JP2014232083A - 放射線画像変換パネル、および放射線画像検出器 - Google Patents

放射線画像変換パネル、および放射線画像検出器 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、シンチレータパネルとして用いたときの輝度及び鮮鋭性を高く保ちながら、膜厚方向に押圧が掛かったときの強度をも充分に確保できる放射線画像変換パネルを得ることを目的としている。【解決手段】本発明に係る放射線画像変換パネルは、支持体と、該支持体上に形成されたシンチレータ層とを有し、該シンチレータ層が、蛍光体を含有する柱状結晶を複数含み、且つ、該複数の柱状結晶が、該支持体と接する根元部同士が互いに独立した態様で存在している。【選択図】図1

Description

本発明は、放射線画像を形成する際に用いられる放射線画像変換パネルおよび放射線画像検出器に関する。
従来、X線画像のような放射線画像は医療現場において病状の診断に広く用いられている。特に、増感紙−フィルム系による放射線画像は、長い歴史のなかで高感度化と高画質化が図られた結果、高い信頼性と優れたコストパフォーマンスを併せ持った撮像システムとして、今なお、世界中の医療現場で用いられている。しかしながら、これら画像情報は、いわゆるアナログ画像情報であって、現在発展を続けているデジタル画像情報のような、自由な画像処理や瞬時の電送が出来ない。
近年、コンピューテッドラジオグラフィ(computed radiography:CR)やフラットパネル型の放射線ディテクタ(flat panel detector:FPD)等に代表されるデジタル方式の放射線画像検出装置が登場している。これら放射線画像検出装置では、デジタルの放射線画像が直接得られ、陰極管を利用したパネルや液晶パネル等の画像表示装置に画像を直接表示することが可能なので、写真フィルム上への画像形成が必要ない。その結果、これらのデジタル方式のX線画像検出装置は、銀塩写真方式による画像形成の必要性を低減させ、病院や診療所での診断作業の利便性を大幅に向上させている。
X線画像に関するデジタル技術の一つとしてコンピューテッドラジオグラフィ(CR)が現在医療現場で受け入れられている。しかしながら、CRで得られるX線画像は、銀塩写真方式などのスクリーン・フィルムシステムによる画像と比べて鮮鋭性が充分でなく空間分解能も不充分であり、その画質レベルはスクリーン・フィルムシステムの画質レベルには到達していない。そこで、更に新たなデジタルX線画像技術として、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)を用いた平板X線検出装置(Flat panel detector、FPD)が開発されている(例えば、非特許文献1、2参照)。
上記FPDでは、その原理上、X線を可視光に変換するために、照射されたX線を可視光に変換して発光する特性を有するX線蛍光体で作られた蛍光体(シンチレータ)層を有するシンチレータパネルが使用されるが、低線量のX線源を用いたX線撮影において、シンチレータパネルから検出されるシグナルとノイズとの比(SN比)を向上するためには、発光効率(X線の可視光への変換率)の高いシンチレータパネルを使用することが必要になってくる。一般にシンチレータパネルの発光効率は、シンチレータ層(蛍光体層)の厚さ、蛍光体のX線吸収係数によって決まるが、蛍光体層の厚さは厚くすればするほど、X線照射により蛍光体層内で発生した発光光がシンチレータ層内で散乱しやすくなり、シンチレータパネルを介して得られるX線画像の鮮鋭性が低下する。そのため、X線画像の画質に必要な鮮鋭性を設定すると、シンチレータパネルにおける蛍光体層の膜厚の限度が自ずと定まる。
また、高い輝度と優れた鮮鋭性を有するシンチレータパネルを得るうえでは、蛍光体層を構成する蛍光体の形状も重要である。多くのシンチレータパネルでは、シンチレータ層を構成する蛍光体として柱状結晶の形状を有するものが採用されており、通常、このような柱状結晶を複数、支持体等に配置した構成を有している。ここで、シンチレータ層を構成する柱状結晶は、その中で生じた蛍光を支持体等に対して垂直の方向に効率よく放出できるよう、それぞれ、支持体等に対して垂直に伸びた形状を有している。このようなレイアウトを採ることで、シンチレータパネルは、輝度と鮮鋭性を維持すると共に、支持体等に対して垂直の方向(以下、「膜厚方向」と呼ぶ場合がある。)における強度をも維持しているのである。
ここで、シンチレータ層を構成する蛍光体の結晶形状に着目した研究や試みは種々なされてきている。例えば、特許文献1は、高い輝度と優れた鮮鋭性を有するシンチレータパネルを得ることを目的として、基板上に、蛍光体母材を含有する特定の形状を有する柱状結晶を有する蛍光体層を有する放射線変換パネルを開示している。ここで、特許文献1の放射線変換パネルは、蛍光体層として、特定の膜厚を有する蛍光体母材からなる第1の蛍光体層と、蛍光体母材及び賦活剤を含有する第2の蛍光体層とからなるものを有している。そして、特許文献1は、蛍光体層を構成する蛍光体の柱状結晶における、基板側から10μmの高さにおける結晶径と最表面における結晶径とが一定の比率を満たすと鮮鋭性に優れることを見出している。
国際公開2010/032503号パンフレット
Physics Today, 1997年11月号24頁のジョン・ローラーンズ論文"Amorphous Semiconductor Usher in Digital X-ray Imaging" SPIEの1997年32巻2頁のエル・イ−・アントヌクの論文"Development of a High Resolution active Matrix, Flat−Panel Imager with Enhanced Fill Factor"
放射線画像変換パネルにおいては、単に輝度及び鮮鋭性を確保するばかりでなく、膜厚方向に押圧が掛かったときの強度にも留意する必要がある。
ここで、従来技術による放射線画像変換パネルでは、シンチレータ層を構成する蛍光体の柱状結晶が、その根元部が互いにつながり合う態様で存在しており、例えば、図1(b)に示すように、支持体91に蛍光体の柱状結晶920が形成されてなる構造を有する放射線画像変換パネル90では、シンチレータ層92において、支持体91と接する各柱状結晶920の根元部が互いにつながりあっている構造を有している。ところが、このような放射線画像変換パネルでは、シンチレータパネルとして用いたときに膜厚方向に押圧が掛かったときにおける強度が依然として不充分であるという問題点がある。なお、特許文献1では、膜厚方向に押圧が掛かったときの強度についての検討は行われていない。
そこで、本発明は、シンチレータパネルとして用いたときの輝度及び鮮鋭性を高く保ちながら、膜厚方向に押圧が掛かったときの強度をも充分に確保できる放射線画像変換パネルを得ることを目的としている。
本発明者らは、支持体または光電変換素子パネル上にシンチレータ層を形成した放射線画像パネルまたは放射線画像検出器において、このシンチレータ層として、当該支持体または光電変換素子パネルと接する根元部同士が互いに独立している複数の柱状結晶からなるものを採用することにより、高輝度及び高鮮鋭を保ちつつも、膜厚方向からの押圧に耐えうることを見出し、本発明を完成させた。
上述した目的のうち少なくとも1つを実現するために、本発明の第1の態様として、以下の放射線画像変換パネルが挙げられる:
支持体と、該支持体上に形成されたシンチレータ層とを有し、
該シンチレータ層が、蛍光体を含有する柱状結晶を複数含み、且つ、
該複数の柱状結晶が、該支持体と接する根元部同士が互いに独立した態様で存在している
放射線画像変換パネル。
また、本発明の第2の態様として、放射線画像検出器が挙げられる。
ここで、本発明の第1の放射線画像検出器として、上記放射線画像変換パネルと、光電変換素子パネルとを有する放射線画像検出器が挙げられる。
また、本発明の第2の放射線画像検出器として、
光電変換素子パネルと、該光電変換素子パネル上に形成されたシンチレータ層とを有し、
該シンチレータ層が、蛍光体を含有する柱状結晶を複数含み、且つ、
該複数の柱状結晶が、該光電変換素子パネルと接する根元部同士が互いに独立した態様で存在している
放射線画像検出器が挙げられる。
本発明によれば、高輝度及び高鮮鋭を保ちながら、更に、膜厚方向からの押圧に耐えうる耐久性の高い放射線画像変換パネル及び放射線画像検出器を得ることができる。
本発明の放射線画像変換パネル(a)および従来の放射線画像変換パネル(b)の基本構成を表す模式図である。 本発明の放射線画像変換パネルの例を示す概略図である。 本発明の放射線画像変換パネルを光電変換素子パネルと組み合わせてなる第1の放射線画像検出器の例を示す概略図である。 本発明の第2の放射線画像検出器の基本構成を表す模式図である。 本発明の第2の放射線画像検出器の例を示す概略図である。 本発明で用いられる例示的な蒸着装置の一つの構成を示す概略図である。 本発明で用いられる例示的な蒸着装置のもう一つの構成を示す概略図である。
以下に、本発明に係る放射線画像変換パネルについて具体的に説明する。
ここで、本明細書において、「光」なる語は、電磁波のうち、可視光線を中心に紫外領域から赤外領域にわたる波長領域の電磁波、より具体的には、300nmから800nmにかけての波長を有する電磁波を指す。また、「蛍光体」または「シンチレータ」なる語は、X線等の入射された放射線のエネルギーを吸収して、上記「光」を発光する蛍光体を指す。
また、本明細書において、「高さ」なる語は、膜厚方向の位置を表す概念として用いられる。
〔放射線画像変換パネル〕
本発明に係る放射線画像変換パネルは、
支持体と、該支持体上に形成されたシンチレータ層とを有し、
該シンチレータ層が、蛍光体を含有する柱状結晶を複数含み、且つ、
該複数の柱状結晶が、該支持体と接する根元部同士が互いに独立した態様で存在している
ことを特徴とする。
本発明の放射線画像変換パネルの基本構成を図1(a)に示す。図1(a)に示すように、放射線画像変換パネル10において、放射線画像変換パネルのシンチレータ層12は、蛍光体を含有する複数の柱状結晶120から構成されており、この複数の柱状結晶120が、支持体11と接する根元部同士が互いに独立した態様で存在するような構成を有している。
そして、より具体的な実施態様において、放射線画像変換パネル10は、図2に示すように、反射層13などその他の層を更に備えることができる。このような第1の放射線画像変換パネル10は、シンチレータパネルとして用いることができ、図3に示すように、光電変換素子パネル20と組み合わせることによって、電気信号の形で画像データを取りだし可能な放射線画像検出器30として用いることができる。
以下、各構成部分について順に説明する。
支持体
本発明の放射線画像変換パネル10において、支持体11は、シンチレータ層12を構成する柱状結晶120を形成させる土台として用いられるとともに、シンチレータ層12の構造を保持する役割を有する。
支持体11の材料としては、従来公知のシンチレータパネルにおける支持体として用いられるものと同様の材料を用いることができ、X線等の放射線を透過させることが可能な、各種のガラス、高分子材料、金属等が挙げられる。このような材料として、より具体的には、例えば、石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強化ガラスなどの板ガラス;サファイア、チッ化珪素、炭化珪素などのセラミック;シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム燐、ガリウム窒素など半導体;又、セルロースアセテートフィルム、ポリエステル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム、炭素繊維強化樹脂シート等の高分子フィルム(プラスチックフィルム);アルミニウムシート、鉄シート、銅シート等の金属シート或いは該金属酸化物の被覆層を有する金属シート;バイオナノファイバーフィルムなどを用いることができる。これらは1種単独で用いても積層して用いてもよい。
上記支持体11の材料の中でも、特に、厚さ50〜500μmの可撓性を有する高分子が好ましく、その中でも蒸着時の耐熱性の観点から、ポリイミドが特に好ましい。
ここで、「可撓性を有する」とは、120℃での弾性率(E120)が、0.1〜300GPaであることをいう。
また、「弾性率」とは、引張試験機を用い、JIS−C2318に準拠したサンプルの標線が示すひずみと、それに対応する応力が直線的な関係を示す領域において、ひずみ量に対する応力の傾きを求めた値である。これがヤング率と呼ばれる値であり、本明細書においては、かかるヤング率を弾性率と定義する。
支持体11は、上記120℃での弾性率(E120)が、0.1〜300GPaであることが好ましく、1〜100GPaであることがより好ましい。
可撓性を有する高分子フィルムとしては、具体的には、ポリエチレンナフタレート(7GPa)、ポリエチレンテレフタレート(4GPa)、ポリカーボネート(2GPa)、ポリイミド(7GPa)、ポリエーテルイミド(3GPa)、アラミド(12GPa)、ポリスルホン(2GPa)、ポリエーテルスルホン(2GPa)等が挙げられる(カッコ内は弾性率を示す)。なお、弾性率の値は、同種の高分子フィルムでも変動しうるので、必ずしも弾性率が括弧内の値になるわけではないが、目安として一例を示したものである。上記高分子材料は、いずれも高い耐熱性を有し、蛍光体の蒸着に耐えうる点でも好ましい。なかでも、ポリイミドは特に耐熱性に優れ、CsI(ヨウ化セシウム)を原材料として気相法にて蛍光体(シンチレータ)の柱状結晶を形成する場合に好適である。
可撓性を有する高分子フィルムは1種単独であってもよいし、上記高分子の混合物のフィルムであってもよいし、同種または異種の二層以上の積層体であってもよい。
また支持体11がバイオナノファイバーフィルムである場合は、バイオナノファイバーフィルムが、(i)軽い、(ii)鉄の5倍以上の強度がある(高強度)、(iii)熱で膨張しにくい(低熱膨張性)、(iv)フレキシブルである(可撓性に優れる)、(v)混ぜる、塗る、フィルム状にするなど様々な処理ができる、(vi)植物繊維が材料で燃やすことができるなど、既存のガラスやプラスチックでは得られない特性を有することから、支持体の特性や環境上のメリットが享受できる。
支持体11は、上記材料からなる層の他に、例えばその反射率を調整する目的で、遮光層および/または光吸収性の顔料層を含んでいてもよい。また、支持体は、例えばその反射率を調整する目的で、光吸収性や光反射性が付与されていてもよいし、着色されていてもよい。
遮光層や顔料層は、別途のフィルムに設けられたものであってもよい。これについては後述の「その他の層」の項目で説明する。
遮光性又は光反射性である支持体としては、各種金属板やアモルファスカーボン板などが挙げられ、金属板を支持体として使用する場合は、X線の透過性及び取扱性の観点から、厚みが0.2mm以上2.0mm以下のアルミニウム板が好ましい。
着色された支持体としては、顔料などの色材(顔料がより好ましい)が混入されたフィルムや、支持体上に顔料などの色材(顔料がより好ましい)をバインダー樹脂中に分散させてなる反射層を設けることが、蒸着用基板の反射率を調製する観点より好ましい。
上記バインダー樹脂としては、本発明の目的を損なわない限り特に制限されず、適宜入手した市販のものであってもよいし、適宜製造したものであってもよい。具体的には、ポリウレタン、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル樹脂、セルロース誘導体(ニトロセルロース等)、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられる。これらの中では、蒸着により形成される蛍光体の柱状結晶および支持体に対する膜付性に優れる点で、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の疎水性樹脂であることが好ましい。また、上記した樹脂を1種単独で用いてもよく、2種以上用いても良い。特にガラス転移温度(Tg)が5℃以上異なる2種以上の樹脂を組み合わせて用いることで塗膜物性を容易に制御することができて好ましい。この場合組み合わせて用いることのできる2種以上の樹脂は、互いにガラス転移温度が異なる限りにおいて、同じ種類のものであっても、互いに異なる種類のものであっても良い。
上記顔料としては、例えば、ファーストエロー、ジスアゾエロー、ピラゾロンオレンジ、レーキレッド4R、ナフトールレッドなどの不溶性アゾ顔料;クロモフタルエロー、クロモフタルレッドなどの縮合アゾ顔料;リソールレッド、レーキレッドC、ウオッチングレッド、ブリリアントカーミン6B、ボルドー10Bなどのアゾレーキ顔料;ナフトールグリーンBなどのニトロソ顔料;ナフトールエローSなどのニトロ顔料;フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン顔料;アントラピリミジンエロー、ペリノンオレンジ、ペリレンレッド、チオインジゴレッド、インダントロンブルーなどのスレン顔料;キナクリドンレッドキナクリドンバイオレットなどのキナクリドン顔料;ジオキサジンバイオレットなどのジオキサジン顔料;イソインドリノンエローなどのイソインドリノン顔料;ピーコックブルーレーキ、アルカリブルーレーキなどの酸性染料レーキ;ローダミンレーキ、メチルバイオレットレーキ、マラカイトグリーンレーキなどの塩基性染料レーキ;等が挙げられる。
該顔料は、バインダー樹脂100重量部に対して0.01 〜10重量部であることが好ましい。顔料の量が上記範囲にあると、充分な塗膜色が得られ、それ以上着色度が変化しないにもかかわらず過剰に顔料を添加してしまい支持体の樹脂の伸びや強度等の機械的物性が劣化することを防止できる。
シンチレータ層
本発明に係る放射線画像変換パネル10において、シンチレータ層12は、外部から入射されたX線等の放射線のエネルギーを、可視光などの光に変換する役割を有している。
本発明に係る放射線画像変換パネル10において、シンチレータ層12は、蛍光体を含有する柱状結晶120を複数含んでおり、且つ、当該複数の柱状結晶120が、上記支持体11と接する根元部同士が互いに独立した態様で存在している。
ここで、本発明の放射線画像変換パネル10において「根元部」とは、シンチレータ層12における支持体11の近傍にある部分をいい、具体的には、支持体11が存在する面、すなわち、シンチレータ層12における、支持体11が存在している面側の末端を基準として、高さ3μmまでの範囲をいう。
・蛍光体材料
シンチレータ層12を構成する蛍光体材料としては、外部から入射してきたX線のエネルギーを効率よく光に変換でき、かつ、柱状結晶を形成可能な材料である限り特に限定はない。したがって、この条件を満たす限り、従来公知の種々の蛍光体を蛍光体材料として用いることができ、その中でも、ヨウ化セシウム(CsI)、硫酸化ガドリニウム(GOS)、タングステン酸カドミウム(CWO)、ケイ酸ガドリニウム(GSO)、ゲルマニウム酸ビスマス(BGO)、ケイ酸ルテチウム(LGO)、タングステン酸鉛(PWO)などを好適に用いることができる。なお、本発明において用いうる蛍光体材料は、CsIなどの瞬間発光の蛍光体に限られず、放射線画像変換パネルの用途によっては、臭化セシウム(CsBr)などの輝尽性蛍光体であってもよい。
本発明においては、これらの蛍光体材料の中でも、CsIが、X線のエネルギーを可視光に変換する効率が比較的高く、蒸着によって容易に柱状結晶を形成し、該結晶構造に起因する光ガイド効果により結晶内での発光光の散乱が抑えられ、その分蛍光体層121の厚さを厚くすることが可能である観点から好ましい。
ここで、蛍光体材料としてCsIのみを用いることを妨げるものではないが、CsIのみからなる蛍光体材料では、充分に高い発光効率が得られない場合がある。そこで、シンチレータ層12は、CsIを蛍光体母体物質とし、これと共に各種の賦活剤を含むことが好ましい。そのようなシンチレータ層としては、例えば、特公昭54−35060号公報に開示されているような、CsIとヨウ化ナトリウム(NaI)とが任意のモル比で存在するシンチレータ層が挙げられる。また、例えば特開2001−59899号公報に開示されているような、CsIとタリウム(Tl)、ユーロピウム(Eu)、インジウム(In)、リチウム(Li)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、ナトリウム(Na)などの賦活物質とが任意のモル比で存在するシンチレータ層が好ましい。
本発明に係るシンチレータパネルにおいては、特に、1種類以上のタリウム化合物を含む賦活剤とヨウ化セシウムとを原材料とするシンチレータ層が好ましく、中でもタリウム賦活ヨウ化セシウム(CsI:Tl)が、300nm〜750nmまでの広い発光波長をもつことから好ましい。
上記タリウム化合物としては種々のタリウム化合物(+Iと+IIIの酸化数の化合物)を使用することができる。例えば、沃化タリウム(TlI)、臭化タリウム(TlBr)、塩化タリウム(TlCl)、フッ化タリウム(TlF、TlF3)等が挙げられ、中でもCsIの賦活度に優れる観点から、沃化タリウム(TlI)が好ましい。
また、タリウム化合物の融点は、400〜700℃の範囲内にあることが好ましい。タリウム化合物の融点が上記範囲内であると、蒸着により形成されたシンチレータ層12において、賦活剤が柱状結晶120内に均一に分布し、発光効率が向上する。なお、本明細書において、融点とは、常圧下(通常約0.101MPa)における融点である。
本発明に係るシンチレータパネルのシンチレータ層12において、賦活剤のシンチレータ層12における相対含有量は0.1〜5モル%が好ましい。
ここで、本明細書において、賦活剤の相対含有量とは、蛍光体母体物質1モルを100モル%としたときの賦活剤のモル%で示される。
また、蛍光体母体物質とは、賦活剤によって賦活されていないCsIなどの蛍光体そのものをいう。なお、蛍光体母体物質や賦活剤などシンチレータ層を形成する原料となるものを総じて蛍光体原材料という。
シンチレータ層12における蛍光体の一定の面指数を有する面のX線回折スペクトルに基づく配向度は、層厚み方向の位置に係わらず、80〜100%の範囲内であることが、シンチレータ層の発光効率などの観点から好ましい。例えば、タリウム賦活ヨウ化セシウム(CsI:Tl)の柱状結晶における面指数は、(100)、(110)、(111)、(200)、(211)、(220)、(311)等のうちのいずれかであり得るが、(200)であることが好ましい(面指数については、X線解析入門(東京化学同人) 42〜46頁参照)。
ここで、本明細書における「一定の面指数の面のX線回折スペクトルに基づく配向度」とは、ある面指数の強度Ixが他の面指数の面を含めた全体の総強度Iに占める割合のことを指す。例えば、X線回折スペクトルにおける(200)面の強度I200の配向度は、「配向度=I200/I」である。
配向度決定のための面指数の測定方法としては、例えばX線回折(XRD)が挙げられる(結晶X線回折でも粉末X線回折でもよい)。X線回折は、特定波長の固有X線を結晶性物質に照射し、Braggの式を満足する回折が起こることを利用して、物質の同定、結晶相の構造などに関する知見を得ることのできる汎用性の高い分析手法である。照射系のターゲットにはCu、Fe、Coなどが用いられ、装置能力によるが、一般的に照射時の出力は0〜50mA、0〜50Kv程度である。
・層構成
本発明において、シンチレータ層12は、1層からなっていてもよいし、2層以上からなっていてもよい。すなわち、シンチレータ層12は、蛍光体層121のみからなるものであってもよく、あるいは、下地層122と蛍光体層121とからなり、支持体11上に、下地層122と蛍光体層121とがこの順で積層されている構造を有するものであってもよい。シンチレータ層12が下地層122と蛍光体層121との2層を含む場合、これらの層は、蛍光体母材が同じである限り、同じ材質からなるものであってもよく、あるいは異なる材質からなるものであってもよい。すなわち、シンチレータ層12は、全体が蛍光体母材のみからなる1層であってもよく、全体が結晶体母材と賦活剤とを含む1層であってもよく、蛍光体母材のみからなる下地層122と、結晶体母材と賦活剤とを含む蛍光体層121とからなるものであってもよく、蛍光体母材と第1の賦活剤とを含む下地層122と、結晶体母材と第2の賦活剤とを含む蛍光体層121とからなるものであってもよい。
ただ、本発明では、好適なシンチレータ層12として、蛍光体母体物質と賦活剤とからなる蛍光体層121のみからなるシンチレータ層、および、蛍光体母体物質と賦活剤とからなる蛍光体層121と、蛍光体母体物質と賦活剤とからなる下地層122とを含むシンチレータ層が挙げられ、このうち、蛍光体母体物質と賦活剤とからなる蛍光体層121と、蛍光体母体物質と賦活剤とからなる下地層122とを含むシンチレータ層が特に好ましく挙げられる。
下地層122における賦活剤の相対含有量は0.01〜1モル%が好ましく、0.1〜0.7モル%が更に好ましい。特に、下地層122の賦活剤の相対含有量が0.01モル%以上であることが、シンチレータパネルの発光輝度向上及び保存性の点で非常に好ましい。また、下地層122における賦活剤の相対含有量が蛍光体層121における相対含有量よりも低いことが非常に好ましく、蛍光体層121における賦活剤の相対含有量に対する下地層122における賦活剤の相対含有量のモル比((下地層における賦活剤の相対含有量)/(シンチレータ本蛍光体層における相対含有量))は、0.1〜0.7であることが好ましい。
シンチレータ層12が下地層122を有さない場合における、根元部における賦活剤の相対含有量についても、上記下地層122における賦活剤の相対含有量と同様とすることが好ましい。このとき、根元部における賦活剤の相対含有量が根元部以外の蛍光体層121における相対含有量よりも低いことが非常に好ましく、また、根元部以外の蛍光体層121における賦活剤の相対含有量に対する根元部における賦活剤の相対含有量のモル比((根元部における賦活剤の相対含有量)/(根元部以外のシンチレータ本蛍光体層における相対含有量))もまた、上記蛍光体層121における賦活剤の相対含有量に対する下地層122における賦活剤の相対含有量の比と同様とすることが好ましい。
また、本発明において、蛍光体層121の面内における賦活剤成分濃度(例えばTl濃度等)の変動係数が40%以下であることが好ましく、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下、特に好ましくは10%以下である。
本発明の放射線画像変換パネル10において、シンチレータ層12の膜厚は、シンチレータパネルの輝度と得られる放射線画像の鮮鋭性とのバランスがよい点から、100〜1000μmであることが好ましく、100〜800μmであることがより好ましく、120〜700μmであることがさらに好ましい。
そして、シンチレータ層12を構成しうる下地層122の膜厚は、シンチレータパネルの輝度の高さ、得られる放射線画像の鮮鋭性の維持の点から、0.1μm〜50μmであることが好ましく、3μm〜50μmであることがより好ましく、5μm〜40μmであることがさらに好ましい。
・シンチレータ層12を構成する柱状結晶の形状
シンチレータ層12を構成する柱状結晶120の形状は、支持体11に対して垂直の方向、すなわち膜厚方向における厚さ位置ごとの断面積によって評価することができる。ただ、柱状結晶120の断面積は個々に異なる場合があることから、個々の柱状結晶120の断面積におけるばらつきの影響を最小にすべく、空隙率を通じて柱状結晶120の形状を評価することが好ましい。
ここで、本明細書において、空隙率とは、シンチレータ層を支持体の平面に平行に切断した断面において、柱状蛍光体結晶の断面積および空隙の総和面積に対する、空隙の総和面積の比率をいう。
空隙率は、ある厚み位置において、シンチレータパネルの蛍光体層121および/または該当する場合には下地層122を支持体11平面に平行に切除し、その切断面の走査型電子顕微鏡写真における蛍光体部分の面積と空隙部の面積とから求めることができる。ここで、蛍光体部分の面積および空隙部の面積は、例えば、前記切断面の走査型電子顕微鏡写真の画像を、画像処理ソフトを使用して蛍光体部分と空隙部とに2値化処理することにより、それぞれ、蛍光体部分と判定されたピクセルの数Nfおよび空隙部と判定されたピクセルの数Nvとして求めることができる。そして、これらの値に基づき、空隙率をNv/(Nf+Nv)として求めることができる。
柱状結晶120の結晶径の変動係数は50%以下が好ましく、さらに好ましくは20%以下、特に好ましくは10%以下である。蛍光体層における膜厚分布が±20%以下となるよう膜厚を均一化することで、感度ムラを低減させることができ、高画質な放射線画像を撮影することが可能となる。柱状結晶120の空隙率の変動係数は50%以下が好ましく、さらに好ましくは20%以下、特に好ましくは10%以下である。
本発明の放射線画像変換パネル10では、シンチレータ層12を構成する蛍光体として、上記のような蛍光体を柱状結晶としたものが用いられるが、本発明では、シンチレータ層12を構成する複数の柱状結晶が、支持体11と接する根元部同士が互いに独立した態様で存在している必要がある。すなわち、本発明の放射線画像変換パネル10では、シンチレータ層12を構成する複数の柱状結晶の根元部同士が、互いに引っ付くことなく、離間した状態で存在している。柱状結晶をこのような態様とすると、膜厚方向からの押圧が掛かったときに、柱状結晶にかかる荷重が分散されるので柱状結晶が変形しにくくなり、放射線画像変換パネル10の耐久性を高めることができる。
ここで、本発明において、シンチレータ層12は、根元部における空隙率が、根元部以外の厚さ位置における空隙率よりも小さいシンチレータ層であることが好ましい。空隙率が蛍光体層の厚さ方向で傾斜を有することにより、鮮鋭性を保持しながら、耐衝撃性と輝度を向上させることができる。
より具体的には、シンチレータ層12を構成する柱状結晶120の結晶径について、支持体11が存在する面を基準として、高さ1μmの位置における柱状結晶の平均結晶径aと高さ3μmの位置における柱状結晶の平均結晶径bとが、1≦(b/a)≦3の関係を満たすことが好ましく、1≦(b/a)≦2の関係を満たすことがより好ましい。(b/a)の値が3以下であると、放射線画像変換パネルの膜厚方向に押圧が掛かったときに押圧が一点に集中しすぎることにより柱状結晶が変形する場合がなく、シンチレータ層の強度を保つ上で有利である。一方、(b/a)を1以上とすることは、製造工程上一般に容易である。
また、上記(b/a)が上記範囲にあると共に、上記平均結晶径bが3μm以下であると、放射線画像変換パネルの膜厚方向に押圧が掛かったときの強度の点でより好ましい。このとき、シンチレータ層12が下地層122を有さなくてもある程度の強度が得られるが、蛍光体層121のほかに下地層122を有すると、強度、鮮鋭性、輝度を総合的に見たときのバランスに優れる。
さらに、鮮鋭性を確保する点で、シンチレータ層12を構成する柱状結晶のシンチレータ層の最表部における平均結晶径cが10μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましい。
なお、本発明において「平均結晶径」は、具体的には、平均円相当径を指す。この「平均円相当径」は、形成された柱状結晶からなるシンチレータ層を導電性の物質(白金パラジウム、金、カーボンなど)でコーティングした後に、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)(日立製作所製S−800)にて観察し、個々の柱状結晶断面に外接する円の直径である円相当径を、30本の柱状結晶について測定し、これらの円相当径の平均値として得られる平均結晶径である。
ここで、高さ1μmの位置における前記柱状結晶の平均結晶径aおよび高さ3μmの位置における前記柱状結晶の平均結晶径bは、それぞれ、結晶内をエポキシ樹脂などの適当な樹脂で埋め、結晶膜表面を研磨により支持体側からそれぞれ1μmおよび3μmになるまで削って得られた結晶面を観察して得られる円相当径の平均結晶径である。
また、シンチレータ層12の最表部における柱状結晶の平均結晶径cは、柱状結晶を、支持体側と反対側から10μm削って得られた結晶面を観察して得られる円相当径の平均結晶径である。
CsI下側からX線が照射されると、これにより発光した光は、CsIのライトガイド効果によって効率的にCsI結晶の先端側へ伝搬される。結晶先端に到達した光は結晶の外へ取り出されるが、結晶先端に到達した光の向きによって結晶内で全反射を起こし、この結果、結晶先端より取り出す光の量は減少する。このように柱状結晶先端角度を制御することで、光の取出し効率は大きく変化する。以上の観点より、光の取出し効率を向上させるために、CsI柱状結晶の先端角度が40〜80°とすることが好ましい。
蛍光体に耐湿性向上の保護膜を設ける場合、高温高湿下で蛍光体柱状結晶が外部保護膜に刺さりにくく、当該蛍光体柱状結晶から外部保護膜への光の拡散が抑制されるという観点より、蛍光体柱状結晶の先端部の形状が、外部保護膜に対して、(a)凸な曲面、(b)平面、又は(c)90度以上の角度(鈍角)となっていることが好ましい。
結晶径は蛍光出射側で太く、支持体側では細く形成されている。これにより、柱状部における蛍光物質の結晶の充填率は支持体側よりも蛍光出射側が高く、支持体側の空隙が比較的大きくなっている。 また、各柱状結晶の柱側面には孔構造が形成される場合がある。孔構造が、直径が1μm以下の複数の小孔の場合、100000個/mm2未満の密度で分布であることが好ましい。100000個/mm2以上となった場合は、鮮鋭性の低下等放射線画像の光学特性に影響の出る場合がある。
その他の層
本発明に係る放射線画像変換パネル10は、図2に示すように、上記支持体11および上記シンチレータ層12のほか、従来公知のシンチレータパネルと同様、反射層13や、図示しない保護層、耐湿保護膜などを更に有することができる。
・反射層
本発明に係る放射線画像変換パネル10は、シンチレータパネルとして用いることができ、この場合、シンチレータ層12が存在する面に光電変換素子パネル20を組み合わせることにより、放射線画像検出器30として用いることができる。
したがって、放射線画像変換パネル10は、シンチレータ層12で発生した蛍光を効率よく光電変換素子パネル20に導くことができるよう、支持体11とシンチレータ層12との間に反射層13をさらに含むことが好ましい。ここで、反射層13は、シンチレータ層12を構成する蛍光体層121で発せられた蛍光のうち、支持体11方向に放射進行するものを反射しうる層である。
本発明において、反射層13として用いることができる材質は、従来公知のシンチレータプレートで用いられているものと同様のものとすることができ、反射率の高い金属で形成することが好ましい。反射率の高い金属膜層としては、Al、Ag、Cr、Cu、Ni、Mg、Pt、Auからなる群の中の物質を含む材料が挙げられる。金属としては、電気伝導率で6.0S/m(ジーメンス毎メートル)以上のものであることが好ましく、より好ましくは30S/m以上である。具体的にはAl(40S/m)、Ag(67S/m)、Au(46S/m)が反射率や電気伝導率の点で好ましい。また、反射層13は、二酸化チタンなどの光反射性粒子と適当なバインダー樹脂とからなるものであってもよい。
上記反射層13は一層で形成されていてもよく、あるいは、二層以上で形成されていてもよい。
反射層13は、真空蒸着、スパッタ蒸着、又はメッキにより基板上に直接付着することができるが、生産性の観点からスパッタ蒸着が好ましい。膜厚に関しては、付着方法によるが、真空蒸着の場合は50nm〜400nm、スパッタ蒸着の場合は20nm〜200nmが好ましい。
・保護層
蛍光体による反射層13の腐食等を防止するため、反射層13とシンチレータ層12との間に保護層を形成してもよい。
保護層は溶剤に溶解した樹脂を塗布、乾燥して形成することが好ましい。樹脂としては、ガラス転移温度が30〜100℃のポリマーであることが蒸着結晶と基板との膜付の点で好ましい。
具体的には、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル樹脂、セルロース誘導体(ニトロセルロース 等)、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられるが、特にポリエステル樹脂であることが好ましい。また、上記した樹脂を1種単独で用いてもよく、2種以上用いても良い。特にガラス転移温度(Tg)が5℃以上異なる2種類以上の樹脂を組み合わせて用いることで塗膜物性を容易に制御することができて好ましい。この場合、組み合わせて用いることのできる2種以上の樹脂は、互いにガラス転移温度が異なる限りにおいて、同じ種類のものであっても、互いに異なる種類のものであっても良い。
保護層の膜厚としては接着性の点で0.1μm以上が好ましく、保護層表面の平滑性確保の点で3.0μm以下が好ましい。より好ましくは保護層の厚さが0.2〜2.5μmの範囲である。
保護層作製に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなどの低級アルコール、メチレンクロライド、エチレンクロラ イドなどの塩素原子含有炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキ サノン、キシレンなどの芳香族化合物、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル、ジオキサン、エチレングリコー ルモノエチルエステル、エチレングリコールモノメチルエステルなどのエーテル及びそれらの混合物を挙げることができる。
・耐湿保護膜
本発明の放射線画像変換パネル10は、外周を覆うように耐湿保護膜を更に有していることが好ましい。耐湿保護膜は、パネル全体を防湿し、シンチレータ層12の劣化を抑制する役割を有する。
耐湿保護膜としては透湿度の低いフィルム保護フィルム、ポリパラキシリレンのような耐湿膜などが挙げられる。
例えば、保護フィルムの場合、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を用いることができる。PETの他には、ポリエステルフィルム、ポリメタクリレートフィルム、ニトロセルロースフィルム、セルロースアセテートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等を用いることができる。また、必要とされる防湿性にあわせて、これらフィルムに金属酸化物などを蒸着した蒸着フィルムを複数枚積層した構成とすることもできる。
また、放射線画像変換パネル10の支持体11側とシンチレータ層12側の互いに対向する面には、互いを熱融着して封止するための熱融着性の樹脂が用いられることが好ましい。熱融着層としては、一般に使用されるインパルスシーラーで融着可能な樹脂フィルムを使用できる。例えば、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)やポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム等が挙げられるが、これに限られたものではない。
未封止の放射線画像変換パネルを上下の保護フィルムで挟み、減圧雰囲気中で上下の保護フィルムが接触する端部を融着することにより封止することができる。
保護フィルムの厚さは10〜100μmであることが好ましい。
保護フィルムは防湿性が付与されているが、具体的には透湿度(水蒸気透過率ともいう)が50g/m2・day以下であることが好ましく、さらに好ましくは10g/m2・day以下であり、特に好ましくは1g/m2・day以下である。ここで、保護フィルムの透湿度はJIS Z 0208により規定された方法を参照して測定することができる。
透湿度は以下の方法で測定することができる。40℃において、前記保護フィルムを境界面とし、一方の側を90%RH(相対湿度)、他方の側を吸湿剤を用いて乾燥状態に保つ。この状態で24時間にこの保護フィルムを通過する水蒸気の質量(g)(保護フィルムを1m2に換算する)を保護フィルムの透湿度と定義する。
保護フィルムの透湿度を上記の範囲に調整し、防湿性を向上させる観点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム上に酸化アルミナ薄膜を蒸着した蒸着フィルムが好ましく用いられる。
保護フィルムの光透過率とは、空気だけの場合の光透過率を100%に設定して各保護フィルムの光透過率を相対値で表した。上記の光透過率は下記式に従って求められる。
光透過率(%)=(透過光/入射光)×100。
また、保護膜としては、ポリパラキシリレンなどの耐湿膜を用いても良い。ポリパラキシリレンは、上記蛍光体層が形成された基板をCVD装置の蒸着室に入れ、ジパラキシリレンが昇華した上記中に露出させておくことにより、シンチレータ層12と支持体11の全表面がポリパラキシリレン膜で被覆された放射線画像変換パネル10を得ることができる。
・遮光層
遮光層は、遮光性を有する材料を含む。
遮光層は、遮光性を有する材料として、アルミニウム、銀、白金、パラジウム、金、銅、鉄、ニッケル、クロム、コバルト、ステンレス等のうち1種または2種以上の元素を含む金属材料により形成されたものであることが、支持体の反射率を調製する観点より好ましい。中でも、遮光層に優れた遮光性、耐食性を付与できる観点から、アルミニウムもしくは銀を主成分とする金属材料が特に好ましい。また、遮蔽層は、1層の上記金属薄膜からなっていてもよいし、2層以上の上記金属薄膜からなっていてもよい。
支持体11と遮光層の密着性を向上させる観点より、支持体11と反射層13の間に中間層を設けることが好ましい。中間層を構成する材料としては、一般的な易接着性のポリマー(例えばエポキシ樹脂など)の他、遮光層の金属とは異なる金属(異種金属)が挙げられる。異種金属としては、例えば、ニッケル、コバルト、クロム、パラジウム、チタン、ジルコニウム、モリブデンおよびタングステンが挙げられる。中間層は、これら異種金属を1種単独で含んでいても2種以上を含んでいてもよく、中でもニッケル、クロムを単独、もしくは双方を含んでいることが、遮光層の遮光性の観点より好ましい。遮光層の厚さは、発光光取り出し効率の観点から、好ましくは0.005〜0.3μm、より好ましくは0.01〜0.2μmである。
このような金属材料による遮光層は、帯電防止層としても機能する為、帯電防止目的でも好適に使用することができ、帯電防止層を形成する方法として、前述の反射層内に帯電防止剤を添加する方法に替えてあるいは共に採用することもできる。この場合、反射層の、支持体と接している面とは反対側の表面で測定した表面抵抗値は、蒸着用基板の帯電防止の観点から、1.0×1012Ω/□以下が好ましく、1.0×1011Ω/□以下がさらに好ましく、1.0×1010Ω/□以下が最も好ましい。
遮光層を支持体11上に被覆する方法としては、蒸着、スパッタ、あるいは、金属箔の貼り合わせ等、特に制約は無いが、遮光層の支持体への密着性の観点からスパッタが最も好ましい。
・顔料層
光吸収性の顔料層は、光吸収性で、着色されていれば特に制限されず、例えば、顔料およびバインダー樹脂を含む層である。顔料層の顔料としては、従来公知の顔料も使用可能である。顔料は、より光散乱しやすい赤色の長波光成分を吸収するものの方がよく、青色の着色材が好ましい。そのような青色の着色材としては、例えば、ウルトラマリン青、プロシア青(フエローシアン化鉄)等が好ましい。また、有機青色顔料としては、フタロシアニン、アントラキノン、インジゴイド、カルボニウム等を用いることができる。これらの中でも、光吸収性の顔料層の放射線耐久性、紫外線耐久性などの観点から、フタロシアニンが好ましい。
顔料層のバインダー樹脂は、例えば、ポリウレタン、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル樹脂、セルロース誘導体(ニトロセルロース等)、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられ、これらの中では、蒸着により形成される蛍光体の柱状結晶および支持体に対する膜付性に優れる点で、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の疎水性樹脂であることが好ましい。また、上記した樹脂を1種単独で用いてもよく、2種以上用いても良い。
顔料は、バインダー樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部の量であることが、顔料層の光吸収性の観点から好ましい。顔料の量が上記範囲にあると、充分な塗膜色が得られ、それ以上着色度が変化しないにもかかわらず過剰に顔料を添加してしまい支持体の樹脂の伸びや強度等の機械的物性が劣化することを防止できる。
上記光吸収層の厚さは、断裁性の観点から、1〜500μmが好ましい。
放射線画像変換パネルの製造方法
本発明に係る放射線画像変換パネル10は、本発明の目的を損なわない限り製造方法に特に制限はなく、シンチレータ層12を構成する蛍光体の柱状結晶を形成する際に、柱状結晶の根元部同士が互いに独立した態様で存在できるようにすることを除いては、基本的には従来公知のシンチレータパネルの製造方法と同様の方法とすることができる。
具体的には、支持体11を構成する基板に対して、必要に応じて、従来公知の方法に従って、反射層13や保護層の形成を行い、その後、シンチレータ層12の形成を行い、さらに、必要に応じて、従来公知の方法に従って、耐湿保護膜の形成を行うことにより、放射線画像変換パネル10を得ることができる。ここで、反射層13、保護層、耐湿保護膜の形成は、上記「その他の層」の項中の「反射層」、「保護層」、「耐湿保護膜」の項に記載した方法により行うことができる。
ここで、シンチレータ層12の形成方法は、シンチレータ層12を構成する蛍光体を、柱状結晶の形態とすることができ、且つ、柱状結晶の根元部同士が互いに独立した態様で存在できるように柱状結晶を形成可能である限り、その具体的な方法に限定はない。ただ、本発明においては、シンチレータ層12が気相法によって成膜されていることが好ましく、具体的には蒸着法によって形成されることが好ましい。これは、後述する第2の放射線画像検出器40におけるシンチレータ層12を形成させる場合においても同様である。
蒸着法に用いる装置としては特に限定はないものの、例えば、図6に示されるような蒸着装置を用いることが好ましい。
図6に示す通り、蒸着装置50は箱状の真空容器51を有しており、真空容器51の内部には蒸着源57が配されている。この蒸着源57は、加熱装置を備えた容器に収められた状態で置かれており、加熱装置を作動させることにより、蒸着源57の加熱が行われる。シンチレータ層12を形成する際には、蛍光体原料、あるいは蛍光体母材としての蛍光体と賦活剤とを含む混合物が加熱装置を備えた容器に充填され、加熱装置を作動させることで、上記蛍光体母材または混合物を蒸着源57として加熱・蒸発させることができるようになっている。ここで、蒸着源57は、図7に示すように複数存在していてもよい。ここで、図7においては、蒸着源57として、蒸着源57a,57b,57cの3つが備えられているが、シンチレータ層12を構成する材料毎にその個数を変えてもよい。各々の蒸発源は等間隔に配置してもよく、間隔を変えて配置してもよい。また、蒸着用基板53に垂直な中心線を中心とした円の半径は任意に定めることができる。この様に蒸発源配置を工夫することにより大面積の蒸着を面内均一に行うことが可能となる。すなわち、大面積の面内分布を満たす蒸着を行うことにより、前述した賦活剤濃度、結晶径、膜厚分布を満たすことが可能となり、1回の蒸着から1枚の多面取りの蒸着を基板でなく、複数の基板を同時にセットすることによる多面取りも可能となる。また、1枚の大きな基板に蒸着を行った後に、複数枚切り出すことにより、効率的な生産を行うことも可能となる。
なお、加熱装置を備えた容器として、抵抗加熱ルツボ等を用いることができる。ここで、容器を構成する材質は、アルミナであってもよく高融点金属であってもよい。
真空容器51の内部であって蒸着源57の直上には、蒸着用基板53を保持するホルダ54が配されている。ここで、蒸着用基板53として、支持体11自体を用いてもよく、あるいは、支持体11に反射層13や保護層を形成させてなる積層体を用いてもよい。
ホルダ54にはヒーター(図示略)が配されており、当該ヒータを作動させることでホルダ54に装着した蒸着用基板53を加熱することができるようになっている。蒸着用基板53を加熱した場合には、表面の吸着物を離脱・除去したり、その表面に形成されるシンチレータ層12との間に不純物層が形成されるのを防止したり、その表面に形成されるシンチレータ層12との密着性を強化したり、表面に形成されるシンチレータ層12の膜質の調整を行うことができるようになっている。
ホルダ54には当該ホルダ54を回転させる回転機構55が配されている。回転機構55は、ホルダ54に接続された回転軸56とその駆動源となるモータ(図示略)から構成されたもので、当該モータを駆動させると、回転軸56が回転してホルダ54を蒸着源57に対向させた状態で回転させることができるようになっている。
蒸着装置50では、上記構成の他に、真空容器51に真空ポンプ52が配されている。真空ポンプ52は、真空容器51の内部の排気と真空容器51の内部へのガスの導入とを行うもので、当該真空ポンプ52を作動させることにより、真空容器51の内部を一定圧力のガス雰囲気下に維持することができるようになっている。真空ポンプ52は、真空容器の内部に存在する気体の排気を行うもので、高真空領域まで排気するために、作動圧力領域の異なる真空ポンプを2種類もしくはそれ以上配置してもよい。真空ポンプとしては、ロータリーポンプ、ターボ分子ポンプ、クライオポンプ、ディフュージョンポンプ、メカニカルブースタ等を用いることができる。
本発明に係るシンチレータ層12は、加熱装置を備えた容器に蛍光体を充填し、装置内を排気すると同時に窒素等の不活性なガスを導入口から導入して1.333Pa〜1.33×10-3Pa程度の真空とし、次いで、蛍光体を加熱蒸発させて、必要に応じて、反射層、保護層などを有する蒸着用基板53の表面に蛍光体の蒸着結晶を堆積し、シンチレータ層12が形成される。ここで、蛍光体と賦活剤との混合物からなる結晶を形成する際には、図7に示すような蒸着装置50を用い、第1の加熱装置を備えた容器に蛍光体母材としての蛍光体を、第2の加熱装置を備えた容器に賦活剤をそれぞれ充填し、それぞれ蒸発源57a及び57bとして、蒸着を行うことができる。
また、下地層122と蛍光体層121とを有するシンチレータ層12を形成する場合、下地層122形成用の蛍光体、蛍光体層121形成用の蛍光体、蛍光体層121形成用の賦活剤を、それぞれ別々の加熱装置を備えた容器に充填し、それぞれの蒸着源の充填量を加減し、更に/あるいは、シャッター58を蒸着源毎に個別に開閉しながら蒸着を行うことができる。
蒸着用基板53に形成される柱状結晶の結晶径は、蒸着用基板53の温度を変えることにより制御することができ、蒸着用基板53の温度を高くするほど結晶径を大きくすることができる。前記柱状結晶の平均結晶径bを3μm以下とするためには、蛍光体の蒸着速度や蒸着時の真空容器51内の圧力にもよるが、例えば蒸着速度が3μm/分以下で真空度が0.01〜1Paの場合、基板温度は5℃〜320℃に設定することが好ましい。また、高さ1μmの位置における前記柱状結晶の平均結晶径aに対する高さ3μmの位置における前記柱状結晶の平均結晶径bの比率(b/a)を適度に小さくするためには、蒸着初期における蒸着用基板53の昇温速度を適度に小さくすることが好ましく、例えば、根元部3μmを蒸着するまでの基板温度差を100℃以内とすることが好ましい。なお、蒸着用基板53の昇温速度を高くしすぎると、シンチレータ層12において、柱状結晶の結晶径が不連続に変化する箇所が生じる場合があるが、本発明に係る放射線画像変換パネル10は、このような箇所が生じていても、放射線画像変換パネルとして機能しうる。また、同様のことは、後述する第2の放射線画像検出器40にもあてはまる。
シンチレータ層12が下地層122と蛍光体層121とからなる場合、下地層122の膜厚を上記「シンチレータ層」の項で規定する範囲とするには、下地層122蒸着用の加熱装置を備えた容器(抵抗るつぼ)に充填する量またはシャッター58の開閉を調整して蒸着を行えばよい。ここで、根元部が互いに独立した柱状結晶を得つつ、輝度、鮮鋭性といったX線特性に優れた放射線画像変換パネルを得る上では、下地層122を形成する間は、蒸着用基板53の温度を15℃〜50℃とすることが好ましく、蒸着用基板53を加熱しないでおくことが特に好ましい。
また蛍光体層121は、加熱装置を備えた容器に蛍光体母材および賦活剤化合物の混合物を充填するか、あるいは、蛍光体母材および賦活剤化合物をそれぞれ別々の加熱装置を備えた容器に充填し、上記と同様にして、下地層122の上に蒸着結晶を堆積することで形成される。蛍光体層121の膜厚の調整は、蛍光体層121形成用の加熱装置を備えた容器に充填する蛍光体母材(および賦活剤)の量またはシャッターを開閉することにより行うことができる。蒸着用基板53の加熱は、蛍光体層121を形成するときから開始することが好ましく、蛍光体層121を形成する際には、蒸着用基板53について、蛍光体層121形成開始時の基板温度を100℃以上、その後蒸着終了までの間は、蒸着用基板53の温度を150℃〜320℃に維持することが好ましい。
ここで、下地層122を有するシンチレータ層12と下地層122を有しないシンチレータ層12との作り分けは、単位時間あたりの蛍光体母材の供給量を増やすか増やさないかによって行うことができる。
下地層122を有しないシンチレータ層12は、根元部を形成するときと根元部以外の部分を形成するときとで、単位時間あたりの蛍光体母材の供給量を実質的に変えない状態で形成することができる。例えば、加熱装置を備えた容器として抵抗加熱ルツボを用いる場合、まず、蒸着用基板53を加熱した状態で、蛍光体母材を充填した第1の抵抗加熱ルツボを加熱して蛍光体母材の蒸着を行うことにより根元部の形成を行い、その後、蛍光体母材を充填した抵抗加熱ルツボの追加を行わない状態で、引き続き当該第1の抵抗加熱ルツボの加熱を続けるとともに、必要により賦活剤を充填した第2の抵抗加熱ルツボを加熱し、そのまま根元部以外の部分の形成を行うことができる。
一方、下地層122を有するシンチレータ層12は、根元部を含む下地層122を形成するときには、単位時間あたりの蛍光体母材の供給量を少なくし、その後、蛍光体層121を形成するときには、蒸着用基板53を昇温するとともに単位時間あたりの蛍光体母材の供給量を多くした状態で形成することができる。例えば、加熱装置を備えた容器として抵抗加熱ルツボを用いる場合、まず、蛍光体母材を充填した第1の抵抗加熱ルツボを加熱して蛍光体母材の蒸着を行うことにより根元部を含む下地層122の形成を行うことができる。その後、引き続き当該第1の抵抗加熱ルツボの加熱を続けながら、下地層122を有する蒸着用基板53を昇温し、併せて、蛍光体母材を充填した第2の抵抗加熱ルツボの加熱を開始するとともに、必要により賦活剤を充填した第3の抵抗加熱ルツボをさらに加熱し、蛍光体層121の形成を行うことができる。
下地層122を有するシンチレータ層12を形成する場合および下地層122を有さないシンチレータ層12を形成する場合のいずれにおいても、根元部を独立した容態とするために、根元部の形成時には、賦活剤を含まない状態で蛍光体を蒸着させることが重要である。これにより、蛍光体の膜厚方向に押圧が掛った際に荷重が分散され、強度を十分に確保することができる。ここで、賦活剤を含む蛍光体層121を形成する場合、まず、蒸着用基板53に根元部を形成した後、根元部を含む基板全体を加熱し、蛍光体と賦活剤を蒸着させるが、この蛍光体と賦活剤を蒸着させる際の加熱により、賦活剤は根元部側へも移行する。この場合、根元部の蒸着形成のときに直接賦活剤の導入を行わないにもかかわらず、賦活剤を含む根元部が得られることになる。これにより、根元部を独立した容態としながら輝度と鮮鋭性を確保することができる。すなわち、強度を十分に確保しながら輝度と鮮鋭性を確保することのできる放射線画像変換パネルとして機能する構造となる。
一方、根元部を作成する際に、蛍光体だけでなく賦活剤を同時に蒸着させると、根元部が柱状とならず、独立した容態とならないことがあり、充分な輝度と鮮鋭性が得られない場合がある。
用途
本発明の放射線画像変換パネルは、種々の態様のX線画像撮影システムに応用することができる。その中でも特に好適な用途として、シンチレータパネルが挙げられ、後述するように、光電変換素子パネルと組み合わされて放射線画像検出器として用いることができる。
〔放射線画像検出器〕
上記放射線画像変換パネルに関連して、本発明は、上述したシンチレータ層を有する2種類の放射線画像検出器をも提供する。
1つは、図3に示すように、シンチレータ層12を有する上述の放射線画像変換パネル10に、光電変換素子パネル20を組み合わせてなる放射線画像検出器30(本明細書において、「第1の放射線画像検出器」とも呼ぶ。)であり、もう1つは、図5に示すように、後述するシンチレータ層12'と光電変換素子パネル20とが一体化されてなる放射線画像検出器40(本明細書において、「第2の放射線画像検出器」とも呼ぶ。)である。
いずれの放射線画像検出器においても、外部からのX線が、シンチレータ層(シンチレータ層12またはシンチレータ層12')によって光に変換され、この光が、光電変換素子パネル20によって電気信号に変換されるとともに、位置情報と関連づけられた形で外部に出力可能な状態とされる。
光電変換素子パネル
本発明で用いられる光電変換素子パネル20は、シンチレータ層(シンチレータ層12またはシンチレータ層12')で発生した発光光を、電気信号に変換して、外部に出力する役割を有しており、従来公知のものを用いることができる。
ここで、本発明で用いられる光電変換素子パネル20の構成は特に制限はないものの、通常、基板と、画像信号出力層と、光電変換素子とがこの順で積層された形態を有している。
このうち、光電変換素子は、シンチレータ層(シンチレータ層12またはシンチレータ層12')で発生した光を吸収して、電荷の形に変換する機能を有している。ここで、光電変換素子は、そのような機能を有する限り、どのような具体的な構造を有していてもよい。例えば、本発明で用いられる光電変換素子は、透明電極と、入光した光により励起されて電荷を発生する電荷発生層と、対電極とからなるものとすることができる。これら透明電極、電荷発生層および対電極は、いずれも、従来公知のものを用いることができる。また、本発明で用いられる光電変換素子は、適当なフォトセンサーから構成されていても良く、例えば、複数のフォトダイオードを2次元的に配置してなるものであってもよく、あるいは、CCD(Charge Coupled Devices)、CMOS(Complementary metal-oxide-semiconductor)センサーなどの2次元的なフォトセンサーからなるものであっても良い。
また、画像信号出力層は、上記光電変換素子で得られた電荷を蓄積するとともに、蓄積された電荷に基づく信号の出力を行う機能を有する。ここで、画像信号出力層は、どのような具体的な構造を有していてもよく、例えば、光電変換素子で生成された電荷を画素毎に蓄積する電荷蓄積素子であるコンデンサと、蓄積された電荷を信号として出力する画像信号出力素子であるトランジスタとを用いて構成することができる。ここで、好ましいトランジスタの例として、TFT(薄膜トランジスタ)が挙げられる。
また、基板は、放射線画像検出器の支持体として機能するものであり、上述した本発明の放射線画像変換パネル10で用いられる支持体11と同様のものとすることができる。
このように、本発明で用いうる光電変換素子パネル20として種々の構成のものを用いることができる。例えば、後述する本願実施例で用いられているように、ガラス基板上に複数のフォトダイオードと複数のTFT素子を形成してなる光電変換素子パネルを、光電変換素子パネル20として用いることができる。
さらに、光電変換素子パネル20は、電気信号に変換されたX線の強度情報および位置情報に基づく画像信号を記憶するためのメモリ部、光電変換素子パネル20を駆動させるために必要な電力を供給する電源部、外部に画像情報を取りだすための通信用出力部など、公知の放射線画像検出器を構成する光電変換素子パネルが有しうる各種部品をさらに備えることができる。
(第1の放射線画像検出器)
本発明に係る第1の放射線画像検出器30は、上述した放射線画像変換パネル10と、光電変換素子パネル20とを有する。
第1の放射線画像検出器の例を図3に示す。図3に示すように、第1の放射線画像検出器30では、上記放射線画像変換パネル10と光電変換素子パネル20とを組み合わせることにより、外部から進入してきたX線を、放射線画像変換パネル10を構成するシンチレータ層12において光に変換することができ、この光を、光電変換素子パネル20を構成する光電変換素子にて電気信号に変換することができる。ここで、図3において、太矢印はX線の例示的な入射方向を示す。
このような変換が効率よく行われるよう、第1の放射線画像検出器30は、放射線画像変換パネル10を構成するシンチレータ層12と、光電変換素子パネル20を構成する光電変換素子(図示しない)とが互いに向かい合う態様で、上記放射線画像変換パネル10と光電変換素子パネル20とが組み合わされたものであることが好ましい。ここで、放射線画像変換パネル10として、支持体層11とシンチレータ層12との間に反射層13を有するものを採用すると、シンチレータ層12からの発光光のうち光電変換素子パネル20とは反対側に向かう光についても、反射層13での反射を通じて光電変換素子パネル20に導くことができるのでより好ましい。
(第2の放射線画像検出器)
本発明に係る第2の放射線画像検出器は、
光電変換素子パネルと、該光電変換素子パネル上に形成されたシンチレータ層とを有し、
該シンチレータ層が、蛍光体を含有する柱状結晶を複数含み、且つ、
該複数の柱状結晶が、該光電変換素子パネルと接する根元部同士が互いに独立した態様で存在している
ことを特徴とする。
本発明の第2の放射線画像検出器の基本構成を図4に示す。図4に示すように、第2の放射線画像検出器40において、シンチレータ層12'は、蛍光体を含有する複数の柱状結晶120'から構成されており、この複数の柱状結晶120'が、光電変換素子パネル20と接する根元部同士が互いに独立した態様で存在するような構成を有している。言い換えると、第2の放射線画像検出器40は、上述した放射線画像変換パネル10を構成するシンチレータ層12と同様のシンチレータ層12'を有しながらも、シンチレータ層12'が、支持体11ではなく光電変換素子パネル20上に形成されている点で、上述した放射線画像変換パネル10と異なる。
そして、第2の放射線画像検出器の例を図5に示す。ここで、図5において、太矢印はX線の例示的な入射方向を示す。より具体的な実施態様において、第2の放射線画像検出器40は、図5に示すように、反射層13'などの他の層を更に備えることができる。
このように、第2の放射線画像検出器40は、すでに光電変換素子パネル20を一体化した形で含んでいることから、シンチレータ層12'に基づくX線から光への変換機能のほかに、光電変換素子パネル20に基づく光から電気信号への変換機能をも併せ持つこととなり、それ自体で、電気信号の形で画像データを取りだし可能な放射線画像検出器として用いることができる。
シンチレータ層
第2の放射線画像検出器40は、上記光電変換素子パネル20上にシンチレータ層12'を有している。ここで、光電変換素子パネル20が、基板と、画像信号出力層と、光電変換素子とがこの順で積層されてなる場合、シンチレータ層12'は、当該光電変換素子上に形成することができる。
シンチレータ層12'は、上述した放射線画像変換パネル10を構成するシンチレータ層12と同様、外部から入射されたX線等の放射線のエネルギーを、可視光などの光に変換する役割を有している。
本発明に係る第2の放射線画像検出器40において、シンチレータ層12'は、蛍光体を含有する柱状結晶120'を複数含んでおり、且つ、当該複数の柱状結晶120'が、上記光電変換素子パネル20と接する根元部同士が互いに独立した態様で存在している。
ここで、本発明の第2の放射線画像検出器40において「根元部」とは、シンチレータ層12'における光電変換素子パネル20の近傍にある部分をいい、具体的には、光電変換素子パネル20が存在する面、すなわち、シンチレータ層12'における、光電変換素子パネル20が存在している面側の末端を基準として、高さ3μmまでの範囲をいう。
本発明の第2の放射線画像検出器40で用いられるシンチレータ層12'を構成する蛍光体材料、層構成、膜厚および柱状結晶の形状は、上記放射線画像変換パネル10を構成するシンチレータ層12におけるものと同様とすることができる。
すなわち、シンチレータ層12'は、上記放射線画像変換パネル10を構成する蛍光体層121と同様の組成および厚さを有する蛍光体層121'のみからなるものであっても良く、あるいは、蛍光体層121'と、上記放射線画像変換パネル10を構成する下地層122と同様の組成および厚さを有する下地層122'とからなるものであっても良い。ここで、シンチレータ層12'が下地層122'と蛍光体層121'とからなる場合、光電変換素子パネル20上に、下地層122'と蛍光体層121'とがこの順で積層されている構成とすることができる。
また、シンチレータ層12'を構成する柱状結晶120'についての空隙率については、シンチレータ層を光電変換素子パネル20の平面に平行に切断した断面において、柱状蛍光体結晶の断面積および空隙の総和面積に対する、空隙の総和面積の比率として定義することができ、シンチレータ層12を構成する柱状結晶120についての空隙率と同様の方法により求めることができる。また、シンチレータ層12'を構成する柱状結晶120'の結晶径について、光電変換素子パネル20が存在する面を基準として、高さ1μmの位置における柱状結晶の平均結晶径a'、高さ3μmの位置における柱状結晶の平均結晶径b'、および、最表部における柱状結晶の平均結晶径c'は、それぞれ、上記放射線画像変換パネル10を構成するシンチレータ層12について規定する上記平均結晶径a,b,cと同様とすることができ、(b'/a')の値についても、上記放射線画像変換パネル10について規定する(b/a)の値と同様とすることができる。さらに、柱状結晶120'の結晶径の変動係数についても、上記放射線画像変換パネル10におけるシンチレータ層12を構成する柱状結晶120のものと同様の値とすることが好ましい。
また、第2の放射線画像検出器40を構成するシンチレータ層12'の形成方法として、上記放射線画像変換パネル10を構成するシンチレータ層12の形成方法と同様の方法を用いることができ、形成条件についても、上記放射線画像変換パネル10を構成するシンチレータ層12を形成するときと同様の条件とすることができる。
その他の層
本発明に係る第2の放射線画像検出器40は、図5に示すように、上記光電変換素子パネル20および上記シンチレータ層12のほか、従来公知の放射線画像検出器と同様、反射層13'や、図示しない中間樹脂層、耐湿保護膜などを更に有することができる。
・反射層
本発明に係る第2の放射線画像検出器40は、シンチレータ層12'で発生した蛍光を効率よく光電変換素子パネル20に導くことができるよう、シンチレータ層12'において、光電変換素子パネル20とは反対側の面に反射層13'をさらに含むことが好ましい。ここで、第2の放射線画像変換パネル40において、反射層13'は、シンチレータ層12'を構成する蛍光体層121'で発せられた蛍光のうち、光電変換素子パネル20とは反対側方向に放射進行するものを反射しうる層である。
本発明に係る第2の放射線画像検出器40において、反射層13'として用いることができる材質は、放射線画像変換パネル10を構成する反射層13として用いることができる材質と同様のものとすることができ、その膜厚や形成方法についても、放射線画像変換パネル10を構成しうる反射層13のものと同様とすることができる。
・中間樹脂層
本発明の第2の放射線画像検出器40は、光電変換素子パネル20とシンチレータ層12'との間に、これらを隔てるための中間樹脂層を更に有することができる。
保護層は溶剤に溶解した樹脂を塗布、乾燥して形成することが好ましい。樹脂としては、ガラス転移温度が30〜100℃のポリマーであることが蒸着結晶と基板との膜付の点で好ましい。
具体的には、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル樹脂、セルロース誘導体(ニトロセルロース 等)、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられるが、特にポリエステル樹脂であることが好ましい。また、上記した樹脂を1種単独で用いてもよく、2種以上用いても良い。特にガラス転移温度(Tg)が5℃以上異なる2種以上の樹脂を組み合わせて用いることで塗膜物性を容易に制御することができて好ましい。この場合、組み合わせて用いることのできる2種以上の樹脂は、互いにガラス転移温度が異なる限りにおいて、同じ種類のものであっても、互いに異なる種類のものであっても良い。
また、CVD装置などを用い、例えばポリパラキシリレンなどを成膜することにより形成してもよい。
中間樹脂層の膜厚としては接着性の点で0.1μm以上が好ましく、保護層表面の平滑性確保の点で3.0μm以下が好ましい。より好ましくは保護層の厚さが0.2〜2.5μmの範囲である。
中間樹脂層作製に用いる溶剤としては、放射線画像変換パネル10を構成する上記保護層形成に用いられるものと同様のものを用いることができる。
・耐湿保護膜
本発明の第2の放射線画像検出器40は、外周を覆うように耐湿保護膜を更に有していることが好ましい。耐湿保護膜は、パネル全体を防湿し、シンチレータ層12'の劣化を抑制する役割を有する。
耐湿保護膜を構成する材質、膜厚、形成方法は、それぞれ、放射線画像変換パネル10を構成する耐湿保護膜のものと同様とすることができる。
第2の放射線画像検出器の形成方法
本発明に係る第2の放射線画像検出器40は、本発明の目的を損なわない限り製造方法に特に制限はなく、シンチレータ層12'を構成する蛍光体の柱状結晶を形成する際に、柱状結晶の根元部同士が互いに独立した態様で存在できるようにすることを除いては、基本的には従来公知の放射線画像検出器の製造方法と同様の方法とすることができる。
具体的には、光電変換素子パネル20を構成する光電変換素子部分に対して、必要に応じて、従来公知の方法に従って、中間樹脂層の形成を行い、その後、上記「放射線画像変換パネル10の製造方法」の項に記載したものと同様の方法によって、シンチレータ層12'の形成を行い、さらに、必要に応じて、従来公知の方法に従って、反射層及び耐湿保護膜等の形成を行うことにより、第2の放射線画像検出器40を得ることができる。ここで、第2の放射線画像検出器40を構成するシンチレータ層12'の形成を、図6または図7に示した蒸着装置50を用いて行う場合、蒸着用基板53として光電変換素子パネル20を用いることができ、光電変換素子パネル20のうち光電変換素子が設けられた側を被蒸着面として蒸着を行うことができる。
この際、加熱による光電変換素子パネル20のダメージを防ぐため、蛍光体層121'を形成しない側をホルダ54に固定した状態で光電変換素子パネル20を冷却しながら蛍光体層121'を形成する側の温度を150〜320℃に保つ方法を取り入れてもよい。ここで、光電変換素子パネル20を冷却する具体的な手段は特に限定されないものの、例えば、ホルダ54内部に施された配管(図示略)に水や冷媒を流すことにより、および/または、ペルチェ素子などを用いることにより、光電変換素子パネル20を冷却することができる。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1−1]
(支持体)
放射線画像変換パネルを構成する支持体として、厚さ125μmのポリイミドフィルム製支持体を採用した。
(シンチレータ層の形成)
支持体へのシンチレータ層の形成を、図7に示す蒸着装置50を使用して次のように行った。本実施例では、シンチレータ層として、下地層を形成せず、蛍光体層のみを形成した。
まず、蛍光体原料(CsI)を蒸着材料として第1の抵抗加熱ルツボに充填し、賦活剤(TlI)を第2の抵抗加熱ルツボに充填し、それぞれの内容物を、それぞれ蒸着源57a、57bとした。また、回転可能なホルダ54に蒸着用基板53として上記支持体を設置し、蒸着用基板53と蒸着源57との間隔を400mmに調節した。
次いで、蒸着装置50の真空容器51内部にある空気を一旦排気し、Arガスを導入して蒸着装置50の真空容器51内における真空度を0.5Pa(絶対圧)に調整した後、10rpmの速度でホルダ54と共に蒸着用基板53を回転させた。そして、蒸着用基板53の温度を、蒸着開始時には250℃とし、第1の抵抗加熱ルツボを加熱して蛍光体を蒸着用基板のシンチレータ形成予定面に蒸着して、蛍光体層を構成する部分のうち根元部を3μm形成した。
このように根元部を形成した後、蒸着用基板53の温度を200℃とし、第2の抵抗加熱ルツボの加熱を開始し、蛍光体および賦活剤を蒸着用基板のシンチレータ形成予定面に蒸着して、蛍光体層を構成する部分のうち根元部以外の部分も形成した。このとき、シンチレータ層内の賦活剤濃度が0.3mol%となるように第2の抵抗加熱ルツボの加熱温度を制御することで賦活剤の蒸着速度を調整した。ここで、蒸着用基板の加熱は、ホルダ54を加熱することにより行った。
シンチレータ層の膜厚が400μmとなったところで蒸着を終了し、蒸着用基板53のシンチレータ形成予定面上に所定膜厚のシンチレータ層を有するシンチレータパネルを得た。
[実施例1−2]
(支持体)
放射線画像変換パネルを構成する支持体として、厚さ125μmのポリイミドフィルム製支持体を採用した。
(シンチレータ層の形成)
支持体へのシンチレータ層の形成を、図7に示す蒸着装置を使用して次のように行った。本実施例では、シンチレータ層として、下地層および蛍光体層の両方を形成した。なお、本実施例において根元部は、下地層に位置している。
まず、蛍光体原料(CsI)を蒸着材料として2つの抵抗加熱ルツボに充填し、賦活剤(TlI)を1つの抵抗加熱ルツボに充填した。ここで、蛍光体原料が充填された抵抗加熱ルツボのうちの一方を第1の抵抗加熱ルツボとし、他方を第2の抵抗加熱ルツボとした。また、賦活剤が充填された抵抗加熱ルツボを第3の抵抗加熱ルツボとした。これら第1の抵抗加熱ルツボ、第2の抵抗加熱ルツボ、第3の抵抗加熱ルツボの内容物を、それぞれ、蒸着源57a,57b,57cとした。また、回転可能なホルダ54に蒸着用基板53として上記支持体を設置し、蒸着用基板53と蒸着源57a,57b,57cとの間隔を400mmに調節した。
次いで、蒸着装置50の真空容器51内部にある空気を一旦排気し、Arガスを導入して蒸着装置50の真空容器51内における真空度を0.5Pa(絶対圧)に調整した後、10rpmの速度でホルダ54と共に蒸着用基板53を回転させた。
そして、第1の抵抗加熱ルツボを加熱して蛍光体を蒸着用基板のシンチレータ形成予定面に蒸着して、下地層部分を3μm形成した。このとき、蒸着開始時の蒸着用基板53の温度は5℃とし、徐々に昇温させて下地層部分が3μm形成された際の蒸着用基板53の温度を25℃とした。
引き続き、蒸着用基板53の温度を200℃とし、第2の抵抗加熱ルツボと第3の抵抗加熱ルツボを加熱して蛍光体および賦活剤を蒸着用基板のシンチレータ形成予定面に蒸着して、蛍光体層部分を形成した。シンチレータ層内の賦活剤濃度が0.3mol%となるように調整した。
シンチレータ層の膜厚が400μmとなったところで蒸着を終了し、蒸着用基板53のシンチレータ形成予定面上に所定膜厚のシンチレータ層を有するシンチレータパネルを得た。
[実施例1−3]
下地層部分の形成に際して、下地層部分の膜厚を50μmとしたことを除き、実施例1−2と同様の方法および条件によりシンチレータパネルを得た。
[実施例1−4]
下地層部分の形成に際して、蒸着開始時の蒸着用基板53の温度は5℃とし、下地層部分が3μm形成されるまで蒸着用基板53の温度を5℃に保ったことを除き、実施例1−2と同様の方法および条件によりシンチレータパネルを得た。
[実施例1−5]
下地層部分の形成に際して、蒸着開始時の蒸着用基板53の温度は5℃とし、下地層部分が3μm形成されるまで蒸着用基板53の温度を5℃に保ったことを除き、実施例1−3と同様の方法および条件によりシンチレータパネルを得た。
[実施例1−6]
蒸着用基板53の温度を、蒸着開始時には150℃とし、その後、徐々に昇温させて下地層部分が3μm形成された際の蒸着用基板53の温度を250℃となるように蒸着用基板53の温度を変化させたことを除き、実施例1−1と同様の方法および条件によりシンチレータパネルを得た。
[実施例1−7]
下地層部分の形成に際して、蒸着開始時の蒸着用基板53の温度は150℃とし、徐々に昇温させて下地層部分が3μm形成された際の蒸着用基板53の温度を250℃となるように蒸着用基板53の温度を変化させたことを除き、実施例1−2と同様の方法および条件によりシンチレータパネルを得た。
[実施例1−8]
下地層部分の形成に際して、下地層部分の膜厚を50μmとしたことを除き、実施例1−7と同様の方法および条件によりシンチレータパネルを得た。
[実施例1−9]
下地層部分の形成に際して、下地層部分の膜厚を60μmとしたことを除き、実施例1−2と同様の方法および条件によりシンチレータパネルを得た。
[比較例1]
蛍光体層の形成にあたり、根元部の3μmを形成する際にも、根元部以外の部分を形成する際と同様に第1の抵抗加熱ルツボと第2の抵抗加熱ルツボの両方を加熱したことを除き、実施例1−1と同様の方法および条件によりシンチレータパネルを得た。
[実施例2−1]
蒸着用基板53の温度を、蒸着開始時には150℃とし、その後、徐々に昇温させて下地層部分が3μm形成された際の蒸着用基板53の温度を300℃となるように蒸着用基板53の温度を変化させたことを除き、実施例1−6と同様の方法および条件によりシンチレータパネルを得た。
[実施例2−2]
蒸着用基板53の温度を、蒸着開始時には300℃としたことを除き、実施例1−1と同様の方法および条件によりシンチレータパネルを得た。
[実施例2−3]
下地層部分の形成に際して、蒸着開始時の蒸着用基板53の温度は80℃とし、徐々に昇温させて下地層部分が3μm形成された際の蒸着用基板53の温度を250℃に変化させたことを除き、実施例1−7と同様の方法および条件によりシンチレータパネルを得た。
[実施例2−4]
根元部の3μmが蒸着された後の蒸着用基板53の温度を320℃としたことを除き、実施例1−1と同様の方法および条件によりシンチレータパネルを得た。
[実施例3−1]
(光電変換素子パネル)
ガラス基板上に複数のフォトダイオードと複数のTFT素子を形成することにより光電変換素子パネルを得た。
この光電変換素子パネルを、シンチレータ層形成に用いた。
(シンチレータ層の形成)
図7に示す蒸着装置を用いたシンチレータ層の形成を、厚さ125μmのポリイミドフィルム製支持体に代えて、上記光電変換素子パネル上に行ったことを除き、実施例1−1と同様の方法および条件を適用し、放射線画像検出器を得た。
ここで、シンチレータ層の形成は、上記光電変換素子パネルの、光電変換素子が設けられた側に行った。
[実施例3−2]
(光電変換素子パネル)
ガラス基板上に複数のフォトダイオードと複数のTFT素子を形成することにより光電変換素子パネルを得た。
この光電変換素子パネルを、シンチレータ層形成に用いた。
(シンチレータ層の形成)
図7に示す蒸着装置を用いたシンチレータ層の形成を、厚さ125μmのポリイミドフィルム製支持体に代えて、上記光電変換素子パネル上に行ったことを除き、実施例1−2と同様の方法および条件を適用し、放射線画像検出器を得た。
ここで、シンチレータ層の形成は、上記光電変換素子パネルのうちの、光電変換素子が設けられた側に行った。
[実施例3−3]
下地層部分の形成に際して、下地層部分の膜厚を50μmとしたことを除き、実施例3−2と同様の方法および条件により放射線画像検出器を得た。
[実施例3−4]
下地層部分の形成に際して、蒸着開始時の蒸着用基板53の温度は5℃とし、下地層部分が3μm形成されるまで蒸着用基板53の温度を5℃に保ったことを除き、実施例3−2と同様の方法および条件により放射線画像検出器を得た。
[実施例3−5]
下地層部分の形成に際して、蒸着開始時の蒸着用基板53の温度は5℃とし、下地層部分が3μm形成されるまで蒸着用基板53の温度を5℃に保ったことを除き、実施例3−3と同様の方法および条件により放射線画像検出器を得た。
[実施例3−6]
蒸着用基板53の温度を、蒸着開始時には150℃とし、その後、徐々に昇温させて下地層部分が3μm形成された際の蒸着用基板53の温度を250℃となるように蒸着用基板53の温度を変化させたことを除き、実施例3−1と同様の方法および条件により放射線画像検出器を得た。
[実施例3−7]
下地層部分の形成に際して、蒸着開始時の蒸着用基板53の温度は150℃とし、徐々に昇温させて下地層部分が3μm形成された際の蒸着用基板53の温度を250℃となるように蒸着用基板53の温度を変化させたことを除き、実施例3−2と同様の方法および条件により放射線画像検出器を得た。
[実施例3−8]
下地層部分の形成に際して、下地層部分の膜厚を50μmとしたことを除き、実施例3−7と同様の方法および条件により放射線画像検出器を得た。
[実施例3−9]
下地層部分の形成に際して、下地層部分の膜厚を60μmとしたことを除き、実施例3−2と同様の方法および条件により放射線画像検出器を得た。
[比較例2]
蛍光体層の形成にあたり、根元部の3μmを形成する際にも、根元部以外の部分を形成する際と同様に第1の抵抗加熱ルツボと第2の抵抗加熱ルツボの両方を加熱したことを除き、実施例3−1と同様の方法および条件により放射線画像検出器を得た。
[実施例4−1]
蒸着用基板53の温度を、蒸着開始時には150℃とし、その後、徐々に昇温させて下地層部分が3μm形成された際の蒸着用基板53の温度を300℃となるように蒸着用基板53の温度を変化させたことを除き、実施例3−6と同様の方法および条件により放射線画像検出器を得た。
[実施例4−2]
蒸着用基板53の温度を、蒸着開始時には300℃としたことを除き、実施例3−1と同様の方法および条件により放射線画像検出器を得た。
[実施例4−3]
下地層部分の形成に際して、蒸着開始時の蒸着用基板53の温度は80℃とし、徐々に昇温させて下地層部分が3μm形成された際の蒸着用基板53の温度を250℃に変化させたことを除き、実施例3−7と同様の方法および条件により放射線画像検出器を得た。
[実施例4−4]
根元部の3μmが蒸着された後の蒸着用基板53の温度を320℃としたことを除き、実施例3−1と同様の方法および条件により放射線画像検出器を得た。
[シンチレータパネル、放射線画像検出器の評価]
各実施例および比較例で得られたシンチレータパネルおよび放射線画像検出器につき、以下の項目で評価を行った。ここで、輝度及びMTFの評価は、実施例1−1〜1−9および2−1〜2−4、並びに、比較例1については、各シンチレータパネルを、PaxScan(Varian社製FPD:2520;以下、この項において「FPD」)にセットして放射線画像検出器として、以下のように行った。また、実施例3−1〜3−9および4−1〜4−4、並びに、比較例2については、そのまま放射線画像検出器として、以下のように行った。結果は、下記表1−1および1−2に示す。
・結晶径a,b,c
各シンチレータパネルおよび各放射線画像検出器における平均結晶径は、以下のように求めた。
形成された柱状結晶からなるシンチレータ層に白金パラジウムをコーティングした後に、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)(日立製作所製S−800)にて観察し、個々の柱状結晶断面に外接する円の直径である円相当径を、30本の柱状結晶について測定し、これらの円相当径の平均値として得られる平均円相当径として求めた。
ここで、高さ1μmの位置における前記柱状結晶の結晶径aおよび高さ3μmの位置における前記柱状結晶の結晶径bは、結晶内をエポキシ樹脂で埋め、結晶膜表面を研磨により支持体側からそれぞれ1μmおよび3μmになるまで削って得られた結晶面を観察して得られた円相当径の平均値として求めた。
また、シンチレータ層の最表部における前記柱状結晶の平均結晶径cは、柱状結晶を、基板側と反対側から10μm削って得られた結晶面を観察して得られた円相当径の平均値として求めた。
・輝度
FPDに管電圧80kVpのX線を照射し、得られた画像データの平均シグナル値を発光量として輝度の評価を行った。表1−1および1−2では比較例1の発光量を輝度1.0とし、その1倍(同等)以上1.2倍未満のものを「○」、1.2倍以上のものを「◎」と評価した。
・MTF
鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線をFPDの放射線入射面側に照射し、画像データを検出しハードディスクに記録した。その後、ハードディスク上の記録をコンピュータで分析して当該ハードディスクに記録されたX線像の変調伝達関数MTF(空間周波数1サイクル/mmにおけるMTF値)を鮮鋭性の指標とした。表中、MTF値が高いほど鮮鋭性に優れていることを示す。MTFはModulation Transfer Functionの略号を示す。
表1−1および1−2中のMTF値は放射線変換パネル内、放射線画像検出器内の9箇所を測定し、その平均値によって評価を行った。表1−1および1−2では、使用可能レベルの特性である実施例2−2を基準として、その0.8倍未満のものを「×」、0.8倍以上1.0倍未満のものを「△」、1.0倍(同等)以上1.2倍未満のものを「○」、1.2倍以上のものを「◎」と評価した。
・強度
シンチレータパネルまたは放射線画像検出器を、プレス機を用いて、それぞれ1.5MPa、1.7MPa、2.0MPaで加圧し、その後SEMでシンチレータパネル表面、放射線画像検出器表面を観察して結晶の変形の有無を確認した。結晶の変形が認められなかった最大の圧力が、1.5MPa未満のものを「×」、1.5MPa以上1.7MPa未満のものを「△」、1.7MPa以上2MPa未満のものを「○」、2MPa以上のものを「◎」と評価した。
Figure 2014232083
Figure 2014232083
10 ・・・本発明に係る放射線画像変換パネル
90 ・・・従来の放射線画像変換パネル
11,91 ・・・支持体
12,12',92 ・・・シンチレータ層
120,120',920 ・・・柱状結晶
121,121' ・・・蛍光体層
122,122' ・・・下地層
13,13' ・・・反射層
20 ・・・光電変換素子パネル
30 ・・・第1の放射線画像検出器
40 ・・・第2の放射線画像検出器
50 ・・・蒸着装置
51 ・・・真空容器
52 ・・・真空ポンプ
53 ・・・蒸着用基板
54 ・・・ホルダ
55 ・・・回転機構
56 ・・・回転軸
57,57a,57b,57c ・・・蒸着源
58 ・・・シャッター

Claims (15)

  1. 支持体と、該支持体上に形成されたシンチレータ層とを有し、
    該シンチレータ層が、蛍光体を含有する柱状結晶を複数含み、且つ、
    該複数の柱状結晶が、該支持体と接する根元部同士が互いに独立した態様で存在している
    放射線画像変換パネル。
  2. 前記支持体が存在する面を基準として、高さ1μmの位置における前記柱状結晶の平均結晶径aと高さ3μmの位置における前記柱状結晶の平均結晶径bとが、1≦(b/a)≦3の関係を満たし、かつ、結晶径bが3μm以下である請求項1に記載の放射線画像変換パネル。
  3. 前記シンチレータ層の最表部における前記柱状結晶の平均結晶径cが10μm以下であり、且つ、前記シンチレータ層の厚さが100〜1,000μmである請求項1または2に記載の放射線画像変換パネル。
  4. 前記シンチレータ層が下地層と蛍光体層とからなり、前記支持体上に、該下地層と該蛍光体層とがこの順で積層されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
  5. 前記下地層の厚さが3〜50μmである請求項4に記載の放射線画像変換パネル。
  6. 前記シンチレータ層が、前記柱状結晶の結晶径が不連続に変化する箇所を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
  7. 前記シンチレータ層が、気相堆積法により形成された柱状結晶からなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネルと、光電変換素子パネルとを有する放射線画像検出器。
  9. 光電変換素子パネルと、該光電変換素子パネル上に形成されたシンチレータ層とを有し、
    該シンチレータ層が、蛍光体を含有する柱状結晶を複数含み、且つ、
    該複数の柱状結晶が、該光電変換素子パネルと接する根元部同士が互いに独立した態様で存在している
    放射線画像検出器。
  10. 前記光電変換素子パネルが存在する面を基準として、高さ1μmの位置における前記柱状結晶の平均結晶径a'と高さ3μmの位置における前記柱状結晶の平均結晶径b'とが1≦(b'/a')≦3の関係を満たし、かつ、結晶径b'が3μm以下である請求項9に記載の放射線画像検出器。
  11. 前記シンチレータ層の最表部における前記柱状結晶の平均結晶径c'が10μm以下であり、且つ、前記シンチレータ層の厚さが100〜1,000μmである請求項9または10に記載の放射線画像検出器。
  12. 前記シンチレータ層が下地層と蛍光体層とからなり、前記光電変換素子パネル上に、該下地層と該蛍光体層とがこの順で積層されている、請求項9〜11のいずれか1項に記載の放射線画像検出器。
  13. 前記下地層の厚さが3〜50μmである請求項12に記載の放射線画像検出器。
  14. 前記シンチレータ層が、前記柱状結晶の結晶径が不連続に変化する箇所を有する請求項9〜13のいずれか1項に記載の放射線画像検出器。
  15. 前記シンチレータ層が、気相堆積法により形成された柱状結晶からなる請求項9〜14のいずれか1項に記載の放射線画像検出器。
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