JP6575747B2 - 遮蔽部材、及び、椅子 - Google Patents
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Description
このため、このような環境を改善するための家具が案出されている(例えば、特許文献1,2参照)。
この場合、遮蔽部材が左右の遮蔽用側壁部と後壁部によって平面視で略U字形状を成すようになる。このため、遮蔽用側壁部の前方からの入力荷重を後壁部で安定的に受け止め易くなる。
この場合、着座者が正規姿勢で椅子に着座すると、着座者の腰部位置が脚部の接地部の中心位置よりも後方側に位置する背凭れの膨出部に当たり、着座者の頭部を含む腰部位置よりも上方側部分が後傾する。これにより、着座者の腰部位置よりも上方側部分は、膨出部よりも後方である背凭れの上部前面に近接する位置に位置されるようになる。このため、着座者の頭部を、腰部位置よりも相対的に後方へ位置させることができるので、着座者の頭部の左右の側方は、一対の遮蔽用側壁部によってより確実に遮蔽されることになる。
この場合、背凭れの膨出部よりも上方側が後傾しているので、着座者の腰部を無理に曲げることなく、着座者の腰部よりも上方部分を自然に後傾させて頭部を後方に位置させることができる。
この場合、正規姿勢で椅子に着座した着座者の頭部や肩部に対し、左右の遮蔽用側壁部が充分に離間して配置されることになる。この結果、着座者は上半身を余裕をもって動かすことが可能になる。
この場合、正規姿勢で椅子に着座した着座者の頭部よりも下側部分が遮蔽用側壁部によって遮蔽されずに外部から視認され易くなる。このため、この構造を採用した場合には、椅子に人が着座しているか否かを、着座者以外の外部の人が容易に目視確認することができる。
この場合、遮蔽用側壁部に、椅子に着座した着座者の肩部を避けるように窪み部が配置されるため、着座者の肩部が遮蔽用側壁部と干渉しにくくなる。
この場合、遮蔽用側壁部の前方からの入力荷重を、後壁部の芯材板によってより安定的に受け止めることができる。
この場合、後壁部の芯材板は連結部を通して背凭れ側と連結されるが、芯材板の左右方向の端部は左右の遮蔽用側壁部の軟質基材の一部にのみ埋設される。このため、着座者や着座者以外の人が遮蔽用側壁部に接触することがあっても、遮蔽用側壁部が柔軟に撓んで接触者の動きを拘束したり、接触者に違和感を与えたりするのを抑制することができる。
この場合、着座者の頭部が後方に凭れたときに、その荷重をヘッドレストが受け止め、その荷重が後壁部に直接入力されにくくなる。
この場合、ヘッドレストに小荷重が入力されたときには、ヘッドレストから後壁部の上部領域に荷重が入力されるのを抑制することができ、また、ヘッドレストに前方側から大荷重が入力されたときには、ヘッドレストと後壁部が二重になって荷重を受け止めることができる。さらに、この場合、遮蔽部材の後壁部を下部側連結部によってヘッドレストの下部に結合し、その状態においてヘッドレストの下部を背凭れに取り付けることができる。このため、遮蔽部材とヘッドレストを容易に背凭れに取り付けることができる。また、ヘッドレストと遮蔽部材を個別に背凭れに取り付ける場合に比較して、背凭れに取り付けるための部品を削減することができる。
この場合、遮蔽部材の後壁部が上部側連結部を介してヘッドレストの上方側部位に連結されるため、遮蔽部材をヘッドレストにバランス良く支持させることができる。
後壁部が上部側連結部のみでヘッドレストに連結される場合には、ヘッドレストへの荷重の入力時に後壁部がヘッドレストと一体に変位し、後壁部に不要な応力が生じにくくなる。
また、後壁部が上部側連結部と下部側連結部とでヘッドレストに連結される場合には、後壁部を介してヘッドレストの支持剛性をより高めることができる。
この実施形態に係る椅子1は、例えば、図1に示すように、長尺なテーブル70の上を複数人が執務領域として共用する場合や、図2に示すように、個人が小型の専用机71を使用する場合でも、所謂集中ブース等で椅子1の着座部の周囲を外部環境から遮断したいとき等に有効となる。なお、後述する他の実施形態の椅子においても同様の使用形態を採用することができる。
これらの図に示すように、この実施形態に係る椅子1は、床面上に載置される脚部10と、脚部10の上端に設置されるボックス状の支基11と、支基11の上面側に取り付けられて着座者の臀部を支持する座12と、支基11の後部に取り付けられて着座者mの背部を支持する背凭れ13と、座12の下面側の左右の両側部から座12の上方側に延出し、着座者mの肘や腕先が載せ置かれる肘掛け15と、を備えている。さらに、椅子1は、背凭れ13の上部に取り付けられて、着座者mの頭部hを後方から支持するヘッドレスト16と、ヘッドレスト16を介して背凭れ13の上部に取り付けられて、着座者mの頭部hの後方側と左右の側方を覆う遮蔽部材17と、を備えている。
上辺部21A−uは、側辺部21A−s,21A−sに連結される左右の端部に対し、中央領域が後方側に凹状に湾曲している。上辺部21A−uの幅方向の中央領域の後面には、ヘッドレスト16等の付加機能部品を取り付けるための部品取付部23が設けられている。部品取付部23には、詳細な図示は省略するが付加機能部品の取付基部が当接する座面と、その取付基部を締結固定するためのボルト締結部が設けられている。この実施形態では、部品取付部23にはヘッドレスト16が取り付けられている。
ヘッドレスト16は、図8に示すように、クッション材25aの外側が表皮材25bによって被覆されたヘッドレスト本体部25と、上部側がヘッドレスト本体部25内に埋設される金属等の硬質材料から成るヘッドレストフレーム26と、を備え、ヘッドレストフレーム26の下縁部が、背凭れフレーム21の部品取付部23に締結固定される取付基部26aとされている。また、ヘッドレストフレーム26の取付基部26aの上端部位置には、図5,図10に示すように、左右の側方に張り出してヘッドレスト本体部25の下面を支持する側方張り出し部26b,26bが一体に形成されている。側方張り出し部26bには、図10に示すように、遮蔽部材17を取り付けるために締結孔27(ねじ孔)が形成されている。
そして、こうしてヘッドレスト16に固定された遮蔽部材17は、ヘッドレスト16の取付基部26aが背凭れフレーム21の上部の部品取付部23に締結されることにより、背凭れ13に一体に固定される。
通常、着座者mが正規姿勢で椅子1に着座すると、着座者mの頭部hは脚部10の接地部の中心位置よりも後方側に位置される。このため、この実施形態に係る椅子1に着座者mが正規姿勢で着座すると、着座者mの頭部hは、その左右の側方を遮蔽部材17の側壁部17B,17Bによって覆われる。したがって、この実施形態に係る遮蔽部材17を用いた椅子1においては、椅子1の移動位置等に拘わらず、着座者mの頭部hの側方の不要な外部視界を側壁部17B,17Bによって安定的に遮蔽することができる。
この第2の実施形態の場合、着座者mや着座者以外の人が側壁部17Bに接触したときに、図12に示すように、側壁部17Bのほぼ全域を柔軟に撓み変形させることができる。
図13は、遮蔽部材117とヘッドレスト116の骨格部を分解して左前部下方側から見た図であり、図14は、遮蔽部材117とヘッドレスト116の縦断面図である。また、図15は、遮蔽部材117とヘッドレスト116を椅子の上方側から見た図である。
ヘッドレスト116は、ヘッドレスト本体部125が、硬質樹脂から成り強度部材として機能する荷重支持板125cと、荷重支持板125cの前面側に配置されるクッション材125a(図14参照)と、クッション材125aと荷重支持板125cの外側を覆う表皮材125b(図14参照)と、を備えている。荷重支持板125cの前面は、上下方向の略中央部が前方に最大に膨出するように湾曲して形成されている。荷重支持板125cの後面には、補強用の複数のリブ35と4本の結合用ボス部37が一体に形成されている。結合用ボス部37は、荷重支持板125cの後面の上下左右の中心位置を取り囲む離間した4か所に突設されている。この実施形態の場合、リブ35と結合用ボス部37は、いずれも後部上方側に向かって傾斜している。各結合用ボス部37には軸方向に沿うようにねじ孔37aが形成されている。
また、連結金具51は、図14に示すように、ボルト52によって荷重支持板125cの後面に取り付けられた状態において、その外側面側を表皮材125bによって覆われる。ただし、連結金具51の遮蔽部材117側に締結される締結面の一部(ナット53の溶接される部位の後面側部分)は、表皮材125bから外側に露出している。
なお、この実施形態においては、各ボルト49とカラー54が、遮蔽部材117をヘッドレスト116に連結する上部側連結部を構成している。
また、この第3の実施形態に係る遮蔽部材117においては、ヘッドレスト116が、下部側の取付基部126aにおいて背凭れ20の上部に取り付けられ、後壁部117Aの上下方向の略中央領域が、上部側連結部であるボルト49とカラー54を介してヘッドレスト116の後面に連結固定されている。このため、後壁部117の支持バランスが良好になる。したがって、この構造を採用することにより、遮蔽部材117の過大な振れを抑制することができる。
この第4の実施形態に係る遮蔽部材217は、基本的な構成は第3の実施形態とほぼ同様であるが、フレーム体48の後壁部217Aの骨格を成す部分の左右の下縁部に、下部側連結部を成す固定片229が延設されている点が異なっている。
この第4の実施形態の場合、さらに、後部壁117Aの左右の下部領域も固定片229を介してヘッドレスト116の下部に結合されているため、遮蔽部材217をヘッドレスト116により安定的に支持させることができる。
さらに、上記の実施形態においては、遮蔽部材17がヘッドレスト16に固定されてヘッドレスト16とともに椅子1の背凭れ13に取り付けられているが、ヘッドレスト16を背凭れ13に取り付けずに、遮蔽部材17を単独で背凭れ13に取り付けるようにしても良い。また、上記の実施形態においては、遮蔽部材17が背凭れ13と別体部品として製造され、背凭れ13に追加機能部品として脱着可能に取り付けられているが、遮蔽部材は背凭れに一体に形成するようにしても良い。
10 脚部
12 座
13 背凭れ
16,116 ヘッドレスト
17,117,217 遮蔽部材
17A,117A 後壁部
17B,117B 側壁部(遮蔽用側壁部)
20c 膨出部
29 固定片(下部側連結部,連結部)
30 芯材板
40 窪み部
49 ボルト(上部側連結部,連結部)
54 カラー(上部側連結部,連結部)
Claims (12)
- 床面上に載置される脚部と、該脚部に支持される座と、該座の後方側で前記脚部に支持される背凭れと、を備えた椅子の前記背凭れの上部に設置される遮蔽部材であって、
前記背凭れに設置された状態において、前記背凭れの上部の左右両側から、前記脚部の接地部の中心位置よりも前方側まで延出する一対の遮蔽用側壁部と、該一対の遮蔽用側壁部同士を連結する後壁部と、を有し、
前記背凭れの上部後面に対して前記後壁部で固定されることを特徴とする遮蔽部材。 - 前記背凭れは、着座者の腰部位置に向かって前方に膨出するとともに、その最前突出位置が前記脚部の接地部の中心位置よりも後方に位置する膨出部を有することを特徴とする請求項1に記載の遮蔽部材。
- 前記背凭れは、前記膨出部よりも上方側が後傾するように側面視で前方に凸に湾曲、若しくは、屈曲して形成されていることを特徴とする請求項2に記載の遮蔽部材。
- 前記遮蔽用側壁部は、前記背凭れに設置された状態において、前記背凭れの幅方向の両端部の近傍から前方に延出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の遮蔽部材。
- 前記遮蔽用側壁部は、前記背凭れに設置された状態において、下端部が前記背凭れの上端部と略同一の高さに位置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の遮蔽部材。
- 前記遮蔽用側壁部の下縁には、前記背凭れに設置された状態において、前記背凭れの上端部よりも前方側位置で上方側に凹状に窪む窪み部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の遮蔽部材。
- 前記後壁部は、前記背凭れに設置された状態で前後となる方向が略中央領域の板厚方向となる芯材板を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の遮蔽部材。
- 前記芯材板は、背凭れ側との連結部を有するとともに、左右方向の端部が前記遮蔽用側壁部の軟質基材の一部にのみ埋設されていることを特徴とする請求項7に記載の遮蔽部材。
- 前記背凭れの上部にはヘッドレストが取り付けられ、
前記後壁部は、前記ヘッドレストの後方位置に設置されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の遮蔽部材。 - 前記ヘッドレストは、下部において前記背凭れに取り付けられ、
前記後壁部には前方に延出する下部側連結部が設けられ、
前記後壁部は、前記下部側連結部によって前記ヘッドレストの前記下部に結合されていることを特徴とする請求項9に記載の遮蔽部材。 - 前記ヘッドレストは、下部において前記背凭れに取り付けられ、
前記後壁部には前方に延出する上部側連結部が設けられ、
前記後壁部は、前記上部側連結部によって前記ヘッドレストの前記下部よりも上方側部位に連結されていることを特徴とする請求項9または10に記載の遮蔽部材。 - 床面上に載置される脚部と、該脚部に支持される座と、該座の後方側で前記脚部に支持される背凭れと、を備えた椅子において、
請求項1〜11のいずれか1項に記載の遮蔽部材が前記背凭れに設置されていることを特徴とする椅子。
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