JP2009292306A - 衝撃吸収操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】新たな部材を設ける必要がなく、衝撃吸収荷重のばらつきの少ない衝撃吸収操舵装置を提供すること。
【解決手段】衝撃吸収操舵装置1は、ステアリングシャフト4を回転可能に支持するジャケット11を備えている。ジャケット11は、軸方向X1に相対摺動可能に直接嵌合されたインナーチューブ17およびアウターチューブ18を含む。インナーチューブ17は、円筒状の主体部33と、この主体部33から端部へ延びる先細りテーパ状の縮径部34とを有し、アウターチューブ18は、円筒状の主体部35と、この主体部35から端部へ伸び縮径部34に嵌合した先太りテーパ状の拡径部36とを有している。縮径部34および拡径部36は、互いに逆向きに等しい傾斜角度θ1,θ2で傾斜している。また、アウターチューブ18の主体部35の内径D1は、インナーチューブ17の主体部33の外径D2よりも大きくされている。
【選択図】図2

Description

この発明は、自動車等の車両に用いられる衝撃吸収操舵装置に関するものである。
自動車等の車両に用いられる車両用操舵装置には、ステアリングホイールと運転者とが衝突するとき(いわゆる二次衝突)の衝撃を吸収することができる衝撃吸収操舵装置がある。
下記特許文献1では、軸方向に相対摺動可能に嵌合されたインナーチューブおよびアウターチューブと、その一端がインナーチューブに連結された長尺のプレートとを備える衝撃吸収操舵装置が開示されている。二次衝突の衝撃は、インナーチューブおよびアウターチューブが、互いの間に長尺のプレートを巻き込みながら軸方向に相対移動することにより吸収される。
また、下記特許文献2では、それぞれ板状の金属部材からなる複数のリテーナを介して、アウターチューブ内にインナーチューブが圧入された衝撃吸収操舵装置が開示されている。二次衝突の衝撃は、両チューブの相対移動により生じる衝撃吸収荷重としての摺動抵抗によって吸収される。
また、下記特許文献3では、インナーチューブおよびアウターチューブが直接嵌合され、アウターチューブに、その内側に突出する複数のかしめ突起が形成された衝撃吸収操舵装置が開示されている。複数のかしめ突起は、インナーチューブの外周に押圧されている。二次衝突の衝撃は、両チューブが相対移動するときに生じる、複数のかしめ突起とインナーチューブの外周との摺動による抵抗によって吸収される。
特開2006―327422号公報 特開2003―54423号公報 特開2002―337701号公報
上述の特許文献1〜3に係る衝撃吸収操舵装置は、何れも二次衝突の衝撃を吸収することができる。しかしながら、特許文献1および2に係る衝撃吸収操舵装置では、衝撃を吸収するための新たな部材として、プレートまたは複数のリテーナを設ける必要がある。また、衝撃吸収のときに、これらの部材が他の部材に干渉して、十分な衝撃吸収ストロークを確保できないおそれがある。一方、特許文献3に係る衝撃吸収操舵装置では、衝撃を吸収するための新たな部材を設ける必要はないものの、かしめ突起の形状を精度良く管理しないと衝撃吸収荷重がばらついてしまうという問題がある。
この発明は、かかる背景のもとになされたものであり、新たな部材を設ける必要がなく、衝撃吸収荷重のばらつきの少ない衝撃吸収操舵装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、操舵部材(2)に連結されたステアリングシャフト(4)を回転可能に支持するジャケット(11)を備え、上記ジャケットは、軸方向(X1)に相対摺動可能に直接嵌合されたインナーチューブ(17)およびアウターチューブ(18)を含み、上記インナーチューブは、円筒状の主体部(33)と、この主体部から端部へ延びる先細りテーパ状の縮径部(34)とを有し、上記アウターチューブは、円筒状の主体部(35)と、この主体部から端部へ伸び上記縮径部に嵌合した先太りテーパ状の拡径部(36)とを有し、上記縮径部および拡径部は、互いに逆向きに等しい傾斜角度(θ1,θ2)で傾斜しており、上記アウターチューブの主体部の内径(D1)が、上記インナーチューブの主体部の外径(D2)よりも大きくされていることを特徴とする衝撃吸収操舵装置(1)である。
本発明によれば、アウターチューブの主体部の内径がインナーチューブの主体部の外径よりも大きくされているので、ジャケットが軸方向に収縮すると、インナーチューブが、アウターチューブに摺動するとともに、アウターチューブを拡径しつつ、アウターチューブ内を軸方向に移動する。したがって、ジャケットが軸方向に収縮すると、両チューブには、摺動による抵抗と、アウターチューブの拡径による抵抗とが加わる。二次衝突による衝撃は、この摺動による抵抗と、拡径により生じる抵抗とによって吸収される。
すなわち、本発明に係る衝撃吸収操舵装置では、衝撃を吸収するための新たな部材を設けることなく二次衝突の衝撃を吸収することができる。また、インナーチューブの主体部の外径およびアウターチューブの主体部の内径や、インナーチューブの縮径部およびアウターチューブの拡径部の傾斜角度を変更することにより、衝撃吸収荷重を容易に調節することができる。したがって、かしめ突起によって衝撃吸収荷重を発生させる従来の衝撃吸収操舵装置に比べて、衝撃吸収荷重のばらつきを少なくすることができる。
また、上記縮径部および拡径部の何れか一方に設けられた係止突起(37)が、他方に設けられた係止部(39)に係止されることにより、両チューブの離脱が規制されている場合がある(請求項2)。この場合、係止突起と係止部との係合により両チューブの離脱が規制されるので、例えば、操舵部材の位置をステアリングシャフトの軸方向に調節するいわゆるテレスコ調節機能を衝撃吸収操舵装置に付加することができる。
また、上記係止突起は、当該係止突起が設けられるチューブとは単一の材料で一体に形成された折り曲げ爪(37)を含み、上記係止部は、当該係止部が設けられるチューブに形成された開口(38)の縁部(39)を含み、衝撃吸収のときに、上記折り曲げ爪が欠損可能とされている場合がある(請求項3)。この場合、折り曲げ爪を開口の縁部に係合させて両チューブの離脱を確実に規制することができる。さらに、衝撃吸収のときに、折り曲げ爪を欠損させることができるので、ばらつきのない衝撃吸収エネルギを得ることができる。
また、上記折り曲げ爪はアウターチューブに形成されている場合がある(請求項4)。この場合、折り曲げ爪をインナーチューブに形成した場合に比べて、折り曲げ爪の折り曲げ加工が容易である。
なお、上記において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収操舵装置1の概略構成を示す縦断面図である。
図1を参照して、衝撃吸収操舵装置1は、操舵部材としてのステアリングホイール2と、ステアリングホイール2の回転に連動して転舵輪(図示せず)を転舵するステアリング機構3とを備えている。ステアリングホイール2とステアリング機構3は、ステアリングシャフト4等を介して機械的に連結されている。ステアリングホイール2の回転は、ステアリングシャフト4を介してステアリング機構3に伝達される。ステアリングホイール2の回転をステアリング機構3に伝達することで、転舵輪を転舵することができる。ステアリング機構3としては、例えばラックアンドピニオン機構が挙げられる。
ステアリングシャフト4は、アッパーシャフト5、ロアーシャフト6、入力シャフト7および出力シャフト8を有している。これらのシャフト5〜8は、ステアリングホイール2からステアリング機構3に向かって、アッパーシャフト5、ロアーシャフト6、入力シャフト7、出力シャフト8の順で配置されている。ステアリングホイール2は、アッパーシャフト5に連結されている。
アッパーシャフト5およびロアーシャフト6は、例えばスプライン嵌合やセレーション嵌合により、同行回転可能に、且つステアリングシャフト4の軸方向X1に相対移動可能に連結されている。また、ロアーシャフト6および入力シャフト7は、同行回転可能に連結されている。さらに、入力シャフト7および出力シャフト8は、トーションバー9を介して同一軸線上で相対回転可能に連結されている。
ステアリングホイール2に一定値以上の操舵トルクが入力されると、入力シャフト7および出力シャフト8は、互いに相対回転しつつ同一方向に回転する。このときステアリングホイール2に入力された操舵トルクは、入力シャフト7および出力シャフト8の相対回転変位量に基づいてトルクセンサ10によって検出される。トルクセンサ10のトルク検出結果は、図示しないECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)に入力される。
また、ステアリングシャフト4は、筒状のジャケット11およびハウジング12からなる筒状のステアリングコラム13を挿通している。ステアリングシャフト4は、複数の軸受14を介して、ステアリングコラム13に回転可能に保持されている。ステアリングシャフト4は、ステアリングコラム13を介して車体側部材(図示せず)取り付けられている。
ジャケット11は、その軸方向(図1では、ステアリングシャフト4の軸方向X1と同一方向。以下では単に「軸方向X1」という。)に相対摺動可能に嵌合されたアッパーチューブ15と、ロアーチューブ16とを有している。アッパーチューブ15は、軸方向X1に相対摺動可能に直接嵌合されたインナーチューブ17およびアウターチューブ18を含む。ジャケット11は、アウターチューブ18に取り付けられた連結機構19によって、車体側部材に連結されている。
インナーチューブ17は、アウターチューブ18に対してステアリングホイール2側に配置されている。ステアリングホイール2は、アッパーシャフト5等を介してインナーチューブ17に保持されている。ステアリングホイール2は、ステアリングシャフト4の軸方向X1に、インナーチューブ17と同行移動可能となっている。
車両の衝突によって運転者がステアリングホイール2に衝突(二次衝突)すると、二次衝突による荷重は、ステアリングホイール2およびステアリングシャフト4等を介してインナーチューブ17およびアウターチューブ18に伝達される。インナーチューブ17およびアウターチューブ18に作用する荷重が所定値以上であれば、アウターチューブ18に対してインナーチューブ17が軸方向X1に移動する。このとき、ステアリングホイール2は、インナーチューブ17等とともに軸方向X1に移動する。インナーチューブ17およびアウターチューブ18は、通常の使用時において相対移動しないように結合されている。
一方、ハウジング12は、互いに嵌め合わされた筒状のセンサハウジング20およびギヤハウジング21を含む。上述のトルクセンサ10は、センサハウジング20に収容されている。センサハウジング20は、ロアーチューブ16に連結されている。また、ギヤハウジング21は、ブラケット22およびチルト支軸23を介して車体側部材(図示せず)に連結されている。ブラケット22は、チルト支軸23を介して、チルト支軸23の中心軸線(図1では、紙面に垂直な軸線)回りに回動可能に車体側部材に連結されている。ステアリングコラム13は、チルト支軸23の中心軸線回りに回動可能となっている。
また、連結機構19は、アウターチューブ18に固定されたコラム側ブラケット24と、車体側部材(図示せず)に固定された車体側ブラケット25と、両ブラケット24,25の相対位置を固定するためのロック機構26とを有している。コラム側ブラケット24および車体側ブラケット25は、ロック機構26によって互いに連結されている。コラム側ブラケット24および車体側ブラケット25は、ステアリングシャフト4の軸方向X1、および、チルト支軸23を支点とした円弧状の軌跡に沿って相対移動可能となっている。ロック機構26によるロックを解除することにより、コラム側ブラケット24および車体側ブラケット25を相対移動させることができる。
ロック機構26は、図示しない操作レバーと、操作レバーの操作によりその中心軸線回りに回動する回動軸27とを有している。回動軸27には、その長手方向に関する途中部に位置するカム部28が設けられている。カム部28は、アウターチューブ18に形成された切欠き窓29を介して、ロアーチューブ16に対向している。
コラム側ブラケット24および車体側ブラケット25の相対位置は、操作レバー(図示せず)の操作により固定される。また、コラム側ブラケット24および車体側ブラケット25の相対位置を固定するとき、カム部28は、回動軸27の回動に伴ってロアーチューブ16の外周に押し付けられる。このとき、ロアーチューブ16は、カム部28の押圧力によって、アウターチューブ18の内周に押し付けられる。したがって、コラム側ブラケット24および車体側ブラケット25の相対位置が固定されると、ロアーチューブ16がアウターチューブ18に押し付けられて、アッパーチューブ15およびロアーチューブ16の相対位置が固定される。
操作レバーを操作してコラム側ブラケット24および車体側ブラケット25の相対位置の固定を解除することにより、アッパーチューブ15およびロアーチューブ16を軸方向X1に相対移動させることができる。これにより、ステアリングホイール2の位置をステアリングシャフト4の軸方向X1に調節(いわゆるテレスコ調節)することができる。
また、コラム側ブラケット24および車体側ブラケット25の相対位置の固定を解除することにより、ステアリングコラム13をチルト支軸23の中心軸線回りに回動させて、ステアリングシャフト4の傾き角度を変更することができる。これにより、ステアリングホイール2の位置を調節(いわゆるチルト調節)することができる。
ステアリングホイール2の位置を調節した後は、操作レバーを再度操作してコラム側ブラケット24および車体側ブラケット25の相対位置を固定することにより、ステアリングホイール2の位置を固定することができる。
また、本実施形態に係る衝撃吸収操舵装置1は、運転者の操舵を補助する操舵補助機構30を備えている。操舵補助機構30は、電動モータ(図示せず)と、減速機構31とを備えている。電動モータの出力は、減速機構31を介してステアリング機構3に伝達される。減速機構31は、ギヤハウジング21内に収容されている。
減速機構31としては、例えばウォームギヤなどの食い違い軸歯車機構や、平行軸歯車機構などを用いることができる。本実施形態では、減速機構31として、ウォームギヤが用いられている。減速機構31は、駆動ギヤとしてのウォーム(図示せず)と、このウォームと噛み合う従動ギヤとしてのウォームホイール32とを含む。
ウォームは、図示しない動力伝達継手を介して電動モータの回転軸(図示せず)に連結されている。ウォームは、電動モータによって回転駆動される。また、ウォームホイール32は、出力シャフト8に同行回転可能に連結されている。
電動モータによってウォームを回転させると、ウォームの回転がウォームホイール32に伝達され、ウォームホイール32および出力シャフト8が同行回転する。そして、出力シャフト8の回転がステアリング機構3に伝達され、転舵輪(図示せず)が転舵される。
電動モータは、トルクセンサ10からのトルク検出結果や図示しない車速センサからの車速検出結果等に基づいて、ECU(図示せず)によって制御される。電動モータによってウォームを回転駆動することで、運転者の操舵を補助することができる。
本実施形態に係る衝撃吸収操舵装置1の一つの特徴は、ステアリングコラム13の一部を構成するインナーチューブ17およびアウターチューブ18を軸方向X1に相対移動させて、二次衝突による衝撃を吸収できることである。以下では、上述の特徴点について具体的に説明する。
図2は、インナーチューブ17およびアウターチューブ18の嵌合部を含む衝撃吸収操舵装置1の一部の図解的な縦断面図である。
図2を参照して、インナーチューブ17およびアウターチューブ18は、それぞれ、例えば内径および外径が同一の金属製の円筒管から形成されたものである。インナーチューブ17は、円筒状の主体部33と、この主体部33から端部へ延びる先細りテーパ状の縮径部34とを有している。また、アウターチューブ18は、円筒状の主体部35と、この主体部35から端部へ伸び、縮径部34に嵌合した先太りテーパ状の拡径部36とを有している。
インナーチューブ17の主体部33とアウターチューブ18の主体部35とは、例えば内径および外径が等しくされている。アウターチューブ18の主体部35の内径D1は、インナーチューブ17の主体部33の外径D2よりも大きくされている。インナーチューブ17の端部は、アウターチューブ18との間に他の部材を介さずに、アウターチューブ18の端部に直接嵌合(圧入)されている。インナーチューブ17およびアウターチューブ18の嵌合部において、アウターチューブ18は、インナーチューブ17の圧入により拡径されている。
また、インナーチューブ17の縮径部34は、軸方向X1に対して傾斜している。縮径部34は、インナーチューブ17がアウターチューブ18に嵌合される前に予め形成されたものである。同様に、アウターチューブ18の拡径部36は、軸方向X1に対して傾斜している。拡径部36はインナーチューブ17がアウターチューブ18に嵌合される前に予め形成されたものである。
インナーチューブ17がアウターチューブ18に嵌合された状態で、拡径部36は縮径部34によって押し広げられている。インナーチューブ17がアウターチューブ18に嵌合された状態で、縮径部34および拡径部36は互いに重なり合っている。インナーチューブ17がアウターチューブ18に嵌合された状態での、軸方向X1に対する縮径部34の傾斜角度θ1と拡径部36の傾斜角度θ2とは、逆向きで互いに等しい大きさになっている。すなわち、インナーチューブ17がアウターチューブ18に嵌合された状態で、縮径部34および拡径部36は、互いに逆向きに等しい傾斜角度θ1,θ2で傾斜している。
アッパーチューブ15に所定値以上の収縮荷重(アッパーチューブ15を軸方向X1に収縮させる荷重)が加わると、インナーチューブ17およびアウターチューブ18が互いに摺動しつつ軸方向X1に相対移動して、アッパーチューブ15が軸方向X1に収縮する。このとき、インナーチューブ17は、アウターチューブ18に摺動するとともに、アウターチューブ18を拡径しつつアウターチューブ18内を軸方向X1に移動する。したがって、アッパーチューブ15が軸方向X1に収縮すると、摺動による抵抗と、アウターチューブ18の拡径による抵抗とが、インナーチューブ17およびアウターチューブ18に加わる。
インナーチューブ17およびアウターチューブ18に加わる抵抗は、インナーチューブ17の主体部33の外径D2およびアウターチューブ18の主体部35の内径D1や、インナーチューブ17の縮径部34およびアウターチューブ18の拡径部36の傾斜角度θ1,θ2を変更することにより容易に調節することができる。例えば、インナーチューブ17の主体部33の外径D2を変えずにアウターチューブ18の主体部35の内径D1を小さくすることにより、アウターチューブ18の拡径による抵抗を大きくすることができる。また、インナーチューブ17の縮径部34およびアウターチューブ18の拡径部36の傾斜角度θ1,θ2(インナーチューブ17がアウターチューブ18に嵌合され前の縮径部34および拡径部36の傾斜角度θ1,θ2)を大きくすることにより、アウターチューブ18の拡径による抵抗を大きくすることができる。
図3は、インナーチューブ17およびアウターチューブ18の嵌合部の図解的な平面図である。
図2および図3を参照して、アウターチューブ18のステアリングホイール2側の端部(図2および図3では右側の端部)は、軸方向X1に沿って複数箇所切り込まれている。アウターチューブ18の端部には、複数の切り込みにより形成された、係止突起としての複数の折り曲げ爪37が設けられている。図3に示すように、複数の折り曲げ爪37は、アウターチューブ18の周方向(図3では紙面の上下方向)に等間隔を隔てて配列されている。各折り曲げ爪37は、例えば、アウターチューブ18と単一の材料で一体に形成されている。
また、インナーチューブ17には、複数の折り曲げ爪37にそれぞれ対応する複数の開口38が形成されている。図3に示すように、複数の開口38は、インナーチューブ17の周方向(図3では紙面の上下方向)に等間隔を隔てて配列されている。図2に示すように、各開口38は、インナーチューブ17をその厚み方向に貫通している。各開口38は、折り曲げ爪37が進入可能な大きさにされている。
各開口38は、例えば、平面視において長方形状にされている。図2に示すように、各開口38は、軸方向X1に対向する一対の縁部(第1の縁部39および第2の縁部40)を有している。第1の縁部39は、ステアリング機構3側(図2では左側)に位置しており、第2の縁部40は、ステアリングホイール2側(図2では右側)に位置している。本実施形態では、第1の縁部39が係止部として機能する。
インナーチューブ17は、複数の折り曲げ爪37の位置がそれぞれ複数の開口38の位置に一致するように、アウターチューブ18に嵌合されている。各折り曲げ爪37は、アウターチューブ18の外側から内側に折り曲げられており塑性変形している。図2に示すように、各折り曲げ爪37の一部は、対応する開口38に進入している。折り曲げ爪37をアウターチューブ18に形成し、折り曲げ爪37を内側へ折り曲げるので、折り曲げポンチ等の工具をアウターチューブ18の外方の余裕のあるスペースに配置できる。その結果、折り曲げ爪37の折り曲げ加工が容易になっている。
インナーチューブ17およびアウターチューブ18の離脱は、各折り曲げ爪37が第1の縁部39によって係止されることにより規制される。また、各折り曲げ爪37が第1の縁部39または第2の縁部40によって係止されることにより、アッパーチューブ15のこじれ(インナーチューブ17およびアウターチューブ18の嵌合部を支点としてアッパーチューブ15がV字状にまがること)が規制される。
インナーチューブ17およびアウターチューブ18の離脱を規制することにより、例えば、インナーチューブ17およびアウターチューブ18を離脱させることなく、ステアリングホイール2の位置を調節(テレスコ調節)することができる。また、アッパーチューブ15のこじれを規制することにより、例えば、インナーチューブ17およびアウターチューブ18を確実に軸方向X1に相対移動させることができる。
さらに、アッパーチューブ15のこじれを規制できるので、インナーチューブ17およびアウターチューブ18の嵌合長を短縮することができる。すなわち、従来では、嵌合長を長くとることによりこじれを規制する場合があったが、本実施形態では、複数の折り曲げ爪37と複数の開口38とによってアッパーチューブ15のこじれを規制できるので、こじれを規制する目的で、インナーチューブ17およびアウターチューブ18の嵌合長を長くする必要がない。したがって、インナーチューブ17およびアウターチューブ18の嵌合長を短縮して、ステアリングコラム13全体としての軸長を短縮することができる。
図4は、折り曲げ爪37が第1の縁部39によって係止されている状態を示す衝撃吸収操舵装置1の一部の図解的な縦断面図である。
図4を参照して、インナーチューブ17には、例えばテレスコ調節などのときに、インナーチューブ17をアウターチューブ18から離脱させる荷重(離脱荷重)が作用することがある。離脱荷重が所定値以上であれば、インナーチューブ17は、アウターチューブ18から離脱する方向に移動してしまう。
一方、離脱側へのインナーチューブ17の移動量が所定値になると、図4に示すように、アッパーチューブ15に設けられた複数の折り曲げ爪37が、それぞれ、インナーチューブ17に設けられた複数の開口38の第1の縁部39に係合する。これにより、各折り曲げ爪37が対応する開口38の第1の縁部39によって係止され、離脱側へのインナーチューブ17の移動が規制される。よって、インナーチューブ17およびアウターチューブ18の離脱が確実に規制される。
図5は、二次衝突によりジャケット11が収縮していく状態を示す衝撃吸収操舵装置1の一部の図解的な縦断面図である。
図5を参照して、二次衝突により、所定値以上の収縮荷重がアッパーチューブ15に加わると、インナーチューブ17およびアウターチューブ18が互いに摺動しつつ軸方向X1に相対移動して二次衝突による衝撃が吸収される。
すなわち、アッパーチューブ15が軸方向X1に収縮して、インナーチューブ17およびアウターチューブ18の軸方向X1への相対移動量が所定値になると、図5(a)に示すように、複数の折り曲げ爪37に、それぞれ、複数の開口38の第2の縁部40が係合する。そして、二次衝突による衝撃が、対応する開口38の第2の縁部40を介して各折り曲げ爪37に伝達され、各折り曲げ爪37がさらに曲げられる。このとき、複数の折り曲げ爪37と複数の開口38とによってアッパーチューブ15のこじれが規制されているので、インナーチューブ17およびアウターチューブ18は、軸方向X1に確実に相対移動していく。
各折り曲げ爪37の曲げ量が所定値以上になると、各折り曲げ爪37は、図5(b)に示すように、欠損する。折り曲げ爪37を欠損させることにより、衝撃吸収のときにばらつきのない衝撃吸収エネルギを得ることができる。
また、折り曲げ爪37が欠損した後は、図5(c)に示すように、インナーチューブ17が、アウターチューブ18内を軸方向X1に移動していく。このとき、インナーチューブ17は、アウターチューブ18に摺動するとともに、アウターチューブ18を拡径していく。インナーチューブ17およびアウターチューブ18には、摺動による抵抗と、アウターチューブ18の拡径による抵抗とが加わる。二次衝突による衝撃は、この摺動による抵抗と拡径による抵抗とによって吸収されていく。これにより、二次衝突による衝撃が確実に吸収される。
以上のように本実施形態では、インナーチューブ17およびアウターチューブ18が直接嵌合されているので、衝撃を吸収するための新たな部材を設けることなく二次衝突の衝撃を吸収することができる。また、インナーチューブ17の主体部33の外径D2およびアウターチューブ18の主体部35の内径D1や、インナーチューブ17の縮径部34およびアウターチューブ18の拡径部36の傾斜角度θ1,θ2を変更することにより、衝撃吸収荷重を容易に調節することができる。したがって、かしめ突起によって衝撃吸収荷重を発生させる従来の衝撃吸収操舵装置に比べて、衝撃吸収荷重のばらつきを少なくすることができる。
この発明の実施の形態の説明は以上であるが、この発明は、上述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、上述の実施形態では、インナーチューブ17の内径および外径(主体部33の内径および外径D2)とアウターチューブ18の内径および外径(主体部35の内径D1および外径)とがそれぞれ等しくされている場合について説明したが、これに限らない。すなわち、主体部33の内径および外径D2と、主体部35の内径D1および外径とは、それぞれ異なる大きさにされていてもよい。
また上述の実施形態では、複数の折り曲げ爪37および複数の開口38がそれぞれアウターチューブ18およびインナーチューブ17の周方向に等間隔を隔てて配列されている場合について説明したがこれに限らない。すなわち、こじれ荷重(アッパーチューブ15をこじれさせる荷重)が作用する位置を特定して、この特定された位置が少なくとも補強されるように、複数の折り曲げ爪37および複数の開口38を部分的に設けてもよい。
さらに上述の実施形態では、ステアリングホイール2側に配置されたチューブが、インナーチューブとなっている場合について説明したが、ステアリングホイール2側に配置されたチューブが、アウターチューブにされていてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
本発明の一実施形態に係る衝撃吸収操舵装置の概略構成を示す縦断面図である。 インナーチューブおよびアウターチューブの嵌合部を含む衝撃吸収操舵装置の一部の図解的な縦断面図である。 インナーチューブおよびアウターチューブの嵌合部の図解的な平面図である。 折り曲げ爪が第1の縁部によって係止されている状態を示す衝撃吸収操舵装置の一部の図解的な縦断面図である。 二次衝突によりジャケットが収縮していく状態を示す衝撃吸収操舵装置の一部の図解的な縦断面図である。
符号の説明
1・・・衝撃吸収操舵装置、2・・・ステアリングホイール(操舵部材)、4・・・ステアリングシャフト、11・・・ジャケット、17・・・インナーチューブ、18・・・アウターチューブ、33・・・主体部、34・・・縮径部、35・・・主体部、36・・・拡径部、37・・・折り曲げ爪(係止突起)、38・・・開口、39・・・第1の縁部(係止部、縁部)、D1・・・内径(アウターチューブの主体部の内径)、D2・・・外径(インナーチューブの主体部の外径)、X1・・・軸方向、θ1・・・(縮径部の)傾斜角度、θ2・・・(拡径部の)傾斜角度

Claims (4)

  1. 操舵部材に連結されたステアリングシャフトを回転可能に支持するジャケットを備え、
    上記ジャケットは、軸方向に相対摺動可能に直接嵌合されたインナーチューブおよびアウターチューブを含み、
    上記インナーチューブは、円筒状の主体部と、この主体部から端部へ延びる先細りテーパ状の縮径部とを有し、
    上記アウターチューブは、円筒状の主体部と、この主体部から端部へ伸び上記縮径部に嵌合した先太りテーパ状の拡径部とを有し、
    上記縮径部および拡径部は、互いに逆向きに等しい傾斜角度で傾斜しており、
    上記アウターチューブの主体部の内径が、上記インナーチューブの主体部の外径よりも大きくされていることを特徴とする衝撃吸収操舵装置。
  2. 請求項1において、上記縮径部および拡径部の何れか一方に設けられた係止突起が、他方に設けられた係止部に係止されることにより、両チューブの離脱が規制されていることを特徴とする衝撃吸収操舵装置。
  3. 請求項2において、上記係止突起は、当該係止突起が設けられるチューブとは単一の材料で一体に形成された折り曲げ爪を含み、
    上記係止部は、当該係止部が設けられるチューブに形成された開口の縁部を含み、
    衝撃吸収のときに、上記折り曲げ爪が欠損可能とされていることを特徴とする衝撃吸収操舵装置。
  4. 請求項3において、上記折り曲げ爪はアウターチューブに形成されていることを特徴とする衝撃吸収操舵装置。
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