JP6402635B2 - シンチレータ、シンチレータパネルおよびシンチレータパネルの製造方法 - Google Patents

シンチレータ、シンチレータパネルおよびシンチレータパネルの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、総合的に特性のバランスのよいシンチレータ、シンチレータパネルおよびシンチレータパネルの製造方法に関する。
従来、X線画像のような放射線画像は医療現場において病状の診断に広く用いられている。前記放射線画像の撮影は、ヒト等の被験体に所定量の線量の放射線を照射し、被験体を通過した放射線を放射線画像変換装置により可視画像に変換して行われる。
前記放射線画像変換装置は、放射線画像を可視画像に変換するシンチレータを備えており、前記シンチレータは、ヨウ化セシウム等を含有する蛍光体の層を備えている。被験体を通過した放射線がシンチレータの蛍光体層に達すると蛍光に変換され、この蛍光をCMOS等の受光素子で受光することにより前記可視画像が形成される。
特許文献1および非特許文献1〜3には、ヨウ化セシウムと臭化セシウムの混晶を母材としたシンチレータが開示されている。特許文献1および非特許文献1〜3に開示される技術は、従来のヨウ化セシウムのみを母材としたシンチレータと比較して、残光の改善および/または耐除湿性良化を備えたシンチレータを提供する技術である。
一方、ヨウ化セシウムを用いたシンチレータ特有の現象として、残像の一種であるブライトバーンがあり、特に、強い放射線の照射を受けたときに発生することが知られている。ブライトバーンとは、例えば、撮影した後に再度撮影を行う場合において、線量の多い撮影の際に、トラップが不均一に多数形成され、その後の撮影において、トラップに基づく情報も一気に放射線画像情報として加算されて出力されるため、不均一な場所での不均一な感度上昇が発生し、コントラストの低下等を招き、画質を劣化させる現象を指し(特許文献2参照)、残光とは異なる現象であって、残光と共に画質維持のために回避することが望ましい現象である。しかし、特許文献1および非特許文献1〜3には、ブライトバーンの抑制に関しては何ら言及されていない。
また、蛍光体層の発光量をさらに向上させるために、一般的なシンチレータでは賦活剤を配合することが知られているが、特許文献1および非特許文献1〜3には、賦活剤に関しても何ら記載されていない。
このようにシンチレータは、従来のX線画像をフィルムに形成する手段に代わって、近時急速に進歩を遂げているが、耐湿性、残光低減性、ブライトバーンの抑制ならびに輝度および画質の向上といった総合的な特性においてさらに改良を重ねる必要がある。
特開2000−249768号公報 国際公開第2013/002327号
K.V.Shakhova et al., Red Meas. 2001, 33(5), 769-771 A.V. Gektin et al., Int. J. Rad. Appl. and Instr. D. Nucl. Tracks and Rad. Meas. 1993, 21, 11-13 A.V. Gektin et al., Nucl. Inst. and Methods in Phys. Res. A. 1990, 294, 591-594
本発明は、耐湿性、残光低減性、ブライトバーンの抑制、輝度、画質等が総合してバランス良く優れたシンチレータ、前記シンチレータを含むシンチレータパネルおよびこうしたシンチレータパネルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明のシンチレータは、ヨウ化セシウムを母材とする結晶体であり、前記結晶体はセシウムよりも原子量の小さいアルカリ金属源(A)を含有すると共に、前記母材を形成するヨウ素の一部が、臭素、塩素およびフッ素よりなる群から選ばれる少なくとも1種のハロゲン元素(B)で置換されてなることを特徴としている。
本発明のシンチレータパネルは、前記シンチレータを含むことを特徴としている。
また、本発明のシンチレータパネルは、基板上にヨウ化セシウムを、タリウム源、ナトリウム源および特定のハロゲン元素(B)源と共に蒸着させて柱状結晶を形成し、
前記柱状結晶内における臭素の濃度が、0.01mol%〜90mol%の範囲内になるように析出させることにより製造することができる。
本発明によれば、耐湿性、残光低減性、ブライトバーンの抑制、輝度、画質等の特性が総合してバランスのよいシンチレータを得ることができる。また、このようなシンチレータを用いることにより、耐湿性、残光低減性、ブライトバーンの抑制、輝度、画質等の特性が総合してバランスのよいシンチレータパネルを得ることができる。さらに上記のように総合的にバランスのよいシンチレータパネルを容易に製造することができる。
図1は、MTF値のヨウ素から臭素への置換比率依存性(0〜100mol%)を示した図である。 図2は、MTF値のヨウ素から臭素への置換比率依存性(0〜0.1mol%)を示した図である。 図3は、シンチレータの蒸着装置の例を示す概念図である。 図4は、ヨウ化セシウムの母材のヨウ素を50mol%の割合で臭素へ置換した場合(実施例9)の柱状結晶断面の走査電子顕微鏡写真である。 図5は、ヨウ化セシウムを母材とし、ハロゲン元素(B)への置換を行わなかった場合(比較例1)の柱状結晶断面の走査電子顕微鏡写真である。
次に本発明のシンチレータについて図面を参照しながら説明する。
[シンチレータ]
本発明のシンチレータは、ヨウ化セシウム(CsI)を母材とし、セシウムよりも原子量の小さいアルカリ金属源(A)を含有する結晶体からなる。
シンチレータは、鮮鋭性の高い発光画像が得られるとの観点から、複数の柱状構造を有する結晶(柱状結晶)からなることが望ましい。柱状結晶である場合、柱径を細径化することにより、画質および鮮鋭性向上を実現することができる。各柱状結晶の平均柱径は2.0〜20.0μmの範囲内にあることが好ましく、3.0〜15.0μmの範囲内にあることがより好ましい。
また、シンチレータの平均膜厚は、100〜1,000μmの範囲内にあることが好ましく、120〜800μmの範囲内にあることがより好ましく、140〜600μmの範囲内にあることが特に好ましい。
〈シンチレータを形成する母材〉
本発明のシンチレータを形成する成分の母材はCsIである。CsIは、X線から可視光への変換率が比較的高く、また、蒸着によって容易にシンチレータを構成する複数の柱状結晶構造を容易に形成できるため、光ガイド効果により結晶内での発光の散乱が抑えられ、さらにシンチレータ(蛍光体)の厚さを厚くすることが可能である。
〈アルカリ金属源(A)〉
また本発明のシンチレータには、セシウムよりも原子量の小さいアルカリ金属源(A)が所定量含有されている。アルカリ金属源(A)は、具体的には、リチウム〔Li〕、ナトリウム〔Na〕、カリウム〔K〕およびルビジウム〔Rb〕から選ばれる少なくとも一種である。このうち、アルカリ金属源(A)は、その原子のヨウ化物自身がシンチレータになり得るナトリウム原子であることが特に好ましい。アルカリ金属源(A)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
アルカリ金属源(A)は、陰イオン空孔との会合体形成に寄与し、陰イオン空孔の持つ正の電荷を無効化できる。ブライトバーンは、発光に寄与するキャリアが陰イオン空孔の正の電荷に引き付けられることで生ずると考えられる。よって、アルカリ金属源(A)による正の電荷の無効化によって、ブライトバーンの抑制が実現される。以下に、この現象を詳細に述べる。
陰イオン空孔とは、シンチレータを構成する結晶から陰イオン(ヨウ化物の場合はヨウ素など)が抜き取られて形成された格子欠陥を意味し、陰イオン空孔は、負の電荷を有する陰イオンが抜けたことによって、正の電荷を有する。一般には、放射線の照射等によって与えられたエネルギーによる原子移動の結果生じる格子欠陥、前記結晶の形成の際に原子の余剰または不足により生じる格子欠陥、前記結晶を形成する際に結晶材料である母材に含まれる不純物により形成された格子欠陥、前記結晶に与える応力により生じる格子欠陥等が挙げられる。
通常、シンチレータに放射線が照射されると、結晶内に電子(負に帯電)と正孔(正に帯電)という、2種類のキャリアが発生し、これらが再結合することによって可視光を発光(ないしは発光に相当するエネルギーを他の元素等にエネルギー移動)して消滅する。しかし、発生した電子が正孔と再結合する前に、正の電荷を有する格子欠陥(陰イオン空孔)に捕獲されると、捕獲された電子と陰イオン空孔との電気的な引力により、長期間に亘って前記陰イオンの空孔の内部に残存する。
この残存電子は、再度照射された放射線のエネルギーを用いて陰イオン空孔から解放されるため、その時の発光は、再度照射時に発生したキャリアによる発光に加算されることになる。これは、一旦撮影した後に再度撮影を行う場合、再度の撮影における画像に、最初の撮影における画像の一部が偽像として発現することを意味しており、画質上好ましくない影響を与える。この現象がブライトバーンである。なお、残光現象は、欠陥等に捕捉された電子が、室温程度の熱エネルギー等によって時間経過とともに解放されて発光することで生じる現象と考えられ、室温程度の熱エネルギー等では電気的な引力をほとんどキャンセルできず、電子の解放が困難なブライトバーン現象とは異なると考えられる。
上記の現象を踏まえると、ブライトバーンを抑制するためには、陰イオン空孔の持つ正電荷を無効化することが好ましい。発明者は鋭意検討の結果、+1価の電荷を有するアルカリ金属源(A)を結晶内に導入し、結晶内に存在する不純物炭酸イオン(CO3 2-)と陰イオン空孔(+1価)を含めた三者間で無荷電の会合体を形成させることにより、見かけ上陰イオン空孔が電荷を持たない(電荷が無効化された)状態を作り出し、ブライトバーンが抑制出来ることを見出した(特願2014−222976号参照)。
本発明においては、シンチレータに含まれるアルカリ金属源(A)は、ヨウ化セシウムおよびハロゲン元素(B)から成るハロゲン化セシウムの合計1モルに対して0.01モル%(0.0001倍)以上20モル%(0.2倍)以下の範囲内で含まれることが好ましい。また、結晶に含まれる賦活剤(C)の原子の濃度に対して、0.05倍以上の濃度とすることが好ましく、1倍以上の濃度とすることがより好ましい。
なお、上記公報では、アルカリ金属源(A)の濃度が賦活剤(C)の濃度よりも大きいことを条件としているが、これは、アルカリ金属源(A)が賦活剤(C)との会合体形成に消費されてしまう現象を考慮したものであり、発光量向上が不要である等の理由から賦活剤(C)が無い(または少ない)場合、アルカリ金属源の濃度に関する条件は無くなると考えて良い。
〈ハロゲン元素(B)〉
本発明のシンチレータは、前記母材であるヨウ化セシウム(CsI)を構成するのヨウ素の一部が、ハロゲン元素(B)に置換されている。ここでハロゲン元素(B)は、臭素、塩素およびフッ素よりなる群から選ばれる少なくとも1種のハロゲン元素である。ハロゲン元素(B)は、1種単独でもよく、2種以上でも良い。これらのハロゲン元素(B)で母材を構成するヨウ素の一部を置換することにより、耐湿性に優れると共に良好な画質を形成することが可能なシンチレータを得ることができる。
本発明において前掲のハロゲン元素(B)としては、臭素であることが特に望ましいが、塩素またはフッ素においても、同様にシンチレータの耐湿性の付与と画質向上が可能である。この理由については、以下の様に説明できる。
まず耐湿性の付与について述べる。一般的にハロゲン化物には、空気中の水(水蒸気)を取り込んで自発的に水溶液化する「潮解」という現象を引き起こす性質があり、これがシンチレータの耐湿性低下の原因である。この潮解は、ハロゲン化物の結晶の表面に微小体積の飽和水溶液が形成され、その飽和蒸気圧が大気中の水蒸気圧より小さいときに起こるとされており、潮解性の強さも、飽和蒸気圧と大気中の水蒸気圧との差が大きいほど強くなると考えられる。発明者らの鋭意検討の結果、一般的な環境(20℃、湿度50%)における大気中の水蒸気圧と、セシウムのハロゲン化物(CsI、CsBr、CsCl、CsF)の飽和蒸気圧は、大気中の水蒸気圧、CsIの飽和蒸気圧、CsBrの飽和蒸気圧、CsClの飽和蒸気圧、CsFの飽和蒸気圧の順に大きいことが既に判明している。
したがってCsIの飽和蒸気圧と大気中の水蒸気圧との差よりも、CsBrの飽和蒸気圧と大気中の水蒸気圧との差の方が大きいため、CsIのヨウ素を臭素に一部置換することは、潮解性の強い成分を導入することを意味する。すると、潮解性の強い成分の箇所が選択的に水分を吸収するため、置換されていない箇所が水分に暴露されにくくなる、または、潮解性の強い成分の箇所が、吸収された水分を伴って結晶表面に析出するため、置換されていない箇所の水分量が減少し、耐湿性が向上すると考えられる。
文献(Yang, Pin, et al.“Effect of Humidity on Scintillation performance in Na and Tl Activated CsI Crystals.”(2014):1-1)には、賦活剤にNaを用いて潮解性の強い成分を導入したCsIシンチレータ母材において、母材結晶内に含まれる水分が局所的に凝集し再結晶化することで、結晶表面に微小な結晶が形成されることが示されている。本発明では、これと同様の微小な結晶が臭素、塩素およびフッ素のヨウ化物によって形成され、それ以外の箇所が水分に暴露されにくくなっている、または含まれる水分量が減少している可能性が考えられる。
上記の考え方に従えば、ハロゲン元素(B)が塩素またはフッ素(臭素よりも潮解性の強いヨウ化物を形成する元素)である場合、ハロゲン元素(B)が臭素の場合よりも更に強い耐湿性が付与できると推測される。
次に画質向上について述べる。CsI、CsBrおよびCsClの表面エネルギーは、CsI(123mJ/m2程度)、CsBr(140mJ/m2程度)、CsCl(152mJ/m2程度)の順に大きくなるという関係があることが知られている(sato, Yuzuru. “Physical Properties of High Temperature Molten Salts.”Meeting Abstracts. No.37. The Electrochemical Society, 2010.参照)。よって、母材のヨウ化セシウムの一部をヨウ素から臭素、塩素および/またはフッ素(ハロゲン元素(B))に置き換えた場合の、母材の表面エネルギーは上昇する傾向にあると考えられる。
一方、蒸着基板表面のヌレ性状を高くする処理を行うことで、被蒸着物質の表面での広がりが変化し、形成される柱状結晶が太くなる等の変化が生じ、鮮鋭度(画質)が低下するという問題が提示されている(特開2004−271344号公報参照)。当該文献では、この問題を、蒸着基板表面の表面エネルギーを一定範囲内に収めることで、鮮鋭度(画質)を劣化させないようにしている。ここでの「ヌレ性状を高くする」とは、蒸着基板表面の表面エネルギーを下げる処理を指している。
これらの記載内容を踏まえると、蒸着基板表面でのヌレ性状を高くする場合は、蒸着基板表面の表面エネルギーを下げるだけではなく、被蒸着物質の表面エネルギーを下げることでも実現可能であると考えることができる。逆に、画質を向上させるためにヌレ性状を低くしようとする場合は、被蒸着物質の表面エネルギーを上げれば良いことになる。本発明において、母材のヨウ化セシウムの一部をハロゲン元素(B)に置き換えて、被蒸着物質である母材の表面エネルギーを上げることは、柱状結晶径の変化を通じて画質向上に寄与すると考えられる。
なお、母材のヨウ化セシウムの一部をヨウ素から臭素に置き換えた場合、柱状結晶径が細くなる。柱状結晶径が細くなると、前述のように、画質および鮮鋭性は向上する。
本発明に係るシンチレータは、母材のヨウ化セシウムのヨウ素がハロゲン元素(B)に、好ましくは0.01mol%〜90mol%、より好ましくは0.01mol%〜60mol%、特に好ましくは0.01mol%〜50mol%の範囲内の割合で置換されている。母材のヨウ素からハロゲン元素(B)への置換の割合が、上記範囲内であると、輝度、鮮鋭性および耐湿性がバランスよく優れるという観点から望ましい。この理由については、以下の様に説明できる。
即ち、アルカリ金属源(A)としてナトリウムを、ハロゲン元素(B)として臭素を、賦活剤(C)としてタリウムを使用し(「CsBrI:Na,Tl」と表記する)シンチレータを製造し評価すると、ヨウ素の臭素への置換比率は、50mol%の時に最も高いMTF値(MTFとは、Modulation Transfer Functionの略号であり、MTF値が高いほど得られたX線画像の鮮鋭性が優れていることを示す)が得られる(図1参照)。
本発明はブライトバーン抑制や画質等の特性を両立させる目的であり、そのためにはMTFで表現される鮮鋭性も、ヨウ化セシウム母材と同等レベルを維持することが望ましい。発明者は鋭意検討の結果、臭素への置換比率が、0.01mol%以上のとき、アルカリ金属源(A)としてNa、ハロゲン元素(B)としてBr、賦活剤(C)としてTlを、それぞれ含んだ「CsBrI:Na,Tl」のMTF値が、賦活剤(C)のみを含む「CsI:Tl」と同程度またはそれ以上となることを見出した(図2参照)。よって、本発明のシンチレータは、鮮鋭性の観点から、臭素への置換比率は0.01mol%以上であることが望ましい。
一方、輝度は、本発明のシンチレータにおいて、母材の臭素への置換比率が大きくなるにつれて下がる傾向にある。例えば、「CsBrI:Na,Tl」のシンチレータでは、臭素への置換比率が0のときの輝度を100%とした場合、臭素への置換比率が50mol%の時の輝度は50%、60mol%の時の輝度は40%、90mol%の時の輝度は20%程度となる。輝度の低下によって、発光におけるノイズの占める割合が相対的に高くなるため、鮮鋭性とは別の意味で画質が悪化すると考えられる。発明者は鋭意検討の結果、実用に耐え得る画像を得るためには、通常輝度が20%必要であり、好ましくは40%、更に好ましくは60%が必要であることを見出した。よって、充分な輝度を有するためには、臭素への置換比率は90mol%以下であることが望ましい。
〈賦活剤(C)〉
結晶体は、発光効率をさらに向上させることを目的として賦活剤(C)を含有してもよい。賦活剤(C)としては、タリウム〔Tl〕、ユウロピウム〔Eu〕、インジウム〔In〕、リチウム〔Li〕、カリウム〔K〕、ルビジウム〔Rb〕、ナトリウム〔Na〕などを例示することができる。400〜750nmまでの広い発光波長を有する蛍光体が得られ、受光素子が蛍光体の発光を最も検出しやすいという観点から、母材がヨウ化セシウム〔CsI〕である場合、賦活剤(C)はタリウムであることが好ましい。
本発明においては、シンチレータに含まれる賦活剤(C)の濃度は、シンチレータの目的・性能等に応じて調節することが望ましく、ヨウ化セシウムおよびハロゲン元素(B)から成るハロゲン化セシウムの合計1モルに対して0.01〜20.0モル%であることが好ましく、0.01〜0.5モル%であることが特に好ましい。
ここで、上記賦活剤(C)の濃度がヨウ化セシウムおよびハロゲン元素(B)から成るハロゲン化セシウムの合計1モルに対して0.01モル%未満であると、該シンチレータの発光輝度は、賦活剤(C)を含まないシンチレータの発光輝度と大差がない程度に留まる。シンチレータの発光を受光する素子の性能によっては、賦活剤(C)を含まない場合の発光輝度でも対応可能であるが、通常は0.01モル%未満にならないようにすることが好ましい。また、上記賦活剤(C)のモル濃度がヨウ化セシウムおよびハロゲン元素(B)から成るハロゲン化セシウムの合計1モルに対して20モル%を超えると柱状結晶構造の形成が困難になり、画質の大幅な劣化が発生し、母材の性質、機能を保持しにくくなる。
なお、シンチレータを賦活する方法としては、一種以上の賦活剤(C)を含む化合物をシンチレータ内に含有させる方法などがある。一種以上の賦活剤(C)を含む化合物としては、種々の賦活剤(C)のハロゲン化物などが考えられ、特に真空蒸着法を用いてシンチレータを作成する場合、ハロゲン化物であればその融点の低さから、賦活剤(C)をシンチレータ内に含有させやすく好適である。具体的には、タリウムのハロゲン化物としては、ヨウ化タリウム〔TlI〕、臭化タリウム〔TlBr〕、塩化タリウム〔TlCl〕、フッ化タリウム〔TlF〕または〔TlF3〕などが挙げられる。特に、シンチレータを構成する母材のハロゲン元素と、賦活剤ハロゲン化物のハロゲン元素が一致している方が、シンチレータ結晶内のハロゲン元素サイトに歪みが生じにくく、結晶成長に問題が起こりにくいため、最も好ましい。
本発明において、タリウム化合物の融点は、300〜700℃の範囲内にあることが好ましい。タリウム化合物の融点が700℃以下であれば、柱状結晶内で添加剤が均一に存在し、発光効率が向上するからである。なお、本発明において、融点とは、常温常圧下における融点をいう。
(賦活剤(C)の濃度の測定方法)
シンチレータ中の賦活剤(C)の濃度については、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectrometer:ICP−AES)にて測定することができる。この方法は金属元素等をプラズマ中で励起させたときに発生する光を分光し、各元素特有の波長から定性分析、発光強度から定量分析を行う手法であり、結晶中に含まれる微量無機元素の定量、及び定性ができる。例えば、蒸着によって得られたシンチレータについて柱状結晶の厚さ方向に対し、1層目と2層目との間で結晶を分割し、分割された各々について少なくとも賦活剤(C)の濃度を測定する。
賦活剤(C)の定量には蛍光体を基板から剥がした試料に濃塩酸を加えて加熱乾固し、更に王水を加えて加熱溶解した後、超純水で適宜希釈したものを測定する。このICP−AESにより、シンチレータ中の賦活剤(C)(例;Tl)の濃度のみならず、前述のアルカリ金属源(A)の濃度も測定することができ、シンチレータ中に存在する賦活剤(C)とアルカリ金属源(A)とのモル比を算出することができる。
(シンチレータの製造方法)
本発明のシンチレータ、例えば公知の蒸着装置を用いて製造することができる。
図3に本発明で使用することが可能な公知の蒸着装置の例を示す。
図3において蒸着装置25は、真空ポンプ29を有する真空容器21内に基板(図示なし)を保持する支持体16を有し、この支持体は回転軸28でモータ(図示なし)に軸着されている。支持体16の下方には蒸着源22a、22b、22c、22dが配置されており、それぞれの蒸着源には加熱手段(図示なし)が配置されている。蒸着源22a、22b、22c、22dには、それぞれヨウ化セシウム、アルカリ金属源(A)、ハロゲン元素(B)を保持し、加熱することにより保持された成分が基板に蒸着可能に形成されている。
蒸着源22a、22b、22c、22dと基板との間にはシャッター30a、30b、30c、30dが設けられており、蒸着源からの蒸着物質の蒸着量を調整可能に形成されている。なお、22dおよび30dは図示されていないが、22aおよび30aと同じ形状の蒸着源およびシャッターが存在している。
本発明のシンチレータは、上記のような蒸着装置を用いて、例えばシャッターの開閉により蒸着源の蒸着量を本発明で規定するように調整して形成する。
[シンチレータパネル]
本発明のシンチレータパネルは、放射線が照射されることにより発光する蛍光体層(シンチレータ)と、蛍光体層を保持する基板と、蛍光体層および基板を覆う保護フィルムとを備えている。蛍光体層に関しては、前述の通りである。
〈基板〉
本発明のシンチレータパネルの作製に際しては、種々多様な基板を使用することができる。即ち、X線等の放射線を透過させることが可能な各種のガラス、高分子材料、金属等を用いることができるが、例えば、石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強化ガラスなどの板ガラス、サファイア、チッ化珪素、炭化珪素などのセラミック基板、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム燐、ガリウム窒素など半導体基板、またセルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム、炭素繊維強化樹脂シート等の高分子フィルム(プラスチックフィルム)、アルミニウムシート、鉄シート、銅シート等の金属シート、あるいは該金属酸化物の被覆層を有する金属シートなどを用いることができる。基板の厚みは50μm〜1mmであることが好ましく、50〜500μmであることがより好ましい。
〈保護フィルム〉
保護フィルムは蛍光体層を防湿し、蛍光体層の劣化を抑制するためのもので、透湿度の低いフィルムから構成される。例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を用いることができる。PETの他には、ポリエステルフィルム、ポリメタクリレートフィルム、ニトロセルロースフィルム、セルロースアセテートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等を用いることができる。また、必要とされる防湿性にあわせて、これらフィルムに金属酸化物などを蒸着した蒸着フィルムを複数枚積層した構成とすることもできる。
また、基板と蛍光体層の互いに対向する面には、互いを熱融着して封止するための熱融着性の樹脂が用いられることが好ましい。熱融着層としては、一般に使用されるインパルスシーラーで融着可能な樹脂フィルムを使用できる。例えば、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)やポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム等が挙げられるが、これらに限られたものではない。
基板上に蛍光体層を設け、これらを上下の保護フィルムで挟み、減圧雰囲気中で上下の保護フィルムが接触する端部を融着することにより封止することができる。
本発明において、保護フィルムの厚さは10〜100μmであることが好ましい。
本発明においては、保護フィルムは防湿性が付与されているが、具体的には前記保護層の透湿度(水蒸気透過率ともいう)が50g/m2・day以下であることが好ましく、更に好ましくは10g/m2・day以下であり、特に好ましくは1g/m2・day以下である。ここで、保護層の透湿度はJIS Z 0208により規定された方法を参照して測定することができる。
具体的には、本発明における透湿度は以下の方法で測定することができる。40℃において、前記保護フィルムを境界面とし、一方の側を90%RH(相対湿度)、他方の側を吸湿剤を用いて乾燥状態に保つ。この状態で24時間にこの保護フィルムを通過する水蒸気の質量(g)(保護フィルムを1m2に換算する)を、本発明における保護フィルムの透湿度と定義する。
保護フィルムの透湿度を上記の範囲に調整し、防湿性を向上させる観点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム上に酸化アルミナ薄膜を蒸着した蒸着フィルムが好ましく用いられる。
本発明のシンチレータパネルは、上記構成に加えて、基板と蛍光体層の間に反射層、保護層を設けてもよい。
〈反射層〉
反射層は、蛍光体で変換された光を外部へ出射するため反射層として機能させることが可能であり、発光の利用効率の面で反射層は反射率の高い金属で形成することが好ましい。反射率の高い金属膜層としては、Al、Ag、Cr、Cu、Ni、Mg、Pt、Auからなる群の中の物質を含む材料が挙げられる。本発明に係る反射層の形成方法は既知のいかなる方法でも構わないが、例えば、上記原材料を使用したスパッタ処理が挙げられる。反射層の厚さは0.01〜0.3μmであることが、発光光取り出し効率の観点から好ましい。
本発明に係る導電性金属としては、電気伝導率で6.0S/m(ジーメンス毎メートル)以上のものであることが好ましく、より好ましくは30S/m以上である。具体的にはAl(40S/m)、Ag(67S/m)、Au(46S/m)が反射率や電気伝導率の点で好ましい。
〈保護層〉
保護層は溶剤に溶解した樹脂を塗布、乾燥して形成することが好ましい。ガラス転位点が30〜100℃のポリマーであることが蒸着結晶と基板との膜付の点で好ましく、具体的には、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル樹脂、セルロース誘導体(ニトロセルロース等)、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられるが、特にポリエステル樹脂であることが好ましい。
保護層の膜厚としては接着性の点で0.1μm以上が好ましく、保護層表面の平滑性確保の点で3.0μm以下が好ましい。より好ましくは透明絶縁膜の厚さが0.2〜2.5μmの範囲である。
保護層作製に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなどの低級アルコール、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの塩素原子含有炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、キシレンなどの芳香族化合物、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエステル、エチレングリコールモノメチルエステルなどのエーテル及びそれらの混合物を挙げることができる。
(シンチレータパネルの形成)
基板上に蛍光体層を設け、その上下を保護フィルムで挟み、減圧雰囲気中で上下の保護フィルムが接触する端部を融着することにより封止し、シンチレータパネルの形成することができる。
次に本発明の実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが本発明はこれらによって限定されるものではない。
〔実施例1〜16および比較例1〜3〕
図3の蒸着装置を参照して説明する。ヨウ化セシウム〔CsI〕、臭化セシウム〔CsBr〕、ヨウ化タリウム〔TlI〕およびヨウ化ナトリウム〔NaI〕を4つの抵抗加熱るつぼ22a〜22dにそれぞれ充填し、これを蒸発源とし、支持体ホルダーの金属製の枠(図示せず)に下引層17を有する支持体を設置し、下引層17と上記蒸発源22a〜22dとの間隔を400mmとなるよう調整した。なお、22dは図示されていないが、22aと同じ形状のるつぼが存在している。
続いて、蒸着装置25内のガスを一旦排気し、Arガスを導入して0.05Paに真空度を調整した後、6rpmの速度で、支持体ホルダー27と上記のように形成した下引層17等とを一体に回転させた。このとき、支持体ホルダー26の加熱ヒーター(図示せず)により、下引層17等の温度を30℃とした。
次に、蒸着源22a〜22dの抵抗加熱坩堝を加熱して蛍光体の蒸着を開始した。下引層16等の温度を30℃として厚さ10μmの下地層を形成した。その後、下引層16等の加熱を開始し、その温度を200℃に加熱したところで蛍光体層の形成を開始した。
なお、蒸着源22a〜22dに、それぞれヨウ化タリウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化ナトリウムを格納した後、各化合物の蒸着源22a〜22dの加熱温度、格納量、加熱時間を適宜制御することで、下記表1に記載の組成となるようにシンチレータを製造した。そして、シンチレータ3の蛍光体層の厚さが400μmとなったところ(蛍光体柱状結晶の高さが400μmとなったところ)で蒸着を終了し、下引層16等およびシンチレータ3を有するシンチレータプレートが得られた。
実施例9で得られた柱状結晶の断面の走査電子顕微鏡写真を図4に、比較例1で得られた柱状結晶の断面の走査電子顕微鏡写真を図5に示す。母材のセシウムの一部をヨウ素から臭素に置き換えた実施例9の柱状結晶径の方が、比較例1の柱状結晶径よりも細いことが分かる。
(評価)
得られたシンチレータを、CMOSフラットパネル(ラドアイコン社製X線CMOSカメラシステムShad−o−Box4KEV)にセットし、12bitの出力データより輝度及び鮮鋭性等を、以下に示す方法で測定した。
〈輝度〉
管電圧80kVpのX線を試料の裏面(蛍光体層が形成されていない面)から照射し、画像データをシンチレータを配置したCMOSフラットパネルで検出し、画像の平均シグナル値を発光輝度とした。測定結果を下記表1に示す。ただし、表1中、輝度を示す値は、比較例1の輝度を1.00としたときの相対値である。
〈MTF〉
鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線を各試料の裏面(蛍光体層が形成されていない面)から照射し、画像データをシンチレータを配置したCMOSフラットパネルで検出しハードディスクに記録した。その後、ハードディスク上の記録をコンピュータで分析して当該ハードディスクに記録されたX線像の変調伝達関数MTF(空間周波数1サイクル/mmにおけるMTF値)を鮮鋭性の指標とした。測定結果を下記表1に示す。ただし、表1中、MTFを示す値は、実施例9のMTFを1.00としたときの相対値である。
〈除湿性〉
実施例1〜16および比較例1、2で得られたシンチレータを温度40℃湿度90%環境下で6日間暴露した後に、前記と同様にしてMTFを得た。暴露前のMTFに対する暴露後のMTFの比率を表1に示す。
〈感度上昇率〉
感度上昇率は、シンチレータに管電圧80kVpのX線を30R照射した際のパネル感度(輝度)の変化率である。X線照射前から変化しない場合は0%とした。ブライトバーンがあれば感度上昇率は高くなり、感度上昇率が0%であることはブライトバーンが消去されたことを意味する。測定結果を下記表1に示す。ただし、表1中、感度上昇率を示す値は、比較例1の感度上昇率を1.00とした相対値である。
(結果・考察)
実施例で製造したシンチレータプレートによれば、ヨウ化セシウムを母材とし、ブライトバーン等を抑制するためにセシウムよりも原子量の小さいアルカリ金属源(A)を含有する結晶体であるシンチレータにおいて、上記母材を形成するヨウ化セシウム中のヨウ素の一部が、臭素、塩素およびフッ素よりなる群から選ばれる少なくとも1種のハロゲン元素(B)に置換されていることにより、ハロゲン元素(B)を含まないシンチレータ(比較例1)よりも耐湿性を向上させることができた(実施例5〜7および9〜11)。
また、ハロゲン元素(B)への置換比率を0.01mol%〜90mol%の範囲内にすることにより、X線画像形成に必要な輝度を維持しながら、ハロゲン元素(B)を含まないシンチレータ(比較例1)と同程度またはそれ以上のMTF値が得られ、X線画像の鮮鋭性を好適に維持することができた(実施例3〜11)。
また、賦活剤(C)を含まないシンチレータにおいても、ハロゲン元素(B)への置換比率を0.01mol%〜90mol%の範囲内にすることにより、MTF値は、ハロゲン元素(B)を含まないシンチレータ(比較例1)と同程度のMTF値が得られ、賦活剤(C)を含まない場合でも、X線画像の鮮鋭性を好適に維持することができた(実施例14〜16)。
よって、本特許に記載の技術によって、耐湿性、残光低減性、ブライトバーンの抑制、輝度および画質等が総合してバランス良く優れたシンチレータ、前記シンチレータを含むシンチレータパネルおよびシンチレータパネルの製造方法を提供することが可能になった。
3 シンチレータ
16 支持体(基材)
17 下引層
18 反射層
21 真空容器
22a,22b,22c 蒸着源
25 蒸着装置
26 支持体ホルダー
27 支持体回転機構
28 支持体回転軸
29 真空ポンプ
30a,30b,30c シャッター

Claims (8)

  1. ヨウ化セシウムを母材とする柱状結晶体であり、前記結晶体はセシウムよりも原子量の小さいアルカリ金属源として、ナトリウム(A)を含有すると共に、
    前記母材を形成するヨウ化セシウム中のヨウ素の一部が、臭素、塩素およびフッ素よりなる群から選ばれる少なくとも1種のハロゲン元素(B)で置換されてなることを特徴とするシンチレータ。
  2. 前記母材であるヨウ化セシウム中に、賦活剤(C)を含有させることを特徴とする請求項1に記載のシンチレータ。
  3. 前記ヨウ化セシウムを形成するヨウ素の内、0.01mol%〜90mol%のヨウ素が、前記ハロゲン元素(B)に置換されていることを特徴とする請求項1に記載のシンチレータ。
  4. 前記ハロゲン元素(B)が、臭素であることを特徴とする請求項1または請求項3に記載のシンチレータ。
  5. 前記賦活剤(C)が、タリウムであることを特徴とする請求項2に記載のシンチレータ。
  6. 柱状結晶の平均柱径は、2.0〜20μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシンチレータ。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のシンチレータを含むことを特徴とするシンチレータパネル。
  8. 基板上にヨウ化セシウムを、臭素源、塩素源およびフッ素源よりなる群から選ばれる少なくとも1種のハロゲン元素(B)源と、タリウム源と、ナトリウム源と共に蒸着させて柱状結晶を形成し、
    前記柱状結晶内におけるハロゲン元素(B)の濃度が、0.01mol%〜90mol%の範囲内の濃度になるように析出させることを特徴とするシンチレータパネルの製造方法。
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