JP2008122275A - シンチレータパネル、その製造方法及び放射線イメージセンサ - Google Patents

シンチレータパネル、その製造方法及び放射線イメージセンサ Download PDF

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    • G01T1/20Measuring radiation intensity with scintillation detectors
    • G01T1/202Measuring radiation intensity with scintillation detectors the detector being a crystal

Abstract

【課題】本発明の目的は、耐衝撃性に優れる、シンチレータパネル、その製造方法および放射線イメージセンサを提供することにある。
【解決手段】基板と、該基板上に設けられた反射層と、該反射層上に設けられた中間層と、該中間層上に設けられたシンチレータ層、とを有するシンチレータパネルにおいて、該中間層がガラス転移点を有する樹脂を含有し、該中間層が、該中間層を該樹脂のガラス転移点の温度以上に加熱する工程を経たことを特徴とするシンチレータパネル。
【選択図】図1

Description

本発明は、被写体の放射線画像を形成する際に用いられるシンチレータパネル、これを用いた放射線イメージセンサおよびシンチレータパネルの製造方法に関する。
従来から、X線画像のような放射線画像は医療現場において病状の診断に広く用いられている。特に、増感紙−フィルム系による放射線画像は、長い歴史のなかで高感度化と高画質化が図られた結果、高い信頼性と優れたコストパフォーマンスを併せ持った撮像システムとして、いまなお、世界中の医療現場で用いられている。
しかしながらこれら画像情報はいわゆるアナログ画像情報であって、近年発展を続けているデジタル画像情報のような、自由な画像処理や瞬時の電送ができない。
そして、近年ではコンピューテッドラジオグラフィ(CR)やフラットパネル型の放射線ディテクタ(FPD)等に代表されるデジタル方式の放射線画像検出装置が登場している。これらは、デジタルの放射線画像が直接得られ、陰極管や液晶パネル等の画像表示装置に画像を直接表示することが可能である。
その結果、これらのデジタル方式のX線画像検出装置は、銀塩写真方式による画像形成の必要性を低減させ、病院や診療所での診断作業の利便性を大幅に向上させている。
上記のコンピューテッド・ラジオグラフィ(CR)が現在医療現場で受け入れられている。しかしながら鮮鋭性が十分でなく空間分解能も不充分であり、スクリーン・フィルムシステムの画質レベルには到達していない。
そして、さらに新たなデジタルX線画像技術として、例えば雑誌Physics Today,1997年11月号24頁のジョン・ローランズ論文“Amorphous Semiconductor Usher in Digital X−ray Imaging”や、雑誌SPIEの1997年32巻2頁のエル・イー・アントヌクの論文”Development of a High Resolution,Active Matrix,Flat−Panel Imager with Enhanced Fill Factor”等に記載された、薄膜トランジスタ(TFT)を用いた平板X線検出装置(FPD)が開発されている。
平板放射線検出装置(FPD)はCRより装置が小型化し、高線量での画質が優れているという特徴がある。これらのFPDは、放射線により蛍光を発光する蛍光体層を有し、発光体層に対向する光検出器を備えている。
また光検出器での効率向上のために、蛍光体層と共に反射層を設けた構成が知られおり、反射層としてはアルミニウムなどの金属膜を用いることが知られてる。
反射層としてアルミニウムなどの金属膜を用いる場合には、水分に基づく変質等が起き、反射膜としての機能を減退させる場合があり、これを防止するために保護膜を設ける構成が知られている(特許文献1参照)。
即ち、基板上に設けられた反射性金属薄膜と、この反射性金属薄膜を覆う保護膜と、この保護膜の上に設けられた蛍光体層(シンチレータ層)を有しこの蛍光体層に対向して設けられた光検出器とを備える放射線検出装置が知られている。
しかしながら、このような構成の放射線検出装置は、衝撃を受けた場合に光検出機能が損なわれる場合があるといった問題があった。
特開2000−356679号公報
本発明の目的は、耐衝撃性に優れる、シンチレータパネル、その製造方法および放射線イメージセンサを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
1.基板と、該基板上に設けられた反射層と、該反射層上に設けられた中間層と、該中間層上に設けられたシンチレータ層、とを有するシンチレータパネルにおいて、該中間層がガラス転移点を有する樹脂を含有し、該中間層が、該中間層を該樹脂のガラス転移点の温度以上に加熱する工程を経たことを特徴とするシンチレータパネル。
2.前記樹脂のガラス転移点の温度が、30℃〜100℃であることを特徴とする1に記載のシンチレータパネル。
3.前記ガラス転移点を有する樹脂が、ポリエステル樹脂であることを特徴とする1または2に記載のシンチレータパネル。
4.前記中間層の厚さが、0.2μm〜2.5μmであることを特徴とする1〜3のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
5.前記反射層が、アルミニウムを含有する膜であることを特徴とする1〜4のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
6.1〜5のいずれか1項に記載のシンチレータパネルであって、前記中間層のシンチレータ層側の表面形状が、前記中間層を該樹脂のガラス転移点の温度以上に加熱する工程により、前記シンチレータ層の前記中間層に対面する側の表面形状に追従する形で熱変形した表面形状であることを特徴とするシンチレータパネル。
7.1〜6のいずれか1項に記載のシンチレータパネルの前記シンチレータ層に対向して光検出器を備えたことを特徴とする放射線イメージセンサ。
8.1〜6のいずれか1項に記載のシンチレータパネルの製造方法であって、シンチレータ層は蒸着工程により設けられた層であり、該蒸着工程中に、前記ガラス転移点の温度以上に加熱する工程が行われることを特徴とするシンチレータパネルの製造方法。
本発明の上記構成により、耐衝撃性に優れる、シンチレータパネル、その製造方法および放射線イメージセンサが提供できる。
本発明は、基板と、該基板上に設けられた反射層と、該反射層上に設けられた中間層と、該中間層上に設けられたシンチレータ層、とを有するシンチレータパネルにおいて、該中間層がガラス転移点を有する樹脂を含有し、該中間層が、該中間層を該樹脂のガラス転移点の温度以上に加熱する工程を経た中間層であることを特徴とする。
本発明では、特に反射層とシンチレータ層との間に中間層を有し、中間層が、該中間層を該樹脂のガラス転移点の温度以上に加熱する工程を経たものであることにより、耐衝撃性に優れた、シンチレータパネルを提供することができる。
以下、図1〜4を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
図1は、本発明のシンチレータパネルの断面図である。図2は、本発明の放射線イメージセンサの断面図である。図3は、本発明のシンチレータパネルの製造方法を示した概略図である。図4は、中間層のシンチレータ層側の表面形状を例示した図である。
図1に示すように、シンチレータパネル10は、基板1上に、反射層2を有し、反射層2の上に中間層3を有し、中間層3の上にシンチレータ層4を備えたものである。
(基板)
本発明に係る基板は、反射層を担持可能な板状、フィルム体であり、X線等の放射線を入射線量に対し10%以上を透過させることが可能なものである。
基板としては、各種のガラス、高分子材料、金属等を用いることができる。例えば、石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強化ガラスなどの板ガラス、サファイア、チッ化珪素、炭化珪素などのセラミック基板、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム燐、ガリウム窒素など半導体基板、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム、炭素繊維強化樹脂シート等のプラスチックフィルム、アルミニウムシート、鉄シート、銅シート等の金属シート或いは金属酸化物の被覆層を有する金属シートなどを用いることができる。
これらの中でも、耐久性や軽量化といった観点から、アルミニウムシートや炭素繊維強化樹脂シート、ポリイミドフィルムが好ましく用いられる。
また、基板の厚さは、耐性の向上や軽量化といった観点から、50μm〜500μmの範囲にあることが好ましい。
(反射層)
シンチレータパネル10に対し、基板1方向からシンチレータ層4側に向けて放射線が入射されると、シンチレータ4に入射された放射線は、シンチレータ層4中の蛍光体に放射線エネルギーが吸収され、シンチレータ層4から、入射された放射線の強度に応じて、蛍光体から電磁波(光)が発光される。
発光された電磁波は、シンチレータ層の放射線が入射された面と反対の面(放射面)に至るものも有るが、基板1側の方向に放射進行する光もある。
本発明に係る反射層lは、この基板1側の方向に放射進行する電磁波を反射しうる層である。
反射層としては、金属薄膜が好ましく用いられる。金属薄膜としては、Al、Ag、Cr、Cu、Ni、Ti、Mg、Rh、Pt及びAuからなる群の中の物質を含む材料からなる膜が好ましく用いられる。更に、Cr膜上にAu膜を形成する等、金属薄膜を2層以上形成してもよい。
本発明においては、反射層として、上記のなかでも特にアルミニウムを含有する膜を用いる態様が好ましい態様である。
(中間層)
本発明に係る中間層は、反射層とシンチレータ層の間に有る層であり、ガラス転移点を有する樹脂を含有し、中間層がこの樹脂のガラス転移点の温度以上に加熱される工程を経たものである。
本発明に係るガラス転移点の温度は、示差走査熱量計を用い、5℃/分で昇温させる条件にて測定して得られたガラス転移温度をいう。
本発明に係るガラス転移点を有する樹脂とは、上記定義によるガラス転移点の温度の値を有する樹脂であり、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリルアミド又はこれらの誘導体及び部分加水分解物、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸エステル等のビニル重合体及びその共重合体、ロジン、シェラック等の天然物及びその誘導体などが挙げられる。
又、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル及びその誘導体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ポリオレフィン、オレフィン−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンも使用することができる。その他カーボネート系、ポリエステル系、ウレタン系、エポキシ系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン及びポリピロールのごとき有機半導体も使用することができる。中でも、ポリエステル樹脂が好ましい。
ポリエステル樹脂としては、具体的には多塩基酸、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラクロル無水フタル酸、ヘキサクロロエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ジメチレンテトラヒドロフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の飽和多塩基酸等、またはマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水シトラコン酸等の不飽和多塩基酸等の多塩基酸と、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール等の二価アルコール類、グリセリン、トリメチロールプロパン等の三価アルコール類、ペンタエリトリット、ジペンタエリトリット、マンニット、ソルビット等の多価アルコール類、2,2−ジフェニルプロパン(ビスフェノールA)等のビスフェノール類等のポリオールとの縮合反応によって得られたポリエステル樹脂があげられる。
本発明に係る中間層は、上記ガラス転移点を有する樹脂を溶剤に溶解した塗布液を用い塗布、乾燥することにより設層することができる。溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなどの低級アルコール、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの塩素原子含有炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、キシレンなどの芳香族化合物、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエステル、エチレングリコールモノメチルエステルなどのエーテル及びそれらの混合物を挙げることができる。
中間層は、ガラス転移点を有する樹脂を含有するが、含有量としては、90質量%〜100質量%が好ましく、この樹脂以外の成分としては、界面活性剤、などを含んでもよい。
中間層の膜厚としては、耐衝撃性の面から0.1〜20μmが好ましく、0.2〜2.5μmがより好ましい。
また、ガラス転移点の温度(Tg)としては、30〜100℃であることが本発明の効果をより奏する点で好ましく、特に50℃から80℃であることが好ましい。
本発明に係る、ガラス転移点の温度以上に加熱する工程は、シンチレータ層が設けられた後、あるいはシンチレータ層が設けられる際に行われる。特に、この工程は、下記に述べるシンチレータ層を設ける際に行われることが好ましい。
〈シンチレータ層〉
前記光吸収層の上に形成されるシンチレータ層について説明する。
シンチレータ層は、放射線の照射により、蛍光を発する放射線蛍光体を含有する層である。
本発明に用いることができる放射線蛍光体としては、放射線から可視光に対する変更率が比較的高く、蒸着によって容易に蛍光体を柱状結晶構造に形成出来るため、光ガイド効果により結晶内での発光光の散乱が抑えられ、シンチレータ層の厚さを厚くすることが可能であることからヨウ化セシウム(CsI)が好ましい。
但しCsIのみでは発光効率が低いために、各種の賦活剤が添加される。例えば、特公昭54−35060号の如く、CsIとヨウ化ナトリウム(NaI)を任意のモル比で混合したものが挙げられる。
又最近では、例えば特開2001−59899号に示されたように、CsIを蒸着で、インジウム(In)、タリウム(Tl)、リチウム(Li)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、ナトリウム(Na)などの賦活物質をスパッタで形成するX線蛍光体製作方法なども考案されている。
また、ベースとなる蛍光体であるCsIの代わりに、CsBrやCsCl等を用いる構成としてもよい。また、シンチレータ層3は、前述のCsI、CsBr、CsClのうち、二種類以上の蛍光体が任意の混合比率で形成された混晶体をベースとして結晶が形成されたものであっても構わない。
シンチレータ層4の形成は、従来公知の方法により形成することが可能であるが、本発明においては気相堆積法により形成されたシンチレータ層であることが好ましい。
図3は、中間層を有する基板上に気相堆積法でシンチレータ層を形成する蒸着装置の模式図である。
図中、20は蒸着装置を示す。蒸着装置20は、真空容器22と、真空容器22内に設けられた基板ホルダ25には、反射層2および中間層3を有する基板1が保持されており、蒸気を蒸着させる蒸発源23と基板ホルダ25を蒸発源23に対して回転させることによって蒸発源23からの蒸気を蒸着させる基板回転機構24と、真空容器22内の排気及び大気の導入を行う真空ポンプ21等を備えている。
蒸発源23は、シンチレータ層形成材料を収容して抵抗加熱法で加熱するため、ヒータを巻いたアルミナ製のルツボから構成してもよいし、ボートや、高融点金属からなるヒータから構成してもよい。又、シンチレータ層形成材料を加熱する方法は、抵抗加熱法以外に電子ビームによる加熱や、高周波誘導による加熱等の方法でもよいが、本発明では、比較的簡単な構成で取り扱いが容易、安価、且つ、非常に多くの物質に適用可能である点から抵抗加熱法が好ましい。
又、基板ホルダ25には、反射層2および中間層3を有する基板1を加熱する加熱ヒータ(図示しない)を備えることが好ましい。また、蒸着装置20は、装置内の雰囲気を加熱する加熱ヒータ(図示せず)を備えることが好ましい。
これらの加熱ヒータにより、中間層をガラス転移点の温度以上に加熱することができる。
中間層3と蒸発源23との間に、蒸発源23から中間層3に至る空間を遮断するシャッタ(図示せず)を備えるようにしてもよい。シャッタによってシンチレータ層形成材料の表面に付着した目的物以外の物質が蒸着の初期段階で蒸発し、中間層3に付着するのを防ぐことが出来る。
本発明のシンチレータパネルにおいては、中間層上にシンチレータ層として、蒸着法によりCsIを主体とする柱状結晶が形成されたものであることが最も好まし態様である。
本発明のシンチレータパネルの製造方法において、シンチレータ層は蒸着工程により設けられた層であり、この蒸着工程中に、中間層に含まれる樹脂のガラス転移点の温度以上に加熱する工程が行われる。
加熱するには、上記のような蒸着工程における雰囲気温度を加熱することにより中間層を加熱することができる。
図4は、中間層のシンチレータ側の表面形状を例示した図であり、シンチレータ層として、上記のような柱状結晶7が形成されたものを用いた場合を模式的に例示した図である。中間層のシンチレータ側の表面形状は、シンチレータ層の中間層に対面する側の表面形状に追従する形で熱変形した表面形状である。
本発明の製造方法により、製造されたシンチレータパネルでは、特に中間層の形状として、シンチレータ層側の表面が、中間層に対面するシンチレータ層の表面形状に追従する形で熱変形して、例えば穴部7が形成される。
本発明に係る、表面形状に追従する形で熱変形した形状、とは上記のようにシンチレータ層の表面の凸部に対応する部分が、中間層では穴部となり、シンチレータ層の表面の凹部に対応する部分が、中間層では凸部となる如く、熱により変形した形状をいう。
即ち、本発明の好ましい態様としては、基板と、該基板上に設けられた反射層と、該反射層上に設けられた中間層と、該中間層上に設けられたシンチレータ層、とを有するシンチレータパネルにおいて、該中間層がガラス転移点を有する樹脂を含有し、該中間層を該樹脂のガラス転移点の温度以上に加熱する工程により、該中間層のシンチレータ層側の表面形状が、該中間層に対面する該シンチレータ層の表面形状に追従する形で熱変形した表面形状であることを特徴とするシンチレータパネルが、好ましい態様である。
穴部7の深さとしては、0.001μmから0.5μmが好ましく、特に0.001μmから0.1μmが好ましい。また、穴部の広さとしては、シンチレータ層に用いられる結晶の種類にもよるが0.001μm2〜10μm2であることが好ましい。
(放射線イメージセンサ)
図2は、本発明の放射線イメージセンサの断面図である。
本発明の放射線イメージセンサ30は、シンチレータ層4に対向して光検出器5を備えている。
本発明に係る光検出器5は、シンチレータ層で発光された光を電気信号に変換する機能を有するものであり、フォトダイオードやCCDやCMOSセンサーなどの固体光検出素子を含む光電変換部材を有している。検出された電気信号は、A/D変換されて、放射線画像信号として出力され、画像データとして利用される。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(反射層の作製)
厚さ125μmのポリイミドフィルム(宇部興産製UPILEX−125S)にアルミをスパッタして反射層(0.01μm)を形成した。
(中間層の作製)
バイロン200(東洋紡社製:高分子ポリエステル樹脂)(ガラス転移温度:67℃)
100質量部
メチルエチルケトン(MEK) 100質量部
トルエン 100質量部
上記処方を混合し、ビーズミルにて15時間分散し、中間層塗設用の塗布液を得た。この塗布液を上記基板のアルミをスパッタ面に乾燥膜厚が1.5μmになるようにバーコーターで塗布した。この塗布膜のガラス転移点の温度は67℃である。
(シンチレータ層の形成)
基板の中間層側にシンチレータ蛍光体(CsI:0.003Tl)を、図3に示す蒸着装置を使用して蒸着させシンチレータ(蛍光体)層を形成した。
まず、上記蛍光体原料を蒸着材料として抵抗加熱ルツボに充填し、また回転する支持体ホルダに支持体を設置し、支持体と蒸発源との間隔を400mmに調節した。
続いて蒸着装置内を一旦排気し、Arガスを導入して0.5Paに真空度を調整した後、10rpmの速度で支持体を回転した。
さらに蒸着装置内にある加熱装置(図示せず)を用い、中間層の温度を200℃に保持した。この時基板は中間層と同様の温度に保持される。次いで、抵抗加熱ルツボを加熱して蛍光体を蒸着しシンチレータ層の膜厚が500μmとなったところで蒸着を終了させシンチレータパネル(放射線像変換パネル)を得た。
〈評価〉
得られた試料を封止した後、CMOSフラットパネル(ラドアイコン社製X線CMOSカメラシステムShad−o−Box4KEV)にセットし、放射線イメージセンサ1−1を得た。
この放射線イメージセン1−1を用い、12bitの出力データより鮮鋭性を以下に示す方法で測定し、以下に示す方法により評価した。
尚、放射線入射窓のカーボン板とシンチレータパネルの放射線入射側(蛍光体のない側)にスポンジシートを配置し、平面受光素子面とシンチレータパネルを軽く押し付けることで両者を固定化した。
〈鮮鋭性の評価方法〉
鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線を各試料の裏面(シンチレータ層が形成されていない面)から照射し、画像データをシンチレータを配置したCMOSフラットパネルで検出しハードディスクに記録した。その後、ハードディスク上の記録をコンピュータで分析して当該ハードディスクに記録されたX線像の変調伝達関数MTF(空間周波数1サイクル/mmにおけるMTF値)を鮮鋭性の指標として測定した。
次に、放射線イメージセンサ1−1に対し、質量5kgの鉄塊を0.5m/秒の速度で重力の方向に対して垂直の方向から衝突させた。衝突させて得られた放射線イメージセンサ1−2を用い上記と同様の評価を行った。
放射線イメージセンサ1−1において、中間層を備えず中間層への加熱を実施しない他は、上記と同様の方法で放射線イメージセンサ2−1を得た。放射線イメージセンサ2−1および、放射線イメージセンサ2−1に上記と同様に鉄塊を衝突させた放射線イメージセンサ2−2を用い、上記と同様の評価を行った。
放射線イメージセンサ1−1において、基板および中間層への加熱を実施しない他は、上記と同様の方法で放射線イメージセンサ3−1を得た。放射線イメージセンサ3−1および、放射線イメージセンサ3−1に上記と同様に鉄塊を衝突させた放射線イメージセンサ3−2を用い、上記と同様の評価を行った。
放射線イメージセンサ1−1において、中間層を備えない他は、上記と同様の方法で放射線イメージセンサ4−1を得た。この場合、蒸着装置内にある加熱装置(図示せず)を用い、基板の温度を200℃に保持した。放射線イメージセンサ4−1および、放射線イメージセンサ4−1に上記と同様に鉄塊を衝突させた放射線イメージセンサ4−2を用い、上記と同様の評価を行った。
尚、鮮鋭性の評価については、例えばイメージセンサ1−1に示される枝番号1の変調伝達関数MTFを1.0としたときの、例えばイメージセンサ1−2に示される枝番号2の変調伝達関数MTFの相対値で表した。
以下これを相対MTF値と呼ぶ。MTF値の相対値が高いほど鮮鋭性に優れていることを示す。MTFはModulation Transfer Functionの略号を示す。上記のようにして得られた放射線イメージセンサについて合計4つの相対値を求めることで評価を行った。用いた放射線イメージセンサの一覧を表1に示す。
Figure 2008122275
○:有り、×:無し
結果を下記に示す。
Figure 2008122275
表2に示すようにイメージセンサ1−1に衝撃を与えたイメージセンサ1−2の相対MTF値は、0.99であった。
中間層を備えず、基板および中間層への加熱を実施しないイメージセンサ2−1に衝撃を与えたイメージセンサ2−2の相対MTF値は0.75であった。
基板および中間層への加熱を実施しないイメージセンサ3−1に衝撃を与えたイメージセンサ3−2の相対MTF値は0.78であった。
また、中間層を備えないイメージセンサ4−1に衝撃を与えたイメージセンサ4−2の 相対MTF値は0.74であった。
この結果から、中間層を備え、中間層への加熱を同時に満たした本発明のシンチレータパネルは、対衝撃性に優れていることが分かる。
シンチレータパネルの概略構成を示す断面図である。 放射線イメージセンサの概略構成を示す断面図である。 蒸着装置の概略構成を示す構成図である。 シンチレータ層の表面形状に追従する形で熱変形した、中間層の表面形状の例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 基板
2 反射層
3 中間層
4 シンチレータ層
5 光検出器
6 柱状結晶
7 穴部
10 シンチレータパネル
20 蒸着装置
21 真空ポンプ
22 真空容器
23 抵抗加熱ルツボ
24 回転機構
25 基板ホルダ
30 放射線イメージセンサ

Claims (8)

  1. 基板と、該基板上に設けられた反射層と、該反射層上に設けられた中間層と、該中間層上に設けられたシンチレータ層、とを有するシンチレータパネルにおいて、該中間層がガラス転移点を有する樹脂を含有し、該中間層が、該中間層を該樹脂のガラス転移点の温度以上に加熱する工程を経たことを特徴とするシンチレータパネル。
  2. 前記樹脂のガラス転移点の温度が、30℃〜100℃であることを特徴とする請求項1に記載のシンチレータパネル。
  3. 前記ガラス転移点を有する樹脂が、ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載のシンチレータパネル。
  4. 前記中間層の厚さが、0.2μm〜2.5μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
  5. 前記反射層が、アルミニウムを含有する膜であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のシンチレータパネルであって、前記中間層のシンチレータ層側の表面形状が、前記中間層を該樹脂のガラス転移点の温度以上に加熱する工程により、前記シンチレータ層の前記中間層に対面する側の表面形状に追従する形で熱変形した表面形状であることを特徴とするシンチレータパネル。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のシンチレータパネルの前記シンチレータ層に対向して光検出器を備えたことを特徴とする放射線イメージセンサ。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のシンチレータパネルの製造方法であって、シンチレータ層は蒸着工程により設けられた層であり、該蒸着工程中に、前記ガラス転移点の温度以上に加熱する工程が行われることを特徴とするシンチレータパネルの製造方法。
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