遮断し、前記制御手段の電気系統の失陥時に該操舵力伝達系を連結するクラッチを有するフェイルセーフ用の操舵力伝達機構を設け、
    前記クラッチのクラッチ軸を被動側シャフトとして、該クラッチ軸に所要の車両前面衝突荷重が作用した際に破断する易破断部を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の自動車のステアリング装置。
  7. ロアコラムに、該ロアコラムに下向きの回動力を付与する付勢手段を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の自動車のステアリング装置。
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