JP5602454B2 - シンチレータ材料 - Google Patents

シンチレータ材料 Download PDF

Info

Publication number
JP5602454B2
JP5602454B2 JP2010037923A JP2010037923A JP5602454B2 JP 5602454 B2 JP5602454 B2 JP 5602454B2 JP 2010037923 A JP2010037923 A JP 2010037923A JP 2010037923 A JP2010037923 A JP 2010037923A JP 5602454 B2 JP5602454 B2 JP 5602454B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
csi
emission
composition
wavelength
scintillator material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010037923A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011074352A (ja
JP2011074352A5 (ja
Inventor
良太 大橋
伸浩 安居
透 田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2010037923A priority Critical patent/JP5602454B2/ja
Priority to PCT/JP2010/005345 priority patent/WO2011027537A1/en
Priority to US13/393,133 priority patent/US8506845B2/en
Priority to CN201080038773.9A priority patent/CN102575160B/zh
Publication of JP2011074352A publication Critical patent/JP2011074352A/ja
Publication of JP2011074352A5 publication Critical patent/JP2011074352A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5602454B2 publication Critical patent/JP5602454B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K11/00Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials
    • C09K11/08Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials
    • C09K11/62Luminescent, e.g. electroluminescent, chemiluminescent materials containing inorganic luminescent materials containing gallium, indium or thallium
    • C09K11/626Halogenides
    • C09K11/628Halogenides with alkali or alkaline earth metals

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Description

本発明は、シンチレータ材料に関するものである。特に放射線を可視光に変換するシンチレータ材料に関するものである。
放射線診断用画像検出器として、照射されたX線を検出することにより、X線撮影像をデジタル信号として得るものが用いられている。この放射線検出器には、大きく分けて直接型X線検出器と、間接型X線検出器がある。間接型X線検出器とは、X線を蛍光体により可視光に変化させ、この可視光をアモルファスシリコン(a−Si)フォトダイオードやCCD(charge couple device)などの光電変換素子で電荷信号に変換させて画像を取得する検出器である。
間接型X線検出器の光電変換素子としてa−Siを使用する場合、アモルファスシリコンは450nmから650nmの波長帯域に感度を有することから、450nmから650nm程度の波長帯域に発光を示す蛍光体が求められる。
従来では、特許文献1に記載されているように、ヨウ化セシウム(CsI)にタリウム(Tl)を添加したヨウ化セシウム:タリウム(CsI:Tl)が用いられている。CsI:Tlの発光ピーク波長は、Tlの添加濃度により約540nmから565nmの間の波長帯域で変化する。例えば、図5(a)にCsI:Tlシンチレータ材料におけるTl添加濃度による発光スペクトルの変化を示す。CsIに対してTlを低濃度(0.010mol%)に添加した場合は約540nmに発光ピークを示し、Tlを高濃度(1.0mol%)に添加した場合は約565nmに発光ピークを示す(図5(a)参照)。このように、CsI:Tlは、発光中心であるTlを高濃度添加することで発光波長を長波長シフトさせてa−Siの受光感度に一致させることが可能である。
特開2008−215951号公報
また、ヨウ化セシウム(CsI)に発光中心としてインジウム(In)を添加したシンチレータ材料(CsI:In)も、CsI:Tlと同等にシンチレータとして機能する。しかしながら、本発明者らがCsI:In材料系を検討したところ、CsIに対してInを低濃度(0.010mol%)と高濃度(1.0mol%)に添加した場合では発光スペクトルは変化せず、波長約544nmで一定の発光を示すことが明らかになった(図5(b)参照)。なお、図5(b)は、CsI:Inシンチレータ材料におけるIn添加濃度による発光スペクトルの変化を示すものである。
すなわち、CsI:Inは、CsI:Tlのように発光中心の添加濃度を増加させる方法では、発光波長を長波長シフトさせることができず、発光をa−Siの検出感度が高い波長域に合わせることができないという新規な課題を見出した。
本発明は、この様な背景技術に鑑みてなされたものであり、CsI:In系のシンチレータ材料において、a−Siの受光感度が高い波長域で発光を示すシンチレータ材料を提供するものである。
上記の課題は本発明の以下の構成により解決できる。
本発明に係るシンチレータ材料は、一般式[Cs1−zRb][I1−x−yBrCl]:In
(式中、x、y、zは、下記(1)、(2)、(3)のいずれかの条件を満たす。
(1)0<x+y<1、かつz=0の場合、0<x≦0.7、もしくは0<y≦0.8の少なくともどちらかの条件を満たす。
(2)0<x+y<1、かつ0<z<1の場合、0<x≦0.8、もしくは0<y<1の少なくともどちらかの条件を満たす。
(3)x=y=0の場合、0<z<1の条件を満たす。
Inの含有量は、[Cs1−zRb][I1−x−yBrCl]に対して0.00010mol%以上1.0mol%以下である。)
で表される化合物からなることを特徴とする。
また、本発明に係るシンチレータ材料は、一般式CsI1−xBr:In
(式中、xが0<x≦0.7である。Inの含有量は、CsI1−xBrに対して0.00010mol%以上1.0mol%以下である。)
で表される化合物からなることを特徴とする。
また、本発明に係るシンチレータ材料は、一般式CsI1−yCl:In
(式中、yが0<y≦0.8である。Inの含有量は、CsI1−yClに対して0.00010mol%以上1.0mol%以下である。)
で表される化合物からなることを特徴とする。
また、本発明に係るシンチレータ材料は、一般式(CsI)1−a(RbBr):In
(式中、aが0<a≦0.8である。Inの含有量は、(CsI)1−a(RbBr)に対して0.00010mol%以上1.0mol%以下である。)
で表される化合物からなることを特徴とする。
また、本発明に係るシンチレータ材料は、一般式(CsI)1−b(RbCl):In
(式中、bが0<b<1である。Inの含有量は、(CsI)1−b(RbCl)に対して0.00010mol%以上1.0mol%以下である。)
で表される化合物からなることを特徴とする。
本発明によれば、CsI:In系のシンチレータ材料において、a−Siの受光感度が高い波長域で発光を示すシンチレータ材料を提供することができる。
本発明の実施例1、2のシンチレータ材料において、ClまたはBrの添加量と発光ピーク波長の関係を示す図である。 本発明の実施例1のシンチレータ材料の発光スペクトルとセンサ検出感度の関係を示す図である。 本発明の実施例2のシンチレータ材料の発光スペクトルとセンサ検出感度の関係を示す図である。 本発明の実施例3のシンチレータ材料の発光スペクトルとセンサ検出感度の関係を示す図である。 従来のCsI:Tl及びCsI:Inのシンチレータ材料の発光スペクトルの変化を示す図である。 本発明の実施例4、5、6のシンチレータ材料において、Rb、RbBr、RbClの添加量と発光ピーク波長の関係を示す図である。 本発明の実施例4のシンチレータ材料の発光スペクトルとセンサ検出感度の関係を示す図である。 本発明の実施例5のシンチレータ材料の発光スペクトルとセンサ検出感度の関係を示す図である。 本発明の実施例6のシンチレータ材料の発光スペクトルとセンサ検出感度の関係を示す図である。
本発明の特徴は、CsI:Inにおいて、母材であるCsIのIサイトを異種のハロゲン元素であるBr、Clで置換すること、もしくはCsサイトを異種のアルカリ元素であるRbで置換すること、さらにはIサイトとCsサイトの両方を異種のハロゲン元素/アルカリ元素で置換することで発光波長を長波長シフトさせ、a−Siの検出感度が高い波長域に合った発光を示すシンチレータ材料とすることにある。
以下、異種のハロゲン元素のみで置換した場合の第1の実施形態と、異種のアルカリ元素の置換を伴う第2の実施形態に分けて述べる。また、以下に示す波長は絶対的な値ではなく、測定を行う装置や校正の仕方によって値が異なることがありうる。そのため、本発明では組成間の相対的な波長の差異が重要であり、波長の絶対値を規定するものではない。
(第1の実施形態)
本実施形態の特徴は、CsI:Inにおいて、母材であるCsIのIサイトを異種のハロゲン元素であるBr、Clで置換することで発光波長を長波長シフトさせ、a−Siの検出感度が高い波長域に合った発光を示すシンチレータ材料とすることにある。
以下に本実施形態に関わるシンチレータ材料について詳細に説明する。
本実施形態に関わるシンチレータ材料は、一般式[Cs1−zRb][I1−x−yBrCl]:Inで表される化合物において、Rbの置換が無い場合のz=0とした場合であり、一般式 Cs[I1−x−yBrCl]:Inで表される化合物からなることを特徴とするシンチレータ材料である。ここで、0<x+y<1であり、0<x≦0.7、もしくは0<y≦0.8の少なくともどちらかの条件を満たす。Inの含有量は、Cs[I1−x−yBrCl]に対して0.00010mol%以上1.0mol%以下である。
また、本実施形態に関わるシンチレータ材料は、一般式 Cs[I1−x−yBrCl]:Inで表される化合物からなることを特徴とするシンチレータ材料である。ここで、0<x+y<1であり、0.15≦x≦0.4、もしくは0.03≦y≦0.2の少なくともどちらかの条件を満たす。Inの含有量は、Cs[I1−x−yBrCl]に対して0.00010mol%以上1.0mol%以下である。
本実施形態では、シンチレータ材料の母体の組成を、CsIに加えてCsClもしくはCsBrを所定量含有した組成とすることで、CsI:Inの発光に対して長波長側に発光を示すようになる。その詳細を以下に示す。
以下、簡単の為にxあるいはyのいずれか一方を0としたCsI1−xBr:In、CsI1−yCl:Inで表される母体材料が三元組成である場合について説明する。図1は、CsI1−xBr:In、CsI1−yCl:Inで表されるシンチレータ材料において、Cl、Br添加量と発光ピーク波長の関係を示す図である。CsI1−xBr:Inにおいてx=1の組成はCsBr:Inであり、507nmに発光ピークを持つ青色の発光を示す。またCsI1−yCl:Inにおいてy=1の組成はCsCl:Inであり493nmに発光ピークを持つ青色の発光を示す。x=0、y=0の端組成は共にCsI:Inであり、544nmに発光ピークを持つ緑色の発光を示す。このように、x=0の端組成では緑色発光であり、x=1あるいはy=1における端組成では青色発光を示す。
しかしながら、本発明者等が検討した結果、図1に示すように両端組成の間の組成域(0<x<1、0<y<1)における発光は、その両端の発光ピークの間で単調に変化するのではないことが明らかになった。即ち、CsI:Inの発光ピークである544nmよりも長波長側に発光ピークを持つ黄色の発光を示す組成範囲が存在する。ここで、少なくともCsI:Inの発光ピークである544nmよりも長波長側に発光ピークを示す組成範囲は0<x≦0.7、及び0<y≦0.8であった。さらには、CsI:Inに対して長波長側に10nm以上波長シフトを示す組成範囲としては0.15≦x≦0.4、及び0.03≦y≦0.2であった。
以上では、xあるいはyのいずれか一方を0とした三元組成について述べたが、xとyが共に0でないようなCsI1−x−yBrClで表される四元組成においても同様の波長シフトを示す。このように、母体材料の組成をCsIに加えて異種のCsハロゲン化物(CsBr、CsCl)を含有した組成とすることで、CsI:Inに対して発光波長を長波長シフトさせ、a−Siの検出感度が高い波長域に合わせることができる。
また、発光を長波長シフトさせることで、デバイスを構成する部材による光吸収を避け、より多くの光をa−Siセンサに到達させることが可能となる。即ち、デバイスを構成する基板や封止部材には高分子材料が用いられており、それらの部材は約450nm以下の短波長の光の一部を吸収する。そのため、シンチレータからの発光において、450nm付近の成分の一部は吸収されて、a−Siセンサに到達しない。そこで、本発明のように発光を長波長シフトさせることで、光吸収のある波長を避け、CsI:Inに対して、より多くの光をa−Siセンサに光を到達させることが可能となる。
以上より、本発明の一般式 CsI1−x−yBrCl:In、CsI1−xBr:In、CsI1−yCl:Inで表され、前記x、yが0<x+y≦0.7の関係を満たし、かつ前記x、yが少なくとも0<x≦0.7、あるいは0<y≦0.8の条件を満たすことを特徴とするシンチレータ材料を用いることでCsI:Inの場合に比べて出力を向上させることが可能となる。
本発明に係る一般式 CsI1−x−yBrCl:Inで表される化合物からなるシンチレータ材料に含有されるInの含有量は、CsI1−x−yBrClに対して0.00010mol%以上1.0mol%以下である。
また、本発明に係る一般式 CsI1−xBr:Inで表される化合物からなるシンチレータ材料に含有されるInの含有量は、CsI1−xBrに対して0.00010mol%以上1.0mol%以下である。
さらに、本発明に係る一般式 CsI1−yCl:Inで表される化合物からなるシンチレータ材料に含有されるInの含有量は、CsI1−yClに対して0.00010mol%以上1.0mol%以下である。
本実施形態のシンチレータ材料の製造方法は、CsIに、CsClまたは/およびCsBrを所定量添加し、さらにInIを所定量添加し混合した試料を、620℃以上で加熱することにより得ることができる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、CsI:Inにおいて、母材であるCsIのCsサイトを異種のアルカリ元素であるRbで置換することで発光波長を長波長シフトさせ、a−Siの検出感度が高い波長域に合った発光を示すシンチレータ材料とすることにある。
すなわち、上記実施形態1ではCsIのIサイトのみを異種のハロゲン元素であるBr、Clで置換しているのに対して、本実施形態では、CsIのCsサイトを異種のアルカリ元素であるRbで置換している点において相違する。さらには、IサイトとCsサイトの両方を異種のハロゲン元素/アルカリ元素で置換している点において相違する。
以下に本実施形態に関わるシンチレータ材料について詳細に説明する。
本実施形態に関わるシンチレータ材料は、一般式[Cs1−zRb][I1−x−yBrCl]:Inで表される化合物からなることを特徴とするシンチレータ材料である。
式中、x、y、zは、下記(1)、(2)、(3)のいずれかの条件を満たす。
(1)0<x+y<1、かつz=0の場合、0<x≦0.7、もしくは0<y≦0.8の少なくともどちらかの条件を満たす。
(2)0<x+y<1、かつ0<z<1の場合、0<x≦0.8、もしくは0<y<1の少なくともどちらかの条件を満たす。
(3)x=y=0の場合、0<z<1の条件を満たす。
Inの含有量は、[Cs1−zRb][I1−x−yBrCl]に対して0.00010mol%以上1.0mol%以下である。
上記の一般式[Cs1−zRb][I1−x−yBrCl]:Inで表される化合物からなるシンチレータ材料の好ましい実施形態に関わるシンチレータ材料は、前記x、y、zは、下記(1)、(2)、(3)のいずれかの条件を満たすことを特徴とする。(1)0<x+y<1、かつz=0の場合、0.15≦x≦0.4、もしくは0.03≦y≦0.2の少なくともどちらかの条件を満たす。
(2)0<x+y<1、かつ0<z<1の場合、0.05<x≦0.6、もしくは0.25≦y≦0.33の少なくともどちらかの条件を満たす。
(3)x=y=0の場合、0.07≦z≦0.5の条件を満たす。
ここで、Inの含有量は、[Cs1−zRb][I1−x−yBrCl]に対して0.00010mol%以上1.0mol%以下である。
本実施形態では、シンチレータ材料の母体の組成を、CsIに加えてRbIもしくはRbBr、RbClを所定量含有した組成とすることで、CsI:Inの発光に対して長波長側に発光を示すようになる。その詳細を以下に示す。
図6は、Cs1−zRbI:In、(CsI)1−a(RbBr):In、(CsI)1−b(RbCl):Inで表されるシンチレータ材料において、Rb、RbBr、RbCl添加量と発光ピーク波長の関係を示す図である。以下、アルカリ元素のみを置換した場合と、ハロゲン元素とアルカリ元素を共に置換した場合に分けて説明する。
まず、アルカリ元素のみを置換した場合の、x=y=0であるCs1−zRbI:Inで表されるシンチレータ材料について説明する。Cs1−zRbI:Inにおいて、z=1の組成はRbI:Inであり、567nmに発光ピークを持つ黄色の発光を示す。z=0の組成はCsI:Inであり、544nmに発光ピークを持つ緑色の発光を示す。このように、z=0の端組成では緑色発光であり、z=1における端組成では黄色発光を示す。しかしながら、本発明者等が検討した結果、図6に示すように両端組成の間の組成域(0<z<1)における発光は、その両端の発光ピークの間で単調に変化するのではないことが明らかになった。即ち、CsI:Inの発光ピークである544nmよりも長波長側に発光ピークを持つ橙色の発光を示す組成範囲が存在する。ここで、少なくともCsI:Inの発光ピークである544nmよりも長波長側に発光ピークを示す組成範囲は0<z<1であった。さらには、CsI:Inに対して長波長側に10nm以上波長シフトを示す組成範囲としては0.07≦z<1であった。発光波長のシフトが最大となる組成はCs0.7Rb0.3Iであり、その時の発光波長は584nmであった。ここで、Cs(原子番号55)をRb(原子番号37)に置換することで、X線の阻止能が低下する為、Rbの置換量をCsの半分以下にすることが好ましい。その為、X線の阻止能の低下を抑えたz≦0.5の範囲で、10nm以上波長シフトを示す組成範囲として、0.07≦z≦0.5とすることが好ましい。
以上より、本発明の一般式[Cs1−zRb][I1−x−yBrCl]:Inにおいて、x=y=0の場合、Cs1−zRbI:Inで表され、0<z<1の条件を満たすことを特徴とするシンチレータ材料を用いることでCsI:Inの場合に比べて出力を向上させることが可能となる。Inの含有量は、Cs1−zRbI:Inに対して0.00010mol%以上1.0mol%以下である。
次に、アルカリ元素とハロゲン元素の両方を置換した場合について説明する。ここで、簡単の為にアルカリ元素とハロゲン元素の置換量を同量にした(CsI)1−a(RbBr):In、(CsI)1−b(RbCl):Inで表されるシンチレータ材料について考える。
まず、一般式(CsI)1−a(RbBr):In(式中、aが0<a≦0.8である。Inの含有量は、(CsI)1−a(RbBr)に対して0.00010mol%以上1.0mol%以下である。)で表される化合物からなることを特徴とするシンチレータ材料である。
上記のCsをRbで、IをBrで置換した(CsI)1−a(RbBr):Inにおいて、a=1の組成はRbBr:Inであり、465nmに発光ピークを持つ水色の発光を示す。a=0の組成はCsI:Inであり、544nmに発光ピークを持つ緑色の発光を示す。このように、a=0の端組成では緑色発光であり、a=1における端組成では水色発光を示す。しかしながら、本発明者等が検討した結果、図6に示すように両端組成の間の組成域(0<a<1)における発光は、その両端の発光ピークの間で単調に変化するのではないことが明らかになった。即ち、CsI:Inの発光ピークである544nmよりも長波長側に発光ピークを持つ黄色の発光を示す組成範囲が存在する。ここで、少なくともCsI:Inの発光ピークである544nmよりも長波長側に発光ピークを示す組成範囲は0<a≦0.8であった。さらには、CsI:Inに対して長波長側に10nm以上波長シフトを示す組成範囲としては0.05≦a≦0.6であった。発光波長のシフトが最大となる組成は(CsI)0.9(RbBr)0.1であり、その時の発光波長は559nmであった。
次に、一般式(CsI)1−b(RbCl):In(式中、bが0<b<1である。Inの含有量は、(CsI)1−b(RbCl)に対して0.00010mol%以上1.0mol%以下である。)で表される化合物からなることを特徴とするシンチレータ材料である。
上記のCsをRbで、IをClで置換した(CsI)1−b(RbCl):Inにおいて、b=1の組成はRbCl:Inであり、450nmに発光ピークを持つ青色の発光を示す。b=0の組成はCsI:Inであり、544nmに発光ピークを持つ緑色の発光を示す。このように、b=0の端組成では緑色発光であり、b=1における端組成では青色発光を示す。しかしながら、本発明者等が検討した結果、図6に示すように両端組成の間の組成域(0<b<1)における発光は、その両端の発光ピークの間で単調に変化するのではないことが明らかになった。即ち、CsI:Inの発光ピークである544nmよりも長波長側に発光ピークを持つ黄色の発光を示す組成範囲が存在する。また、この端組成の間の組成域では、元々CsI:InとRbCl:Inの発光ピークが連続的にシフトしていくが、このピークは0<b<1の中間組成域で交わることなく別々の発光ピークとなった。その為、おおよそ0.7≦b≦0.95の組成域では、発光ピークは二つに分離していた。ここで、少なくともCsI:Inの発光ピークである544nmよりも長波長側に発光ピークを示す組成範囲は0<b<1であった。さらには、発光ピークの分離による短波長の発光がないb<0.7の範囲でCsI:Inに対して長波長側に10nm以上波長シフトを示す組成範囲としては0.25≦b≦0.33であった。発光波長のシフトが最大となる組成は(CsI)0.7(RbCl)0.3であり、その時の発光波長は556nmであった。
以上より、本発明の一般式[Cs1−zRb][I1−x−yBrCl]:Inで表され、0<x+y<1、かつ0<z<1の場合、0<x≦0.8、もしくは0<y<1の少なくともどちらかの条件を満たすことを特徴とするシンチレータ材料を用いることでCsI:Inの場合に比べて出力を向上させることが可能となる。Inの含有量は、[Cs1−zRb][I1−x−yBrCl]に対して0.00010mol%以上1.0mol%以下である。
本実施形態のシンチレータ材料の製造方法は、CsIに、RbIまたは/およびRbBrまたは/およびRbClを所定量添加し、さらにInIを所定量添加し混合した試料を、620℃以上で加熱することにより得ることができる。
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、以下に限定されるものではない。
本実施例は、上記実施形態1に対応した実施例であり、一般式 CsI1−x−yBrCl:Inにおいて、y=0としたCsI1−xBr:Inで表されるシンチレータ材料を作製する例である。初めに、ヨウ化セシウム(CsI)、臭化セシウム(CsBr)を、一般式CsI1−xBrにおいてx=1、0.99、0.95、0.90、0.80、0.70、0.60、0.50、0.40、0.30、0.20、0.10、0.050、0.020、0.010、0の組成となるように秤量して、各々にCsI1−xBrに対してIn濃度が0.01mol%となるようにInIを添加し混合した。上記試料を650℃で5分間溶融し、組成が連続的に変化した16個の試料を作製した。
作製した各々の試料について、発光スペクトルの測定を行い、その発光ピーク波長をまとめた結果を図1に示す。x=0とx=1の端組成は、それぞれCsI:InとCsBr:Inであり、544nmと507nmに発光ピークを示した。この端組成の間の組成域における発光ピークは、CsI:InとCsBr:Inの間で単調に変化するのではなく、CsI:Inの発光ピークである544nmよりも長波長側に発光ピークを示す組成範囲が存在した。ここで、少なくともCsI:Inの発光ピークである544nmよりも長波長側に発光ピークを示す組成範囲は0<x≦0.7であった。さらには、CsI:Inに対して長波長側に10nm以上波長シフトを示す組成範囲としては0.15≦x≦0.4であった。
また、発光ピークのシフト量が最大となる組成はx=0.2の場合であり、CsI0.8Br0.2で表される。このx=0.2の組成での発光スペクトルを図2に示す。比較の為、CsI:Inの発光スペクトルも同時に示す。また、a−Siの感度曲線も図2に示す。a−Siセンサは450nm以下の波長域にも感度を持つが、実際のデバイスでは高分子部材により約450nm以下の光の一部が吸収されてしまうため、シンチレータが450nm付近の発光を示してもa−Siセンサに到達せず出力には寄与しない。x=0.2の組成での発光ピークは557nmであり、CsI:Inに対して約13nm長波長側にシフトしていた。このようにx=0.2の組成であるCsI0.8Br0.2:Inとすることで、a−Siの受光感度ピーク付近の波長域の発光成分が増加し、これによりa−Siからの出力はCsI:Inに対して約12%向上した。以上の結果を表1にまとめて示す。
以上より、母体材料の組成をCsIに加えてCsBrを含有した組成とすることで、CsI:Inの発光波長を長波長シフトさせて、a−Siの検出感度が高い波長域で発光を示すシンチレータ材料を作製することができた。
本実施例は、上記実施形態1に対応した実施例であり、一般式 CsI1−x−yBrCl:Inにおいて、x=0としたCsI1−yCl:Inで表されるシンチレータ材料を作製する例である。初めに、ヨウ化セシウム(CsI)、塩化セシウム(CsCl)を、一般式CsI1−yClにおいてy=1、0.999、0.99、0.95、0.90、0.80、0.65、0.52、0.20、0.10、0.050、0.010、0の組成となるように秤量して、各々にCsI1−yClに対してIn濃度が0.01mol%となるようにInIを添加し混合した。上記試料を650℃で5分間溶融し、組成が連続的に変化した13個の試料を作製した。
作製した各々の試料について、発光スペクトルの測定を行い、その発光ピーク波長をまとめた結果を図1に示す。y=0とy=1の端組成は、それぞれCsI:InとCsCl:Inであり、544nmと493nmに発光ピークを示した。この端組成の間の組成域における発光ピークは、CsI:InとCsCl:Inの間で単調に変化するのではなく、CsI:Inの発光ピークである544nmよりも長波長側に発光ピークを示す組成範囲が存在した。また、この端組成の間の組成域では、元々CsI:InとCsCl:Inの発光ピークが連続的にシフトしていくが、このピークは0<y<1の中間組成域で交わることなく別々の発光ピークとなった。その為、おおよそ0.9≦y<1の組成域では、発光ピークは二つに分離していた。ここで、少なくともCsI:Inの発光ピークである544nmよりも長波長側に発光ピークを示す組成範囲は0<y≦0.8であった。さらには、CsI:Inに対して長波長側に10nm以上波長シフトを示す組成範囲としては0.03≦y≦0.2であった。
また、発光ピークのシフト量が最大となる組成はy=0.1の場合であり、CsI0.9Cl0.1で表される。このy=0.1の組成での発光スペクトルを図3に示す。比較の為、CsI:Inの発光スペクトルも同時に示す。また、a−Siの感度曲線も図3に示す。a−Siセンサは450nm以下の波長域にも感度を持つが、実際のデバイスでは高分子部材により約450nm以下の光の一部が吸収されてしまうため、シンチレータが450nm付近の発光を示してもa−Siセンサに到達せず出力には寄与しない。y=0.1の組成での発光ピークは564nmであり、CsI:Inに対して約20nm長波長側にシフトしていた。このようにy=0.1の組成であるCsI0.9Cl0.1:Inとすることで、a−Siの受光感度ピーク付近の波長域の発光成分が増加し、これによりa−Siからの出力はCsI:Inに対して約15%向上した。以上の結果を表1にまとめて示す。
以上より、母体材料の組成をCsIに加えてCsClを含有した組成とすることで、CsI:Inの発光波長を長波長シフトさせて、a−Siの検出感度が高い波長域で発光を示すシンチレータ材料を作製することができた。
本実施例は、上記実施形態1に対応した実施例であり、本発明の一般式 CsI1−x−yBrCl:Inにおいて、x=0.2、y=0.1とした組成CsI0.7Br0.2Cl0.1:Inで表されるシンチレータ材料を作製する例である。
初めに、ヨウ化セシウム(CsI)、臭化セシウム(CsBr)、塩化セシウム(CsCl)を、CsI0.7Br0.2Cl0.1の組成となるように秤量して、これにCsI0.7Br0.2Cl0.1に対してIn濃度が0.01mol%となるようにInIを添加し混合した。上記試料を650℃で5分間溶融し、組成CsI0.7Br0.2Cl0.1:Inで表される試料を作製した。
作製した試料について、発光スペクトルの測定を行った結果を図4に示す。比較の為、CsI:Inの発光スペクトルも同時に示す。また、a−Siの感度曲線も図4に示す。発光ピークは560nmであり、CsI:Inに対して約15nm長波長側にシフトしていた。このようにx=0.2、y=0.1の組成であるCsI0.7Br0.2Cl0.1:Inとすることで、a−Siの受光感度ピーク付近の波長域の発光成分が増加し、これによりa−Siからの出力はCsI:Inに対して約13%向上した。
以上より、母体材料の組成をCsIに加えてCsBrとCsClを含有した組成とすることで、CsI:Inの発光波長を長波長シフトさせて、a−Siの検出感度が高い波長域で発光を示すシンチレータ材料を作製することができた。
本実施例は、上記実施形態2に対応した実施例であり、一般式[Cs1−zRb][I1−x−yBrCl]:Inにおいて、CsをRbで置換し、アルカリ元素のみを置換した場合のx=y=0とした一般式Cs1−zRbI:Inで表されるシンチレータ材料を作製する例である。初めに、ヨウ化セシウム(CsI)、ヨウ化ルビジウム(RbI)を、一般式Cs1−zRbI:Inにおいて、x=1、0.95、0.90、0.80、0.70、0.60、0.50、0.40、0.30、0.20、0.10、0.050、0の組成となるように秤量して、各々にCs1−zRbIに対してIn濃度が0.01mol%となるようにInIを添加し混合した。上記試料を650℃で5分間溶融し、組成が連続的に変化した13個の試料を作製した。
作製した各々の試料について、発光スペクトルの測定を行い、その発光ピーク波長をまとめた結果を図6に示す。z=0とz=1の端組成は、それぞれCsI:InとRbI:Inであり、544nmと567nmに発光ピークを示した。この端組成の間の組成域における発光ピークは、CsI:InとRbI:Inの間で単調に変化するのではなく、CsI:Inの発光ピークである544nmよりも長波長側に発光ピークを示す組成範囲が存在した。さらには、RbI:Inの発光ピークである567nmよりも長波長側に発光ピークを示す組成範囲が存在した。ここで、少なくともCsI:Inの発光ピークである544nmよりも長波長側に発光ピークを示す組成範囲は0<z<1であった。さらには、CsI:Inに対して長波長側に10nm以上波長シフトを示す組成範囲としては0.07≦z<1であった。ここで、Cs(原子番号55)をRb(原子番号37)に置換することで、X線の阻止能が低下する為、Rbの置換量をCsの半分以下にすることが好ましい。その為、X線の阻止能の低下を抑えたz≦0.5の範囲で、10nm以上波長シフトを示す組成範囲として、0.07≦z≦0.5とすることが好ましい。
また、発光ピークのシフト量が最大となる組成はz=0.3の場合であり、Cs0.7Rb0.3I:Inで表される。このz=0.3の組成での発光スペクトルを図7に示す。比較の為、CsI:Inの発光スペクトルも同時に示す。また、a−Siの感度曲線も同時に示す。z=0.3の組成での発光ピークは584nmであり、CsI:Inに対して約40nm長波長側にシフトしていた。このようにz=0.3の組成であるCs0.7Rb0.3I:Inとすることで、a−Siの受光感度ピーク付近の波長域の発光成分が増加し、これによりa−Siからの出力はCsI:Inに対して約26%向上した。以上の結果を表1にまとめて示す。
以上より、母体材料の組成をCsIに加えてRbIを含有した組成とし、CsをRbで置換することで、CsI:Inの発光波長を長波長シフトさせて、a−Siの検出感度が高い波長域で発光を示すシンチレータ材料を作製することができた。
本実施例は、上記実施形態2に対応した実施例であり、一般式[Cs1−zRb][I1−x−yBrCl]:Inにおいて、CsをRbで、IをBrで置換し、アルカリ元素とハロゲン元素の両方を置換した置換したシンチレータ材料を作製する例である。ここで、簡単の為にアルカリ元素とハロゲン元素の置換量を同量にした一般式(CsI)1−a(RbBr):Inで表されるシンチレータ材料を作製した。
初めに、ヨウ化セシウム(CsI)、臭化ルビジウム(RbBr)を、一般式(CsI)1−a(RbBr):Inにおいて、x=1、0.95、0.90、0.80、0.70、0.60、0.50、0.40、0.30、0.20、0.10、0.050、0の組成となるように秤量して、各々に(CsI)1−a(RbBr):Inに対してIn濃度が0.01mol%となるようにInIを添加し混合した。上記試料を650℃で5分間溶融し、組成が連続的に変化した13個の試料を作製した。
作製した各々の試料について、発光スペクトルの測定を行い、その発光ピーク波長をまとめた結果を図6に示す。a=0とa=1の端組成は、それぞれCsI:InとRbBr:Inであり、544nmと465nmに発光ピークを示した。この端組成の間の組成域における発光ピークは、CsI:InとRbBr:Inの間で単調に変化するのではなく、CsI:Inの発光ピークである544nmよりも長波長側に発光ピークを示す組成範囲が存在した。また、この端組成の間の組成域では、元々CsI:InとRbBr:Inの発光ピークが連続的にシフトしていくが、このピークは0<a<1の中間組成域で交わることなく別々の発光ピークとなった。その為、おおよそ0.7≦a≦0.9の組成域では、発光ピークは二つに分離していた。ここで、少なくともCsI:Inの発光ピークである544nmよりも長波長側に発光ピークを示す組成範囲は0<a≦0.8であった。さらには、CsI:Inに対して長波長側に10nm以上波長シフトを示す組成範囲としては0.05≦a≦0.6であった。
また、発光ピークのシフト量が最大となる組成はa=0.1の場合であり、(CsI)0.9(RbBr)0.1:Inで表される。このa=0.1の組成での発光スペクトルを図8に示す。比較の為、CsI:Inの発光スペクトルも同時に示す。また、a−Siの感度曲線も同時に示す。a=0.1の組成での発光ピークは559nmであり、CsI:Inに対して約15nm長波長側にシフトしていた。このようにa=0.1の組成である(CsI)0.9(RbBr)0.1:Inとすることで、a−Siの受光感度ピーク付近の波長域の発光成分が増加し、これによりa−Siからの出力はCsI:Inに対して約13%向上した。以上の結果を表1にまとめて示す。
以上より、母体材料の組成をCsIに加えてRbBrを含有した組成とし、CsをRbで、IをBrで置換することで、CsI:Inの発光波長を長波長シフトさせて、a−Siの検出感度が高い波長域で発光を示すシンチレータ材料を作製することができた。
本実施例は、上記実施形態2に対応した実施例であり、一般式[Cs1−zRb][I1−x−yBrCl]:Inにおいて、CsをRbで、IをClで置換し、アルカリ元素とハロゲン元素の両方を置換した置換したシンチレータ材料を作製する例である。ここで、簡単の為にアルカリ元素とハロゲン元素の置換量を同量にした一般式(CsI)1−b(RbCl):Inで表されるシンチレータ材料を作製した。
初めに、ヨウ化セシウム(CsI)、塩化ルビジウム(RbCl)を、一般式(CsI)1−b(RbCl):Inにおいて、x=1、0.95、0.90、0.80、0.70、0.60、0.50、0.40、0.30、0.20、0.10、0.050、0の組成となるように秤量して、各々に(CsI)1−b(RbCl):Inに対してIn濃度が0.01mol%となるようにInIを添加し混合した。上記試料を650℃で5分間溶融し、組成が連続的に変化した13個の試料を作製した。
作製した各々の試料について、発光スペクトルの測定を行い、その発光ピーク波長をまとめた結果を図6に示す。b=0とb=1の端組成は、それぞれCsI:InとRbCl:Inであり、544nmと450nmに発光ピークを示した。この端組成の間の組成域における発光ピークは、CsI:InとRbCl:Inの間で単調に変化するのではなく、CsI:Inの発光ピークである544nmよりも長波長側に発光ピークを示す組成範囲が存在した。また、この端組成の間の組成域では、元々CsI:InとRbCl:Inの発光ピークが連続的にシフトしていくが、このピークは0<b<1の中間組成域で交わることなく別々の発光ピークとなった。その為、おおよそ0.7≦b≦0.95の組成域では、発光ピークは二つに分離していた。ここで、少なくともCsI:Inの発光ピークである544nmよりも長波長側に発光ピークを示す組成範囲は0<b<1であった。さらには、発光ピークの分離による短波長の発光がないb<0.7の範囲でCsI:Inに対して長波長側に10nm以上波長シフトを示す組成範囲としては0.25≦b≦0.33であった。
また、発光ピークのシフト量が最大となる組成はb=0.3の場合であり、(CsI)0.7(RbCl)0.3:Inで表される。このb=0.3の組成での発光スペクトルを図9に示す。比較の為、CsI:Inの発光スペクトルも同時に示す。また、a−Siの感度曲線も同時に示す。b=0.3の組成での発光ピークは556nmであり、CsI:Inに対して約12nm長波長側にシフトしていた。このようにb=0.3の組成である(CsI)0.7(RbCl)0.3:Inとすることで、a−Siの受光感度ピーク付近の波長域の発光成分が増加し、これによりa−Siからの出力はCsI:Inに対して約12%向上した。以上の結果を表1にまとめて示す。
以上より、母体材料の組成をCsIに加えてRbClを含有した組成とし、CsをRbで、IをClで置換することで、CsI:Inの発光波長を長波長シフトさせて、a−Siの検出感度が高い波長域で発光を示すシンチレータ材料を作製することができた。
Figure 0005602454
本発明は、放射線を可視光に変換するシンチレータ材料として利用することができる。

Claims (11)

  1. 一般式[Cs1−zRbz][I1−x−yBrxCly]:In
    (式中、x、y、zは、下記(1)、(2)、(3)のいずれかの条件を満たす。
    (1)0<x+y<1、かつz=0の場合、0<x≦0.7、もしくは0<y≦0.8の少なくともどちらかの条件を満たす。
    (2)0<x+y<1、かつ0<z<1の場合、0<x≦0.8、もしくは0<y<1の少なくともどちらかの条件を満たす。
    (3)x=y=0の場合、0<z<1の条件を満たす。
    Inの含有量は、[Cs1−zRbz][I1−x−yBrxCly]に対して0.00010mol%以上1.0mol%以下である。)
    で表される化合物からなることを特徴とするシンチレータ材料。
  2. 前記x、y、zは、下記(1)、(2)、(3)のいずれかの条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載のシンチレータ材料。
    (1)0<x+y<1、かつz=0の場合、0.15≦x≦0.4、もしくは0.03≦y≦0.2の少なくともどちらかの条件を満たす。
    (2)0<x+y<1、かつ0<z<1の場合、0.05<x≦0.6、もしくは0.25≦y≦0.33の少なくともどちらかの条件を満たす。
    (3)x=y=0の場合、0.07≦z≦0.5の条件を満たす。
  3. 一般式CsI1−xBrx:In
    (式中、xが0<x≦0.7である。Inの含有量は、CsI1−xBrxに対して0.00010mol%以上1.0mol%以下である。)
    で表される化合物からなることを特徴とするシンチレータ材料。
  4. 前記xが0.15≦x≦0.4であることを特徴とする請求項3に記載のシンチレータ材料。
  5. 一般式CsI1−yCly:In
    (式中、yが0<y≦0.8である。Inの含有量は、CsI1−yClyに対して0.00010mol%以上1.0mol%以下である。)
    で表される化合物からなることを特徴とするシンチレータ材料。
  6. 前記yが0.03≦y≦0.2であることを特徴とする請求項5に記載のシンチレータ材料。
  7. 一般式(CsI)1−a(RbBr)a:In
    (式中、aが0<a≦0.8である。Inの含有量は、(CsI)1−a(RbBr)aに対して0.00010mol%以上1.0mol%以下である。)
    で表される化合物からなることを特徴とするシンチレータ材料。
  8. 前記aが0.05≦a≦0.6であることを特徴とする請求項7に記載のシンチレータ材料。
  9. 一般式(CsI)1−b(RbCl)b:In
    (式中、bが0<b<1である。Inの含有量は、(CsI)1−b(RbCl)bに対して0.00010mol%以上1.0mol%以下である。)
    で表される化合物からなることを特徴とするシンチレータ材料。
  10. 前記bが0.25≦b≦0.33であることを特徴とする請求項9に記載のシンチレータ材料。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシンチレータ材料からなるシンチレータと、センサとを備える放射線検出器。
JP2010037923A 2009-09-02 2010-02-23 シンチレータ材料 Expired - Fee Related JP5602454B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010037923A JP5602454B2 (ja) 2009-09-02 2010-02-23 シンチレータ材料
PCT/JP2010/005345 WO2011027537A1 (en) 2009-09-02 2010-08-31 Scintillator material
US13/393,133 US8506845B2 (en) 2009-09-02 2010-08-31 Scintillator material
CN201080038773.9A CN102575160B (zh) 2009-09-02 2010-08-31 闪烁体材料

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009202935 2009-09-02
JP2009202935 2009-09-02
JP2010037923A JP5602454B2 (ja) 2009-09-02 2010-02-23 シンチレータ材料

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2011074352A JP2011074352A (ja) 2011-04-14
JP2011074352A5 JP2011074352A5 (ja) 2013-04-11
JP5602454B2 true JP5602454B2 (ja) 2014-10-08

Family

ID=43127474

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010037923A Expired - Fee Related JP5602454B2 (ja) 2009-09-02 2010-02-23 シンチレータ材料

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8506845B2 (ja)
JP (1) JP5602454B2 (ja)
CN (1) CN102575160B (ja)
WO (1) WO2011027537A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6402635B2 (ja) * 2015-01-19 2018-10-10 コニカミノルタ株式会社 シンチレータ、シンチレータパネルおよびシンチレータパネルの製造方法
JP2017161408A (ja) * 2016-03-10 2017-09-14 コニカミノルタ株式会社 シンチレータ、シンチレータパネルおよび放射線画像変換パネル
IL260956B (en) * 2018-08-02 2022-01-01 Applied Materials Israel Ltd Electron detection sensor
CN109705854B (zh) * 2019-01-16 2021-06-15 江苏金琥珀光学科技股份有限公司 一种铟、铊共掺的碘化铯闪烁体及其应用

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE69601603T2 (de) * 1995-06-30 1999-09-23 Agfa Gevaert Nv Schirm zum Speichern eines Strahlungsbildes mit Alkalihalogenidphosphor
JP2004205354A (ja) * 2002-12-25 2004-07-22 Konica Minolta Holdings Inc 放射線画像変換パネルの製造方法及び放射線画像変換パネル
EP1441019A1 (en) * 2002-12-25 2004-07-28 Konica Minolta Holdings, Inc. Radiographic image conversion panel
JP2004239713A (ja) * 2003-02-05 2004-08-26 Konica Minolta Holdings Inc 放射線画像変換パネル
FR2855830B1 (fr) * 2003-06-05 2005-07-08 Stichting Tech Wetenschapp Cristaux scintillateurs du type iodure de terre rare
US6996209B2 (en) 2003-10-27 2006-02-07 Ge Medical Systems Global Technology Company, Llc Scintillator coatings having barrier protection, light transmission, and light reflection properties
US7141794B2 (en) * 2004-06-28 2006-11-28 General Electric Company Scintillator compositions, related processes, and articles of manufacture
US7482602B2 (en) * 2005-11-16 2009-01-27 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Scintillator plate for radiation and production method of the same
JPWO2007060814A1 (ja) * 2005-11-28 2009-05-07 コニカミノルタエムジー株式会社 放射線用シンチレータプレート
CN103254896B (zh) * 2006-03-21 2015-01-21 超点公司 在可见区或近红外区中发光的发光材料
JP2008215951A (ja) 2007-03-01 2008-09-18 Toshiba Corp 放射線検出器
US8440983B2 (en) * 2007-03-27 2013-05-14 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Radiation image conversion panel, its manufacturing method, and X-ray radiographic system
JP5610798B2 (ja) * 2010-03-12 2014-10-22 キヤノン株式会社 シンチレータの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US8506845B2 (en) 2013-08-13
US20120161074A1 (en) 2012-06-28
JP2011074352A (ja) 2011-04-14
CN102575160A (zh) 2012-07-11
WO2011027537A1 (en) 2011-03-10
CN102575160B (zh) 2015-04-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6000664B2 (ja) シンチレータ材料及びそれを用いた放射線検出器
Glodo et al. Scintillation Properties of 1 Inch ${\rm Cs} _ {2}{\rm LiYCl} _ {6}{:}{\rm Ce} $ Crystals
Shah et al. CeBr/sub 3/scintillators for gamma-ray spectroscopy
US8803099B2 (en) Compound, scintillator, and radiation detector
Conti et al. Comparison of fast scintillators with TOF PET potential
KR101311695B1 (ko) 고광산출량의 고속 섬광체
JP5602454B2 (ja) シンチレータ材料
Shah et al. High energy resolution scintillation spectrometers
JP2010261005A (ja) 蛍光材料およびそれを用いたシンチレータ並びに放射線検出器
EA008367B1 (ru) Кристаллы сцинтилляторы типа иодида редкоземельных элементов
JP2011153200A (ja) 蛍光材料およびそれを用いたシンチレータ並びに放射線検出器
Soundara-Pandian et al. Lithium alkaline halides—next generation of dual mode scintillators
Rutstrom et al. Europium concentration effects on the scintillation properties of Cs4SrI6: Eu and Cs4CaI6: Eu single crystals for use in gamma spectroscopy
Glodo et al. Mixed lutetium iodide compounds
JP6693942B2 (ja) 蛍光体
Selling et al. Cerium-doped barium halide scintillators for x-ray and γ-ray detections
WO2020150344A1 (en) Chalcogenide glass and glass ceramic scintillators
JP6456946B2 (ja) 結像システムへの適用のためのCe3+活性化発光組成物
US20100224798A1 (en) Scintillator based on lanthanum iodide and lanthanum bromide
US20120313013A1 (en) Scintillator plate
Kawaguchi et al. VUV Luminescence With Nd Doped KCaF $ _ {3} $ Under X-Ray Excitation
KR102615653B1 (ko) 고효율 이미지 측정을 위한 다층 신틸레이터 박막 및 이의 제조방법
RU2717223C2 (ru) Состав сцинтиллятора , устройство для обнаружения излучения и соответствующий способ
Johns Radiation detection materials introduction
JP2012036230A (ja) 蛍光体および電磁波検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130221

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140722

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140820

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5602454

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees