JP6403323B2 - 椅子用遮蔽部材、及び、椅子 - Google Patents

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Description

この発明は、椅子本体に取り付けられ、着座者の後方または側方からの音の進入を遮断する椅子用遮蔽部材、及び、椅子に関するものである。
事務用等として用いられる椅子として、背凭れの上部にヘッドレストが取り付けられたものが知られている。ヘッドレストは、椅子に着座した着座者が頭部を後方に倒したときに、着座者の頭部を後方側から支持することを主要機能とする。
背凭れに取り付けられる椅子のヘッドレストとして、音響装置を内蔵したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のヘッドレストは、クッション材の内部に剛性の高い振動伝達部材が埋設され、その振動伝達部材にボイスコイル等の振動体が設置されるとともに、振動伝達部材が背凭れ内のフレームに機械的に連結されるようになっている。このヘッドレストにおいては、ボイスコイル等の振動体の振動を剛性の高い振動伝達部材を介して背凭れのフレームに伝達することにより、椅子に着座した着座者に音響振動を体感させることができる。
また、特許文献1に記載のヘッドレストは、振動伝達部材の左右両側部に斜め外側前方に向かって屈曲する翼部が設けられ、その翼部にスピーカユニットが取り付けられている。左右の各翼部は、周域をクッション材によって覆われるとともに、振動伝達部材に対してヒンジを介して回動可能に取り付けられている。
実公平02−015431号公報 実開平05−053558号公報
ところで、椅子に着座して執務等を行う着座者には、周囲の雑音をできる限り遮蔽できる環境が望まれる。
周囲の雑音を遮蔽する観点で見た場合、特許文献1に記載のヘッドレストは、振動伝達部材が金属等の剛性が高く遮音性を有する部材によって形成されていることから、着座者の後方からの音の進入を僅かながらも遮蔽することができる。
しかし、特許文献1に記載のヘッドレストは、振動伝達部材によって音の進入をある程度遮蔽できるものの、振動伝達部材を回り込もうとする音や、振動伝達部材自体を振動させようとする音を効率良く遮断することができない。
この対策として、例えば、特許文献2に記載のヘッドレストのように、椅子用遮蔽部材に空気充填部を設け、その空気充填部に空気を注入することによって吸音性を高めることが考えられる。
しかし、この椅子用遮蔽部材の場合、空気充填部に空気を注入するために空気注入部を設けることが不可避であり、外観体裁を損ない易い。
そこでこの発明は、外観体裁の低下を招くことなく、着座者の後方または側方からの音の進入を効率良く遮断することができる椅子用遮蔽部材、及び、椅子を提供しようとするものである。
この発明に係る椅子用遮蔽部材は、上記課題を解決するために、椅子本体に取り付けられ、前記椅子本体に着座した着座者の後方または側方からの音の進入を遮蔽する椅子用遮蔽部材において、板状の吸音部材が厚み方向に複数積層され、複数の前記吸音部材の少なくともいずれか一つを、隣接する前記吸音部材から浮き上がるように湾曲、若しくは、屈曲させて吸音用膨出部が形成されるようにした。
これにより、積層された吸音部材の一部の浮き上がり部分によって吸音用膨出部が形成されるため、外観体裁の低下を招くことなく、吸音用膨出部によって着座者の後方または側方からの音の進入を効率良く遮断することができる。
前記吸音用膨出部は、前記椅子本体に着座した着座者に対向する側に膨出して形成されるようにしても良い。
この場合、吸音用膨出部が着座者側に対向して外部からは見えにくくなる。このため、この構造を採用することにより、外観体裁をより損ないにくくなる。
最外層の前記吸音部材よりも内側の前記吸音部材の、椅子本体に設置したときに上下方向となる側の端部に、該端部の一部から延出する延長部が設けられ、端面が隣接する前記吸音部材の表面に当接するように、最外層の前記吸音部材の内側で前記延長部が折り曲げられることにより、前記吸音用膨出部が形成されるようにしても良い。
この場合、吸音部材の延長部のみが最外層の吸音部材の内側で折り曲げられるため、折り曲げ部が襞状に略水平方向の広範囲に亙って連続することがなく、外観体裁が良好となる。また、最外層の吸音部材の内側で、端面が隣接する吸音部材の表面に当接するように延長部が折り曲げられるため、形成された吸音用膨出部が一定形状に維持され易くなるとともに、吸音部材の広範囲な領域全体を屈曲させて吸音用膨出部を形成する場合に比較して製造も容易になる。
最外層の前記吸音部材は、前記延長部の形成される前記吸音部材よりも軟質であることが望ましい。
この場合、延長部の折り曲げによって吸音用膨出部が形成されるときに、最外層の吸音部材が柔軟に変形して外面側の形状変化を緩やかにすることができる。このため、この構造を採用することにより、外観体裁をより良好なものとすることができる。
前記吸音用膨出部の内側には、クッション材が配設されるようにしても良い。
この場合、吸音用膨出部の内側のクッション材によっても、進入してくる音を有効に吸音することができる。したがって、この構造を採用することにより、吸音性能をより高めることができる。
この発明に係る椅子は、前記いずれかに記載の椅子用遮蔽部材が背凭れの上部に設けられるようにした。
この発明によれば、板状の吸音部材が厚み方向に複数積層され、複数の吸音部材の少なくともいずれか一つを、隣接する吸音部材から浮き上がるように湾曲、若しくは、屈曲させて吸音用膨出部が形成されているため、外観体裁の低下を招くことなく、吸音用膨出部によって着座者の後方または側方からの音の進入を効率良く遮断することができる。
この発明の一実施形態に係る椅子の正面図である。 この発明の一実施形態に係る椅子の左側面図である。 この発明の一実施形態に係る椅子の背面図である。 この発明の一実施形態に係る椅子の上面図である。 この発明の一実施形態に係る椅子の図3のV−V断面に対応する断面図である。 この発明の一実施形態に係る椅子の図3のVI−VIに断面に対応する断面図である。 この発明の一実施形態に係る遮蔽部材の一部の分解斜視図である。 この発明の一実施形態に係る椅子の図3のVIII−VIIIに断面に対応する断面図である。 この発明の一実施形態に係る遮蔽部材の一部の構成部品の平面図である。 この発明の一実施形態に係る遮蔽部材の分解断面図である。 この発明の一実施形態に係る遮蔽部材の部分断面斜視図である。 この発明の一実施形態に係る遮蔽部材の図11のXII−XII断面に対応する断面図である。 この発明の一実施形態に係る遮蔽部材の一部の構成部品の平面図である。 この発明の他の実施形態に係る遮蔽部材の図11のXII−XII断面に対応する断面図である。
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、椅子1に正規姿勢で着座した人の前方を「前」、それと逆側を「後」と呼ぶものとする。また、「上」,「下」と「左」,「右」については、椅子1に正規姿勢で着座した人の上方を「上」、それと逆側を「下」と呼び、椅子に正規姿勢で着座した人の左側方を「左」、それと逆側を「右」と呼ぶものとする。また、図中矢印FRは前方を指し、矢印UPは上方を、矢印LHは左側方をそれぞれ指すものとする。
図1は、この実施形態に係る椅子1を正面から見た図であり、図2は、同椅子1を左側方から見た図である。また、図3は、椅子1を背面から見た図であり、図4は、椅子1を上面から見た図である。
これらの図に示すように、この実施形態に係る椅子1は、床面上に載置される脚部10と、脚部10の上端に設置されるボックス状の支基11と、支基11の上面側に取り付けられて着座者の臀部を支持する座12と、支基11の後部に取り付けられて着座者mの背部を支持する背凭れ13と、座12の下面側の左右の両側部から座12の上方側に延出し、着座者mの肘や腕先が載せ置かれる肘掛け15と、を備えている。さらに、椅子1は、背凭れ13の上部に取り付けられて、着座者mの頭部hを後方から支持するヘッドレスト16と、ヘッドレスト16を介して背凭れ13の上部に取り付けられて、着座者mの頭部hの後方側と左右の側方を覆う椅子用遮蔽部材17(以下、「遮蔽部材17」と呼ぶ。)と、を備えている。
脚部10は、キャスタ18a付きの多岐脚18と、多岐脚18の中央部より起立して昇降機構であるガススプリングを内蔵する脚柱19と、を備え、脚柱19の上端部に支基11が取り付けられている。支基11には、脚柱19の昇降調整機構と背凭れ13の傾動調整機構が内蔵されている。
背凭れ13は、着座者mの背部から荷重を受ける背凭れ本体20と、背凭れ本体20の背部に取り付けられ、着座者mの荷重を支持する強度を有する背凭れフレーム21と、を備えている。背凭れ本体20は、正面視が略矩形状の樹脂製の背板20a(図3参照)を有し、背板20aの前面と周縁部とが表皮材20bによって覆われている。また、背凭れ本体20は、着座者mの腰部に対応する位置(下から三分の一程度上方に上がった位置)が最も前方に膨出するように、上下方向に沿って湾曲して形成されている。
背凭れフレーム21は、正面視が下向きの略五角形状の枠状フレーム部21Aと、枠状フレーム部21Aの下端から下方に延出した後に前方側に湾曲して延びる連結フレーム部21Bと、を有している。連結フレーム部21Bの端部は、図示しない連結ステーを介して支基11内の傾動機構に連結されている。
背凭れフレーム21の枠状フレーム部21Aは、背凭れ本体20の後方側に配置され、上半部の左右の側辺部21A−s,21A−sと下端側の縁部とが背凭れ本体20に対して連結されている。左右の側辺部21A−s,21A−sの上端部同士は、背凭れフレーム21の上部側の横梁を成す上辺部21A−uによって連結されている。
上辺部21A−uは、側辺部21A−s,21A−sに連結される左右の端部に対し、中央領域が後方側に凹状に湾曲している。上辺部21A−uの幅方向の中央領域の後面には、ヘッドレスト16等の付加機能部品を取り付けるための部品取付部23が設けられている。部品取付部23には、詳細な図示は省略するが付加機能部品の取付基部が当接する座面と、その取付基部を締結固定するためのボルト締結部が設けられている。この実施形態では、部品取付部23にはヘッドレスト16が取り付けられている。
なお、この実施形態においては、背凭れ13や座12、脚部10等のヘッドレスト16と遮蔽部材17を除く部分が椅子本体を構成している。
図5は、図3のV−V断面に対応するヘッドレスト16と遮蔽部材17の断面図であり、図6は、図3のVI−VI断面に対応するヘッドレスト16と遮蔽部材17の断面図である。また、図7は、遮蔽部材17の一部を分解して示した図であり、図8は、図3のVIII−VIII断面に対応するヘッドレスト16と遮蔽部材17の断面図である。
ヘッドレスト16は、図6に示すように、クッション材25aの外側が表皮材25bによって被覆されたヘッドレスト本体部25と、上部側がヘッドレスト本体部25内に埋設される金属等の硬質材料から成るヘッドレストフレーム26と、を備え、ヘッドレストフレーム26の下縁部が、背凭れフレーム21の部品取付部23に締結固定される取付基部26aとされている。また、ヘッドレストフレーム26の取付基部26aの上端部位置には、図3,図8に示すように、左右の側方に張り出してヘッドレスト本体部25の下面を支持する側方張り出し部26b,26bが一体に形成されている。側方張り出し部26bには、図8に示すように、遮蔽部材17を取り付けるために締結孔27(ねじ孔)が形成されている。
遮蔽部材17は、図4,図5に示すように、上面視が略コ字状に形成されており、着座者mの頭部hの後方側を覆う後壁部17Aと、着座者mの左右の側方を覆う側壁部17B,17Bと、を有している。後壁部17Aは、遮蔽部材17が背凭れフレーム21の上部に取り付けられた状態において、ヘッドレスト16のクッション材25aの背部側に配置される。側壁部17B,17Bは、遮蔽部材17が背凭れフレーム21の上部に取り付けられた状態において、背凭れ13の左右の側端面より椅子幅方向外側で前方に延出している。また、側壁部17B,17Bは、図2に示すように、遮蔽部材17が背凭れフレーム21の上部に取り付けられた状態において、脚部10の接地部の中心位置(脚柱19の軸心位置)よりも前方側まで延出している。したがって、正規姿勢で椅子1に着座した着座者mの頭部h(耳及び目の高さ位置)の左右の側方は、左右方向に充分な離間幅をもって側壁部17B,17Bによって覆われる。
また、図2に示すように、側壁部17Bの上辺は、後壁部17Aと連結される基部側からほぼ水平に前方に延出しているが、側壁部17Bの下辺は、後壁部17Aと連接される基部側が若干斜め下方に延出した後に上方側に大きく湾曲して前方に延出している。したがって、側壁部17Bの先端側の下面は基部側の下面に対して上方側に凹状に窪んでいる。このため、側壁部17Bの下辺は、凹状の窪み部40によって着座者mの肩部や腕部が接触するのを回避することができる。
また、図1,図4等に示すように、側壁部17Bの凹状の窪み部40の上方側位置には、着座者m側に向かって部分的に膨出する吸音用膨出部41が形成されている。この吸音用膨出部41は、側壁部17Bの外側方から内側方へ向かおうとする音を遮断するとともに、側壁部17Bの下辺を回り込んで着座者mの頭部h側に回り込もうとする音を遮断するようにも機能する。なお、吸音用膨出部41の側壁部17Bの前後方向における最適位置は、正規姿勢で椅子1に着座した着座者mの耳の外側方位置である。
遮蔽部材17は、強度部材として機能するとともに着座者mの後方または側方からの音の進入を遮断する遮音板30と、遮音板30の外側を覆う吸音性を有する外装部材31と、外装部材31の外側を覆う袋状の表皮材32と、を備えている。遮音板30としては、例えば、金属製の板材等を用いることができ、外装部材31としては、樹脂繊維を主原料とするウレタンや不織布等を用いることができる。また、表皮材32としては、樹脂繊維等の織物等を用いることができる。
遮音板30は、図7等に示すように、上面視が略コ字状に形成され、後壁部30aと、後壁部30aの左右の両側部から緩やかに湾曲して前方に向かって延出する側壁部30b,30bと、を有している。遮音板30は、単一の部材(例えば、金属板)が略コ字状に曲げられて形成されている。また、遮音板30の後壁部30aの下端の左右に離間した位置には、遮蔽部材17をヘッドレストフレーム26に締結固定するための固定片29,29が前方側に屈曲して延設されている。
外装部材31は、遮音板30に外嵌されて遮音板30の表裏両側を覆う内側吸音層31Aと、内側吸音層31Aのさらに表裏両側を覆う外側吸音層31Bと、を有している。内側吸音層31Aは、外側吸音層31Bよりも高密度、かつ高剛性に形成されている。また、内側吸音層31Aの肉厚は、外側吸音層31Bの肉厚よりも薄く形成されている。
内側吸音層31Aは、平面視が略同形状の同材質の二枚の吸音部材が熱溶着等によって接合されて構成されている。ここで、着座者m側に位置される吸音部材を前層部31A−fと呼び、着座者mと相反する側に位置される吸音部材を後層部31A−rと呼ぶものとすると、相互に接合された前層部31A−fと後層部31A−rの間には、遮音板30と略同一幅で下方側に開口する(厚み方向と交差する方向に開口する)スリット33が形成されている。
また、外側吸音層31Bは、平面視が内側吸音層31Aと略同形状の二枚の吸音部材によって構成されている。ここで、着座者m側に位置される吸音部材を前層部31B−fと呼び、着座者mと相反する側に位置される吸音部材を後層部31B−rと呼ぶものとすると、前層部31B−fは、内側吸音層31Aの前層部31A−fの前面側に溶着等によって一体に接合されており、後層部31B−rは、内側吸音層31Aに接合されずに、表皮材32の裏面側の内面に縫合や接着等によって接合されている。
図9は、内側吸音層31Aの前面側に外側吸音層31Bの前層部31B−fを接合した外装ユニットUを示す正面図であり、図10は、遮蔽部材17を分解して示した縦断面図である。なお、図9では、外装ユニットUが平坦に展開した状態で示されているが、外装ユニットUは、遮音板30と略同形状に予め屈曲させた状態で部材相互間を熱溶着等によって接合したり、平坦に展開した状態の部材同士を製造機内で加熱して相互に溶着した後に、遮音板30と略同形状に変形させるようにしても良い。
遮蔽部材17を製造する場合には、図7,図9に示すように、遮音板30と、外装ユニットUと、裏面側の内側面に外側吸音層31Bの後層部31B−rを接合した表皮材32を用意し、最初に、外装ユニットUのうちの内側吸音層31Aのスリット33に対し、遮音板30を下方から挿入する。このとき、遮音板30は、下端の一対の固定片29,29を除くほぼ全域がスリット33内に配置され、一対の固定片29,29は、外装ユニットUの下端から下方前方側に突出する。
次に、この状態から遮音板30をスリット33内に配置した外装ユニットUを、袋状の表皮材32の下端の開口を通して表皮材32の内側に収容する。このとき、外装ユニットUの内側吸音層31Aの後層部31A−rの背面側には、表皮材32の裏面側の内側面に接合された外側吸音層31Bの後層部31B−rが重ね合せられる。また、このとき一対の固定片29,29は、表皮材32の下端から下方前方側に突出する。最後に、袋状の表皮材32の下端の開口が線ファスナー等によって閉じられる。
こうして製造された遮蔽部材17の外装部材31は、外側吸音層31Bの前層部31B−f、内側吸音層31Aの前層部31A−f、内側吸音層31Aの後層部31A−r、外側吸音層31Bの後層部31B−rが4層になって厚み方向に重ね合せられる。この実施形態の場合、これらの4層が遮蔽部材17の厚み方向に積層される板状の吸音部材を構成している。
また、上記のように製造された遮蔽部材17は、後壁部17Aをヘッドレスト16の背部にあてがい、図8に示すように、左右の各固定片29をヘッドレストフレーム26の側方張り出し部26bの下面に当接させてビス34を締め込むことにより、ヘッドレスト16に一体に固定される。
そして、こうしてヘッドレスト16に固定された遮蔽部材17は、ヘッドレスト16の取付基部26aが背凭れフレーム21の上部の部品取付部23に締結されることにより、背凭れ13に一体に固定される。
図11は、遮蔽部材17の側壁部17Bを一部断面にして示した斜視図であり、図12は、図11のXII−XII断面に対応する断面図である。また、図13は、内側吸音層31Aの前層部31A−fの成形前の形状を示す図である。
内側吸音層31Aの前層部31A−fの左右の側壁部17Bに対応する部分の下端には、図13に示すように、下方に矩形状に延出する延長部42が延設されている。延長部42は、その端面が隣接する吸音部材である内側吸音層31Aの後層部31A−rの表面に当接するようにして、内側に湾曲させて曲げられている。このように曲げられた延長部42の外側は、外側吸音層31Bの前層部31B−fの下縁によって覆われる。内側吸音層31Aの後層部31A−rと前層部31A−fと外側吸音層31Bの前層部31B−fとは、この状態で熱溶着等によって相互に接合されることにより、図12に示すように、延長部42の内側に略半円状の空洞部43が形成される。前述した吸音用膨出部41は、隣接する後層部31A−rから一部が浮き上がるように曲げられた延長部42と、その外側を覆う外側吸音層31Bの前層部31B−fとによって主に構成されている。
以上のように、この実施形態に係る遮蔽部材17は、強度部材として機能する剛性の高い遮音板30の外側が外装部材31によって被覆され、その外装部材31が、遮音板30に外嵌されて遮音板30の表裏両側を覆う内側吸音層31Aと、内側吸音層31Aの表面側と裏面側に配置される外側吸音層31Bと、を有している。このため、着座者mの後方や側方から進入してくる音を遮音板30によって遮断することができるとともに、遮音板30に向かって進入してくる音や遮音板30を回り込もうとする音を外側吸音層31Bと内側吸音層31Aによって効率良く吸収することができる。特に、この実施形態に係る遮蔽部材17は、外装部材31の内側吸音層31Aが外側吸音層31Bよりも高密度に形成されていることから、多様な周波数成分を含む雑音を効率良く吸収することができる。
また、この実施形態に係る遮蔽部材17においては、外側吸音層31Bの前層部31B−fと後層部31B−rの間に内側吸音層31Aの前層部31A−fと後層部31A−rが配置されることにより、板状の吸音部材が厚み方向に複数積層され、内側吸音層31Aの前層部31A−fの一部を、隣接する後層部31A−rから浮き上がるように湾曲させることによって、吸音用膨出部41が形成されている。このため、外観体裁の低下を招くことなく、吸音用膨出部41によって着座者mの後方または側方からの音の進入を効率良く遮断することができる。
特に、この実施形態の場合、吸音用膨出部41の内側に空洞部43が設けられているため、吸音用膨出部41の内側の空気層によって効率良く音を遮断することができる。
ただし、吸音用膨出部41は、図14に示す他の実施形態のように、空洞部43の内側にウレタン等のクッション材50を収容配置するようにしても良い。なや、図14においては、上記の実施形態と同一部分に同一符号を付してある。
この場合、外部から進入してくる音をクッション材50によっても有効に吸音することができる。したがって、この構造を採用することにより、吸音性能をより高めることができる。
また、この実施形態に係る遮蔽部材17においては、吸音用膨出部41が、着座者m側に対向する側壁部17Bの内面側に膨出して形成されているため、吸音用膨出部41が着座者m側に対向して外部からは見えにくくなる。したがって、この構造を採用することにより、外観体裁をより損ないにくくなる。
さらに、この構造の場合、遮蔽部材17の側壁部17Bの下縁部において、吸音用膨出部41が着座者m側に膨出しているため、着座者bの側部下方側の視界を吸音用膨出部41によって遮蔽することができる。この構造を採用した場合、椅子1に着座した着座者mが前方側を向いてより集中し易くなる。
また、この実施形態に係る遮蔽部材17の場合、内側吸音層31Aの前層部31A−fの下端に延長部42が延設され、端面が隣接する後層部31A−rの表面に当接するように、延長部42が外側吸音層31Bの前層部31B−fの内側で折り曲げられて吸音用膨出部41が形成されている。このため、延長部42を設けずに前層部31A−fの広範囲を上下方向に曲げて吸音用膨出部41を形成する場合のように、折り曲げ部が襞状に略水平方向の広範囲に亙って連続したり、下端側に段差部ができたりすることがない。このため、この構造を採用することにより、外観体裁がより良好となる。
また、この実施形態の場合、端面が隣接する後層部31A−rの表面に当接するように、延長部42が外側吸音層31Bの前層部31B−fの内側で折り曲げられるため、吸音用膨出部41が安定的に形状を維持され易くなるとともに、遮蔽部材17の製造も容易になる。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、上記の各実施形態においては、吸音用膨出部41が遮蔽部材17の側壁部17Bの着座者mに対向する内面に形成されているが、吸音用膨出部は、遮蔽部材の側壁部や後壁部の着座者側と逆側の外面に形成するようにしても良い。
さらに、上記の各実施形態においては、遮蔽部材に4枚の板状の吸音部材が積層して内装されているが、積層する吸音部材は3枚以上であれば任意であり、隣接する吸音部材から浮き上がるように湾曲、若しくは、屈曲させる吸音部材も最外装の吸音部材以外であればいずれの吸音部材であっても良い。
また、上記の実施形態においては、一の吸音部材(前層部31A−f)の下縁を上下方向に湾曲、若しくは、屈曲させて吸音用膨出部41を形成しているが、吸音用膨出部は、一の吸音部材を前後方向に湾曲、若しくは、屈曲させて形成するようにしても良い。
また、上記の各実施形態においては、遮蔽部材17がヘッドレスト16に固定されてヘッドレスト16とともに椅子1の背凭れ13に取り付けられているが、ヘッドレスト16を背凭れ13に取り付けずに、遮蔽部材17を単独で背凭れ13に取り付けるようにしても良い。さらに、上記の各実施形態においては、遮蔽部材17が背凭れ13と別体部品として製造され、背凭れ13に追加機能部品として脱着可能に取り付けられているが、遮蔽部材は背凭れに一体に形成するようにしても良い。
1 椅子
17 遮蔽部材(椅子用遮蔽部材)
31A−f 前層部(吸音部材)
31A−r 後層部(吸音部材)
31B−f 前層部(吸音部材)
31B−r 後層部(吸音部材)
41 吸音用膨出部
42 延長部
50 クッション材

Claims (6)

  1. 椅子本体に取り付けられ、前記椅子本体に着座した着座者の後方または側方からの音の進入を遮蔽する椅子用遮蔽部材において、
    板状の吸音部材が厚み方向に複数積層され、
    複数の前記吸音部材の少なくともいずれか一つを、隣接する前記吸音部材から浮き上がるように湾曲、若しくは、屈曲させて吸音用膨出部が形成されていることを特徴とする椅子用遮蔽部材。
  2. 前記吸音用膨出部は、前記椅子本体に着座した着座者に対向する側に膨出して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の椅子用遮蔽部材。
  3. 最外層の前記吸音部材よりも内側の前記吸音部材の、椅子本体に設置したときに上下方向となる側の端部に、該端部の一部から延出する延長部が設けられ、
    端面が隣接する前記吸音部材の表面に当接するように、最外層の前記吸音部材の内側で前記延長部が折り曲げられることにより、前記吸音用膨出部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の椅子用遮蔽部材。
  4. 最外層の前記吸音部材は、前記延長部の形成される前記吸音部材よりも軟質であることを特徴とする請求項3に記載の椅子用遮蔽部材。
  5. 前記吸音用膨出部の内側には、クッション材が配設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の椅子用遮蔽部材。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の椅子用遮蔽部材が背凭れの上部に設けられていることを特徴とする椅子。
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