JP2013047696A - 平板x線検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鮮鋭性、輝度に優れる平板X線検出装置は、反射層と、厚さLのシンチレータ層とを含み、該シンチレータ層がヨウ化セシウムと賦活剤とを含有する柱状結晶を含み、該シンチレータ層の賦活剤平均濃度Aと該反射層側からL/5の位置までのシンチレータ層の賦活剤濃度Bとの関係がB>Aであり、該シンチレータ層の柱状結晶の根元(結晶成長の起点)から10μmの位置での平均円相当径aと先端での平均円相当径bが30≧b/a≧1.5とすることにより得られる。
【選択図】図1
Description
そして、近年では、コンピューテッドラジオグラフィ(CR)やフラットパネル型の放射線ディテクタ(FPD)等に代表されるデジタル方式の放射線画像検出装置が登場している。これらはデジタルの放射線画像が直接得られ、陰極管や液晶パネル等の画像表示装置に画像を直接表示することが可能なので、必ずしも写真フィルム上への画像形成が必要なものではない。その結果、これらのデジタル方式のX線画像検出装置は、銀塩写真方式による画像形成の必要性を低減させ、病院や診療所での診断作業の利便性を大幅に向上させている。
1.反射層と、厚さLのシンチレータ層とを含む平板X線検出装置において、
該シンチレータ層がヨウ化セシウムと賦活剤とを含有する柱状結晶を含み、
該シンチレータ層の賦活剤平均濃度Aと該反射層側からL/5の位置までのシンチレータ層の賦活剤濃度Bとの関係がB>Aであり、該シンチレータ層の柱状結晶の根元(結晶成長の起点)から10μmの位置での平均円相当径aと先端での平均円相当径bが30≧b/a≧1.5となることを特徴とする平板X線検出装置。
また、本発明は、下記の構成にも関連する。
式(1) 2≦B/A
[2]前記シンチレータ層が柱状結晶であることを特徴とする前記[1]記載のシンチレータプレート。
[4]前記賦活剤がタリウム化合物であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のシンチレータプレート。
[7]基板上に反射層、及びヨウ化セシウムと賦活剤を含有するシンチレータ層を順次に設けてなるシンチレータプレートにおいて、該シンチレータ層の柱状結晶の基板から10μmの位置での平均円相当径aと先端での平均円相当径bが30≧b/a≧1.5となることを特徴とする前記[2]〜[6]のいずれか1項に記載のシンチレータプレート。
基板上に反射層及びヨウ化セシウムと賦活剤を含有する厚さLのシンチレータ層を順次に設けてなるシンチレータプレートにおいて、該シンチレータ層の賦活剤平均濃度Aと該反射層側からL/5の位置までのシンチレータ層の賦活剤濃度Bの関係が、2≦B/Aを満たすことを特徴とする。また、また、基板上に反射層、及びヨウ化セシウムと賦活剤を含有するシンチレータ層を順次に設けてなるシンチレータプレートにおいて、該シンチレータ層の柱状結晶の基板から10μmの位置での平均円相当径aと先端での平均円相当径bが30≧b/a≧1.5となることを特徴とする。
本発明に係る基板はシンチレータ層を担持可能な板状、フィルム体であり、X線等の放射線を入射線量に対し10%以上を透過させることが可能なものである。
例えば、石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強化ガラスなどの板ガラス、サファイア、チッ化珪素、炭化珪素などのセラミック基板、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム燐、ガリウム窒素など半導体基板、またセルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム、炭素繊維強化樹脂シート等の高分子フィルム(プラスチックフィルム)、アルミニウムシート、鉄シート、銅シート等の金属シート或いは該金属酸化物の被覆層を有する金属シートなどが挙げられる。
本発明に係る反射層は、シンチレータ層で発せられた蛍光の基板方向に放射進行する電磁波を反射しうる層である。
本発明に係るシンチレータ層は放射線の照射により、蛍光を発する放射線蛍光体を含有する層であり、ヨウ化セシウムと賦活剤を含有する蒸着結晶からなる。
本発明においては、賦活剤としては上記のようにタリウム化合物が好ましく、蒸着に用いられるタリウム化合物としては、臭化タリウム、塩化タリウム、ヨウ化タリウムまたはフッ化タリウムが挙げられる。
蒸着結晶としては、柱状結晶であることが好ましい。
賦活剤濃度はヨウ化セシウムに対するモル%で表される。
本発明においては、反射層とシンチレータ層の間に中間層を有してもよい。
中間層としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリルアミドまたはこれらの誘導体及び部分加水分解物、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸エステル等のビニル重合体及びその共重合体、ロジン、シェラック等の天然物及びその誘導体などの樹脂を含有する層が挙げられる。
本発明のシンチレータプレートについて図1を参照して説明する。
本発明のシンチレータプレート10は、図1に示すように基板1上にシンチレータ層2を備えるものであり、シンチレータ層2に放射線が照射されるとシンチレータは入射した放射線のエネルギーを吸収して、波長が300nmから800nmの電磁波、即ち可視光線を中心に紫外光から赤外光に亘る電磁波(光)を発光する。
シンチレータ層2は蒸着法により形成される。蒸着法は基板1を公知の蒸着装置内に設置するとともに、蒸着源にヨウ化セシウム及び賦活剤を含むシンチレータ層2の原材料を充填した後、装置内を排気すると同時に窒素等の不活性なガスを導入口から導入して1.33×10-3〜1.33Pa程度の真空とし、次いで、原材料を抵抗加熱法、エレクトロンビーム法などの方法で加熱蒸発させて基板1表面にヨウ化セシウムの蒸着結晶を堆積し、基板1上にシンチレータ層2が形成される。
蒸着装置20には、真空ポンプ21と真空ポンプ21の作動により内部が真空となる真空容器22とが備えられている。真空容器22の内部には、蒸着源として抵抗加熱ルツボ23が備えられており、この抵抗加熱ルツボ23の上方には回転機構24により回転可能に構成された基板1が基板ホルダ25を介して設置されている。また、抵抗加熱ルツボ23と基板1との間には、必要に応じて抵抗加熱ルツボ23から蒸発する蛍光体の蒸気流を調節するためのスリットが設けられている。なお、基板1は蒸着装置20を使用する際に基板ホルダ25に設置して使用するようになっている。
実施例1
(蒸着基板の作製)
厚さ0.5mmのAlを10cm×10cmのサイズに切り出し、基板とした。
ヨウ化セシウムに賦活剤原料として、ヨウ化タリウム(TlI)をCsIに対して2.4mol%、0.3mol%と濃度の異なる蒸着材料を作製した。蒸着材料を濃度別に抵抗加熱ルツボに充填し、また回転する基板ホルダに基板を設置し、基板と蒸発源との間隔を400mmに調節した。
(蒸着基板の作製)
実施例1と同様にした。
ヨウ化セシウム(CsI)に賦活剤原料としてヨウ化タリウム(TlI)を混合した。ヨウ化タリウムはCsIに対して1.5mol%、0.3mol%と濃度の異なる蒸着材料を作製した。蒸着材料を濃度別に抵抗加熱ルツボに充填し、また回転する支持体ホルダに基板を設置し、基板と2個の蒸発源との間隔を400mmに調節した。
(蒸着基板の作製)
実施例1と同様にした。
ヨウ化セシウム(CsI)に賦活剤原料としてヨウ化タリウム(TlI)を混合した。ヨウ化タリウムはCsIに対して3.1mol%、0.3mol%と濃度の異なる蒸着材料を作製した。蒸着材料を濃度別に抵抗加熱ルツボに充填し、また回転する支持体ホルダに基板を設置し、基板と2個の蒸発源との間隔を400mmに調節した。
(蒸着基板の作製)
実施例1と同様にした。
実施例1と同様に蒸着材料を作製した。
続いて、蒸着装置内を一旦排気し、Arガスを導入して0.1Paに真空度を調整した後、10rpmの速度で基板を回転しながら基板の温度を200℃に保持した。次いで、抵抗加熱ルツボを加熱してシンチレータ用蛍光体を蒸着する。シンチレータ(蛍光体層)の膜厚が100μmとなったところで、Tl濃度の薄い材料が入っている抵抗加熱ルツボの蒸着を開始する。蒸着開始時のArガス導入量を徐々に減少させながら、総膜厚が400μmになったところで蒸着を終了させ、シンチレータプレートを得た。蒸着終了時のAr導入量は、蒸着初期の1/3とした。
(蒸着基板の作製)
実施例1と同様にした。
実施例1と同様に蒸着材料を作製した。
続いて、蒸着装置内を一旦排気し、Arガスを導入して0.1Paに真空度を調整した後、10rpmの速度で基板を回転しながら基板の温度を200℃に保持した。次いで、抵抗加熱ルツボを加熱してシンチレータ用蛍光体を蒸着する。シンチレータ(蛍光体層)の膜厚が100μmとなったところで、Tl濃度の薄い材料が入っている抵抗加熱ルツボの蒸着を開始する。蒸着開始時のArガス導入量を徐々に減少させながら、総膜厚が400μmになったところで蒸着を終了させ、シンチレータプレートを得た。蒸着終了時のAr導入量は、蒸着初期の1/10とした。
(蒸着基板の作製)
実施例1と同様にした。
ヨウ化セシウム(CsI)に賦活剤原料としてヨウ化タリウム(TlI)を混合した。ヨウ化タリウムはCsIに対して0.6mol%、0.3mol%と濃度の異なる蒸着材料を作製した。蒸着材料を濃度別に抵抗加熱ルツボに充填し、また回転する支持体ホルダに基板を設置し、基板と2個の蒸発源との間隔を400mmに調節した。
(蒸着基板の作製)
実施例1と同様にした。
ヨウ化セシウム(CsI)に賦活剤原料としてヨウ化タリウム(TlI)を混合した。ヨウ化タリウムはCsIに対して0.3mol%の蒸着材料を作製した。蒸着材料を抵抗加熱ルツボに充填し、また回転する支持体ホルダに基板を設置し、基板と蒸発源との間隔を400mmに調節した。
(蒸着基板の作製)
実施例1と同様にした。
実施例1と同様に蒸着材料を作製した。
続いて、蒸着装置内を一旦排気し、Arガスを導入して0.1Paに真空度を調整した後、10rpmの速度で基板を回転しながら基板の温度を200℃に保持した。次いで、抵抗加熱ルツボを加熱してシンチレータ用蛍光体を蒸着する。シンチレータ(蛍光体層)の膜厚が100μmとなったところで、Tl濃度の薄い材料が入っている抵抗加熱ルツボの蒸着を開始する。蒸着開始時のArガス導入量を徐々に減少させながら、総膜厚が400μmになったところで蒸着を終了させ、シンチレータプレートを得た。蒸着終了時のAr導入量は、蒸着初期の9.5/10とした。
(蒸着基板の作製)
実施例1と同様にした。
実施例1と同様に蒸着材料を作製した。
続いて、蒸着装置内を一旦排気し、Arガスを導入して0.1Paに真空度を調整した後、10rpmの速度で基板を回転しながら基板の温度を200℃に保持した。次いで、抵抗加熱ルツボを加熱してシンチレータ用蛍光体を蒸着する。シンチレータ(蛍光体層)の膜厚が100μmとなったところで、Tl濃度の薄い材料が入っている抵抗加熱ルツボの蒸着を開始する。蒸着開始時のArガス導入量を徐々に増加させながら、総膜厚が400μmになったところで蒸着を終了させ、シンチレータプレートを得た。蒸着終了時のAr導入量は、蒸着初期の13/10とした。
(賦活剤濃度の測定)
得られたシンチレータ層について、結晶の成長方向に結晶を5等分し、分割された各々の賦活剤の濃度を測定した。
得られたシンチレータプレートをPaxScan2520(Varian社製FPD)にセットし、鮮鋭性を以下に示す方法で評価した。
管電圧80kVpのX線を各試料の裏面(シンチレータ蛍光体層が形成されていない面)から照射し、瞬時発光を光ファイバーで取り出し、発光量を浜松ホトニクス社製のホトダイオード(S2281)で測定してその測定値を「発光輝度(感度)」とした。測定結果を下記表1に示す。但し、表2中、各試料の発光輝度を示す値は、実施例3のサンプルの発光輝度を1.0とした相対値である。
表2から、本発明のシンチレータプレートは、高輝度であることが分かる。
2 シンチレータ層(蛍光体層)
10 シンチレータプレート
20 蒸着装置
21 真空ポンプ
22 真空容器
23 抵抗加熱ルツボ
24 回転機構
25 基板ホルダ
Claims (2)
- 反射層と、厚さLのシンチレータ層とを含む平板X線検出装置において、
該シンチレータ層がヨウ化セシウムと賦活剤とを含有する柱状結晶を含み、
該シンチレータ層の賦活剤平均濃度Aと該反射層側からL/5の位置までのシンチレータ層の賦活剤濃度Bとの関係がB>Aであり、該シンチレータ層の柱状結晶の根元(結晶成長の起点)から10μmの位置での平均円相当径aと先端での平均円相当径bが30≧b/a≧1.5となることを特徴とする平板X線検出装置。 - 前記柱状結晶が賦活剤濃度の異なる複数の蒸着源を加熱し、蒸着により形成された結晶であることを特徴とする請求項1に記載の平板X線検出装置。
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