JP6440301B2 - 椅子用遮蔽部材、及び、椅子 - Google Patents
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Description
また、特許文献1に記載のヘッドレストは、振動伝達部材の左右両側部に斜め外側前方に向かって屈曲する翼部が設けられ、その翼部にスピーカユニットが取り付けられている。左右の各翼部は、周域をクッション材によって覆われるとともに、振動伝達部材に対してヒンジを介して回動可能に取り付けられている。
周囲の雑音を遮蔽する観点で見た場合、特許文献1に記載のヘッドレストは、振動伝達部材が金属等の剛性が高く遮音性を有する部材によって形成されていることから、着座者の後方からの音の進入を僅かながらも遮蔽することができる。
また、外側に位置される外側吸音層は、内側吸音層に比較して低密度であるため、内側吸音層に対して相対的に軟質になる。このため、外側吸音層を変形させ易くなり、意匠面を構成する外面形状を容易に形成することが可能になる。
この場合、強度部材として機能する遮音板が、着座者の頭部の後方と左右側方とを覆う形状をなすように湾曲、若しくは、屈曲する単一の部材であることから、着座者の頭部の後方と左右側方とを覆う形状を安定的に維持することができる。また、内側吸音層とスリットが遮音板に沿う形状であるため、遮音板をスリットを通して内側吸音層の内側に容易に配置することができる。
この場合、外側吸音層が着座者の頭部の後方と左右側方とを覆う形状に曲げられると、曲げ方向の外側となる面の延出長さが曲げ方向の内側となる面の延出長さよりも長くなる。外側吸音層は、前層部の上下方向と略直交する方向の延出長さが後層部よりも予め短く形成されているため、曲げ方向の内側面に皺等の余長部が生じにくくなる。したがって、この構造を採用することにより、外観体裁を向上させることができる。
この場合、外側吸音層の前層部と後層部のいずれか一方が表皮材の内面に接合されるため、表皮材を遮音板と外装部材の外側に装着するときに、表皮材の形状を内側に接合された後層部または前層部によって容易に保持することができる。したがって、この構造を採用することにより、表皮材の装着を容易に行うことができる。
この場合、製造時に、表皮材の内面に外側吸音層の後層部を接合しておき、その状態で遮音板と外装部材の外側に表皮材を被せることができる。このため、表皮材の内面と外側吸音層の後層部との間に隙間ができにくくなる。したがって、この構造を採用することにより、外側吸音層の後層部と表皮材の間の隙間に起因する表皮材の浮き上がりが外部から目立ち易い外側面側に生じにくくなり、外観体裁を高めるうえでより有利となる。
これらの図に示すように、この実施形態に係る椅子1は、床面上に載置される脚部10と、脚部10の上端に設置されるボックス状の支基11と、支基11の上面側に取り付けられて着座者の臀部を支持する座12と、支基11の後部に取り付けられて着座者mの背部を支持する背凭れ13と、座12の下面側の左右の両側部から座12の上方側に延出し、着座者mの肘や腕先が載せ置かれる肘掛け15と、を備えている。さらに、椅子1は、背凭れ13の上部に取り付けられて、着座者mの頭部hを後方から支持するヘッドレスト16と、ヘッドレスト16を介して背凭れ13の上部に取り付けられて、着座者mの頭部hの後方側と左右の側方を覆う椅子用遮蔽部材17(以下、「遮蔽部材17」と呼ぶ。)と、を備えている。
上辺部21A−uは、側辺部21A−s,21A−sに連結される左右の端部に対し、中央領域が後方側に凹状に湾曲している。上辺部21A−uの幅方向の中央領域の後面には、ヘッドレスト16等の付加機能部品を取り付けるための部品取付部23が設けられている。部品取付部23には、詳細な図示は省略するが付加機能部品の取付基部が当接する座面と、その取付基部を締結固定するためのボルト締結部が設けられている。この実施形態では、部品取付部23にはヘッドレスト16が取り付けられている。
なお、この実施形態においては、背凭れ13や座12、脚部10等のヘッドレスト16と遮蔽部材17を除く部分が椅子本体を構成している。
ヘッドレスト16は、図6に示すように、クッション材25aの外側が表皮材25bによって被覆されたヘッドレスト本体部25と、上部側がヘッドレスト本体部25内に埋設される金属等の硬質材料から成るヘッドレストフレーム26と、を備え、ヘッドレストフレーム26の下縁部が、背凭れフレーム21の部品取付部23に締結固定される取付基部26aとされている。また、ヘッドレストフレーム26の取付基部26aの上端部位置には、図3,図8に示すように、左右の側方に張り出してヘッドレスト本体部25の下面を支持する側方張り出し部26b,26bが一体に形成されている。側方張り出し部26bには、図8に示すように、遮蔽部材17を取り付けるために締結孔27(ねじ孔)が形成されている。
遮蔽部材17を製造する場合には、図7,図9に示すように、遮音板30と、外装ユニットUと、裏面側の内側面に外側吸音層31Bの後層部31B−rを接合した表皮材32を用意し、最初に、外装ユニットUのうちの内側吸音層31Aのスリット33に対し、遮音板30を下方から挿入する。このとき、遮音板30は、下端の一対の固定片29,29を除くほぼ全域がスリット33内に配置され、一対の固定片29,29は、外装ユニットUの下端から下方前方側に突出する。
そして、こうしてヘッドレスト16に固定された遮蔽部材17は、ヘッドレスト16の取付基部26aが背凭れフレーム21の上部の部品取付部23に締結されることにより、背凭れ13に一体に固定される。
内側吸音層31Aの前層部31A−fの左右の側壁部17Bに対応する部分の下端には、図13に示すように、下方に矩形状に延出する延長部42が延設されている。延長部42は、その端面が隣接する吸音部材である内側吸音層31Aの後層部31A−rの表面に当接するようにして、内側に湾曲させて曲げられている。このように曲げられた延長部42の外側は、外側吸音層31Bの前層部31B−fの下縁によって覆われる。内側吸音層31Aの後層部31A−rと前層部31A−fと外側吸音層31Bの前層部31B−fとは、この状態で熱溶着等によって相互に接合されることにより、図12に示すように、延長部42の内側に略半円状の空洞部43が形成される。前述した吸音用膨出部41は、隣接する後層部31A−rから一部が浮き上がるように曲げられた延長部42と、その外側を覆う外側吸音層31Bの前層部31B−fとによって主に構成されている。
特に、この実施形態に係る遮蔽部材17は、外装部材31の内側吸音層31Aが外側吸音層31Bよりも高密度に形成されていることから、多様な周波数成分を含む雑音を効率良く吸収することができる。
さらに、この実施形態の場合、外側吸音層31Bは、内側吸音層31Aに比較して低密度であるため、内側吸音層31Aに対して相対的に軟質になる。したがって、この構造を用いることにより、外側吸音層31Bを変形させ易くなり、意匠面を構成する外面形状を容易に形成することが可能になる。
17 遮蔽部材(椅子用遮蔽部材)
30 遮音板
31 外装部材
31A 内側吸音層
31B 外側吸音層
31B−f 前層部
31B−r 後層部
32 表皮材
33 スリット
Claims (6)
- 椅子本体に取り付けられ、強度部材として機能するとともに着座者の後方または側方からの音の進入を遮断する遮音板と、
該遮音板の外側を覆う外装部材と、を備え、
前記椅子本体に着座した着座者の頭部の後方と左右側方とを覆う形状に形成された椅子用遮蔽部材において、
前記外装部材は、前記遮音板に外嵌されて当該遮音板の表裏両側を覆う内側吸音層と、前記内側吸音層の表面側と裏面側に配置される外側吸音層と、を有し、
前記内側吸音層が、前記外側吸音層よりも高密度に形成され、
前記内側吸音層には、厚み方向と交差する方向に開口し、前記遮音板と略同一幅のスリットが形成されていることを特徴とする椅子用遮蔽部材。 - 前記遮音板は、椅子本体に着座した着座者の頭部の後方と左右側方とを覆う形状をなすように湾曲、若しくは、屈曲する単一の部材であり、前記内側吸音層と前記スリットは、前記遮音板に沿う形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の椅子用遮蔽部材。
- 前記外側吸音層のうちの、着座者側に位置される前層部は、着座者と相反する側に位置される後層部よりも、上下方向と略直交する方向の延出長さが短く形成されていることを特徴とする請求項2に記載の椅子用遮蔽部材。
- 椅子本体に取り付けられ、強度部材として機能するとともに着座者の後方または側方からの音の進入を遮断する遮音板と、
該遮音板の外側を覆う外装部材と、を備え、
前記椅子本体に着座した着座者の頭部の後方と左右側方とを覆う形状に形成された椅子用遮蔽部材において、
前記外装部材は、前記遮音板に外嵌されて当該遮音板の表裏両側を覆う内側吸音層と、前記内側吸音層の表面側と裏面側に配置される外側吸音層と、を有し、
前記内側吸音層が、前記外側吸音層よりも高密度に形成され、
前記外装部材は、表皮材によって外側を覆われ、
前記外側吸音層は、着座者側に位置される前層部と、着座者と相反する側に位置される後層部とを別体部材として構成され、
前記外側吸音層の前層部と後層部のいずれか一方は、前記表皮材の内面に接合され、いずれか他方は、前記内側吸音層に接合されていることを特徴とする椅子用遮蔽部材。 - 前記外側吸音層の後層部が前記表皮材の内面に接合され、前記外側吸音層の前層部が前記内側吸音層に接合されていることを特徴とする請求項4に記載の椅子用遮蔽部材。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の椅子用遮蔽部材が背凭れの上部に設けられていることを特徴とする椅子。
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JP2014220585A JP6440301B2 (ja) | 2014-10-29 | 2014-10-29 | 椅子用遮蔽部材、及び、椅子 |
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