JP5120159B2 - 衝撃吸収式電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

この発明は、ステアリングホイールの操舵力の軽減を図ると共に、衝突事故の際に全長を収縮して、ステアリングホイールに衝突した運転者の保護を図る、衝撃吸収式電動パワーステアリング装置に関する。特に、本発明は、電動モータにより補助トルクを付与した場合の反力に起因する、アウターコラムとインナーコラムとの嵌合部への負担を軽減し、衝撃荷重を円滑に吸収できる構造に関する。
自動車のステアリング装置として、操舵輪に舵角を付与する為に運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力を軽減すべく、電動モータによる補助動力を付与する構造である、電動パワーステアリング装置が従来から知られ、更に使用されている。図11は、この様な電動パワーステアリング装置1を示している。この電動パワーステアリング装置1は、後端部(図11の右端部)にステアリングホイール2を固定したステアリングシャフト3と、このステアリングシャフト3を挿通自在なステアリングコラム4と、このステアリングシャフト3に補助トルクを付与する為の操舵力補助装置(アシスト装置)5と、上記ステアリングシャフト3の回転に基づきタイロッド6、6を変位させる(押し引きする)為のステアリングギヤユニット7とを備える。このうちのステアリングシャフト3は、インナーシャフト8とアウターシャフト9とを、回転力の伝達自在に、且つ軸方向に関する相対変位を可能に組み合わせて成る。衝突事故の際には、上記インナーシャフト8とアウターシャフト9とが軸方向に相対変位する事で、上記ステアリングシャフト3の全長を縮める。
又、上記ステアリングシャフト3を挿通した筒状の上記ステアリングコラム4は、インナーコラム10とアウターコラム11とをテレスコープ状に組み合わせて成り、衝突事故の際には、上記ステアリングシャフト3と共に全長を縮める。上記インナーコラム10の前端部(図11の左端部)は、上記操舵力補助装置5を構成するギヤハウジング12の後端部に結合固定している。又、上記インナーシャフト8は、このギヤハウジング12内に挿入し、このインナーシャフト8の前端部を、上記操舵力補助装置5を構成する入力軸に結合している。又、この入力軸にトーションバーを介して連結された、同じく上記操舵力補助装置5を構成する出力軸13の前端部を、上記ギヤハウジング12の前端面から突出させている。
又、上記ステアリングコラム4は、その中間部を支持ブラケット14により、ダッシュボードの下面等、車体15の一部に支承している。又、この支持ブラケット14と車体15との間に、図示しない係止部を設けて、この支持ブラケット14に前方に向かう方向の衝撃が加わった場合に、この支持ブラケット14が上記係止部から外れる様にしている。又、チルト機構を設ける事により、前記ステアリングホイール2の高さ位置の調節を自在としている。この様なチルト機構は、従来から周知な構造と同様であり、本発明の要旨とも関係しない為、詳しい図示並びに説明は省略する。
又、上記操舵力補助装置5を構成する上記出力軸13の前端部は、自在継手16を介して、中間シャフト17の後端部に連結している。又、この中間シャフト17の前端部に、別の自在継手18を介して、前記ステアリングギヤユニット7の入力軸19を連結している。上記中間シャフト17は、インナーシャフト20とアウターシャフト21とを、回転力の伝達自在に、且つ軸方向に関する相対変位を可能に組み合わせて成る。これらインナーシャフト20とアウターシャフト21とは、衝突時に互いに軸方向に相対変位する事で、上記中間シャフト17の全長を縮める。
又、上記ステアリングギヤユニット7は、図示しないラックとピニオンとを備え、このうちのピニオンに上記入力軸19を結合している。又、このピニオンと噛合する上記ラックは、両端部に前記タイロッド6、6を連結しており、このラックの軸方向変位に基づいてこれら各タイロッド6、6を押し引きする事で、図示しない操舵輪に所望の舵角を付与する。又、上記操舵力補助装置5は、電動モータ22によりウォーム減速機を介して、前記出力軸13に、所定の方向に所定の大きさで補助トルクを付与する。
上述の様に構成する電動パワーステアリング装置1の場合、上記操舵力補助装置5の出力軸13から出力されるトルクを、前記ステアリングホイール2から前記ステアリングシャフト3に加えられるトルクよりも大きくできる。即ち、上記出力軸13から出力されるトルクを、上記操舵力補助装置5を構成する上記電動モータ22から上記ウォーム減速機を介して加えられる補助動力分だけ大きくできる。従って、上記操舵輪に舵角を付与する為に運転者が上記ステアリングホイール2を操作する為に要する力を、上記操舵力補助装置5の補助動力分だけ小さくできる。
上述の様な自動車の電動パワーステアリング装置1を構成する、ステアリングコラム4を、衝突により軸方向の衝撃が加わった場合に、この衝撃を吸収しつつ全長が縮まる構造とする技術が、例えば、特許文献1、2に記載されている様に従来から知られている。図12は、このうちの特許文献1に記載された構造を示している。この図12に示す構造の場合、アウターコラム11aの一端部(図12の左端部)の軸方向に離隔した位置に、径方向内方に突出する突部23、23を形成している。そして、上記アウターコラム11aの一端部内にインナーコラム10aの片端部(図12の右端部)を挿入した状態で、このインナーコラム10aの外周面と上記各突部23、23とが締め代を有する状態で嵌合する。又、上記アウターコラム11aの一端部と上記インナーコラム10aの片端部との間で、軸方向に関し上記各突部23、23から外れた位置に環状部材24、24を配置している。
上述の様な図12に示した従来構造の場合、衝撃荷重吸収時に、上記両コラム10a、11aが相対変位して全長を縮める場合、上記環状部材24、24の周面とこれら両コラム10a、11aの周面とが、上記各突部23、23と上記インナーコラム10aの外周面とが、それぞれ摺接する事により衝撃エネルギを吸収する。又、図12に示した構造の場合、操舵時に、上記両コラム10a、11aの嵌合部に作用する曲げモーメントによる負担を軽減できるとしている。即ち、上記図12に示した構造の場合には、上記嵌合部に上記各突部23、23を、軸方向に離隔した状態で設けている為、この様な曲げモーメントがこれら各突部23、23に分散され、上記嵌合部に作用する負担を軽減できる。そして、上記環状部材24、24の耐久性を向上させられる。又、図示は省略するが、特許文献2にも同様の構造が記載されている。
上述の特許文献1に記載された構造の場合、操舵時に作用する曲げモーメントのメカニズムに就いて詳しく記載されていないが、電動パワーステアリング装置の場合、電動モータの補助トルクに対する反力により、曲げモーメントが発生する。この点に就いて、前述の図11により説明する。電動モータ22の駆動によりステアリングシャフト3に補助トルクを付与すると、ウォーム減速機を構成するウォームとウォームホイールとの噛合により、上記電動モータ22のハウジング(ギヤハウジング12)に回転方向の反力が作用する。又、この様な反力により、上記電動モータ22を車体15に支持する為の前側の取付部25が、この取付部25の付根を中心として図11の表裏方向に捩れる様に微小変形する(撓む)。そして、この様な微小変形により、上記ハウジングを固定した上記インナーコラム10に対し曲げモーメントが作用する。この結果、このインナーコラム10には、回転方向の微小変位と曲げモーメント方向の変位とが生じる傾向となる。一方、アウターコラム11は、支持ブラケット14に固定されており、上記反力による変位は殆ど生じない。従って、上記インナーコラム10と上記アウターコラム11との嵌合部には、上記回転方向及び曲げモーメント方向の変位が、ステアリングホイールの操作方向に応じて、交互に生じる傾向となる。
上述の特許文献1、2に記載された構造の場合、図12に示した様に、突部23、23をインナーコラム10aの外周面に締め代を有する状態で嵌合する事により、上述の様な曲げモーメントによる両コラム10a、11aの嵌合部の負担を軽減している。但し、この様に、突部23、23を締め代を有する状態でインナーコラム10aに嵌合すると、上述の様な回転方向及び曲げモーメント方向の変位が上記嵌合部に生じる傾向となった場合、この嵌合部で上記各突部23、23が突っ張り、この様な変位が生じる事を阻止する。この為、上記嵌合部に繰り返しこの様な変位が生じる傾向となった場合に、上記各突部23、23が摩耗したり、或いはへたる可能性がある。即ち、上記嵌合部の耐久性が低下する可能性がある。
特開2004−175298号公報 実開平1−172965号公報
本発明の衝撃吸収式電動パワーステアリング装置は、上述の様な事情に鑑み、電動モータの駆動に伴う反力により、インナー、アウター両コラムの嵌合部に生じる変位に拘らず、この嵌合部の耐久性を確保できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の衝撃吸収式電動パワーステアリング装置は、アウターコラムと、インナーコラムと、電動モータとを備える。
このうちのインナーコラムは、上記アウターコラムの一端部内側にその片端部を挿入している。
又、上記電動モータは、これら両コラムのうちの何れか一方のコラムにそのハウジングを固定しており、通電に伴ってこれら両コラム内を回転自在に挿通したステアリングシャフトに、回転方向の力を付与する。
そして、上記両コラム同士の間に大きな軸方向荷重が加わった場合に、これら両コラムの軸方向に関する相対変位により軸方向寸法を収縮可能としている。
特に、請求項1に記載した衝撃吸収式電動パワーステアリング装置に於いては、上記アウターコラムの一端部に大径部を、この大径部よりも軸方向中間側にこの大径部よりも内径が小さい小径部を、それぞれ設けている。
又、上記インナーコラムの片端部の円周方向複数個所に、径方向外方に突出する突部を設けている。
又、上記アウターコラムの一端部と上記インナーコラムの片端部との間でこれら各突部から外れた位置に、締め代を有する状態で、内外両周面の摩擦係数が上記両コラムの内外両周面の摩擦係数よりも小さい低摩擦部材を配置している。
尚、上記締め代は、嵌合部での上記両コラムの相対変位を許容するが、この嵌合部でがたつきが生じない程度とする。
又、上記低摩擦部材としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミド樹脂等の合成樹脂、或は、鋼板等の金属板の表面にフッ素樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂をコーティングした部材等が挙げられる。
又、上記各突部は、上記アウターコラムの大径部に対しては隙間を有し(各突部の自由状態での外接円の直径を大径部の内径よりも小さくし)、同じく小径部に対しては締め代を有する(各突部の自由状態での外接円の直径が小径部の内径よりも大きくなる)様に、その突出量を規制している。
そして、上記両コラム同士に大きな軸方向荷重が加わっていない通常状態では、上記各突部を上記大径部内に配置する。
一方、上記両コラム同士の間に大きな軸方向荷重が加わってこれら両コラムの相対変位が生じる収縮状態では、上記各突部が上記小径部内に、この小径部を塑性変形させつつ進入する。
又、請求項4に記載した衝撃吸収式電動パワーステアリング装置に於いては、上記インナーコラムの片端部に内径が小さい小径部を、この小径部の軸方向中間側にこの小径部よりも内径が大きい大径部を、それぞれ設けている。
又、上記アウターコラムの一端部の円周方向複数個所に、径方向内方に突出する突部を設けている。
又、上記アウターコラムの一端部と上記インナーコラムの片端部との間でこれら各突部から外れた位置に、締め代を有する状態で、内外両周面の摩擦係数が上記両コラムの内外両周面の摩擦係数よりも小さい低摩擦部材を配置している。
尚、上記締め代は、嵌合部での上記両コラムの相対変位を許容するが、この嵌合部でがたつきが生じない程度とする。
又、上記低摩擦部材としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミド樹脂等の合成樹脂、或は、鋼板等の金属板の表面にフッ素樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂をコーティングした部材等が挙げられる。
又、上記各突部は、上記インナーコラムの小径部に対しては隙間を有し(各突部の自由状態での内接円の直径を小径部の外径よりも大きくし)、同じく大径部に対しては締め代を有する(各突部の自由状態での内接円の直径が大径部の外径よりも小さくなる)様に、その突出量を規制している。
そして、上記両コラム同士に大きな軸方向荷重が加わっていない通常状態では、上記各突部は上記小径部の外径側に配置される。
一方、上記両コラム同士の間に大きな軸方向荷重が加わってこれら両コラムの相対変位が生じる収縮状態では、上記各突部が上記大径部の外径側に、この大径部を塑性変形させつつ進入する。
上述の様な各発明を実施する場合に好ましくは、請求項2、5に記載した発明の様に、低摩擦部材を、円周方向複数個所に先端部が開口した切り欠きを有する円筒状に形成する。
そして、これら各切り欠きから円周方向に外れた部分円筒部の先端部に、それぞれ先端に向かう程内径側(請求項2)、或は、外径側(請求項5)に傾斜すると共に、これら各部分円筒部よりも肉厚が小さいガイド部を設ける。
又、通常状態で、上記各切り欠き内に各突部を配置する。これと共に、上記各ガイド部を、アウターコラムの大径部と小径部との連続部と、インナーコラムの片端縁との間(請求項2)、或は、インナーコラムの小径部と大径部との連続部と、アウターコラムの一端縁との間(請求項5)に配置する。
或は、請求項3、6に記載した発明の様に、インナーコラムの片端部(請求項3)、或は、アウターコラムの一端部(請求項6)のうちの先端部分を、各突部を形成していない円筒部とする。
そして、通常状態で、この円筒部を、アウターコラムの小径部内に(請求項3)、或は、インナーコラムの大径部の外径側に(請求項6)、隙間を有する状態で配置する。
更に、これら円筒部と小径部(請求項3)或は大径部(請求項6)との間に、第二の低摩擦部材を締め代を有する状態で配置する。
尚、この第二の低摩擦部材は、上述の低摩擦部材と同様の材料により形成する事が好ましい。
上述の様に構成される本発明の衝撃吸収式電動パワーステアリング装置の場合、電動モータの駆動に伴う反力により、インナー、アウター両コラムの嵌合部に生じる変位に拘らず、この嵌合部の耐久性を確保できる。
即ち、本発明の場合、上記両コラムを低摩擦部材を介して嵌合すると共に、各突部を隙間嵌めとしている為、通常状態で、操舵時の電動モータの駆動による反力に伴い、回転方向及び曲げモーメント方向の変位が上記両コラムの嵌合部に生じる傾向となった場合、この嵌合部で滑りが生じる(上記変位に対し突っ張らない)。この結果、この嵌合部で上記反力に伴う変位を吸収し、この変位によりこの嵌合部の耐久性が低下する事を防止できる。
又、本発明の場合、インナーコラムの片端部(請求項1)、或は、アウターコラムの一端部(請求項4)に設けた各突部は、通常状態では相手面に対し隙間を有する為、この状態で、上記反力に伴う変位が生じても、上記各突部が摩耗したりへたる事はない。この結果、上記嵌合部の変位吸収効果と合わせて、この嵌合部の耐久性を確保できる。尚、本発明の場合、上記嵌合部に低摩擦部材を締め代を有する状態で配置する事により、通常状態で、この嵌合部にがたつきが生じる事を防止している。
更に、本発明の場合、上記両コラム同士の間に大きな軸方向荷重が加わってこれら両コラムの相対変位が生じる収縮状態では、上記各突部が、アウターコラムの小径部内(請求項1)、或は、インナーコラムの大径部の外径側(請求項4)に、これら小径部或は大径部を塑性変形させつつ進入し、衝撃を吸収する。本発明の場合、上記各突部は上記嵌合部に生じる変位により摩耗したりへたる事がない為、この様な衝撃荷重の吸収能力が低下する事はない。
又、請求項2、5に記載した発明の場合、低摩擦部材の先端部に形成したガイド部が、通常状態で、両コラムの中心軸を一致(センタリング)させる(こじれをなくす)様に作用する為、これら両コラムの相対変位を円滑に行える。又、上記ガイド部の肉厚が小さい為、このガイド部が上記両コラムの相対変位を邪魔する事はない。
又、請求項3、6に記載した発明の場合、第二の低摩擦部材の存在により、通常状態で、両コラムの中心軸を一致(センタリング)させる(こじれをなくす)事ができる為、これら両コラムの相対変位を円滑に行える。又、上記低摩擦部材と第二の低摩擦部材とが軸方向に離隔した位置に存在する為、上記両コラムの嵌合部に作用する曲げモーメントに対する耐久性を向上させられる。
[実施の形態の第1例]
図1〜6は、請求項1、2に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本発明の特徴は、電動モータの駆動に伴う反力によりインナー、アウター両コラム10b、11bの嵌合部26に生じる回転方向及び曲げモーメント方向の変位に拘らず、この嵌合部26の耐久性を確保すべく、この嵌合部26の構造を工夫した点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図11に示した従来構造と同様である為、重複する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の場合、上記アウターコラム11bの一端部(図2、3、6の左端部)を拡径し、大径部27としている。又、この大径部27よりも軸方向(図1、5の表裏方向、図2〜4、6の左右方向)中間側を小径部28としている。この小径部28は、上記アウターコラム11bの上記大径部27を除く軸方向全体としても良いし、この大径部27に隣接する所定の部分のみ小径部28としても良い。何れにしても、この大径部27の軸方向中間側に、この大径部27よりも内径が小さい小径部28が存在すれば良い。
又、上記インナーコラム10bの片端部(図2、3、6の右端部)の円周方向複数個所(図示の例では4個所)に、径方向外方に突出する突部23a、23aを設けている。即ち、上記インナーコラム10bの片端部の円周方向複数個所を径方向外方に向けて塑性変形させる事により、上記各突部23a、23aを形成している。これら各突部23a、23aは、軸方向に離隔した複数個所に設けても良いし、図示の様に、軸方向に亙って形成しても良い。又、上記各突部23a、23aは、上記インナーコラム10bの片端部を上記アウターコラム11bの大径部27内に配置した場合には、この大径部27との間に隙間を有し、同じく小径部28内に配置した場合には、この小径部28との間に締め代を有する様に、その突出量を規制している。
又、上記アウターコラム11bの一端部と上記インナーコラム10bの片端部との間に、内外両周面の摩擦係数が、インナー、アウター両コラム10b、11bの内外両周面の摩擦係数よりも小さい低摩擦部材29を配置している。この低摩擦部材29は、耐久性、耐熱性に優れ、表面の摩擦係数が低い合成樹脂等により、全体を略円筒状に形成しており、円周方向複数個所(図示の例では4個所)に先端部が開口した切り欠き30、30を有する。これら各切り欠き30、30の円周方向の幅は、上記各突部23a、23aの円周方向の幅よりも十分に大きい。又、上記低摩擦部材29のうち、上記各切り欠き30、30から円周方向に外れた部分は、部分円筒部31、31としている。言い換えれば、円周方向に隣り合うこれら各部分円筒部31、31同士の間に、上記各切り欠き30、30が存在する。
又、上記低摩擦部材29の基端部には、円環部32を形成している。この円環部32の径方向内方部分は、上記各部分円筒部31、31の基端部に連続させている。言い換えれば、これら各部分円筒部31、31の基端部を径方向外方に突出させ、突出した部分で各先端部同士を円周方向に連続させる事により、上記円環部32としている。従って、図5に示す様に、この円環部32の内径側のうち、上記各切り欠き30、30に整合する部分は、円周方向に連続してない(隙間が開いている)。又、上記各部分円筒部31、31の先端部に、それぞれ先端に向かう程内径側に傾斜すると共に、これら各部分円筒部31、31よりも肉厚が小さいガイド部33、33を設けている。これら各ガイド部33、33は、これら各部分円筒部31、31の先端面のうちで径方向外端部から、軸方向に向け斜め内方に突出する様に形成されている。この為、上記各ガイド部33、33の外周面と上記各部分円筒部31、31の外周面とが、滑らかに(段差なく)連続している。
上述の様に構成される低摩擦部材29は、前記アウターコラム11bの大径部27と前記インナーコラム10bの片端部との間に、締め代を有する状態で配置される。この為に、上記低摩擦部材29の各部分円筒部31、31を、上記大径部27の内周面に締め代を有する状態で内嵌固定する。図示の例の場合、上記アウターコラム11bの一端縁の円周方向複数個所に設けた切り欠き34、34と、上記低摩擦部材29の円環部32の片側面(図2、3、6の右側面)の円周方向複数個所に形成した突部35、35とを係合させる事により、上記低摩擦部材29の上記アウターコラム11bに対する回り止めを図っている。この状態で、この低摩擦部材29の先端部に設けたガイド部33、33は、上記アウターコラム11bの大径部27と小径部28との連続部36の内径側に位置する。この連続部36は、上記各ガイド部33、33と同方向に傾斜した部分円すい状である。
この状態で、上記アウターコラム11bの大径部27の内径側に、上記インナーコラム10bの片端部を挿入する。この際、上記低摩擦部材29の各切り欠き30、30とこのインナーコラム10bの片端部に形成した各突部23a、23aとの円周方向に関する位相を合わせた(軸方向に互いに整合させた)状態で、各部分円筒部31、31を締り嵌めする。即ち、これら各部分円筒部31、31を、上記インナーコラム10bの外周面のうち、上記各突部23a、23aから円周方向に外れた位置に、締め代を有する状態で外嵌する。この際、上記インナーコラム10bの外周面に形成した各突部23a、23aと、上記アウターコラム11bの大径部27の内周面とは、隙間嵌めとしている。又、この状態で、上記各ガイド部33、33の先端部が、上記インナーコラム10bの片端部から少しだけ突出する。即ち、これら各ガイド部33、33は、上記アウターコラム11bの連続部36と上記インナーコラム10bの片端縁との間に位置する。尚、上記各部分円筒部31、31の内外両周面と上記大径部27の内周面及び上記インナーコラム10bの片端部外周面とのそれぞれの締め代は、前記嵌合部26での上記両コラム10b、11bの相対変位を許容するが、この嵌合部26でがたつきが生じない程度とする。
上述の様に構成される本例の衝撃吸収式電動パワーステアリング装置は、アウターコラム11bの大径部27とインナーコラム10bの片端部との間に、低摩擦部材29を締り嵌めで配置した状態(通常状態)で、前述の図11に示した構造と同様に、電動モータやステアリングシャフトを組み付け、車体に組み込む。図11に示した構造の場合、車体の前後方向に関して前方にインナーコラムが存在する為、このインナーコラムに電動モータのハウジングを固定しているが、アウターコラムが前方に存在する場合には、この電動モータのハウジングをこのアウターコラムに固定しても良い。そして、何れかのコラムに固定した電動モータを車体に支持する。
上述の状態で、ステアリングシャフトの後端部に固定したステアリングホイールを操作した場合、この操作に伴う電動モータの駆動による反力が生じる。そして、この反力に伴い、回転方向及び曲げモーメント方向の変位が、インナー、アウター両コラム10b、11bの嵌合部26に生じる傾向となる。本例の場合には、上記アウターコラム11bの大径部27と上記インナーコラム11bの片端部とを、上記低摩擦部材29を介して嵌合すると共に、前記各突部23a、23を上記大径部27に対し隙間嵌めとしている為、上記低摩擦部材29が滑り軸受の如く作用し、上記嵌合部26に滑りが生じる。この滑りは主として上記両コラム10b、11b同士が相対回転する方向に生じる。本例の場合、上記低摩擦部材29が上記アウターコラム11bに対し相対回転不能に嵌合されている為、これら低摩擦部材29及びアウターコラム11bが、上記インナーコラム10bに対し相対回転する傾向となる。この結果、上記嵌合部26で上記反力に伴う変位を吸収し、この変位によりこの嵌合部26の耐久性が低下する事を防止できる。
尚、上記低摩擦部材29の各切り欠き30、30の円周方向の幅は、上記インナーコラム10bの片端部に形成した各突部23a、23aの円周方向の幅よりも十分に大きい為、上記各切り欠き30、30とこれら各突部23a、23aとの間には円周方向の隙間が存在する。従って、この隙間分、上記低摩擦部材29の上記インナーコラム11bに対する回転方向の変位を許容する。
又、本例の場合、上述の通常状態で、インナーコラム10bの片端部に設けた各突部23a、23aと、アウターコラム11bの大径部27の内周面との間に径方向の隙間が存在する為、上記反力に伴う変位が生じても、上記各突部23a、23aの先端縁と上記大径部27の内周面とが強く当接する事はない。この為、これら各突部23a、23aが、上記変位によって摩耗したりへたる事はない。この結果、上述の嵌合部26の変位吸収効果と合わせて、この嵌合部26の耐久性を確保できる。尚、本例の場合、この嵌合部26に前記低摩擦部材29の部分円筒部31、31を締め代を有する状態で配置する事により、通常状態で、上記嵌合部26にがたつきが生じる事を防止している。
一方、上記両コラム10b、11b同士の間に大きな軸方向荷重(衝撃)が加わった場合には、これら両コラム10b、11bが相対変位し、上記インナーコラム10bに形成した各突部23a、23aが上記アウターコラム11bの小径部28内に、この小径部28を塑性変形させつつ(扱きつつ)進入する。尚、この際、上記低摩擦部材29は、上記アウターコラム11bに固定されたままとなる(相対変位しない)。言い換えれば、上記低摩擦部材29に対し上記インナーコラム10bが軸方向に相対変位する。本例の場合、この様に両コラム10b、11bが相対変位する事により、上記衝撃を吸収する。又、本例の場合、上述した様に、電動モータによる駆動の反力に伴い嵌合部26に生じる変位により、各突部23a、23aが摩耗したりへたる事がない為、この様な衝撃荷重の吸収能力が低下する事はない。
又、本例の場合、前記低摩擦部材29の先端部に形成したガイド部33、33が、通常状態乃至軸方向変位が開始された状態で、上記両コラム10b、11bの中心軸を一致(センタリング)させる様に作用する。この為、上述の様な操舵時の電動モータによる駆動の反力により、或は、衝突事故の際に運転者がステアリングホイールに衝突する等により、上記嵌合部26に曲げモーメントが作用した場合、上記各ガイド部33、33の外周面と、アウターコラム11bの大径部27と小径部28との連続部36の内周面とが、或は、上記各ガイド部33、33の内周面とインナーコラム10bの片端縁とが係合し、上記両コラム10b、11bの中心軸を一致させる様に作用する。この様に曲げモーメントに拘らず、これら両コラム10b、11bの中心軸同士がずれる(こじれる)事を防止できる為、これら両コラム10b、11bの相対変位を円滑に行える。
又、本例の場合、上記各ガイド部33、33の肉厚が小さい為、これら各ガイド部33、33が上記両コラム10b、11bの相対変位を邪魔する事はない。即ち、図4に詳示する様に、上記各ガイド部33、33の先端部の内接円の直径が、上記インナーコラム10bの片端部の外径よりも小さいと、このインナーコラム10bが上記アウターコラム11b及び低摩擦部材29に対し軸方向に変位する際に、このインナーコラム10bの片端部が上記各ガイド部33、33の先端部に当接し、これら各ガイド部33、33を外径側に押し上げる。この際、これら各ガイド部33、33の肉厚が大きいと、上記インナーコラム10bの片端部が上記アウターコラム11bの小径部28内に進入する際に、上記各ガイド部33、33がこれら両部と強く当接する状態となる。即ち、上記インナーコラム10bの片端部外周面と上記アウターコラム11bの小径部28乃至連続部36の内周面との間に、上記各ガイド部33、33が締め代を有する状態で存在する事となる。この場合、上記両コラム10b、11bの相対変位を円滑に行えなくなる可能性がある。
これに対して本例の様に、これら各ガイド部33、33の肉厚を小さくすれば、上述の様な締め代を発生させる事がなく、上記両コラム10b、11bの相対変位を円滑に行える。本例の場合、上記インナーコラム10bの各突部23a、23aを除く外周面と上記小径部28或は連続部36との隙間の大きさ等を考慮して、上記両コラム10b、11bの相対変位時に、上記各ガイド部33、33により締め代が発生しない様に、これら各ガイド部33、33の肉厚を規制している。
[実施の形態の第2例]
図7〜8は、請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合、インナーコラム10cの片端部(図7、8の右端部)のうちの先端部分を、各突部23a、23aを形成していない円筒部37としている。この円筒部37の外径は、上記インナーコラム10cの片端部のこの円筒部37よりも軸方向(図7、8の左右方向)中間側部分のうち、上記各突部23a、23aから外れる部分の外径よりも小さくしている。そして、通常状態で、この円筒部37を、アウターコラム11bの小径部28内に隙間を有する状態で配置している。更に、これら円筒部37と小径部28との間に、第二の低摩擦部材38を、締め代を有する状態で配置している。この第二の低摩擦部材38は、上記アウターコラム11bの大径部27と、上記インナーコラム10cの片端部で上記円筒部37よりも軸方向中間側に存在する部分との間に配置される低摩擦部材29aと同様に、耐久性、耐熱性に優れ、表面の摩擦係数が低い合成樹脂等により、全体を略円筒状に形成している。又、上記第二の低摩擦部材38の基端部には、径方向内方に向けて突出する鍔部39を設けている。
この様な第二の低摩擦部材38は、上記円筒部37に締り嵌めで外嵌している。そして、上記鍔部39をこの円筒部37の先端面に当接させている。従って、上記インナーコラム10cが上記アウターコラム11bに対し軸方向に変位する際には、上記第二の低摩擦部材38が上記インナーコラム10cと共に軸方向に変位する。又、本例の場合、上記低摩擦部材29aは、上述の第1例と異なり、先端部にガイド部33、33を設けていない。
上述の様に構成する本例の場合、第二の低摩擦部材38の存在により、通常状態で、インナー、アウター両コラム10c、11bの中心軸を一致(センタリング)させる事ができる。即ち、操舵時や衝突時等に上記両コラム10c、11bの嵌合部26に曲げモーメントが作用しても、この嵌合部26の軸方向両端部に上記低摩擦部材29a及び第二の低摩擦部材38が存在する為、上記両コラム10c、11bの中心軸がずれる(こじれる)事を防止できる。この為、これら両コラム10c、11bの相対変位を円滑に行える。又、この様に、低摩擦部材29aと第二の低摩擦部材38とが軸方向に離隔した位置に存在する為、上記両コラム10c、11bの嵌合部26に作用する曲げモーメントに対する剛性を向上させ、この嵌合部26の耐久性を向上させれられる。その他の構造及び作用は、上述の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
図9は、請求項4、5に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合、インナーコラム10dの片端部(図9の右端部)に内径が小さい小径部28aを、この小径部28aの軸方向(図9の左右方向)中間側にこの小径部よりも内径が大きい大径部27aを、それぞれ設けている。この大径部27aは、上記インナーコラム10dの上記小径部28aを除く軸方向全体としても良いし、この小径部28aに隣接する所定の部分のみ大径部27aとしても良い。何れにしても、この小径部28aの軸方向中間側に、この小径部28aよりも外径が大きい大径部27aが存在すれば良い。
又、アウターコラム11cの一端部(図9の左端部)の円周方向複数個所に、径方向内方に突出する突部23b{図9(B)}を設けている。これら各突部23bは、上記インナーコラム10dの小径部28aを上記アウターコラム11cの一端部内に配置した場合に、この小径部28aとの間に隙間を有し、同じく大径部27aをこのアウターコラム11cの一端部内に配置した場合に、この大径部27aとの間に締め代を有する様に、その突出量を規制している。
又、上記アウターコラム11cの一端部と上記インナーコラム10dの片端部との間に、内外両周面の摩擦係数が、インナー、アウター両コラム10d、11cの内外両周面の摩擦係数よりも小さい低摩擦部材29bを配置している。この低摩擦部材29bは、耐久性、耐熱性に優れ、表面の摩擦係数が低い合成樹脂等により、全体を略円筒状に形成しており、円周方向複数個所に先端部が開口した切り欠きを有する。これら各切り欠きの円周方向の幅は、上記各突部23bの円周方向の幅よりも十分に大きい。又、上記低摩擦部材29bのうち、上記各切り欠きから円周方向に外れた部分は、部分円筒部31aとしている{図9(A)}。
又、上記低摩擦部材29bの基端部には、円環部32aを形成している。この円環部32aの径方向外方部分は、上記各部分円筒部31aの基端部に連続させている。言い換えれば、これら各部分円筒部31aの基端部を径方向内方に突出させ、突出した部分で各先端部同士を円周方向に連続させる事により、上記円環部32aとしている。又、上記各部分円筒部31aの先端部に、それぞれ先端に向かう程外径側に傾斜すると共に、これら各部分円筒部31aよりも肉厚が小さいガイド部33aを設けている。これら各ガイド部33aは、これら各部分円筒部31aの先端面のうちで径方向内端部から、軸方向に向け斜め外方に突出する様に形成されている。この為、上記各ガイド部33aの内周面と上記各部分円筒部31aの内周面とが、滑らかに(段差なく)連続している。
上述の様に構成される低摩擦部材29bは、前記アウターコラム11cの一端部と前記インナーコラム10dの小径部28aとの間に、締め代を有する状態で配置される。この為に、上記低摩擦部材29bの各部分円筒部31aを、上記小径部28aの外周面に締め代を有する状態で外嵌固定する。図示の例の場合、上記インナーコラム10dの片端縁の円周方向複数個所に設けた切り欠き34aと、上記低摩擦部材29bの円環部32aの他側面(図9の左側面)の円周方向複数個所に形成した突部35aとを係合させる事により、上記低摩擦部材29bの上記インナーコラム10dに対する回り止めを図っている。又、この低摩擦部材29bの先端部に設けたガイド部33aは、上記インナーコラム10dの小径部28aと大径部28aとの連続部36aの径方向外方に位置する。この連続部36aは、上記各ガイド部33aと同方向に傾斜した部分円すい状を有する。
この状態で、上記インナーコラム10dの小径部28aの外径側に、上記アウターコラム11cの一端部を挿入する。この際、上記低摩擦部材29bの各切り欠きとこのアウターコラム11cの一端部に形成した各突部23bとの円周方向に関する位相を合わせた状態で、各部分円筒部31aを締り嵌めする。即ち、これら各部分円筒部31aを、上記アウターコラム11cの内周面のうち、上記各突部23bから円周方向に外れた位置に、締め代を有する状態で内嵌する。この際、上記アウターコラム11cの内周面に形成した各突部23bと、上記インナーコラム10cの小径部28aの外周面とは、隙間嵌めとする。又、この状態で、上記各ガイド部33aの先端部が、上記アウターコラム11cの一端部から少しだけ突出する。即ち、これら各ガイド部33aは、上記インナーコラム10dの連続部36aと上記アウターコラム11cの一端縁との間に位置する。
上述の様に構成される本例の場合、前述の第1例と同様に、電動モータの駆動による反力に伴い、回転方向及び曲げモーメント方向の変位がインナー、アウター両コラム10d、11cの嵌合部26aに生じた場合に、この嵌合部26aに滑りが生じる事により上記変位を吸収する。そして、この変位によりこの嵌合部26aの耐久性が低下する事を防止する。又、上記両コラム10d、11c同士の間に大きな軸方向荷重が加わってこれら両コラム10d、11cの相対変位が生じる収縮状態では、上記アウターコラム11cの一端部に設けた各突部23bが、上記インナーコラム10dの大径部27aの外径側に、この大径部27aを塑性変形させつつ進入する。この様な作用・効果を得られる理由は、前述の第1例と同様である。又、その他の構造及び作用も、径方向に関し逆となるだけで、この第1例と同様である。
[実施の形態の第4例]
図10は、請求項4、6に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合、アウターコラム11dの一端部(図10の左端部)のうちの先端部分を、各突部23bを形成していない円筒部37aとしている。この円筒部37aの内径は、上記アウターコラム11dの一端部のこの円筒部37aよりも軸方向(図10の左右方向)中間側部分のうち、上記各突部23bから外れる部分の内径よりも大きくしている。そして、通常状態で、この円筒部37aを、インナーコラム10dの大径部27aの外径側に隙間を有する状態で配置している。更に、これら円筒部37aと大径部27aとの間に、第二の低摩擦部材38aを締め代を有する状態で配置している。この第二の低摩擦部材38aは、上記インナーコラム10dの小径部28aと、上記アウターコラム11dの一端部で上記円筒部37aよりも軸方向中間側に存在する部分との間に配置される低摩擦部材29cと同様に、耐久性、耐熱性に優れ、表面の摩擦係数が低い合成樹脂等により、全体を略円筒状に形成している。又、上記第二の低摩擦部材38aの基端部には、径方向外方に向けて突出する鍔部39a設けている。
この様な第二の低摩擦部材38aは、上記円筒部37aに締り嵌めで内嵌している。そして、上記鍔部39aをこの円筒部37aの先端面に当接させている。従って、上記インナーコラム10dと上記アウターコラム11dとが相対変位する際には、上記第二の低摩擦部材38aがこのアウターコラム11dと共に軸方向に変位する。又、本例の場合、上記低摩擦部材29cは、上述の第3例と異なり、先端部にガイド部33aを設けていない。
上述の様に構成する本例の場合、第二の低摩擦部材38aの存在により、通常状態で、インナー、アウター両コラム10d、11dの中心軸を一致(センタリング)させる事ができる。即ち、操舵時や衝突時等に上記両コラム10d、11dの嵌合部26aに曲げモーメントが作用しても、この嵌合部26aの軸方向両端部に上記低摩擦部材29c及び第二の低摩擦部材38aが存在する為、上記両コラム10d、11dの中心軸がずれる(こじれる)事を防止できる。この為、これら両コラム10d、11dの相対変位を円滑に行える。又、この様に、低摩擦部材29cと第二の低摩擦部材38aとが軸方向に離隔した位置に存在する為、上記両コラム10d、11dの嵌合部26aに作用する曲げモーメントに対する剛性を高め、この嵌合部26aの耐久性を向上させられる。その他の構造及び作用は、上述の第3例と同様である。
本発明の実施の形態の第1例をインナー、アウター両コラム及び低摩擦部材を取り出して示す、図11のイ−イ断面に相当する図。 図1のロ−ロ部分断面図。 図1のハ−ハ部分断面図。 図2のニ部拡大図。 インナー、アウター両コラム及び低摩擦部材のみを取り出して、インナーコラム側の端面から見た図。 同じく部分側面図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図。 同じく図3と同様の図。 本発明の実施の形態の第3例を示す、(A)は、図2の上半部に相当する図、(B)は、図3の上半部に相当する図。 同じく第4例を示す、図9と同様の図。 本発明の対象となる電動パワーステアリング装置の1例を、一部を切断して示す側面図。 衝撃吸収機構を有するステアリングコラム装置の従来構造の1例を示す部分断面図。
符号の説明
1 電動パワーステアリング装置
2 ステアリングホイール
3 ステアリングシャフト
4 ステアリングコラム
5 操舵力補助装置
6 タイロッド
7 ステアリングギヤユニット
8 インナーシャフト
9 アウターシャフト
10、10a〜10d インナーコラム
11、11a〜11d アウターコラム
12 ギヤハウジング
13 出力軸
14 支持ブラケット
15 車体
16 自在継手
17 中間シャフト
18 別の自在継手
19 入力軸
20 インナーシャフト
21 アウターシャフト
22 電動モータ
23、23a、23b 突部
24 環状部材
25 取付部
26、26a 嵌合部
27、27a 大径部
28、28a 小径部
29、29a、29b、29c 低摩擦部材
30 切り欠き
31、31a 部分円筒部
32、32a 円環部
33、33a ガイド部
34、34a 切り欠き
35、35a 突部
36、36a 連続部
37、37a 円筒部
38、38a 第二の低摩擦部材
39、39a 鍔部

Claims (6)

  1. アウターコラムと、このアウターコラムの一端部内側にその片端部を挿入したインナーコラムと、これら両コラムのうちの何れか一方のコラムにそのハウジングを固定し、通電に伴ってこれら両コラム内を回転自在に挿通したステアリングシャフトに回転方向の力を付与する電動モータとを備え、上記両コラム同士の間に大きな軸方向荷重が加わった場合に、これら両コラムの軸方向に関する相対変位により軸方向寸法を収縮可能とした衝撃吸収式電動パワーステアリング装置に於いて、
    上記アウターコラムの一端部に大径部を、この大径部よりも軸方向中間側にこの大径部よりも内径が小さい小径部を、それぞれ設けると共に、上記インナーコラムの片端部の円周方向複数個所に径方向外方に突出する突部を設けており、上記アウターコラムの一端部と上記インナーコラムの片端部との間でこれら各突部から外れた位置に、締め代を有する状態で、内外両周面の摩擦係数が上記両コラムの内外両周面の摩擦係数よりも小さい低摩擦部材を配置しており、上記各突部は、上記アウターコラムの大径部に対しては隙間を有し、同じく小径部に対しては締め代を有する様に、その突出量を規制しており、上記両コラム同士に大きな軸方向荷重が加わっていない通常状態では、上記各突部は上記大径部内に配置され、上記両コラム同士の間に大きな軸方向荷重が加わってこれら両コラムの相対変位が生じる収縮状態では、上記各突部が上記小径部内にこの小径部を塑性変形させつつ進入する事を特徴とする衝撃吸収式電動パワーステアリング装置。
  2. 低摩擦部材が、円周方向複数個所に先端部が開口した切り欠きを有する円筒状に形成されており、これら各切り欠きから円周方向に外れた部分円筒部の先端部に、それぞれ先端に向かう程内径側に傾斜すると共に、これら各部分円筒部よりも肉厚が小さいガイド部を設けており、通常状態で、上記各切り欠き内に各突部が配置されると共に、上記各ガイド部が、アウターコラムの大径部と小径部との連続部と、インナーコラムの片端縁との間に位置する、請求項1に記載した衝撃吸収式電動パワーステアリング装置。
  3. インナーコラムの片端部のうちの先端部分を各突部を形成していない円筒部とし、通常状態で、この円筒部をアウターコラムの小径部内に隙間を有する状態で配置し、これら円筒部と小径部との間に、第二の低摩擦部材を締め代を有する状態で配置した、請求項1に記載した衝撃吸収式電動パワーステアリング装置。
  4. アウターコラムと、このアウターコラムの一端部内側にその片端部を挿入したインナーコラムと、これら両コラムのうちの何れか一方のコラムにそのハウジングを固定し、通電に伴ってこれら両コラム内を回転自在に挿通したステアリングシャフトに回転方向の力を付与する電動モータとを備え、上記両コラム同士の間に大きな軸方向荷重が加わった場合に、これら両コラムの軸方向に関する相対変位により軸方向寸法を収縮可能とした衝撃吸収式電動パワーステアリング装置に於いて、
    上記インナーコラムの片端部に小径部を、この小径部よりも軸方向中間側にこの小径部よりも内径が大きい大径部を、それぞれ設けると共に、上記アウターコラムの一端部の円周方向複数個所に径方向内方に突出する突部を設けており、上記アウターコラムの一端部と上記インナーコラムの片端部との間でこれら各突部から外れた位置に、締め代を有する状態で、内外両周面の摩擦係数が上記両コラムの内外両周面の摩擦係数よりも小さい低摩擦部材を配置しており、上記各突部は、上記インナーコラムの小径部に対しては隙間を有し、同じく大径部に対しては締め代を有する様に、その突出量を規制しており、上記両コラム同士に大きな軸方向荷重が加わっていない通常状態では、上記各突部は上記小径部の外径側に配置され、上記両コラム同士の間に大きな軸方向荷重が加わってこれら両コラムの相対変位が生じる収縮状態では、上記各突部が上記大径部の外径側にこの大径部を塑性変形させつつ進入する事を特徴とする衝撃吸収式電動パワーステアリング装置。
  5. 低摩擦部材が、円周方向複数個所に先端部が開口した切り欠きを有する円筒状に形成されており、これら各切り欠きから円周方向に外れた部分円筒部の先端部に、それぞれ先端に向かう程外径側に傾斜すると共に、これら各部分円筒部よりも肉厚が小さいガイド部を設けており、通常状態で、上記各切り欠き内に各突部が配置されると共に、上記各ガイド部が、インナーコラムの小径部と大径部との連続部と、アウターコラムの一端縁との間に位置する、請求項4に記載した衝撃吸収式電動パワーステアリング装置。
  6. アウターコラムの一端部のうちの先端部分を各突部を形成していない円筒部とし、通常状態で、この円筒部をインナーコラムの大径部の外径側に隙間を有する状態で配置し、これら円筒部と大径部との間に、第二の低摩擦部材を締め代を有する状態で配置した、請求項4に記載した衝撃吸収式電動パワーステアリング装置。
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