JP6400212B2 - 外観の優れたポリプロピレン - Google Patents

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Description

本発明は、外観の優れたポリマー組成物、及び本発明のポリマー組成物を含む物品、並びに前記物品の調製を対象とする。さらに、本発明は、ポリマー組成物から形成される物品の曇価を減少させる前記ポリマー組成物における亜鉛脂肪酸塩の使用を対象とする。
ポリプロピレンなどのポリマーは、自動車用途、包装用途、家庭用品用途、貯蔵用途などを含めて、最終用途製品に広く利用される。低曇価及び低黄色度の精製ポリマーの外観の改善が一般に必要とされている。
ポリプロピレン組成物から調製される物品における曇価を減少させる核剤の使用は、当該技術分野で公知である。核剤は、成形又は製作プロセス中のポリマー結晶成長のための核形成部位を与える。核剤を含む組成物は、一般に、核剤を含まない組成物よりも高い結晶化温度でより高速に結晶化する。
核剤の効率は、一般に、ポリマー組成物のピーク結晶化温度によって測定される。高いポリマーピーク結晶化温度は、高い核形成効力を示しており、高い核形成効力は、通常、より速い核形成速度、したがってより短い加工サイクル時間ということになる。
一般に、核剤の添加に伴って多数の核形成部位が存在すると、より小さい結晶がより多くなる。その中に形成されるより小さい結晶の結果として、ポリマーから調製される物品も浄化される場合があるが、優れた透明性が得られるとは必ずしも限らない。ポリマー物品の優れた透明性を必要とする用途では、最終製品内で低曇価を生じる添加剤をポリマー組成物に添加する。こうした化合物は、一般に、清澄剤又は浄化剤と呼ばれる。
高い核形成効力と高い物品透明性の組合せが望ましい。最新技術において知られている有効な清澄剤は、ジベンジリデンソルビトールアセタール誘導体などのソルビトールのアセタールである。しかし、ソルビトールのアセタールは、ポリプロピレン組成物への溶解性に乏しく、十分な量を溶解させるのに220℃を超える加工温度が必要である。さらに、必要に応じてポリプロピレン組成物の性質を調節するのに必要な別の添加剤の存在は、清澄剤の効率及び別の添加剤の性能に影響を及ぼす。
本発明の一目的は、外観の優れたポリプロピレン組成物であって、こうしたポリプロピレン組成物から同様に外観の良好ないしは優れた物品を調製することができるポリプロピレン組成物を提供することである。
驚くべきことに、亜鉛脂肪酸塩の添加が、外観の優れたポリプロピレンを含むポリマー組成物であって、この好都合な外観を同様に示す物品の調製に適切なポリマー組成物をもたらすことが見いだされた。
本発明は、
(i)ポリプロピレン(PP)と、
(ii)以下の構造を有する第1の核剤(NU1)と、
Figure 0006400212
(式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシアルキル、ハロゲン化アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、置換アリール及びそれらの組合せからなる群から独立に選択され、
式中、RからRは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ハロゲン化物、アミノ及びチオエーテル並びにそれらの組合せからなる群から独立に選択され、場合によっては任意の隣接するRからRは、結合して5員又は6員環を形成し、
式中、nは0から2の整数であり、好ましくは1から2の整数であり、より好ましくはnは1である)
(iii)亜鉛脂肪酸塩と
を含むポリマー組成物を対象とする。
好ましくは、亜鉛脂肪酸塩はステアリン酸亜鉛である。
好ましい一実施形態においては、ポリマー組成物は、ステアリン酸カルシウムを含まず、より好ましくはカルシウム脂肪酸塩を含まず、更には土類アルカリ(earth alkali)脂肪酸塩を含まない。更に好ましい一実施形態においては、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩がポリマー組成物内の唯一の脂肪酸塩である。
ポリマー組成物は、さらに、第2の核剤(NU2)及び/又は蛍光増白剤(OB:optical brightener)を含むことができる。
したがって、本発明のポリマー組成物は、
(i)ポリマー組成物の重量に基づいて95.0重量%を超える量のポリプロピレン(PP)、
(ii)ポリマー組成物の重量に基づいて0.5重量%以下の量の第1の核剤(NU1)、
(iii)場合によってはポリマー組成物の重量に基づいて0.5重量%未満の量の土類アルカリ脂肪酸塩と一緒の、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩、
(iv)場合によっては、ポリマー組成物の重量に基づいて1.0重量%以下の量の第2の核剤(NU2)、及び
(v)場合によっては、ポリマー組成物の重量に基づいて0.100重量%以下の量の蛍光増白剤(OB)
を含むことが好ましい。
好ましくは、ポリプロピレン(PP)は、好ましくは5重量%以下のコモノマーを含む、プロピレンコポリマーであり、好ましくはコモノマーは、エチレン及び/又は1種以上のC〜Cα−オレフィンから選択され、より好ましくはエチレン及び/又は1−ブテンから選択され、更により好ましくはエチレンである。
プロピレンコポリマーのようなポリプロピレン(PP)は単相であることが特に好ましい。すなわち、ポリプロピレン(PP)はランダムプロピレンコポリマーであることが特に好ましい。
核剤(NU:nucleating agent)は、好ましくは、1,3:2,4ビス(ジベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4ビス(4−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4ビス(4−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール及び1,3:2,4ビス(3−クロロ−ベンジリデン)ソルビトールからなる群から選択される。
ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩は、ポリマー組成物の重量に基づいて、0.008から0.150重量%、好ましくは0.010から0.100重量%、より好ましくは0.03から0.07重量%、更により好ましくは0.040から0.060重量%の量で存在することが特に好ましい。
蛍光増白剤(OB)は、好ましくは、5−メチル−2,2’−(ビニレンジ−p−フェニレン)ビス−ベンゾオキサゾール、2,2’−(4,4’−ジフェノールビニル)ジベンゾオキサゾール、2,5−ビス(5−tert−ブチルベンゾオキサゾル−2−イル)チオフェン、1,4−ビス(2−ベンゾオキサゾリル)ナフタレン、2−(5−クロロベンゾ[d]オキサゾル−2−イル)アセトニトリルからなる群から選択される。
好ましくは、本発明によるポリマー組成物は、ポリプロピレン(PP)を第1の核剤(NU1)、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩、場合によっては土類アルカリ脂肪酸塩、場合によっては第2の核剤(NU2)及び場合によっては蛍光増白剤(OB)と溶融混合して、より好ましくは110から140℃の範囲の温度で溶融混合して得られる。
好ましい一実施形態においては、本発明によるポリマー組成物は、曇価が20から40%、好ましくは25から35%の範囲であり、及び/又は黄色度指数がASTM E313に従って測定して−20から15、好ましくは−15から5の範囲である。曇価は、EN ISO1873−2に従って板加工温度190℃で調製された厚さ2mmの60×60mm板上でASTM D1003−07に従って測定される。
さらに、本発明は、本明細書中に定義したポリマー組成物を含む成形品を対象とする。好ましくは、前記成形品は、射出成形品又はブロー成形品、好ましくは連続射出成形品、同時注入ガス支援成形品、構造用発泡成形品、押出ブロー成形品、射出ブロー成形品及び/又は射出延伸成形品である。
好ましくは、前記成形品の厚さは、0.3から5.0mm、好ましくは0.4から3.5mm、より好ましくは0.5から2.0mmである。
さらに、本発明は、本明細書中に定義した成形品を調製するプロセスであって、
− 本明細書中に定義したポリマー組成物を用意するステップ、
− 前記ポリマー組成物を加工して成形品を形成するステップ
を含むプロセスを対象とする。ここで、加工温度は、250℃以下、好ましくは230℃以下、より好ましくは220℃以下、更により好ましくは210℃以下、更により好ましくは200℃以下、更により好ましくは190℃以下のような195℃以下である。
好ましくは、加工ステップは、射出成形ステップ及び/又はブロー成形ステップ、より好ましくは薄肉射出成形ステップ、連続射出成形ステップ、同時注入ガス支援成形ステップ、構造用発泡成形ステップ、押出ブロー成形ステップ、射出ブロー成形ステップ及び/又は射出延伸成形ステップである。
最後に、本発明は、上で定義し、以下でより詳細に定義するポリマー組成物の一成分としての亜鉛脂肪酸塩、好ましくはステアリン酸亜鉛の使用も対象とする。ここで、前記ポリマー組成物は、前記亜鉛脂肪酸塩の非存在下で、好ましくは前記ステアリン酸亜鉛の非存在下で調製される同じ物品よりも曇価が低い物品、好ましくは射出成形品のような成形品の調製に使用され、曇価は、EN ISO1873−2に従って板加工温度190℃で調製された厚さ2mmの60×60mm板上でASTM D1003−07に従って測定される。
さらに、本発明は、前記亜鉛脂肪酸塩の非存在下で、好ましくは前記ステアリン酸亜鉛の非存在下で形成される同じ物品よりも曇価が低い物品を形成する、上で定義し、以下でより詳細に定義するプロセスにおける亜鉛脂肪酸塩、好ましくはステアリン酸亜鉛の使用を対象とする。ここで、曇価は、EN ISO1873−2に従って板加工温度190℃で調製された厚さ2mmの60×60mm板上でASTM D1003−07に従って測定される。
好ましくは、どちらの場合も、曇価が、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも15%、更により好ましくは少なくとも25%、最も好ましくは少なくとも35%減少する。
ポリプロピレン(PP)
本発明によるポリマー組成物は、ポリプロピレン(PP)を必須成分として含む。
ポリプロピレンのタイプは、特定のものに限定されず、当該技術分野における技術の範囲内の手段、例えば、シングルサイト触媒又はチーグラー・ナッタ触媒を用いて、調製することができる。プロピレン及び場合によってはエチレン及び/又はα−オレフィンを、例えば、Galli,et al.,Angew.Macromol.Chem.,Vol.120,73(1984)、又はNello Pasquini(Ed.),et al.Polypropylene Handbook,Carl Hanser Verlag,Munich,2005、特に359から380ページに開示されたような、当該技術分野における技術の範囲内の条件下で重合する。これらの開示を参照により本明細書に援用する。
ポリプロピレン(PP)は、異相ポリプロピレン又は単相ポリプロピレンとすることができる。「異相ポリプロピレン」という用語は、弾性相が分散した結晶性マトリックス相を含む多相構造を有するポリプロピレン、すなわち、少なくとも2つのガラス転移温度を有するポリプロピレンを表し、「単相ポリプロピレン」という用語は、多相構造を持たないポリプロピレン、すなわちガラス転移温度がただ1つのポリプロピレンを表す。さらに、ポリプロピレン(PP)は、プロピレンホモポリマー又はプロピレンコポリマーであると理解される。「プロピレンホモポリマー」という用語は、プロピレンモノマー単位から本質的になるポリマーを表す。しかし、大規模重合の要件のために、プロピレンホモポリマーは、通常はポリプロピレンの0.1重量%未満、好ましくは0.05重量%未満、最も好ましくは0.01重量%未満である少量のコモノマー単位を含むことができる。特定の一実施形態においては、コモノマーをプロピレンホモポリマー中に検出することはできない。
本発明によるポリプロピレン(PP)は、ISO1133に従って測定されるメルトフローレートMFR(230℃、2,16kg)が、1から200g/10minの範囲、好ましくは10から100g/10minの範囲、より好ましくは15から45g/10minの範囲、更により好ましくは20から40g/10minの範囲、最も好ましくは25から35g/10minの範囲のような、100g/10min未満、好ましくは50g/10min未満、より好ましくは40g/10min未満、更により好ましくは35g/10min未満である。
ポリプロピレン(PP)は、プロピレンコポリマー、特にコモノマー含有量がポリプロピレン(PP)の重量に基づいて1.0から5.0重量%の範囲、好ましくは2.0から4.0重量%の範囲、より好ましくは3.0から4.0重量%の範囲、更により好ましくは3.0から3.5の範囲などの5.0重量%以下、好ましくは4.0重量%以下、より好ましくは3.5重量%以下であるプロピレンコポリマーとすることができる。
プロピレンコポリマーは、一般に、1種のコモノマーしか含まないが、2種以上のコモノマーの使用も想定される。コモノマーは、好ましくは、エチレン及び/又は1種以上のC〜Cα−オレフィン、より好ましくはエチレン及び/又は1−ブテンから選択され、更により好ましくはコモノマーはエチレンである。
プロピレンコポリマー(PP)は、ランダムプロピレンコポリマー(R−PP)とすることができる。「ランダムプロピレンコポリマー」という用語は、プロピレンモノマー単位とコモノマー単位のコポリマーを表し、コモノマー単位はポリマー鎖中にランダムに分布する。したがって、ランダムコポリマーは、上述した、マトリックス相とその中に分散した弾性相とを含む異相コポリマーとは異なる。したがって、ランダムプロピレンコポリマー(R−PP)は、その中に分散した弾性ポリマー相を含まず、すなわち、ガラス転移温度が1つだけである。しかしながら、ランダムプロピレンコポリマー(R−PP)を異相プロピレンコポリマーのマトリックス相とすることができる。
ランダムプロピレンコポリマー(R−PP)は、ISO1133に従って測定されるメルトフローレートMFR(230℃、2,16kg)が、1から200g/10minの範囲、好ましくは10から100g/10minの範囲、より好ましくは15から50g/10minの範囲、更により好ましくは20から40g/10minの範囲、最も好ましくは25から35g/10minの範囲のような、100g/10min未満、好ましくは50g/10min未満、より好ましくは40g/10min未満、更により好ましくは35g/10min未満である。
ランダムプロピレンコポリマー(R−PP)は、コモノマー含有量、好ましくはエチレン含有量が、ランダムプロピレンコポリマー(R−PP)の重量に基づいて、1.0から5.0重量%の範囲、好ましくは2.0から4.0重量%の範囲、より好ましくは3.0から4.0重量%の範囲、更により好ましくは3.0から3.5の範囲などの5.0重量%以下、好ましくは4.0重量%以下、より好ましくは3.5重量%以下である。
ランダムプロピレンコポリマー(R−PP)は、エチレン及び/又は1種以上のC〜Cα−オレフィンから選択される、より好ましくはエチレン及び/又は1−ブテンから選択されるコモノマーを有する。好ましい一実施形態によれば、ポリプロピレン(PP)は、エチレンを唯一のコモノマーとして含むランダムプロピレンエチレンコポリマー(R−PP)である。
本発明に従って使用されるポリプロピレン(PP)は、スラリー反応器、例えば、ループ反応器中で、プロピレンモノマーを、場合によっては1種以上のコモノマーと一緒に、重合触媒の存在下で重合して、ポリプロピレン(PP)又はその一部を生成することによって調製することができる。後者の場合、この部分を、次いで、後続の気相反応器に移送し、ポリプロピレン(PP)の更なる部分を第1ステップの反応生成物の存在下で生成するために、気相反応器中でプロピレンモノマーを、場合によっては適切に選択されたコモノマーの存在下で、反応させる。この一連の反応によって、ポリプロピレン(PP)を構成する部分(i)と(ii)の反応器ブレンドが得られる。第1の反応を気相反応器中で実施し、第2の重合反応をスラリー反応器、例えば、ループ反応器中で実施することも当然可能である。重合ステップは、得られる重合生成物の性質を適切に調節するために、例えば、モノマー供給、コモノマー供給、水素供給、温度及び圧力を適切に選択することによって、調節することができる。こうしたプロセスを、シングルサイト触媒又はチーグラー・ナッタ触媒を含めて、任意の適切なプロピレンモノマー調製触媒を用いて実施することができる。
好ましくは、このプロセスを、チーグラー・ナッタ触媒、特に高収率チーグラー・ナッタ触媒(低収率のいわゆる第2世代チーグラー・ナッタ触媒とは区別されるいわゆる第4及び第5世代型)を用いて実施する。本発明に従って使用される適切なチーグラー・ナッタ触媒は、触媒成分、共触媒成分及び少なくとも1種の電子供与体(内部及び/又は外部電子供与体、好ましくは少なくとも1種の外部供与体)を含む。好ましくは、触媒成分はTi−Mg系触媒成分であり、一般に、共触媒はAl−アルキル化合物である。適切な触媒は、特に、参照により本明細書に援用する米国特許第5,234,879号、国際公開第92/19653号、国際公開第92/19658号、国際公開第99/33843号及び国際公開第2004/029112(A1)号に開示されている。好ましい外部供与体は、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシランなどの公知のシラン系供与体である。
上述したプロセスの一実施形態は、例えば、参照により本明細書に援用する欧州特許出願公開第0887379(A1)号及び国際公開第92/12182号に記述された、Borstar技術として知られるBorealisによって開発されたものなどのループ気相プロセスである。
上記好ましいスラリー気相プロセスに関して、以下の一般情報をプロセス条件に関して提供することができる。
40℃から110℃、好ましくは60℃から100℃、特に80℃から90℃の温度、20から80バール、好ましくは30から60バールの範囲の圧力、及び分子量を調節するための水素添加の選択肢。好ましくはループ反応器中で実施される、スラリー重合の反応生成物を、次いで、後続の気相反応器に移送する。気相反応器の温度は、5から50バール、好ましくは15から35バールの範囲の圧力において、好ましくは50℃から130℃、より好ましくは80℃から100℃の範囲であり、やはり分子量を調節するための水素添加の選択肢がある。
滞留時間は、上で特定される反応器ゾーンにおいて変わり得る。幾つかの実施形態においては、スラリー反応、例えば、ループ反応器における滞留時間は、0.5から5時間、例えば、0.5から2時間の範囲であり、気相反応器中の滞留時間は一般に1から8時間である。
好ましい一実施形態においては、ポリマー組成物は、(a)ポリプロピレン(PP)以外の更なるポリマー(単数又は複数)、及び場合によってはポリマー組成物の総重量に基づいて合計10重量%を超える、好ましくは合計5重量%を超える量の第2の核剤(NU2)を含まない。一般に、追加のポリマーが存在する場合、こうしたポリマーは、添加剤用担体ポリマーであり、したがって、ポリマー組成物の性質の改善に寄与しない。
したがって、特定の一実施形態においては、ポリマー組成物は、ポリプロピレン(PP)、第1の核剤(NU1)、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩、場合によってはカルシウム脂肪酸塩、例えば、ステアリン酸カルシウムのような土類アルカリ脂肪酸塩、場合によっては第2の核剤(NU2)、場合によっては蛍光増白剤(OB)、及び少量のポリマー担体材料を含み得る追加の添加剤からなる。しかし、このポリマー担体材料がポリマー組成物中に存在するのは、ポリマー組成物の総重量に基づいて10重量%以下、好ましくは5重量%以下である。さらに、このポリマー担体材料は、ポリプロピレン(PP)及び第2の核剤(NU2)とは異なる。特定の一実施形態においては、ポリマー担体材料が存在する場合、前記ポリマー担体材料は、エチレンホモポリマー及び/又はプロピレンホモポリマーであり、後者が好ましい。
別の一実施形態によれば、ポリプロピレン(PP)は、ポリマー組成物中に存在する唯一のポリマーである。
本願に従って使用されるポリプロピレン(PP)は、市販されている場合もあり、その場合には本発明を実施するためにポリプロピレンを最初に製造する必要がないことに留意されたい。
核剤(NU)
本発明によるポリプロピレン組成物は、第1の核剤(NU1)を必須成分として含み、場合によっては第1の核剤(NU1)とは異なる第2の核剤(NU2)を含む。
「核剤」という用語は、ポリマーの結晶化速度を増加させて、結晶化度を高め、通常は結晶サイズを小さくするために添加される化合物又は組成物を表す。本発明によれば、核剤はアルファ核剤である。
第1の核剤(NU1)は、以下の構造を有する。
Figure 0006400212
式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシアルキル、ハロゲン化アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、置換アリール及びそれらの組合せからなる群から独立に選択され、式中、RからRは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ハロゲン化物、アミノ及びチオエーテル並びにそれらの組合せからなる群から独立に選択され、場合によっては任意の隣接するRからRは、結合して5員又は6員環を形成し、式中、nは0から2の整数であり、好ましくは1から2の整数であり、より好ましくはnは1である。
好ましくは、Rは、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル及びtert−ブチルからなる群から選択され、RからRは、水素、塩素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル及びtert−ブチルからなる群から独立に選択され、nは1である。
更により好ましくは、Rは水素であり、RからRは、水素、塩素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル及びtert−ブチルからなる群から独立に選択され、nは1である。
更により好ましくは、Rは水素であり、RからRは、水素、塩素、メチル、エチル及びtert−ブチルからなる群から独立に選択され、nは1である。
1,3:2,4異性体のみが示されているが、この構造は、便宜上及び説明上示したものにすぎず、本発明は、1,3:2,4型の異性体のみに限定されず、3,5:4,6型、2,4:3,5型などの任意の他の異性体も含むことに留意されたい。
更により好ましくは、第1の核剤(NU1)は、1,3:2,4ビス(ジベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4ビス(4−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4ビス(4−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール及び1,3:2,4ビス(3−クロロ−ベンジリデン)ソルビトールからなる群から選択される。
更により好ましくは、第1の核剤(NU1)は1,3:2,4ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトールである。
ポリマー組成物は、好ましくは、ポリマー組成物の重量に基づいて、0.0001から0.5000重量%の範囲、好ましくは0.0001から0.3000重量%の範囲、より好ましくは0.0100から0.3000重量%の範囲、更により好ましくは0.1000から0.2500重量%のような、0.500重量%以下、好ましくは0.300重量%以下、より好ましくは0.250重量%以下の量の第1の核剤(NU1)を含む。
ポリプロピレン組成物は、第1の核剤(NU1)とは異なる第2の核剤(NU2)を含むことができる。第2の核剤(NU2)として利用することができる核剤の典型例は、モノカルボン酸及びポリカルボン酸の塩、例えば、安息香酸ナトリウム、亜リン酸化合物、例えば、モノ、ビス若しくはテトラフェニルホスファート、例えば、ナトリウム2,2’−メチレンビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファート若しくはヒドロキシビス(2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−ヒドロキシ−12H−ジベンゾ(d,g)(1,3,2)ジオキサホスホシン6−オキシダート(oxidato))アルミニウム、又は任意の混合物、並びにポリマー核剤である。
第2の核剤(NU2)は、ポリマー核剤、より好ましくはビニル化合物のポリマー、特にビニルシクロアルカンモノマー又はビニルアルカンモノマーの重合によって得ることができるポリマー核剤であることが好ましい。
ポリマー核剤は、好ましくは、以下の式に従う重合ビニル化合物である。
CH=CH−CHR
式中、RとRは一緒に、場合によっては置換基を含む5若しくは6員飽和、不飽和若しくは芳香環を形成し、又は独立に1から4個の炭素原子を含むアルキル基であり、RとRが芳香環を形成する場合には、−CHR部分の水素原子が存在しない。
更により好ましくは、ポリマー核剤は、ビニルシクロアルカンポリマー、特にビニルシクロヘキサン(VCH:vinyl cyclohexane)ポリマー、ビニルシクロペンタンポリマー、3−メチル−1−ブテンポリマー及びビニル−2−メチルシクロヘキサンポリマーから選択される。第2の核剤(NU2)として利用される最も好ましいポリマー核剤は、ビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマーである。
ポリマー組成物中に存在する第2の核剤(NU2)の量は、ポリマー組成物の重量に基づいて、0.00001から1.00000重量%の範囲、好ましくは0.00001から0.50000重量%の範囲、より好ましくは0.00001から0.30000重量%の範囲、更により好ましくは0.00001から0.10000重量%の範囲、更により好ましくは0.00010から0.05000重量%の範囲のような、1.0重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、更により好ましくは0.3重量%以下、更により好ましくは0.2重量%以下である。
したがって、好ましい一実施形態においては、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、0.00001から1.00000重量%の範囲、好ましくは0.00001から0.50000重量%の範囲、より好ましくは0.00001から0.30000重量%の範囲、更により好ましくは0.00001から0.10000重量%の範囲、更により好ましくは0.00010から0.05000重量%の範囲のような、1.0重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、更により好ましくは0.3重量%以下、更により好ましくは0.2重量%以下の量のビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマーを第2の核剤(NU2)として含む。
第1の核剤(NU1)及び第2の核剤(NU2)は、それぞれ、ポリプロピレン(PP)の重合プロセス中又はその後の段階で、例えば、マスターバッチ技術を用いた、それぞれ第1の核剤(NU1)及び第2の核剤(NU2)の混合を含めた重合後プロセスによって、ポリマー組成物に導入することができる。
ビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマーのようなポリマー核剤である第2の核剤(NU2)は、ポリプロピレン(PP)の重合プロセス中にポリマー構成(polymer compositing)に導入されることが好ましい。第2の核剤(NU2)は、好ましくは、上で定義したビニル化合物、更により好ましくはビニルシクロヘキサン(VCH)を固体触媒成分、好ましくは固体チーグラー・ナッタ触媒成分、共触媒及び任意に選択できる外部供与体を含む触媒系の存在下でまず重合することによってポリプロピレン(PP)に導入され、上で定義したビニル化合物のポリマー、更により好ましくはビニルシクロヘキサン(VCH)ポリマー、及び触媒系の得られた反応混合物を次いでポリプロピレン(PP)の製造に使用する。
ポリプロピレン(PP)及び場合によっては第2の核剤(NU2)、好ましくは上で定義したポリマー核剤が、ポリマー組成物中に存在する唯一のポリマーであると理解される。
ポリプロピレン組成物は、第1の核剤(NU1)及び場合によっては第2の核剤(NU2)と一緒にタルクなどの追加の核剤を含むことができる。しかしながら、好ましい一実施形態によれば、第1の核剤(NU1)及び第2の核剤(NU2)がポリマー組成物中に存在する唯一の核剤である。別の好ましい一実施形態によれば、第1の核剤(NU1)がポリマー組成物中に存在する唯一の核剤である。
亜鉛脂肪酸塩及び任意に選択できる土類アルカリ脂肪酸塩
本発明によるポリプロピレン組成物は、亜鉛脂肪酸塩を必須成分として含まなければならない。
上述したように、ソルビトールのアセタールは、ポリプロピレンへの溶解性に乏しく、十分な量を溶解させるのに220℃を超える加工温度が必要である。驚くべきことに、本発明によるポリマー組成物においてステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩を使用することによって、ポリプロピレン(PP)中のソルビトールアセタール、すなわち第1の核剤(NU1)の溶解性をかなり改善できることが見出された。特に、驚くべきことに、特定の量のステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩を含むことによって、十分な量のソルビトールアセタール、すなわち第1の核剤(NU1)をポリプロピレン(PP)に溶解させるのに必要な加工温度をかなり低下させることができ、したがって、プロセス効率が改善され、ポリマー組成物及びそれから調製される物品の外観が著しく改善されることが見出された。
したがって、本発明のポリマー組成物は、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩(単数又は複数)を含まなければならない。本発明のポリマー組成物は、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩(単数又は複数)に加えて土類アルカリ脂肪酸塩を含むこともできる。換言すれば、ポリマー組成物は、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩がポリマー組成物中に存在するという条件で、異なる(土類アルカリ)脂肪酸塩の混合物を含むこともできる。
好ましくは、亜鉛脂肪酸塩は、C12からC26脂肪酸の亜鉛塩、より好ましくはC14からC24脂肪酸の亜鉛塩、更により好ましくはC18からC22脂肪酸の亜鉛塩、更により好ましくはC18脂肪酸の亜鉛塩(zinc sal)、例えば、ステアリン酸亜鉛である。さらに、亜鉛脂肪酸塩は、この段落において定義する飽和脂肪酸、特に非分岐飽和脂肪酸の亜鉛塩であると理解される。
好ましくは、(亜鉛脂肪酸塩に加えて)土類アルカリ脂肪酸塩は、ポリマー組成物中に存在する場合、C12からC26脂肪酸の土類アルカリ塩、より好ましくはC14からC24脂肪酸の土類アルカリ塩、更により好ましくはC18からC22脂肪酸の土類アルカリ塩、更により好ましくはC18脂肪酸、例えば、ステアリン酸の土類アルカリ塩である。これらの土類アルカリ脂肪酸塩のカチオンは、好ましくは、カルシウム及び/又はマグネシウムから選択され、好ましくはカルシウムである。さらに、土類アルカリ脂肪酸は、この段落において定義する飽和脂肪酸、特に非分岐飽和脂肪酸の土類アルカリ脂肪酸であると理解される。
したがって、一実施形態においては、ポリマー組成物は、ステアリン酸亜鉛のような上で定義した亜鉛脂肪酸塩と上で定義した少なくとも1種の土類アルカリ脂肪酸塩の混合物を含む。ポリマー組成物は、ステアリン酸亜鉛のような上で定義した亜鉛脂肪酸塩、及びステアリン酸カルシウムのようなカルシウム脂肪酸塩を含むことが特に好ましい。更により好ましくは、ポリマー組成物は、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩、及び唯一の脂肪酸塩のような唯一の土類アルカリ脂肪酸塩として、ステアリン酸カルシウムのようなカルシウム脂肪酸塩を含む。
特定の一実施形態においては、ポリマー組成物は、唯一の脂肪酸塩のような唯一の土類アルカリ脂肪酸塩として、ステアリン酸亜鉛のような上で定義した亜鉛脂肪酸塩を含む。
ポリマー組成物中のステアリン酸亜鉛のような上で定義した亜鉛脂肪酸塩と任意に選択できるカルシウム脂肪酸塩、例えば、ステアリン酸カルシウムのような土類アルカリ脂肪酸塩の総量は、ポリマー組成物の重量に基づいて、0.001から0.150重量%の範囲、好ましくは0.005から0.100重量%の範囲、より好ましくは0.008から0.07重量%の範囲、更により好ましくは0.01から0.06重量%の範囲、最も好ましくは0.04から0.06重量%の範囲のような、(0.5000重量%以下のような0.5重量%以下、好ましくは(0.2000重量%以下のような)0.2重量%以下、より好ましくは(0.1100重量%以下のような)0.1重量%以下、更により好ましくは(0.0500重量%以下のような)0.05重量%以下の量である。
好ましくは、ステアリン酸亜鉛のような上で定義した亜鉛脂肪酸塩とカルシウム脂肪酸塩、例えば、ステアリン酸カルシウムのような土類アルカリ脂肪酸塩の重量比は、20/80から80/20、より好ましくは30/70から70/30、更により好ましくは45/55から55/45のような40/60から60/40である。
好ましくは、ポリマー組成物中のステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩の総量は、0.008から0.150重量%、より好ましくは0.010から0.100重量%、更により好ましくは0.03から0.07重量%、更により好ましくは0.040から0.060重量%である。
ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩、及び任意に選択できる土類アルカリ脂肪酸塩(単数又は複数)は、ポリプロピレン(PP)の重合プロセス中に導入することができる。しかしながら、それらをその後の段階で、例えば、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩、及び任意に選択できる土類アルカリ脂肪酸塩(単数又は複数)を好ましくはドライブレンド又はマスターバッチ技術によって混合することを含めて、重合後プロセスによって、ポリマー組成物中に導入することが好ましい。ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩、及び任意に選択できる土類アルカリ脂肪酸塩(単数又は複数)をポリマー組成物に、第1の核剤(NU1)と一緒に、ドライブレンド又はマスターバッチの形で導入することもできる。
蛍光増白剤(OB)
多数のポリマーが黄色になりやすいのは劣化の結果である。分解生成物は、青色光を吸収し、日光中で黄色の外観を示す。蛍光増白剤は、ラッカー、塗料、インク、ポリマー及び繊維における色を明るくし、又は黄変を隠すように設計された無色又はわずかに有色の有機化合物である。それらは、蛍光機序によって機能し、電磁スペクトルの紫外及び紫色領域の光を吸収し、それを可視スペクトルの青色領域で放出して、より明るく、より鮮やかな外観を生じる。
「蛍光増白剤」という用語は、幾つかのπ結合を有する芳香族基又は面又は環状分子の共役π系、及び場合によっては酸素、窒素、硫黄、リン(phosphor)及びセレンからなる群から選択される、好ましくは酸素、窒素及び硫黄から選択される、少なくとも1個のヘテロ原子を含む、20〜100個の原子の有機小分子を表す。
蛍光増白剤(OB)は、トリアジン−スチルベン、クマリン、イミダゾリン、ジアゾール、トリアゾール、ベンゾオキサゾリン、ビフェニル−スチルベン及びオキサゾールからなる群から選択される少なくとも1つの部分、好ましくはオキサゾール及び/又はベンゾオキサゾールからなる群から選択される少なくとも1つの部分を有する、幾つかのπ結合を有する芳香族基又は面又は環状基の共役π系を含む20〜100個の原子の有機小分子である。
一実施形態によれば、蛍光増白剤(OB)は、エトキシル化1,2−(ベンゾイミダゾリル)エチレン、2−スチリルナフタ[1,2d]−オキサゾール、1,2−ビス(5’メチル−2−ベンゾオキサゾリル)エチレン、4,4’−ビス[4’’−ビス(2’’−ヒドロキシメチル)アミノ−6’’(3’’−スルホフェニル)アミノ−1’’,3’’,5’’−トリアジン−2’’−イルアミノ]−2,2’−スチルベンジスルホナート、4−メチル−7−ジメチルアミノクマリン、アルコキシル化4,4’−ビス−(ベンゾイミダゾリル)スチルベン、2−(5−クロロベンゾ[d]オキサゾル−2−イル)アセトニトリル、2,2’−(4,4’−ジフェノールビニル)ジベンゾオキサゾール、1,4−ビス−ベンゾオキサゾリル−ナフタレン、1,4−ビス(2−ベンゾオキサゾリル)ナフタレン、5−メチル−2,2’−(ビニレンジ−p−フェニレン)ビスベンゾオキサゾール、2,2’−(1,2−エテンジイルジ−4,1−フェニレン)ビスベンゾオキサゾール及び/又は2,5−ビス(5−tert−ブチルベンゾオキサゾル−2−イル)チオフェンからなる群から選択される。
別の一実施形態によれば、蛍光増白剤(OB)は、2−(5−クロロベンゾ[d]オキサゾル−2−イル)アセトニトリル、2,2’−(4,4’−ジフェノールビニル)ジベンゾオキサゾール、1,4−ビス(2−ベンゾオキサゾリル)ナフタレン、5−メチル−2,2’−(ビニレンジ−p−フェニレン)ビスベンゾオキサゾール、2,2’−(1,2−エテンジイルジ−4,1−フェニレン)ビスベンゾオキサゾール及び/又は2,5−ビス(5−tert−ブチルベンゾオキサゾル−2−イル)チオフェンからなる群から選択される。
好ましい一実施形態によれば、蛍光増白剤(OB)は2,5−ビス(5−tert−ブチルベンゾオキサゾル−2−イル)チオフェンである。
ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、0.0001から0.1000重量%の範囲、好ましくは0.0001から0.0100重量%の範囲、より好ましくは0.0001から0.0050重量%の範囲、更により好ましくは0.0001から0.0015重量%の範囲、更により好ましくは0.0003から0.0010重量%の範囲のような、0.100重量%以下の量、好ましくは0.010重量%以下の量、より好ましくは0.0050重量%以下の量、更により好ましくは0.0010以下の量の蛍光増白剤(OB)を含むことができる。
蛍光増白剤(OB)は、ポリプロピレン(PP)の重合プロセス中に導入することができる。しかしながら、蛍光増白剤(OB)をその後の段階で、例えば、蛍光増白剤(OB)を好ましくはマスターバッチ技術を用いて混合することを含めて、重合後プロセスによって、導入することが好ましい。
ポリマー組成物
ポリマー組成物は、上述又は後述するように、ポリプロピレン(PP)、第1の核剤(NU1)、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩、場合によっては土類アルカリ脂肪酸塩(単数又は複数)、場合によっては第2の核剤(NU2)、及び場合によっては蛍光増白剤(OB)を含む。好ましい一実施形態においては、ポリマーは、上述又は後述するように、ポリプロピレン(PP)、第1の核剤(NU1)、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩、場合によっては土類アルカリ脂肪酸塩(単数又は複数)、場合によっては第2の核剤(NU2)、場合によっては蛍光増白剤(OB)、場合によっては添加剤からなる。
ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、95.0から99.8重量%の範囲、好ましくは98.0から99.8重量%の範囲、更により好ましくは98.5重量%から99.8重量%の範囲のような、少なくとも95.0重量%の量、好ましくは少なくとも98.0重量%の量、より好ましくは少なくとも99.0重量%の量のポリプロピレン(PP)を含むことができる。
ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、0.0001から0.5000重量%の範囲、好ましくは0.0001から0.3000重量%の範囲、より好ましくは0.0100から0.3000重量%の範囲、更により好ましくは0.1000から0.3000重量%の範囲のような、0.5重量%以下の量、好ましくは0.3重量%以下の量、より好ましくは0.2重量%以下の量の第1の核剤(NU1)を含む。
ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、0.00001から1.00000重量%の範囲、好ましくは0.00001から0.50000重量%の範囲、より好ましくは0.00001から0.30000重量%の範囲、更により好ましくは0.00001から0.10000重量%の範囲、更により好ましくは0.00010から0.05000重量%の範囲のような、1.0重量%以下の量、より好ましくは0.5重量%以下の量、更により好ましくは0.3重量%以下の量、更により好ましくは0.2重量%以下の量の第2の核剤(NU2)を含むことができる。
ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、0.008から0.150重量%、より好ましくは0.010から0.100重量%、更により好ましくは0.03から0.07重量%、更により好ましくは0.040から0.060重量%の量のステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩を含むことができる。
ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、0.008から0.150重量%、より好ましくは0.010から0.100重量%、更により好ましくは0.03から0.07重量%、更により好ましくは0.040から0.060重量%の量のカルシウム脂肪酸塩、例えば、ステアリン酸カルシウムのような土類アルカリ脂肪酸塩を含むことができる。
したがって、ポリマー組成物中のステアリン酸亜鉛のような上で定義した亜鉛脂肪酸塩と任意に選択できるカルシウム脂肪酸塩、例えば、ステアリン酸カルシウムのような土類アルカリ脂肪酸塩の総量は、ポリマー組成物の重量に基づいて、0.001から0.150重量%の範囲、好ましくは0.005から0.100重量%の範囲、より好ましくは0.008から0.07重量%の範囲、更により好ましくは0.01から0.06重量%の範囲、最も好ましくは0.04から0.06重量%の範囲のような、(0.5000重量%以下のような)0.5重量%以下、好ましくは(0.2000重量%以下のような)0.2重量%以下、より好ましくは(0.1100重量%以下のような)0.1重量%以下、更により好ましくは(0.0500重量%以下のような)0.05重量%以下の量である。
ポリマー組成物は、ポリマー組成物の重量に基づいて、0.0001から0.1000重量%の範囲、好ましくは0.0001から0.0100重量%の範囲、より好ましくは0.0001から0.0050重量%の範囲、更により好ましくは0.0001から0.0015重量%の範囲、更により好ましくは0.0003から0.0010重量%の範囲のような、0.100重量%以下の量、好ましくは0.010重量%以下の量、より好ましくは0.0050重量%以下の量、更により好ましくは0.0010以下の量の蛍光増白剤(OB)を含むことができる。
さらに、本発明のプロピレン組成物は、上で定義したものとは異なる更なる添加剤を含むことができる。上で定義したものとは異なる更なる添加剤は、好ましくは、安定剤、帯電防止剤、潤滑剤、顔料、それらの組合せなどの調節剤及び安定剤の群から選択される。特に、こうした添加剤としては、立体障害フェノールのような一次酸化防止剤、及びホスファイトのような二次酸化防止剤、立体障害アミンのようなUV安定剤、酸捕捉剤、カーボンブラック、顔料、モノステアリン酸グリセロールのような帯電防止剤、オレアミドのようなスリップ剤が挙げられる。こうした添加剤は、一般に市販されており、例えば、Hans Zweifelの「Plastic Additives Handbook」、5版、2001年に記載されている。
第1の核剤(NU1)、第2の核剤(NU2)、ステアリン酸亜鉛のような上で定義した亜鉛脂肪酸塩、カルシウム脂肪酸塩、例えば、ステアリン酸カルシウムのような土類アルカリ脂肪酸塩、及び蛍光増白剤(OB)とは異なる任意に選択できる更なる添加剤の総量は、ポリマー組成物の重量に基づいて、好ましくは0.0001から10.0000重量%、好ましくは0.0001から5.0000重量%、好ましくは0.0001から2.5000重量%、より好ましくは0.0001から1.5000重量%、更により好ましくは0.0001から1.0000重量%である。
ポリマー組成物は、すべて上で定義したポリプロピレン(PP)、第1の核剤(NU1)、ステアリン酸亜鉛のような上で定義した亜鉛脂肪酸塩、場合によってはカルシウム脂肪酸塩、例えば、ステアリン酸カルシウムのような土類アルカリ脂肪酸塩、場合によっては蛍光増白剤(OB)、場合によっては第2の核剤(NU2)及び場合によっては更なる添加剤からなることが特に好ましい。
ポリマー組成物の更なる一特徴は融解挙動である。したがって、ポリマー組成物は、示差走査熱量測定(DSC:differential scanning calorimetry)によって測定される融解温度(T)が、130から200℃の範囲、好ましくは140から170℃の範囲、更により好ましくは150から155℃の範囲のような、少なくとも130.0℃、より好ましくは少なくとも150℃、更により好ましくは少なくとも151℃であると理解される。
さらに、ポリマー組成物は、示差走査熱量測定(DSC)によって測定される結晶化温度(Tc)が少なくとも100℃、より好ましくは少なくとも105℃であると理解される。したがって、ポリマー組成物は、好ましくは、示差走査熱量測定(DSC)によって測定される結晶化温度(T)が100から130℃の範囲、より好ましくは105から125℃の範囲、更により好ましくは115から121℃の範囲である。
本発明のポリマー組成物は、優れた外観を示す。特に、本発明のポリマー組成物は、低曇価を示す。したがって、本発明によるポリマー組成物は、曇価が20から40%の範囲、好ましくは25から35%、より好ましくは20から30%の範囲であり、曇価は、EN ISO1873−2に従って板加工温度190℃で調製された厚さ2mmの60×60mm板上でASTM D1003−07に従って測定される。22から28%のような20から30%の範囲の曇価は、特に、ステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩が単独で存在する場合、すなわち、他の(土類アルカリ)脂肪酸塩がポリマー組成物中に存在しない場合に得られる。
さらに、本発明によるポリマー組成物は、黄色度指数が、好ましくはEN ISO1873−2に従って板加工温度190℃で調製された厚さ2mmの60×60mm板上で、ASTM E313に従って測定して−20から15、好ましくは−15から5の範囲であることが好ましい。
さらに、本発明のポリマー組成物は、改善された効率で加工することができる。特に、本発明のポリマー組成物は、低加工温度で加工することができる。
この点で決定的な要因は、特定の脂肪酸塩と組み合わせた特定の核剤の添加である。驚くべきことに、ポリプロピレンを含むポリマー組成物の外観及び加工効率は、第1の核剤(NU1)がステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩と一緒に存在するときに、特に第1の核剤(NU1)とステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩が互いに特定の比で存在するときに、改善できることが見出された。
好ましい一実施形態においては、第1の核剤(NU1)とステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩は一緒に、不等式(Ia)、好ましくは不等式(Ib)、より好ましくは不等式(Ic)、更により好ましくは不等式(Id)、更により好ましくは不等式(Ie)を満たす。
Figure 0006400212
式中、「W(NU1)」は、ポリマー組成物の重量に基づく第1の核剤(NU1)の重量[重量%]であり、「W(EAF)」は、ポリマー組成物の重量に基づくステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩の重量[重量%]である。
ポリマー組成物は、すべて上及び下で定義するポリプロピレン(PP)、第1の核剤(NU1)、ステアリン酸亜鉛のような上で定義した亜鉛脂肪酸塩、場合によってはカルシウム脂肪酸塩、例えば、ステアリン酸カルシウムのような土類アルカリ脂肪酸塩、場合によっては第2の核剤(NU2)、場合によっては蛍光増白剤(OB)及び場合によっては更なる添加剤を溶融混合することによって調製することができる。
溶融混合は、好ましくは、第1の核剤(NU1)がポリプロピレン(PP)に溶解する温度、すなわち、一般には220から230℃のような210から240℃の温度で実施される。
ポリマー組成物の個々の成分を溶融混合する場合、従来の配合又は調合装置、例えば、バンバリーミキサー、二本ロールゴム用ミル、Bussコニーダー又は二軸押出機を使用することができる。好ましくは、混合は、同方向回転二軸押出機において実施される。次いで、押出機から回収したポリマー組成物を、好ましくは、更に加工して、下で定義するような物品を生成する。
ポリマー組成物は、特に、すべて上及び下で定義するポリプロピレン(PP)、第1の核剤(NU1)、ステアリン酸亜鉛のような上で定義した亜鉛脂肪酸塩、場合によってはカルシウム脂肪酸塩、例えば、ステアリン酸カルシウムのような土類アルカリ脂肪酸塩、場合によっては第2の核剤(NU2)、場合によっては蛍光増白剤(OB)及び場合によっては更なる添加剤を、異なるホッパーから溶融混合装置(例えば、押出機)に供給することによって調製することができる。しかしながら、1種を超える化合物を単一のホッパーから供給することも可能である。
一実施形態によれば、すべて上及び下で定義する第1の核剤(NU1)、ステアリン酸亜鉛のような上で定義した亜鉛脂肪酸塩、場合によってはカルシウム脂肪酸塩、例えば、ステアリン酸カルシウムのような土類アルカリ脂肪酸塩、場合によっては第2の核剤(NU2)、場合によっては蛍光増白剤(OB)及び場合によっては更なる添加剤を混合して予備ブレンドを形成し、続いて予備ブレンドを、上及び下で定義するポリプロピレン(PP)と溶融混合してポリマー組成物を形成する。
ポリマー組成物は、上及び下で定義するプロセスによって得られ、ポリプロピレン(PP)を、すべて上及び下で定義する第1の核剤(NU1)、ステアリン酸亜鉛のような上で定義した亜鉛脂肪酸塩、場合によってはカルシウム脂肪酸塩、例えば、ステアリン酸カルシウムのような土類アルカリ脂肪酸塩、場合によっては第2の核剤(NU2)、場合によっては蛍光増白剤(OB)及び場合によっては更なる添加剤を含む予備ブレンドと溶融混合する。したがって、本発明は、ポリプロピレン(PP)を、本明細書中に定義した第1の核剤(NU1)、ステアリン酸亜鉛のような上で定義した亜鉛脂肪酸塩、場合によってはカルシウム脂肪酸塩、例えば、ステアリン酸カルシウムのような土類アルカリ脂肪酸塩、場合によっては第2の核剤(NU2)及び場合によっては蛍光増白剤(OB)を含む予備ブレンドと溶融混合して得られるポリマー組成物も対象とする。
一実施形態によれば、予備ブレンドは、第1の核剤(NU1)、ステアリン酸亜鉛のような上で定義した亜鉛脂肪酸塩、場合によってはカルシウム脂肪酸塩、例えば、ステアリン酸カルシウムのような土類アルカリ脂肪酸塩、場合によっては第2の核剤(NU2)、場合によっては蛍光増白剤(OB)及び場合によっては更なる添加剤からなる。別の一実施形態によれば、予備ブレンドは、第1の核剤(NU1)及びステアリン酸亜鉛のような上で定義した亜鉛脂肪酸塩からなる。
予備ブレンド中の第1の核剤(NU1)及びステアリン酸亜鉛のような上で定義した亜鉛脂肪酸塩は、任意に選択できるカルシウム脂肪酸塩、例えば、ステアリン酸カルシウムのような土類アルカリ脂肪酸塩と一緒に、不等式(IIa)、好ましくは不等式(IIb)を満たすと理解される。
Figure 0006400212
式中、「W(NU1)」は、第1の核剤(NU1)、ステアリン酸亜鉛のような上で定義した亜鉛脂肪酸塩、及び任意に選択できるカルシウム脂肪酸塩、例えば、ステアリン酸カルシウムのような土類アルカリ脂肪酸塩の総重量に基づく第1の核剤(NU1)の重量[重量%]であり、「W(EAF)」は、第1の核剤(NU1)、ステアリン酸亜鉛のような上で定義した亜鉛脂肪酸塩、及び任意に選択できるカルシウム脂肪酸塩、例えば、ステアリン酸カルシウムのような土類アルカリ脂肪酸塩の総重量に基づく、任意に選択できるカルシウム脂肪酸塩、例えば、ステアリン酸カルシウムのような土類アルカリ脂肪酸塩と一緒のステアリン酸亜鉛のような上で定義した亜鉛脂肪酸塩の重量[重量%]である。
本発明によるポリマー組成物は、特にポリプロピレン(PP)を予備ブレンドと混合すると、化合物の分散が増加し、それによって低加工温度における透明度及び加工性が更に改善する利点がある。
成形品
別の一態様によれば、本発明は、本発明のポリマー組成物を含む物品を対象とし、物品は好ましくは成形品である。成形品のような物品中のポリマー組成物の量は、少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、更により好ましくは少なくとも95重量%、更により好ましくは少なくとも99重量%である。好ましい一実施形態によれば、物品、好ましくは成形品は、ポリマー組成物からなる。
別の好ましい一実施形態においては、物品は、(a)ポリマー組成物中に存在するポリマーとは異なる、すなわち、ポリプロピレン(PP)とは異なる、更なるポリマー(単数又は複数)、及び場合によっては物品の総重量に基づいて合計10重量%を超える、好ましくは合計5重量%を超える量の第2の核剤(NU2)を含まない。一般に、追加のポリマーが存在する場合、こうしたポリマーは、添加剤用担体ポリマーであり、したがって、物品の性質の改善に寄与しない。したがって、特定の一実施形態においては、物品は、本明細書中に定義したポリマー組成物、及び少量のポリマー担体材料を含み得る追加の添加剤からなる。しかしながら、このポリマー担体材料は、物品の総重量に基づいて10重量%以下、好ましくは5重量%以下の量で物品中に存在する。さらに、このポリマー担体材料は、ポリマー組成物のポリマー成分であるポリプロピレン(PP)及び第2の核剤(NU2)とは異なる。特定の一実施形態においては、ポリマー担体材料が存在する場合、前記ポリマー担体材料は、ポリプロピレン(PP)及び第2の核剤(NU2)とは異なるエチレンホモポリマー及び/又はプロピレンホモポリマーである。特定の好ましい一実施形態においては、物品は、本明細書中に定義したポリマー組成物のみからなる。
本発明によるポリマー組成物を含む物品は、熱可塑性ポリマーに適切な任意の通常の転化プロセスによって製造することができ、特に好ましいのは、射出成形プロセス、ブロー成形プロセスなどの成形プロセスである。
したがって、物品は、薄肉射出成形品、連続射出成形品、同時注入ガス支援成形品、構造用発泡成形品、押出ブロー成形品、射出ブロー成形品、射出延伸成形品などの成形品、より好ましくは射出成形又はブロー成形品、特に射出成形品であることが好ましい。
本発明による物品は、広範囲の厚さを有することができる。本発明によるポリマー組成物において本明細書中に定義した第1の核剤1(NU1)とステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩の組合せの使用及び存在のために、薄い物品及びかなり異常に厚い物品を、例えば、曇価及び黄色度指数の点で外観の優れたポリマー組成物から調製することができる。
物品は、好ましくは、接着剤用包装、化粧品用包装、医薬品用包装などの包装用途、サイドトリム、ステップアシスト、車体パネル、スポイラー、計器盤、内部トリムなどの自動車用途、シリンジ、カテーテル、針基、針保護装置、吸入器、フィルタハウジング、採血システムなどの医療用途、及びプラスチック容器、洗浄剤カートン、カップ、オーブン又は電子レンジ用プレートボードなどの家庭用品用途に利用される。
一実施形態においては、物品は、薄肉物品、好ましくは厚さが0.3から5.0mmの範囲、好ましくは0.4から3.5mmの範囲、より好ましくは0.5から2.5mmの範囲、更により好ましくは0.6から1.5mmの範囲のような、5.0mm以下、好ましくは3.0mm以下、より好ましくは1.5mm以下、更により好ましくは1.0mm以下の薄肉物品である。
物品は、薄肉プラスチック容器、薄肉洗浄剤カートン、薄肉カップ及びプレート、オーブン又は電子レンジ用薄肉ボードなどの薄肉家庭用品であると理解される。特に、物品は、0.3から5.0mmの範囲、好ましくは0.4から3.0mmの範囲、より好ましくは0.5から1.5mmの範囲、更により好ましくは0.6から1.0mmの範囲のような、厚さが5.0mm以下、好ましくは3.0mm以下、より好ましくは1.5mm以下、更により好ましくは1.0mm以下の薄肉プラスチック容器、薄肉洗浄剤カートン、薄肉カップ及びプレート、オーブン又は電子レンジ用薄肉ボードなどの薄肉家庭用品であると理解される。
本発明は、第1の核剤(NU1)とステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩の組合せのために、特に特定の量の第1の核剤(NU1)と特定の量のステアリン酸亜鉛のような亜鉛脂肪酸塩の組合せのために、こうした物品をより低い加工温度で製造することができるという特定の利点を提供する。
したがって、本発明による成形品は、
− 上で定義したポリマー組成物を用意するステップ、
− 前記ポリマー組成物を加工して成形品を形成するステップ
を含むプロセスによって製造される。ここで、加工温度は、250℃以下、好ましくは230℃以下、より好ましくは220℃以下、更により好ましくは210℃以下、更により好ましくは195℃以下のような200℃以下、最も好ましくは190℃以下である。
好ましい加工温度は、185から205℃の範囲又は185から195℃の範囲のような、170から230℃の範囲、より好ましくは180から220℃の範囲、更により好ましくは185から210℃の範囲である。
好ましくは、加工ステップは、射出成形ステップ及び/又はブロー成形ステップ、好ましくは薄肉射出成形ステップ、連続射出成形ステップ、同時注入ガス支援成形ステップ、構造用発泡成形ステップ、押出ブロー成形ステップ、射出ブロー成形ステップ及び/又は射出延伸成形ステップである。
したがって、本発明は、薄肉射出成形ステップ、連続射出成形ステップ、同時注入ガス支援成形ステップ、構造用発泡成形ステップ、押出ブロー成形ステップ、射出ブロー成形ステップ、射出延伸成形ステップなどの成形ステップ、特に射出成形ステップ又はブロー成形ステップを含むプロセスによって得ることができる本発明の物品も対象とする。好ましくは、物品は、250℃未満、好ましくは230℃未満、より好ましくは220℃未満、更により好ましくは210℃以下、更により好ましくは195℃以下のような200℃以下、最も好ましくは190℃以下の加工温度で加工される。
使用
別の一態様によれば、本発明は、上で定義したポリマー組成物の一成分としての亜鉛脂肪酸塩、好ましくはステアリン酸亜鉛の使用を対象とする。ここで、前記ポリマー組成物は、前記亜鉛脂肪酸塩の非存在下で、好ましくは前記ステアリン酸亜鉛の非存在下で調製される同じ物品よりも曇価が低い、上で定義した射出成形品のような成形品の調製に使用され、曇価は、EN ISO1873−2に従って板加工温度190℃で調製された厚さ2mmの60×60mm板上でASTM D1003−07に従って測定される。好ましくは、曇価は、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも15%、更により好ましくは少なくとも25%、最も好ましくは少なくとも35%減少する。
更に別の一態様によれば、本発明は、前記亜鉛脂肪酸塩の非存在下で、好ましくは前記ステアリン酸亜鉛の非存在下で形成される同じ物品よりも曇価が低い、成形品のような物品を形成する、上で定義したプロセスにおける亜鉛脂肪酸塩、好ましくはステアリン酸亜鉛の使用を対象とする。ここで、曇価は、EN ISO1873−2に従って板加工温度190℃で調製された厚さ2mmの60×60mm板上でASTM D1003−07に従って測定される。好ましくは、曇価は、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも15%、更により好ましくは少なくとも25%、最も好ましくは少なくとも35%減少する。
更に別の一態様によれば、本発明は、同じポリマー組成物であるが、前記亜鉛脂肪酸塩の非存在下、好ましくは前記ステアリン酸亜鉛の非存在下と比較して、曇価を減少させるための、本明細書中に定義したポリマー組成物の一成分としての亜鉛脂肪酸塩、好ましくはステアリン酸亜鉛の使用を対象とし、曇価は、EN ISO1873−2に従って板加工温度190℃で調製された厚さ2mmの60×60mm板上でASTM D1003−07に従って測定される。
1.測定法
用語及び測定法の以下の定義は、別段の記載がない限り、本発明の上記概要及び下記実施例に適用される。
NMR分光法による微細構造の定量化
定量的核磁気共鳴(NMR:nuclear−magnetic resonance)分光法を使用して、ポリプロピレンホモポリマーのアイソタクティシティ及び位置規則性を定量化する。
定量的13C{H}NMRスペクトルを、H及び13Cそれぞれ400.15及び100.62MHzで動作するBruker AdvanceIII400NMR分光計を用いて溶液状態で記録した。全スペクトルを13C最適化10mm拡張温度プローブヘッドを用いて125℃ですべての気圧装置(pneumatics)に窒素ガスを用いて記録した。
ポリプロピレンホモポリマーの場合、材料約200mgを1,2−テトラクロロエタン−d(TCE−d)に溶解させた。確実に均質の溶液にするために、熱ブロック中の最初の試料調製後、NMR管を回転乾燥器中で少なくとも1時間更に加熱した。磁石に挿入し、管を10Hzで回転させた。この設定を、主に立体規則性分布の定量化に必要な高分解能のために選択した(Busico,V.、Cipullo,R.、Prog.Polym.Sci.26(2001)443;Busico,V.;Cipullo,R.、Monaco,G.、Vacatello,M.、Segre,A.L.、Macromolecules30(1997)6251)。標準単一パルス励起をNOE及びバイレベルWALTZ16デカップリングスキームを利用して採用した(Zhou,Z.、Kuemmerle,R.、Qiu,X.、Redwine,D.、Cong,R.、Taha,A.、Baugh,D.Winniford,B.、J.Mag.Reson.187(2007)225;Busico,V.、Carbonniere,P.、Cipullo,R.、Pellecchia,R.、Severn,J.、Talarico,G.、Macromol.Rapid Commun.2007、28、11289)。1回のスペクトル当たり合計8192(8k)のトランジェントを得た。
定量的13C{H}NMRスペクトルを処理し、積分し、関連する定量的性質を所有のコンピュータプログラムを用いて積分から求めた。
ポリプロピレンホモポリマーの場合、すべての化学シフトは、21.85ppmにおけるメチルアイソタクティックペンタッド(mmmm)を内部基準とする。
位置欠陥(Resconi,L.、Cavallo,L.、Fait,A.、Piemontesi,F.、Chem.Rev.2000、100、1253;Wang,W−J.、Zhu,S.、Macromolecules33(2000)、1157;Cheng,H.N.、Macromolecules17(1984)、1950)又はコモノマーに対応する特徴的なシグナルが観察された。
立体規則性分布を、対象となる立体配列に無関係な部位を補正して23.6〜19.7ppmのメチル領域の積分によって定量化した(Busico,V.、Cipullo,R.、Prog.Polym.Sci.26(2001)443;Busico,V.、Cipullo,R.、Monaco,G.、Vacatello,M.、Segre,A.L.、Macromolecules30(1997)6251)。
特に、立体規則性分布の定量化に対する位置欠陥及びコモノマーの影響を、立体配列の特定の積分領域から代表的な位置欠陥及びコモノマーの積分を減算することによって補正した。
アイソタクティシティをペンタッドレベルで測定し、すべてのペンタッド配列に対するアイソタクティックペンタッド(mmmm)配列の百分率として報告した。
[mmmm]%=100*(mmmm/すべてのペンタッドの合計)
2,1エリスロ位置欠陥の存在は、17.7及び17.2ppmにおける2個のメチル部位の存在によって示され、別の特徴的な部位によって確認された。別のタイプの位置欠陥に対応する特徴的なシグナルは観察されなかった(Resconi,L.、Cavallo,L.、Fait,A.、Piemontesi,F.、Chem.Rev.2000、100、1253)。
2,1エリスロ位置欠陥の量を、17.7及び17.2ppmにおける2個の特徴的なメチル部位の平均積分を用いて定量化した。
21e=(Ie6+Ie8)/2
1,2一次挿入プロペンの量をメチル領域に基づいて定量化し、この領域内の一次挿入に無関係な部位及びこの領域から除外された一次挿入部位について補正した。
12=ICH3+P12e
プロペンの総量を一次挿入プロペン及び存在するすべての他の位置欠陥の合計として定量化した。
合計=P12+P21e
2,1−エリスロ位置欠陥のモルパーセントをすべてのプロペンに対して定量化した。
[21e]モル%=100*(P21e/P合計
(Cheng,H.N.、Macromolecules1984、17、1950に記載のように)エチレンの取り込みに対応する特徴的なシグナルが観察され、コモノマー分率をポリマー中のすべてのモノマーに対するポリマー中のエチレン分率として計算した。
コモノマー分率を、W−J.Wang及びS.Zhu、Macromolecules2000、33、1157の方法を用いて、13C{H}スペクトルのスペクトル領域全体にわたる複数のシグナルを積分して、定量化した。この方法は、その堅牢性のため、また、必要なときに位置欠陥の存在を説明できるので、選択された。得られるコモノマー含有量の全範囲にわたる妥当性を高めるために積分領域をわずかに調節した。
モルパーセントコモノマー取り込みをモル分率から計算した。
重量パーセントコモノマー取り込みをモル分率から計算した。
融解温度(T)及び結晶化温度(T):TA Instrument Q2000示差走査熱量測定(DSC)によって試料5から7mgを測定。DSCをISO11357/パート3/方法C2に従って加熱/冷却/加熱サイクルにおいて走査速度10℃/minで温度範囲−30から+225℃で行う。融解温度及び結晶化温度を第2の加熱ステップから測定する。
MFR(230℃)をISO1133に従って測定する(230℃、2.16kg負荷)。
曇価を、EN ISO1873−2に従って調製された厚さ2mmの60×60mm板上でASTM D1003−07に従って温度190℃で測定する。
黄色度指数をASTM E313に従って測定する。
2.実施例
ランダムプロピレンエチレンコポリマー(R−PP)の調製
実施例の重合プロセスに使用した触媒は、アルミニウム化合物としてトリエチルアルミニウムの代わりに塩化ジエチルアルミニウムを使用した以外は、国際公開第2004/029112(A1)号の実施例8(22〜23ページ参照)で調製された触媒であった。外部供与体ジシクロペンチルジメトキシシランを使用した。アルミニウムと供与体の比は7.5であった。
Figure 0006400212
ランダムプロピレンコポリマー(PP)と表2に示した添加剤を押出機Coperion18押出機を用いて温度225℃で溶融混合することによって試料を得た。
Figure 0006400212
Irganox1010は、テトラキス−(メチレン−(3,5−ジ−(tert)−ブチル−4−ヒドロシンナマート))メタン(CAS6683−19−8)である。
Irgafos168は、トリス(2,4−ジ−(tert)−ブチルフェニル)ホスファート(CAS31570−04−4)である。
GMSは、市販モノステアリン酸グリセリンである。
GDSは、市販ジステアリン酸グリセリンである。
DMDBSは、1,3:2,4ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール(CAS番号135861−56−2)であり、MillikenのMillad3988として市販されている。
ステアリン酸Ca Nimbasiaからステアリン酸カルシウム、純粋として市販。
ステアリン酸亜鉛 Nimbasiaからステアリン酸亜鉛、純粋として市販。
Tinopalは、BASFから市販されている2,5−ビス(5−tert−ブチルベンゾオキサゾル−2−イル)チオフェン(CAS番号7128−64−5)である。
実施例の曇価及び黄色度を、ASTM D1003に従って調製された厚さ2mmの60×60mm射出成形板から測定した。射出成形温度を表3及び4に示す。
Figure 0006400212
Figure 0006400212

Claims (20)

  1. (i)ポリプロピレン(PP)と、
    (ii)1,3:2,4ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトールである第1の核剤(NU1)0.03から0.2重量%と、
    (iii)ステアリン酸亜鉛0.04から0.06重量%と
    を含み、
    前記第1の核剤(NU1)と前記ステアリン酸亜鉛が一緒に不等式(If)を満たし、
    Figure 0006400212
    式中、「W(NU1)」は、ポリマー組成物の重量に基づく前記第1の核剤(NU1)の重量[重量%]であり、「W(EAF)」は、前記ポリマー組成物の重量に基づく前記ステアリン酸亜鉛の重量[重量%]であり、
    前記ステアリン酸亜鉛は、前記ポリマー組成物中の唯一の脂肪酸塩である、
    ポリマー組成物。
  2. 前記ポリマー組成物が、第2の核剤(NU2)及び/又は蛍光増白剤(OB)を含む、
    請求項1に記載のポリマー組成物。
  3. (i)前記ポリマー組成物の重量に基づいて95.0重量%を超える量の前記ポリプロピレン(PP)
    (iv)前記ポリマー組成物の重量に基づいて1.0重量%以下の量の第2の核剤(NU2)、及び/又は
    (v)前記ポリマー組成物の重量に基づいて0.100重量%以下の量の蛍光増白剤(OB)
    をさらに含む、請求項1又は2に記載のポリマー組成物。
  4. 前記ポリプロピレン(PP)が、
    (a)プロピレンコポリマーである
    及び/又は
    (b)単相である、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  5. 前記プロピレンコポリマーが、5重量%以下のコモノマーを含む、請求項4に記載のポリマー組成物。
  6. 前記コモノマーが、エチレン及び/又は1種以上のC 〜C α−オレフィンから選択される、請求項5に記載のポリマー組成物。
  7. 前記コモノマーが、エチレン及び/又は1−ブテンから選択される、請求項6に記載のポリマー組成物。
  8. 蛍光増白剤(OB)が、5−メチル−2,2’−(ビニレンジ−p−フェニレン)ビス−ベンゾオキサゾール、2,2’−(4,4’−ジフェノールビニル)ジベンゾオキサゾール、2,5−ビス(5−tert−ブチルベンゾオキサゾル−2−イル)チオフェン、1,4−ビス(2−ベンゾオキサゾリル)ナフタレン、2−(5−クロロベンゾ[d]オキサゾル−2−イル)アセトニトリルからなる群から選択される、請求項2又は3に記載のポリマー組成物。
  9. 前記ポリプロピレン(PP)を前記第1の核剤(NU1)及びステアリン酸亜鉛を210から40℃の範囲の温度で溶融混合して得られる、請求項1からのいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  10. 前記ポリマー組成物が、第2の核剤(NU2)及び/又は任意に蛍光増白剤(OB)をさらに含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
  11. (a)曇価が20から40%の範囲であり、前記曇価が、EN ISO1873−2に従って板加工温度190℃で調製された厚さ2mmの60×60mm板上でASTM D1003−07に従って測定される、
    及び/又は
    (b)黄色度指数がASTM E313に従って測定して−20から15の範囲である、
    請求項1から7のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  12. 黄色度指数がASTM E313に従って測定して−15から5の範囲である、請求項11に記載のポリマー組成物。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載のポリマー組成物を含む成形品。
  14. 前記成形品が、射出成形品又はブロー成形品である、請求項13に記載の成形品。
  15. 前記成形品が、連続射出成形品、同時注入ガス支援成形品、構造用発泡成形品、押出ブロー成形品、射出ブロー成形品及び/又は射出延伸成形品である、請求項14に記載の成形品。
  16. 前記成形品の厚さが0.3から5.0mmである、請求項13から15のいずれか一項に記載の成形品。
  17. 前記成形品の厚さが0.4から3.5mmである、請求項16に記載の成形品。
  18. 前記成形品の厚さが0.5から2.0mmである、請求項17に記載の成形品。
  19. 同じポリマー組成物であるが、ステアリン酸亜鉛の非存在下と比較して、曇価を減少させるための、請求項1から12のいずれか一項に記載のポリマー組成物の一成分としてステアリン酸亜鉛の使用であって、曇価がEN ISO1873−2に従って板加工温度190℃で調製された厚さ2mmの60×60mm板上でASTM D1003−07に従って測定される、使用。
  20. 前記曇価が
    (i)少なくとも5%減少し、
    (ii)少なくとも10%減少し、
    (iii)少なくとも15%減少し、
    (iv)少なくとも25%l減少し、又は
    (v)少なくとも35%減少する、
    請求項19に記載の使用。
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