JP2008224357A - シンチレータプレート - Google Patents

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美香 坂井
Takehiko Shoji
武彦 庄子
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Abstract

【課題】本発明の目的は、輝度、鮮鋭性のムラがなくかつ耐湿性に優れたシンチレータプレートを提供することにある。
【解決手段】基板上に、ヨウ化セシウムと賦活剤を含有する蒸着柱状結晶からなるシンチレータ層を有するシンチレータプレートにおいて、該シンチレータ層における該賦活剤の面内濃度分布が±20%以内であり、かつ該蒸着柱状結晶の成長方向濃度分布が±40%以内であることを特徴とするシンチレータプレート。
【選択図】なし

Description

本発明は被写体の放射線画像を形成する際に用いられるシンチレータプレートに関する。
従来から、X線画像のような放射線画像は医療現場において病状の診断に広く用いられている。特に、増感紙−フィルム系による放射線画像は、長い歴史のなかで高感度化と高画質化が図られた結果、高い信頼性と優れたコストパフォーマンスを併せ持った撮像システムとして、いまなお、世界中の医療現場で用いられている。
しかしながらこれら画像情報はいわゆるアナログ画像情報であって、近年発展を続けているデジタル画像情報のような、自由な画像処理や瞬時の電送ができない。
そして、近年ではコンピューテッドラジオグラフィ(CR)やフラットパネル型の放射線ディテクタ(FPD)等に代表されるデジタル方式の放射線画像検出装置が登場している。これらは、デジタルの放射線画像が直接得られ、陰極管や液晶パネル等の画像表示装置に画像を直接表示することが可能なので、必ずしも写真フィルム上への画像形成が必要なものではない。その結果、これらのデジタル方式のX線画像検出装置は、銀塩写真方式による画像形成の必要性を低減させ、病院や診療所での診断作業の利便性を大幅に向上させている。
X線画像のデジタル技術の一つとしてコンピューテッド・ラジオグラフィ(CR)が現在医療現場で受け入れられている。しかしながら鮮鋭性が十分でなく空間分解能も不充分であり、スクリーン・フィルムシステムの画質レベルには到達していない。そして、さらに新たなデジタルX線画像技術として、例えば雑誌Physics Today,1997年11月号24頁のジョン・ローランズ論文“Amorphous Semiconductor Usher in Digital X−ray Imaging”や、雑誌SPIEの1997年32巻2頁のエル・イー・アントヌクの論文”Development of a High Resolution,Active Matrix,Flat−Panel Imager with Enhanced Fill Factor”等に記載された、薄膜トランジスタ(TFT)を用いた平板X線検出装置(FPD)が開発されている。
平板X線検出装置(FPD)はCRより装置が小型化し、高線量での画質が優れているという特徴がある。しかし、一方ではTFTや回路自体のもつ電気ノイズのため、低線量の撮影においてSN比が低下し十分な画質レベルには至っていない。
放射線を可視光に変換する為に放射線により発光する特性を有するX線蛍光体で作られたシンチレータプレートが使用されるが、低線量の撮影においてSN比を向上するためには、発光効率の高いシンチレータプレートを使用することが必要になってくる。一般にシンチレータプレートの発光効率は、蛍光体層の厚さ、蛍光体のX線吸収係数によって決まるが、蛍光体層の厚さは厚くすればするほど、蛍光体層内での発光光の散乱が発生し、鮮鋭性は低下する。そのため、画質に必要な鮮鋭性を決めると、膜厚が決定する。
その中でも、ヨウ化セシウム(CsI)はX線から可視光に対する変更率が比較的高く、蒸着によって容易に蛍光体を柱状結晶構造に形成できるため、光ガイド効果により結晶内での発光光の散乱が抑えられ、蛍光体層の厚さを厚くすることが可能であった(特許文献1参照)。
また、発光効率を向上させるため、タリウム、ナトリウム、ルビジウムなどの賦活剤と呼ばれる元素をヨウ化セシウムに含有させることが知られている。
しかしながら、これらの賦活剤によってシンチレータプレートの発光効率は向上するものの、結晶自体が潮解性を有し、耐湿性が著しく低下し経時で特性が劣化するという欠点がある。このような経時劣化を防止するためにCsIシンチレータの表面に防湿性保護層を形成することが提案されている。このような潮解性のあるシンチレータ蛍光体層の表面(基板に面していない側の表面)には、通常、保護膜が設けられており、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理的な衝撃から保護している。この保護膜としては、ポリパラキシリレンやパリレン製の有期膜あるいは無機化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜したものなどが知られている。
例えば、特開2000−9846号公報ではポリパラキシリレンによる保護層が、特開2000−284053号公報ではパリレン製の有機膜による保護層が提案されている。しかしながらこれらの有機膜保護層は防湿性が弱く、十分に蛍光体を保護できないことと柱状結晶の間隙にもこれら樹脂が進入し、光ガイド効果を阻害するという欠点があった。
これに対し、ポリプロプレンやポリエチレンテレフタレートの如き透明な有機高分子フィルムを保護層として蛍光体層に設置した場合は高い防湿性が得られるものの、フィルムの屈折率が大である。このため、保護フィルム内部に入射した発光光の一部がフィルムの上下の界面で繰り返し反射して離れた場所まで伝搬し、鮮鋭性が低下するという問題があった。これを回避するためにはフィルムの厚みを5μ以下にする必要があり、上記有機高分子フィルムは、実質的に保護層として用いることは困難である。
特開昭63−215987号公報
本発明の目的は、上記問題に鑑みてなされたものであり、輝度、鮮鋭性のムラがなくかつ耐湿性に優れたシンチレータプレートを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
1.基板上に、ヨウ化セシウムと賦活剤を含有する蒸着柱状結晶からなるシンチレータ層を有するシンチレータプレートにおいて、該シンチレータ層における該賦活剤の面内濃度分布が±20%以内であり、かつ該蒸着柱状結晶の成長方向濃度分布が±40%以内であることを特徴とするシンチレータプレート。
2.前記蒸着柱状結晶中の賦活剤の濃度が、ヨウ化セシウムに対して0.001〜50モル%であることを特徴とする1に記載のシンチレータプレート。
3.前記賦活剤が、タリウムであることを特徴とする1または2に記載のシンチレータプレート。
本発明の上記手段により、輝度、鮮鋭性のムラがなく、かつ保存時に特に輝度、鮮鋭性の劣化がなく耐湿性に優れたシンチレータプレートが提供できる。
本発明は、基板上に、ヨウ化セシウムと賦活剤を含有する蒸着結晶からなるシンチレータ層を有するシンチレータプレートにおいて、該シンチレータ層における該賦活剤の面内濃度分布が±20%以内であることと柱状結晶の成長方向濃度分布が±40%以内であることを特徴とする。
特に、ヨウ化セシウム中の賦活剤の含有量の濃度分布を上記特定の範囲とすることで、輝度、鮮鋭性のムラがなく、かつ耐湿性に優れたシンチレータプレートが提供できる。
本発明のシンチレータプレートは、基板上に、シンチレータ層を有する。
本発明に係るシンチレータ層は、X線等の入射された放射線のエネルギーを吸収して、波長が300nmから800nmの電磁波、すなわち、可視光線を中心に紫外光から赤外光にわたる電磁波(光)を発光する蛍光体(シンチレータ)を含有する層であり、ヨウ化セシウムと賦活剤を含有する蒸着結晶からなる。
(基板)
本発明に係る基板は、シンチレータ層を担持可能な板状、フィルム体であり、X線等の放射線を入射線量に対し10%以上を透過させることが可能なものである。
基板としては、各種のガラス、高分子材料、金属等を用いることができる。
基板としては、例えば、石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強化ガラスなどの板ガラス、サファイア、チッ化珪素、炭化珪素などのセラミック基板、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム燐、ガリウム窒素など半導体基板、又、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム、炭素繊維強化樹脂シート等の高分子フィルム(プラスチックフィルム)、アルミニウムシート、鉄シート、銅シート等の金属シート或いは該金属酸化物の被覆層を有する金属シートなどが挙げられる。
基板としては、厚さ50〜500μmの可とう性を有する高分子フィルムであることが好ましい。
ここで、「可とう性を有する基板」とは、120℃での弾性率(E120)が1000〜6000N/mm2である基板をいい、かかる基板としてポリイミド又はポリエチレンナフタレートを含有する高分子フィルムが好ましい。
なお、「弾性率」とは、引張試験機を用い、JIS−C2318に準拠したサンプルの標線が示すひずみと、それに対応する応力が直線的な関係を示す領域において、ひずみ量に対する応力の傾きを求めたものである。これがヤング率と呼ばれる値であり、本発明では、かかるヤング率を弾性率と定義する。
本発明に用いられる基板は、上記のように120℃での弾性率(E120)が1000N/mm2〜6000N/mm2であることが好ましい。より好ましくは1200N/mm2〜5000N/mm2である。
具体的には、ポリエチレンナフタレート(E120=4100N/mm2)、ポリエチレンテレフタレート(E120=1500N/mm2)、ポリブチレンナフタレート(E120=1600N/mm2)、ポリカーボネート(E120=1700N/mm2)、シンジオタクチックポリスチレン(E120=2200N/mm2)、ポリエーテルイミド(E120=1900N/mm2)、ポリアリレート(E120=1700N/mm2)、ポリスルホン(E120=1800N/mm2)、ポリエーテルスルホン(E120=1700N/mm2)等からなる高分子フィルムが挙げられる。
これらは単独で用いてもよく積層あるいは混合して用いてもよい。中でも、特に好ましい高分子フィルムとしては、上述のように、ポリイミド又はポリエチレンナフタレートを含有する高分子フィルムが好ましい。
(シンチレータ層)
本発明に係るシンチレータ層は、放射線の照射により、蛍光を発する放射線蛍光体を含有する層であり、ヨウ化セシウムと賦活剤を含有する蒸着柱状結晶からなる。
本発明に係る賦活剤とは、ヨウ化セシウム中に含有されることで、発光効率を上昇し得る元素である。賦活剤としては、タリウム、ナトリウム、ルビジウムなどが挙げられるが、特にタリウムが好ましく用いられる。ヨウ化セシウム中に含有させるには、例えば、ヨウ化セシウムとタリウム化合物を含む蒸着源を加熱し、上記基板上に蒸着する方法により行うことができる。
本発明に係る蒸着柱状結晶とは、ヨウ化セシウムと、賦活剤を含む化合物とを、含有する蒸着原を加熱し、基板上に蒸着して形成された結晶であり、柱状の結晶である。
本発明においては、賦活剤としては、上記のようにタリウムが好ましく、蒸着に用いられるタリウム化合物としては、臭化タリウム、塩化タリウム、ヨウ化タリウム、またはフッ化タリウムが挙げられる。
また、蒸着結晶中の賦活剤の濃度としては、ヨウ化セシウムに対して、発光効率の面から、0.001〜50モル%の範囲が好ましく、特に0.1〜20モル%の範囲が好ましい。
(面内濃度分布)
本発明においては、賦活剤の面内濃度分布が±20%以内であることが必要である。
本発明における、面内濃度分布が±20%以内であるとは以下のような濃度分布を有するものをいう。
シンチレータプレート面が矩形の場合は、シンチレータ層面を、縦、横の直角方向に、各々10等分し、縦横に区切られた、100個の領域に分割する。
分割された100個の各領域について、賦活剤の濃度を測定する。
賦活剤の濃度は、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES:Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectrometer)にて測定する。この方法は金属元素等をプラズマ中で励起させたときに発生する光を分光し、各元素特有の波長から定性分析、発光強度から定量分析を行う手法であり、水溶液に含まれる微量無機元素の定量、および定性ができる。
賦活剤の定量には蛍光体を基板から剥がした試料に濃塩酸を加えて加熱乾固し、更に王水を加えて加熱溶解した後、超純水で適宜希釈したものを測定する。賦活財濃度はヨウ化セシウムに対するモル%で表される。
また、分割された各々の領域の濃度の数平均値を、シンチレータ層の平均濃度とする。面内濃度分布は、この平均濃度と各々の領域の濃度の差の、平均濃度に対する割合を%で表したものである。
即ち、面内濃度分布が±20%以内であるとは、上記分割された各々の領域の濃度のうち、最大の濃度が、上記平均濃度の1.2倍以下であり、最小の濃度が上記平均濃度の0.8倍以上であることをいう。
またシンチレータプレート面が矩形以外の形の場合には、この形を含む最小面積を有する矩形を想定して、上記と同様に100個の領域に分割し、シンチレータプレート面の、分割された領域に相当する各部分の賦活剤の濃度を測定して、上記と同様に平均値を求める。
(成長方向濃度分布)
本発明に係る蒸着結晶は、柱状結晶であり、結晶中での賦活剤の濃度分布としては、成長方向濃度分布が±40%以内である。
本発明における、柱状結晶の成長方向濃度分布が±40%以内であるとは以下のような濃度分布を有するものをいう。
柱状結晶について、結晶の成長方向に結晶を10等分し、分割された各々の賦活剤の濃度を測定する。分割された各々の領域の濃度の数平均値を、測定した柱状結晶の平均濃度とする。成長方向濃度分布は、この平均濃度と各々の領域の濃度の差の、平均濃度に対する割合を%で表したものである。
成長方向濃度分布が±40%以内であるとは、上記分割された各々の領域の濃度のうち、最大の濃度が、上記平均濃度の1.4倍以下であり、最小の濃度が上記平均濃度の0.6倍以上であることをいう。
本発明において、防湿性が優れる理由としては、以下のように推測される。
シンチレータプレート内に賦活剤濃度が局所的に高い部分が存在すると、そこを基点として潮解が発生し、結晶の柱状形状が損なわれ、潮解により発生した水溶液が、柱状結晶間の間隙を埋めることにより光ガイド効果が損なわれると推測される。即ち、このように潮解が発生する部分が少ないことが防湿性改善に寄与しているものと推測される。
(反射層)
本発明においては、基板とシンチレータ層との間に反射層を有してもよい。
反射層は、シンチレータ層で発せられた蛍光の基板方向に放射進行する電磁波を反射しうる層である。
反射層としては、金属薄膜が好ましく用いられる。金属薄膜としては、Al、Ag、Cr、Cu、Ni、Ti、Mg、Rh、Pt及びAuからなる群の中の物質を含む材料からなる膜が好ましく用いられる。更に、Cr膜上にAu膜を形成する等、金属薄膜を2層以上形成してもよい。
反射層としては、上記のなかでも特にアルミニウムを含有する膜を用いる態様が好ましい態様である。
(中間層)
本発明においては、反射層とシンチレータ層の間に、中間層を有してもよい。
中間層としては、例えばポリエステル樹脂、ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリルアミド又はこれらの誘導体及び部分加水分解物、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸エステル等のビニル重合体及びその共重合体、ロジン、シェラック等の天然物及びその誘導体などの樹脂を含有する層が挙げられる。
(シンチレータプレート)
本発明に係るシンチレータプレートについて図1を参照して説明する。
本発明に係るシンチレータプレート10は、図1に示すように基板1上にシンチレータ層2を備えるものであり、シンチレータ層2に放射線が照射されると、シンチレータは入射した放射線のエネルギーを吸収して、波長が300nmから800nmの電磁波、すなわち、可視光線を中心に紫外光から赤外光にわたる電磁波(光)を発光する。
以下、基板1上にシンチレータ層2を形成させる方法について説明する。
シンチレータ層2は、蒸着法により形成される。蒸着法は基板1を公知の蒸着装置内に設置するとともに、蒸着源にヨウ化セシウムおよび賦活剤を含むシンチレータ層2の原材料を充填したのち、装置内を排気すると同時に窒素等の不活性なガスを導入口から導入して1.333Pa〜1.33×10−3Pa程度の真空とし、次いで、原材料を抵抗加熱法、エレクトロンビーム法などの方法で加熱蒸発させて基板1表面にヨウ化セシウムの蒸着結晶を堆積し、基板1上にシンチレータ層2が形成される。
次に、図2を参照して、蒸着法を行う際に使用する蒸着装置の一例として、蒸着装置20について説明する。
蒸着装置20には、真空ポンプ21と、真空ポンプ21の作動により内部が真空となる真空容器22とが備えられている。真空容器22の内部には、蒸着源として抵抗加熱ルツボ23A、23Bが備えられており、この抵抗加熱ルツボ23A、23Bの上方には回転機構24により回転可能に構成された基板1が基板ホルダ25を介して設置されている。また、抵抗加熱ルツボ23Aまたは23Bと、基板1との間には、必要に応じて抵抗加熱ルツボ23Aまたは23Bから蒸発する蛍光体の蒸気流を調節するためのスリット26が設けられている。なお、基板1は、蒸着装置20を使用する際に基板ホルダ25に設置して使用するようになっている。
シンチレータ層の賦活剤の面内濃度分布を±20%以内とし、柱状結晶の成長方向濃度分布を40%以内とするには、例えば真空容器内に複数の賦活剤用の蒸発源を有する蒸発装置を用い、前記複数の蒸発源からの賦活剤の蒸発量を調整する方法などが挙げられる。また、複数の蒸発源を用い蒸着される基材を図2に示すように回転させる方法が特に好ましい方法である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれに限定されるものではない。
(蒸着源材料の準備)
蛍光体原材料であるCsIと、賦活剤のヨウ化タリウム(TlI)を準備した。
(放射線用シンチレータプレートの作製)
125μmの厚さのポリイミド樹脂シートからなる基板の片面に、図2に示す蒸着装置20を使用して上記蒸着源材料を蒸着させて蛍光体層を形成した。
即ち、まず上記CsIを蒸着源である抵抗加熱ルツボ23Aに充填すると共に、ヨウ化タリウムを抵抗加熱ルツボ23B中の複数のボート(図示しない)中に充填し、回転機構24により回転される基板ホルダ25に基板1を設置し、基板1と抵抗加熱ルツボ23A及び23Bとの間隔を400mmに調節した。
続いて、真空ポンプ21により真空容器22内を一旦排気し、アルゴンガスを導入して0.1Paに真空度を調整した後、回転機構24により10rpmの速度で基板1を回転させながら基板1の温度を150℃に保持した。次いで、抵抗加熱ルツボ23Aと23Bを加熱して蛍光体と賦活剤を蒸着し、蛍光体層2の膜厚が500μmとなったところで基板1への蒸着を終了させて放射線用シンチレータプレートを得た。
ヨウ化タリウムの蒸着量は23B内の複数のボートの上部に配置された真空容器22の外部から制御可能なスリット26の開口部により調節された。
即ち、複数の賦活剤用のボートの上部に設置された制御可能なスリット26の開口部の面積を変化させ放射線用シンチレータプレートにおける賦活剤(TlI)の量を表1のように変化させ試料1〜3(実施例)、5〜7(実施例)、試料4(比較例)、試料8〜11(比較例)の放射線用シンチレータプレートを作製した。
(賦活剤濃度の測定)
得られたシンチレータ層について、面内濃度分布および成長方向濃度分布を求めた。
賦活剤の濃度は、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES:Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectrometer)にて測定した(セイコー電子工業:SPS−4000)。Tlの定量には蛍光体に濃塩酸を加えて加熱乾固し、更に王水を加えて加熱溶解した後、超純水で適宜希釈したものを用いる。賦活剤濃度はヨウ化セシウムに対するモル%で表される。平均濃度からのばらつきを面内濃度分布、成長方向濃度分布として表1に示す。
(プレート初期特性の評価)
輝度と鮮鋭性について、下記の評価方法にて評価し、シンチレータの面内のばらつきを求めた。尚、表1には各々の平均値からの各々のからのバラツキの割合を示した。
25cm×20cmサイズのシンチレータの面内の、縦、横5cm間隔で区切られた20箇所で測定し、その平均値を求め、測定した値の最大値と最小値の差の、平均値に対する割合をバラツキとして示した。
(評価方法)
シンチレータパネルを、PaxScan2520(Varian社製FPD)にセットし鮮鋭性及び輝度を、以下に示す方法で評価した。
「鮮鋭性の評価」
鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線をFPDの放射線入射面側に照射し、画像データを検出しハードディスクに記録した。その後、ハードディスク上の記録をコンピュータで分析して当該ハードディスクに記録されたX線像の変調伝達関数MTF(空間周波数1サイクル/mmにおけるMTF値)を鮮鋭性の指標とした。表中、MTF値が高いほど鮮鋭性に優れていることを示す。MTFはModulation Transfer Functionの略号を示す。
「輝度の評価」
電圧80kVpのX線を試料の裏面(シンチレータ層が形成されていない面)から照射し、画像データをシンチレータを配置したFPDで検出し、画像の平均シグナル値を発光輝度とした。
(耐湿性の評価)
上記で得られたシンチレータプレートを、30℃70%の環境下に3日間放置し、放置前と放置後の鮮鋭性と輝度を比較した。評価は後述する方法で実施し、25cm×20cmサイズのシンチレータの面内の、縦、横5cm間隔で区切られた20箇所について測定し、その平均値を求め、放置前の値に対する放置後の値の比を求めた。表1に放置前後の鮮鋭性(MTF)の比と輝度の比を示す。つまり、30℃70%の環境下での特性の劣化が少ないものほど値は1.0に近くなっている。表1から、本発明のシンチレータプレートは、輝度、鮮鋭性に優れ、輝度、鮮鋭性の劣化が少なく耐湿性に優れることが分かる。
Figure 2008224357
シンチレータプレートの断面図 蒸着装置の概略構成図
符号の説明
1 基板
2 シンチレータ層
10 シンチレータプレート
20 蒸着装置
21 真空ポンプ
22 真空容器
23A 抵抗加熱ルツボ
23B 抵抗加熱ルツボ
24 回転機構
25 基板ホルダ
26 スリット

Claims (3)

  1. 基板上に、ヨウ化セシウムと賦活剤を含有する蒸着柱状結晶からなるシンチレータ層を有するシンチレータプレートにおいて、該シンチレータ層における該賦活剤の面内濃度分布が±20%以内であり、かつ該蒸着柱状結晶の成長方向濃度分布が±40%以内であることを特徴とするシンチレータプレート。
  2. 前記蒸着柱状結晶中の賦活剤の濃度が、ヨウ化セシウムに対して0.001〜50モル%であることを特徴とする請求項1に記載のシンチレータプレート。
  3. 前記賦活剤が、タリウムであることを特徴とする請求項1または2に記載のシンチレータプレート。
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